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【 6年 – なおも苦しみ続ける福島の女性とこどもたち 】

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所要時間 約 11分

日本政府当局の対応のまずさと不誠実さにより、数々の不当な扱いを受けてきた福島の女性と子供たち

福島第一原発の事故により、いったいどれだけの家庭が離散に追い込まれたのか、公式な統計はない

 

カタリーナ・ベッカー / ドイチェ・ヴェレ 2017年3月10日

 

日本政府は第一原発事故後の福島が限りなく正常に近づいていると思い込ませようとしている、しかし母親たちと子供たちにとって、原子力災害は終息などというものとは程遠い状況にあるとグリーンピースが証言しています。

数千人の福島の母親たちが、政府当局に対し訴訟を起こしました。

 

6年前に発生した三重災害 - 巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを引き起こした3.11の巨大災害 – は約20,000人の命を奪い、160,000人以上に自宅を捨てた避難生活を強いることになりました。

そして現在も尚80,000人以上の人々が仮設住宅での暮らしを続けています。

 

この災害は被害を受けたコミュニティのすべての人々に大変な影響を与えました。そして今日に至るまで女性と子供たちが「この災害に起因する人権侵害の矢面に立たされている」とする報告書をグリーンピースが公表しました。

 

福島の女性と子供たちは、福島第一原発の事故が発生した直後に行政側の対応のまずさによって数々の不当な扱いを受けてきました。そして今度は現在の安倍政権が住民たちを『放射能汚染がまだまだひどい状態にある』地域に帰還させる計画に着手したことにより、また別の人権侵害にさらされているとグリーンピースが告発しました。

 

可能な限り早く福島を正常な状態に戻したいとする日本政府は、福島第一原発周辺の地域でこれまで出されていた避難命令を3月末には解除した上で、避難していた住民たちの帰還を許可する方針です。

 

従業員は、福島で小学校を掃除します。 それは、4月に再開する予定です。

財政援助を失う脅威の下で、しかしグリーンピースはこれらの地域が未だ危険な程に放射線量が高いと警告した上で、日本政府に対し、財政支援を失うかもしれないという脅威を与えることにより帰還するよう圧力をかけることを止めるよう、日本政府に対して求めました。

 

これら避難命令が出されていた地域が安全だと宣言された一年後、日本政府は避難者に対する補償の支払いを打ち切る方針です。

さらに日本政府は、避難指定区域以外に居住していた人で自主避難している人々に対する住宅支援も3月で打ち切る方針です。

 

「自主避難を行なっている人々に対する住宅支援を打ち切ることは10,000以上の家庭の家計を脅すことになります。そして自らの意思に反して、汚染された場所に戻って生活を再開せざるを得ないよう、暗に強制することにもなります。」

グリーンピース日本で世界のエネルギー問題に取り組んでいるケンドラ・ウルリッヒ氏がこのように指摘し、補償や支援の打ち切りは

「多くの地域で長期計画に基づく放射線量を上回っているにも関わらず、経済的に不利な状況を人為的に作りだそうとするやり方は計画的な法律違反であり、生存者に対する人権侵害です。」

と語りました。

 

▽ ゲンパツ離婚

 

原発事故の被災地への帰還計画は、帰還を拒否する一方で生活の一部を財政支援によって賄わざるを得ない家庭、中でも母親と子どもたちだけの家庭にとっては深刻な問題であり、不安と困惑を招いています。

 

原発事故の後、多くの女性が汚染された被災地で仕事を続けなければならない夫を残したまま、子どもたちを連れて避難しました。

中には離婚を余儀なくされた人たちもいました。

福島第一原発の事故が発生したことにより、いったいどれだけの家庭が離散に追い込まれたのか、公式な統計はありません。

しかし『ゲンパツ離婚』という言葉が一般に使われるようになる程、こうした現象はごく当たり前に発生することになりました。

 

こうした母親たちは子どもたちを連れ、福島を出る形で避難しました。

現在彼女たちは住宅への財政支援を打ち切られるか、あるいは汚染されていることを覚悟でかつての居住地に戻るか、いずれかを選択するよう迫られているのです。

 

避難者が帰還する速度を上げさせるため、日本政府は汚染された全域の除染を行う代わりに、人が通る場所と主に暮らす場所だけを除染しました。

そして住民を帰還させるための目には見えない事実上の『屋外収容所』を作ったに等しいと、グリーンピースが語っています。

除染が完了したのは多くの場合、道路沿いの幅20メートルの地帯、そして宅地と農業用地です。

こうした状況から、帰還をした人々は除染されていない汚染された場所に囲まれて暮らすことになり、健康上の脅威があることは明らかです。

 

母たちはとりわけ子供たちの健康と成長について懸念を持っています。

いわき明星大学で臨床心理学を専門にする窪田憲子教授は、「安全宣言が行なわれた場所」で子どもたちが長期間生活を続けた場合、健康上の悪影響が発生することを確信しています。

「もし子供たちが屋内にいることを強制され、自由に外で走り回ることができない生活を続ければ、心の成長に必ず悪影響を及ぼすことになります。子供たちは互いに影響し合い、感情をコントロールする精神面での成長などが阻害される恐れがあります。」

ドイチェ・ヴェレの取材対し、久保田教授がこう語りました。

 

▽ 政府機関を訴える母たち

 

しかし原発事故によってこうした犠牲を強いられることに、物言わぬままでいることから脱却しようとしている女性たちがいます。

日本政府による住宅支援の継続と公正な補償の実施を求め、数千人の母親たちが一斉に訴訟を起こしました。

彼女たちは福島第一原子力発電所を経営していた東京電力、そして日本政府当局を訴えました。

「私はこれまで裁判の原告になる自分を想像したことなどありませんでした。 でも私は、子供たちのために、そして次の世代の人々のために現在、裁判を戦っているのです。」

福島から京都まで子供たちと一緒に移転した母親である堀江さんがドイチェ・ヴェレの取材対しこう語りました。

堀江さんは京都で他の母親たちとともに集団訴訟を起こしました。

「事故発生当時、政府当局者はテレビで直ちに健康被害が発生することは無いと語っていました。しかし将来私たちの子どもに影響が現れるかもしれません。それが私たが移転を決意した理由です。」

 

汚染された地域から避難した女性たちは、

「神経過敏や不合理などと言うレッテルを貼られました。」

グリーンピースがこう証言しました。

彼女たちが抱いた懸念はその夫、あるいは政府当局、その両方に無視されました。

今回訴訟が起こされた背景には、財政的な補償を求めることだけが目的ではなく、社会的正義を実現させたいという願いも込められています。

「私には法廷で述べたいことがあります。そして私には子供を避難させるたことは正しいという確信があります。」

子どもたちとともに福島から避難し、現在は英国で生活している園田さんがこう語りました。

「正しいのは私たちです。」

 

http://www.dw.com/en/six-years-after-fukushima-women-and-children-still-suffer-most/a-37871135

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棄民という言葉があります。

文字通り、民を見殺しにするという意味です。

21世紀の『最先進国』を自称する国の政府がそういう事をして良いのかどうか、私たち国民はもっと真剣に、深刻に考える人要があります。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《12》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

 

アンリ・ルソー(フランス: 1844–1910)作[ライオンの食事]油彩、1904。

この作品は、1903年マティス、ルオー、ボナールなどの参加によって始まったフランスの美術展覧会のサロン・ドートンヌ展(またはサロン・ドトンヌ)の1907年の展覧会に出品されたと考えられています。

ルソーにはジャングルをテーマにした作品が多数ありますが、このシリーズに着手したのは1891年、その作品『驚き!』はロンドンの国立ギャラリーに収納されています。

ルソーはジャングルの珍しい植物の写真を大量に所蔵し、それに動物園でのスケッチを加え、人気の高いこのシリーズを描きあげました。

彼は20数年間パリ市の税官吏を務めた日曜画家でした。

 

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/438822

 

【 死んでいくロボットたちと潰え去る希望・福島第一原発事故から6年・衝撃の現実 】《後篇》

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所要時間 約 10分

東京電力と日本政府が示したのは、福島第一原発の事故現場にある現実でもなく、原子力工学の客観的評価に基づく科学的分析結果でもない

福島第一原発の真の状況は『ノット・アンダー・コントロール』!

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年3月9日

 

今回、原子炉2号機の内部調査が途中で放棄せざるを得なくなったことについてグリーンピース・ドイツの上席の原子力専門家であり、現在日本に活動の拠点を置いているショーン・バーニー氏は

福島第一原発の事故収束・廃炉作業が「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況に置かれており、スケジュールについても、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」ものである事を改めて証明したに過ぎないと語りました。

「原子炉1号機と3号機についてどのように扱うかまだ技術的な方法が確立していない段階で、さらにはこの2つよりは多少はましな状況にあるはずの2号機ですら調査を進めることが出来ないのに、一般市民や報道機関に対して東京電力や日本政府が言っていることはすべて、推測あるいは希望的観測に過ぎません。」

「現在公表されている核燃料を除去するスケジュールなるものは、問題の数百トンに上る溶け落ちてしまった核燃料がどこにあるかもわからず、どのような状態なのかも把握できていないのに公表されました。このタイム・スケジュールは東京にいる安倍首相と原子力産業界が現実を無視して作り上げたものに過ぎません。」

「その根拠とされているものは福島第一原子力発電所の事故現場にある現実でもなく、原子力工学の客観的評価に基づく科学的分析でもないのです。」

 

日本の原子力規制委員会の田中俊一委員長も、東京電力が固執する楽観的な見通し基づく事故収束・廃炉作業スケジュールに同調するつもりはないようです。

「現在はまだそのような楽観的な話をできる状況にはありません。」

「未だ未だ辺り一帯闇に包まれている状況にあります。」

 

▽真の状況は『ノット・アンダー・コントロール』!

 

表面上は、福島第一原発の現場の状況の多くは5年前にガーディアンが初めて訪れた時とは一変しています。

当時は発電所内のいたるところに津波によって破壊された建物や施設の残骸が散乱していました。

数千人の作業員が放射線量が著しく高い環境の中、高い原子炉の爆発や破壊がもたらした無秩序な状態から脱するための作業に取り組むのに必要なホースやパイプ、建材などで辺り一帯が覆われていました。

 

6年が過ぎた今、損傷を受けた原子炉建屋には補強工事が施され、1,300体以上あった使用済み核燃料アセンブリは、4号機の核燃料プールから問題なく取り除かれました。

発電所内の地面は、雨水がしみ込んでこれ以上東京電力が汚染水の問題に振り回されることが無いように、特別なコーティングで覆われていました。

 

かつては福島第一原発の敷地内に入るためには放射線防護服その他被ばくを防ぐための重装備を身につけなければなりませんでしたが、現在作業員はほとんどの場所で簡単なサージカルマスクと軽装で働いています。

そして数千人の下請けや派遣などを含む6,000人の作業員は労働者は温かい食事をとることもでき、

2015年に開設された「レストハウス」で休憩をとることもできます。

 

しかし海岸線から丘陵地帯に向かって敷地内を進むとずらりと建ち並ぶ無数の鋼鉄製のタンクが、訪れた人に破滅のふちにある別の問題が未解決のままであることを思い出させることになります。

その中身は900,000トンの高濃度汚染水であり、間もなく100万トンに達しようとしています。

 

これらのタンクは地下水が破壊された原子炉の基礎部分に流れ込み、冷却用として使われ高放射能を帯びた汚染水と混じり合った結果作られた、大量の放射能汚染水を収容しています。

このため245億円を費やした地下凍土壁の建設が進められましたが、一時は画期的解決策とも思われたこの計画も、これまでのところ地下水の流れ込みを遮断できずにいます。

地下凍土壁は30メートルの深さまで地中を凍結させるものですが、東京電力の広報担当の岡村氏はそれでもまだ毎日150トンの地下水が毎日原子炉の地下部分に浸透してきていると語りました。

 

凍土壁には5カ所の開口部分がありますが、これは原子炉の基礎部分への地下水の流れ込み、あるいは汚染水の流出が起きないようにするためのものです。

「私たちは段階を踏んで凍土壁を閉じる必要があります。」

岡村氏がこう語りました。

「4月までに1日の地下水の流入量を100トンにまで減らし、2020年には福島第一原発の現場にあるすべての汚染水を完全に無くしたいと考えています。」

 

こうした福島第一原発における事故収束・廃炉作業について、厳しい目を向けている人々は、2020年が、かつてオリンピック開催地選定委員会の席上安倍首相が福島第一原子力発電所の現場が『アンダー・コントロール』、すなわちすべて順調に言っていると宣言したことにより、開催が決まった東京オリンピックの年であることに着目しています。

 

元バブコック-日立の原子力技術者だった田中光彦氏は、オリンピック招致を成功させ、日本全国の原子力発電所を再稼働させるため、安倍首相と日本政府が極めて困難な状況にある福島第一原発における事故収束・廃炉作業について、ことさら問題を軽視していると非難しました。

「安部首相は東京オリンピック招致のため海外へ行った際、福島第一原子力発電所の現場が『アンダー・コントロール』だと語りました。しかし国内に戻ってからは一切そうした発言をおこなっていません。

「福島第一原発の現場を実際に訪れた人は誰も、『アンダー・コントロール』の現実など見ることはできません。」

「しかし安倍首相と同様大きな影響力を持つ人々がことあるごとにそうした発言を繰り返していけば、それがだんだん真実であるかのように受け止められていってしまいます。」

 

〈 完 〉

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/09/fukushima-nuclear-cleanup-falters-six-years-after-tsunami

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日本の原子力行政は原発難民にされてしまった人々への補償の一部を打ち切る方針を示した一方で、日本企業がかかわる英国内の原発建設に1兆円という巨額の資金を拠出する方針を打ちだしました。

 

さらに3.11の6周年にあたっては、安倍首相は福島第一原発の事故に言及しなかったことに対し、さすがに福島県知事も『違和感を感じる』と問題視しています。

 

NHKの世論調査は、日本国民の半数以上がこうした政権を『支持する』と答えていると報道しました。

本当ですか?

私たち日本人は、それ程に他人の痛みに鈍感な人間になってしまったのでしょうか?

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《11》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

アメリカNBCのサイトでの作品紹介は18点で終わっていますが、せっかくですのでメトロポリタン美術館のサイトから素晴らしい作品を直接ご紹介します。

 

オーギュスト・ルノワール(フランス: 1841–1919)作[草原で]油彩、1888-92。

1888~1892年、ルノアールは白いドレスを着ているブロンドの女性とピンク色のドレスを着たこげ茶色の髪の女性、同じ2人をモデルにした一連の作品を描きあげました。

同じペアをモデルにした作品では、ピアノを弾く女性たちの絵が有名です。

いずれの作品も若々しい純真さを賛美するものです。

一連の作品は1890年代前半に既存の画廊などでごく当たり前に売られていました。

 

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437434?pos=44&pg=3&rpp=20&offset=0&rndkey=20170314&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

【 死んでいくロボット・潰え去る希望・福島第一原発事故から6年・衝撃の現実 】《前篇》

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所要時間 約 13分

「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」廃炉スケジュール

『これまでの理解を超える』規模の汚染と過酷な作業、破壊された原子炉内部の探査・3号機は不可能

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年3月9日

 

やっと5回目にたどり着いたリモコンロボット・スコーピオンの任務が結局は失敗に終わったことを、福島第一原発の技術者たちが認めました。

遠隔操作のためのケーブルの先につながれた1台の最新ロボットが破壊された原子炉の中心部に送り込まれましたが、結局は操作不能に陥り、放棄されることになりました。

このロボットによる原子炉内部の状況調査は、6年前に3基の原子炉がメルトダウンした際に生成されたと思われる核燃料デブリにその行く手を遮られることになったのです。

 

先月2台のカメラと放射線濃度の測定装置を備えた長さが60cmの東芝製ロボットが溶け落ちた燃料の正確な位置と状態を確認する調査に失敗し、原子炉内に放棄されましたが、東京電力は今後さらに別の調査を計画していることを明らかにすることで、今回の失敗がさほど深刻なものではないと印象付けようとしました。

たとえ今回行われた調査が失敗に終わったとしても

「私たちが最終的に各燃料デブリを取り除く方法を決定する際に役立つ価値ある情報を入手することができました。」

と東京電力はコメントしました。

 

しかし10時間の耐用時間があったはずのスコーピオン調査ロボットが、わずか2時間で操作不能に陥ったという事実は、福島第一原発の事故収束・廃炉作業が、どれ程スケールが大きなものであるか、そしてどれ程困難な作業を要するものであるかをはっきりさせました。

専門家の1人は、前例の無い困難さについて次のように発言しました。

「ほとんど想像を絶するほどのものです。」

 

最近日本の経済産業省が行なった試算では、2011年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、3基の原子炉でメルトダウンが発生するというチェルノブイリ以来世界最悪の規模の原子力発電所事故現場では、30年から40年の事故収束・廃炉作業が必要とされ、その費用は21兆.5,000億円に上ると推定されました。

原発事故の被災者に対する補償金も含めたこの金額は、3年前に行われた試算と比較するとほぼ倍になっています。

 

3.11の津波は主に福島第一原発の北側で約19,000人の命を奪い、原子力発電所周辺で暮らしていた160,000の人々は自宅を捨てての避難を強制されることになりました。

それから6年が経過した今、政府当局が安全だと判断を下した場所に元手って暮らす人々はごく少数に留まっています。

 

福島第一原発の破壊された原子炉内の最も危険な各場所に到達し、必要な情報をすべて手に入れるだけの時間充分に機能するロボットを開発する能力は、東京電力にはほとんど期待できないことが証明されています。

折り畳み式のカメラ装着アームを装備していることからスコーピオンと呼ばれる調査ロボットは、原子炉圧力容器の下部でレール沿いに進むことが出来なくなった後、核燃料デブリやそこにあった他の破片によって『死んで』しまいました。

 

このロボットも、これまで投入されてきたロボットも、目に見えない敵によって『死』に至らしめられた可能性があります。

放射線です。

 

放棄される直前、スコーピオンに装着されていた線量計は、原子炉2号機の格納容器内の放射線量が1時間あたり250シーベルトに達していることを示していました。

同じ地点で過去に実施された遠隔操作装置による線量調査では、1分以内に人間が死亡する1時間あたり650シーベルト相当する放射線量が測定されていました。

 

福島第一原発の内田俊志所長は溶け落ちた核燃料の状態について、東京電力が把握している情報が「限られた」ものでしかないことを認めました。

「前回のロボットによる調査もうまくいかず、これまで私たちは原子炉内部の状態については何とか覗き見ることができたという程度の情報しか得ていません。」

ガーディアンを始めとする内外の記者団が行なった最新の福島第一原発への訪問取材において、内田俊志所長はこう語りました。

「しかし現段階では、他の調査方法を考案することは不可能なのです。」

 

遠隔操作ロボットによる調査がうまくいっていないという問題とは別に、調査が始まった原子炉2号機と比べると1号機と3号機の放射線量はさらに高く、現在調査には手をつけられない状態にあります。

数週間の後に小型の防水ロボットを原子炉1号機の内部調査に投入する計画がありますが、さらに損傷の激しい3号機については計画すら立てられない状況にあります。

 

升田尚宏東京電力福島第一廃炉推進カンパニープレジデントは、実際に溶け落ちた核燃料の除去方法を決定するには、もっとたくさんの原子炉内部に関する情報を欲しいと語りました。

 

こうした深刻な障害について解決の見通しが立たない状況の中、東京電力は事故発生から10年後にあたる2021年に溶け落ちた核燃の除去作業を開始すると主張しています。

しかしグリーンピース・ドイツの上席の原子力専門家であり、現在日本に活動の拠点を置いているショーン・バーニー氏は、この作業を行なわなければならない東京電力は「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況に置かれていると語り、東京電力が公表している事故収束・廃炉作業のスケジュールについても、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」ものであると付け加えました。

 

〈後篇に続く〉

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/09/fukushima-nuclear-cleanup-falters-six-years-after-tsunami

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電子版の週間ダイヤモンドに『廃炉について、デマと誤報を乗り越えるための4つの論点』という社会学者の記事が連載され、悲観的な展望ばかりを拡散しているとして、ここでご紹介しているような『海外メディア』の記事が批判されています。

取組を続ければいつかは何とかなる、という論調ですが、決定的に不足している観点があると思います。

それは2012年10月にご紹介した【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】の記事の中、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセン氏が指摘した『事故現場から核燃料を取り出すことが出来たとして、それをどこに持っていくのか?』という問題です。

 

現在の原子力工学が放射性物質を『無毒化』することが出来ない以上、この単位時間当たりいったいどのくらいの放射線を放出しているのか、そして1~3号機併せてどれ程の質量になっているのか、現段階では確認しようのない核燃料デブリ、これを安全・確実に保管する場所と技術が必要なはずです。

他県がその持ち込みを容認するはずもなく、福島の人々は核燃料の取り出しが成功したら、今度はこの問題に苦しまなければなりません。

 

福島第一原発で事故を起こしたのは日本人であり、事故の規模とその影響の大きさから考えて、これは日本全体の問題のはずであり、自分が受けた影響は軽微だからといって福島の人びとだけに重荷を押しつけるわけにはいかないはずです。

だからこそ私たち日本人全員がこの問題に正面から向き合い続ける必要があります。

大勢の人間が向き合えば多種多様の意見や感想が出るのは当たり前であり、それに対し『騒ぎ過ぎは非国民・悲観論を煽るのは非国民』とばかりに、全体主義的論調でそれを抑え込もうとするのは不当だといわなければなりません。

必要なのは悲観論から楽観論まで、その両方の科学的尺度を日本人全員で検証し続けることだと思います。

そうしなければ、被災させられてしまった人々に本当の未来はありません。

 

被災した人々と地域への配慮を欠いた記事が国内メディアに繰り返し登場する以上、私は『海外メディア』の記事の紹介を止めるわけにはいかないと思っています。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《10》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

アメリカNBCのサイトでの作品紹介は18点で終わっていますが、せっかくですのでメトロポリタン美術館のサイトから素晴らしい作品を直接ご紹介します。

 

クロード・モネ(フランス: 1840–1926)作[ヴェタイユの夏]油彩、1880。

ヴェタイユはパリの西北、セーヌ川東側にありますが、この絵はその対岸からの風景画です。

個々のタッチの揺らぎには、光と色彩を正確にキャンバスの上に表現しようとしたモネの工夫が見てとれます。

しかし正確な表現を目指したモネのこの手法は皮肉にも後に抽象的表現へと発展することになりました。

実際この絵の上の無数のタッチは、見るものに溶けるような印象を与えています。(写真上)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437111?pos=19&pg=1&rpp=20&offset=0&rndkey=20170312&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

 

ポール・ゴーギャン(フランス: 1840–1926)作[イア・オラナ・マリア(アヴェ・マリア)]油彩、1880。

1892年3月の本人の手紙には、ポリネシアで数多くの作品を書き上げたゴーギャンは、その第一号としてキリスト教的題材として取り上たことが印されています。

右側の女性は聖母マリア、肩の上にいるのは幼いイエス・キリストです。

「腰を民族衣装で覆っただけの女性2人の左側には黄色い翼を持った天使の姿があります。

背景には目だたないように暗い色彩の山、花を咲かせた木々を配しました。紫色の小道とエメラルド・グリーンの前景、左手前にはバナナの木を配しました。満足できる出来栄えだと思っています。」

 

ゴーギャンはこうした作品について、所有していたジャワのボロブドゥール遺跡の写真に多くの啓示を得ていました。(写真下)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/438821

 

【 衝撃の教育内容 – 日本のウルトラ国家主義幼稚園 】

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所要時間 約 5分

否定しきれるのか?安倍内閣と森友学園のつながり

国家主義的主戦論を唱える私立の教育機関に対し、日本政府がまるで後援するような対応

 

エコノミスト 2017年3月4日

 

塚本幼稚園の園児たちは毎朝軍歌に合わせて小さな足で力強く地面を蹴り、天皇陛下の写真の前で丁寧にお辞儀をし、国を守るために勇気を奮うと誓います。

そして幼稚園の行事がある度、3歳4歳5歳の子どもたちは見守る両親たちに向って、外国の脅威から日本を防衛しようと呼びかけます。

 

塚本幼稚園の園児たちの曾祖父母の世代は、かつてこれとよく似た教育を受けさせられました。

しかし第二次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦により、戦後日本国内の学校では国家主義的教育はすっかり影をひそめました。

 

つい最近までほとんどの日本人は、今どきまさか国家主義的主戦論を唱える私立の教育機関があろうとは思ってもみませんでした。

さらにそうした教育機関を日本政府がまるで後援するような対応をとっていたことを知り、国民の驚きは一層大きなものになっています。

 

昨年、塚本幼稚園を経営している森友学園は大阪にある国有地を市場価格のわずか14%という法外な価格で手に入れました。

そして幼稚園と同様、ウルトラ国家主義の普及を実現普及させるための小学校の建設を始めました。

そして小学校建設の資金獲得のための寄付を求めた際、森友学園は安倍晋三首相の名前を引き合いに出したのです。

首相夫人の昭恵氏は塚本幼稚園でスピーチをした経験があり、建設予定の小学校の名誉校長に指名されました。

 

また稲田朋美防衛大臣は、海上自衛隊の戦闘用艦艇がドック入りをする際、塚本幼稚園の園児たちが歓迎のセレモニーに参加して隊員の士気の向上に貢献したとして、感謝状を贈りました。

 

安部首相は今回の土地不正譲渡疑惑についていかなる関与も否定しており、それ以外の事実が証明された場合には首相を辞任すると語りました。

安部首相は自身と夫人は本人の意思に反して、森友学園の籠池理事長の一方的な動きにより幼稚園の後援者にされ、今回の疑惑に巻き込まれたと主張しています。

安部首相は「再三に渡ってお断りしたにもかかわらず、籠池氏はそれに応じず」、小学校建設資金の寄付金集めのために名前を使用されたと主張しています。

 

しかし安倍首相は過去に森友学園の教育方針について、「賞賛に値する情熱」を持って教育に取り組み、しかも「よく似た考え方」を共有していると賞賛していました。

しかし詳細な調査が進むにつれ、首相側、学園側の双方に事実を書き換えようとする動きが出てきました。

安部首相と稲田防衛大臣に関連する記述一切が塚本幼稚園のウェブサイトからいつの間にかきれいさっぱり姿を消しました。

 

塚本幼稚園はヘイトスピーチを禁止する法律の下での調査をされたことがあります。

塚本幼稚園は保護者のもとに中国人の侮蔑的表現である『支那人』という単語を用いた文書を配布したことがありました。

教頭を務める籠池氏の夫人は在日韓国人であるとされた母親のひとりに、自分は差別したことは無いが、『韓国朝鮮人と中国人を嫌悪している』と書いた手紙を送りつけました。

 

森友学園は現在、安倍首相と同様、きわめてあいまいな態度に終始しています。

大阪府の当局は、建設が完了しても、小学校の開設許可が下りない可能性があると語っています。入学申込者も予想を下回る状態が続いています。

この小学校は当初安倍晋三記念小学校と命名される予定でしたが、様々ないきさつにより、瑞穂の国小学校に校名を変更しなければならなくなりました。

 

http://www.economist.com/news/asia/21717996-embarrassingly-it-has-links-prime-minister-ultranationalist-kindergarten-japan?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

【 安倍首相の最長任期実現に向け道を開いた自民党 】

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所要時間 約 8分

平和憲法・民主憲法の破却に向け、具体的に動き出した自民党

成果に乏しいアベノミクスへの不満、森友学園スキャンダルへの疑念が拡大を続ける中

 

アルジャジーラ 2017年3月6日

 

日本の政権与党自民党の議員たちは現在の安倍首相の任期が切れる2018年に、さらにもう一期、第3期の首相就任を可能にする自民党総裁の任期延長を票決しました。

日本の与党は自民党総裁の任期制限を延長したことにより、安倍晋三首相の戦後最長の首相としての記録実現に向け、道を開くことになりました。

 

3月5日に開催された政権与党の自由民主党大会において、これまで3年間の就任期間を2期連続としていた党総裁任期の制限を、3年間の任期を3期連続にまで延長する提案が行なわれ、可決承認されました。

これで安倍首相は2018年に行われる予定の自民党総裁選挙での3選が可能になりました。

 

もし次回の総裁選挙で勝利し、自民党が国政選挙での勝利を続けることが出来れば、安倍首相は2021年9月まで首相の座に座り続けることが可能になります。

これまでの総裁任期の下では、たとえ自民党がまだ政権与党であり続けても、安倍首相は2018年9月に党幹部と首相を辞任しなければなりませんでした。

 

戦後最も長く首相の座に座り続けたのは1964年11月から1972年7月まで日本の首相を務めた佐藤栄作氏です。

現在62歳の安倍首相は2007年に約1年間首相の座にありましたが、参議選挙での歴史的な敗北の後辞任しました。

野党であった3年間の後、2012年12月に自民党が政権の座に返り咲くと同時に、安倍氏は首相に就任しました。

 

就任してまず打ちだしたのが、日本経済の成長戦略『アベノミクス』でした。

その中身は大規模な金融緩和策、多額の財政支出、そしてあらゆる分野の官僚主義を改めさせる構造改革を組み合わせたものでした。

しかし5年が経った今も日本経済の足取りは危うく、目標とされた2%のインフレ達成も実現されないままです。

 

一方で自民党は『憲法改正提案に向けた実務的な手続きを開始する』政策方針を採用しました。

自民党はこれまで長い間、本当の意味での国の防衛以外の軍事力の行使を厳しく制限する日本国憲法の改定を党是としてきました。

日本が第二次世界大戦(太平洋戦争)に敗戦した後、占領軍として統治していたアメリカ軍の下で1947年に公布されたのが現在の日本国憲法です。

 

しかし現在安倍首相は、国有地を不当に安い価格で取得した嫌疑をかけられている私立の小学校と昭恵夫人との関係を指摘され、日本国内で様々な論争に発展しています。

現在開校の準備が進められているこの小学校は、実勢価格からかけ離れた安い価格で売却された国有地に建設中ですが、短期間とはいえ、昭恵夫人はこの小学校の名誉校長に就任していました。

 

http://www.aljazeera.com/news/2017/03/abe-japan-longest-serving-premier-170305094653989.htm

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私の中では、自民党は総裁ではなく総統を作ろうとしているのだという危機感が大きくなっています。

ワイマール共和国の首相であったはずのヒトラーは、いつの間にかドイツ第三帝国の総統になり、国民の生殺与奪の権利まで握ってしまいました。

無謀な戦争で多くの国民が殺された記憶は、現在の日本において平和憲法を否定する姿勢につながります。

在日朝鮮韓国人を差別する教育機関とのつながりは、ユダヤ人の大量虐殺を思い出させます。

70年以上も前のあの第二次世界大戦(太平洋戦争)で、こうしたことには全世界の人間がほとほと懲りたはずではなかったでしょうか?

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《9》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

アメリカNBCのサイトでの作品紹介は18点で終わっていますが、せっかくですのでメトロポリタン美術館のサイトから素晴らしい作品を直接ご紹介します。

 

カミーユ・ピサロ(フランス: 1830-1903)作[2人の若い農婦]油彩、1891-92。

印象派の画家の中で最年長者であったピサロは温厚な性格から画家仲間の信望が厚く、ゴッホやセザンヌらの若い世代の画家を大いに励ましていたと言われています。

ピサロは1885年頃から90年まで、ジョルジュ・スーラやポール・シニャックの影響で点描画法を試みています。しかし晩年はパリ郊外のエラニーに住み、描くのに時間がかかり感情に追いつけないとして点描法を放棄し、風景だけでなくピョートル・クロポトキンらのアナキズムの影響を受け、農村を舞台にした人物画を多く描くようになりました。(Wikipediaを参照)(写真上)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437304?sortBy=Relevance&deptids=11&when=A.D.+1800-1900&ft=*&offset=0&rpp=20&pos=5

 

ポール・セザンヌ(フランス: 1839-1906)作[エスタックからのマルセイユ湾の眺め]油彩、1885。

セザンヌは1876年にピサロに漁村だったエスタックについて熱心にこう語りました。

「そこはまるで絵のような眺めの場所。青い海の上に散らばる赤い屋根。輝く太陽が映し出すそこにあるものの輪郭は白黒でだけでなく、青、赤、茶やバイオレットで描かれていると思えるほど、素晴らしい場所です。」

セザンヌはこの後10年間で約20点、エスタックを題材にした作品を描きました。

さらにエスタックからマルセイユ湾を遠望する風景画も12点制作しました。(写真下)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/435872?pos=7&pg=1&rpp=20&offset=0&rndkey=20170308&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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