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落ち込む日本の実質賃金、一層鈍る家計支出

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所要時間 約 4分

賃金上昇により消費支出が回復して目標の2%のインフレ率達成が実現するという日銀の楽観的見通しに疑念

 

木原麗華 / ロイター 2018年3月9日

今年1月の家計支出は落ち込みから回復する動きを見せたものの、一般勤労者の実質賃金はこの6か月で最大幅の落ち込みを記録し、2018年に入り消費支出が勢いを失っています。

日本経済は28年ぶりに最長期間の経済成長を記録しているとはいえ、この先その勢いを失い下落傾向に転じる懸念が出てきました。

 

3月9日に発表された膨大な量のデータは、好調な企業業績により一般勤労者の賃金が上昇して消費支出が回復し、その結果目標としている2%のインフレ率達成が実現するという日銀の楽観的見通しに疑念を生じさせることになりました。

賃金上昇の弱さも上記のような市場の予測を裏付ける可能性があります。

市場のアナリストは、日本銀行が現在行っている大規模金融緩和策を打ち切るタイミングは、他の主要先進国と比べ大きく遅れることになるだろうと分析しています。

キャピタル・エコノミックス(Capital Economics)のエコノミスト、マルセル・ティリアン(Marcel Thieliant)氏は、

「2018年1月の基本給与の減速は、日本銀行がすぐには金融緩和政策から撤退することができない状況にあることを示唆しています。」
「企業に対し大きなコストアップ圧力をかけるためには、賃金は現状よりもはるかに速いペースで上昇しなければなりません。」
日本政府が公表したデータによれば、2018年1月の家計支出の伸びは1.9%で、昨年12月の伸びよりも0.1%減速しました。

しかし公表されたデータを詳細に検討すると、1月の支出の増加は寒さが異常に激しかったことによる値上がりにより燃料費や医療費の負担増を強いられたことによるものでした。

インフレ調整後の2018年1月の一般勤労者の賃金は前年同月比で0.9%低下し、2017年7月の1.1%の下落以来の最大の落ち込みを記録しました。

こうした結果を受け、日本政府が大企業各社に対し年一回の賃金改定のタイミングで3%以上の賃金引き上げを迫ることは確実と見られています。

その結果は2週間ほどで明らかになる予定です。

 

しかし企業側は価格の動向に敏感な消費者の反発を恐れて製品の販売価格等の引き上げには慎重になっており、こうしたことも日銀のインフレ率を上昇させる取り組みの妨げになっています。

 

2月のサービス部門の景況感は10カ月ぶりに3カ月連続で悪化し、消費者支出の脆弱性を強調することになりました。
日本政府は、1月から消費支出調査のうち家計調査データの調査方法を簡略化しましたが、これが今回の結果に影響している可能性があります。

 

一部のアナリストは、一般世帯の消費支出データは、限られた数の家庭サンプルから集められており、それが支出に積極的ではない高齢世帯に偏る傾向があり、小売売上高データよりも変動幅が大きく、結果的に小売部門の売上高調査より悪い数字が出やすいと指摘しました。

 

https://uk.reuters.com/article/uk-japan-economy-spending/japan-real-wages-slump-overshadow-rebound-in-household-spending-idUKKCN1GK398

行政の疑獄事件に首相夫人が関与の疑い、安倍首相の政治生命は?

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所要時間 約 10分

2017年夏の政権支持率の急落を『乗り越え』、衆議院解散総選挙で一方的勝利を手にした安倍首相の計算は?

安部首相が今回の疑惑から素早く脱出し、その姿をくらますための『煙幕装置』はもう存在しない

 

ダニエル・ハースト/ ガーディアン 2018年3月12日

日本の安部首相と夫人が関わったとされ悪循環に陥った便宜供与疑惑は、財務省が記録を改ざんして安倍首相夫妻への言及をすべて削除するという改ざんを認めたことにより、他方面からの批判に火をつけました。

安倍晋三首相は新たな事実が暴露されたことについて、「行政全体の信頼を揺るがしかねない」と事実関係を認め、「国民に深くおわびする」と謝罪を口にしました。

 

安部首相は以前、大阪の国家主義者の学校経営者に売却された国有地の価格を大幅に引き下げることに、自身あるいは夫人が関与していることが関わっていたことが証明されれば、首相を辞任すると語っていました。

日本の財務省は3月12日、問題の国有地の査定額を85%引き下げる決定を行ったことに関係する複数の公式文書を改ざんしたと認めました。
文書のうちの1点は、改ざん前は教育機関の森友学園に言及したものであり、安部昭恵夫人は小学校建設について「良い土地ですから前に進めてください」と勧めていたとの記述がありました。

しかしこうした記述は国有地売却問題を調査していた議員に提出された段階では削除されていました。

共同通信社によると、この時提出された文書には、「学校の教育方針に涙が出るほど感動した」と恵夫人が語ったという記述も抹消されていました。

さらに財務省の当局者は、森友学園のトップも加盟していた保守派のロビー団体である日本会議を安倍首相が支持しているという記述も削除しました。

森友学園が経営していた幼稚園では、園児たちに皇室の肖像写真の前で深々とお辞儀をさせ、君が代を毎日歌い、国のために自分の身を犠牲することの崇高さを称える1890年公布の教育勅語を学ばせていることで注目を集めていました。

 

安部昭恵夫人は森友学園が新設する小学校の名誉校長を務めることになっていましたが、昨年2月国有地の不正売却疑惑が持ち上がった段階で辞任しました。

安倍政権は先に、昭恵夫人が森友学園の幼稚園を訪問した際、首相に代わって現金100万円が入った封筒を学園の経営者に与えたという主張を否定しています。

学校関係者への不正な便宜供与スキャンダルが繰り返された昨年、政権の支持率は急落しましたが、安部首相はそれを乗り越えたかのように10月に行われた衆議院の突然の解散総選挙では一方的な勝利を手にしました。

しかし今回の暴露により、安倍首相と麻生太郎財務大臣に対する政治的圧力は強まっています。

麻生外相は12日午後、辞任の意思がないことを改めて表明しましたが、改ざんについては謝罪しました。

 

今年9月には自民党の総裁選挙が予定されており、安倍首相は自民党党首として3期目を確保すると同時に、首相の職に留まり続けることを希望しています。
しかし顧問会社のテネオ・インテリジェンスのトビアス・ハリス副社長は次のように語りました。

「安倍首相を今回の疑惑からいち早く脱出させるべく、その姿をくらますための『煙幕装置』はもはや存在しないと思います。」

「そして自民党のベテラン議員たちに、さらに3年間総裁の任期をこなすことを納得させるのは非常に難しいと思います。」

 

https://www.theguardian.com/world/2018/mar/12/japan-shinzo-abes-political-future-in-doubt-as-wife-linked-to-cronyism-scandal

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12日以降の安部首相の対応を見ていると、ここはもう無理スジでも何でも強引にすべて否定してやり過ごそうという底意が透けて見えます。

そのために官僚が何人犠牲になっても、アベ・アソウさえ生き残れば良いのだと言っているかのようです。

今回の事件を財務省の一部の官僚に押しつけようという動きがあからさまですが、前川喜平氏に対する文部科学省の省ぐるみの嫌がらせを見ても、打ち続く官僚の腐敗と暴走を止めるには、火の元凶である安部政権を止めることこそ必要なのではないでしょうか?

安倍政権の誕生以降これまで各国各紙の記事を翻訳しご紹介してきた通り、先進各国のメディアは実に6年間に渡り『日本の民主主義は危機的状況に陥っている』と繰り返してきました。

この状況を見て、私たちはどんな行動をとるべきなのでしょうか?

 

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【 日本の財務省、安倍首相の昭恵夫人に関する記述のある公文書を改ざん 】

国民の8割が「安倍政権は一連の疑惑に適切な対応を行っていない」

 

ドイチェ・ヴェレ 2018年3月12日

国有地を自分の支持者に法外に安い価格で払い下げた問題について、関連する公文書から安倍首相本人、昭恵夫人、麻生財務大臣の3人の名前を削除したことを日本の財務省が認めました。

安倍首相はこの件で支持者に対し職権によって便宜を図ったという疑惑を持たれており、批判が高まっています。

昨年、大阪府内の国有地を首相夫人の昭恵氏とつながりがある国家主義者の学校運営者に市場鑑定価格を大幅に下回る価格で売却したことが報じられ、一挙に問題化しました。

 

麻生太郎財務大臣は同省の職員が14通の公式文書を改ざんしたことを認めましたが、その目的は安倍晋三を擁護するためだったとは考えていないと語りました。

野党の議員らは3月12日月曜日、安部首相自身の名前に加え、昭恵夫人、麻生財務大臣の名前が削除されたことを明らかにするため、改ざんされる前と改ざん後の両方の文書を公開しました。

 

「公式文書の改ざんは非常に重大な問題であり、誠に遺憾。陳謝いたします。」

記者会見で麻生財務大臣がこう語りました。

「重要なのはこうしたことが二度と起こらないようにすることであり、我々は調査に全面的に協力しています。」

▽国税庁長官の辞任

 

麻生財務大臣は、佐川宣寿国税庁長官が6日金曜日辞任したことについて問われると、一連の事件の責任をとって辞任する意思のないことを強調しました。
佐川氏は事件が明るみに出た当時、国有地売却を担当する財務省理財局の責任者を務めていましたが、事件の最中に国税庁長官に抜擢されました。

一方、今回のスキャンダルに関係していたとみられる財務省職員が3月初旬自殺しました。

 

麻生財務大臣は問題とされている文書は佐川氏の国会における答弁と整合性がとれるように内容が書き換えられたと語りました。

野党側は、問題の渦中にいる私立学校経営者の籠池康則氏が国有地の払い下げ価格を引き下げるために、安倍首相と昭恵夫人との関係を利用したものだと非難しています。

 

安倍昭恵首相夫人は問題の土地に建設される予定だった小学校の名誉校長の地位に就いていましたが、スキャンダルが発覚すると辞任しました。

安部首相は国有地が不当に安く払い下げられた問題に、自身あるいは夫人が関わっていた証拠が示されれば首相を辞任すると語っていましたが、今回の公文書の書き換え疑惑は安倍政権にダメージを与える可能性があります。
月曜日に発表された世論調査では、安倍首相への支持率は先月から6ポイント低下し48%に下がりました。

回答者のうち80%の人々が安倍政権は一連の疑惑に適切に対応していないと答えました。
安倍晋三首相は9月に行われる自民党総裁選挙で3期目の就任を目指しています。

 

http://www.dw.com/en/japans-finance-ministry-admits-to-doctoring-documents-linked-to-abes-wife/a-42931303

財務省内部文書の改ざん – 安倍昭恵夫人、麻生財務相の名前を削除

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所要時間 約 8分

安倍首相と昭恵夫人による直接介入を覆い隠す『煙幕装置』はもはや存在しない

現場の官僚たちが公文書を改ざんするような権限を持っていたとは考えられない

 

スタンリー・ホワイト、梶本哲司 / ロイター 2018年3月12日

ロイター通信の検証により、国有地売却を巡り政権支持者へ異常とも言える便宜が図られた事件で、財務省の文書から安倍晋三首相、昭恵夫人、麻生財務相の関与が疑われる記載が削除されていた事実明らかになりました。

 

首相夫人の昭恵氏との交流が深かった政権支持者に対し、国営地が異常に安く払い下げられたことに関する疑惑が昨年明らかになって以来、安倍首相は大きな問題を抱え続けています。

就任してから6年目を迎えた安倍首相は妻である昭恵夫人が学校運営者の森友学園に異例とも言える便宜を図ったことを否定し、証拠が見つかったら(首相の職を)辞任すると述べていました。

 

隠蔽疑惑は安倍首相の政治的立場にダメージを与え、3期連続で自民党党首として君臨するという希望を打ち砕く可能性があります。

今年9月に予定されている自民党党首選挙で勝利すれば、日本政治史上最長の任期を担う首相になることになります。

麻生財務大臣は3月11日月曜日の記者会見で、売却を担当する財務省の部署の何人の関係者が、当時の財務省高官の国会での証言とつじつまが合うよう文書の書き換えに関与したと語りました。
これに対し野党側は安倍内閣で2期副首相を務め、安倍首相の再選希望の鍵を握ると見られている麻生財務大臣の辞任を要求しました。

これに対し77歳の麻生財務大臣は財務省が改ざんを行ったことについては謝罪しましたが、辞任する意向はないと述べました。
麻生財務大臣は、「責任を痛感しており、深くおわびする」と陳謝しました。

日本の立憲民主党の枝野代表は、最も大切な問題が未解明のまま残されていると語りました。

「私たちは全ての未解明の疑問について、徹底的に厳密に究明しなければしならない。何を目的に、誰がそれを命じたのか?」

枝野代表は記者団の質問にこう答えました。

「これまで繰り返し行われた議会での答弁は一体何だったのか?真実から目をそらさせるようにすることが目的ではなかったのか?」

 

専門家は麻生氏と安倍氏が現在抱えるリスクは、土地売却そのものよりも隠蔽疑惑によるダメージの方が大きいと語っています。
「隠蔽疑惑は当初の事件そのものよりも、一層大きな問題になっています。」

上智大学の中野耕一教授がこう語りました。

財務省の担当者は議会証言と一致させるために、財務省の指導で2月以降、14件の書類が改ざんされたことを明らかにしました。

 

改ざんされた内容の中には今回の疑惑の中心にある小学校への安倍昭恵首相夫人の訪問があります。

さらには安倍首相と麻生財務大臣と保守的政治団体の日本会議との関係性に言及したものもあります。

疑惑の中心にある森友学園が運営する幼稚園は、日本会議が信奉する民族主義的カリキュラムに沿った教育を行っていました。

 

安倍首相が3期目の首相を目指す総裁選挙において、麻生財務大臣の支持は極めて重要な意味を持っており、安倍政権の安定のためには必要不可欠です。

「少なくとも、財務大臣として生き残る可能性は急激に低下しているように感じられます。」

テネオ・インテリジェンスのトビアス・ハリス副社長が電子メールでこのように伝えてきました。

トビアス・ハリス氏は、安倍首相と昭恵夫人による直接介入を覆い隠す『煙幕装置』はもはや存在しないと語りました。

しかし、ハリス氏は次のようにもつけ加えました。

「今や焦点となりつつあるのは、安倍首相は9月の任期切れを待って秩序立った退任を実現することができるのか、あるいは第一次安倍内閣の時同様、突然の辞任という展開になるか、そのどちらなのかということです。今回の一連の暴露という事件の最中で、今後安倍首相に対する支持が確実に回復するという展開は私は考えられないと思っています。」

国税庁長官の佐川宣寿氏は金曜日、今回の事件に関する国会での発言の責任を取って突然辞任しました。

佐川氏は今回文書改ざんを行った財務省当局の責任者を務めていましたが、昨年7月の国税庁長官への起用は、これ以上事件が拡大しないように図る答弁を国会で繰り返したことへの褒賞だという批判が上がっていました。

 

自民党のメンバーからは、延々と続く隠蔽が党への信頼を蝕む可能性があるとの声も上がっています。

自民党議員のうち、自民党総裁の地位を安倍氏と競うという姿勢を隠そうとしない石部茂氏は、3月10日須末こう語りました。

「現場の官僚たちがそのような権限(公文書を改ざんする権限)を持っていたとは考えられない。」

「誰がこのようなことを命じたのか明らかにしなければ、自民党への信頼が揺らぐことになるだろう。」

 

63歳の安倍晋三氏は2012年12月に首相に就任した際、日本経済を復活させ、日本の防衛力を強化すると公約しました。

安倍首相は2007年に閣僚のスキャンダルによって国会が混乱し、自身も健康を害したことを理由に就任1年で首相を突然辞任しました。

その5年後保守派を代表する立場で首相として異例の復帰を果たしました。

その政権与党は昨年2017年10月の衆議院議員選挙では、野党の混乱に乗じて全議席の3分の2の「大多数」を獲得しました。

読売新聞が3月9日から11日までの3日間に行った世論調査では、安倍内閣の支持率は48%に下がりました。

不支持は42%に上昇し、回答者の80%は今回の問題が適切に処理されていないと回答しました。

 

https://uk.reuters.com/article/uk-japan-politics/japan-pm-finance-minister-under-fire-over-suspected-cover-up-of-cronyism-idUKKCN1GO03B

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私に言わせれば、これほどのスキャンダルが発覚してなお、安倍政権への支持率が48パーセントもあるという事の日本人の異常さの方を感じます。

今回のスキャンダルをまたまた「誠にもって遺憾」で終わらせてしまったら、もはや日本の行政は不正も腐敗も癒着も情実もなんでもありになってしまいます。

まさに経済は先進国、政治は後進国の有様です。

今度こそ、民主主義の根幹を腐らせる内閣を終わらせなければ、我々日本人の民度は世界の中で大暴落してしまうでしょう。

安倍政権によって日本の民主主義がボロボロにされてしまう前に、私たち市民はそれぞれの場所でそれぞれの思いを込め行動を起こすべきでしょう。

 

誰の故郷でもなくなった町:人間世界の視界から消されていく福島第一原発の被災市町村

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所要時間 約 10分

原子力災害から7年、いまだ5万の人びとが故郷を失ったまま…帰還への夢を持ち続ける被災者

同じ時代を生きて来た同世代の退職後の人々が、再び希望の火を灯そうと途切れることなく取り組みを続ける大熊町

 

ダニエル・ハースト / 大熊町 ガーディアン 2018年3月9日

志賀修養氏は大熊町復興のプロジェクトリーダーですが、もし避難命令が解除された場合、家族が帰還を望むかどうかは確信が持てないと語りました。(写真:ダニエル・ハースト / ガーディアン)
日本の東、太平洋岸の大熊町はかつては人口10,500の活気ある町でした。しかし今、町内の家屋は無人のまま建ち並んでいます。

 

大熊町に誰も住む人がいないのはこの町が7年前、巨大地震と巨大津波をきっかけに3基の原子炉がメルトダウンするという史上最大の原子力発電所事故を引き起こした福島第一原子力発電所に最も近い場所にあること、そして事故後周辺市町村で続けられてきた除染作業がまだ完了していないため避難命令が敷かれたままだからです。

 

しかし大熊町は完全な廃墟になったわけではありません。
じじい部隊という名の60歳以上の人々が町内を欠かさずパトロールしています。
彼らが愛するかつての故郷の見守りを続けているのは頼もしげな退職者たちのグループです。

横山宗光さん(65歳)は、ピックアップトラックから数メートル離れた場所に立ち、かつて町の中で不審な人物を見かけたときに彼と彼の友人たちがとった対応を思い出しました。

「ある日、町の中をうろついている不審な人物を見かけました。どう見ても挙動が怪しかったので私たちはこの人をトラックに乗せました。」
穏やかな物腰のかつての町役場職員の横山さんがこう語りました。
「疑わしい行為や人物を見かけたら、もちろん当局に通報することにしています。」

 

横山さんは5年前にチームを結成した6人の退職者のうちの1人であり、この町に住宅を所有する人々が恐れる留守宅荒らしや火災予防を取り組みの一つにしています。
「私たちはこの先もう何年も生き続けるわけではない」ため、若い世代の人々よりも放射線被曝については深刻には心配していないと語りました。

ほとんど毎日、彼らは現在暮らしている新しい家から1時間から2時間をかけてやってきて、パトロールのボランティア活動にいそしんでいます。
始めた頃は不審者や空き巣の摘発などが主な仕事でしたが、現在は町の清掃や片付けが主な仕事になっています。
野生のイノシシによる被害を調べたり、水路に積み上がったゴミを取り除いたり、倒木を片付けたりしています。
「私たちはみな同じ時代を生きてきたし同じような年齢のため、目標を共有しやすい上、この町に再び希望をもたらしたいという点で気持ちがつながっているのです。」
横山氏が一緒の取り組みをする仲間についてこう語りました。

▽ かつての故郷に向けた長い道のり

 

大熊町の通りはこれまでとは異なり少し賑やかになってきました。
町のいくつかの地域では、入居者は自宅を定期的に訪れ片付けをすることなどは許可されていますが、そのまま泊まったりすることはできません。ロ
しかし他の場所ですでに新しい生活を築きつつあることを考えれば、彼らを再び大熊町の住民として元の場所で生活させるまでは長く困難なプロセスであることは明らかです。

 

大熊町の復興計画のリーダーである志賀さんでさえ、状況が比較的正常に戻ったとしても、残りの家族はこの町には戻らないだろうと考えています。
そもそもことは物理的にももと住んでいた家に戻ることすら簡単なことではないのです。
志賀さんが所有する土地は福島第一原子力発電所の事故によって作り出された大量の放射性核廃棄物の中間貯蔵施設とするよう指定された場所に
含まれています。

 

さらに志賀さんは3人の子供のうちの1人が、巨大津波から逃げようとした際、近隣の人たちを「津波がのみこんでいく有様」を見て心に大きな傷を負ってしまったと語りました。
志賀さんの子供たちは現在20代になっています。
「このような苛烈な体験を強いられた人が大熊に戻るというのはとても難しいことです。」
「子供たちはもう帰らないと言っています。。妻ももう戻りたくはないようです。だから戻るなら男一人でこの場所に戻らなければなりません。家族もなく、妻もなく、ただ一人で…」

大熊町は控えめながら回復へと動き始めました。
50世帯の住宅が建設されましたが、これはアンケートによって帰還の意思表示をした世帯数と同じです。
志賀さんによれば大熊町はいずれ100棟の一戸建て住宅を建設する予定です。
しかしこれは地震、津波、原子力発電所事故の三重災害が発生するいぜと比べればほんのわずかです。
志賀さんは帰還を希望しているのは高齢者に偏る傾向があると付け加えました。

 

福島県のどの場所と比べても、浪江町ほど元どおりの町の姿を取り戻すということが難題中の難題だという場所はありません。
当局は一部の地区を除いて、2017年3月31日に浪江町の避難命令を解除しました。
しかし浪江町のかつての21,000人という人口に対し、、現在までに戻ったのはたったの490人でした。
浪江町役場職員の青田洋平氏は、浪江町の港湾地区であった請戸地区の方を眺めながら、この数字を明らかにしました。
請戸地区は浪江町の中でも海抜が低く、15.5メートルの津波によってほぼ全滅しました。
青田さんの自宅もそのとき破壊されてしまいました。

 

青田さんの自宅もそのとき破壊されました。

▽ 痛恨の想いを抱かせる光景

 

「もちろんこの有様を見れば、何が起きたのかをあらためて思い知らされます。」
といち早く地元の小学生が避難し、津波の被害を免れることができた高台に立ち、青田さんはこう語りました。
この地区の家屋のほとんどは破壊され、現在学校の建物は廃墟となっています。

「浪江町の請戸地区には約1,900人の住人がいましたが、残念なことに182人が津波で死亡しました。 正確に言うとそのうちの30人の行方がまだわかっていません。これらの30名については遺体も遺留品も確認できていません。」

 

福島県全域で164,865人に達した避難者がいた2012年5月と比べ、現在では県外への避難者は50,000人を下回っており、事態は著しく進展した、福島県当局はそう表明することを切望しています。
しかし人々は必ずしも帰還を急いでいるわけではありません。

浪江町から南相馬に避難した65歳の渡辺理恵子さんは、なぜ帰ってこないのか、それぞれがそれぞれに理由を抱えていると語りました。

 

彼女は毎日南相馬から通いながら『グランマ・キッチン』という名称の食堂を経営しています。
この食堂は労働者に食事や弁当を販売しています。

渡辺さんは、浪江町の人々はこの町で将来を計画することについて多少尻込みするところがあると指摘します。
「かつての大熊町の住民たちは周囲を見回し、友人や知人、あるいは隣人が帰ってきたことに気付き
『ああ、そろそろそ自分たちも町に戻るき時が来たのかもしれない。何かできることをすべき時が来たのかもしれない。』
と感じるようになってきました。
私たちは毎日祈っています
そして浪江町に一人でも多くの人が戻ってこれるように私たちは毎日一生懸命働いているのです。」

 

渡辺さんは思いを決したように、そして微笑みながらこう付け加えました。

「私たちは決してあきらめません。」

 

https://www.theguardian.com/environment/2018/mar/09/fukushima-communities-struggling

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先日仙台市内から福島県のいわき市内まで、福島第一原子力発電所事故の沿岸部の被災地を、常磐自動車道の上からでしたが観察する機会がありました。

楢葉町では操業している工場の近くに放射性廃棄物を詰めた大量の黒いビニールバッグが置き並べられた様子に「無残な…」という思いが去来しました。

この近くが福島第一原子力発電所なのだな、と感じたのは急にたくさんの高圧送電線の鉄塔が視界に入った時でした。

 

北朝鮮の平和外交とドナルド・トランプのノーベル平和賞

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所要時間 約 11分

トランプは国連の役割を真っ向から否定し、世界を不安と恐怖の発作に苦しむよう仕向けた張本人

キム・ジョンウンとトランプ、いったいどちらの方が精神に異常をきたしている政治指導者なのか?

朝鮮半島の問題に関して、トランプの疑問を持たれて当然のアマチュアぶりは恐ろしいものだった

 

デイヴィッド・アスボーン / ザ・インデペンダント(英国) 2018年3月6日

あなたは、ノーベル平和賞委員会がドナルド・トランプの推薦指名を受けつけたという最近のニュースを一笑にふしたかもしれません。

このニュースを流した張本人は他人のIDを盗んダ疑いで、現在ノルウェの警察の捜査対象になっていると伝えられています。この犯人は1年前にも同じ手口で同様の犯行を行った疑いも持たれています。

しかしトランプがノーベル平和賞とは馬鹿馬鹿しいにも程があるというものです。

 

トランプはNATO北大西洋条約機構の下で相互的に防衛力を提供することを拒否し、欧州の同盟国がもう何年も直面して来なかった危機に、直面させられる原因を作った男です。

また大統領選挙運動の期間中は、誰が日米韓軍事同盟を反古にすることをちらつかせ、日本と韓国に核兵器の保有を奨励するかのごとき発言を行ったことはよく知られているところです。

 

そして北朝鮮とその指導者キム・ジョンウンの問題については、国連の役割を真っ向から否定し、世界を不安と恐怖の発作に苦しむよう仕向けた張本人です。

トランプは「北朝鮮を完全に破壊してやる」と述べ、ロケットマン(キム・ジョンウン)は、アメリカのほぼ全土を射程内に収め、核弾頭を搭載できるミサイル開発とそのテストを続けていることは「自殺行為」だと嘲りました。

 

こうして私たちはキム・ジョンウンとドナルド・トランプ、この2人のうちいったいどちらの方が精神に異常をきたしている政治指導者なのか、疑問に思うことになったのです。

 

でももっと良く考え見ましょう。

2018年ピョンチャン冬季オリンピックに北朝鮮が予期せざる積極的参加をしたことがきっかけに始まった南北朝鮮の関係改善をさらに前進させるため、韓国政府は外交団を北朝鮮に派遣し、目を見張るような突破口が開いたと報告しました。

中でもハイライトは、十年以上行なわれていなかった韓国と北朝鮮の首脳会談の開催が決まった事です。そこでは北朝鮮はアメリカとの敵対関係に終止符を打つことに同意する可能性があります。

そして交渉が続く限り、北朝鮮はミサイルの発射実験も核実験も行なわないと明言しました。

こうした現実に対し、アメリカの核諜報機関が素直に喜べない状況に置かれていることは当然予想されたことでした。

しかし疑いを持つことこそは、今日の秩序を作り上げている大元です。

ダン・コート国家情報長官(National Intelligence)は上下両院の議員に対し、

「希望を持つのは自由だが、北朝鮮の発言に関連するすべての事項について、もっと綿密な検証が必要だ。」と述べ、次のようにつけ加えました。

「もちろん我々はそうするつもりだ。」

 

これとは対照的に、トランプの感情表現は幾分か楽観的なものでした。

「北朝鮮との交渉過程で、何かが進展する可能性がある。」

トランプは得意のツイッターにこう語りました書き込みました。

「これまでの数年間で初めて、関係者全員がこの問題に真剣に取り組んでいる。世界が注目し、結果を期待している!偽りの希望かもしれないが、どちらの方向に進むにしてもアメリカは充分な準備ができている。」

朝鮮半島の問題に関して、トランプの首をかしげたくなるようなアマチュアぶりは恐ろしいものでした。

トランプはこの地域の非核化に関する専門家を自認して、国務省のスタッフのやる気を完全になくさせました。

そして駐韓米国大使を任命するのにどんな緊急性も認めていませんでした。

そして北朝鮮に対しトランプが行なった脅迫は韓国政府と合衆国政府の間に前例のない緊張関係を作り出してしまいました。

 

結局トランプはムン・ジェイン大統領と状況を話し合うべき人物としてイヴァンカ・トランプをソウルに派遣したのです。

そして3月3日、トランプは年に一度ワシントンで開かれるバーベキュー夕食会の席上、彼自身が北朝鮮と直接会話をしたと語り、居並ぶ専門家を驚かせました。

「状況は厳しいが、それでも我々は話し合いを行っている。」

トランプはこう明かしました。

「二日前に連中から電話が来た。彼らは「我々は話し合いをしたい」と語り、私はこう返した。「話し合いをするのは結構だが、そのためには核兵器をあきらめてもらう必要がある。」

結局後になってトランプが話をした相手は北朝鮮ではなく韓国政府の首脳だと解りましたが、それでも南北朝鮮の思惑は決して別のものではありません。

 

そして、トランプもキム・ジョンウンも次にどんな行動をとるかは予測不可能です。

しかし、我々はある程度の自信を持って次のように言うことができます。

いかなる理由があったにせよ、オバマ政権は北朝鮮に今トランプ政権がやっているような強力な圧力をかけるということはしませんでした。

しかし私たちが現状を脱するためには、確かにトランプがやっている厳しい制裁措置が必要なのです。

 

まず必要なのは説得です。

トランプは制裁と外交的努力が失敗し、北朝鮮によるアメリカ本土攻撃の危険性が高まった場合には、いつでも北朝鮮に対し一方的攻撃を行うつもりだという意思表示を一貫して続けてきました。

(こうした脅威については、つい最近ハワイで誤ったミサイル警報が発令され、全島民が恐れおののいた事実により、一層現実的なものになりました。)
朝鮮半島において再び戦争が勃発するという想定について、韓国政府以上にそれを忌み嫌う存在は無いはずです。

朝鮮戦争が再発した場合の予測される死傷者数は恐ろしいものです。

韓国政府が感情のままに罵りあうトランプとキム・ジョンウンを見て、危機を回避するために懸命の取組を行ったことは間違いありません。

これまで北朝鮮に対しトランプが行なってきた数々の脅迫は、キム・ジョンウンが慌ててギアチェンジをした原因を作って来た可能性があります。

しかしおそらくもっと説得力があるのは、トランプが発動した米国の制裁が、実際に北朝鮮の首を締め上げているという予測です。

すでにトランプ政権は先月北朝鮮に対する制裁措置をいっそう厳しくしました。

トランプ自身の言葉を借りれば、「北朝鮮に対して課された最大級の制裁」ということになります。

 

さらに重要なことは、今回は制裁の効果を確実にするため米国自身が積極的に様々な取り組みを行ってきたという事です。

トランプ政権が北朝鮮に感じさせようとしている痛みが、実際に大きなものになっている事です。

抜け道が無いこともありませんが、隠れて北朝鮮と取引しようとすれば米国の報復覚悟でやらなければなりません。

米国政府の力は相変わらず強大です。

例を挙げれば北朝鮮と取引していた中国系の銀行はひどい目にあわされました。

そして他の対策も強化されています。

密かに北朝鮮向けに貨物を運んでいる疑いを持たれている船舶会社や船舶の長いリストが作られ、米国企業はこれらとの取引を厳しく制限されています。

 

こうした措置がすべて無に帰してしまう可能性が無い訳ではありません。

しかし急速な拡大を見せた私たちの時代の最も危険な安全保障上の危機に終止符が打たれるこという事態がそれによって始まることになれば、トランプに対しては絶大な信用が与えられることになるでしよう。

もしそうなればトランプが今自分が何をしているのか正しく認識しているかどうかは、この際問題ではなくなります。

トランプは本能のままに行動しており、北朝鮮に対し煮え切らない態度をとるつもりなどありません。

危険な賭けですが、その先にはただ単に成功だけが待っているのかもしれません。

オバマ大統領はノーベル平和賞を受賞した後は、混迷していく北朝鮮情勢を打開することはできませんでした。

トランプが同じ道をやってきて突然ノーベル平和賞をもぎ取ることになったとしても、私たちは驚くべきではないのかもしれません。

 

http://www.independent.co.uk/voices/donald-trump-resolve-north-korea-nuclear-crisis-where-barack-obama-failed-win-nobel-peace-prize-a8242731.html

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この記事をアップしたその日に、トランプとキム・ジョンウンの直接会談が5月にも実現する可能性を伝える号外が次々飛び込んできました。

ちょっと狐につままられたような気分です。

でも、『米機動部隊、朝鮮半島に急行』などという号外よりははるかにマシです。

そして北朝鮮に対しては『戦の一字だ!』とばかりに騒ぎ立てる日本の国家主義者たちよりも、トランプの方がはるかにマシだという事でしょうか。

いずれにせよ、事態は『平和的解決』に向け動き出すことがはっきりしました。

朝鮮半島の人びとにとっても、日本列島の人びとにとっても、『戦の一字』が遠のいたことは祝うべき事です。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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