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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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【 働く人求ム!もうキレるような仕事はさせません… 】《前篇》

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所要時間 約 7分

ひっ迫する日本の労働者市場 - それなのになぜ、労働者の賃金は上がらないのですか?

従業員不足と需要の極端な偏りが、一部の労働環境を極端に劣悪なものにしている

 

エコノミスト2017年4月6日

 

日本では、きちんとしたユニフォームを身にまとい、礼儀正しく時間に正確な宅配業者の社員たちが全国を飛び回っています。

誰もがそう考えていただけに、そうした社員の1人が東京郊外のアパートに荷物を届けにやってきた際、荷物を受け取るべき住人がすべて不在という事態に遭遇し、キレた挙句大切なはずの荷物を投げつけたり叩きつけている映像を見せられた時は、皆一様に衝撃を受けました。

昨年の12月カメラ付き携帯電話で一部始終を撮影した映像は瞬く間に日本全国に伝わり、『荷物の怒り爆発』事件は一躍有名になりました。

騒ぎは全国規模で拡大し、日本最大の宅配業者の1社である佐川急便は顧客に向けあらためて謝罪を行いました。

 

しかし実は多くの日本人は、この映像の中の消耗した挙句怒りを爆発させてしまった主人公に、いたく同情していたのです。

 

日本国内の企業の10%以上が、一部の従業員に対し1ヵ月に100時間以上の時間外労働を度々させていることを認めました。

福井県にある原子力発電所の管理職は、2016年2月にその倍の200時間の時間外労働を余儀なくされた挙句、2ヵ月後に自殺してしまいました。

こうした問題は特に熟練したスキルを必要としないサービス産業で深刻化しています。

 

これまでの20年間で、インターネットを使った電子商取引が急拡大し、佐川急便のような会社が取り扱う小型貨物の数が激増しました。

昨年、そうした従業員の1人が上司の激しいいじめに遭い、自殺してしまいました。

 

厚生労働省が所管する独立行政法人である労働政策研究・研修機構が2015年に行った調査の中で、こうした長時間労働を強いられている労働者の中には、自分自身の能力の欠如が原因であると回答した人々がいました。

一方では、満足な結果を成し遂げるのに時間外労働は必要であると答えた、律儀な人々もいました。

 

しかしいずれでもない、誰もが最大の原因として挙げたのは別の2つの極めて明快な経済原則でした。

従業員不足と需要の極端な偏りです。

この2つの問題こそが、現在の日本の労働市場の状況を象徴するものなのです。

 

現在の安倍晋三首相が政権の座に返り咲いた2012年12月から現在まで、日本の生産年齢である15歳から64歳の人々の数は約380万人減少しました。

しかしその実、働いている人々の数は220万人増加したのです。

今やどんな職を探している人に対しても1.0人以上の求人があり、失業率は2017年2月現在で1994年以降最低となる2.8%と減少しました。

 

日本では今、人口減少が労働需要の上昇とぶつかりあっています。

この組合せによって本来実現されなければならないものは何でしょうか?

それは高率のインフレーションです。

 

供給がひっ迫している労働者はもっと高い賃金を要求していなければなりません。

高い賃金を支払わなければならなくなった企業の側は、それを商品の価格に転嫁して顧客に請求しなければなりません。

しかし、日本国内の労働者の賃金も商品の価格も、抑え込まれたままになっています。

 

企業側との賃金交渉において、日本の労働組合は話題になった佐川急便の男性が荷物に向かってぶつけて見せたような、攻撃姿勢は一切示しませんでした。

 

過去2年間ボーナスと時間外を除外する日本の労働者の基本給の低下こそありませんでしたが、その上昇率は2016年0.2%に留まり、日本銀行が設定したインフレ・ターゲット2%の実現の足を引っ張る要因のひとつにもなりました。

 

日本の労働賃金が伸び悩んでいる原因の一つに、労働者の増加があります。

2012年後半約680,000人であった日本国内の外国人労働者の数が、現在100万人以上にまで増加しているのです。

さらに重要なのは、この間女性と初老男性の就労者数が200万人以上増加したという事実です。

しかし日本の労働市場において補完的な役割を担っているこうした人々の立場は様々で、中には必要なだけの生活資金を収入として得られない人々もいます。

 

〈後篇に続く〉

http://www.economist.com/news/finance-and-economics/21720282-high-employment-combined-undemanding-workers-japans-labour-market?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

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【 4月7日〜14日の報道写真から 】

アメリカNBCニュース 4月14日

 


2017年4月9日スウェーデン、ストックホルムにあるセルゲルス・トーク広場で、テロリズムに対する徹夜の抗議集会に参加した数千人の人々。
ビールを積んだトラックが高級デパートに突っ込み、英国人男性、ベルギー人女性、そして2名のスウェーデン人の4人が死亡しました。
容疑者はスウエーデン警察当局によれば、ウズベキスタンからの亡命希望者ですが、偽りの住所を届け出て受け入れを拒否されていました。(写真上)

4月9日の目黒川と満開の桜。(写真下・以下同じ)
4月9日シャンゼリゼの通りを走る第41回パリ・マラソンの参加者たち。
http://www.nbcnews.com/slideshow/week-pictures-april-7-14-n746816

【 福島発 : 新しい反人種差別ムーヴメント 】《4》

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所要時間 約 10分

『一緒に生きよう!(リビング・トゥギャザー)』は、すべての困窮者が互いに助け合うための共通の願い

日本には人種差別やその他の規準による差別が厳然と存在するという問題に、連帯して取り組む人権活動家たち

弱い立場の人々の人権を守ろうという活動を、今、世界的に連携させようという動きが進んでいる

 

ビビアン・ショー / アルジャジーラ  2017年3月12日

 

▽『一緒に生きよう!(リビング・トゥギャザー)』

 

2016年の秋、私は一人のアーティストに会うために新宿の同性愛者が良く集まる場所を訪問しました。彼の名はアキラ・ザ・ハスラー、バーテンダーとして働く時間帯の前に話を聞きました。

彼が働いているバーは、間口が狭くアパートの一室程度の広さしかありませんが、カウンターが入り口から店の奥まで伸びています。

ビンテージものティーカップが店内の棚にきちんと並べられていました。

政治的な問題も良く話題に上るこの店は、東京のちょっと変わった反人種差別主義者やファシズムと闘うアンティファ(Antifa)活動家に人気があります。

 

アキラはベテランの人権活動家であり、東京で展開されている反人種差別主義活動の場で、『一緒に生きよう!(リビング・トゥギャザー)』という考え方を一般社会に根付かせる運動において中核的役割を果たしています。

このキャッチ・フレーズは、1990年代日本で展開されたHIV問題啓発運動に由来します。

『一緒に生きよう!(リビング・トゥギャザー)』は、様々な市民活動の場に登場するようになりました。

私たちが選挙中に行われている署名運動の場に取材に行ったときは、ボランティアの人々が帽子の上に、カメラマンのギャラリーの開設に合わせて行われた記者会見の席上でも、2014年に東京で行われたノー・ヘイト・パレードの山車に乗った女装した男性もこのキャッチ・フレーズを高々と掲げていました。

 

『一緒に生きよう!(リビング・トゥギャザー)』という言葉には、単なるキャッチ・フレーズを超えた意味合いがあります。

外国人、同性愛者などの性的な少数者、命に関わる慢性疾患を抱え込んでしまっている人々、そして原子力発電所近くで暮らすことを余儀なくされ、常に不安に苛まれて暮らしている人々など、生きていくことが決して楽ではない人々の共通した概念なのです。

 

「結局私は、いくつかの条件に共通点を持つ人々が互いに親近感を抱いていると考えるようになりました。」

アキラ氏がこう語りました。

そして「普通の」日本人の中で普通と言う概念から外れてしまっているために、社会の中で様々な困難を抱え込んでしまっている人々を結びつける糸について話しました。

 

「私たちはこう考えています、『私には関係が無い』、そうした考え方は『一緒に生きよう!(リビング・トゥギャザー)』というポリシーには反する生き方だと思います。

 

東日本大震災で津波の被害を受けた広大なエリア、そして福島第一原発の事故の被害を被ったさらに広大なエリアでは未だに差復興再建の事業が続けられていますが、多くの問題が未解決のままであり、こうした地域で暮らす多くの人々が将来に対する不安を抱えています。

 

日本の反人種差別主義もまた、成長の過程で様々な困難に遭遇してきました。

3.11のできごとは多くの日本人にとって、それまで眠っていた意識を覚醒されるきっかけになりました。

しかしその一方、在日韓国朝鮮人やその他の少数派の人々は、日本に人種差別やその他の規準による差別が厳然と存在するという現実に直面させられることになったのです。

これに対し差別に反対する活動家たちは、より地域に密着した組織作りを目指して連携を深め、互いに支え合う体制づくりに一層の努力をするようになったのです。

 

ヘイトスピーチに反対する川崎市民の会は、こうした問題が地方都市においても緊急性を帯びてきていることを一般市民に持つ絶え寝るため、同市内の在日韓国朝鮮人組織の指導層との連携を図るようになりました。

さらに日本国内に組織的・機構的に存在する差別と闘うため、同性愛者の権利を求める活動家や難民の支援団体などとも共同歩調をとるようになってきました。

こうした中、ヘイトスピーチの集会やデモが徐々に下火になっていく中、これらの活動家たちはより健全な市民の権利の確立を目指し、さらなる活動の場を求めるようになりました。

そしてこれまで実際には人種差別の攻撃対象にされながら、この問題の中で取り上げられることが少ない人々に対し、活動家たちの視線が向けられるようになったのです。

 

1990年イラク戦争。『正義の戦い』をしたアメリカ軍の攻撃の犠牲者。

国際的に問題視されているシリアの難民危機と、日本人の漫画家が描いた難民の子どもたちをまるで思慮の浅い日和見主義者のように扱った冷酷な一群の排外的漫画作品もまた、これら活動家の中で軽視できない問題として大きく取り上げられるようになりました。

さらに沖縄において地元民を侮辱する発言があった事件についても注意が向けられました。

沖縄県民の多くが反対している米軍基地建設へのデモに参加するため、実際に数名の人権活動家が辺野古に出向きました。

 

人種差別と闘っている日本の活動家たちはしばしば、差別が全世界的な問題であると感じています。

活動家たちが着ている英語版のTシャツにはトレイヴォン・マーティンとアンジェラ・デービスの写真があしらわれています。

そして英国と北アメリカの対レイシスト行動集団(C.R.A.C)のツイッター・アカウントは世界中の利用者に向け、ジェスチャーで主張を伝えようとしています。

 

ツイッターに精通した活動家たちはさらに『ブラック・リヴス・マター』の活動家、アメリカのノースダコタ・パイプライン建設反対運動(NoDAPL)、ウーマンズ・マーチ運動その他の市民運動との連携も図っています。

 

移民排斥運動や国家主義など世界的な政治の右傾化傾向は、こうした活動家たちに自分たちの闘いがとりもなおさず民主主義を守る大きな戦いの一翼を担っているのだという認識を広めることになりました。

人種差別と闘う羽田勝男さんは、反原発運動の活動家として福島第一原発の事故以降今日まで国会前での抗議デモを続けている、数少ない人権活動家のひとりです。

羽田さんは未だに自分の過去について後悔をしています。

福島第一原発が事故を起こす前から、羽田さんは長い間原子力発電というものに疑問を抱いていましたが、彼自身の言葉を借りれば

「何も行動はしませんでした。」

 

羽田さんは今、日本国内の人種差別について似た感情を抱いています。

羽田さんが次のように指摘しました。

この10年間、インターネットの世界の隅の方で外国人の排斥、人種差別などの動きが蠢動を続けていました。

そして公共の場でヘイトスピーチが行なわれるようになったことで、羽田さんも、そして多くの日本人も衝撃を受け、心を揺さぶられ、そして行動する必要性を痛感するようになりました。

 

3.11以降、「深い後悔の念が心から去ることはありませんでした。責任を果たすためには、沈黙しつ続けることは間違いです。」

 

※ビビアン・ショーは人種、政治と文化を研究分野とする社会学者です。

〈 完 〉

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/03/fukushima-gave-rise-anti-racism-movement-170310103716807.html

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差別というのはいわば自分の弱点を隠すための、サイテーの行為です。

ところでこれまで一日おきに新しい記事を掲載してきた【星の金貨】ですが、これまでの掲載本数が増えすぎて自分でも混乱することもあり、新規掲載日を(月)(水)(金)の週3回に固定させていただくことにいたしました。

次回の新しい記事の掲載は4月17日(月)とさせていただきます。

これからもよろしくお願いいたします。

 

【 福島発 : 新しい反人種差別ムーヴメント 】《3》

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所要時間 約 7分

ヘイトスピーチ関連のデモや集会は福島第一原発の事故の補償金までやり玉に挙げ、原発難民に落とされた人々まで攻撃の対象にした

ヘイトスピーチ・デモの参加者は減少、しかし姿を隠したソーシャルメディアの虐待的差別発信は多数

 

ビビアン・ショー / アルジャジーラ  2017年3月12日

 

最終的に『しばき隊』は対レイシスト行動集団(C.R.A.C)へと発展しました。

彼らは日本国内でヘイトスピーチや差別集会の頻度の高い場所にカウンター・デモを行うための地方支部を準備開設しました。

その場所は大阪、京都、北海道、沖縄、そして福島県が含まれます。

C.R.A.C.の結成母体となったのはそれぞれの立場で人種差別との戦いを続けてきた文化事業従事者、音楽家、デザイナーなどです。

彼らは反ファシズム・ファッションを『かっこいい』ものにするべく、Tシャツや帽子をデザインし、クラブ・パーティーの開催も行いました。

 

日本の法務省の調査では在特会とそれに類似するグループが2012年4月から2015年9月の間に開催したヘイトスピーチ関連のデモや集会は1,100回以上に上っています。

こうした集会などで在特会が攻撃対象にしているのは主に在日韓国朝鮮人ですが、矛先を向けられ被害を受けたのは中国人、難民、そして移住してきた家族など、その幅は広がっています。

彼らは福島第一原発の事故の補償金や賠償金までやり玉に挙げ、事故によって避難を余儀なくされた人々まで攻撃の対象にしたのです。

 

▽ ヘイト・スピーチの禁止

 

結局、ヘイトスピーチ集会やデモに参加していた人数、そして在特会のメンバーは数の上で減少局面へと転じました。

特に2013年夏に在特会会長の桜井誠氏が起訴され、2009年に朝鮮学校に通う小学生たちに対して行った脅迫行為に対し、約1,200万円の損害賠償を命じる最高裁判所の判決が下されるなどのスキャンダルが起きると、その傾向はより明らかになりました。

さらに連携して日本の差別問題に関する情報発信を行う世界中の報道機関、人権活動家、人権擁護団体、そして政策担当者の数が増加した結果、2014年夏、日本に対し国連が状況の改善を求める厳しい勧告を行うことになったのです。

 

さらに国内の人権活動家と一部政治家が協同してこの問題に取り組んだ結果、2016年5月には日本で初めてヘイトスピーチ集会を禁止する法律が成立し、この問題への取り組みを続けてきた人々の手に一定の成果がもたらされたのです。

 

それでも2017年になっても尚、在日韓国朝鮮人やその他の国々の人々に対するヘイトスピーチ集会が公共の場で続けられています。

活動家や評論家はその原因がこの法律の弱点にあると考えています。

この法律はヘイトスピーチ集会を禁止してはいるものの、違反した者に対する罰則の規定が無いのです。

 

在特会が行なうヘイトスピーチ集会やデモの参加者は、減少傾向によって概ね100以下に減りましたが、その代わり開催場所は韓国系の人々が多く暮らす新大久保などから、東京の観光やショッピングを代表する場所、銀座と秋葉原へと移りました。

 

2017年2月20日、東京を代表する観光地で浅草寺や東京スカイツリーなどの観光スポットが点在する浅草で、大勢の中国人観光客を運んできたバスの車列の反対側で、在特会のデモが始まりました。

この時はヘイトスピーチ・デモの参加者同様、カウンター・デモを行う側の参加者もその数を減らしてはいましたが、それでもヘイトスピーチ・デモ参加者よりは明らかに多いように見えました。

 

しかしソーシャルメディアにおける極端な罵詈雑言を使ったヘイトスピーチは、衰える気配がありません。

反人種差別運動の高まりによって、やっと一般の日本人の目に見え始めた在日韓国朝鮮人女性の置かれている状況は、彼女たちが職場において、そして普段生活している場所で、日常的に攻撃の標的にされるという脅威にさらされている実態を明らかにしました。

ソーシャルメディアやウェブサイトで依然続くヘイトスピーチ問題に取り組んでいる法律の専門家、政治家、そして人権活動家たちもこうした問題にも目を向け始め、解決の必要性を認識するようになりました。

 

国内の人権活動家は日本の人種差別がヘイトスピーチに留まらない、もっと奥深い問題であることを懸念しています。

2016年7月に行われた東京都知事選では、在特会の桜井誠元会長が約110,000票を獲得しました。

これは得票数で第5位、投票総数のわずか2パーセント未満という数字でしたが、翌月には極右政党『日本第一党』を結成したのです。

 

※ビビアン・ショーは人種、政治と文化を研究分野とする社会学者です。

-《4》へ続く -

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/03/fukushima-gave-rise-anti-racism-movement-170310103716807.html

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【 マスターズ2017 】

 

USPGAツアー 2017年4月9日

ジョーダン・スピース(アメリカ・11位タイ)

松山英樹(日本・11位タイ)

ジェイソン・デイ(オーストラリア・22位タイ)

ライアン・ムーア(アメリカ・9位タイ)

ジャスティン・ローズ(英国・2位)

セルヒオ・ガルシア(スペイン・優勝)

http://www.pgatour.com/news/2017/04/09/golf-best-photos-pictures-gallery-masters-augusta-national-major-emotions-reactions.html

 

 

【 福島発 : 新しい反人種差別ムーヴメント 】《2》

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所要時間 約 9分

言葉による暴力を浴びせ、小中学生にまでいたたまれない思いをさせる虐待行動を繰り返した日本の人種差別主義者

日本国内で散発するヘイトスピーチのような非人道的行為は、絶対に止めさせる必要がある

 

ビビアン・ショー / アルジャジーラ  2017年3月12日

 

▽ 韓国朝鮮人と他の少数民族を支援する動き

 

2013年2月目前に脅威が迫っていることを痛感した野間泰道氏は、ツイッターである訴えを展開し始めました。

国家主義者のグループであり、在日韓国朝鮮人が特権を享受しているとして排撃を企てるグループ『在特会』が東京都内で在日韓国朝鮮人が数多く暮らしていた新大久保でデモ行進を行ったのです。

東京以外でも大阪の鶴橋や多文化的な特徴を持つ川崎地区の桜本など、韓国朝鮮人が数多く居住活動している場所を狙い撃ちし始めたのです。

 

在特会が攻撃目標としたのは日本国内の外国籍居住者としては最も多い在日韓国人です。

彼らは国籍こそ持ちませんが、第二次世界大戦(太平洋戦争)以前に朝鮮半島から強制移住させられた人々の子孫で数世代に渡って日本で暮らしている人々から、K-ポップや韓国料理を日本市場に供給するため韓国からやってきた『新顔』まで、その背景は様々です。

野間氏が訴えたのは人種差別主義者に対し、立ち上がって行動することでした。

 

2006年に創立された在特会は以前、2009年に14歳のフィリピンの少女を標的にした攻撃を行ったこともありました。

彼女の両親はビザの滞留期限を過ぎて日本に不法滞在したかどで国外追放となりましたが、その後在特会は少女を国外追放にするよう要求し、彼女の自宅や学校の周囲で示威活動を繰り返しました。

 

そして京都府内の小学校の周辺で在特会は韓国朝鮮系の子どもたちを「スパイの子供たち」と呼び、キムチの「においがする」などと言葉による暴力を浴びせ、小学生や中学生にまでいたたまれない思いをさせるという虐待行動を繰り返したのです。

 

▽ 外国人を排斥・迫害する政治へ道を開いた3.11

 

東日本大震災と福島第一原発の事故の結果、日本では政治的混沌と社会不安が拡大し、外国人の排斥を主張し、混沌や不安の責任を彼らに転嫁する在特会などのグループの勢力の伸長を許すことになりました。

極右の思想を持つインターネットユーザーは2チャンネルなどを使ってパニックを煽りました。

2017年になっても、極右系のウェブサイトは毎日100万件の新しい投稿があることを自慢しています。

そして在日韓国朝鮮人が日本の福祉制度を悪用していると訴え、日本国内で行われている大規模な原子力発電への反対運動が『本当の日本人』が行なっているのではなく、外国人の扇動家たちが煽っているのだという噂をまき散らしました。

 

彼らは東アジア地区で高まっている外交的な緊張も利用しながら、1923年関東大震災の際に強制的に徴用されていた朝鮮人が暴動を起こすというデマが流され、首都圏で6,000人の朝鮮人が虐殺された過去の事件を彷彿とさせる社会不安を巻き起こすことになったのです。

 

TwitNoNukesの中心メンバー、何人かのアーティストとデザイナーと一緒に、野間さんは『しばき隊』を結成しました。

この招待者のみのすべて男性メンバーの「隊」結成のヒントとなったのは、過去に実績のあった国境を越えて結成されたパンク・ミュージシャンによるAntifa運動(Anti-fascism : アンチ・ファシズム)でした。

 

在特会は東京の新大久保地区の韓国系商店やその経営者に対しても威嚇行動や嫌がらせを行っていますが、『しばき隊』は商店主や住民を守るために敢えてその攻撃にさらされる場に自分たちの身を置く、犠牲的精神を発揮しました。

「私たちは、怒りをエネルギーにしています。」

ある日昼下がり、たばこの煙型が漂う喫茶店の中で野間氏がこう語りました。

 

こうした哲学を導き出したものは、心の奥深く脈打つ抵抗精神と自ら体を動かすことによって生まれて来る行動への衝動、その両方です。

しばき隊の行動原理は男らしいスタイル、そして体面ばかりを気にする日本の政治への抵抗姿勢が見られますが、怒りと義憤を基本に据えた戦術は、一方では保守派と革新派の双方から反発を受ける結果になりました。

既存の政治勢力からの批判にさらされながらもしばき隊の存在は、人種差別を批判してその誤りを正そうとする運動を盛り上げる原動力の一つとなりました。

そして漫画やアニメによって人種差別主義者と対決するグループ、オタク・オブ・アンティファ(反ファシズム)などを掩護する役割も担い、『おとこ組』など人種差別主義に対し直接行動を起こす組織結成の起爆剤の役割も果たすことになったのです。

 

人種差別主義と戦う活動家のひとり、サバ子さんは抗議行動に初めて参加した時の体験について『唖然とさせられる』ものだったと語りました。

 

サバ子さんは進歩的な家庭で成長し、差別の問題にも強い関心を寄せてきましたが、自分の目と耳でヘイトスピーチを目撃した時には大きな衝撃受けました。

当時の在特会は現在と比べさらにひどい内容だったと語りました。

サバ子さんは悪名高い在特会のスローガンについてひとつひとつ説明してくれました。

「韓国人を叩きだせ!」

「死ね!」

「殺せ!」

さらには韓国朝鮮人を「ゴキブリ」「ウジ虫」と呼んでいることについて…

 

「私は、心の底から怒りました。」

サバ子さんがこう語りました。

「私たちの多くが、特に女性は自分たちが感じた衝撃と恐怖について話し合いました。しかし私自身の中では、問題はそこだけにはとどまりませんでした。」

「私は強烈ないらだちを感じました。そしてヘイトスピーチ運動に対する強い破壊衝動を覚えたのです。私たち日本人はこのような非人道的行為を絶対に止めさせなければなりません、私は日々その思いを新たにしています。」

 

-《3》へ続く -

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/03/fukushima-gave-rise-anti-racism-movement-170310103716807.html

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アメリカの黒人差別の歴史において、『プア・ホワイト』と呼ばれる白人の最下層が最も激しく黒人たちを攻撃したことが物語っているように、自分たちが社会の最下層かそれに近いという不安が大きければ大きい程、人種差別などという愚劣な行為に惹かれるのだと思います。

自分が置かれている立場を創意工夫と努力によって変えていく、それによって人間としての充実感を得るなどという事は嫌いなのでしょう。

それよりはてっとり早く他人を攻撃し、現実世界には存在しない自分のプライドを満足させたい、自分の下を作りたい、それが人種差別だと私は考えています。

こういう行為を、日本語では『卑怯』というのではないでしょうか?

 

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【 福島発 : 新しい反差別ムーヴメント 】《1》

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所要時間 約 8分

福島第一原発の事故への抗議運動、在日韓国人などマイノリティの人権を守る新たな人種差別への反対運動に発展

日本政府、既存の大手メディア、そして科学分野を所轄する諸機関に対する不信感をエスカレートさせた3.11

 

ビビアン・ショー / アルジャジーラ  2017年3月12日

 

間接照明の中に浮かび上がる東京都恵比寿のレストラン、私がテーブルに着くと向かい合って座っていたサバコ(仮名)さんは、ちょうど2個のおにぎりの写真を撮っているところでした。

 

仮名で取材に応じてくれたサバコさんはこの店のシェフの友人であり、人種差別反対主義運動を行っている活動家であり、東京で行われるLGBTや音楽イベントの際は飲食関係を担当しています。

です。

彼女は撮影した写真をツイッターの『おにぎりアクション』のアカウントにアップロードするのに2、3分かかりました。

 

運動に携わる人々は、昨年の11月下旬の数日間、日本国内で拡大する貧困、そして満足に食事すらとれない人々のための啓発活動を行うために、このハッシュタグを使っていました。

そして今年3月、サバコ(仮名)さんは2011年3月11日に発生したマグニチュード9.0の地震によって引き起こされた巨大な津波、そして原子炉がメルトダウンした日本の巨大三重災害の傷あとが未だ癒えてはいないことをアピールするため、路上でのデモ行進とソーシャルメディアでの発信を行った数多くの市民運動家のひとりです。

 

18,000人もの人々が死亡または行方不明となり、数千人の人々が移住せざるを得なくなった2011年3月11日の災害について多くの日本人が普通の日常が戻ったと考えていますが、被災地の現実は当時の悲惨な傷跡が癒えたとはとても言えない状況にあります。

 

福島第一原発が環境中に大量に放出した放射性物質による汚染は東日本のほぼ全域に拡大し、多くの人々がパニックに陥りました。

東京都内で暮らしていたサバコさんも10代だった子供と他の家族とともにずっと北の札幌市に避難しました。

彼女は1ヵ月間その場所で暮らしました。

そしてツイッター・アカウントを開設し、東京に戻ると同時に定期的に反原発集会とデモに参加するようになったのです。

 

彼女は事故によって放出された放射性物質が自分の家族にどのような危険をもたらす結果になったのか、冷静にその分析を行う一方で、東京電力の管理責任の欠如や福島第一原発の事故原因を間接的に作りだしたと彼女が考えているその他の政府機関などに対しては、ただただ怒りを感じてきました。

 

しかし最近、サバコさんの時間と関心の多くは人種差別主義、そして外国籍の人びとをターゲットにするヘイトスピーチ・スピーチとの戦いに費やされるようになりました。

 

▽ アフター・フクシマ

 

日本で再び社会的差別に対する反対運動が盛り上がるきっかけを与えたのが、3/11の予想外の副産物でした。

福島第一原発の事故は、危機的状況の中では民主主義というものがいかに脆く、そして変容してしまう可能性のあることに、何万人という人々が初めて『目覚める』きっかけを与えることになったのです。

そしてこの数多くの人々の目覚めは、巨大災害のがれきの中から新しい日本を生み出すための動機を与えるだけにはとどまらなかったのです。

 

これまで日本国内での原子力発電所建設に無関心であったことへの深い後悔の念に加え、日本政府、既存の大手メディア、そして科学分野を所轄する諸機関に対する不信感がエスカレートしたことにより、日本人であること及び日本の国土で暮らすという事のこれまでの概念が、大きく揺さぶられることになったのです。

 

20世紀を通し日本国内で続けられてきた人種差別への反対運動の代表的なものは、日本社会でのマイノリティーである在日韓国朝鮮人への差別撤廃運動、部落解放運動、そしてアイヌ民族や沖縄の人々などの先住民族差別への反対運動などがあります。

しかし人種差別に反対する市民グループが3/11の後で切望したものは、これらとは異なるものでした。

 

最初に民族の違いを理由にする人種差別問題に取り組んだ市民活動家たちは、人種差別は社会のすべての面に対して有害な問題を引き起こすものと見なしていました。

こうした活動家たちは日本の中での人種差別主義への反対運動の主流となり、日本国内の少数民族が直面している肉体的・精神的重圧を軽減するために、労働組合的運動も取り込もうとしています。

 

2012年には一度その頂点を迎え、原子力発電の中止を求めて東京都内にある首相官邸前及び国会議事堂前の道路を約200,000の市民たちが埋め尽くしました。

こうした運動を率いたのは、東日本大震災・福島第一原発事故が発生した一カ月後の2011年4月、一団の文芸評論家や音楽雑誌の副編集長だった野間泰道氏などが結成したTwitNoNukesというツイッター名のグループで、様々な職業や政治的立場を持っていた一般市民の心の中に芽生えた反原子力発電感情を一つにまとめ上げる、橋渡しの役割を担ったのです。

 

それまでの既存のマスメディアが福島第一原発の事故を引き起こした勢力に対し毅然とした態度をとれずにいたことに加え、ツイッターやその他のソーシャルメディアで韓国朝鮮人などの少数派に対する誹謗中傷が相次いだことで、一般市民の中の多くの活動家が野間泰道氏をオピニオン・リーダーとして認めるようになりました。

 

-《2》へ続く -

http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/03/fukushima-gave-rise-anti-racism-movement-170310103716807.html

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【 3月24日 – 31日の報道写真から 】

 

アメリカNBCニュース 2017年3月31日

 

2017年3月25日シリアの首都ダマスカス近郊、反政府勢力に対する空爆が行なわれる中、車いすの男性を避難させるその妻。(写真上)

2017年3月25日シリアの首都ダマスカス東郊のゴータ地区で、反政府勢力に対する空爆が行なわれた後、泣きながら救護所値を待つ子供たち。

この空爆では少なくとも16人の一般市民の犠牲者が出ました。(写真下)

http://www.nbcnews.com/slideshow/week-pictures-march-24-31-n740981

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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