ホーム » エッセイ » 【アメリカでは5人に1人のこどもが貧困層】
- 新しい児童福祉調査結果から -
アメリカNBC放送・ナイトリー・ニュース 8月17日
今夜ご紹介する新しい統計は、この国では5人に1人、合計1,500万人の子供が貧困の中にあり、ほぼ3人に1人の子供が、親が年間を通しフルタイムの仕事を持たない家庭で暮らしていることを報告しています。
今日はクリス・ジャンシングが私たちと一緒にスタジオから、一向に回復しないこの景気低迷が、特にこの国の子供たちにどのような打撃を与えているかをご報告します。
本当に厳しい状況です。
こう言えばおわかりいただけると思いますが、アメリカ国内の実に4世帯に1世帯は、貧困とされる水準年収22,350ドル(約175万円)以下の生活を送っているのです。
高い失業率と多数発生した差し押さえによって、1990年代後半に子供の貧困を減らすためにとられた、さまざまな対策が一掃されてしまった事が、新しい調査で明らかにされました。
イダルゴ家の父親「大丈夫、僕も手伝うよ。」
レポーター:フロリダでの生活は、イダルゴの家族にとっては素晴らしいものでした。
父親のエンジェルは、ビル会社の部長を務めていましたし、母親のアニーは、銀行の出納係でした。
家を購入し、子供たちの学校での成績も申し分ありませんでした。
しかしちょうど1年前、両親は仕事を失ってしまいました。
父親「わたしたちはアメリカン・ドリームを持ってました。でも今やそれはドブに流されてしまいました。」
レポーター:イダルゴ一家の例は、アメリカの子供たちを襲う経済の一側面を描きだしています。全国約1,500万人の子供、5人に1人の子供が貧困水準以下の生活を強いられています。
いちばんの原因は一向に改善されない高い失業率です。
2,300万人もの子供の親が、フルタイムの仕事を持ってはいません。
そして500万人以上の子供たちが、全国で繰り返されている差し押さえの、年端も行かぬ犠牲者たちなのです。
仕事を見つけることができない今、イダルゴ一家は購入した家を失う瀬戸際にいて、子供たちも不安に苛まれています。
イダルゴ家の長男「夜ベッドに入ると、明日は僕たち一家がどうなっているかわからない、って不安になるんだ。」
記者:彼らの物語は、調査結果が示す不幸な結末通りです。
アニー・ケイシー基金ローラ・スピアー
「こうした子供たちは、大学や高校を卒業する可能性が低くなる傾向にあり、それが生涯賃金の低下などへとつながって行くのです。
結果的には、こうした打撃が世代を超えて波及していってしまうのです。」
いくつかの良いニュースがあります。
児童や未成年者の死亡率は低下しています。
また10代の妊娠率や中退率も低下しています。
しかしそんな事はこの15歳の少女にとっては、わずかな慰めでしかありません。彼女は心理学者になる事が夢ですが、現実には来年学校に残る事すら難しい状況にあります。
イダルゴ家の長女「本当にたくさんの人々が、こんな辛い目にあっているんです。本当につらいです。」
レポーター:厳しい現実 - 数百万人の子供たちにとっての厳しい現実は、弱々しい経済成長が、こうした子供たちの生活を守るまでの力を持っていない、という事です。
ご紹介したような家族には、遥かに遠く及んで来ないのです。
クリス・ジャンシング、レポートをありがとう。
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コツコツ働いている人が報われない社会、子供が大切にされない社会はロクなものではない、というのが私の持論ですが、このビデオの終わりの方で女の子が泣きながら訴えるシーンにはやはり胸がつまります。
私も幸いな事に娘が数年前に大学を卒業し就職、息子も来春大学卒業の目処がつき、今年からあしなが育英会に自動引き落としの寄付を始めました。もっとも息子の方は今月大学院の入試があり、もうしばらくは学費の払い込みをがんばらなければならないようです。
けれども東日本大震災の被害の実態が明らかになるにつれ、子供たちも大変な思いをしている事がわかるようになり、昨日寄付金学の増額の手続きをさせていただきました。
それにしてもあしなが育英会などの、子供たちのために懸命の努力を続けていられる方々には、本当に頭が下がります。
こうした方々こそ、私たちの社会が壊れないようにしてくださっている人々なのだと思います。
日本の国会議事堂の中のいろいろな意味の『多数派』のみなさん、子供たちを守るために真剣に働いていますか?
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