ホーム » エッセイ » 共和党大統領候補のミット・ロムニー、ちょっと変わった奴を標的に、典型的ないじめを行った。私は彼と一緒に野犬の群れを作っていた。
かつての高校のクラスメートが暴露
デイヴィッド・ミュアー / アメリカABCニュース 5月10日
クランブルック·スクールからミットロムニーの1965年の高校卒業アルバムの写真。
共和党の大統領候補、ミット・ロムニーのかつ ての高校の同級生は、高校生だったロムニーがミシガン州のクランブロック・ハイスクールで2度「暴行や殴打」事件を起こしたことがあり、また自身の体験としてロムニーが数人がかりで地面に押さえつけた級友の髪を切るための鋏を持ち歩いているのを目撃したことがある、とABCテレビに語りました。
「それは、今でも心につきまとう記憶です。 私はこのことについて正直に打ち明けた方が、みんなのためになると思ったのです …。たまたま見かけた相手が他とちょっと違う、そんな理由で引きずり倒され脅された人の目を一度見れば、誰でも忘れることが出来ないほど の衝撃を受けるはずです。それが私たちが彼と袂を分かった理由なのです。」
現在は弁護士になり、未だにロムニーのことを旧友だと考えているというフィリップ・マック スウェルがこう語りました。
「私は自分自身の目で目撃したのです。」
マックスウェルはワシントンポストが第一報を伝えた話の内容について、こう語りました。
ロムニーは、ジョン・ローバーの奴はきっとゲイに違いないから、奴の長い髪を切ってしまえと言って鋏を取り出しました。
「そして髪の毛をギザギザに切り刻んだのです。髪の毛がごっそり切られました。」
マックスウェルはラウバーの手足を押さえつける係で、自分も含めたその時の仲間たちについて「野犬の群れも同様だった」と語りました。
第一報を報じたワシントンポストにローバーはゲイだったためにいじめの対象になったのか、との問いに対し、マックスウェルはこう答えました。
「当時はゲイという言葉の意味が解らなかったので、別の言葉を使っていた。しかし、同性愛についてはおぼろげながらわかっていたが、ともかくもゲイという言葉は使っていなかった。」
ジョン・ローバーは2004年に亡くなりましたが、姉のクリスティン・ローバーは弟とロムニーとの間のこの事件については聞いたことが無い、とABCニュースに語りました。
彼女は事件当時は大学生で、弟の生活と彼女の生活との間の接点はあまり多くは無かった、と 語りました。
「実際にその事件があったとしても、ジョンは、おそらく何も言わなかったでしょう。」
「彼が今でも生きていたら、その話には激怒していたでしょう。」
彼女は目に涙を浮かべながらこう語りました。
「その頃は二人とも16歳の学生だったのです。それに40年も前の話じゃありませんか!」
ロムニーは高校生時代いたずらを繰り返してい たことを謝罪しましたが、この事件に関する記憶は無い、と語っています。
そして教室で同性愛が冗談の対象になった時、その問題についてはほとんど関心の外だったはずだ、と語りました。
彼は今日のラジオのインタビュー番組の中で、45年前のこの逸話について、一笑に付しました。
ロムニーがいじめを繰り返していたという指摘について、疑問を突き付けられたマクスウェルはこう反論しました。
「何てことだ、私を疑うなんて。私は当時彼を止めなかったことを後悔し、そんな自分をいわば罰するためにこの話をしたのです。もっと早くにこのことを打ち明けていたら、私の心も軽くなっていたはずです。」
「これでも信じてはもらえませんか?」
「その時ローバーの顔に浮かんでいた表情は何とも言えない物でした。忘れようと思っても忘れられるものではありません。」
マックスウェルが続けました。
「地面に押さえつけられたローバーの顔に浮かんでいたのは、同性愛なんてまるで考えられない、そんな訴えだったと思います。」
「これは典型的ないじめです。」
マクスウェルの政治信条は中立であり、最近は民主党に投票することが多いが、過去には共和党の支持者だったと語りました。
彼はもしロムニー候補の父親であるジョージ・ロムニーが共和党の大統領候補指名を勝ち取っていたならば、共和党に投票しただろうと語りました。
彼はオバマ大陣営に対する寄付もしていないし、ボランティア活動も行ってはいない、と語っています。
マクスウェルは彼が今回この件について告白したことは、ロムニーに何らかの影響を与えずにはおかないだろう、と語りました。
「私は彼と一緒に育ちました。私たちは、小学校では親友同士で、その後も常に友人でした。ミットは素晴らしい、非常に明る い、非常にエネルギッシュな人間であり、生涯を通しての大切な友人ですが、この件は我々が知らなかった一面を露わにしました。」
マクスウェルはこの件はロムニーの人間としての一端を表しており、今回の大統領選挙に一定 の影響を与えることになるだろう、と語りました。
ワシントンポストの記事への対応策として、、ロムニー陣営は今日、クランブルック・ハイスクールの別の同級生2人のコメントを発表しました。
「ミットは思慮深く、ユーモアのセンスにあふれ、クラスメートにも思いやりを示す男だった。彼はハイスクールの生徒が受け ていたプレッシャーを和らげるために、いつも良いアイディアを持っていた。彼は羽目を外したり、愚かな振る舞いに及ぶことは無かった。も ちろん、道化役でもなかった。」
かつてのクラスメートのリチャード・ムーンはこう語りました。
別の級友のジョン・フレンチはこう語っています。
「ミッ トは悪意を隠し持っているような人間ではない。彼をいじめを行うような人間として性格づけようとしたり、そんな話を流布させようとするのは不合理な話だ。」
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +
「同性の結婚を認める!」と表明したオバマ大統領のもとには一晩で1,200万ドルの寄付が集まり、共和党大統領候補の方は同性愛に関わるいじめの疑惑が…
アメリカ大統領選挙は、思わぬことが争点になり、決着してしまうかもしれませんね。
海外のニュースを翻訳するようになって以来、アメリカのニュース番組で一番多く取り上げられていたのは、共和党の大統領候補者選びの話題でした。
直接関係が無いので訳したことはありませんでしたが、ひとつだけずっと思っていたことがありました。
それは党の代表を選ぶために、候補者が一緒に全国津々浦々を、長い時間をかけて巡って歩くのは良いことだな、というものです。
長い間、たくさんの聴衆を前に互い討論を繰り返しているうちに、いろいろなボロがどんどん出てくるし、何を考えているかがはっきりとわかるからです。
つまりはその候補者の何もかもが見えてしまう、ということです。
見るともなく見ていたニュースでしたが、次々に候補者が「自滅していく」中、生き残っていくのは相当な試練のようでした。
これに比べると、日本の首相の選び方には大いに疑問を感じざるを得ません。
実際、今の首相についても、いったい誰がどの部分を支持してその地位に就いたのか、ちゃんと説明できる人などいないのではないでしょうか?
我々がその人となり、そして持っている信念なども確かめるチャンスなど無いまま、いつの間にか首相として君臨していました。
しかも、やることなすこと、というのが大方の人々の感想のように思います。
イギリスは保守党も労働党も、党の候補者になるための「資質と品性」に関する審査は厳格を極め、強行採決をするためにプロレスラーが国会議員になるなどはあり得ない話のようです。
そして有権者一人一人の問いに、誠実に受け答えすることを要求されます。
それができないなら、政治家としての資質は無いとみなされます。
私たちも参考にしませんか?