ホーム » エッセイ » 『国家の主人公、それは国民』独裁者プーチンに立ち向かえ!〈第3回〉
【ロシアでも成長を続ける市民運動】立ち上がる市民たちが、国を変える!
「善王待望論からの脱却・国を造るのは一人一人の国民」
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情報連絡協議会は、同じひとつの目標のために連合しました。
プーチン(=クレムリン)によるムラ社会方式の偽りの民主主義体制による支配を打ち崩し、名実共に整った民主主義社会をロシアに建設する事です。
そのクレムリンに支配された治安警察が、前のチェス世界チャンピオンであり、反政府活動家のギャリー・カスパロフを拘留します。
▽劇的な変化
隣り合わせのバタイスク市では、住民たちが選挙に不正があったとして裁判所に提訴しました。
ロシア北部のコミ共和国のウシンスクでは、環境保護グループが石油会社がポヒョラ川を汚染しているとして立ち上がりました。
そしてサンクトペルブルグでは若い弁護士が原則無料奉仕で、妊娠している女性労働者の相談に応じ、雇用者側との交渉を行っています。
プーチンの政府が民衆の活動を制限する法律を新たに制定するなどしているにも関わらず、ロシア全土では何千という非政府組織が民主化のため活動しています。
このような変化の兆しは、社会の下の方から始まっています。
これは常に偉大なツァーリ(皇帝)の登場を待ち望む事しかしてこなかったロシア1,000年の歴史の中で、初めて起きたパラダイム・シフト(ある時代・集団を支配する考え方が、非連続的・劇的に変化すること。社会の規範や価値観が変わること)です。
モスクワの戦略研究センターでは、ここ数年、ロシアの社会の構成がどう変わるか研究してきました。
同センターは2012年冬に大規模な反政府デモが発生する事を予測した、唯一の機関でした。
「我々は今、プーチン政権と人々の間の溝が、ますます大きくなっているのを目撃しているのです。」
戦略研究センター長のミハイル・ドミートリーブがこう語ります。
そして反政府デモの参加者が減少している事や、ナヴァンリー(第一回に登場)や、かつての副首相で現在は反プーチン政権のリーダーの一人、ボリス・ネムトソフへの支持率の低下を、単純に自分たちへの支持が高まったと喜んでいますが、
「プーチン政権は思い違いをしているようです。」
経済学者であるドミートリーブは、現在のロシア人の心情を表しているいくつかの統計があると語ります。
彼はプーチン登場当時、その『改革』を成功を心から喜んだ一群の人々がいた事を把握しています。
そして一日2ユーロ以下の生活費で暮らしていた極貧層を、どれだけ減らすことができたかについても通暁しています。
そしてロシアで中間層が増え続けている事についても、現在はロシア人100人につき180台の携帯電話が普及している事など、具体的数字をあげて説明する事ができます。
さらに別の統計によれば、ロシア国民は現在猫の食事のために、アメリカ人以上の出費を行っています。
ロシア社会の変革は、市民の間から始まることになるでしょう。
〈完〉
http://www.spiegel.de/international/world/grassroots-movement-gains-momentum-in-russia-a-868338.html
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要は『善王待望論』、日本なら『水戸の黄門様待望論』では民主化は進まない、という事でしょう。
ひどい世の中が続いても、いつかは善王や黄門様が現れ、悪人ども懲らしめ、暮らしやすい世の中にしてくれる、そんな願いは大なり小なり誰にでもあるでしょうが、そんな人ばかりが多い社会では民主化は進みません、そう教えてくれているようです。
しかし日本の大手メディアはその『善王待望論』を、できるだけ多くの日本人の潜在意識の中に刷り込もうとしている、どうもそう思えてならないのです。
これに対し、アメリカCNNニュースは【 戦争とは何か?! そんなことも解らぬうち、殺されてしまったこどもたち 】( http://kobajun.biz/?p=6399 )でご紹介した通り、イスラエル軍がパレスチナ市民に対する攻撃を行っていた最中、読者に向かい「暴力を止めさせるため、あなたも声を上げてください」と呼びかけました。
アメリカには強力なユダヤ人ロビーがあり、下手をすればCNNにとって望まぬ状況に追い込まれるリスクがあったはずですが、異例ともいえる呼びかけを行いました。
ツイッターやフェイスブックが市民のための強力なツールとなり、3.11以降、積極的に市民が参加してもっと民主的な社会を築いていこう、そうした意識が強まっていることを感じます。
なぜそれが、日本の大手メディアにとっては『望まぬ状況』なのでしょうか?
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【 サケ釣りシーズン到来 】
アメリカNBCニュース 1月15日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)
英国ではサケ釣りが解禁となり、スコットランドのケンモアでは早速釣り人達が釣竿を抱え、列をなしてティ森林公園にあるティ湖とそこにつながるティ川に集まってきました。
2歳になったキーア・ガワンが大きな玉網を抱え、大物が釣れるのを待ちわびています。