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なぜ自民党は選挙に勝ち続けるのか?:政治理念より支持者への見返りが第一

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所要時間 約 7分

スキャンダルも日本経済の停滞も「どこ吹く風」、支持者を潤わせればそれで良いという情実型の選挙戦術

これほどの政治支配はアメリカやヨーロッパの民主主義国家ではあり得ない

派手なインフラ事業で現金と雇用を大盤振る舞い、ただでさえ危機的状況の公的負債を積み増す安部政治

 

エコノミスト 2017年10月12日

今治市は四国と本州を分ける瀬戸内海を見下ろす場所にある美しい中世の城(今治城 : 冒頭の写真)で知られています。

しかし近頃では別のランドマークが注目されています。

それは今治市を上から見下ろす場所に建設中の魅力的なカレッジキャンパスです。

公共の場所に建設され、政府の助成金96億円によって成立した事業でしたが、建設半ばのこの獣医学部は、巨額の助成金が交付されることになった背景には安倍晋三首相の存在があったという主張がつきまとっています。

 

元文部科学省の官僚は、同省が仲間が経営する新しい大学に許認可を与え補助金を交付するために、安部首相が影響力を行使したと主張しています。

首相側はこれを否定しています。

野党の政治家は、今回安倍首相が10月22日が投票日となる衆議院の解散総選挙に打って出た理由の一つは、この加計問題に関するさらなる質問をうまく切り抜けようとしているのだと指摘しています。

しかしこうした一連の問題も、安倍首相が率いる自民党に対し今治市民が向き合う姿勢にはほとんど影響を及ぼしてはいないようです。

「多くの人が悪魔と知りつつも、これからも支持を続け恩恵にあずかろうと考えているようです。」

今治市で商店を経営する高須佳子さんがこう語りました。

 

四国地方は長年にわたり自民党の拠点となってきた、地元野党の政治家である福田剛氏がそう指摘しました。

今治市議会では32議席中27議席、県議会では47議席中26議席を自民党とその与党議員が占めています。

衆議院議員選挙を見てみると、2014年の選挙では四国の小選挙区11席のうち自民党がとれなかったのは1議席、比例代表では6議席中3議席を獲得しました。

自民党が全国的規模で敗退した2009年の選挙でも、四国地方に限っては小選挙区13議席中の8議席と比例代表で2つの議席を確保しました。

安倍晋三首相が率いる自民党は1955年以降、数年間を除き権力を握り続けてきました。

政治学者の猪口孝氏は、これほどの政治支配はアメリカやヨーロッパの民主主義国家ではあり得ない状況だと指摘しました。

この「あり得ない形」の原因の一つに日本の選挙制度があります。

四国のような保守的な農村部には、国政に対する大きな発言権が与えられています。

最高裁判所がこれまでの制度を違憲としたため、日本政府は気が進まぬ様子ながら一票の格差を縮小する方向に動きましたが、自民党は依然として利益を得続けていると、東京大学のケネス・マックエルウェイン氏が指摘しました。

 

政治への無関心も自民党に有利に作用しています。

2014年の衆議院選挙の投票率は52%であり、第2次世界大戦以降最低の水準でした。

しかし自民党は政治理念よりも現実的利益を優先させることで、揺るぎない支持を得ています。

自民党は保守的であるとよく言われていますが、一方では昔ながらの社会民主主義的な政策も看板として掲げています。

年金制度を守る姿勢を強調し、大盤振る舞いをして派手なインフラを構築して四国のような場所にも現金や雇用をもたらし、ただでさえ危機的な状況にある公的負債を積み増しています。

その例として1999年には、本州と四国を結ぶ巨大な橋を建設するシリーズの仕上げとして、10本目となる今治と本州を結ぶ優雅な橋が完成しました。

ちょうどその1年前には、約170km離れた四国と本州とを結ぶ3本の橋が落成しました。

 

安部首相が財布のひもを握っている日本政府による一連の大規模な景気刺激策は、回復への足取りの重い日本経済の実態が表に出ないようにする効果を発揮しています。

他の先進各国ではどの政党も国家財政を健全化させることに最大の責任を持とうとしている、こう考えるのは河野太郎外務大臣です。

「日本では、大きな政府と小さな政府という両方の政策をひとつの政党が担っているのです。」

 

今治市の経済を支えてきたのは、自民党に絶対的な忠誠を誓う造船業や繊維会社の経営者たちでした。

しかしこうした産業は近年衰退の一途をたどり、地元の人口縮小も歯止めがかかりません。

しかし地元野党の政治家である福田剛氏によれば、相変わらず多くの人々が自民党の方を向いています。

これまでこうした伝統的産業は衰退を続けてきました。

人口減少もさほど気にはしていないようです。

しかし日本の有権者たちは長い年月をかけ日本がどう変わったかという事より、政治に期待すべきものは選挙が終わった後に自分たちがどんな見返りを得られるのかという点にある、そう完全に割り切ってしまっているようです。

 

https://www.economist.com/news/asia/21730204-scandals-and-economic-stagnation-seem-do-it-no-harm-why-ldp-keeps-winning-elections-japan?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

被災者の人権を侵害 – 日本の原子力行政 : 福島第一原発事故の被災者、窮状を国連で証言

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所要時間 約 9分

財政的に追い詰められ、まだ危険な量の放射線が残る自宅に戻ることを強制されている原発被災者

自宅を捨てて逃げなければならなかった原発被災者に、二重三重の経済的困難がのしかかる

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年10月11日

2011年に発生した福島第一原発の事故により自宅を捨てて避難せざるを得なかった女性が、ジュネーヴの国連本部で開催される委員会に先立ち、原発難民にされてしまった人々の人権が侵害されていると証言する予定であるとガーディアンの取材に答えました。

福島第一原子力発電所の3基の原子炉のメルトダウンした後、園田光子さんは夫とともに10歳の息子を連れてそれまで住んでいた村から自主的に避難しました。

 

園田さんは国連人権委員会の席上、こうした避難者が財政的な困難に直面し、事故発生から7年近くが経っても放射線量が危険な値に留まっているかつての住居に戻ることを強制されていると証言することになっています。

園田さんはジュネーヴの委員会に先立ち、日本国内で開催される調査会で証言することになっていますが、ガーディアンの取材にこう答えました。

「私たちは日本の政府からも社会からも、見捨てられたように感じています。」

園田さんのように事故当時、指定避難区域以外に暮らしていた住民で現在他の場所で避難生活を送っている人々の数は約27,000人と見積もられています。

彼らが暮らしていた場所については未だに放射線量の高さに懸念があり、果たして住民の安全が保たれるのかどうか懸念が残りますが、日本政府は今年3月に住宅費用の援助を打ち切りました。

これに加え福島地区の再建の取組の一環として日本政府は、一度立ち入り禁止区域に指定された後除染作業を行った区域について再び居住地としてこれを開放する方針を示し、これによって事故の際立ち退きを命じ去られた数万人の住民は来年3月に補償金と住宅援助の両方の支払いを打ち切られることになりました。

 

このように政府が財政支援を打ち切る方針を明示したことにより、避難民の人びとは不可能とも言える選択を迫られることになりました。

放射能による汚染が解消されていない場所に戻って暮らすか、安全な場所で暮らす代わりに国家による補償を打ち切られ、今以上に苦しい生活を強いられるか、そのどちらかを選ばなければなりません。

グリーンピース・ジャパンにおける世界的なエネルギー・キャンペーンの先駆者であるケンドラ・ウルリッヒ氏は、次のように述べました。

「原発難民の人々にはかつて住んでいた家に戻るかどうか冷静に判断する選択権を与えられるべきであり、そのために充分な財政援助を提供されるべきです。」

「もし原発難民の人びとが経済的圧力によって帰還を余儀なくされているのであれば、それは情報に基づく決定を下せる立場にないという事です。この度の国連総会は、日本政府に対し正しい対応を行うよう、圧力をかけることが目的です。」

 

原発事故によって避難を余儀なくされた人々は、『ホットスポット』と呼ばれる放射線量が極端に高い場所が各所に残っているにもかかわらず、今度は福島第一原発近くの自宅に戻ることを強く勧められているのです。

今年3月に避難命令が解除された飯舘村では、前例の無い規模での除染作業が行なわれた住宅や学校など公共施設に対しては安全だと宣言されたものの、周囲の森林の多くは放射能が高いままです。

「野外刑務所、そんな表現をしても良いかもしれません。」

ウルリッヒ氏がこう語りました。

「こうした場所に戻ってしまえば、人々の生活の質が受ける悪影響は厳しいものになるでしょう。この場所での生活は森林とは切っても切れない関係にあります。しかし放射能汚染により森の中に入ることは決して許されません。そして森林全体を除染することは不可能です。」

数ヶ月間各所を転々とした後、園田さんと家族は2年間京都に住んでいましたが、その場所の自治体が無償でアパートを提供してくれました。

その後これまでの4年間は夫の母国である英国で暮らしてきました。

フリーの翻訳家であり日本の書道の師範でもある園田さんは

「私たちは実質的に2度に渡り避難しなければなりませんでした。息子も私も最初は本当に苦労しました。私たちは日本を離れたくはありませんでした。」

 

食品の安全性と内部放射線被ばくに対する深刻な懸念があるため、親戚に会うための短期の滞在を除いて、園田さんはもう二度と福島の故郷に戻ることはではないと確信を深めています。

「私の故郷の村はとても美しい場所なので、本当に悲しいです。」

と彼女はこう語りました。

「そこには私たちの家があり、引退後はそこで生活するつもりでした。」

福島第一原発の事故による避難は家族を離散させてしまいました。

園田さんの両親は暮らす場所を新たに手に入れるために必要な資金を調達しようと悪戦苦闘していますが、捨てざるを得なかった自宅の住宅ローンの支払い義務が重くのしかかっています。

園田さんが次のように語りました。

「今年3月、日本政府が住宅援助を打ち切ったことは冷酷な仕打ちでした。」

「何人かの友人は望まないのに、福島に戻るという以外の選択肢が無くなってしまったのです。」

原発難民の支援を行っているグリーンピース・ジャパンは、園田さんが行なう証言が被災者への財政的支援を継続し、住民の帰還計画を推し進めようとしている日本政府に対する国際的な圧力を構築するための最初のステップとなり、政府が計画を撤回する結果に結びつくことを期待しています。

 

グリーンピース・ジャパンは過去、福島周辺の放射線量が、国際放射線防護委員会が勧告している放射線への曝露限度である1ミリシーベルト(mSv)を下回るまで、福島周辺の安全宣言を行なわないよう日本政府に要請していました。
日本政府は長期的には年間1ミリシーベルトを長期目標とするとしていますが、原子力発電所の労働者に適用される年間曝露限度である年間20ミリシーベルト以下の地域に、一般の住民が帰還して生活することを奨励しています。

こうした日本政府の態度に対し、園田さんが次のように語りました。
「なぜ一般の人、特に女性や子供たちが国際的に定められた限度の20倍の放射線がある場所で生活しなければならないのでしょうか?」

「日本政府は、被災者にきちんとした回答をしていません。」

 

1番目の写真 : 指定避難区域の外側で農作業をする園田さんの叔母

2番目の写真 : 福島第一原発事故発生の前、近くの山間の渓流で水を飲む園田さんの息子と友だち

3番目の写真 : 福島第一原発の事故発生の前、自宅近くを歩く園田さんの家族

https://www.theguardian.com/environment/2017/oct/11/fukushima-evacuee-un-japan-human-rights

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お断りしなければなりませんが、原文の記事には『安部政権』も『安倍首相』も一切書かれていません。

被災者への援助を打ち切るのは Japanese Government であり、Abe Administrationとは書かれていません。

しかし原子力行政は国の重要な政策の一つであり、その方針を決めるのは現政権、すなわち安部政権に他なりません。

本文中に『日本政府』とあるものは、すべて安部政権と置き換えるべきです。

しかしながら原文を尊重し、本文中は『日本政府』とさせていただきました。

※英文からの翻訳のため、個人名・固有名詞の漢字表記に誤りがある場合があります。

【 福島第一原発の最大規模の集団訴訟で賠償支払い命令 】

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所要時間 約 8分

おびただしい数の人々が自宅を捨てて避難しなければならなかった巨大な原子力発電所の事故、日本政府にも責任がある

根こそぎ破壊された人間の暮らしについて『補償する』ことは、果たして可能なのか?

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年10月10日

日本の裁判所は福島第一原子力発電所の運営する東京電力と政府に対し、2011年3月3基の原子炉がメルトダウンした事故の影響により様々な形で被害を受けた住民に対し、約5億円の損害賠償を命じました。
福島地裁の判決はこれまでの裁判所の判決と同様、大量の放射線が放出され何十万何万というおびただしい数の人々が自宅を捨てて避難しなければならなかった巨大な原子力発電所の事故に対し、日本政府に責任があるという事も明確にしました。

 

3基に上る原子炉のメルトダウンという事故の発生により、それまでの生活を根本から破壊されたとする12,000人の人びとが全国で30件の同様の訴訟が行なわれていますが、3,800人の原告を含む集団訴訟はその中で最大規模のものです。

2017年3月、25年前のチェルノブイリ原子力発電所事故以降、世界最悪の原子力事故となった福島第一原発の事故について、国にも過失があったとする日本の裁判所として初めての判断が下されました。

そして2011年3月11日に強力な地震と津波によって深刻な原子力発電所事故を引き起こした東京電力は、3件の訴訟すべてにおいて損害賠償を命じられることになりました。

判決によれば事故発生当時避難を命令されなかった福島県の住民を含む原告は、最高で36万円の賠償を受け取ることになります。

 

しかし裁判所は、それまで生活していた住居が再び人間が安全に暮らせる数値に放射線量が下がるまでの期間、月額5万5000円の補償を支払うように求めた原告の訴えは却下しました。

このケースは政府とTepcoが6つの原子炉のうちの3つの炉で燃料の溶融を防ぐために使用されていた発電所の冷却システムを破壊し、バックアップ発電機を破壊した災害を予見できたかどうかにかかっています。


いずれの裁判でも、福島第一原子力発電所の6基の原子炉の内3基で、本来から原子炉の炉心で核燃料のメルトダウンを防ぐために機能するはずだった冷却装置を破壊し、併せて非常用の発電機も使用不能に陥らせるほどの災害の発生を日本政府と東京電力が予め想定することはできたかどうかという点が重要な争点となりました。

 

福島地方裁判所は、福島第一原発が位置する東北地方の太平洋沿岸地区を襲う危険性について、すでに約10年前に状況が解明されていたにもかかわらず、日本政府当局は東京電力に安全対策を改善するよう命令しなかったと指摘しました。

原告側の主張は2002年に日本政府が専門家に依頼して調査を行った結果、今後30年以内にマグニチュード8.0の地震が発生する確率が20%、その際高さが15.7メートルに達する津波が発生する可能性があるとした報告に基づいています。

裁判所は、日本の原子力行政が責任を持って原子力産業界に働きかけ、東京電力に対し福島第一原発の地下に置かれていた非常用ディーゼル発電機を高地に移動させるとともに、原子炉建屋を耐水性を強化するように命じていれば、原子炉がメルトダウンする事態を防ぐことができた可能性が高いという原告の主張を支持しました。

これに対し日本政府と東京電力は東日本の太平洋岸一帯を破壊し尽くす程強力な津波の襲来を予測することは不可能だったと主張し、福島第一原発の事故はやむを得ないものだったと主張してきました。

 

災害から約7年が経過しましたが、未だに5万人以上の被災者が仮設の住居での生活を強いられ続けています。

一部の被災地域では政府の避難命令が撤回され、放射線の脅威が本当に取り除かれたのか危ぶみつつも指定避難が解除された市町村に戻った人々もいますが、多くの人がもう二度と故郷に戻ることはできないと語っています。

https://www.theguardian.com/environment/2017/oct/10/fukushima-residents-win-500m-yen-payout-over-nuclear-disaster

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これまで原発難民にされてしまった方々から直接うかがったお話に、この稿の内容を重ね合わせたとき、最初に思ったことは『補償とは何か?』という事でした。

 

私が知っている現在20代で事故当時高校生だった女性は、自宅が楢葉町の小高い丘の上にあり、学校帰り度々目にしていた山間に夕陽が沈んで行く景色が大好きだったと話してくれました。

それは人間としての感情のひとつであり、そうした風景を永遠に奪われても、もちろん補償の対象とはなりえません。

彼女は仙台市内の大学に進学しましたが、「幸いに」原発難民として迫害や嫌がらせを受けることは無かったとも話してくれました。

その話を聞いた時には、本当に心が痛みました。

自分とは関係の無い会社が引き起こした産業事故の被害者にされたことで、なぜ迫害や嫌がらせを受けることを心配しなければならないのか、あまりに理不尽な話だと感じたからです。

しかし国内報道でも度々伝えられたように、原発難民にされてしまった方々のなかに、実際に避難先で数々の理不尽な扱いにさらされることになった方も数多くおられたようです。

彼女はこうした体験を私に終始穏やかな口調で話してくれました。

しかし彼女を知る別の人は、家族がいよいよそれまで暮らしていた自宅を『捨てなければならない』と決まった時、信じられないほど取り乱し、その後精神を病む寸前まで行ったのだと教えてくれました。

 

彼女は今年結婚し、新幹線を乗り継いで行かなければならない程遠い場所にある新居で暮らすことになりましたが、福島県いわき市内に新たに居を定めたご両親と一緒にかつての自宅を訪れて哀惜の思いを新たにし、その後新天地へと旅立っていきました。

 

こうしたお話も含め、そして自分が数多く手がけた翻訳記事の中で語られていた体験談も含め、一度生活の根底を破壊されてしまったら、もう取り返し様がないのだという厳然たる事実が存在することを思い知らされました。

人為的にそれを補償するなど、到底不可能な話です。

 

人間は物質だけを揃え整えて生きている訳ではありません。

私も一度過労で倒れて、ごく一時的にでしたが記憶を無くしたことがあります。

あの時感じた恐怖というのは、例えようのないものでした。

人生というものが記憶の積み重ねであることを痛感させられた体験でした。

 

原子力発電所が一度事故を起こしたら、周辺で暮らしている人々は『何もかも捨てて』避難しなければなりません。

もう原発など無くても、いかようにも電気を作ることができる時代になっているはずです。

現在の政権・安部政権は、何より人間の暮らしを守ろうという意思を持っているでしょうか?

福島第一原発の事故に関する日本国内の議論はまだまだ足りない、そう感じさせる記事でした。

【 まだ、原発?】

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所要時間 約 8分

廃炉にされる原子力発電所の数が、建設中の原子力発電所の数を上回る時代が到来した

米国は自分たちが始め世界中に混乱を広げてしまった原子力発電の、終息への道筋を示さなければならない

 

マギー・ガンダーセン / ベン・シュルマン・リード/ フェアウィンズ 2017年6月22日


廃炉にされる原子力発電所の数が建設中の原子力発電所の数を上回る時代がやってきました。

現在世界中で稼働している原子炉は1960年代に構想・実現されたものであり、21世紀社会になって急速に進歩した再生可能エネルギーとの競争において大幅な後れを取ることになり、経済的成果が実現不可能となった結果、次々と閉鎖に追い込まれています。

今や世界中の人びとが福島第一原発で発生したのと同じ事故が、その場所に原発がある限り世界中いつどこででも起こり得るという事を理解するようにもなりました。

 

一度はこれからの35年間12日ごとに1基の割合で新しい原子炉を建設し、2050年までに1000基の新しい原子炉を稼働させる計画を夢見た原子力産業界ですが、もはや原子力に依存する必要性がなくなり、誰ももうそんなことを望みもしなければ欲してもいないという厳しい現実に直面しています。

 

世界最多の原子炉が稼働している米国では、マサチューセッツ州ピルグリム、ニューヨーク市郊外のインディアンポイント、ニュージャージー州オイスタークリーク、カリフォルニアのディアブロキャニオン、そして最近ではスリーマイル島ペンシルバニアで、それぞれの原子力発電所が近い将来閉鎖されることになると発表されました。

米国内の原子炉の停止は経済面だけに留まらず地球環境にとっても良い影響が期待できますが、廃炉は高額な費用を要する複雑な工程を持つ作業であり、これまでこれらの巨大施設を支えてきた地元のコミュニティには少なからぬ損害を与えることになります。

原子力発電所の稼動が完全に稼働を停止すれば、地元自治体や地元の経済界は原発の経済的恩恵からの財務体質の転換を円滑かつ確実に実現しなければなりません。

併せてきわめて有害な放射性核廃棄物の長期的な安全保管を可能にしなければなりませんが、米国政府はこれまでそれを実現できていません。

 

さらには発電をやめた原子力発電所はそれそのものが巨大な放射性核廃棄物となるため、物理的に数十年間の安全管理が必要になることに加え、地域社会は今よりももっと健全で持続性の高い方法での電力供給を可能にしなければなりません。

その上で多様なやり方で自給自足できるように経済を再構築していく必要があります。
現時点で原子力発電所が立地する市町村は「ホスト・コミュニティ」と呼ばれていますが、残念なことにその経済規模は小さく、経済的にも原発以外に主だった収入源は無いというのが現実です。

こうした市町村で将来の運営計画が検討される際、原子力発電所からの発言がいつも取り上げられる訳ではありませんが、現実には市町村の命運を握る存在です。

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションはバーモント・ヤンキー原子力発電所が抱えている問題と欠陥、そして立地自治体であるウィンダム郡が当然受けるべき配慮が欠如していることを継続的に監視し報告しています。

 

2014年バーモント・ヤンキー原子力発電所が閉鎖される時になって、バーモント州の議員と州政府の職員たちはバーモント州の権利とバーモント州のすべての市民の権利を守るためには、自分たちが同原発の運営会社であるエンタジー社と本来国の原子力政策を健全に運営する立場にあるはずの原子力規制委員会、その両方と戦わなければならない立場に置かれていることに気づきました。

 

バーモント州は州内唯一の原子力発電所であるバーモント・ヤンキーの廃炉プロセスの条件について交渉中であり、アメリカ国内で原子力発電事業から撤退するための的確な手続きと、廃炉と解体の作業を円滑に進める方法についてのモデルケースとなっています。

バーモント州は移行に際し、発電所の法人所有者の権利と利益だけでなく、すべての利害関係者の利益を保護するための公正な手続きを模索しています。

 

バーモント州は州内唯一の原子力発電所であるバーモント・ヤンキーの廃炉プロセスの条件について交渉中であり、アメリカ国内で原子力発電事業から撤退するための的確な手続きと、廃炉と解体の作業を円滑に進める方法についてのモデルケースとなっています。

バーモント州は移行に際し、発電所の法人所有者の権利と利益だけでなく、すべての利害関係者の利益を保護するための公正な手続きを模索しています。

 

原子力発電所が立地するすべての市町村の住民にとっての本当の疑問は、地方税をきちんと収めている地元の住民たちの権利を守り、その声を代弁してくれるのはいったい誰なのか、という事です。

廃炉作業の実際の進行状況はどうなのか、地下水の水脈や河川の流域は汚染されていないか、

そして地域経済の健全性を保つための構造転換は順調に進んでいるか、等の問題に住民の立場で取り組んでくれる存在です。

 

ところが停止中の各原子力発電所の放射線量と廃炉作業の進行状況の監視に責任を持つべき原子力規制委員会(NRC)は、上記のような周辺住民の人権問題にはまるで無関心であり、どのような対策も行っていません。

すべての環境を守るため保証されなければならない清浄な空気を吸う権利、安全な水を飲む権利、そして停止した原子力発電所の様々な部品から漏れ出す放射能に汚染されていない食品だけを口にする権利、このような環境問題と人権問題はすべて、米国内の地方自治体と州政府に任せっぱなしにされています。

バーモント州はもっと安全でより透明性の高い廃炉プロセスの実現を求め、高放射性核廃棄物と汚染された原子力発電そのものの安全かつ永続的な廃棄に移行する作業をめざし、自治体として地域社会果たすべき役割の実現をリードしています。

 

わたしたちフェアウィンズもオープンで透明な廃炉プロセスを提唱しながら幅広く対話を行うことにより、米国が始めた原子力発電事業に終止符を打ち、世界中に広がってしまった混乱を収束に向かわせるために指導的役割を果たし得ると信じています。

 

原子力発電から脱却し、経済的にも妥当な費用で、しかも地球上のすべての生き物が健康な状態で生存を続けることができる環境を守ることに貢献する安全なエネルギー社会への転換を、地域社会が協力して実現する、それがフェアウィンズが目指しているものなのです。

 

http://www.fairewinds.org/newsletter-archive//oegf127i8zwvkcg5koxzivdipspzk9

【 東京電力の原子力発電所に再稼働の許可 】

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所要時間 約 7分

日本の原子力規制制度の欠陥を完全に露呈

福島第一原発事故の被災者への補償費用、そして廃炉費用、総額が50〜70兆円に急増

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年10月4日

2011年3月日本の福島第一原子力発電所において3基の原子炉をメルトダウンさせる事故を起こしてから6年以上経過し、東京電力は原子力事業への復帰への第一歩を踏み出しました。
日本の原子力規制委員会は10月4日水曜日、東京電力(Tepco)からかねて申請のあった世界最大の原子力発電所である柏崎刈羽原子力発電所の2基の原子炉を再稼働するという申請を承認しました。

 

しかし東京電力は現在も福島第一原子力発電所において、完了に向け確実な見通しすら立たない事故収束・廃炉作業を行っています。

今後実際の再稼働に向けた手続きの過程では一般市民との意見交換や協議が行われなければならず、新潟県の日本海沿岸で暮らす人々の強い反対に直面することも予想されます。

原子力規制委員会はそれぞれ出力が1,650万メガワットの柏崎刈羽原子力発電所原子炉6号機と7号機が福島第一原発の事故後に導入された新しい厳格な安全基準を満たしたとして、4日水曜日に開催された委員会で5人の委員全会一致で再稼働の承認に賛成しました。

この決定に対し、原子力発電に反対する様々な立場の人びとから批判が相次ぎました。

グリーンピース・ドイツの上級原子力発電技術の専門家であるショーン・バーニー氏は、原子力規制委員会の決定は無謀だと非難し、次のように語りました。

「東京電力が2011年に福島第一原子力発電所で引き起こした3基の原子炉のメルトダウンの原因は、すべて原子力発電のリスクの無視によるものです。大地震が発生するリスクが極めて高い場所にある世界最大の原子力発電所について、その原子炉の安全性を承認することは日本の原子力規制制度の欠陥を完全に露呈しています。」

 

グリーンピースは、23個に上る地震活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地の下に存在すると述べました。

 

東京電力は声明を発表し、原子力規制委員会の決定を厳粛に受け止め、福島第一原子力発電所の事故収束・廃炉作業と被災者に対する補償を充分に行いつつ、柏崎刈羽原子力発電所での安全性を高めるための努力を継続して行うと発表しました。

しかし原子力規制委員会の承認が得られても、実際に再稼働が実現するまでには尚数年を要すると見られています。

米山隆一新潟県知事は、少なくとも3年はかかると言われている福島第一原子力発電所の事故に関する検証作業を東京電力が完了させない限り、再稼働に同意するかどうかを検討することはないと述べました。
福島第一原発事故の被災者は原子力規制委員会の決定に対し、怒りを露わにしました。

いまだに仮設住宅暮らしをしいられている松本ひろ子さんは、共同通信の取材に次のように答えました。

「福島第一原子力発電所の事故がすでに終わったかのように物事が進められているように見えます。」

かつては福島第一原発に近い場所で暮らしていた松本さんは、東京電力は「深刻な原子力事故が周囲に信じられない程甚大な被害をもたらす可能性があることを忘れてはならないはずです。」

と語りました。

東京電力は巨大地震と巨大津波によって引き起こされた福島第一原発の事故以降高騰している火力発電用の化石燃料の輸入価格の高騰に苦しんでおり、その支出を削減するために停止している原子炉を再稼動する許可を求めてきました。

福島第一原発の事故発生により日本国内の原子炉はすべて稼働を停止しましたが、現在 4基の原子炉が新しい基準に基づく安全審査に合格し、再稼働しています。

 

東京電力は現在、2011年3月11日に福島第一原子力発電所の6基の原子炉の内3基がメルトダウンを起こした事故により、生活の基盤を根本から破壊されてしまった人々からの巨額の補償請求、そして事故収束・廃炉作業に必要な巨額の費用の発生に直面しています。

福島第一原発の事故収束・廃炉作業に必要な期間は約40年、経費はこれまで約22兆円と試算されていましたが、日本経済研究センターは今年の初め、その金額が50〜70兆円に急増する可能性があると発表しました。

そして原子力発電を今後も継続するかどうかという問題は、この10月に投票が行われる衆議院議員選挙でも重要な争点のひとつとなることが予想されています。
安倍晋三首相は経済成長のために、そして日本が気候変動の問題に関する数値目標を達成するためにも原子炉の再稼動が必要であると主張しています。

安倍政権の下で日本政府は、2030年までに原子力が日本の発電総量の約20%を供給することを望んでいます。

 

しかし自民党の対抗勢力としてその地位を急浮上させている新設された希望の党は、2030年までに原子力発電を段階的に廃止するという方針を打ち出しています。

世論調査の結果は、ほとんどの日本人が原子力発電所の再開に反対していることを明らかにしています。

 

https://www.theguardian.com/environment/2017/oct/04/fukushima-operator-tepco-restart-nuclear-reactors-kashiwazaki-kariwa#img-1

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実際に原発難民にされてしまった方のお話を直接うかがうことができたとき、
「人間としての誇りすら失ってしまった…」というエコノミストの記事( http://kobajun.biz/?p=17075 )が伝えていたことが本当なのだと実感しました。
それまで自分の仕事に誇りを持って情熱的に取り組んでいた人が、それまでの仕事に関わるすべてを取り上げられ仮設暮らし、あるいは思いもかけない身過ぎ世過ぎの仕事を強いられる。

もちろん思い出も絆もそこで断ち切られてしまう。

 

そのことが人間としてどれほど辛いことかも考えもせず、日本の原子力行政は電力会社の投資資金の回収が最優先…

そこだけ見れば終わりか?! という憤りを禁じ得ません。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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