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【 天皇家への忠誠を誇示したい超国家主義者たちへの冷たい視線 】《後篇》

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所要時間 約 6分

明仁天皇は太平洋戦争の悲劇を反省し、犠牲者を追悼することにその人生を捧げてきた

明仁天皇の行動こそは、超国家主義者たちへの生きた非難

 

エコノミスト 2017年4月12日

 

天皇家の人々が女性太陽神の子孫だという見解を受け入れるためには特殊な価値観を受容する姿勢が必要ですが、少なくとも日本国民が共通して持っているものは天皇家の血統に対する自然な敬意です。

日本にとって都合の悪い歴史を書き換えようとする人間たちは、こうした国民感情を利用して容易に自分たちの主張を有利に展開することを常とう手段としています。

こうした人間たちは第二次世界大戦中、大日本帝国が一般市民を大量に虐殺したり、占領地域の女性たちに兵士向けの売春を強要したりといった事実は存在しないと主張しています。

史実を書き替えようとするグループの中には当然、時の勢いに迎合しようとする人間たちも含まれていますが、しかし多くは自分たちの主張こそ正しいと信じ込んでいます。

半藤氏が指摘したように、

「私たち日本人は何か問題が起きるはずが無かったのであれば、そんな問題は起きなかったのだと考える傾向があります。」

 

都合の悪い歴史を書き換えようとする人間の急先鋒とも言うべき2人の人物が、安倍政権内に閣僚として座っています。

稲田朋美防衛大臣と高市早苗総務大臣です。

そして安倍政権の閣僚の4分の3は、38,000人の有料会員によって維持され、日本国憲法の書き換えと天皇の地位をより強いものにすることを目指す日本会議、すなわち歴史の書き換えを目指すグループのメンバーです。

 

そしてこれらの人々が共通して持っているのが、戦争を引き起こしたことと戦争中日本が関わった犯罪行為について、戦後になって隣国や関係国に謝罪する姿勢を持ち続けたことが日本人の精神をダメにしたという認識です。

日本会議の議長を務める田久保忠衛氏は、学校における「道徳教育」の推進を唱え、国歌を強制的に歌わせることに反対してきた左翼の教師が行ってきた70年間の「洗脳教育」を終わらせ、「振り子を正しい位置に戻す」ために歴史教科書の第二次世界大戦(太平洋戦争)の日本の行為に対する前向な記述を要求しています。

 

超国家主義者たちは前進しました。

菅官房長官は彼らの仲間ではありませんが、教育勅語を擁護するとした発言は超国家主義者たちに対する追従(ついしょう)です。

 

それでも彼らは見過ごせない問題を抱えています。

彼らが尊敬していると強く主張するまさしくその天皇家の人びとです。

現在83歳なられる今上の明仁天皇は、父君である裕仁天皇が容認あるいは推進した太平洋戦争の悲劇を反省することにその人生を費やしてきました。

明仁天皇は多くの日本人や現地の人々が犠牲になった戦場を訪問することに、ご自身の多くの時間を費やしてきました。

そして日本人だけではなく、すべての戦争犠牲者を哀悼し続けてこられたのです。

 

▽ 菊の花の嘆き

 

明仁天皇の行動こそは、超国家主義者たちへの生きて活動している非難です。

日本会議のリーダーたちは、明仁天皇が半藤氏のような人を会話に誘った事実を知って、明らかに動揺しその表情は目にみえてひきつりました。

超国家主義者たちは明仁天皇から親しく声をかけていただいたことなど無いのです。

 

高齢化によりご自分の職務をこれまで通り遂行することに困難を感じられるようになって以来、明仁天皇は国民に対し生前退位を認めてくれるようお話になりました。

超国家主義者たちはこうした明仁天皇の思いにすら腹を立てています。

2,000年間続いてきた日本の皇室の伝統に反するというのです。

 

著名な自由主義知識人の1人である船橋洋一は、明仁天皇は国民の間にたぐいまれな程の人気があり、しかも尊敬を集めていると語りました。

「明仁天皇は本当の意味で無敵というべきです。」

 

しかしいまわが世の春を謳歌しているかのように振る舞っている超国家主義者たちはどうでしょうか。

自分たちの主張が支持されていると心の底から思っているのでしょうか?

 

〈 完 〉

http://www.economist.com/news/asia/21720613-bit-problem-flag-waving-extremists-japanese-ultranationalists-devotion-emperor?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

【 天皇家への忠誠を誇示したい超国家主義者たちへの冷たい視線 】《前編》

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所要時間 約 7分

総力戦を展開、その挙句国民が大量に殺され、2度も核兵器攻撃を受けるなどして国土を徹底に破壊される結末への道を突き進んだ軍国主義

日本の戦争犯罪はねつ造されたものであるという印刷物を自分たちの周りにせっせと積み上げ、正体を隠して発言を続ける自称『歴史家』達

 

 

エコノミスト 2017年4月12日

 

教育勅語は1890年10月、法令等ではなく当時の明治天皇自身の言葉として交付されました。
美文調で書かれた315文字は、国民に自己の研鑽に努めた上で帝国に忠誠を誓い、家族を大切にし、そして何より日本の天皇制の存続に尽くすよう諭しています。

あらゆる教育機関で教育勅語の謄本が作られ、天皇・皇后の写真とともに奉安殿に納められて大切に扱われました。
子供たちが教育勅語を暗唱したことにより、一人一人の国民が神聖な皇位継承者とその臣民とをつなぐ『国体』という神秘的概念を形成するための基盤になりました。
このため教育勅語は必然的に、戦前の大日本帝国が天皇の名の下に軍国主義政策を推進し、総力戦を展開し、その挙句国民が大量に殺され、2度も核兵器攻撃を受けるなどして国土を徹底に破壊される結末への道を開くことになりました。

 

『国体』という言葉は、かつてヒトラーが主張した生存圏(ドイツ語:Lebensraum - レーベンスラウム)という言葉が現代のドイツにおいて使われることが稀なように、現代の日本人にとって耳に快い言葉ではありません。
教育勅語に関しては、太平洋戦争に降伏した3年後の1948年、国会によって排除と失効が確認されました。

ところが4月早々、安倍内閣は「教育勅語」について、「憲法や教育基本法に反しない形」で教材として使用を認める閣議決定をしたのです。
安倍政権の菅菅義偉官房長官は記者会見でためらいがちにではありましたが、
「教育の唯一の根本とする指導は極めて不適切だが、普遍的なことまで否定すべきではない」
と語り、安倍政権の方針に反対する人々がまるでわからずやであるかのようなコメントをしたのです。

そして予想される批判をかわそうとするかのように、安倍政権が実際の授業で教育勅語を活用するよう勧めたことは無いと語り、使うかどうかは現場の教師次第だが、憲法違反にはならないよう配慮が必要だと付け加えました。

 

しかし教育勅語の問題を持ち出したタイミングは、森友学園を巡るスキャンダルが国内で大きな論議を呼んだその直後でした。

森友学園は超国家主義者グループとも言うべき存在で、幼稚園を運営しています。

その幼稚園の様子を撮影したビデオは、現在の天皇である明仁天皇と彼の妻の皇后の写真の前でお辞儀をする幼児たちを映し出しています。

子どもたちはさらに旧大日本帝国の軍歌を歌い、大人たちに対し、中国、韓国、ロシアとの間に存在する領土問題にしっかり取り組むようお願いをした上で、反中国・反韓国のスローガンを唱えていました。

 

日本国内では、この学園と安倍首相の妻・安倍昭恵氏との関係が明るみに出て、大きなスキャンダルになっています。

昭恵夫人は森友学園が大阪に建設している小学校の名誉校長に就任することに同意しました。

昭恵夫人は名誉校長を今年2月下旬に退きましたが、スキャンダルの中身はこの森友学園が小学校の建設用地を国から異常に安い価格で払い下げられたというもので、現在調査が進められています。

1930年代初期に生まれた小説家の半藤一利氏は教育勅語をまだ暗記しており、声に出して一言一句を唱えることができます。

半藤氏は教育勅語は良い面を持っていると語ります。

親孝行を心掛け、兄弟仲睦まじく暮らし、友情をはぐくみながら生きていくことに、反対する人など世の中にいるでしょうか?

しかし一方では、天皇陛下にいつでも命を捧げられるようにしていることを、美徳として称えています。

 

これと全く逆の概念を日本に持ち込んだのが、1947年にアメリカ占領軍によって『押しつけられた』自由主義の日本国憲法です。

そして一般国民こそが主権者だという事を明確に規定しています。

日本国憲法は天皇の神格化を否定し、国家元首ではなく単に国の象徴だと規定しています。

半藤氏は教育勅語の復活について語りながらも、天皇を元首の地位に据えることについての議論ができない人々を軽蔑しています。

 

日本においては右翼と超国家主義者の区別は判然とはしていません。

東京都内の中心部の路上では、日章旗を翻し、大日本帝国がアジア各地の征服事業にいそしんでいた当時の軍歌を大音量で鳴らし続ける『街宣車』の周りで、見るからに悪そうな連中(原文ではthugs)が汗を流していました。

 

日本の戦没者を神格化している東京の靖国神社では、特攻隊の制服を身にまとった夢想家が威張るようにして歩きまわっています。

別の場所では、公には決して正体を明かそうとはしない自称『歴史家』達が、日本が関わったとされる戦争犯罪はほとんどがねつ造されたものであるという印刷物を自分たちの周りにせっせと積み上げています。

さらには歴史を書き換えてしまおうとする人間たちがケーブル・テレビ・スタジオの安っぽいセットの前に座り、史実に対する怒りを爆発させているのが現在の日本です。

 

〈 後篇に続く 〉

http://www.economist.com/news/asia/21720613-bit-problem-flag-waving-extremists-japanese-ultranationalists-devotion-emperor?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

 

【 憲法改定の『家業』に精を出す安倍首相 】

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所要時間 約 5分

『憲法9条を無効に!』未完のファミリー・ビジネスにばかり熱心な安倍首相

国民の57%が憲法第9条の改定に反対、賛成は25%留まり、現実は安部首相の見解とはおよそ逆

 

エコノミスト 2017年5月4日

 

今週ずっと、東京の国立公文書館で展示されている黄ばんだ文書を見るために、大勢の人々が静かに並んで順番を待っていました。

1946年アメリカ軍の占領下にあった当時、うだるように暑い日々に起草され、戦争の放棄を宣言した日本国憲法は多くの日本人にとってある意味神聖な価値を持つものです。

しかし日本の安倍晋三首相は、その条文を改めたいという強い願望を、これまでほとんど隠そうとはしませんでした。

 

そして今年、東京がオリンピックを主催する2020年までに憲法の改定を確実なものとしたいという決意表明をするために、安倍首相は現在の憲法が公布されて70周年を迎える5月3日を選んだのです。

憲法の改定を実現させるためには衆参両院の過半数の承認と、国民投票による同意が必要になります。

ただでさえ異論の多いこの議論をつづけるためには多大な政治的エネルギーを費やさざるをえず、必然的にこれからの3年間、安部首相が繰り返し約束した弱体化した日本経済の立て直しは後回しにされることになります。

 

安部首相が望むのは日本国憲法の平和条項として有名な第9条を改定し、現在は軍隊という位置づけでは無い日本の自衛隊について合法性を確保するとともに、名実ともに日本の正規軍としての地位を確立させることです。

日本国憲法は陸、海、空の常備軍の保持を禁止していますが、このために日本の自衛隊の250,000人以上の兵員、1,600基の航空機、そしてその威力を誇示している4隻の大型ヘリ空母などは居心地の悪い思いをしています。

こうした問題に加え憲法第9条の条文は、たとえば国連の平和維持活動に自衛隊が参加することは違法か適法かという終わりの無い議論を続けさせる結果にもつながっています。

 

安部首相が率いる自民党はこれまで何十年もの間、憲法第9条を戦勝国アメリカが日本に押しつけた屈辱の産物とみなしてきました。

つまるところ、同党の古屋圭司衆議院議員の言葉を借りれば、自民党はこの日本国憲法の改定を明確な目標として1955年に誕生しました。

安部首相の祖父である1950年代当時の岸信介首相は、在任中に憲法の改定を実現させようと懸命の取り組みを行いましたが果たせませんでした。

安部首相はこれまで環境づくりに精力的に取り組み、足場を固めた上で憲法改定に乗り出しました。

「憲法を不朽の大典とみなす国民は、今や少数派になりました。」

安部首相は支持者に対し、こう語りかけました。

 

安部首相が自信を持ってこう語る背景には理由があります。

安部首相が率いる連立与党は日本の衆参両院の議席の絶対多数を占めており、同じく憲法改定に前向きな他の党の同意を得れば、国民投票実施のために必要な国会の議席3分の2以上の確保は充分に可能だと判断したのです。

北朝鮮が頻繁に繰り返すミサイル発射実験も、安部首相の主張に貢献する結果となっています。

 

しかし安倍首相の目論見通り事が運ぶかどうかは未だ解りません。

 

NHKが行なった最新の世論調査では、国民の57%が憲法第9条の改定に反対している一方、賛成派は25%に留まり、現実は安部首相の見解とはおよそ逆になっています。

 

憲法改正に対する支持が日本国内でピークを迎えたのは10年以上前のことです。

社会学者の小熊英二慶応大学教授は、特に現代の若者は、外国との外交紛争に慎重な見方をするようになったと語りました。

そして安倍首相自身も、日本国民にとっての最大の懸念は安全保障問題ではなく、経済問題だという事を認めています。

 

未完のファミリー・ビジネスにばかり熱心に取り組むようなことになれば、安部首相の『悲願』は再びその手からこぼれ落ちることになるかもしれません。

 

http://www.economist.com/news/asia/21721690-voters-are-up-arms-about-idea-shinzo-abe-sets-date-revising-japans-pacifist?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

【 見つからない!高レベル放射性核廃棄物の最終処分場 : 日本 】

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所要時間 約 8分

処分の見通しもない大量の高レベル放射性核廃棄物を抱え込んでいる日本に、これ以上原発を稼働させる余裕は無いはず

最終処分場は地震が多発する不安定な日本の国土で、100,000年の間、高レベル放射性核廃棄物を『完全に』安全な状態で保管し続けなければならない

福島第一原発事故の被災地は汚染のひどさを理由に、他の原発の高レベル放射性核廃棄物まで背負わされる可能性が高い

 

ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ  2017年5月5日

 

日本の原子力産業界が作り出している高レベル放射性核廃棄物の処分場建設の候補地に挙げられている地方自治体が次々と拒否を表明する中、日本政府は尚も最も安全にこれらを埋設できる地下処分場の建設予定地を探し続けています。

 

これから100,000年の間、18,000トンの高レベル放射性核廃棄物を安全に保管できる廃棄物処分場を建設可能だと専門家が考える候補地について、日本政府はこれらを地図に落とし込む作業の総仕上げに入っています。

この地図は2017年6月に公開される予定になっていますが、日本政府は同時に日本全国でシンポジウムを開催し、なぜこうした施設が必要なのか説明した上で、この計画に対する国民の支持を得ようと考えています。

 

2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故の記憶は生々しく、未だに多くの被災者が苦境に立たされていることを考えれば、日本政府のこうした計画が国民の理解、あるいは支持をそう簡単に取り付けられるとは考えられません。

 

原子力発電所が排出する高レベル放射性核廃棄物の最終処分場を造る計画が日本の原子力産業界から最初に示されたのは2002年のことでした。

しかしその当時でも、この計画の受け入れについて具体的検討を行った地方自治体はほとんどありませんでした。

 

それから 15年が経過し、その間発生した福島第一原子力発電所の事故により、いくつかの原子炉の永久廃炉が決定し、高レベル放射性核廃棄物の最終処分場建設はいっそう差し迫った問題になっています。

 

▽ 放射能もれ

 

巨大地震によって日本列島の沖合で発生した高さ13メートルの津波が4基の原子炉に襲いかかり、大量の放射性物質が環境中に放出された福島第一原発の事故は、日本という国が多発する地震によっていかに不安定な状態にあるのかをあらためて強く認識させることになりました。

最終処分場はそうした国土で100,000年の間、高レベル放射性核廃棄物を『完全に』安全な状態で保管し続けなければならないのです。

 

京都に本部を置いて反原子力発電運動を続けるグリーン・アクション・ジャパンのアイリーン・ミオコ-スミスさんは、日本政府にはそれ程の事業を成し遂げる能力は無いと考えています。

「2011年に起きたことは、日本中のどこであってもこうした天災から逃れることはできないという事を教訓として私たちに伝えました。それ以外の都合の良い事実があるなどと考えることは、」

ドイチェ・ヴェレの取材にアイリーンさんがこう答えました。

福島第一原発の事故以降、原子力発電に対する国民の不信と反対意見は高いままですが、アイリーンさんは日本政府は対象となった自治体が首をたてに振るまで、補助金や補償金を釣り上げる使い古された手段を使って処分場の候補地を手に入れようとするだろうと考えています。

 

▽ 公金

 

「彼らはこれまでずっと何とか最終処分場の建設予定地を確保しようとしてきました。そしてその土地が候補地として充分な安全を確保できるかどうか、調査を受け入れただけで町や村に対して多額の資金を提供してきたのです。」

アイリーンさんがこう語りました。

「こうした資金欲しさからこれまで何人かの自治体の首長が調査を受けて入れてきました。最終的に処分場建設を受け入れるつもりは無かったとしても、調査が行なわれると決まっただけで、住民たちは直ちに激しく反発したのです。住民たちは激しい怒りを隠そうともしませんでした。」

「結局すべてのケースで自治体の首長は決定を翻しました。政府の提案を受け入れた自治体はただの一か所もありませんでした。」

「しかし私が現在恐れているのは、遅かれ早かれ日本政府が場所を決定し、自治体に対してはその受入れを一方的に命令することになる事態です。」

 

日本政府は最終処分場の安全確保には万全を期すと語っています。

そして活断層や火山活動による地震の影響がない場所の、地表から300メートル以上の地下に作られることになっています。

そして浸食や風化の恐れが無く、さらには油田や石炭層からも離れ場所に位置しなければなりません。

交通アクセス条件も考慮される必要があり、さらには海岸線から20km以内の場所が望ましいとされています。

 

▽ 高レベル放射性廃棄物

 

建設される最終処分場はガラス固化された高レベル放射性廃棄物を詰めたキャニスターを25,000個収容する能力が必要です。

2011年に福島第一原子力発電所が事故を起こしてから国内の原子炉はそのほとんどが停止していましたが、マグニチュード9.0の地震規模の天災にも耐えられるよう求める新たな安全基準をクリアした原子炉から順次稼働させる現在の政策が続けば、高レベル放射性核廃棄物の量は今後さらに増え続けることになります。

国際基督教大学で国際関係論を専攻するスティーヴン・ナジ准教授は、どの自治体が処分場建設を受け入れることになっても、日本政府が多額の補償金を支払わなければならないことだけははっきりしていると語りました。
「これまで全ての政権がそうしてきたように、あらゆる地方自治体に対し処分場建設を受け入れれば、地域活性化のために多額の政府資金を提供すると言って回ることになるでしょう。しかし福島の事故を目の当たりにした日本人の多くが、原子力発電に拒否感情を持つようになっており、行く先々で激しい抵抗に会うことになるでしょう。」
「私は日本政府内においても、原子力発電を段階的に廃止する方が望ましいという意見が強まっていると考えています。しかし現段階でそこまで踏み切るのは現実的ではないことが明らかです。」

 

政府が「最適候補地」を発表した段階で明らかになるでしょうが、高レベル放射性核廃棄物の最終処分場の建設にふさわしいとして挙げられるのは、本州の中心部ではなく、多分比較的人口の少ない東北地方か北海道ということになるでしょう。
東北・北海道ともに、地方の活性化対策が死活問題になっている市町村が多数存在します。

そしてさらに残酷な展開が予想されます。
福島第一原子力発電所周辺の放射能汚染は極めて深刻なため、結局、最終候補地として選ばれるのは事故の被災地にされた福島県内の市町村の可能性が高いのです。

 

http://www.dw.com/en/japan-seeks-final-resting-place-for-highly-radioactive-nuclear-waste/a-38709488

【 憲法改定を求める動きを加速させる『北朝鮮の脅威』】

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所要時間 約 11分

戦争を放棄している日本国憲法は、多くの日本人にとって誇るべきものである

いかなる武力紛争にも関わらないとする平和主義は、実際に70年間日本が戦争と無関係な国家であることを可能にしてきた

 

 

ジュリアン・ライオール / ドイツ国際放送 2017年5月3日


日本国憲法が施行されて70周年を迎えた5月3日、安倍首相は第二次世界大戦に敗北して以降ずっと日本政府のすべての行為に制約を課してきたこの憲法に変更を加えたいという願望を改めて表明しました。

 

安倍晋三首相は保守派の政治家としてこれまでずっと、国家の安全保障と防衛政策について規定する日本国憲法の一部を書き直したいという『宿願』を繰り返し表明してきましたが、これまではその宿願を実現できる環境を手に入れることができずにいました。

しかしアジア太平洋地域、特に東北アジア地区における外交・安全保障上の状況はこれまでとは異なり、日本人は自分たちが脅威にさらされていると感じるようになりました。

 

特に日本人が恐れるのは核兵器とそれを搭載でき日本を射程圏内に収める弾道ミサイルを手にする北朝鮮の独裁体制です。
日本人のもう一つの大きな懸念は、近隣諸国が領有権を主張している南シナ海の島々を実力で支配下に置き次々と軍事施設等の建設を続けている中国の軍事的台頭です。

中国政府は日本と領海を接する東シナ海においても、沖縄県にある無人の尖閣諸島(中国名は釣魚台列島についても同様に領有権主張をしています。
中国の沿岸警備艦はこの島々がある日本の領海に頻繁に侵入しては出て行くという示威行動を繰り返し、領海から出て行くよう求める日本側の警告を無視する行動を繰り返しています。

 

北朝鮮が挑発的行動をエスカレートさせ緊張が高まる中、米国のトランプ大統領はアジアの同盟国との関係を重視する姿勢を具体化させています。(写真上)

 

▽ 手直しが必要?

平均的日本人にとって現在は北朝鮮や中国との関係が『懸念される時代』であり、交付されてから70年が経つ現在の憲法は今日の状況には合わなくなってきており、見直すことが必要であるという提案が説得力を持つようになっています。
そして変えることが最も『必要な』部分は、日本は「永遠に戦争を放棄する」こと、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と規定している第9条です。

日本の歴代の政権はこの条文について日本の国土を防衛する権利までは制限していないと解釈し、実質的な軍隊である自衛隊の存在は合法的であるという見解を引き継いできました。
そしてその結果。自衛隊はその規模も戦力も拡大を続けてきました。

 

しかし自衛隊の戦力がどれほど大きくなろうとも、日本国憲法第9条はその軍事力の行使については厳しく制限しています。

憲法記念日の数日前に共同通信社が実施した世論調査によれば、回答した人の49%が、第9条を見直す必要があると回答し、いかなる変更にも反対すると答えた47%を上回りました。
安倍氏の首相就任後の2012年12月に実施された世論調査では、国民の51%が第9条の改定に反対し、45%が改定を支持していました。

 

安倍首相は長年の『宿願』に対する支持が高まったことを受け、憲法改定についての議論を開始することを誓いました。
安倍晋三首相は自民党が主導する会合で、「日本国民に対し自信を持って、この国の未来がどうあるべきかという私たちのビジョンと理想的な憲法のあり方」を自信をもって示すべきだと語りました。

 

▽ 平和で豊かな
安倍首相は東アジア地区で高まっている安全保障上の脅威から、日本国内の人口減少や労働力の縮小に至るまで、国が抱える課題について具体的に言及し、自分が「平和で豊かな日本の未来を切り開いていく」と語りました。

保守派の人間の多くは、現在の憲法が太平洋戦争後の混乱の中、強大な力を持っていた同盟国によって敗戦国の日本に課せられたものであり、今日の現実を反映する必要があると感じています。

福井県立大学国際関係学部の島田洋一教授はドイチェ・ベレの取材に「第9条は何年も前に改訂されるべきだったと思う」と答えました。

 

「日本が脅威に直面していることは明らかであり、その状況は年を追うごとに深刻になっています。」

奥村教授がこう語りました。

「生物兵器や化学兵器はもちろんのこと、核兵器とミサイルを装備した北朝鮮がもうそこまで迫ってきているのです。キム・ジョンウン体制の北朝鮮がこれらすべての兵器を開発済みであることは疑いないのです。」

「北朝鮮問題は目前に迫った脅威ですが、長期的視野に立った場合日本の主権を脅かすことになるのは中国の領土的野心です。その実例を南シナ海を囲む各国は厳しい教訓とともに突きつけられました。」

「現在の憲法は私たちが基本的に隣人を信用しなければならないとしています。しかし、中国、北朝鮮、あるいはロシアといった国々を信頼するよう求められることは非現実的な事ではないでしょうか。」

そして奥村氏は最後にこうつけ加えました。

「私たちは自分自身で身を守る能力を身に着ける必要があります。」

 

国際基督教大学で国際関係論を専攻するスティーヴン・ナジ準教授は、安倍首相が長年望んできた日本国憲法を改定するための諸条件を初めて揃えることができたと確信しています。

「日本人を悩ませている短期要因は北朝鮮です。北朝鮮はすでに核弾頭や化学兵器を日本国内の目標に打ち込むことを可能にする各種のミサイルを開発済みです。」

ドイチェ・ヴェレの取材にナジ準教授はこう答えました。

 

「日本が脅威に直面していることは明らかであり、その状況は年を追うごとに深刻になっています。」

奥村教授がこう語りました。

「生物兵器や化学兵器はもちろんのこと、核兵器とミサイルを装備した北朝鮮がもうそこまで迫ってきているのです。キム・ジョンウン体制の北朝鮮がこれらすべての兵器を開発済みであることは疑いないのです。」

「北朝鮮問題は目前に迫った脅威ですが、長期的視野に立った場合日本の主権を脅かすことになるのは中国の領土的野心です。その実例を南シナ海を囲む各国は厳しい教訓とともに突きつけられました。」

「現在の憲法は私たちが基本的に隣人を信用しなければならないとしています。しかし、中国、北朝鮮、あるいはロシアといった国々を信頼するよう求められることは非現実的な事ではないでしょうか。」

そして奥村氏は最後にこうつけ加えました。

「私たちは自分自身で身を守る必要があります。」

 

国際基督教大学で国際関係論を専攻するスティーヴン・ナジ准教授は、安倍首相が長年望んできた日本国憲法を改定するための諸条件を初めて揃えることができたと確信しています。

「日本人を悩ませている短期要因は北朝鮮です。北朝鮮はすでに核弾頭や化学兵器を日本国内の目標に打ち込むことを可能にする各種のミサイルを開発済みです。」

ドイチェ・ヴェレの取材にナジ准教授はこう答えました。

 

▽ 長期的課題

 

「日本にとっての長期的課題は中国の存在です。東アジア地区において急速に存在感を大きくしている中国は、私たちがこの目で見てきたように南シナ海で、そして東シナ海でも軍事的な圧力を大きくし続けています。

「安部首相はこうした状況に、力で対決するため日本の軍隊の存在を正式に認めさせることについて、重要性と合理性があると考えるようになったのです。」

ナジ准教授はこう強調しました。

 

しかし日本国憲法によって保障され、いかなる武力紛争にも関わらないとする平和主義は、実際に70年間日本が戦争と無関係な国家であることを可能にしました。

そして現在、平和主義に対する世論の支持はむしろ上昇傾向にあります。

戦争を放棄している日本国憲法は多くの日本人にとって誇るべきものです。

こうした日本の人々の意識こそ、安部首相が憲法第9条の内容を大幅に変えてしまう事は不可能だと、ナジ准教授が信じる最大の理由です。

 

「安部首相はこの数年、日本の安全保障政策の一環として日米同盟の重要性を強調してきました。そのためには日本の自衛隊が同盟国、実際には米軍と協同の軍事行動を行う上で障害となる制約を取り払う必要があります。そのために憲法第9条の条文の変更が必要なのです。」

 

日本政府は自国の軍事力を法的に正式に規定した上で国際舞台での軍事行動を可能にするする法律の整備にこだわりを持ち続けており、こうした部分の法整備を今後も続けて行くことになるだろうと付け加えました。

「私は安倍首相が日本国憲法に思い切った改変を加えることができるとは考えていません。

しかし防衛能力と日米の軍事同盟を強化することによって、現実を変えていくことは可能だと考えています。」

 

http://www.dw.com/en/japans-new-drive-to-rewrite-constitution-amid-north-korea-threat/a-38672296

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日本の人びとだけでなく、世界の心ある人々も人類の理想だと考えているのが日本国憲法第9条です。

日本国憲法の成立の経緯がどのようなものであれ、ベトナム戦争に参戦「してしまった」韓国などと比べても、70年もの間平和主義を貫いてきた日本は、世界中から特別の尊崇を受けてきました。

それほど価値あるものを、北朝鮮の半分狂人としか思えない体制に振り回された挙句捨ててしまうなど、許されて良い話ではない、個人的にはそう考えています。

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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