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東日本大震災・英国人記者の感動に満ちたノンフィクションが英国文学賞を受賞

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所要時間 約 7分

リチャード・L・パリー氏、3.11の大惨事のありのままを6年を費やして直接取材した、心揺さぶられるドキュメンタリー

ノンフィクション作品がこれほどの文学的美しさで表現されるとは、誰も期待していなかった

 

シアン・ケイン / ガーディアン 2018年5月8日

その自然現象は地球の軸を6分の1インチ傾け、日本列島と米国の間を4メートル近づけました。

 

2011年日本で1万8000人以上が死亡した東日本大震災、その中のひとつの事件についてレポートした「悲惨で感動的な」記録が英国のラスボーン・フォリオ賞を受賞しました。

リチャード・ロイド・パリー氏の作品『ゴースト・オブ・ツナミ』は、モハン・ハミド氏の『製法への脱出』ジョン・マグレガー氏の『第13貯水池』、サリー・ルーニー氏の『友人たちとの会話から』など並み居る高いレベルのライバル作品を押しのけ、英語で書かれ英国内で出版された最も優れた文献に贈られるラスボーン・フォリオ賞を受賞し20,000ポンドの賞金も手にしました。

※ 星の金貨newでは【 津波の下に消えてしまったこどもたち : 3.11の想像を絶する悲劇の真相 】
《1》http://kobajun.biz/?p=31801
《2》http://kobajun.biz/?p=31812
《3》http://kobajun.biz/?p=31831
《4》http://kobajun.biz/?p=31872
《5》http://kobajun.biz/?p=31892
《6》http://kobajun.biz/?p=31935
として翻訳し、ご紹介しました。

 

今回ラスボーン・フォリオ賞にはノンフィクションは『ゴースト・オブ・ツナミ』に加え、リチャード・ビアード氏の回顧録『行方不明の日々』とシャオルー・グオ氏の『むかしむかし』の3つの作品がノミネートされました。
同賞は2年前からノンフィクション作品も選考対象に加えるようになりました。
これはそれまで文学作品に限られていた受賞対象をノンフィクションにまで拡大することで、最も質の高い文章を選考対象とすることができるよう採られた措置です。

ロイド・パリー氏は英国のインディペンダント紙とタイムズ紙の受賞経験を持つ特派員として、巨大地震が発生した後約30メートルの高さの津波が沿岸を襲い、福島第一原発で原子炉がメルトダウンする事故を起こした東日本大震災の発生当時、東京に住んでいました。

 

彼はその後6年に渡り18,000人以上の人々を殺害した災害を記録し、凶悪な津波が去った後もなお人々を苦しめ続けた悪夢の正体を明らかにするため、被害にあった人々を一人一人訪ね歩き、数百に上る体験談を直接聞き取る取材を続けました。

 

ロイド・パリー氏は、津波がもたらした悲しみや死についてひとりひとりの状況を日本人の立場に立って徹底的に掘り下げながら、遺体すらもう二度と回収できなくなってしまった人を含め、自分は生き残ったものの愛する人を失ってしまい喪失感に苦しんでいる人々の他に例のない悲惨な話を丹念に綴りました。
それは多くの場合亡くなった家族の痕跡を求め、思い出をつなぐ何かに救いを求めようとする人々の姿でした。

死者の姿を目撃したという話が増えるに従い、無念の思いを残したまま他界した人びとの霊を慰めるため、キリスト教の司祭、神道の神官、仏教僧たちが繰り返し呼び出されることになりました。
その中のひとりは自分が暮らしている仮設住宅に亡くなった女性の霊が現れてしばらくの間会話をしたと証言し、彼女が立ち去った後座っていたクッションが湿っていたと語りました。

 

何百という証言をひとつひとつ聞き取った後、ロイド・パリー氏は次のような理解を示しました。
「ひとりひとりその悲しみは異なっています。命を失ったその時の状況に応じて細かい点が微妙に違っているのです。」

 

「ノンフィクション作品が、これほどの文学的美しさで表現されるとは誰も期待していなかったでしよう。しかも現実世界での事実を鏡で写したように伝える正確性はいささかも揺らぐことなく、事実をありのままに見事に伝えているのです。」
審査員を務めた作家のジム・グレイス氏、ニケシュ・シュクラ氏、ケイト・サマースケール氏が口を揃えてこう賞賛しました。

「印象的だったのは、ドキュメンタリー報道と質の高い文学が見事に融合していた点でした。私はこの本を読み終えた後、私は自分と日本とのギャップが一気に縮まったと感じました。さらには自分が持つ固有の文化と世界中の文化との共通点、普遍性ということに開眼した思いでした。」
「私はこの著作が意義深い価値の高いものであることを承知しているつもりですが、将来私が出会う可能性のある他の地域や他国の文化についてそれを素直に受け入れる能力、理解力を向上させてくれる人類の普遍性をも感じさせてくれました。これほどの体験は滅多にできるものではありません。これは文化と文化の違いを乗り越える、人間としての普遍性が得られる作品です。」

 

ロイド・パリー氏は5月7日の夜、ロンドンで受賞式に臨みました。

 

https://www.theguardian.com/books/2018/may/08/ghosts-of-the-tsunami-wins-folio-prize-for-deeply-felt-reportage-of-2011-disaster

2017/18年 世界の軍事支出

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所要時間 約 9分

これ以上の軍事支出が本当に必要なのかどうか、私たちは真剣に検討すべきタイミングにさしかかっている

私たちは国際紛争を、武力行使とは別のやり方で解決することができる

 

カーステン・ニップ / ドイツ国際放送 2018年5月1日

ストックホルム国際平和研究所が新しい報告書を公開し、2017年の世界の軍事支出が冷戦以来最高水準となったことを明らかにしました。
ドイチェ・ヴェレはピーター・ヴェーゼマンに地域ごとの状況について取材しました。

 

ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が公表した2017年の世界の軍事費に関する報告書は、わずかながら世界の軍事支出の増加を立証しました。

 

ドイチェ・ヴェレ:報告書によると、世界中合わせて軍事目的で1.73兆ドル(約189兆円)が支出されました。
2016年に比べて1.1%の増ですが、これは多いのでしょうか、少ないのでしょうか?

 

ピーター・ヴェーゼマン:集計方法がそれぞれ異なる点と、絶対に信頼できるデータは存在しないという事実を考慮に入れると、これは最小限の上昇に留まっていると言えます。
しかし世界規模では軍事支出が高水準に固定されたままであることも明らかです。
地域間の格差はかなり大きなものになっています。

ドイチェ・ヴェレ:例えば中国では支出は5.6%増加し、合計で2,280億ドルとなりました。

 

ピーター・ヴェーゼマン:ええ、中国の軍事支出はこれまでの20年間、一貫して増加を続けています。
中国の軍事支出は、国内総生産の伸びに比例しています。
ですから中国の軍事支出が劇的な増加しているという指摘は的を得たものではありません。
しかし中国は世界第2位の規模の軍事費を支出している国であることは事実です。
世界最大の軍事費を使っている米国とは比較できませんが、第3位以降の国々と比べるとはるかに多額の軍事費を計上しています。

 

ドイチェ・ヴェレ:これは各国の政治的野心について何かを表現するものなのでしょうか?

 

ピーター・ヴェーゼマン:中国は非常に大きな経済規模を持った、世界最大の人口を持つ国家です。
中国はアジアの大国の地位に留まり続けた具はありません。
世界規模のスーパーパワーになりたいという大きな野心を持っており、それが軍事支出にも反映されているのです。

ドイチェ・ヴェレ:あなたは米国の軍事費の増大について言及されましたが、その金額は2位から8位までの7カ国の総支出を合わせたものを上回っています。
これは何を意味するのでしょうか?

 

ピーター・ヴェーゼマン:無視することができないほど大きな反対意見に直面しているにもかかわらず、ドナルド・トランプ米大統領は大幅に支出を増やすことになる軍事予算の成立を押し通しました。
米国は国家予算の赤字が膨らんでおり、国内には政府の支出の削減を求める意見が強くなっています。
しかし当面はトランプがそうした意見をねじ伏せた形になっています
今後数年間、私たちは軍事予算を増やし続けるアメリカを目の当たりにすることになるでしょう。

 

ドイチェ・ヴェレ:高額な軍事支出は特に中東地域で目立っています。
中東では国内総生産に対して軍事費の割合が突出して高くなっている国が、10カ国中7カ国に上っています。
オマーン、サウジアラビア、クウェート、ヨルダン、イスラエル、レバノンなどです。
こうした中東情勢についてあなたの見解をお聞かせください。

ピーター・ヴェーゼマン:サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールの各国は国内総生産のうち多額の予算を軍事費に回そうとしています。サウジアラビアを例にとるとその比率は10%を超えています。
これはこれらの国々が自分たちが置かれている状況をどのように捉えているか、端的に表しています。

サウジアラビアの軍事費はイランという最大のライバルをどう見ているかということを、数字で表現しているものだとも言えます。

 

そして現在シリアとイエメンで行われている戦争は、これらの国々が単に軍事支出を増やす原因になっているだけでなく、彼らが飽くまで武力によって目的を遂げようとしている姿勢を如実に表しています。

 

一方でイランの軍事支出は比較的少額に留まっています。
しかしその傾向はいつ変わるか予断を許しません。イランは軍事を増額しようとしているのですが、目下の経済状況がそれを許さないだけなののです。

(写真)2017年、ドナルド・トランプ大統領が就航させたアメリカ海軍の世界最大の空母 - ジェラルド・R・フォード

 

ドイチェ・ヴェレ:アフリカ大陸は全体でみると0.5パーセントのマイナスと最小限ながら減少を記録しました。あなたはこの状況をどのようにご覧になりますか?

 

ピーター・ヴェーゼマン:理由はさまざまです。
例えば、アンゴラは軍事支出を減らしましたが。これはアンゴラの主要資源である原油価格の下落のためです
石油収入に依存する他のいくつかのアフリカ諸国も同様に軍事費を削減しました。

しかし一部の国、例えばスーダンでは軍事支出が増加しています。
政府軍と反政府勢力との戦いが激化しているためで、それはアンゴラなどの軍事支出にも大きな影響を与えています。
しかしアフリカ全体を見渡せば、状況は国によって大きく異なっています。

オマル・ジョボ、5歳。

ドイチェ・ヴェレ:軍事支出は中部ヨーロッパでは12%、西ヨーロッパでは1.7%上昇していますが、これは各国がロシアに軍事的脅威を感じているということでしょうか?

 

ピーター・ヴェーゼマン:欧州諸国は何よりもまずウクライナの現状を見て、自分たちも同様に脅威にさらされつつあるという感覚を強くしています。
事実、ロシアはこの10年間で軍事費を大幅に増加させてきました。
その結果、ヨーロッパ諸国、例えばポーランドなどは軍事費を増額することを余儀なくされています。
NATOも兵力の拡大など、この地域の軍事力を強化している。

 

しかしロシアの軍事支出は 2016/17年度と比較し、今年度は増加していない点に留意するべきです。
西および中部ヨーロッパの人々が防衛費の増額を検討している一方で、ロシア側がその金額を減らしているのは重要な事実であるはずです。

軍事支出を減らすべきかどうか、私たちは真剣に検討すべきタイミングにさしかかっているのではないか、そのような視点を持つことも可能なはずです。
同時に私たちは国際紛争を武力行使とは違うやり方で解決することができる、そのことを実証することもできるはずです。

 

ピーター・ヴェーゼマン(Pieter Wezeman)はストックホルム国際平和研究所(SIPRI)で武器供与と軍費支出計画立案の研究を専門分野とする上級研究員です。

 

http://www.dw.com/en/sipri-global-military-spending-rose-to-17-trillion-in-2017/a-43610647

悪名高い大日本帝国陸軍731部隊、隊員名簿の存在を確認

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所要時間 約 7分

731部隊は推定で約3,000人の囚人に対し、死に至る人体実験を繰り返していた

チフスやコレラなどの病気に意図的に感染させられた後、麻酔を施さずに生体解剖を受けさせられていた

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2018年4月17日

第二次世界大戦の戦前戦中1930年代から1940年代、中国の民間人を死に至らしめる人体実験を繰り返したことで悪名高い大日本帝国陸軍731部隊の隊員名が、日本の正式記録に残されていることが明らかになりました。

 

日本は、化学兵器と生物兵器の開発を目的として1930年代と40年代に中国の民間人に対し致死的な人体実験を行った大日本帝国陸軍の731部隊の数千人のメンバーの名前を公開しました。

 

滋賀医科大学の西山克夫教授の開示請求に応え、日本の国立公文書館は731部隊の3,607人の隊員名が記された記録を公開しました。
一連の動きは占領下の中国における大日本帝国軍隊の残虐行為に対する国民の討論を再燃させる可能性があります。

「731部隊のほぼ全員の姓名を記した公文書が公開されたのはこれが初めてのことです。」
西山氏は毎日新聞の取材にこう応えました。
「このリストは、関係者の証言を裏付ける重要な証拠になります。今回の発見はこれまで隠されてきた事実を明らかにするための大きな一歩となるでしょう。」

この文書には731部隊の正式名称である関東軍の『防疫・浄水部門』の1945年1月1日付のメンバーの姓名が記載されています。
そして数十名の医師、外科医、看護師、技術者の姓名に加え、1000人以上の軍医の姓名、階級、詳細な所属部門が記されています。

 

日本は1990年代後半に731部隊の存在だけは認めましたが、活動内容に関する検証作業については拒否してきました。

その代わりに731部隊の活動内容については、元メンバーの証言、写真、証拠とされる文書などを中心に検証が進められてきました。

 

元看護師であった石井とよさんは、第二次世界大戦の終了と同時に米軍が日本の首都に進駐してきた際、東京のある場所に日本の生物兵器開発計画の被害者の遺骨を埋葬するのを手伝ったと証言しました。
1945年8月に日本が降伏した後、石井さんは同僚たちとともに数多くの死体、骨、身体の一部などを埋葬するよう命じられたと証言したのです。

別の証言はアジアの他の地域でも同様の実験が行われたことを示唆するものでした。
元医師の牧野明氏は2006年、フィリピンのミンダナオ島に駐留している間に複数の男性死刑囚に対する人体実験を命じられたと証言しました。

 

中国北東部のハルビンで1930年代半ばに編成された731部隊は、推定で約3,000人の囚人に対して死に至る人体実験を繰り返しましたが、そのほとんどは中国人と韓国人でした。

歴史的記録によれば拷問する側の人間たちに「丸太」と呼ばれていた男性及び女性囚人は、チフスやコレラなどの病気に意図的に感染させられた後、麻酔を施さずに生体解剖を受けました。
一部では麻酔を施さないまま、手足の切断や臓器を取り出す手術も行われていました。

 

大日本帝国の敗北が間近に迫った1945年の夏、731部隊部隊長の石井四郎将軍は部下の研究者たちに自分たちが関わったことを一切口外しないように命令し、ハルビンにあった本部の取り壊しを命じました。

日本の敗戦後アメリカ軍当局は秘密裏に731部隊の研究結果を提出する見返りに、戦争犯罪の訴追免除を受けることができるよう取り計いました。
その結果、731部隊の元隊員の多くはその後、医学界、学界、そして実業部門で成功を収めることを許されたのです。

西山氏は731部隊所属の隊員の実名リストをオンラインで公開し、近代史の研究者などにさらなる調査研究を促すことを計画していると伝えられています。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/apr/17/japan-unit-731-imperial-army-second-world-war

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こういう話を読むと胸が悪くなるのですが、私たち日本人は第二次世界大戦中こういうこともしていたという認識を持つことは大切なことだと思います。

だ・か・ら

わたしたち日本人は二度と戦争をするべきではない、のだとも思います。

 

大日本帝国は第二次世界大戦中『至高の大義』というものを掲げ、その他のことは取るに足らないものだとしました。

あるいは大義の実現の障害だとされ、厳しく排斥されました。

その他のことの中に、基本的人権や生命と財産の保全や表現の自由など民主主義社会の基本的事項の大半が含まれていました。

では『至高の大義』とは何だったのかというと、八紘一宇や大東亜共栄圏など、何やら高邁なスローガンのように見えますが、物理的に割り切った見方をすればその実態は他国の侵略でした。

 

記事中に出てくる『囚人たち』とは、どんな『罪』を犯した人々なのでしょうか?

もし殺人強盗の類でなく、中国国内で『反日活動』を行った中国人だとしたら、どこに犯罪性があるのでしょうか?

もし本当に人間の手足を生きたまま麻酔もかけずに切り落としたりしたのだとしたら、古代王朝がやったのこぎり引きの刑と何ら変わるものではなく、近代国家が決してやるべきことではなく、異常世界の残虐行為というべきものです。

 

そんなものが現実になる

それができる人間が現れる

現在の民主主義社会が異常社会につながってしまう…

 

だからこそ、戦争は決してやってはならない!

 

そして戦争の可能性を現実にする憲法の改変も不要なことです。

天皇陛下万歳!の時代へ押し戻そうとする人間たちとの闘い

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所要時間 約 9分

安倍首相のような戦前を賛美したがる人間たちは、戦前の秩序によって21世紀の日本を締め上げようと悪戦苦闘

多くの日本人は性差別や人種差別が、そして思想統制が厳しく息が詰まるようだった戦前の日本を懐かしんでなどいない

 

D.Z. / エコノミスト 2018年2月5日

1868年1月、若い武士や商人の後援者が日本の徳川幕府を倒し、約700年の間続いてきた日本の封建制が終焉を迎えました。
明治維新として知られるこの体制変換は日本の急速な工業化と近代化の出発点となり、そのスピードは現代の中国の改革開放もはるかに追いつかないほどのものでした。
明治維新の成果は、たちまちのうちに日本を世界の列強の一国に押し上げました
今日の安倍政権にとって明治維新の150周年の記念日は特別なものになるはずでした。

 

安倍首相にとって明治維新の誇るべき教訓とは、国民が日本の伝統的体制をあがめつつ、近代性と変革に積極的にとりくむべきであるということです。
しかし日本人の多くはこうした解釈の仕方を不快に思っています。

1853年に江戸湾に黒船が、すなわち現在の東京湾にアメリカ軍の艦隊が現れて日本との自由貿易権を要求するまで、日本は200年以上もの間鎖国制度が続いていました。
近代的艦隊の登場により、武士階級による支配がもはや時代に合わないという事実を暴露しました。

交易権と条約に基づく開港を要求する西洋列強の圧力が高まりに比例するようにして、若い武士の幕藩体制への批判が高まり続けました。
そして好意的な表現を用いればいわば熱血漢たちが変化を求めて行動を開始しました。

彼らがクーデターを開始した際のスローガンは「尊皇攘夷 - 天皇を崇拝し、夷狄(野蛮人)である外国人を日本国内から追放する」というものでした。
『尊皇』の部分について志士たちが求めたものは伝統でした。
彼らは何世紀にもわたっていわば飾り物として京都で生活してきた皇族を再び政治の中心に据えました。
彼らは12歳の睦仁天皇を江戸に行幸させ、江戸は東京と改名されました。
睦仁天皇は元号に明治(天下は明るい方向に向かって治まる)を選び、それゆえこれ以降この政変は明治維新と呼ばれるようになったのです。

 

しかし実質的に維新は革命でした。
野蛮人である外国人を追放する代わり、日本の新しい指導者たちは外国人のすべてを積極的に受け入れました。
1868年4月には『五箇条の御誓文』が示されて封建制度が正式に終わり、「智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スべシ」との方針が明らかにされました。
政府の運営、貿易、産業、軍事について学ぶために、約50人の明治政府の関係者が岩倉遣欧使節団としてアメリカとヨーロッパに視察旅行に出発しました。
帰国後諸外国の援助を受けるなどして明治の日本は西洋に追いつき、鉄道や道路を建設し、封建制に基づく領国を再分配する土地改革を行い、西洋の教育制度を確立し、近代的軍隊を整備しました。

1889年、プロシア憲法をモデルにし明治憲法が制定され、太政官政府と天皇を神聖なものとして祭り上げました。
この二つの組み合わせは強力なものとなりました。

1895年、日本は東アジアの老大国であった中国と韓国の実質的支配権を巡って短期間の戦争を行い、屈辱を与えました。
1905年にはロシアを相手に1年間戦い再び勝利しました。

 

明治維新の前後、日本は西欧列強諸国により自国の独立が脅かされることを恐れていました。
19世紀に生まれた社会進化論は適者生存・優勝劣敗という発想から強者の論理となり、帝国主義による侵略や植民地化を正当化する論理になったため、日本も西欧列強の餌食になってしまう危険を感じていました。

 

しかし日露戦争に勝利した日本は、強者の側に立つことになったのです。

すべての状況が日本をのぼせ上らせることになりました。
同時期のドイツの場合はヒットラーが全権を掌握する前と後では明確な違いがあります。
しかし日本の場合は明治維新直後の改革者が築いた見識の高い明治政府がいったいいつ、軍国主義者の国家に変容してしまったのか、明確な線を引くことができません。

軍国主義者は1937年に日本を全面戦争に引きずり込みました。
天皇崇拝と明治政府が近代化の最重要課題のひとつに挙げた近代的軍隊の整備、その中に軍国主義者たちがせっせと侵略と残虐行為の種を撒き始めました。
これは安倍首相が時にそうした態度をあからさまにするように、戦争中に日本が犯した誤りに向き合うことを拒否する人間たちにとっては触れてはならない問題です。

それをしてしまうと日本の体制についての疑問を、大政奉還という出来事に象徴される明治維新の時点まで押し戻してしまう危険があるからです。

 

では安倍首相のような戦前を賛美したがる人間たちが誇示しようとしているものはなんなのでしょうか?
磨き上げた神話です。
安倍首相が率いる自民党内の一部の保守派は、明治憲法が個人の自由より家族の結束を優先し、そしてすべてに天皇の存在を優先させていた時代を懐かしんですらするのです。
しかし多くの日本人は、性差別や人種差別が、そして思想統制が厳しかった時代を懐かしんでなどいません。

安倍首相は日本の急激な人口減少と対等を続ける中国を強く意識せざるを得ない立場にあり、歴代の首相の誰よりも日本の将来を前向きにとらえなければならない立場にあります。
しかし安倍首相は、明治維新によって出来上がった秩序によって21世紀の日本を締め上げようと悪戦苦闘しているのです。

 

https://www.economist.com/blogs/economist-explains/2018/02/economist-explains-1

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まず誤解のないよう申し上げたいのは、私自身は天皇制を否定するつもりはなく、どころか現在の明仁天皇、そして皇太子の日本と世界の平和を希求する誠実な姿勢に感動し、賛同しているということです。

日本の問題はその天皇制を自分たちに都合よく利用しようという人間たちが集まる場所にあります。

 

2010年代に入り世界全体の構造が激変する中で、先進各国の中枢は激しく変わり続ける世界と自国とのフィッティングを多数の優秀な人材を聡明な頭脳の下で機能させることにより可能にしなければなりません。

それは自由で平等な雰囲気の中で、繰り返し議論しながら進められるべきでしょう。

世界中から優秀な頭脳が自然と集まる体制こそ望ましいからです。

 

しかし日本はまさにそのタイミングで、ちょうど150年前に始まった王政復古の体制の下で国民の基本的人権を制限し、軍備拡大に最大限力国力を傾けようという首相を政府の中心に据えているわけです。

 

うまくいくはずがないではありませんか?

 

安倍首相の政権の継続には一部の大手メディアや大手広告代理店を始めとする翼賛体制が機能しているわけですが、いくら金を貰っているとはいえ、人として日本人として恥ずかしくないのか?

そう問い詰めたい思いです。

 

安倍首相自民党の改憲案は国民主権を廃し、天皇を国家元首に据えることを企図していると伝えられていますが、それこそは天皇ご自身が望んでいないことでしょう。

安倍首相の下で軍隊の文民統制がなし崩しに壊されようとしていますが、われわれ国民こそ主権者だということを声を大にして主張していきましょう。

必死で支持を探り続ける安倍改憲

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所要時間 約 8分

安倍首相の下で改憲をしてしまえば、日本の軍事力の拡大に歯止めがかからなくなり、平和主義国家から軍事優先国家への質的転換が起きてしまう

取り巻きに対する不当な便宜供与について真実が明らかにされず、ますます疑惑が深まり拡大している、まさにその最中に

 

山口まり / AP通信 / ワシントンポスト 2018年5月1日

安倍晋三首相は、2018年5月1日に声明を公表し、自衛隊について日本の正規軍して憲法の条文化について国民に対し支持を求め、何としても憲法の改定に踏み切る意欲を明らかにました。
憲法改定に反対する人々は、安倍首相の下での憲法改定により日本の軍事力の拡大に歯止めがかからなくなると批判しています。

安倍晋三首相は自らの身辺で発生したスキャンダルが拡大し政権への支持率が低下を続ける中、国際紛争の解決手段として戦争の放棄を宣言している憲法を改定するという自分の長年の目標に国民の支持を求めました。

 

安倍首相は、自衛隊が憲法で日本の正規軍として正式に認められることを希望していると述べました。
これに対し反対派は、安倍首相の推定により現在の制約が取り払われ、日本の軍事力の拡大に歯止めがかからなくなる可能性があると述べています。
「とうとう憲法の改正に取り組むべき時がやってきました。そして国民の皆さん自身が、本来果たさなければならない役割を果たしてください。」
安倍首相は憲法改定を求めて毎年開催されている集会で、こう呼びかけました。

安倍首相は現在中東各国を歴訪中のため、自民党の幹部議員がこのメッセージを代読しました。

この数年、憲法改定を求めるキャンペーンが強力に展開されてきましたが、国民の意見は分かれたままです。

 

憲法改定への機運は安倍首相率いる自民党が中心になって作り上げてきました。

安倍首相率いる自民党は改正案を提出するために必要な衆参両院での過半数を確保していますが、連立与党の公明党は憲法の書き換えには前向きではありません。

 

日本の戦後憲法は国際紛争の解決手段としての戦争を放棄し、軍事量の保有と使用を自衛に限定しているものの、現実には日本は米国と緊密に連携して軍事作戦を実行できるだけの現代的な陸軍、海軍、空軍力を保有しています。

 

自衛隊は日本が太平洋戦争(第二次世界大戦)に敗北して10年が経たないうちに発足し、その当時から賛否両論が別れていました。
当時に比べ現在は日本の正規軍として国民に広く受け入れられています。

 

自民党は以前、戦争放棄を宣言している憲法第9条を無力化し、国民の基本的人権にも制限を加える憲法改定案を明らかにしましたが、国民の支持は得られませんでした。


その結果を見て安倍首相は、現状のままでは多くの日本人憲法学者などが自衛隊を意見と判断し得る状況を変える必要があると主張し、自衛隊を正規軍として合法化しなければならないとして改憲を要求しています。

 

5月1日のメーデーの集会では数千数万の参加者が憲法の改定案に反対する意思表示を行いました。
そして安倍首相の取り巻きに対する不当な便宜供与について真実が明らかにされず、むしろますます疑惑が深まって拡大する様相を見せていることに対し、安倍首相の辞任を求める抗議が繰り返されていました。

 

安倍首相が総裁を務める自民党や国家主義者のその支持者たち、中でも強力な政治力を持つ日本会議などは何年にもわたり日本国憲法の改定を要求し続けてきました。
彼らは、第二次世界大戦に敗戦した後、1947年にアメリカ占領軍によって『押しつけられた』現在の日本国憲法は時代遅れであり、その平和主義的制限により、北朝鮮の安全保障上の脅威から日本を守りきることができないとの主張を展開しています。

 

2012年に自民党が提案した日本国憲法改定案は、天皇を中心とした戦前の価値体系を復活させ、場合によっては国益を個人の権利よりも優先させることを意図していました。

安倍首相は現在は、2018年3月に与党が採択した自衛隊を正規軍として第9条へ明記するという改定を主張しています。

 

https://www.washingtonpost.com/Japan’s Abe seeks support for constitutional revision

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オリジナルの記事に載っているのは冒頭の写真ではないのですが、これ以上もうこの人の写真をクリップするのはゴメンだな、と思い、以前のものから似たような写真を流用しました。

いつにも増して人間的イヤラシさが滲み出ているような写真なので、興味のある方はワシントンポストのページをご覧になってみてください。

 

憲法記念日当日の朝刊を読んでみましたが、憲法の改定についてはまだまだ議論が深まっていない、環境は整っていないというのが大勢の意見のようです。

なぜ今改憲が必要かという主張の最大の理由とされていた『外交環境の劇的変化』、その最大の焦点の北朝鮮問題、これがまずそれこそ劇的展開を見せ、韓国北朝鮮にアメリカを加えた当事国同士がこの機会に「平和的解決」をめざそうということになっています。

 

以前掲載した論評の中に「日本は対中国・対北朝鮮 - 対立・緊張状態を煽り続けることで、自民党一党支配を継続させてきた」という( http://kobajun.biz/?p=32547 )指摘がありましたが、その一方の『大前提』が崩れた以上、『とうとう憲法の改正に取り組むべき時がやってきました。』などという現実は無くなってしまったはずです。

 

まして「民主主義の基本に無理解であり、黒い関係と疑惑がつきまとう人物に、国家の規範を改める資格はあるのでしょうか?!」( http://kobajun.biz/?p=32390 )

 

しかし安倍首相はいつも通り蒙昧な論理(?)を持ち出して、『今こそ!』などと息巻いています。

 

でも私たち一般市民は、それが国民のためなどではなく、まして平和な社会の実現のためなどが目的ではないということをすっかり見抜いてしまっています。

 

では安倍改憲の真の目的とは何なのか?

今後の世界各国メディアの分析に注目し、ご紹介していきたいと思っています。

 

 

 

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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