ホーム » 音楽 » ジャンルなし音楽ファンのこの季節のおすすめミュージック〈1〉
人間の音楽嗜好というのは、幼児期の体験に大きく左右される、というのが私の持論です。
つまりは原体験というやつなんですが、一時期流行った『胎教』、今もされる方は多いのでしょうか?胎教で多く使われたのはモーツァルトだったようですが、『胎教』された子供たちはモーツァルト好きになったのでしょうか?
実は25年程前、我が家で娘が生まれた際、当時市販されて間もないCDのミニコンポを生まれたばかりの娘の周りにおき、静かな音でモーツァルトのピアノ協奏曲をずっとかけていました。
ピアニストのウラディミール・アシュケナージがピアノを弾きながらオーケストラも指揮するという、いわゆる「弾き振り」の演奏ですが、CD一枚が3,800円か3,500円の頃でした。
その娘はどうなったでしょうか?
携帯電話の着信音はいわゆるパンクロック。
部屋から聞こえてくるのは現在進行形のロックミュージックですが、モーツァルトが聞こえて来た事はありません。
ただひとつ、明らかなのは「音が外れていること」「たどたどしいピアノの音」などを、ものすごく嫌う、という事です。
その結果、今一番娘のカンに触るものはなんでしょうか?
私の鼻歌と、私のピアノの練習です。
さて、『風薫る五月』。
好みはいろいろあるでしょうが『一年で一番いい季節』候補の筆頭にあげられるでしょう。
こんな時、お薦めしたいのがアール・クルー(男性・アメリカ)の音楽です。
今でこそ、アコースティック楽器によるジャズやポップ・ミュージックは当たり前になりましたが、アコースティック・ギター、それもクラシック・ギターで非常に広がりのある、誰もが美しいと感じる音楽を聴かせてくれたのには、ちょっと大げさに言えば世界が驚きました。
先駆けてひとつの分野を切り開いたミュージシャンの1人です。
1980年代から2000年代あたりにかけて、テレビのいろいろな番組のBGMとして多用されていましたので、お聴きになれば「ああ、この音楽ね。」と聴き覚えのある曲がたくさんあると思います。
私のおすすめは『奥様は魔女』のテーマ曲で始まる
Earl Klugh Trio
そして3枚のCDを2枚組にまとめた
Dream Come True / Crazy For You / Low Ride
の2点。特に最初の2枚分が素晴らしい。
風薫る5月がさらにさわやかな、美しい季節に感じられますよ。