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過去にニューヨークを襲ったハリケーンの被害を振り返る
- アメリカNBCニュース 8月26日(日本時間27日)
ブライアン・ウィリアムス
過去に襲ってきた巨大な、そして忘れる事のできない名前のハリケーンの大きさを検証してみましょう。もちろんニューヨークが毎日ハリケーン襲来の警報が発せされる訳ではありませんが、今夜は違います。 NBCのレヒーマ・エリスがローワー・マンハッタン地区のバッテリーパークにいます。
レヒーマ、ハリケーンが最高潮に達した時にあなたがそこにいると、高潮によって頭のてっぺんまで沈んでしまうそうですが、本当なのでしょうか。
レポーター:ブライアン、それは本当ですし、私たちがいちばん懸念している事なんです。
しかしここニューヨークでは、人々はハリケーンが大波を起こす熱帯水域からは離れているし、まあ、大丈夫だろう、ぐらいに考えがちです。しかし、そうではないのです。
度々あった訳ではありませんが、ここでもハリケーンの被害は発生しているのです。
1985年9月、ニューヨークを襲ったハリケーン『グロリア』は、その年最も大きな被害をもたらした嵐のひとつだったのです。
当時の放送「ハリケーン『グロリア』は、SF映画が飛び出したモンスターのように今夜、東海岸に移動している。」
レポーター:風速100マイルの暴風を伴い、家々を破壊し、木々や送電線をなぎ倒しながら、ニューヨーク都市圏に狙いを定めて移動しました。当時、ロングアイランドの公益事業会社に勤務していたロン・ヌーンは、嵐の間に電力を失った75万人分の世帯の復旧のために3週間働き詰めでした。
「それは最も忌むべきたぐいのものでした。多くはありませんでしたが、中にはあまり見たくはない振る舞いに及んだ人々もいたのです。」
レポーター:『グロリア』はこの25年でニューヨークを襲った最初のハリケーンでしたが、1960年にはハリケーン『ドナ』がこの年を襲いました。
当時の放送「地下鉄に大きな被害が発生し、無数の車が立ち往生しています。」
レポーター:ニユーヨークの埠頭では11フィートの高潮を観測し、船舶が破壊され、街中の交通網が機能停止に陥りました。ハリケーンの被害は地域一帯に広がりました。
その他には『ロングアイランド・エクスプレス』という1938年の悪名高いハリケーンがありました。
その強力な嵐によって、ニューヨーク市で10人が死亡しました。当時の新聞の見出しを見る事ができます。
「ある地点での暴風は風速120マイルを上回っていました。それは、ロングアイランドの風景を変えてしまうほどだったのです。」
レポーター:しかし実際には、ハリケーンの中心は1821年以来、ニューヨーク市を直撃した事は無いのです。1821年のハリケーンは13フィートもの高潮を引き起こしました。つまり私が今立っているこの辺り一帯を水没させたという事であり、今人々が 恐れているのは、それが再現される可能性があるからなのです。
ブライアン・ウィリアムス
なんという事でしょう、レヒーマ、想像するだけでも恐ろしい光景です。
何かのきっかけによってハリケーン『アイリーン』が、この地を外れて行ってくれる事を願うばかりです。
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3.11の後2週間程して宮城県女川町の友人を見舞った際に、そのお父さんから聞いた話です。
「昭和三陸大津波の経験者の中に、今度の津波で流されてしまった人が多いんだよ、『津波はここまでは来ない』って言ってね.....」
自然というものが、人間の頭脳では捉えきれないほどのスケールを持っている、という事を証明したのが東日本大震災でした。
しばらく前の原稿に[アリゾナのダスト・ストーム 「この地上のボスは誰?!」]http://kobajun.biz/?p=701 という原稿がありましたが、まさに大自然、母なる自然の前には常に襟を正しておくのが穏当というものかもしれません。
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