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【「日本の報道の自由は脅かされている」国連の指摘に敵対姿勢で応じた日本 】

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所要時間 約 6分

日本の報道機関の独立が保たれているかどうかについては疑問があり、この問題に対処するよう…

繰り返された国連の特別報告は日本と敵対することが目的ではない!国内での丁寧な議論を提案しただけ

 

エコノミスト 2017年6月8日

 

相手の機嫌を損ねることが確実な仕事をさせるため誰かを指名しなければならなかったとしても、表現の自由のための国連の特別報告者であるデイビッド・ケイ氏であれば、相手を怒らせることは無いだろうと考えるのは至極当然のことでした。

おだやかな話し方をするアメリカ人の法律の専門家であるケイ教授は、日本の報道機関の独立が保たれているかどうかについては疑問があり、この問題に対処するよう日本に促しました。

 

ケイ教授の報告書はこの6月に国連の人権理事会に提出されることになっていましたが、日本の人権問題に関する指摘が相次いでいることに反発する大学教授たちによって日本国内でにわかに結成された「不当な日本批判を正す学者の会」は、報告書に対し厳しい調子で反論しました。

彼らはケイ教授が行なった警告は、彼自身の国に向けられるべきものだと苛立ちとともに表明しました。

 

一方、日本政府としての公式な反応はほとんど確認されていません。

明らかに自由主義者ではない高市早苗総務大臣は、国連の特別報告者との面会を断りました。

萩生田光一内閣官房副長官は、ケイ教授による調査報告は「風聞」に基づいたものだと語りました。

 

ケイ教授が報告の中身について日本政府に報告するため来日しましたが、その直前に報告書の中身がウルトラ保守の産経新聞にリークされました。

その紙面は外国人からこうした指摘を受けることについて、不快感を露わにしていました。

 

日本政府関係者の多くがこの国連の特別報告者に対しては礼儀正しくその話を聞いた後でその内容を無視し、けんもほろろの扱いをしました。

いずれにしても国連の勧告には拘束力はありません。

 

しかし、日本国内では騒ぎになっています。

テロリズムとの戦いに必要だとして安倍政権がテロ等対策法案の成立を図っていることに対し、国連のプライバシーの権利に関する国連特別調査官のジョセフ・ケナタッチ氏が疑問を呈した1通の書簡は、5月、日本政府の猛烈な反発を引き起こしました。

安部首相はケナタッチ氏の見解について、「極めて偏った」ものだと批判し、「専門家の客観的評価とはとても思えない」と語りました。

 

2年前にも日本政府はブランド物の購入資金に充てることなどを目的に、日本の女子学生の間で売春をする行為が広範囲にわたっているとした国連の報告者に怒りを込めて反論したことがありました。

 

そして1年前には亡命希望者に対する日本の法制度が実質的に彼らを拒否する仕組みになっているという国連の指摘を拒絶しました。

 

そのような国際社会からの批判に日本人が超然としていられない背景には、ある意味劣等感の裏返しである可能性があると、東京の大学の林香里教授が指摘しました。

日本政府は外国人が日本国内の日常的な様々な慣習を理解できないと主張していますが、最初から日本社文化がなぜ際立って異なるかという点について、始めから説明をあきらめていると林教授が語りました。

 

1996年に第二次世界大戦(太平洋戦争)中の従軍慰安婦問題で国連が日本を避難したことについても、日本政府は未だにひどく感情を害しています。

 

女性に対する暴力行為に関する国連の特別な報告者であったラディカ・クマラスワミ氏は、従軍慰安婦にされた女性たちに対する謝罪と賠償を求めました。

日本政府はこの報告書を撤回させようと何度も試みましたが、うまくいきませんでした。

 

ケイ教授はこれに一連の国連の特別報告者たちと日本政府との間に緊張関係が生まれるのは回避できないと主張しました。

ケイ教授によれば、国連は日本政府と敵対しようとしているのではなく、議論の機会を提供しようとしているのであり、この点を日本は誤解していると語りました。

 

同教授を「不当で偏った見方」していると非難する声明に署名した46人の日本の教授たちは、側面から攻撃するやり方を採りました。

これに対しケイ教授は、彼自身の言葉を借りれば、本当に強くそう思うのなら、なぜ直接会って正面から議論を挑まないのでしょう?

 

http://www.economist.com/news/asia/21723134-does-it-protest-too-much-japan-gives-short-shrift-un-rapporteur-looking-press-freedom?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

【 プルトニウムを吸い込んでしまった日本の原子力発電従業員 】

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所要時間 約 7分

プルトニウム燃料の研究施設、大洗原子力技術研究所で深刻な内部被ばく事故が発生

反原発感情に加え、嫌原発感情を拡大させる、日本の原子力施設のずさんな管理運営

 

AP通信 / ガーディアン  2017年6月8日

 

東京都の北部にある原子力研究施設で、設備点検に失敗し従業員が深刻な放射性物質による内部被ばくをしてしまい、改めて原子力関連施設における安全確保への懸念が大きくなっています。

 

日本の原子力関連施設の5人の労働者が設備点検の最中、プルトニウムが入った袋が破裂したことが原因とみられる高濃度の放射線による内部被ばくをしました。

 

日本原子力研究開発機構(JAEA)は7日、5人の男性職員のうちの3人の鼻孔から放射性物質が検出され、彼らが放射性物質ダストを吸入した可能性があると公表しました。

5人とも放射線防護装備を身に着けていましたが、これらを取り外しシャワーで体を洗い流した後も尚、その手足から放射性物質が検出されました。

日本原子力研究開発機構のスポークスマンである谷本正孝氏は、5人のうちの1人の男性の肺からは高濃度の放射線量が計測されたと語りました。

50代の男性職員が実験で使ったプルトニウムやウランを含む放射性物質の粉末300グラムが入った袋の取り扱い中、袋が破裂したと語っています。

 

今回の事件は日本原子力研究開発機構のプルトニウム核燃料研究施設である大洗研究開発センターで、6日午前に発生しました。

同センターは東京の北にあたる茨城県にあります。

 

日本原子力研究開発機構側は事故の原因について現在調査中であるとしています。

今回の事件は原子力施設に関する安全上の懸念とともに、従業員が十分に保護されていたかどうかについての疑問を引き起こすことになりました。

 

内部被ばくについてはガン発症の危険性が高くなるという点に最も大きな懸念があります。

22,000ベクレルという男性の被ばく量はすぐに肺などに致命的影響が出る危険性はありませんが、時間の経過とともにガンを発症する危険性が高まるため、男性は現在放射線医学総合研究所で処置を受けています。

同研究所の明石誠医師はこの男性について、定期的に検査を続ける必要があると語っています。

 

日本の原子力規制委員会の田中俊一委員長は、事故原因の可能性のある漫然とした仕事の繰り返しによる安全意識の欠如を批判しました。

同委員会は安全基準の順守に問題がなかったかどうか調査を開始しました。

 

日本原子力研究開発機構(JAEA)には、もう一つの原子力施設でずさんな管理を続けていた記録が残されています。

同機構が運営していたプルトニウムを燃焼させる高速増殖炉もんじゅです。

もんじゅは1995年に大きな事故を起こして以来、ほとんど稼働実績がありません。

日本政府は最近になってやっともんじゅの廃炉を決定しました。

 

日本は核燃料サイクル計画で再利用する核燃料として大量のプルトニウムを備蓄していることについて、国際社会から批判を受け、懸念を持たれてきました。

核燃料サイクル計画に批判的な人々はプルトニウムは核兵器への転用が可能であり、これ以上の抽出を止めるべきだと語っています。

 

プルトニウムの備蓄量を減らすために、日本はプルトニウムとウランを混合したMOX燃料を従来型の原子炉で使用し、プルトニウムを燃やす予定にしています。

しかし2011年巨大地震と津波が引き金となって発生した福島第一原子力発電所の事故以降、現在日本国内ではほとんどの原子炉が停止中であり、顕在化し持続する国民の反原発感情の中で、既存の原子炉の再稼働はゆっくりとしか進んでいません。

 

https://www.theguardian.com/world/2017/jun/08/japan-nuclear-workers-inhale-plutonium-after-bag-breaks

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【 安倍政権の下、新たな原子力発電所の建設の検討を開始 】

新しい原子力発電所の建設に着手するか、既存の原子炉の新型との交換を検討

 

ロイター  2017年6月9日

 

日本の経済産業省は政府のエネルギー基本計画の見直しを行い、新しい原子力発電所の建設に着手するか既存の原子炉を新型のものと交換することを検討するための委員会を立ち上げる計画を持っていると、9日金曜日に日本経済新聞が伝えました。

同紙は情報源について明らかにはしませんでしたが、経済産業省が今月6月の早い段階に委員会を立ち上げ、原子力発電の将来についての議論を始めると伝えました。

報道によれば、経済産業省は2018年3月までに内閣による承認を得て新しいエネルギー基本計画を始動させることになっています。

 

日本政府は長期的には原子力発電への依存を減らす計画を持っていますが、報道によれば安定した電力供給源の確保、原子力技術の維持、そして原子力分野の人材の確保育成のため、一定規模の原子力発電の継続を図る意向を持っています。

しかしこの方針については2011年の福島第一原子力発電所の事故以降、一般市民の反原発感情は根強くかつ広範なものであり、そのハードルは高いものになるでしょう。

2015年に経済産業省が策定した現在のエネルギー基本計画は、2030年の日本の電力供給源の20%を原子力発電によって賄うとし、国内外から広範な批判を浴びました。

 

http://uk.reuters.com/article/uk-japan-nuclear-idUKKBN18Z2ZM

 

【 自衛隊から日本国軍隊へ – 形を現し始めた安倍首相の軍事プラン 】

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所要時間 約 8分

現状でも世界有数の防衛能力を持つ自衛隊、北朝鮮の攻撃も充分に迎撃可能

安倍政権が目指すのは、反撃して相手を「叩く」能力の整備

 

ブラッド・レンドン / ヨーコ・ワカツキ / アメリカCNN 2017年5月3日

 

安倍晋三首相は2020年の公布をめざし、日本の平和憲法の改定と新たな条項を追加するという構想を明らかにしました。

安部首相が常設軍の保持を禁止している日本国憲法の改定に関するスケジュールについて明言したのは、今回が初めてです。

安部首相は日本の実質的な国軍である自衛隊の現在の存在状況と憲法の規定の間には、明らかな矛盾があると語りました。

 

「私たちが現役世代でいる間に憲法で自衛隊の存在を明確に規定する必要があり、憲法上違憲だと判断される可能性についてその余地を残さないようにすべきだと私は信じています。」

安部首相は憲法公布70周年を機に東京で開催されたフォーラムへのビデオ・メッセージの中でこう述べました。

「私は2020年を新生日本がスタートを切る年にしたいと強く願っています。」

第9条の条文は、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と規定しています。

 

安部首相の提案内容は、根本的な転換を象徴するものだと、ベルリンにあるフレイエ大学で日本の安全保障を専門に研究するコーリー・ウォレス教授がこう語りました。

「安部首相の提案は日本の防衛政策の実質的な内容をどう表現するかという、それだけの変更に過ぎません。」

しかし、憲法の改定については

「日本を取り巻く状況の変化に適応するという点に主眼を置き、第二次世界大戦(太平洋戦争)以前の過去の事歴にはもうとらわれない。」

という姿勢を明確にするものだとウォレス教授がCNNの取材に答えました。

 

憲法によって軍事力を保持しないと規定しているにもかかわらず、日本は世界でも最強の軍隊を持っていると海外のアナリストが指摘しました。

「パイロット、船舶、どれをとっても日本の自衛隊は世界のどの国の軍隊にも引けをとらない規模と質を持っています。」

米陸軍の司令部参謀幕僚カレッジで軍隊の歴史を専門に研究するジョン・T.キューン教授は、昨年CNNの取材にこう答えました。

 

▽ 北朝鮮の脅威の実相

 

北朝鮮の脅威の拡大を受け、アメリカ合衆国と他の同盟国が訓練の頻度を高め、日本が参加する機会が増えその軍事力にスポットライトが当たり続ける中で、今回の安倍首相の発言が行なわれました。

最近になって頻繁に繰り返されている北朝鮮の発射テストでは、日本の近海にミサイルが着弾していま

そして2017年3月、国営朝鮮中央通信は発射実験を繰り返している当局には「日本国内の米国帝国主義者の侵略者たちの軍事基地を攻撃する仕事を課されている」と伝えました。

この発表以来、アメリカの航空母艦空母カールビンソンを始めとする機動攻撃艦隊による訓練に日本の駆逐艦も参加するようになりましたが、北朝鮮はこの艦隊をもすべて撃沈すると息巻いています。

 

日本のメディアによれば、日本最大の軍用艦であるヘリコプター空母出雲は、カールビンソンと行動を共にしている米海軍軍艦に燃料補給する海軍補給船を護衛する任務に就きました。

そして2017年4月、安部首相は日本がサリン・ガスを充てんした北朝鮮の化学兵器ミサイルの攻撃目標になる可能性があると語ったのです。

「我が国を巡る治安情勢は、ますます厳しさを増しています。」

安部首相は2017年4月中旬このように語り、北朝鮮の脅威を強調しました。

 

しかし海外の専門家は日本は北朝鮮政府がどのような攻撃を仕掛けてきても、現時点で充分に対応できる能力を有していると語りました。

日本は平和憲法があったおかげでその軍事力の整備を防衛の一点に集中させることができたため、国土を防衛するという能力において、世界的に見ても極めて高い能力を持っていると口をそろえて語りました。

 

しかし一方で今日の北東アジアの状況は、そうした日本の防衛装備の弱点を明らかにすることになったと指摘しました。

仮に北朝鮮のミサイルの攻撃にあった場合、日本は単独で直ちに反撃するために必要なハードウェアの一部が不足しているのです。

「自衛隊は、日本列島の地上に侵入してきた敵に対してき、これを直ちに撃破することが可能です。しかし中国や北朝鮮の空軍基地やミサイル発射基地を破壊する能力は持っていません。」

アメリカ太平洋軍合同作戦本部のカール・シュスター氏がこう語りました。

 

シュスター氏によれば日本の軍用機は中国や北朝鮮の防空網を突破できるだけの装備を運ぶことができません。

「自衛隊は日本を防衛することは可能ですが、反撃して相手を叩くことはできません。」

 

憲法改定の手続きを開始するためには衆参両院で3分の2以上の賛成を得て発議され、その後国民投票によって有権者の過半数の賛成を得て承認される手続きを必要とします。

 

http://edition.cnn.com/2017/05/03/asia/japan-abe-pacifist-constitution/index.html

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『相手を叩く能力』

すなわち交戦権という事ではないでしょうか?

確かに我々に向けて北朝鮮がミサイルを発射した場合、その位置を特定できるのであればそこを『叩いて』二次、三次の攻撃を不可能にさせることは一見合理性があります。

しかし重要な問題は相手の攻撃拠点は一か所なのか?ということになります。

第一次攻撃を行った相手は当然発射地点を特定されてそこを攻撃されることを予想し、二次、三次の攻撃を行うために別の拠点を整備しておくことは当然でしょう。

要するに『相手を叩く』という発想の先にあるのは全面戦争です。

『平和と外交による紛争解決の実現にこだわらなければ、私たちは想像もできない規模の大量破壊の恐怖を繰り返す(強制収容所の中でヒロシマ原爆攻撃の第一報を聞いて - ガーディアン - http://kobajun.biz/?p=28113) 』

外交工作による北朝鮮の体制崩壊を目指すことの方が合理的だと考えるのは私だけでしょうか?

 

【 憲法改定の宿願の間合いを測り続ける安倍首相 】

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所要時間 約 8分

安部首相の保守的なイデオロギーの在り方に対する不信感が拡大、憲法第9条改定への支持率が低下

憲法が実現させた平和主義的な制約を取り払い、戦前同様の軍制に戻そうという動機が隠されている

 

ロイター  2017年6月4日

 

日本は来年、平和憲法の改定について是非を問う初の国民投票を行う可能性が出てきました。

日本にとって歴史的とも言える転換点となるこの試みに成功すれば、安倍首相の保守派としての積年の宿願が達成されることになりますが、一方では国論を二分し、さらには韓国、中国の懸念を増幅することにもなりかねません。

 

安部首相は今年5月、公布されて70周年を迎えた憲法記念日に戦争放棄を宣言している第9条について予期せぬ提案を行いました。

2020年までに憲法第9条にこれまでその存在について明確な定義の無かった日本の軍隊である自衛隊について、条項を追加し、国軍としての定義を明確にすることを提案したのです。

 

第9条を改めることは日本という国のあり方の基本に関わる問題です。

戦後の民主主義、平和主義を支持する人々は、憲法第9条がその基盤を作って来たと考えています。

しかし保守派の多くは第二次世界大戦(太平洋戦争)に敗北した結果、占領軍であったアメリカに押しつけられた屈辱的なものだと考えています。

もし憲法の改定が行なわれれば、日本の伝統的価値観の復活と軍事的制約を取り払う事を長年の課題としてきた保守タカ派の安倍首相にとっては明らかな勝利となります。

 

「いつか自分の実績について振り返ったときに、安部首相は『憲法を改正したのは私だ。』とはっきり言えるようにしたいのです。」

元防衛副大臣の長島昭久衆議院議員がこう語りました。

 

憲法第9条を改定する具体的手続きが開始されれば、太平洋戦争当時に日本軍による直接的被害を被りその記憶が風化していない中国と韓国が反発を強める可能性がありますが、アナリストは北朝鮮のミサイル開発プログラムについて日本と協力しなければならない韓国は日本に対する直接的非難を控える可能性があると語っています。

これに対し、中国外務省の報道官は次のようにコメントしました。

「歴史的事実に基づき国際的コミュニティ、とりわけアジアの近隣諸国は、日本国内で軍国主義的傾向が強まっていないかどうか、これまで常に注意深く観察を続けてきました。」

中国は日本が「平和憲法の精神を大切にする」選択をすることを願っていると語りました。

 

安部首相が提案しているのは、戦争を行う権利を放棄し、常設軍隊の保持を禁止している既存の条項に自衛隊を合法化する条項を加えることです。

こうした考え方は安倍首相が率いる自由民主党と連立を組む公明党が過去に提案したことがありますが、第9条の廃止そのものを目指す自民党案とは若干異なる内容になっています。

 

「安部首相は思い切ってハードルを下げました。」

船田元自由民主党憲法改正推進本部長代行がロイターの取材にこう答えました。

 

自民党は2017年末までに憲法改定案を立案した上で、来年には議会に提案・審議し、その年のうちに議決する可能性があります。

その後に続くのが国民投票であると船田氏が語りました。

 

日本政府はこれまで、実質的に自衛隊の存在を合法化するために憲法第9条の解釈の変更を繰り返してきました。

2015年には国を挙げて激論が続く中、国会は集団的自衛権の行使を容認し、同盟国が攻撃を受けている場合に軍事的援護を可能にする安全保障関連法案を可決成立させました。

これも憲法そのものの改定ではなく、解釈の変更に基づき別の法律を成立させるやり方が採られました。

日本の防衛政策の変更による影響については、いかなる問題も熱い議論の的となります。

 

安部首相による憲法の改定を支持する人々は、今回の提案は現実をそのまま憲法の条文に書き込むだけのことだと主張しています。

しかし批判的な立場の人びとは日本の自衛隊が海外での軍事行動に道を開くことになると懸念を表明しています。

憲法改定の正式な手続きを行うためには、衆参両院の3分の2以上の賛成、そして国民投票において有権者の過半数の承認を必要とします。

 

▽ 残された時間は限られている

 

憲法改定を辞ししている人々は、今こそそのタイミングだと意気込みます。

「私たちがしなければならないのは、わかりにくい憲法の解釈変更によってではなく、明確な形で自衛隊の存在を規定することです。」

安部首相の顧問を務める柴山正彦氏がこう語りました。

 

しかし、残された時間は限られています。

安部首相は2018年に終るはずだった自民党総裁としての任期をさらに3年延長し、3期続けてその地位に留まり続けることに成功しました。

しかし同じ年の後半に実施される衆議院議員選挙では、自民党と公明党の連立与党は現在占めている3分の2の議席を減らす可能性も充分にあり得ます。

 

日本の有権者の意見は割れています。

日本の公共テレビ放送NHKが2017年初めに行った世論調査では、憲法第9条を改定することに対する支持は2002年の30%から25%に低下しました。

一部の専門家はこの原因について、安部首相の保守的なイデオロギーの在り方に対する不信感が拡大していることが原因だと見ています。

 

日本経済新聞が5月下旬に行った世論調査では、現実を憲法の上に明確に書き込むだけであるという安部首相の提案に対する支持が51%に達し、提案が過半数の国民に受け入れられたかのようです。

しかし憲法改定に反対する人々は、安全保障関連法案を可決成立させたことにより安倍政権はすでに憲法第9条を骨抜きにしてしまっており、安部首相の提案を許せば自衛隊が海外での軍事活動を拡大する恐れがあると指摘しています。

「憲法第9条の規定にもかかわらず、自衛隊はすでにイギリスの国軍と変わらないくらい大規模なものになりました。」

上智大学の中野孝一教授がこう語りました。

「憲法改定の狙いの背後にあるのは、戦後実現した平和主義的な制約を取り払い、戦前同様の状態に戻そうという動機であることは明白です。それこそが間違いなく彼らが達成しようとしているものなのです。」

 

http://uk.reuters.com/article/uk-japan-constitution-idUKKBN18U0XD

【 原発難民の帰還 : 再び人が住める場所にするため苦闘が続く福島 】

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所要時間 約 8分

福島第一原発の事故から6年、避難した先から押し戻される人々

生活の困窮に怯える原発難民の人々に『経済的恫喝』を行った安倍政権の復興担当大臣

風の強い日には山林の樹木に溜まった放射性セシウムが、田畑や家屋に向け吹きつけられてくる

 

エコノミスト 2017年5月26日

 

菅野典雄氏が座る机からは、彼が20年以上村長を務めた飯舘村の愛すべき風景を眺めることができます。

森、丘陵地帯、水田などパッチワークのように美しく重なり合っています。

彼のオフィスがある村役場のロビーに置かれた本には、飯舘村が日本で最も美しい場所のひとつであり、有機農法の分野においても中心的役割を果たしていると書かれています。

 

しかし窓の外にある現実は、そうした説明を裏切るものでしかありません。

耕作地のほとんどは、一帯にばらまかれた放射性物質を取り除くというそれが果たして本当に実現できるのかという除染作業によって、植物をはぎ取られ、不毛の地と化してしまいました。

見渡す限り、草を食む牛の姿も地を耕す農民の姿も見かけることはありません。

トラクターは畑の中に打ち捨てられたままになっています。

 

そして地元の学校には子供たちの姿はありません。

 

面積が230平方キロメートルほどの飯舘村はその日、天候の変化によって致命的な打撃を受けてしまいました。

2011年に、津波によって制御機能を失ってしまった南東方向に45km離れた場所にある福島第一原子力発電所で発生した事故の後、吹いていた風は一夜のうちに雨と雪と、そして噴き上げられた放射性物質を飯舘村に運んできました。

予想外の展開に日本政府は慌てて6,000人住民たちに避難を命令しました。

そして現在、日本政府は飯舘村の住民にもはや帰村しても安全であると伝えています。

 

いまだに汚染がひどい南部の長泥地区を除き、2017年3月31日、飯舘村は華々しくファンファーレが吹き鳴らされる中、自治体としての『復活』を果たしました。

 

村内で唯一人が集まっているように見えるのは、高齢者のための施設です。

自治体当局は最高で数百人の住民が戻ったと語っていますが、そのほとんどは現役を引退した高齢の人びとです。

菅野村長はその数について明らかにしませんが、その理由は

「私たちが住民に対し、帰還してこの場所で暮らすよう強制しているという印象を与えかねない。私たちは帰還を強いるつもりはない」

からです。

 

しかし現実には、多くの避難民が厳しい選択を迫られています。

飯舘村に帰還するか、さもなければこれまで避難先での生活を支えてきた補助金の一部について支給を停止する…

今年四月、避難民のこうしたジレンマに対し、本来人々を支える立場の今村雅弘復興大臣が切って捨てるような発言を行いました。

被災地に帰るかどうかは避難民の

「自己責任、避難民自身の選択」

だと語ったのです。

この発言は避難を強いられた人々の心の傷口に手を突っ込んだも同然でした。

 

「あの発言は経済的恫喝というべきものでした。」

飯舘村で農業を営んでいた伊東信義さんはこう語りました。

今村雅弘復興大臣はその後辞任しました。

 

福島第一原発の事故をチェルノブイリと同じまな板の上で語られることは誰もが望んでいません。

世界の最悪の原子力発電所事故が発生してほぼ30年後の現在も、チェルノブイリの周辺は時の中で凍りついたままになっています。

そこにあるのは1980年代半ばのソビエト連邦そのままの風景であり、学校の壁には色あせたレーニンのポスターが貼られています。

 

これとは対照的に飯舘村では、単純計算すれば1世帯当たり2億円の費用が投じられ、村全体の除染作業が行なわれました。

この作業は環境中の放射線量を、原子力発電所で働く労働者が1年間に被爆する限度とされている20ミリシーベルト以下にまで下げることが目的でした。

しかし除染作業の範囲はそれぞれの家を中心とした半径20メートル以内に限られました。

飯舘村の大部分は、樹木でおおわれた山です

風の強い日にはこうした樹木に溜まった放射性セシウムが、田畑や家屋に向け吹きつけられ、下手をすれば除染も元の木阿弥と化してしまうのです。

 

それでも菅野村長は自身の見解として、補助金に依存した生活から脱却するためにも、毎月の補償支払いを減らすべき時期だと語りました。

2012年、飯舘村は指定避難解除の日付を設定した、最初の被災市町村になりました。

菅野村長はこの年、5年以内に村を復活させると誓い、今その公約を実現させようとしています。

 

村では新しい運動場が整備され、コンビニエンスストアと麺類を扱うレストランもオープンしました。

診療所は、週に2回開院することになっています

 

失われてしまった最大のものは人間です。

飯舘村の元住民の30%は帰村することを希望しています。

ただし長泥地区の住民のうち半分以上は、もう二度と村に戻るつもりはないと回答しました。

多くの村民が別の場所で生活を始めるため、避難生活の初期に一括で支払われた補償金を充てました。

 

福島第一原発の事故に遭う以前から、飯舘村では1970年代以降若年層の都市部への流出が続き、すでに人口の3分の1を失っており、故郷の空洞化が進んでいました。

 

村の住民のひとりである鴫原良知さんは、多くの家庭で村を去るべきであるかとどまるべきかについて、繰り返し口論になったと語りました。

「たとえ補助金を受け取れなくなったとしても、他の人が補助金を受け取る、あるいは他人がいくら補助金を受け取っていようが、この村を出ていくべきだと主張する者もいました。飯舘村で補助金について話をすることは、たとえ相手がだれであっても、強いストレスを感じます。」

 

この際思い切って村ごと日本国内の別の過疎地に移してしまうべきだという構想を主張した人々がいましたが、菅野村長はこうした考えには耳を課そうとしませんでした。

菅野村長は村を救うためには不退転の決意でいます。

しかし伊藤さんはこう語ります。

その決意は飯舘村を永久に葬り去る結果につながりかねないと。

 

http://www.economist.com/news/asia/21722671-six-years-after-nuclear-disaster-japan-pushing-villagers-back-homes-they-left

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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