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【 憲法改定を求める動きを加速させる『北朝鮮の脅威』】

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戦争を放棄している日本国憲法は、多くの日本人にとって誇るべきものである

いかなる武力紛争にも関わらないとする平和主義は、実際に70年間日本が戦争と無関係な国家であることを可能にしてきた

 

 

ジュリアン・ライオール / ドイツ国際放送 2017年5月3日


日本国憲法が施行されて70周年を迎えた5月3日、安倍首相は第二次世界大戦に敗北して以降ずっと日本政府のすべての行為に制約を課してきたこの憲法に変更を加えたいという願望を改めて表明しました。

 

安倍晋三首相は保守派の政治家としてこれまでずっと、国家の安全保障と防衛政策について規定する日本国憲法の一部を書き直したいという『宿願』を繰り返し表明してきましたが、これまではその宿願を実現できる環境を手に入れることができずにいました。

しかしアジア太平洋地域、特に東北アジア地区における外交・安全保障上の状況はこれまでとは異なり、日本人は自分たちが脅威にさらされていると感じるようになりました。

 

特に日本人が恐れるのは核兵器とそれを搭載でき日本を射程圏内に収める弾道ミサイルを手にする北朝鮮の独裁体制です。
日本人のもう一つの大きな懸念は、近隣諸国が領有権を主張している南シナ海の島々を実力で支配下に置き次々と軍事施設等の建設を続けている中国の軍事的台頭です。

中国政府は日本と領海を接する東シナ海においても、沖縄県にある無人の尖閣諸島(中国名は釣魚台列島についても同様に領有権主張をしています。
中国の沿岸警備艦はこの島々がある日本の領海に頻繁に侵入しては出て行くという示威行動を繰り返し、領海から出て行くよう求める日本側の警告を無視する行動を繰り返しています。

 

北朝鮮が挑発的行動をエスカレートさせ緊張が高まる中、米国のトランプ大統領はアジアの同盟国との関係を重視する姿勢を具体化させています。(写真上)

 

▽ 手直しが必要?

平均的日本人にとって現在は北朝鮮や中国との関係が『懸念される時代』であり、交付されてから70年が経つ現在の憲法は今日の状況には合わなくなってきており、見直すことが必要であるという提案が説得力を持つようになっています。
そして変えることが最も『必要な』部分は、日本は「永遠に戦争を放棄する」こと、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と規定している第9条です。

日本の歴代の政権はこの条文について日本の国土を防衛する権利までは制限していないと解釈し、実質的な軍隊である自衛隊の存在は合法的であるという見解を引き継いできました。
そしてその結果。自衛隊はその規模も戦力も拡大を続けてきました。

 

しかし自衛隊の戦力がどれほど大きくなろうとも、日本国憲法第9条はその軍事力の行使については厳しく制限しています。

憲法記念日の数日前に共同通信社が実施した世論調査によれば、回答した人の49%が、第9条を見直す必要があると回答し、いかなる変更にも反対すると答えた47%を上回りました。
安倍氏の首相就任後の2012年12月に実施された世論調査では、国民の51%が第9条の改定に反対し、45%が改定を支持していました。

 

安倍首相は長年の『宿願』に対する支持が高まったことを受け、憲法改定についての議論を開始することを誓いました。
安倍晋三首相は自民党が主導する会合で、「日本国民に対し自信を持って、この国の未来がどうあるべきかという私たちのビジョンと理想的な憲法のあり方」を自信をもって示すべきだと語りました。

 

▽ 平和で豊かな
安倍首相は東アジア地区で高まっている安全保障上の脅威から、日本国内の人口減少や労働力の縮小に至るまで、国が抱える課題について具体的に言及し、自分が「平和で豊かな日本の未来を切り開いていく」と語りました。

保守派の人間の多くは、現在の憲法が太平洋戦争後の混乱の中、強大な力を持っていた同盟国によって敗戦国の日本に課せられたものであり、今日の現実を反映する必要があると感じています。

福井県立大学国際関係学部の島田洋一教授はドイチェ・ベレの取材に「第9条は何年も前に改訂されるべきだったと思う」と答えました。

 

「日本が脅威に直面していることは明らかであり、その状況は年を追うごとに深刻になっています。」

奥村教授がこう語りました。

「生物兵器や化学兵器はもちろんのこと、核兵器とミサイルを装備した北朝鮮がもうそこまで迫ってきているのです。キム・ジョンウン体制の北朝鮮がこれらすべての兵器を開発済みであることは疑いないのです。」

「北朝鮮問題は目前に迫った脅威ですが、長期的視野に立った場合日本の主権を脅かすことになるのは中国の領土的野心です。その実例を南シナ海を囲む各国は厳しい教訓とともに突きつけられました。」

「現在の憲法は私たちが基本的に隣人を信用しなければならないとしています。しかし、中国、北朝鮮、あるいはロシアといった国々を信頼するよう求められることは非現実的な事ではないでしょうか。」

そして奥村氏は最後にこうつけ加えました。

「私たちは自分自身で身を守る能力を身に着ける必要があります。」

 

国際基督教大学で国際関係論を専攻するスティーヴン・ナジ準教授は、安倍首相が長年望んできた日本国憲法を改定するための諸条件を初めて揃えることができたと確信しています。

「日本人を悩ませている短期要因は北朝鮮です。北朝鮮はすでに核弾頭や化学兵器を日本国内の目標に打ち込むことを可能にする各種のミサイルを開発済みです。」

ドイチェ・ヴェレの取材にナジ準教授はこう答えました。

 

「日本が脅威に直面していることは明らかであり、その状況は年を追うごとに深刻になっています。」

奥村教授がこう語りました。

「生物兵器や化学兵器はもちろんのこと、核兵器とミサイルを装備した北朝鮮がもうそこまで迫ってきているのです。キム・ジョンウン体制の北朝鮮がこれらすべての兵器を開発済みであることは疑いないのです。」

「北朝鮮問題は目前に迫った脅威ですが、長期的視野に立った場合日本の主権を脅かすことになるのは中国の領土的野心です。その実例を南シナ海を囲む各国は厳しい教訓とともに突きつけられました。」

「現在の憲法は私たちが基本的に隣人を信用しなければならないとしています。しかし、中国、北朝鮮、あるいはロシアといった国々を信頼するよう求められることは非現実的な事ではないでしょうか。」

そして奥村氏は最後にこうつけ加えました。

「私たちは自分自身で身を守る必要があります。」

 

国際基督教大学で国際関係論を専攻するスティーヴン・ナジ准教授は、安倍首相が長年望んできた日本国憲法を改定するための諸条件を初めて揃えることができたと確信しています。

「日本人を悩ませている短期要因は北朝鮮です。北朝鮮はすでに核弾頭や化学兵器を日本国内の目標に打ち込むことを可能にする各種のミサイルを開発済みです。」

ドイチェ・ヴェレの取材にナジ准教授はこう答えました。

 

▽ 長期的課題

 

「日本にとっての長期的課題は中国の存在です。東アジア地区において急速に存在感を大きくしている中国は、私たちがこの目で見てきたように南シナ海で、そして東シナ海でも軍事的な圧力を大きくし続けています。

「安部首相はこうした状況に、力で対決するため日本の軍隊の存在を正式に認めさせることについて、重要性と合理性があると考えるようになったのです。」

ナジ准教授はこう強調しました。

 

しかし日本国憲法によって保障され、いかなる武力紛争にも関わらないとする平和主義は、実際に70年間日本が戦争と無関係な国家であることを可能にしました。

そして現在、平和主義に対する世論の支持はむしろ上昇傾向にあります。

戦争を放棄している日本国憲法は多くの日本人にとって誇るべきものです。

こうした日本の人々の意識こそ、安部首相が憲法第9条の内容を大幅に変えてしまう事は不可能だと、ナジ准教授が信じる最大の理由です。

 

「安部首相はこの数年、日本の安全保障政策の一環として日米同盟の重要性を強調してきました。そのためには日本の自衛隊が同盟国、実際には米軍と協同の軍事行動を行う上で障害となる制約を取り払う必要があります。そのために憲法第9条の条文の変更が必要なのです。」

 

日本政府は自国の軍事力を法的に正式に規定した上で国際舞台での軍事行動を可能にするする法律の整備にこだわりを持ち続けており、こうした部分の法整備を今後も続けて行くことになるだろうと付け加えました。

「私は安倍首相が日本国憲法に思い切った改変を加えることができるとは考えていません。

しかし防衛能力と日米の軍事同盟を強化することによって、現実を変えていくことは可能だと考えています。」

 

http://www.dw.com/en/japans-new-drive-to-rewrite-constitution-amid-north-korea-threat/a-38672296

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日本の人びとだけでなく、世界の心ある人々も人類の理想だと考えているのが日本国憲法第9条です。

日本国憲法の成立の経緯がどのようなものであれ、ベトナム戦争に参戦「してしまった」韓国などと比べても、70年もの間平和主義を貫いてきた日本は、世界中から特別の尊崇を受けてきました。

それほど価値あるものを、北朝鮮の半分狂人としか思えない体制に振り回された挙句捨ててしまうなど、許されて良い話ではない、個人的にはそう考えています。

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