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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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テロ、そして戦争 : 史上最大の隠ぺい《4》

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所要時間 約 8分

世界を代表するメディアを自認するなら、民主主義の成り立ちや一国の政治を変えるほどの事実を報道するかどうかは極めて重要な問題であったはず

手が込んでいるにも関わらず、肝心な点がずさんだったCIAの対イラン工作

 

デモクラシー・ナウ 2018年1月5日

エイミー・グッドマン:
紆余曲折の末、ニューヨークタイムズに掲載されたブッシュ政権の大規模盗聴疑惑に関する記事であなたとエリック・リッチブラウ記者がピュリッツァー賞を受賞したのですね?
ジェイムズ・ライゼン:
そう、その通りです。私たちはさらなる追跡記事を書こうとしていました。

 

エイミー・グッドマン:
そして当然ながらニューヨークタイムズ社もピュリッツァー賞を受賞したのですね?
ジェイムズ・ライゼン:
そう、そう、でもそのことで自分は非常に割り切れない気分にさせられました。
私はこの記事を書いたおかげでニューヨークタイムズ社内における不服従分子だと思われたのですが、同じ記事で私も会社もピュリッツァー賞を受賞したわけです。
同じ理由でまず社内で戦うことを強いられ、次は外部から賞賛を具体的な形で受け取るというこれまでにない経験をすることになったのです。

エイミー・グッドマン:
ここにピュリッツァー賞選定委員会のコメントがあります。
「慎重で懸命な情報源を確保したことにより、秘密裡に行われた国内での盗聴疑惑を明らかにしたことにより、大規模なテロの防止と市民の基本的人権のどちらを優先すべきかという課題について、幅広い議論を喚起した。」
ピュリッツァー賞をしたことで当然ニューヨークタイムズ社もあなたと一緒に祝杯をあげたことと思いますが、彼らはあなたを祝福してくれましたか?後で謝罪などはありましたか?
ジェイムズ・ライゼン:
いいえ、謝罪はありませんでした。
祝杯をあげただけです。
この記事を書いたことで自分は随分奇妙な運命に見舞われたな、というのが正直な感想でした。
ほんの数ヶ月前までは、記事が公表される前に本が先に出版されることになったら私はニューヨークタイムズから解雇されるのではないかと危惧していました。
それが今や祝福される立場に変わったのです。

 

「この瞬間は、私の人生の中で最もやりきれない時間かもしれない。」
私はそう感じていましたが、口には出さないことにしました。
私はニューヨークタイムズ社主のサルツベルガーと編集主幹のケラーに言われた言葉を思い出していました。
「君がこの記事を書いたことで、我々がどれほどの面倒に巻き込まれてしまったことか…」
少なくとも私はその時点では、この記事に関してそれ以上何か交渉をするつもりはありませんでした。

エイミー・グッドマン:
謝罪と言えば当然、それはあなたに対してだけでなく、アメリカ国民に対しても謝罪が行われるべきものでした。
なぜなら『世界的新聞社』としての価値を自認するのであれば、民主主義社会の成り立ちや一国の政治を変えるほどの事実を報道するかどうかは極めて重要な問題であったはずです。
ジェイムズ・ライゼン:
その通りです。

 

エイミー・グッドマン:
さてニューヨークタイムズ社が記事の公開を押さえ込んでいたというのとは別の問題、もしこの情報源を明らかにしなければ刑務所行きだと脅された問題についてお聞きしたいと思います。
ブッシュ政権下でこうした脅威にさらされていたあなたは、オバマ政権になればすべてが変わると考えておられたようですが、事実は逆でした。脅威は大きくなってしまいました。
さてここにお迎えしているのは、ピューリツァー賞を2度受賞したジャーナリストであり、ベストセラー作家であり、現在はインターセプトの国家安全保障問題を担当する特派員を勤めるジェイムズ・ライゼン氏をお迎えしています。
ジェイムズ・ライゼン氏はそれ以前はニューヨークタイムズで働いていました。

さてジム、これまでブッシュ政権が国家ぐるみで行った盗聴工作に関するお話をうかがってきましたが、もうひとつの国家的陰謀についてお話をいただいてよろしいですか。

ニューヨークタイムズ紙が最終的に公表しないことを決定したイランに関わる問題です。

この件であなたには刑務所で一生を終わる危険が生じたのですね?

 

ジェームズ・ライゼン:

そうです。私は2003年CIAがイランの核開発計画に影響を与えようとする極めてずさんな計画を実行したという証拠を手に入れました。

CIAは政権内部の離反者のひとりからロシアの科学者が作成した設計図を入手し、これにアメリカの科学者が計画が失敗するように誤ったデータを書き込み、これを再び元の場所に戻すというものでした。

 

ジェームズ・ライゼン:
そうです。私は2003年CIAがイランの核開発計画を妨害するため極めてずさんな計画を実行したという証拠を手に入れました。
CIAは政権内部の離反者のひとりからロシアの科学者が作成した設計図を入手し、これにアメリカの科学者が計画が失敗するように誤ったデータを書き込み、これを基に製作すれば必ず失敗するというものでした。

そしてここにもう一人別のロシア人科学者が登場します。
彼は金欲しさにロシアの機密情報を密かにイラン側に売り渡す科学者を演じることになっていました。

しかし問題がありました。
この密かにアメリカに協力することになっていたロシア人科学者は偽の情報が書き込まれた設計図を見て、CIAに次のように指摘しました。
「これでは誰が見ても一目で偽物だと解ってしまう。」

 

しかしCIAはあくまで計画の実行にこだわりました、用意した『設計図』の欠陥が明らかであったにも関わらず…。
ロシア人科学者はこの設計図がウィーンの和平会議の席上イラン側の手に入る際、一通の手紙を添えたのです。
「この設計図には問題があるかもしれない。」
お解りですか、ロシア人科学者はイラン側が自分に疑いの目を向けないように、渡した設計図には欠陥があるという見解を添えたのです。

CIAがこの時行った工作全体の中で、結局この点が最大のポイントになりました。

イラン側の科学者たちがこの設計図をどう扱ったのか正確なところは知りようがありませんが、あらかじめ密かに欠陥があるということを知らされていた以上、からはそれを容易に判別し、偽の情報を除外して使える部分だけを利用したということは十分に考えられます。
どのような工作であれ、これではうまくいくはずがないのは自明のことです。

 

《5》に続く
https://www.democracynow.org/2018/1/5/the_biggest_secret_james_risen_on
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テロ、そして戦争 : 史上最大の隠ぺい《3》

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所要時間 約 11分

国民全員の盗聴をしていたという事実、何としてもその隠蔽を続けようとしたブッシュ政権

今ここで行動を起こさなければ、もはや自分というものに価値を感じられなくなってしまうかもしれない…

 

デモクラシー・ナウ 2018年1月5日

エイミー・グッドマン:

ブッシュ政権は公になれば大統領選挙で命取りになりかねない、国民全員を対象にした違法な盗聴活動を行っていた、その事実を伝える記事を公表しないことによって、ニューヨークタイムズは引き換えに何を得たのですか?

 

ジェイムズ・ライゼン:ニューヨークタイムズは何も手に入れませんでした。

唯一手にしたものは、彼らが私を怒らせたことだと思います。

そしてニューヨークタイムズが私たちの記事を掲載しないことを再度決定した時、私は本を出版する決心をしました。

真実を公表するための手段はそれしか残されていないと考えたからです。

その時私が感じたのは、それまでの数年間、他にも私の場合同様、ニューヨークタイムズには隠したり公開を見合わせた情報がたくさんあったのだろうという事でした。

 

その事に気がついたという事は、私にとって自分の手に最後の選択肢が残されたという事でした。

今ここで行動を起こさなければ、もはや自分というものに価値を感じられなくなってしまうかもしれない、そう思いました。

私はもうニューヨークタイムズの記者を続けたいとは思っていませんでした。

これ以上事実を隠ぺいするという作業を容認はできない、そう感じていのです。

そして私はもう一つ別のドキュメンタリー、アメリカ中央情報局(CIA)がイランで犯した失敗について詳述する記事と併せて、ブッシュ政権による大規模な違法盗聴に関する著作を発表することにしました。

私は原稿を準備して編集しこの本をいつでも発刊できるようにした後、ニューヨークタイムズの編集者に対し、この本を出版すべきだと迫ったのです。

 

私はこのことについて2005年の夏の終わりから初秋にかけ、ニューヨークタイムズと話し合いました。この時点で私の本は2006年1月に出版の予定が決まっていました。

ですから私はこの本が世に出る前に彼らにかなりの時間を与えたつもりでした。

私の本の内容がニューヨークタイムズの編集陣が2度に渡って記事の差し止めを行ったそのドキュメンタリーだと解った時、彼らは私に対し怒りを露わにしました。

 

彼らの怒りは相当なものでした。

彼らは私を反抗的だとみなしたようですが、そのような考え方自体私はジャーナリストとして持つ必要が無いと考えていました。

組織に対し従順であるという考え方は不要だと私は考えていました。

一方のニューヨークタイムズはそこまでする権利は私には無いと考えていました。

そして再び私と編集者との間に、お互い次に何をすべきかという事を巡って非常に緊張した一連の話し合いが行なわれたのです。

エイミー・グッドマン:

ジム、ここに2014年に放映された米国CBS放送『60分(60 Minutes)』の番組で、CBSのレスリー・スタール氏がニューヨーク・タイムズの編集長ビル・ケラー氏がホワイトハウスに召喚された際の話し合いについて質問しています。

ニューヨークタイムズがあなたの記事を公表しないことを決めた経緯について語っています。

 

「ビル・ケラー:ブッシュ大統領自身が私にこう話しました。

「9/11のような攻撃がもう一度起きてしまったら、我々はアメリカ議会に出向き、なぜ2度もこのような攻撃を防ぐことが出来なかったのか釈明を求められることになるだろう。もしそうなったら、君に私の脇に居てもらうことになるぞ。」

それはあなたもお分かりの通り、

「お前の手も血塗られたものになるのだぞ。」

という意味でした。
レスリー・スタール:

つまり大統領は「もし何か間違いが起きたら、お前たちに責任をとらせるぞ。」

と言ったという事ですね。

ビル・ケラー:「その通りです。」

エイミー・グッドマン:そうです、彼こそ当時のニューヨークタイムズの編集主幹ビル・ケラー氏です。
ジェイムズ・ライゼン:

それは実際には、後になってから行なわれた話し合いでした。

記事の公開前に行われた最後の話し合いでした。

それ以前にもアメリカ政府との話し合いが行なわれており、その段階で合意は成立していませんでした。

まだ記事を非公開にするという決定はなされていませんでした。

すべての話し合いの最後に大統領との会談が行なわれたのです。

 

エイミー・グッドマン:

それですべてのプロセスが終了したのですね?

ジェームズ・ライゼン:

そうです。

エイミー・グッドマン:

そしてあなたがあらゆる手を打った結果、最後にはニューヨークタイムズ社もあなた方の記事を掲載することを決定したのですね?

ジェームズ・ライゼン:

そうです。同社は2005年の冬の秋、記事の中身が以前より良くなったという見解を示したのです。

まあ、幾分かの真実も含まれていますが…

実際その通りでした。私と同僚記者のリッチ・ブラウは事実を裏付けるためのさらに多くの情報を手に入れ、ブッシュ政権が行なった計画をさらに詳しく検証していたのです。

はじめにまず最終的にニューヨークタイムズがこの記事を掲載することに決定した背景には、いくつかの要因があったと私は考えています。

ご存知かもしれませんが、私の本はすべてのプロセスをもう一度始めからやり直しました。

そして2004年12月にニューヨークタイムズ紙が再度この記事を不掲載にしたことで、この記事のタイミング的な意義は失われてしまいました。

 

そして私が声を大にして言いたいのは、ニューヨークタイムズが結局はこの記事を掲載することにした唯一の理由は、掲載してもしなくとも、私の著作によってすべての事実が公表される予定になっていたという事です。

そして再び2005年の秋にかけて、ニューヨークタイムズとアメリカ政府との間で一連の新しい交渉が始まりました。

自分の本が2006年1月に発行されることが決まっていた私は、こうした事態について非常に心配していました。

結局この交渉は最後にはニューヨークタイムズ社主のサルツベルガーとブッシュ大統領本人との話し合いに行きつきました。

こうしてサルツベルガーとブッシュ大統領の会談が終わった後も、ホワイトハウス側は尚ももっと多くの人々と交渉を続けることを望んでいました。

一方私はと言えばその時点で、ニューヨークタイムズ側は必要とされるスピードでこの件の処理を進めるつもりはないのではないかと強く懸念していました。
彼らはこの問題にタイムリミットがあるとは、認めたくない様子でした。

しかし幸運なことに、一緒に記事を執筆した同僚のエリック・リッチブラウが土壇場で特ダネ級の新しい情報を手に入れました。
信頼できる情報源から、ブッシュ政権がニューヨークタイムズに対して記事の公開を差し止めさせるため、裁判所から命令を出すための措置を検討しているという情報がもたらされました。

 

アメリカ政府がニューヨークタイムズとの対決を考えているという情報がもたらされたのは、ベンタゴンペーパー( http://kobajun.biz/?p=32720をご参照ください )以来初めてのことでした。
ここに至ってニューヨークタイムズもようやく決心しました。
その情報がもたらされたその日のうちに私たちの記事の掲載を決定したのです。
確定するのに夜までかかりましたが、編集主幹のケラーがホワイトハウスに電話をし、私たちの記事を掲載する決定を伝えました。
この際、1970年代のニューヨークタイムズとの違いはインターネットがあったことでした。
ケラーがホワイトハウスに電話をした直後、私たちは記事をオンライン上で公開するための準備を大急ぎで始め、翌朝にはオンラインで公開することができました。

 

こうして私は記事を書いてそれが発表されるまで2年という月日を費やすことになったのです。

 

《4》に続く

https://www.democracynow.org/2018/1/5/the_biggest_secret_james_risen_on

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この原稿の翻訳を続けていた2月4日の新聞の第1面に

『米「使える核」追求 - 新戦略方針・使用条件を緩和』

の見出しが出ていました。

同じデモクラシー・ナウ!の記事の【 米国の核戦争実施計画、その立案者が告発する! 】( http://kobajun.biz/?p=32720〜 )をご紹介したばかりですが、「我々は核兵器を持っている、持っているのになぜそれを使ってはいけないのだ?」と会議で3回繰り返したトランプ( http://kobajun.biz/?p=32747 )とあったように、いまやアメリカは安全保障上の国際問題を解決したいのではなく、とにかく核兵器を使いたいのだと思います。

その理由は

幼稚な頭脳構造を持った無知で無分別な大統領が、現在のアメリカを率いているから( http://kobajun.biz/?p=32563 )に他なりません。

まさに今、私たちが求められているのは「今ここで行動を起こすこと」なのではないでしょうか?

新聞の記事には『核の傘』を正当化し、無知で無分別な大統領に盲従する日本の政権などがトランプを調子づかせているとの指摘もありました。

まずはなぜ日本の政治が幼稚な頭脳構造を持った無知で無分別な大統領に盲従しなければならないのか、徹底的に疑問をぶつけましょう!

危機の時代のジャーナリズム《6》

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所要時間 約 10分

どこかの『群れ』に属したいという不安は独裁主義やファシズムに利用される危険性がある

『これまでの秩序と態勢を崩壊させる』転換点に立つわたくしたちには現代、ありのままを伝える報道が必要

直面している現実のすべてを変えることはできないが、現実に直面しなければ何も変えることはできない

 

キャサリン・ヴィナー / ガーディアン 2017年12月8日

こうした従来の価値観の崩壊と貧富の差の極端な拡大、その両方が個人レベルにおける別の一連の危機につながっています。

今年、世界保健機関(WHO)は、過去10年間にうつ病の症例が急増したことを発表し、世界中の疾病原因の上位を組めるようになっていることが明らかとなっています。

孤独は今や西側社会全域に蔓延する病として認識されるようになりました。

私たちの生活はますますつかみどころの無いものになっていますが、一方ではコミュニティの一員としての認識あるいは市民型参加によって得られる喜びを見出すことができます。

 

人々は長い間互いに助けあい、同じ場所に立ち、経験を共有し、地域社会の一員となり、自分たちの生活を支配する力に影響を与えてきました。

しかし日常生活の中でこうした一体感を達成することは難しいものです。

ギグ経済時代の職場はもはや、多くの人々が共に集まる場所を提供してはくれません。

そして宗教の影響力も減少しました。

技術という言葉は、互いに顔を合わせるのではなく、画面を介してコミュニケートする機会が圧倒的に多いということを意味することになりました。

 

しかしこれは危険な時代の到来を意味するものです。
こうした状況は独裁主義とファシズム運動の温床となっています。
そう考えれば、人々が不安や混乱を感じるのは驚くべきことではありません。
どこかの『群れ』に所属したいという欲求は、暗い場所で灯りのついた家を見つけるのと同じように簡単に実現できるようになりました。

群れに加わるための新しいやり方は、憎悪を煽るのと同じように簡単に実行できるのです。

この種の今日の危機的状況は、第2回でご紹介した『ピータールーの虐殺』が『古い秩序と態勢を崩壊させるきっかけとなった」というA.J.P.テイラーの発言を思い起こさせます。
同様に今日の危機的状況こそ再び『これまでの秩序と態勢を崩壊させる』転換点となっているのではないかと思わないわけにはいきません。

『ピータールーの虐殺』の現場での熱狂的興奮を受け、大勢の一般市民が平等な投票権を要求しましたが、マンチェスター・ガーディアンこうした人々の気分を捉え、人々にどう応えるべきかその方法を見つけ出しました。
起きていることを否定したり過少報告するのではなく、現実を把握し的確に伝えること、そして適切な解釈に努めその『情報を得ることが役に立つ』ようにすることです。
答えを出すことに急を要する問題は、ガーディアンは今日どうあるべきかということなのです。

 

こうした危機への対応法のひとつが失望と現実逃避です。
スマートフォンの世界にどっぷり浸かること、あるいは暗黒社会のテレビを見ることです。
別の対応法は世の中のシステム全体がすでに機能しなくなっていると宣言し、すべてを破壊する必要があると主張することです。
一部の人間たちがこのやり方を支持していることが、最近の政治的な混乱を説明する理由のひとつになるかもしれません。

しかし失望というのは拒否感情のひとつです。
人々は再び希望を感じられるようになりたいのです。
そして特に若い人たちほど、かつての世代と同様の希望を感じることを切望しています。

レベッカ・ソルニットはその霊感に満ちた著作「暗闇の中の希望」の中で、希望は現実を単純に否定することを意味するものではないと述べています。
「希望とは、未知のものと不可解なものを取り入れたもので、それは楽観主義者と悲観主義者双方がそれぞれ信じ込んでいるものに代わるべきものだ。」と記しています。
私たちが行動することには意味があり、行動することこそが重要であるという信念です。
「本物の希望」には「明快さと想像力が必要だ」とも記しています。

そして希望とは何にも増して、私たちジャーナリストたちが市民と一緒に行動することにより変化を実現させることができるということを信じることです。
そのためには、私たち市民がもっと大胆でなければなりません。
ジェームス・ボールドウィンは1962年、
「直面している現実のすべてを変えることはできない。」
と書きました。
しかし
「現実に直面しなければ、何も変えることはできない。」
と続けています。

今日のジャーナリストは既存の力が限界に達してしまっていることを受け入れ、新しい種類の力が良い結果に繋がるのかどうか可能性を検討する必要があります。
ジャーナリストは1821年にガーディアンの設立を宣言したときのように、突き放すことなく自分たちの利害にとらわれることなく市民の側に立って世界と対峙する必要があるのです。

 

人びとがより良い世界をつくることを望んでいるのであれば、報道機関のプラットフォームは人々の想像力を大きく膨らませるために使われなければなりません。

希望に満ちたアイディア、これまでなかった選択肢、物事のあり方はこうあるべきだという形ではないという発想が必要です。

ただ単に現状を批判するだけでは何も解決しません。

私たちはそれに変わることが出来る新しいアイディアを探さなければなりません。

希望を築く必要があるのです。

 

その実現のため、ガーディアンは可能な限り幅の広いしかも進歩的な視点を取り入れていきます。

私たちは政策やアイディアを支持する事はありますが、それを打ちだした政党や個人を無条件で支持するつもりはありません。

そして私たちは真実に基づく報道に専念します。

激動の時代には、たった一人だけが正しい考えを持っているなどという事はありえません。

今後報道の焦点は、特に英国、米国、オーストラリアなどの国では、市場における競争と個人的利益の追求を最優先し、自然界の法則や公共的利益を二の次にしてきた過去30年間の経済的前提が行き詰まりを見せることになるでしょう。

これからの報道は良識によって社会を編み直すため、これまでとは別の原則と手段を追い求める必要があります。

 

しかし現在は社会に対する認識の中身が変わり、権力や影響力といった力がかつてとは違う場所に存在しています。

そのため良識が支配する社会を実現するためには、微妙な差異を見分けること、広範な知識、新たな発見、それらをまとめる力や歴史が必要になります。

近代から最近までの政治的原則は、現代における原理としては通用しなくなりました。

私たちが進むべき方向には確実な見通しなどは無く、未知の事態が待ち受けています。

専門家の意見に頼りがちな私たちですが、それだけでは不十分です。

なぜもっと多くの人々が現状を変えようとしないのか、問いかけていかなければなりません。

 

公共の利益を守るべきこの種のジャーナリズムは、現在進行中の変化について深く理解する必要があり、そのために私たちは、相手がたとえ私たちの読者でなくとも、絶やすことなくその意見を聞き続けていきます。

そのためには私たちはあらゆる階層を代表する人々を、スタッフとして迎え入れる必要があるのです。

私たちはジャーナリストがそれぞれ異なる物語を取材し、異なる受け止め方をし、異なる分析を行い、関連性について異なる認識を持ち、沈黙する人々に発言を求め、それまで無視されていた地域や話題にスポットを当てる、言い換えればジャーナリズムを良くするようにする必要があります。

私たちは一般の人々の意見を真剣に受け止め、私たちの主題、情報源、読者として大切に接して行きます。

読者とジャーナリズムの関係は手早く処理すべき業務ではありません。

読者とジャーナリズムは目的意識を共有し、私たちが現在生きている時代を理解し解析していくことに互いに関わっていくべきです。

 

《7》に続く
https://www.theguardian.com/news/2017/nov/16/a-mission-for-journalism-in-a-time-of-crisis
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テロ、そして戦争 : 史上最大の隠ぺい《2》

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所要時間 約 10分

国家の安全保障を優先するため、法律を無視したスパイ活動を行う先例を作ったブッシュ政権

 

デモクラシー・ナウ 2018年1月5日

ジェームズ・ライゼン:

こうしてブッシュ政権による史上最大規模の盗聴疑惑を巡る報道について、ブッシュ大統領の2期目の再選がかかる大統領選挙を目前に控え、私たち、政府関係者、ニューヨークタイムズ編集関係者の間で話し合いが始まったのです。

加わったのは当時のCIA長官のジョン・マクラフリンと部局長クラスの彼のスタッフ、私とニューヨークタイムズのワシントン支局長だったフィル・トーブマン、そしてアメリカ政府関係者です。

アメリカ政府関係者は私たちが記事にまとめた内容は事実ではないと主張し、公表しないように求め続けました。

彼らはこう言いつづけました。

「もし仮にこの記事が、ここに書かれているようなことが公にされれば、アメリカ政府にとっても深刻な事態になるが、君やニューヨークタイムズにとっても深刻な問題が起きることになるぞ。」

 

エイミー・グッドマン:

ジム、あなたのお話を続ける前に …

 

ジェームズ・ライゼン:

ええ?

 

エイミー・グッドマン:

まずはアメリカ政府がこの『ステラー・ウィンド(恒星風)』というプログラムでいったい何をしていたのか、まずその全容についてご説明ください。

ジェームズ・ライゼン:

解りました。

 

エイミー・グッドマン:

そもそもアメリカ政府が国民全員の盗聴という行為を、それも非合法のまま行なおうとしたその目的について。

ジェームズ・ライゼン:

『ステラー・ウィンド(恒星風)』は大きく分けて2つの部分で構成されていました。複数の側面を持っていたのです。

それまでアメリカの国家安全保障機関(NSA)は海外で暮らす外国人のスパイを監視することを目的とする機関であり、実際にそうしてきました。

後に分かった事ですが、ブッシュ政権はその性格を一変させ、本来外国人のスパイを監視するはずの機関を国民を監視するための組織として利用するようにしたのです。

そしてブッシュ政権は外国諜報活動偵察法を司る裁判所からのいかなる捜査令状もなしに、外国人と国際電話で通話していたすべてのアメリカ人の会話の盗聴を始めたのです。

その中には通話記録だけでなく、電話した記録、通話先のログ、電子メールアドレス、メッセージなどをアメリカの全土で収集していました。

 

そしてこれが9.11同時多発テロが発生して以来、アメリカ国内で行われていたすべてのスパイ活動の概略であり、私たちが調査をして判明したことです。

エドワード・スノーデン氏も後にこの件に関する内部告発を行いましたが、中身は同じです。

スノーデン氏はブッシュ政権の終わりまでに、それがどのように始まりどこまで拡大したのかを克明に記した詳細な証拠を公開しました。

 

エイミー・グッドマン:

そしてそれはブッシュ大統領の再選がかかる大統領選挙の直前の事だったのですね?

ジェームズ・ライゼン:

その通りです。

エイミー・グッドマン:

問題は捜査令状が無いアメリカ国民の盗聴を行ったり電子メールの閲覧したことによる、プライバシー侵害問題ですね?

ジェームズ・ライゼン:

そうです。

エイミー・グッドマン:

それを政治信条に関わらず片っ端から行ったのですね?

ジェームズ・ライゼン:

そうです。

エイミー・グッドマン:

そして、もしその時そのままこの報道が行なわれていたら、民主党ケリー対共和党ブッシュの大統領選挙では重要な役割を果たしていたはずですね?

 

ジェームズ・ライゼン:そうなったと思います。

もし選挙直前にこの問題が記事になって公表されていれば、どんな結果になっただろうと何度も考えました。そしてご存知の通り、この記事は公表されることはありませんでした。ですからどのような結末になったか、今となっては知りようがありません。

それはきわめて大きな影響を与えた可能性があります。

現実に起きたことは、私たちは記事を書いて原稿を揃え、新聞社と会議を行ったということでした。

一緒に記事を書いたエリック・リッチブラウ記者と私は担当の編集者であるレベッカ・コーベットと共に、ニューヨークに行ってビル・ケラーとジル・アブラムソンと会いました。

ワシントン支局長であったフィル・トーブマンも同行しました。

そして結局ケラーは選挙前にこの記事を公表しないことにしました。

その決定までには私たちの間で、きわめて緊迫したやり取りがありました。

非常に緊迫した内容のやり取りがあったのです。

 

エイミー・グッドマン:

続けてください。

ジェームズ・ライゼン:

大統領選挙が終わった後、エリックと私はニューヨークタイムズの編集陣にもう一度強く記事の掲載を迫りました。

私たちが執筆した記事をニューヨークタイムズの紙面に掲載するよう、再度申し入れをしました。

2004年12月私たちは記事をリライトし、掲載を迫りました。

しかしニューヨークタイムズの編集陣は再び私たちの要求を黙殺したのです。

エイミー・グッドマン:

それはどんな根拠に基づくものですか?
ジェームズ・ライゼン:

ブッシュ政権側の主張は同じでした。アメリカ国内でのテロの発生を未然に防ぐためには、アメリカ国内の通信内容をすべて盗聴することが最も効果的な方法だという主張です。

盗聴こそがテロ対策計画の中で最も効果的なのだということが最大の論点でした。

アメリカにとって今最も大切なことはアルカイダと対決することであり、もし私たちがこの記事を公開するのであれば、アメリカの国家安全保障を傷つけたという責任をとらなければならない。

それが彼らの基本的な主張でした。

その主張にニューヨークタイムズの編集陣も同意したのです。

 

エイミー・グッドマン:

それに対するあなた方の主張は?

ジェームズ・ライゼン:

私たちが主張したのは、国民全員の通話を盗聴するのは違法行為、または憲法違反の可能性が高いという事でした。

ブッシュ政権が30年前にアメリカ議会によって作られた制度を迂回しようとしてことははっきりしていました。

1978年アメリカ議会は、国家安全保障目的で米国内のアメリカ人やその他の国々の人々の監視を行う場合の法的手順を定める「外国情報監視法」を可決成立させました。

そしてこの制度が正しく適用されるように、外国諜報活動偵察法(FISA)裁判所と呼ばれる非公開の裁判所を設立しました。

米国政府が国内でのスパイ行為を行なおうとするときは、この裁判所に行って捜査令状を取らなければならないことになっています。

私たちはブッシュ政権がこの手続きを採らずに、国民全員の盗聴を行っていたという事実でした。

ブッシュ政権は正規の手続きを採らないことを決定し、FISA裁判所を無視し、誰にも知らせずに大規模な盗聴活動を始めました。

これが世間に漏れれば、誰もが違法行為だと気づく手法を採用したのです。

さらに私たちが調べ上げたのは、テロリストも自分たちの会話が盗聴されていることを知っていたという事でした。

テロリストにとって大した秘密ではありませんでした。

大きな秘密は米国政府が自国の法律を無視していたことでした。

私たちはこのことを問題視し、記事を公開すべきだと考えていました。

しかしニューヨークタイムズの編集方針に対し、ブッシュ政権の国家安全保障に関する主張の方が優先される結果になったのです。

 

《3》に続く

https://www.democracynow.org/2018/1/5/the_biggest_secret_james_risen_on

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みなさんは現在の日本の政権運営が、怖いほどアメリカの軍産複合体の利害に合致していると思われたことはありませんか?

《1》でアメリカCIAが登場しましたが、オリバー・ストーン監督の『もうひとつのアメリカ史』を見た私は、その謀略の卑劣なやり方がもたらす残酷な結果に唖然とせざるを得ませんでした。

その常套手段は自分たちの利害に反する政治体制が存在する地で暴力的右翼にふんだんに金をばらまいて騒乱状態を作り出し、人々に別の秩序を求めるよう仕組むというもの。

私は現在の日本の首相の『復活劇』について、そのお膳立てをしたのはまさにこの勢力ではないか、そう思ってきました。

復活を果たした首相は防衛予算の増額を続け、思惑通り米国製の高額な兵器の購入推進を宣言しました。

『美しい日本』とは国民が質素倹約に励み、高額な米国製兵器の購入に勤しむ、そんなものであるはずがない!

そうお感じになりませんか?

テロ、そして戦争 : 史上最大の隠ぺい《1》

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所要時間 約 11分

政権に不都合な真実を隠すため、政府高官・諜報機関の幹部・大手メディアの幹部が秘密裏に会合していた

一度は情報提供を決心しながら数ヶ月間ためらい続けた内部告発者が明かした国家ぐるみの陰謀

どんな手を使ってでも手に入れろ!強欲、権力、そして終わらない戦争 - アメリカを支える影のメカニズム

 

デモクラシー・ナウ 2018年1月5日

今日は元ニューヨークタイムズの記者ジェームズ・ライゼン氏においでいただいています。

ジェームズ・ライゼン氏は2017年8月にニューヨークタイムズを退社し、アメリカ合衆国のインターネットメディアである ジ・インターセプトに国家安全保障問題の特派員として参加しました。

そしてこの度15,000語からなるドキュメント『史上最大の隠ぺい:テロとの戦いの陰で - ニューヨークタイムズ記者としての私の人生』と題するドキュメントを発表しました。

 

この衝撃的な内容のドキュメントは9/11以降の主要な国家安全保障上の問題を報道するための闘いと、ブッシュ政権が令状なしで国民を対象に盗聴を行っていた事実を含めた真実の報道を、彼自身が編集に関わっていたニューヨークタイムズとアメリカ政府の双方が抑え込もうとしたことなどが綴られています。

彼は後にこの報道で国内報道部門のピューリッツァー賞を受賞することになりました

ライゼン氏は、CIAとホワイトハウス両方の高官とニューヨークタイムズの幹部編集者が秘密裏に会合を行っていたことも暴露しました。

ライゼン氏は一連の報道について情報源を明らかにすることを拒否し、裁判所に告発され最高裁まで争い、刑務所に収監される寸前まで行きましたが、オバマ政権が事実上黙認したことにより刑務所行を免れました。

 

エイミー・グッドマン:

今日、私たちはニューヨークタイムズで長年調査報道を担当してきたジェームズ・ライゼン氏をお迎えしています。

今週、彼は「史上最大の隠ぺい:テロとの戦いの陰で - ニューヨークタイムズ記者としての私の人生」と題する著作を発刊しました。

ドキュメントは9/11以降の主要な国家安全保障上の問題を報道するための闘いと、ブッシュ政権が令状なしで盗聴を行っていた事実を含めた真実の報道を彼自身が編集に関わっていたニューヨークタイムズとアメリカ政府の双方が抑え込もうとしたこと、そして政府高官とニューヨークタイムズの編集部の幹部がつながっていたことなどが語られています。

ライゼン氏は一連の報道で2006年にピューリッツァー賞を受賞することになりました。

ライゼン氏は、もしこれらの報道が2004年時点で発表できていれば、ジョージ・ブッシュ対民主党のジョン・ケリー候補の一騎打ちとなった大統領選挙の結果を変えた可能性があったと語っています。

しかしアメリカ政府の圧力を受けたニューヨークタイムズ紙は、ライゼン氏が真実を暴露した著作を自らの手で出版するまで、1年以上にわたりライゼン氏が取材制作した記事を発表することを拒否しました。

 

ジ・インターセプトの新しい記事では、ライゼン氏は、CIAとホワイトハウス両方の高官とニューヨークタイムズの幹部編集者が秘密裏に会合を行っていたことも暴露しました。

ライゼン氏は、ブッシュ政権とオバマ政権の両方から刑事告発を受け、彼の著書「戦争国家:CIAの秘密史」にまとめられることになった6年間の機密情報のリーク元を明らかにするよう要求されました。

しかしライゼン氏は取材源を明らかにすることを拒否したためこの裁判は最高裁まで争われることになり、刑務所に収監される危険性が現実のものとなりました。

しかし最終的にオバマ政権が実質的な告発の取り下げを行ったため、ライゼン氏は収監を免れました。

打ち続いた試練に対するライゼン氏の答えは、さらに別の著作を書きあげることでした。

『どんな手を使ってでも手に入れろ!強欲、権力、そして終わらない戦争』

そして今、ジ・インターセプトの彼の最初の大作である

『史上最大の隠ぺい:テロとの戦いの陰で - ニューヨークタイムズ記者としての私の人生』

を発表しました。

 

ジェームズ・ライゼン:今日はお招きいただき、ありがとうございます。
エイミー・グッドマン:まずはブッシュ政権による捜査令状なしで行われた大規模な電話盗聴事件についてお話をうかがいます。

アメリカ国民のほぼ全員を対象とした大がかりな盗聴については、10年ほど前にエトワード・スノーデン氏も暴露していました。

この当時、つまりジョージ・ブッシュ大統領の2期目の選挙直前、なぜニューヨークタイムズは事実を確認した時点での公表をしなかったのでしょうか?

結局あなたが著作によって公表せざるを得なかった事実についてお話しいただけますか?

ジェームズ・ライゼン:

あれは2004年の春の事でした。

私はこの情報をもたらした内部関係者と一緒に事実の確認していました。

話が進む中、情報提供者はこう語りました。

「私がつかんでいる情報は、多分現政権にとって最大の秘密のはずだ。その内容を今ここであなたにすべて話してしまうのは、さすがに恐ろしい。」

私はこのまま口を閉ざされてしまったらどうしようと内心焦り、この情報提供者に対し詳細について話すように説得しようとしましたが、彼はその場では話そうとしませんでした。

そこで私はその後数ヶ月にわたってこの情報源との会合を続けようと決心したのです。

 

しかし数か月たっても彼は隠された事実について話そうとはせず、私も半分あきらめかけていました。

そして最終的にこの件について断念する前に、再度彼にこう語りかけました。

「あなたが今まさに関わっていることについて、何とか話してはくれないだろうか?」

この時になってやっと、この情報提供者は知っていることについて語り始めたのです。

結局彼が語ったのは約10分から15分の間でしたが、明らかになったのはブッシュ政権の下で始まった国家安全保障機関(NSA)による国内での非常に規模の大きなスパイ活動についてでした。

全アメリカ人の電話での会話を捜査令状なしで盗聴すること、すべての電子メールの収集と会話記録の収集でした。

後に分かった事ですがこの大規模な機密収集のコードネームは『ステラー・ウィンド(恒星風)』というものでした。

そして、私はこの内部告発の内容の裏づけができる他の人間を見つけました。

さらにニューヨークタイムズ・ワシントン支局で私の隣にデスクがあったエリック・リッチブラウ記者も同様の情報をつかんでいました。

そこで私たちは一緒に仕事を始めたのです。

そして2004年の秋までに主要な取材を終わらせ、資源の概略について執筆を終えました。

 

次に私は国家安全保障機関(NSA)の正面玄関を入って長官のマイケル・ヘイデンに接触することにしました。

そこでまず私はNSAの報道官に電話をし、多少はったりをかけてこう言いました。

「今すぐヘイデンと話をする必要があるんだ。」

ところが驚いたことにはったりが効いて長官本人が電話に出たのです。

そこで私はエリックと一緒に書いた原稿を一番初めの部分を読み上げたのです。

電話を通して長官がはっと息をのみ、ぎょっとした様子がはっきりと伝わってきました。

しかし彼はこう言って電話を切りました。

「何であれ我々がやっていることは合法的であり、国家の安全を守る上で、気も解っているはずだが、有益なことしかやっていない。」

 

そして次のできごとが起きました。私が電話した直後の事だと思っています。

国家安全保障機関(NSA)長官のマイケル・ヘイデンはニューヨークタイムズのワシントン支局長だったフィル・トーブマンに電話しました。

それが多分、私たちが制作した記事を公開すべきかどうかというニューヨークタイムズとアメリカ政府の間の長い秘密交渉の始まりだったのです。

 

《2》に続く

https://www.theguardian.com/news/2017/nov/16/a-mission-for-journalism-in-a-time-of-crisis

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この記事を翻訳していて、確かにアメリカという国家を支えている要因の一つに『終わらない戦争』があることに気がつきました。

イラク、アフガニスタンはもちろん、シリア、イエメン、スーダン…

ベトナム戦争は戦争という手段が、現代においてはもはや何一つ解決しないことを教訓として残しました。

そして現代における戦争が、10年や20年という単位では解決不可能な極めて深刻な問題を作り出すことも教訓として残しました。

ベトナム戦争でアメリカが行った『枯葉作戦』の後遺症により、戦争終結から50年が過ぎた今も枯葉剤による障害児の出産が続いています。

現代においては戦争というものが何も解決しないどころか、解決不能の問題を次々と作り出すという事を私たちは肝に銘じなければなりません。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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