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【 まだ、原発?】

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所要時間 約 8分

廃炉にされる原子力発電所の数が、建設中の原子力発電所の数を上回る時代が到来した

米国は自分たちが始め世界中に混乱を広げてしまった原子力発電の、終息への道筋を示さなければならない

 

マギー・ガンダーセン / ベン・シュルマン・リード/ フェアウィンズ 2017年6月22日


廃炉にされる原子力発電所の数が建設中の原子力発電所の数を上回る時代がやってきました。

現在世界中で稼働している原子炉は1960年代に構想・実現されたものであり、21世紀社会になって急速に進歩した再生可能エネルギーとの競争において大幅な後れを取ることになり、経済的成果が実現不可能となった結果、次々と閉鎖に追い込まれています。

今や世界中の人びとが福島第一原発で発生したのと同じ事故が、その場所に原発がある限り世界中いつどこででも起こり得るという事を理解するようにもなりました。

 

一度はこれからの35年間12日ごとに1基の割合で新しい原子炉を建設し、2050年までに1000基の新しい原子炉を稼働させる計画を夢見た原子力産業界ですが、もはや原子力に依存する必要性がなくなり、誰ももうそんなことを望みもしなければ欲してもいないという厳しい現実に直面しています。

 

世界最多の原子炉が稼働している米国では、マサチューセッツ州ピルグリム、ニューヨーク市郊外のインディアンポイント、ニュージャージー州オイスタークリーク、カリフォルニアのディアブロキャニオン、そして最近ではスリーマイル島ペンシルバニアで、それぞれの原子力発電所が近い将来閉鎖されることになると発表されました。

米国内の原子炉の停止は経済面だけに留まらず地球環境にとっても良い影響が期待できますが、廃炉は高額な費用を要する複雑な工程を持つ作業であり、これまでこれらの巨大施設を支えてきた地元のコミュニティには少なからぬ損害を与えることになります。

原子力発電所の稼動が完全に稼働を停止すれば、地元自治体や地元の経済界は原発の経済的恩恵からの財務体質の転換を円滑かつ確実に実現しなければなりません。

併せてきわめて有害な放射性核廃棄物の長期的な安全保管を可能にしなければなりませんが、米国政府はこれまでそれを実現できていません。

 

さらには発電をやめた原子力発電所はそれそのものが巨大な放射性核廃棄物となるため、物理的に数十年間の安全管理が必要になることに加え、地域社会は今よりももっと健全で持続性の高い方法での電力供給を可能にしなければなりません。

その上で多様なやり方で自給自足できるように経済を再構築していく必要があります。
現時点で原子力発電所が立地する市町村は「ホスト・コミュニティ」と呼ばれていますが、残念なことにその経済規模は小さく、経済的にも原発以外に主だった収入源は無いというのが現実です。

こうした市町村で将来の運営計画が検討される際、原子力発電所からの発言がいつも取り上げられる訳ではありませんが、現実には市町村の命運を握る存在です。

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションはバーモント・ヤンキー原子力発電所が抱えている問題と欠陥、そして立地自治体であるウィンダム郡が当然受けるべき配慮が欠如していることを継続的に監視し報告しています。

 

2014年バーモント・ヤンキー原子力発電所が閉鎖される時になって、バーモント州の議員と州政府の職員たちはバーモント州の権利とバーモント州のすべての市民の権利を守るためには、自分たちが同原発の運営会社であるエンタジー社と本来国の原子力政策を健全に運営する立場にあるはずの原子力規制委員会、その両方と戦わなければならない立場に置かれていることに気づきました。

 

バーモント州は州内唯一の原子力発電所であるバーモント・ヤンキーの廃炉プロセスの条件について交渉中であり、アメリカ国内で原子力発電事業から撤退するための的確な手続きと、廃炉と解体の作業を円滑に進める方法についてのモデルケースとなっています。

バーモント州は移行に際し、発電所の法人所有者の権利と利益だけでなく、すべての利害関係者の利益を保護するための公正な手続きを模索しています。

 

バーモント州は州内唯一の原子力発電所であるバーモント・ヤンキーの廃炉プロセスの条件について交渉中であり、アメリカ国内で原子力発電事業から撤退するための的確な手続きと、廃炉と解体の作業を円滑に進める方法についてのモデルケースとなっています。

バーモント州は移行に際し、発電所の法人所有者の権利と利益だけでなく、すべての利害関係者の利益を保護するための公正な手続きを模索しています。

 

原子力発電所が立地するすべての市町村の住民にとっての本当の疑問は、地方税をきちんと収めている地元の住民たちの権利を守り、その声を代弁してくれるのはいったい誰なのか、という事です。

廃炉作業の実際の進行状況はどうなのか、地下水の水脈や河川の流域は汚染されていないか、

そして地域経済の健全性を保つための構造転換は順調に進んでいるか、等の問題に住民の立場で取り組んでくれる存在です。

 

ところが停止中の各原子力発電所の放射線量と廃炉作業の進行状況の監視に責任を持つべき原子力規制委員会(NRC)は、上記のような周辺住民の人権問題にはまるで無関心であり、どのような対策も行っていません。

すべての環境を守るため保証されなければならない清浄な空気を吸う権利、安全な水を飲む権利、そして停止した原子力発電所の様々な部品から漏れ出す放射能に汚染されていない食品だけを口にする権利、このような環境問題と人権問題はすべて、米国内の地方自治体と州政府に任せっぱなしにされています。

バーモント州はもっと安全でより透明性の高い廃炉プロセスの実現を求め、高放射性核廃棄物と汚染された原子力発電そのものの安全かつ永続的な廃棄に移行する作業をめざし、自治体として地域社会果たすべき役割の実現をリードしています。

 

わたしたちフェアウィンズもオープンで透明な廃炉プロセスを提唱しながら幅広く対話を行うことにより、米国が始めた原子力発電事業に終止符を打ち、世界中に広がってしまった混乱を収束に向かわせるために指導的役割を果たし得ると信じています。

 

原子力発電から脱却し、経済的にも妥当な費用で、しかも地球上のすべての生き物が健康な状態で生存を続けることができる環境を守ることに貢献する安全なエネルギー社会への転換を、地域社会が協力して実現する、それがフェアウィンズが目指しているものなのです。

 

http://www.fairewinds.org/newsletter-archive//oegf127i8zwvkcg5koxzivdipspzk9

【 東京電力の原子力発電所に再稼働の許可 】

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所要時間 約 7分

日本の原子力規制制度の欠陥を完全に露呈

福島第一原発事故の被災者への補償費用、そして廃炉費用、総額が50〜70兆円に急増

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年10月4日

2011年3月日本の福島第一原子力発電所において3基の原子炉をメルトダウンさせる事故を起こしてから6年以上経過し、東京電力は原子力事業への復帰への第一歩を踏み出しました。
日本の原子力規制委員会は10月4日水曜日、東京電力(Tepco)からかねて申請のあった世界最大の原子力発電所である柏崎刈羽原子力発電所の2基の原子炉を再稼働するという申請を承認しました。

 

しかし東京電力は現在も福島第一原子力発電所において、完了に向け確実な見通しすら立たない事故収束・廃炉作業を行っています。

今後実際の再稼働に向けた手続きの過程では一般市民との意見交換や協議が行われなければならず、新潟県の日本海沿岸で暮らす人々の強い反対に直面することも予想されます。

原子力規制委員会はそれぞれ出力が1,650万メガワットの柏崎刈羽原子力発電所原子炉6号機と7号機が福島第一原発の事故後に導入された新しい厳格な安全基準を満たしたとして、4日水曜日に開催された委員会で5人の委員全会一致で再稼働の承認に賛成しました。

この決定に対し、原子力発電に反対する様々な立場の人びとから批判が相次ぎました。

グリーンピース・ドイツの上級原子力発電技術の専門家であるショーン・バーニー氏は、原子力規制委員会の決定は無謀だと非難し、次のように語りました。

「東京電力が2011年に福島第一原子力発電所で引き起こした3基の原子炉のメルトダウンの原因は、すべて原子力発電のリスクの無視によるものです。大地震が発生するリスクが極めて高い場所にある世界最大の原子力発電所について、その原子炉の安全性を承認することは日本の原子力規制制度の欠陥を完全に露呈しています。」

 

グリーンピースは、23個に上る地震活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地の下に存在すると述べました。

 

東京電力は声明を発表し、原子力規制委員会の決定を厳粛に受け止め、福島第一原子力発電所の事故収束・廃炉作業と被災者に対する補償を充分に行いつつ、柏崎刈羽原子力発電所での安全性を高めるための努力を継続して行うと発表しました。

しかし原子力規制委員会の承認が得られても、実際に再稼働が実現するまでには尚数年を要すると見られています。

米山隆一新潟県知事は、少なくとも3年はかかると言われている福島第一原子力発電所の事故に関する検証作業を東京電力が完了させない限り、再稼働に同意するかどうかを検討することはないと述べました。
福島第一原発事故の被災者は原子力規制委員会の決定に対し、怒りを露わにしました。

いまだに仮設住宅暮らしをしいられている松本ひろ子さんは、共同通信の取材に次のように答えました。

「福島第一原子力発電所の事故がすでに終わったかのように物事が進められているように見えます。」

かつては福島第一原発に近い場所で暮らしていた松本さんは、東京電力は「深刻な原子力事故が周囲に信じられない程甚大な被害をもたらす可能性があることを忘れてはならないはずです。」

と語りました。

東京電力は巨大地震と巨大津波によって引き起こされた福島第一原発の事故以降高騰している火力発電用の化石燃料の輸入価格の高騰に苦しんでおり、その支出を削減するために停止している原子炉を再稼動する許可を求めてきました。

福島第一原発の事故発生により日本国内の原子炉はすべて稼働を停止しましたが、現在 4基の原子炉が新しい基準に基づく安全審査に合格し、再稼働しています。

 

東京電力は現在、2011年3月11日に福島第一原子力発電所の6基の原子炉の内3基がメルトダウンを起こした事故により、生活の基盤を根本から破壊されてしまった人々からの巨額の補償請求、そして事故収束・廃炉作業に必要な巨額の費用の発生に直面しています。

福島第一原発の事故収束・廃炉作業に必要な期間は約40年、経費はこれまで約22兆円と試算されていましたが、日本経済研究センターは今年の初め、その金額が50〜70兆円に急増する可能性があると発表しました。

そして原子力発電を今後も継続するかどうかという問題は、この10月に投票が行われる衆議院議員選挙でも重要な争点のひとつとなることが予想されています。
安倍晋三首相は経済成長のために、そして日本が気候変動の問題に関する数値目標を達成するためにも原子炉の再稼動が必要であると主張しています。

安倍政権の下で日本政府は、2030年までに原子力が日本の発電総量の約20%を供給することを望んでいます。

 

しかし自民党の対抗勢力としてその地位を急浮上させている新設された希望の党は、2030年までに原子力発電を段階的に廃止するという方針を打ち出しています。

世論調査の結果は、ほとんどの日本人が原子力発電所の再開に反対していることを明らかにしています。

 

https://www.theguardian.com/environment/2017/oct/04/fukushima-operator-tepco-restart-nuclear-reactors-kashiwazaki-kariwa#img-1

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実際に原発難民にされてしまった方のお話を直接うかがうことができたとき、
「人間としての誇りすら失ってしまった…」というエコノミストの記事( http://kobajun.biz/?p=17075 )が伝えていたことが本当なのだと実感しました。
それまで自分の仕事に誇りを持って情熱的に取り組んでいた人が、それまでの仕事に関わるすべてを取り上げられ仮設暮らし、あるいは思いもかけない身過ぎ世過ぎの仕事を強いられる。

もちろん思い出も絆もそこで断ち切られてしまう。

 

そのことが人間としてどれほど辛いことかも考えもせず、日本の原子力行政は電力会社の投資資金の回収が最優先…

そこだけ見れば終わりか?! という憤りを禁じ得ません。

安部首相の必勝プランを狂わせる元盟友、そしてポピュリスト

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所要時間 約 9分

目的は権力への執着だけ、それが国民の前に明らかにされれば安部首相の賭けは裏目に出る

希望の党と自民党の政策には目立つほどの違いは無く、要は安倍・小池の個人的な争い

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年9月28日

安部首相が政権の経済政策と北朝鮮政策への審判を仰ぐためと称して突如解散を決めた衆議院は、10月に総選挙にむけ各党が準備を急いでいます。

その安倍首相は手ごわい競争相手と化したかつての盟友と対決することになりました。

小池百合子東京都知事が結成した新たな保守政党が、政権与党自民党の対抗勢力として一定の支持を集める中、安部首相は衆議院を解散しました。

 

安部首相が解散を宣言するわずか1日前に結成された小池氏の希望の党は、これまで自民党を縛って来た既得権益に挑戦し、多様性を尊重する「寛容で保守的な改革」を目指すことを公約しました。

昨年の東京初の女性知事となった小池氏は英語とアラビア語を話すことができる元アナウンサーであり、政治世界の既得権勢力との対決を決意したと語る保守的なポピュリストです。
小池氏は希望の党を正式に立ち上げる際、次のように述べました。

「今この時点で日本をリセットしなければ、今後充分な形で国際競争力と国家安全保障を維持することができなくなります。」

 

安倍首相は野党が弱体化し分裂している隙に乗じ、予定を1年早め、安倍政権の経済政策と北朝鮮のミサイル・核開発計画に対する厳しい姿勢について国民の信任を得ることを口実に衆議院を解散しました。
10年前安倍氏が初めて首相の座に就いた際に防衛大臣に指名された小池氏は、今回の衆議院選挙には出馬せず、都知事として2020年東京オリンピックの準備の監督を続けたいと語りました。

しかし新党の党首に就くとした小池氏の決定は、その積極的なメディア・アプローチと相まって、保守票と浮動票を自分に引きつけて政権基盤を安定させようとした安倍首相の計算を狂わせることになり、安部首相の計画を挫折させる可能性がでてきました。

2度に渡った私立学園への不正な便宜供与疑惑によってこの夏、2012年後半に首相に就任して以来最低となった安倍政権への支持率ですが、選挙直前には回復傾向にありましたが、希望の党は支持率の差を詰めつつあります。

 

毎日新聞が行なった世論調査では安倍首相率いる自民党への支持率が29%、希望の党の支持率は18%でした。朝日新聞が行なった別の世論調査では自民党が32%に対し、小池氏の希望の党が13%という結果が出ました。

解散総選挙の実施が決まる前から混乱が続いていた野党第1党の民進党でしたが、希望の党の誕生により混乱に拍車がかかりました。

 

数名の民進党国会議員が名指しで小池氏が率いる希望の党への入党を拒否されましたが、民進党党首の前原誠司氏は民進党出身者の入党手続きを進めるよう、働きかけを行っていると伝えられています。
今回の選挙でも自民党の勝利が予想される一方、別に誕生した右派政党からの手ごわい挑戦は衆議院における圧倒的過半数という議席数を減らす可能性があります。

自民党・公明党の連立与党は現在、安部首相が強く求める日本の平和主義憲法の改定のために必要な衆参両院の3分の2以上の議席を占有しています。

選挙後再びこの議席数を確保できなければ、安部首相が全政治的なキャリアを捧げたプロジェクトが実質的に挫折する可能性もあります。

東京のBMIリサーチの国際政治・安全保障部門の責任者であるヨエル・サノ氏は、突然の解散選挙について有権者が安部首相の権力への執着だけが目的だと判断すれば、安部首相の賭けは裏目に出る可能性があると語りました。

「特に北朝鮮情勢の厳しさを考えると、日本の国民は今回の唐突な解散総選挙について、安部首相が自分に有利な状況に便乗した相手を見くびった行動だと見なす可能性があります。」

 

長年日本初の女性首相に就任することを密かに狙ってきたことで知られる小池氏は、昨年行われた選挙で自民党に反旗を翻し東京都知事の座に就くことに成功しました。

そして今年7月には東京都知事選挙において自らの党を率いて再び自民党を破り、次の国政選挙では連立与党に挑戦することになるだろうと見られていました。

 

イギリスではテレサ・メイ首相が今年の春に解散総選挙を強行した結果、保守党が下院における過半数の議席を失うというだけの敗北に終わりましたが、一部のアナリストは安倍首相が同じ運命に陥ることは無いと見ています。

「日本にはイギリスの労働党のような強力な野党勢力が存在しないからです。」

東京のテンプル大学のアジア研究担当部門の責任者であるジェフ・キングストン教授がこう語りました。

「自民党は小人の国のただ一人の巨人です。突っ走ろうとする安倍首相を止めるものがあるとしたら、それは大きなスキャンダルだけでしょう。」

「現在の圧倒的過半数の議席を維持することは難しいかもしれませんが、日本の野党のばらばらのまま何の準備も出来ていない状況を考えると、連立与党の議席が過半数を割り込むという大きなリスクが発生するとはどうしても考えにくい状況にあります。」

安倍首相と小池氏はいずれも日本の実業界と近い立場にあり、安全保障問題については同じタカ派的存在ですが、今回の選挙では2つの問題について立場が異なっています。

安倍首相は教育政策の充実や高齢者の介護には財源が必要だと述べ2019年の消費税増税をやりきると断言していますが、小池氏は消費増税の凍結を求めています。
そして小池氏は、2011年福島第一原発の原子炉がメルトダウンした事故に言及し脱原発を公約として掲げていますが、安部首相は国内の原子炉の再稼働を後押ししています。

 

しかしコロンビア大学のゲリー・カーティス名誉教授は、次のように指摘しました。

「小池氏率いる希望の党と自民党の間には目立つほどの違いはありません。これは有権者に対し安部氏と小池氏とどちらが有能か、という事を納得させる競争です。どちらが有能か、どちらの人柄が優れているか、それだけです。」

 

https://www.theguardian.com/world/2017/sep/28/japan-pm-shinzo-abe-election-challenge-tokyo-governor-yuriko-koike

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前回の記事にも書きましたが、大手メディアの報道は『安部対小池』という図式を強調し、立憲民主・共産・社民というリベラル、世論調査では支持率が4割という存在をことさら軽視しているかのような印象を受けます。

前回も書きましたが、大切なことは心優しいリベラルが1人でも多く投票所に行くことでしょう。

今回の投票をパスすれば、日本は千載に禍根を残すことになると思います。

 

英誌のエコノミストは『日本の民主党政権を崩壊させるため、米国の諜報機関が積極的役割を演じた』と報じたことがあります( http://kobajun.biz/?p=21901 )が、そうした組織が今回も静観しているとは思えません。

彼らの目的は何でしょうか?

安倍政権下の日本は米国製の兵器を大量に購入するようになりました。

トランプ政権は『より高性能の兵器を日本・韓国に提供する』と発言しました。

そのアメリカでは国内に人口を上回る数の銃器が氾濫し、コンサート会場で突如機銃掃射を受ける可能性すらあるという生活を送らなければなりません。

 

『せっかく実現した平和国家を武器で汚染するな!』

そんな怒りも込めて、私は投票所に行こうと思っています。

日本経済は回復途上、急な解散総選挙はこの国の運命を危険にさらすだけ

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所要時間 約 9分

『北朝鮮の脅威』を超える日本にとっての脅威、それは構造改革途中放棄した安倍首相の政治姿勢

『とにかく改憲』それが安部首相の本音、本当の目的。日本経済回復は選挙期間中だけの表看板

 

エコノミスト 2017年9月30日

 

日本経済の停滞は極めて長期間に及んでおり、いまだ多くの国民は回復の兆しを感じていません。
しかしよーく見てみると、回復の兆しは各所に見え始めています。
何年もの大規模な財政緩和策と金融刺激がようやく何らかの影響を及ぼして始めているように見えます。
失業率は3%を下回りましたが、これは23年ぶりの最低水準であり、少なくとも非正規労働者の賃金は上昇しています。
日本銀行が目標としている2%のインフレ目標ははるかに下回っていますが、物価もじわじわと上昇しています。

 

外部の人間には、こうした話は迫力に欠けるつまらないものかもしれません。
しかし30年近くも景気後退とデフレに苦しんできた国にとっては、脱出への出口がみえはじめたということになるのです。

過去18ヶ月間続いてきたゆるやかな景気回復は、この10年間で途切れなく成長が続いている期間の記録を更新中です。

 

この本格的復活の序章ともいうべき回復の立役者は安倍晋三氏であり、1990年代に発生した日本の大規模なバブル崩壊以降最長記録に近づくほぼ5年間首相の座にあります。
今週安倍首相は10月22日を投票日とする衆議院の解散総選挙を突如発表しました。
しかし結果はほぼ予想される範囲に収まるでしょう。
安倍首相と連立与党の公明党は現在衆参の全議席の3分の2以上の過半数を占めていますが、もし彼らが政権の座を守ることができなければ、それこそ驚くべき逆転と言うべきでしょう。

しかし安倍首相に関係する一連のスキャンダルが発覚し、安倍首相の政権基盤を損なっており、楽勝するだろうと考えていた選挙で、より厳しい戦いに直面する可能性があります。
今後の政治の展開次第では未だ回復途上の日本経済を再び脱線させる可能性があり、世界で3番目に大きな規模を持つ経済をもう一度泥沼に突き落とす可能性があります。

 

在任期間を通し安倍首相は、財政出動と金融緩和が政策として終了した後日本経済を支えることになる重要な構造改革を、国民に不人気だとの理由で先延ばしにしてきました。

構造改革の中身はこのままでは維持が困難な年金制度の改革、一部の業種の保護を目的に導入された各種の規制を撤廃し市場原理に任せること、終身雇用を保証されてきた給与所得者の中途での解雇を可能にすることなどの経済制度の変更です。

いずれの制度変更も、もっともらしい理由により実施が延期されました。

政治的な思惑と経済的な理由によって、国民にとって好ましくなく感じる構造改革は日本経済の充分な回復が実現されるまで待つのが理にかなったやり方だとされたのです。

 

▽ 安倍氏の悪い習慣

 

しかし現在の政治状況は安倍首相のこうした及び腰の姿勢をむしろ歓迎するような展開となっています。

安部首相は予定を1年以上繰り上げ、衆議院の解散選挙を宣言しました。

これは恐らく安部首相自身の国民の支持率が今後14カ月間に改善される見通しはないとの観測にもとづくものです。

一つの大きな懸念は、小池百合子東京都知事が率いる「希望の党」と結成、そして最近になって自民党を離党し希望の党に入党する人間が現れはじめたことです。

新党は年初に行われた東京都知事選挙で自民党を敗北に追い込んだ同じく小池百合子が率いる都民ファーストの会と合体する予定です。

 

そして現在野党第1党である民進党の国会議員をも取り込むことにより、安倍首相率いる連立与党の対抗軸を形成しようとしています。

前回までの選挙とは異なり、安部首相は今回は不人気な経済改革の実施に対する有権者の気持ちを和らげる準備をしていたようには見えません。

安部首相はこれまで経済問題については、選挙演説中は年金制度も含め様々な分野に財政出動を行うという約束しかしてきませんでした。

そして経済の再生、あるいは根本的に経済を立て直し日本を再び強国として甦らせるための唯一の手段である構造改革にはさほどの熱意はもっておらず、平和主義に基づく憲法を改定することにこそ強い意欲を持っているという事実をあっさりと認めました。

 

今回の選挙は日本の不安定な状況を悪い方向に向かわせる可能性があります。

結果いかんでは安部首相の政治基盤にダメージを与える可能性があり、そうなれば構造改革への意欲はますます後退することになるでしょう。

最小限に見積っても自民党は議席を減らす可能性がありますが、その理由は単に現在の議席数はどう見ても多すぎるというものです。

もし自民党が予想を超えて議席数を減らす事態になれば、党内に安倍首相を総裁の座から追い出そうとする勢力が現れる可能性があります。

 

しかし自民党の過半数の程度がどうなろうと、最終的にだれが責任を採ることになろうと、日本経済を復活させる仕事を道半ばで放りだすことは致命的な間違いになるでしょう。この場合、時間が経つにつれて事態は悪化していくだけです。

公的負債は今やGDPの250%を超えてしまいました。

人口は高齢化し、労働人口は減少を続け、経済成長の足取りは一層重くなりっています。

 

北朝鮮の今にも戦争を始めるかのような姿勢は、一部の有権者の注目を経済から国家安全保障にシフトさせたかもしれません。

こうした状況は安倍首相に有利に働いています。

金正恩(キム・ジョンウン)に対抗するには、扱いの難しい味方であるドナルド・トランプのアメリカとうまく連携できる強力なリーダーが必要かもしれません。

しかし長期的には景気後退を回避できなければ、日本の安全保障は内側から大きな脅威にさらされることになってしまいます。

経済的停滞は長い間続いており、国民も政治家もこの問題を放っておいても日本は何とかやっていけると考えているかもしれません。

しかし巨額の財政出動も金融緩和政策も、しょせんは一時しのぎの政策であり、日本が抱え込んでいる問題を本質的に解決するものではありません。

残された時間が限られる中、日本経済が大きな惨状に落ちこむことなく数々の問題を改善に向かわせる機会は、突然の解散総選挙により一層遠のくことになりました。

 

https://www.economist.com/news/leaders/21729747-whatever-outcome-reforms-must-continue-japans-early-election-puts-its-economic-recovery

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今回の選挙の要点は改憲派である安部派と小池派の主導権争い、それに対抗する立憲民主・社民・共産のリベラル陣営という事だと私は思っています。

一時小池氏の希望の党が民進党離党者の内リベラル系の議員は排除すると宣言し、それこそ日本の政界からリベラル派の議員を排除する動きが見えた際は怒りがこみ上げましたが、幸い枝野氏が立憲民主党を立ち上げ、何とかリベラル派の陣容が整いました。

あとは私たち有権者が投票所に行くだけです。

【 津波の下に消えてしまったこどもたち : 3.11の想像を絶する悲劇の真相 】《第6回・完》

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所要時間 約 9分

消えることのない苦痛や絶望を象徴する場所は、やがて生い茂る雑草に埋もれていった

朝目覚めると最初に思うことは喪ってしまった子供のこと、夜に眠りにつくときに心の中を占めているものは亡くなってしまった子供の思い出

 

リチャード・ロイド・パリー / ガーディアン 2017年8月24日

大川小学校の多勢の子供たちが犠牲になった事故調査委員会の報告書は、津波による事故発生から3年近く経ってから公表されました。
そして2014年3月10日事故発生から3周年の前日、周囲を驚かせるニュースが流れました。
大川小学校で死亡した23人の子供たちの家族が仙台地方裁判所に石巻市と宮城県への告発状を提出したのです。
遺族は市と県に過失があったとして告発し、失われてしまった一人一人の生命に対する補償を要求しました。
災害発生から3年と364日が経過していました。
この日は法的に告訴状を提出することができる最後の日でした。
遺族たちはこれまで計画をすべて秘密裏に進めてきました。

 

日本の法廷では何事も迅速には進みません。
2016年4月までは、ともに被告の立場に置かれた石巻市と宮城県に、過失があったとする証拠は提出されなかったようです。
原告の主張は、大川小学校の先生たちは津波が襲ってきた当時適切な判断ができなかったために子供たちを守ることができなかったのであり、その過失の責任は石巻市にあるというものでした。
今回の争点は2つに集中していました。
ひとつは現場の教師たちが津波の襲来を予見できたでしょうか?
ふたつ目は、彼らは子供たちを津波の襲来から救うことができたでしょうか?

仙台地裁は2016年10月26日判決を下しました。
私はその朝、東京から新幹線に乗って仙台に向かいました。
その日は暖かく陽射しがまぶしい明るい日でした。
津波の発生からすでに5年半が経過していましたが、目立った傷跡は目に入らなくなっていました。
東北の都市や町には復興資金が流れ込み、ある意味活況を呈していました。
10万人が依然として仮設住宅住まいを強いられたままでしたが、彼らが暮らす狭く不自由な住居は時折被災地を訪れるという程度の人々の視界からは消えていました。
津波によって完全に破壊された町や村が再建されることはありませんでしたが、瓦礫の撤去作業などはすでに完了しました。
繁茂する雑草が被災地の沿岸一帯を覆い尽くしてしまったため、所々に埋もれるようにして残ったままの建物の基礎や構造物は、消えることのない苦痛や絶望を象徴する場所というよりは、放置された遺跡のように目に映りました。

 

仙台地方裁判所の建物の前では記者やカメラマンたちが所在無げにウロウロしていました。
しかし原告の一団が照りつける陽射しの中を列を作ってゆっくりとやってくると、記者たちは一様に色めき立ちました。
原告である大川小学校の子供たちの母親、父親たちが3列になって歩道に沿って歩いてきました。

彼らは黒い喪服を身にまとい、幾人かの遺族は犠牲になった自分たちの息子や娘の額に入った写真を携えていました。
正面の3人の男性が大きな横断幕を捧げ持っていました。
横断幕には上下をふちどるようにして犠牲になった23人の子供たちの写真が名前を添えてちりばめられていました。
自宅や通学途中、あるいは外で遊んでいる時に撮影されたその写真の中で、子供たちは笑ったり微笑んだり、あるいは少し難しい表情をした子供たちの顔がありました。
中心には一文字一文字慎重に手書きされた文章がありました。
「先生の言うことを聞いていたのに!」

 

法廷の扉が開かれ、満員となった全員が着席しました。
私は黒い喪服に身を包んだ両親たちを見やりました。
何年にもわたって彼らと話をしてきた、いったいどけだけの時間が費やされたのでしょう。
ある時は激しい言葉がほとばしり、時には耐え難いほど細部に渡ったやりとりが行われました。
子を喪った親たちは幼児期、赤ん坊の頃、時には妊娠期、あらゆる段階の子供たちの人生について私に話しをしてくれました。

親たちの鼻の中には消えることのない、そしてまとわりついて離れない悲しみがありました。
親たちが朝目覚めると最初に思うことは決まって喪ってしまった子供のことであり、夜に眠りにつくときに心の中を占めているものは喪ってしまった子供の思い出でした。
彼らにとって学校とはすなわち亡くなった子が通っていた場所であり、家庭とは子供たちが中心的存在の共同体であったことを思っていました。
親たちは災害とその展開、その後に続いた現実から受けた衝撃、そして命を落とした子供たちと生き残った自分たちとという息のつまるような状況について説明してくれました。

 

ドアが不快な音を立てて開きました。
黒いガウンをはおった若い女性と2人の中年男性という組合せの3人の裁判官が着席しました。
中央の裁判官は着席するとすぐに、静かに、抑揚のない調子で話し始めました。
彼が話した文語調の日本語による法律用語は、私の理解を超えていました。
私は聴きとることをあきらめ、耳を傾ける親たちの顔に焦点を合わせました - 怒り、あるいは歓喜、私は彼らの表情を読み取ることより判決の内容を理解する子が出来ました。
その顔は真っ直ぐに裁判官に向けられていましたが、両親たちはみな一様に苦渋の表情を浮かべていました。。
そして何の表情も浮かんでおらず、一見すると限り無表情でした。

突然開始された裁判官の申し渡しは、唐突に終わりを迎えました。
法廷内にひしめいていた人々は立ち上がり、ぞろぞろと出て行きました。

そして原告の両親たちも立ち上がりました。
彼らは互いに言葉を交わすことも無く、うなずきあうこともしませんでした。
一様に深刻な表情を浮かべ、深い苦悩を感じさせました。

 

しかし最終的に私は、裁判官が下した判決の一部は原告の両親たちの意に沿うものになったと感じていました。
それは被告に対し聴いていた限り極めて多額の補償金の支払いを命じた部分です。

私は日本の記者が集まっていた廊下に出て、彼らとメモの交換をしました。
私は間違っていませんでした。
大川小学校の両親たちは勝利したのです - 彼らは1100万ポンド(約1,600万円)以上の補償金を受け取ることになりました。

しかし失われてしまったすべての子供の命は、取り戻しようがありませんでした。

 

-《完》 –

https://www.theguardian.com/world/2017/aug/24/the-school-beneath-the-wave-the-unimaginable-tragedy-of-japans-tsunami

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翻訳していて久しぶりに涙が流れました。

別の原稿にも書いたことがありますが、人間はたった一つの命を与えられ、たった一度の人生を歩んでいきます。

リセットもリプレイもありません。

そしてその人にとっての『世界」は生きている間だけのものです。

 

この原稿を訳し終えて思うことは、どんな時でもまずは命を守ることが大切だということです。

巨大災害はもちろんですが、犯罪や戦争といった命を奪うことを目的とした行為にも、私たちは鈍感になってはならないと思います。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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