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【 憲法改定の宿願の間合いを測り続ける安倍首相 】

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所要時間 約 8分

安部首相の保守的なイデオロギーの在り方に対する不信感が拡大、憲法第9条改定への支持率が低下

憲法が実現させた平和主義的な制約を取り払い、戦前同様の軍制に戻そうという動機が隠されている

 

ロイター  2017年6月4日

 

日本は来年、平和憲法の改定について是非を問う初の国民投票を行う可能性が出てきました。

日本にとって歴史的とも言える転換点となるこの試みに成功すれば、安倍首相の保守派としての積年の宿願が達成されることになりますが、一方では国論を二分し、さらには韓国、中国の懸念を増幅することにもなりかねません。

 

安部首相は今年5月、公布されて70周年を迎えた憲法記念日に戦争放棄を宣言している第9条について予期せぬ提案を行いました。

2020年までに憲法第9条にこれまでその存在について明確な定義の無かった日本の軍隊である自衛隊について、条項を追加し、国軍としての定義を明確にすることを提案したのです。

 

第9条を改めることは日本という国のあり方の基本に関わる問題です。

戦後の民主主義、平和主義を支持する人々は、憲法第9条がその基盤を作って来たと考えています。

しかし保守派の多くは第二次世界大戦(太平洋戦争)に敗北した結果、占領軍であったアメリカに押しつけられた屈辱的なものだと考えています。

もし憲法の改定が行なわれれば、日本の伝統的価値観の復活と軍事的制約を取り払う事を長年の課題としてきた保守タカ派の安倍首相にとっては明らかな勝利となります。

 

「いつか自分の実績について振り返ったときに、安部首相は『憲法を改正したのは私だ。』とはっきり言えるようにしたいのです。」

元防衛副大臣の長島昭久衆議院議員がこう語りました。

 

憲法第9条を改定する具体的手続きが開始されれば、太平洋戦争当時に日本軍による直接的被害を被りその記憶が風化していない中国と韓国が反発を強める可能性がありますが、アナリストは北朝鮮のミサイル開発プログラムについて日本と協力しなければならない韓国は日本に対する直接的非難を控える可能性があると語っています。

これに対し、中国外務省の報道官は次のようにコメントしました。

「歴史的事実に基づき国際的コミュニティ、とりわけアジアの近隣諸国は、日本国内で軍国主義的傾向が強まっていないかどうか、これまで常に注意深く観察を続けてきました。」

中国は日本が「平和憲法の精神を大切にする」選択をすることを願っていると語りました。

 

安部首相が提案しているのは、戦争を行う権利を放棄し、常設軍隊の保持を禁止している既存の条項に自衛隊を合法化する条項を加えることです。

こうした考え方は安倍首相が率いる自由民主党と連立を組む公明党が過去に提案したことがありますが、第9条の廃止そのものを目指す自民党案とは若干異なる内容になっています。

 

「安部首相は思い切ってハードルを下げました。」

船田元自由民主党憲法改正推進本部長代行がロイターの取材にこう答えました。

 

自民党は2017年末までに憲法改定案を立案した上で、来年には議会に提案・審議し、その年のうちに議決する可能性があります。

その後に続くのが国民投票であると船田氏が語りました。

 

日本政府はこれまで、実質的に自衛隊の存在を合法化するために憲法第9条の解釈の変更を繰り返してきました。

2015年には国を挙げて激論が続く中、国会は集団的自衛権の行使を容認し、同盟国が攻撃を受けている場合に軍事的援護を可能にする安全保障関連法案を可決成立させました。

これも憲法そのものの改定ではなく、解釈の変更に基づき別の法律を成立させるやり方が採られました。

日本の防衛政策の変更による影響については、いかなる問題も熱い議論の的となります。

 

安部首相による憲法の改定を支持する人々は、今回の提案は現実をそのまま憲法の条文に書き込むだけのことだと主張しています。

しかし批判的な立場の人びとは日本の自衛隊が海外での軍事行動に道を開くことになると懸念を表明しています。

憲法改定の正式な手続きを行うためには、衆参両院の3分の2以上の賛成、そして国民投票において有権者の過半数の承認を必要とします。

 

▽ 残された時間は限られている

 

憲法改定を辞ししている人々は、今こそそのタイミングだと意気込みます。

「私たちがしなければならないのは、わかりにくい憲法の解釈変更によってではなく、明確な形で自衛隊の存在を規定することです。」

安部首相の顧問を務める柴山正彦氏がこう語りました。

 

しかし、残された時間は限られています。

安部首相は2018年に終るはずだった自民党総裁としての任期をさらに3年延長し、3期続けてその地位に留まり続けることに成功しました。

しかし同じ年の後半に実施される衆議院議員選挙では、自民党と公明党の連立与党は現在占めている3分の2の議席を減らす可能性も充分にあり得ます。

 

日本の有権者の意見は割れています。

日本の公共テレビ放送NHKが2017年初めに行った世論調査では、憲法第9条を改定することに対する支持は2002年の30%から25%に低下しました。

一部の専門家はこの原因について、安部首相の保守的なイデオロギーの在り方に対する不信感が拡大していることが原因だと見ています。

 

日本経済新聞が5月下旬に行った世論調査では、現実を憲法の上に明確に書き込むだけであるという安部首相の提案に対する支持が51%に達し、提案が過半数の国民に受け入れられたかのようです。

しかし憲法改定に反対する人々は、安全保障関連法案を可決成立させたことにより安倍政権はすでに憲法第9条を骨抜きにしてしまっており、安部首相の提案を許せば自衛隊が海外での軍事活動を拡大する恐れがあると指摘しています。

「憲法第9条の規定にもかかわらず、自衛隊はすでにイギリスの国軍と変わらないくらい大規模なものになりました。」

上智大学の中野孝一教授がこう語りました。

「憲法改定の狙いの背後にあるのは、戦後実現した平和主義的な制約を取り払い、戦前同様の状態に戻そうという動機であることは明白です。それこそが間違いなく彼らが達成しようとしているものなのです。」

 

http://uk.reuters.com/article/uk-japan-constitution-idUKKBN18U0XD

【 原発難民の帰還 : 再び人が住める場所にするため苦闘が続く福島 】

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所要時間 約 8分

福島第一原発の事故から6年、避難した先から押し戻される人々

生活の困窮に怯える原発難民の人々に『経済的恫喝』を行った安倍政権の復興担当大臣

風の強い日には山林の樹木に溜まった放射性セシウムが、田畑や家屋に向け吹きつけられてくる

 

エコノミスト 2017年5月26日

 

菅野典雄氏が座る机からは、彼が20年以上村長を務めた飯舘村の愛すべき風景を眺めることができます。

森、丘陵地帯、水田などパッチワークのように美しく重なり合っています。

彼のオフィスがある村役場のロビーに置かれた本には、飯舘村が日本で最も美しい場所のひとつであり、有機農法の分野においても中心的役割を果たしていると書かれています。

 

しかし窓の外にある現実は、そうした説明を裏切るものでしかありません。

耕作地のほとんどは、一帯にばらまかれた放射性物質を取り除くというそれが果たして本当に実現できるのかという除染作業によって、植物をはぎ取られ、不毛の地と化してしまいました。

見渡す限り、草を食む牛の姿も地を耕す農民の姿も見かけることはありません。

トラクターは畑の中に打ち捨てられたままになっています。

 

そして地元の学校には子供たちの姿はありません。

 

面積が230平方キロメートルほどの飯舘村はその日、天候の変化によって致命的な打撃を受けてしまいました。

2011年に、津波によって制御機能を失ってしまった南東方向に45km離れた場所にある福島第一原子力発電所で発生した事故の後、吹いていた風は一夜のうちに雨と雪と、そして噴き上げられた放射性物質を飯舘村に運んできました。

予想外の展開に日本政府は慌てて6,000人住民たちに避難を命令しました。

そして現在、日本政府は飯舘村の住民にもはや帰村しても安全であると伝えています。

 

いまだに汚染がひどい南部の長泥地区を除き、2017年3月31日、飯舘村は華々しくファンファーレが吹き鳴らされる中、自治体としての『復活』を果たしました。

 

村内で唯一人が集まっているように見えるのは、高齢者のための施設です。

自治体当局は最高で数百人の住民が戻ったと語っていますが、そのほとんどは現役を引退した高齢の人びとです。

菅野村長はその数について明らかにしませんが、その理由は

「私たちが住民に対し、帰還してこの場所で暮らすよう強制しているという印象を与えかねない。私たちは帰還を強いるつもりはない」

からです。

 

しかし現実には、多くの避難民が厳しい選択を迫られています。

飯舘村に帰還するか、さもなければこれまで避難先での生活を支えてきた補助金の一部について支給を停止する…

今年四月、避難民のこうしたジレンマに対し、本来人々を支える立場の今村雅弘復興大臣が切って捨てるような発言を行いました。

被災地に帰るかどうかは避難民の

「自己責任、避難民自身の選択」

だと語ったのです。

この発言は避難を強いられた人々の心の傷口に手を突っ込んだも同然でした。

 

「あの発言は経済的恫喝というべきものでした。」

飯舘村で農業を営んでいた伊東信義さんはこう語りました。

今村雅弘復興大臣はその後辞任しました。

 

福島第一原発の事故をチェルノブイリと同じまな板の上で語られることは誰もが望んでいません。

世界の最悪の原子力発電所事故が発生してほぼ30年後の現在も、チェルノブイリの周辺は時の中で凍りついたままになっています。

そこにあるのは1980年代半ばのソビエト連邦そのままの風景であり、学校の壁には色あせたレーニンのポスターが貼られています。

 

これとは対照的に飯舘村では、単純計算すれば1世帯当たり2億円の費用が投じられ、村全体の除染作業が行なわれました。

この作業は環境中の放射線量を、原子力発電所で働く労働者が1年間に被爆する限度とされている20ミリシーベルト以下にまで下げることが目的でした。

しかし除染作業の範囲はそれぞれの家を中心とした半径20メートル以内に限られました。

飯舘村の大部分は、樹木でおおわれた山です

風の強い日にはこうした樹木に溜まった放射性セシウムが、田畑や家屋に向け吹きつけられ、下手をすれば除染も元の木阿弥と化してしまうのです。

 

それでも菅野村長は自身の見解として、補助金に依存した生活から脱却するためにも、毎月の補償支払いを減らすべき時期だと語りました。

2012年、飯舘村は指定避難解除の日付を設定した、最初の被災市町村になりました。

菅野村長はこの年、5年以内に村を復活させると誓い、今その公約を実現させようとしています。

 

村では新しい運動場が整備され、コンビニエンスストアと麺類を扱うレストランもオープンしました。

診療所は、週に2回開院することになっています

 

失われてしまった最大のものは人間です。

飯舘村の元住民の30%は帰村することを希望しています。

ただし長泥地区の住民のうち半分以上は、もう二度と村に戻るつもりはないと回答しました。

多くの村民が別の場所で生活を始めるため、避難生活の初期に一括で支払われた補償金を充てました。

 

福島第一原発の事故に遭う以前から、飯舘村では1970年代以降若年層の都市部への流出が続き、すでに人口の3分の1を失っており、故郷の空洞化が進んでいました。

 

村の住民のひとりである鴫原良知さんは、多くの家庭で村を去るべきであるかとどまるべきかについて、繰り返し口論になったと語りました。

「たとえ補助金を受け取れなくなったとしても、他の人が補助金を受け取る、あるいは他人がいくら補助金を受け取っていようが、この村を出ていくべきだと主張する者もいました。飯舘村で補助金について話をすることは、たとえ相手がだれであっても、強いストレスを感じます。」

 

この際思い切って村ごと日本国内の別の過疎地に移してしまうべきだという構想を主張した人々がいましたが、菅野村長はこうした考えには耳を課そうとしませんでした。

菅野村長は村を救うためには不退転の決意でいます。

しかし伊藤さんはこう語ります。

その決意は飯舘村を永久に葬り去る結果につながりかねないと。

 

http://www.economist.com/news/asia/21722671-six-years-after-nuclear-disaster-japan-pushing-villagers-back-homes-they-left

【 ゲンパツ…温暖化…核兵器…すべてが無くなる世界の実現へ! 】《7》

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所要時間 約 7分

実際に稼働できる高レベル放射性核廃棄物の処分場は、全世界でフィンランド国内の一か所のみ

高レベル放射性核廃棄物の一時保管場所への移送と最終処分場への輸送は、保管以上に危険な行為

 

フェアウィンズ 2017年2月2日

ラジオ・エコショック(ES):そんなことをしていれば、また原子力発電所の深刻な事故が発生する危険が高まってしまいます。

 

ES: 私の個人的に懸念している大きな問題のひとつが、原子力発電所が作り出す放射性廃棄物、いわゆる核のゴミですが、これが過剰に排出されていることです。

アーニー、あなたはこの問題についてもずっと研究を続けて来られましたが、現在のアメリカの状況はどうでしょう?そして世界ではこの問題にどう取り組もうとしているのでしょうか?

 

アーニー・ガンダーセン(AG):

今この時点で、核廃棄物の受け入れ準備が整っているのはフィンランド国内のただ一か所です。

しかしもうこの施設もすでに予約でいっぱいになってしまっています。

ですから、これ以上原子力発電所の稼働を続けさせたり新たに建設するというのなら、別の処分場を建設する必要があります。

世界中のどこにも稼働が可能な最終処分場など、ここ以外に存在しないのです。

これが25万年もの間、絶対安全な方法で隔離保管しなければならない高レベル放射性核廃棄物の実態なのです。

 

それがいかに深刻な問題かを気づかせてくれる格好の映画があります。『永遠の時間へ』という題です。

内容は25万年の間、絶対安全な方法で隔離保管する施設を作らなければならないという事態に立ち至った時、可能か不可能かという事がテーマです。

不可知論的結論、可能だという事を証明できないが、不可能だという事も証明できないというのがその答えです。

 

簡単な例を挙げましょう。

言語というものは変化を続けていますが、現代において作られた「ここを掘ってはいけません!」という看板が1000年後に判読できない可能性があります。

こうした状況は他のどの国でも同じです。

フィンランド国内のたった一か所を除き、高レベル放射性核廃棄物を廃棄できる場所など無いのです。

アメリカ国内では一度ネバダ州のユッカ・マウンテンが高レベル放射性核廃棄物の処分場に選ばれましたが、何か科学的根拠があってのことではありませんでした。

ネバダ州以外の政治家たちによって押しつけられたのです。

議会を通過したとき、この議案はネバダ・ねじ込み法案という愛称で呼ばれていました。

 

現在は州の住民たちの抗議によってプロジェクトがストップしていますが、トランプ政権の誕生により中央の政治家たちがネバダ・ねじ込み法案の実現を図ろうとすることになりそうです。

しかしネバダ州以外に高レベル放射性核廃棄物の処分場の候補地などは存在しません。

 

つまり国内各所に100カ所の原子力発電所があるという事は、高レベル放射性核廃棄物が100ヵ所で保管されているということになるのです。

これら屋外にあるすべてがテロリストの攻撃対象となり得るのです。

 

ヨーロッパにも同じ問題がありますが、少々異なる点もあります。

彼らはHOSSと呼ばれているあるものを持っています。

H-O-S-S、何でしょうか?

すなわち原子力発電所内地下サイロ保管設備です。

ヨーロッパでは高レベル放射性核廃棄物の保管場所に多重構造の外壁と強化型の屋根を築き、テロリストの攻撃や航空機の墜落などによる破壊を防止しているのです。

こうした措置はアメリカ国内では採用されていません。

従ってアメリカ国内の100ヵ所の高レベル放射性核廃棄物の保管場所は無防備に等しいのです。

 

米国国務長官やエネルギー省の役人たちは、国内すべての高レベル放射性核廃棄物をテキサス州に持ち込もうとして躍起になっています。

環境行政の在り方として正しい方法を採用すべきはずですが、多少なりとも補助金を受け取ることができるテキサス州内の貧しい地域では、正直どう対応して良いのかまったく答えを出せずにいます。

しかし最終的にアメリカ国内にある高レベル放射性核廃棄物はテキサス州内に持ち込まれることになるでしょう。

しかしテキサスは飽くまで一時保管場所であり、最終処分場は別に探さなければなりません。

しかし私はこうした対応には反対です。

なぜならメイン州から、バーモント州から、ワシントン州から、あるいはサンオノフルのような場所から、高レベル放射性核廃棄物を積んだ何百本もの列車を走らせなければならないからです。

テロリストなどから見れば、格好の攻撃目標になります。

しかもテキサス州内に予定されているのは一時保管施設であり、そこからもう一度最終処分場に向けた列車輸送を試みなければならないのです。

 

列車を使って2度も高レベル放射性核廃棄物を行ったり来たりさせることは、原子力発電所内に保管し続けることよりも一層危険な行為です。

移送中の高レベル放射性核廃棄物の事を考えると、この身が震える思いがします。

 

《8》へ続く -

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers

【 ゲンパツ…温暖化…核兵器…すべてが無くなる世界の実現を! 】《6》

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所要時間 約 7分

人口密集地の目と鼻の先で原子力発電所を稼働させるなど、正気の沙汰ではない

原子力発電所の事故、あらかじめ指定されている地域の人びとだけが避難するなどということがあるはずがない

 

フェアウィンズ 2017年2月2日

 

フェアウィンズが米国原子力規制委員会のやることに異議を唱えることをさえ止めれば、彼らは安閑としていられるのです。

しかし原子力産業界の利害と原子力発電所の見解に異議をはさむ人間がいれば、その人間はたちまち渦中の人となってしまいます。

 

ラジオ・エコショック(ES):そんなことをしていれば、また原子力発電所の深刻な事故が発生する危険が高まってしまいます。

アーニー、私たちは、稼働年限の数十年が過ぎた古い原子炉を、気候変動のリスクを軽減させるという口実でさらに期間延長して稼働させることにより、地域社会に危険が及ぶことは無いのか、というのが最初のテーマでした。

ニューヨーク州のクオモ知事はつい最近、ニューヨークという人口密集地の目と鼻の先でインディアン・ポイント原子力発電所を稼働させるなど、正気の沙汰ではないとの発言を行いました。

この危険性についてご説明いただけますか?

 

アーニー・ガンダーセン(AG):

ええ、インディアン・ポイント原子力発電所はニューヨークの中心街であるマンハッタンから26マイル、約42キロの場所にあります。

もっと重要なことは、建設当時はその存在が確認されていなかった活断層から1マイル、約1.6キロの場所にこの原子力発電所があるという事実です。

そして、この活断層はインディアン・ポイント原子力発電所の耐震基準を上回る規模の地震を発生させる可能性があるのです。

そこで何が問題なのでしょうか?

ハドソン川について知識のある方ならお分かりでしょうが、インディアン・ポイント原子力発電所は川の流れを東西にブロックするように位置し、大都市圏により近い川の東岸にあります。

もし原子力発電所で何かトラブルが発生した場合、住民は北または南に避難することになります。

この地域は橋がほとんど無いため、ハドソン川の西岸に避難するというのは難しい選択です。

そしてすべての道路は田舎道です。

 

さて原子力規制委員会が『緊急時避難計画』を作成した際、彼らがしたことは原子力発電所が危険な状態に陥った時、避難をするのは半径5マイル、約8キロ圏内の人びとだけだという事です。

もしこれだけの人びとだけが避難するのであれば、道路は混雑しません。

しかし考えてみてください。

原子力発電所が危険な状態に陥り、半径5マイル以内の人々が避難を始めたとき、半径10マイル(約16キロ)圏内にいる人々はおとなしく待機を続けるでしょうか?

原子力規制委員会が作成した『緊急時避難計画』には道路の混雑は想定していませんが、その理由はこんなものだったのです。

 

実際にインディアン・ポイント原子力発電所の危機が発生すれば、市内だけで人口850万のニューヨーク中の人びとが、我先に避難を始めることは想像に難くありません。

インディアン・ポイント原子力発電所の第1の問題点は、建設されてからすでに40年以上経過しているということです。

第2は活断層に近いということ。

そして第3にニューヨークの中心部から40キロ余りしか離れていないという事です。

 

私が原子力産業界に身を置いていたのは1980年代のことですが、すでにその当時からインディアン・ポイント原子力発電所の『緊急時避難計画』なるものが全くの役立たずであると言われていました。

クオモ・ニューヨーク州知事が廃炉を要求しているのは、まったくもって正しいことなのです。

 

ラジオ・エコショック(ES):

インディアン・ポイント原子力発電所を停止させることについてある程度の合意に達したように伝えられていますが、実は抜け穴だらけだという指摘もあります。

いったい何について合意が図られたのでしょうか?

 

アーニー・ガンダーセン(AG):

ニューヨーク州当局と民間の非政府組織は、インディアン・ポイント原子力発電所の停止を求める際、現在の規制基準を根拠としてきました。

その基準に基づけば、同原発が稼働を続けるためには新しい冷却システムを追加で建設しなければなりません。それが新しい基準の下での正しい対応です。

しかし原子力発電所を経営する側は新しい冷却システムを建設するために、新たに50億ドルを出費するなどまっぴらなのです。

しかし法廷闘争に置いては、敗色が濃くなっていました。

 

そこで取引をすることにしたのです。

インディアン・ポイント原子力発電所は2021年に稼働を停止させる、しかしそれまでの間、新しい冷却システムは建設しないと言うのです。

この取引によってインディアン・ポイント原子力発電所を経営するエンタジー社はこれから4~5年の間、追加で投資をする必要もなく金儲けに専念できるようになります。

こうなってしまった以上、2021年までマンハッタンの住人達が避難を必要とするような事態が発生しないよう、祈るしかありません。

 

《7》へ続く -

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers

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【 押し通る共謀罪法案 – 国民が監視対象に 】《後篇》

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所要時間 約 4分

一般市民が絶えず監視され続ける暗黒世界が見えてきた

「もしあなたがはさみを2本買ったら、犯罪目的だとみなされる可能性があります。」

 

モトコ・リッチ / ニューヨークタイムズ 2017年5月23日

 

日本の法律では警察が電話機に盗聴装置を取り付ける場合、許可申請しなければなりませんが、裁判所はそうした申請をほとんどの場合は許可します。

その結果、多くの国民がテロを防止するためという名目でプライバシーの権利を剥奪される可能性がある、法案に反対する人々はこう主張しています。

 

カルト教団であるオウム真理教のメンバーが東京都内の地下鉄でサリンガス攻撃を行い、13人を殺害し5,800人以上に深刻な被害を与えた事件が発生した1995年以降、日本国内で大きなテロ事件は発生していません。

「この法律が成立すれば、私たちはどれだけプライバシーを侵害されることになるのか、今のところ解りません。」

専修大学でジャーナリズムを専攻する山田健太教授がこう語りました。

「私たちは小説『1984』の世界に入っていくのかもしれません。」

山田教授は一般市民が絶えず監視され続ける暗黒世界を描いた、ジョージ・オーウェルの小説を引き合いにしました。

 

安倍政権の金田法務大臣がどのような場合に個人やグループが犯罪を計画していると認定される可能性があるか実例を挙げて説明したことにより、この法案に対する懸念はなお一層かきたてられることになりました。

具体例のひとつとして金田法務大臣は、地図と双眼鏡を持って公園にやってきた人がテロを計画しているという嫌疑を受ける可能性があると語りました。

 

「警察がすることがすべて正当化されかねない程、この法律が規定する中身は漠然としています。」

京都大学の刑法を専門とする高山佳奈子教授がこう語りました。

「もしあなたがはさみを2本買ったら、犯罪目的だとみなされる可能性があります。」

 

しかし今回の法案を支持する人々は反対派の人びとやニュースメディアが、中身ではなく法務大臣の発言を大げさに解釈していると主張しています。

「彼らは適切な説明ができない法務大臣の誤った表現を、ことさらおかしく強調しています。」

この法案を支持する大阪の木村啓次郎弁護士がこう語りました。

 

5月22日火曜日国会で発言した平口洋衆議院議員はこの法律が対象とするのは『組織的犯罪グループ』に明確に限定されているとかたりました。

「普通の人々がこの法律に明記される罰則の対象とはならないことは、なおさら明白です。」

平口議員がこう語りました。

国連特別報告官のケナタッチ氏は電子メールの中でこの法案が

「不完全である」

と語っています。

 

https://www.nytimes.com/ Conspiracy Bill Advances in Japan Despite Surveillance Fears

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【 押し通る共謀罪法案 – 国民が監視対象に 】《前篇》

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所要時間 約 7分

国連の基本的人権の専門家からの指摘を真摯に検討もせず食ってかかり、一蹴した安倍政権

反政府的言動の監視を強めようとする中国政府の機先を制し、国民監視を決めた安倍政権

 

モトコ・リッチ / ニューヨークタイムズ 2017年5月23日

 

批判的な人々から広範囲にわたる国民監視を可能にする恐れがあると指摘されている共謀罪法案について、22日火曜日安倍晋三首相はテロリズムとの戦いのために必要であると主張、法案成立の鍵となる衆議院の通過を実現させました。

 

建物の外に大勢の市民が詰めかけ反対の声を上げる中、安倍政権と自民、公明、維新の賛成派が、テロリズムとその他広範囲にわたる共謀行為を犯罪として成立させることを可能にするテロ等対策法案を可決・成立させました。

投票直前に与党自民党の平口洋衆議院議員は22日月曜日に英国のコンサート会場で22人を殺した自爆攻撃の犠牲者のために哀悼を表明した後、共謀罪法案が2020年にオリンピックを主催する「重大な責任」を果たすために必要な法改正だと発言しました。

 

この法案に対しては国連の基本的人権の専門家から、個人のプライバシー保護と言論の自由に関する充分な議論が不足しており、安倍政権が法案の成立を急ぎ過ぎているという指摘を受けていましたが、安部首相率いる自民党は採決に踏み切りました。

国連のプライバシーの権利に関する特別報告官のジョセフ・ケナタッチ氏は、共謀罪法案が可決・施行されれば「基本的人権に基づくプライバシーの権利と表現の自由が不当に規制され事態に至る」可能性があるとする書簡を安倍首相に送付していました。

 

衆議院での投票の前日、安倍政権の菅義偉官房長官はケナタッチ氏の書簡に対し、食ってかかりました。

書簡の中身は「明らかに」「不適切なものである」と語り、特別報告官の懸念を一蹴しました。

日本政府も、外務省を通して国連人権高等弁務官事務所に公式な抗議を行いました。

 

安部首相は、2000年に最初に署名された国際組織犯罪に関する国連条約を批准するために、そして2020年のオリンピック開催に向けて日本をテロリズムの脅威から守るためにも、共謀罪法案が必要だと繰り返し主張してきました。

しかし一般市民の反対が大きい中、安倍政権が法改正の強引な成立を図るのは今回が初めてではありません。

2年前、安倍政権は一般市民による大規模な抗議行動が展開された中、第二次世界大戦以降初めて、これまで国内に限定されていた日本の軍隊、自衛隊の海外派遣と軍事行動を可能にする安全保障関連法案の一括可決を行いました。

中国政府は現在、国内外を問わず敵対的姿勢をとる『容疑者』に対する監視活動を認める諜報法案の導入を検討していますが、安倍政権の共謀罪法案はこれに先立つ形になりました。

 

最近行われた世論調査の結果は、共謀罪法案について国民の意見が2つに割れていることを示しています。

一方で4分の3以上は、なぜ今この法律が必要なのか安倍政権は国民に対する充分な説明を行っていないと回答しています。

しかし安倍首相率いる与党が衆参両院の議席の3分の2以上を占めており、この法案は参議院に送られた後、6月中旬の会期終了前に可決成立する見込みになっています。

 

電子メールの中でケナタッチ氏は安倍政権に対し、今回の法改正についてはもっと時間をかけて議論を行う必要があり、さらには個人のプライバシーと言論の自由を守るために法案の中身を修正する必要性があると伝えました。

「日本政府にとってまさに今は、こうした法改正が本当に必要なのかどうか十分時間をかけて慎重に検討し、検証を繰り返しながら修正を行い、もっと世界標準の民主主義国家としてふさわしいやり方でこの法案を改良していくべき時なのです。」

 

実際にはテロリズムとほとんど縁が無い日本において、テロ行為に関するこの法律の規定はきわめて曖昧なものであり、監視対象とすべき犯罪行為についても監視する側が一方的に判断できるようになっているとして、この法律に反対する人々は批判を強めています。

法律の適用範囲は無免許の自転車レース、著作権の侵害、国有林での無許可の植物採集などにも及び、これらの行為に関わったことが明らかになった場合、誰でも起訴される可能性があります。

 

今回の法改正に批判的な立場をとる人々は、こうしたいわば軽微な犯罪はテロ行為とはほとんど無関係にしか見えないと指摘しています。

この法律は、ただ単に日本政府に国民を監視する権限を与えることだけが目的だとしか考えられない、そう語ります。

「どのような犯罪にこの法律が適用され、何が除外されるのか、明確な基準が無いのです。」

こう語るのは上智大学で政治学を専攻する中野晃一教授です。

 

中野教授は、底引き網でさらうようにして一般市民の電子メール、ソーシャル・メディアやテキスト・メッセージのやり取りまで日本政府が監視対象にするようになれば、政府の政策に批判的な人々であっても、抗議をしたり率直な意見を公開するのをためらうようになる可能性があると語りました。

「一市民として意見を表明したり行動したりする人がもともと少ない日本の社会でこの法律が成立すれば、人々は自己検閲姿勢をもっと強めてしまう可能性があります。」

 

〈後篇に続く〉

https://www.nytimes.com/ Conspiracy Bill Advances in Japan Despite Surveillance Fears

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共謀罪は私たちに深刻な教訓を突きつけました。

国政に無関心な国民に対しては、国家も無関心で「いてくれるのでしょうか?」

第二次世界大戦(太平洋戦争)では、日本の軍国主義は国民を利用し、恐ろしい数の命を使い捨てました。

今それと似たような道へ向かいつつある、そんな嫌な予感を感じているのは少なくないはずです。

予感を現実にしないために、

【 共謀罪 – 基本的人権の侵害に懸念を表明する国連、感情的に反発する安倍政権 】

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所要時間 約 6分

これ程不備の多い法案を、これ程急いでこれ程強引に可決成立させる正当性は全く認められない

警察は陰謀の疑いがあると断定さえすれば、市民の権利を一方的に蹂躙できるようになる

 

リンダ・シーグ / ロイター 2017年5月14日

 

安倍政権が現在テロ等対策法案、共謀罪法案の成立を図っていることに対し、国連の独立した専門家による監視委員会が懸念を伝えてきたことついて、日本政府は22日月曜日、書簡で抗議しました。

この法案が成立すれば、日本の警察は陰謀の疑いがあると断定さえすれば市民の権利を一方的に蹂躙できるようになります。

国連のプライバシーの権利に関する国連特別報告官のジョセフ・ケナタッチ氏は菅義偉官房長官から受け取った抗議文について、「怒りに満ちた表現に終始し」「中身に乏しいものだった」と一蹴し、ロイターの取材に対し固い口調のコメントを電子メールで回答しました。

 

日本の衆議院は早ければ23日火曜日にこの議案を通過させることになっています。

そして成立に向け、参議院での審議を急がせることにしています。

 

国連の国際組織犯罪に対応する国連の条約の批准と、テロリズムと戦うため、さらには2020年の東京オリンピックを主催する準備のためにも、安倍政権は現在の法体系の変更が必要だと主張しています。

しかしこの動きに反対している人々は、個人の基本的人権を犠牲にして政府の権限を一方的に強化していくという安部政権の政策の一環でしかないと批判を強めています。

 

5月18日ケナタッチ報告官の書簡の内容について菅官房長官は、

「明らかに不適当な内容であり、我々は強く抗議しました」

と語りました。

「この法律が個人のプライバシーを侵害したり言論の自由を不当に制限するように濫用されることは、まったくありえません。」

菅官房長官はこう付け加えました。

 

国連人権高等弁務官オフィスのウェブサイトで公開されている書簡の中でケナタッチ調査官は、日本のテロ等対策法の適用基準が漠然としている上に広範囲に及んでおり、

「プライバシーの権利の不当な侵害と表現の自由が一方的に制限される」

懸念について言及しました。

ケナタッチ報告官は安倍首相に対し、今回の法案が基本的人権に関する国際基準に適合しているかどうかという懸念に対し、正確な情報を提供するよう依頼しています。

 

「私自身は安倍首相にあてた書簡の中の一言一句、文章の区切り方やピリオドの打ち方まで、何ら誤った指摘はしていないと確信しています。誤っているというのなら、一語一語具体的な指摘を行うべきです。」

ケナタッチ調査官はロイターの取材に対する電子メールの回答の中で、このように語りました。

「日本政府がこのような不備の多い法案を、これ程急いでこれ程強引に可決成立させる正当性を、私は全く認めることができません。」

 

日本弁護士連合会を含めこの法案に反対している人々は、警察の捜査範囲と捜査権限を拡大し、法定での証言拒否を認めることを含むテロ等対策法案による今回の法改正は、政府の政策に反対する市民運動を一方的に抑え込むことを可能にする恐れがあると警告しました。

日本政府は一般市民をターゲットにすることは無いと保証していますが、弁護士のグループは組織犯罪またはテロリズムとは無関係な行為までが今回の法改正により犯罪と断定されてしまうという懸念について表明しました。

 

国連が国境を越える組織犯罪に関する条約を制定したことに合わせ、日本政府は2000年以降3回今回と内容が似通った法律を可決させようとしてきました。

今回も一般市民を始め大きな抗議が巻き起こっていますが、連立政権を率いる安部首相は衆参両院で3分の2以上の議席を制している力を背景にテロ等対策法案を立法化させると見られています。

 

法案成立を支持している国民が39.9パーセントであるのに対し、反対派41.4パーセントと、21日日曜日に共同通信社が行なった世論調査では、国民の意見も真っ二つに割れている事実を示しています。

 

http://uk.reuters.com/article/uk-japan-politics-conspiracy-idUKKBN18I0CH

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この稿の掲載の前日、問題のテロ等対策法案が衆議院を通過しましたが、私たち「一般市民」は国政選挙に無関心・無行動でいたことにより、自分たちの社会の民主主義が着々と破壊されていく結果になったという危機感を今こそ肝に銘じなければならないと思います。

軍国主義国家時代の日本の「一般市民」がどれ程怯えながら暮らしていたか、それを知る人は少なくなってしまいましたが、風化させて良い記憶とさせてはならない記憶があるはずです。

『北朝鮮の脅威』ばかりが強調されますが、自分たちが暮らす社会に強権国家が誕生することの脅威の方が害は直接的かつ深刻なはずです。

【 ゲンパツ…温暖化…核兵器…すべてが無くなる世界の実現へ! 】《5》

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所要時間 約 9分

原子力規制委員会は、本来果たさなければならない役割を放棄しているのも同様の有様

問題の解決ではなく、問題を指摘する人間をつぶそうとする原発行政

 

フェアウィンズ 2017年2月2日

 

ラジオ・エコショック(ES):さて原子炉は現在中国で製造されているという事ですが、それによって将来どんな問題が発生する可能性があるでしょうか?

大統領に就任したドナルド・トランプは、現在連邦政府が行なっている管理監督業務の75%を撤廃すると語っています。

原子力規制委員会はその管理監督業務のまさに塊のような機関です。

もしトランプがどのような結果につながる可能性があるか慎重に検討もせず、原子力発電に関する規制を次々撤廃するようなことになれば、いったいどんなことになるのでしょうか?

 

アーニー・ガンダーセン(AG):

いずれにしてもアメリカの原子力規制委員会は、本来果たさなければならない役割を放棄しているのも同様の有様です。

私はアメリカ大統領の民主党候補の座をヒラリー・クリントンと争ったバーニー・サンダースと同じ通りに住んでいました。

今は二人とも別の場所に住んでいますが、ある夜私は彼にこう言ったことがありました。

「バーニー、次の原子力規制委員会の委員長に私を任命してくれないか?」

原子力規制委員会の委員長については米国連邦政府に任命権があります。

彼は私をまじまじと見つめた後、声を挙げて笑いました。

「アーニー、冗談を言ってるのかい?どう転んでも君は原子力規制委員会の委員長にはなれないよ。」

 

これは真実を衝いた発言です。

原子力産業界はすでにアメリカの原子力規制委員会を支配下に置いています。

原子力規制委員会の5人のコミッショナーはすべて行政機関によって任命された人間たちであり、その素性については原子力産業界の政治圧力団体である原子力発電協会(NEI)が綿密に調べ上げています。

原子力規制委員会が政治的に独立した監査機能をもっているなどという考えは、それこそ冗談です。

 

憂慮する科学者連盟は、危険な原子炉を廃炉にするためには現在の原発の管理基準をもっときびしくしなければならないという声明を明らかにしました。

本当はもっと厳しい規制など必要ないのです。

今ある基準を、誤魔かさずに適用すれば良いだけの話化のです。

 

みなさんにご紹介したいお話が2つほどあります。

いずれも原子力規制委員会の中の職務に忠実な人々が、アメリカ国内の原子力発電所に関する大きな懸念を明らかにしました。

 

まず最初はカリフォルニア州でペック博士が、ディアブロ・キャニオン原発には付近で大地震が発生する危険性があると警告を行った事です。

ペック博士はこの懸念について公の場で発表したのですが、これに対し行政監察官が3度に渡る調査を行いました。

その都度博士の対応に誤りが無いことが証明されたのですが、私が指摘したいのは原子力発電に関わる問題について真実を明らかにしようとすると、原子力規制委員会がまるで秘密警察のように画策をしたことが何度もあったという事実です。

 

もう一人はラリー、苗字はクリッシオーニです。

彼については、フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのサイトでも取り上げていますので、良ければご確認ください。

彼はアメリカ南部にあるオコニー原子力発電所が、もし上流にあるダムがトラブルを起こした場合水没する危険性があるという事実を、アメリカ原子力規制委員会が隠していたことを告発しました。

この事実については原子力規制委員会も、発電所を所有するデューク・エナジー社も把握していましたが、対外的には一切公表していませんでした。

 

そこでラリーは委員長に告発状を送付し、議会にもコピーを送りました。

ラリーのもとにやってきたのは行政監察官でした。

彼はラリーにこう言ったのです。

「君には二つの選択肢がある。告発状を撤回するか、または私たちに君を刑務所に入れる手間を掛けさせることだ。」

これに対し、ラリーはどっちも選ぶつもりはないときっぱりと返答しました。

監察官たちは早速ラリーに関わる調査を開始しましたが、最終的に司法省がこの男性は何も間違ったことはしていないと結論を出しました。

 

そうなのです。

原子力規制委員会の内部告発や異議申し立ては、委員たちのひんしゅくを買うだけでは済まないのです。

下手をすれば起訴されてしまいます。

 

私と妻のマギーは1990年代に現在の活動を始め、原子力発電の安全性に関わる様々な問題提起を行ってきました。

これに対しアメリカ原子力規制委員会はその問題の解決を図るのではなく、私たちの活動をつぶしにかかったのです。

 

私はその張本人に会ったことがあります、ジョン・ホワイトという名の人間です。

2012年のことでしたが、マギーは原子力発電の安全管理に関わる基準を故意にないがしろにし、その問題を指摘するアーニー・ガンダーセンをつぶそうとしているとする報告書を彼に突きつけました。

ホワイトはマギーの目をまっすぐ見つめ返し、こう語りました。

「必要なら、私は何度でも同じことをするさ。」

これこそが米国原子力規制委員会の体質なのです。

彼らは自分たちの立場は侵されるべきではないと考えています。

そしてフェアウィンズの活動が、そんな彼らの姿勢を問題視していることも把握しています。

 

フェアウィンズが米国原子力規制委員会のやることに異議を唱えることを止めれば、彼らは安閑としていられるのです。

しかし原子力産業界の利害と原子力発電所の見解に異議をはさむ人間がいれば、その人間はたちまち渦中の人となってしまうのです。

 

《6》へ続く -

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《15》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館


ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。
いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

ポール・シニャック(フランス: 1863–1935)作[夕凪、コンカルノー、作品220(アレグロ・マエストーソ - 堂々と速く)](写真上)油彩、1891

ジョルジュ・スーラの最も熱心な支持者として、シニャックは生涯を通して新印象派の理論を推進した画家であり続けました。
彼はスーラが始めた点描の手法を取り入れ、繊細な表現による色彩の調和を目指し、この絵について自ら語ったように「明滅する色彩の点」でキャンバス全体を覆いました。
この絵は海を愛したシニャックのてによるブルターニュ地方の風景です。

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/459119

 

【 天皇家への忠誠を誇示したい超国家主義者たちへの冷たい視線 】《後篇》

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所要時間 約 6分

明仁天皇は太平洋戦争の悲劇を反省し、犠牲者を追悼することにその人生を捧げてきた

明仁天皇の行動こそは、超国家主義者たちへの生きた非難

 

エコノミスト 2017年4月12日

 

天皇家の人々が女性太陽神の子孫だという見解を受け入れるためには特殊な価値観を受容する姿勢が必要ですが、少なくとも日本国民が共通して持っているものは天皇家の血統に対する自然な敬意です。

日本にとって都合の悪い歴史を書き換えようとする人間たちは、こうした国民感情を利用して容易に自分たちの主張を有利に展開することを常とう手段としています。

こうした人間たちは第二次世界大戦中、大日本帝国が一般市民を大量に虐殺したり、占領地域の女性たちに兵士向けの売春を強要したりといった事実は存在しないと主張しています。

史実を書き替えようとするグループの中には当然、時の勢いに迎合しようとする人間たちも含まれていますが、しかし多くは自分たちの主張こそ正しいと信じ込んでいます。

半藤氏が指摘したように、

「私たち日本人は何か問題が起きるはずが無かったのであれば、そんな問題は起きなかったのだと考える傾向があります。」

 

都合の悪い歴史を書き換えようとする人間の急先鋒とも言うべき2人の人物が、安倍政権内に閣僚として座っています。

稲田朋美防衛大臣と高市早苗総務大臣です。

そして安倍政権の閣僚の4分の3は、38,000人の有料会員によって維持され、日本国憲法の書き換えと天皇の地位をより強いものにすることを目指す日本会議、すなわち歴史の書き換えを目指すグループのメンバーです。

 

そしてこれらの人々が共通して持っているのが、戦争を引き起こしたことと戦争中日本が関わった犯罪行為について、戦後になって隣国や関係国に謝罪する姿勢を持ち続けたことが日本人の精神をダメにしたという認識です。

日本会議の議長を務める田久保忠衛氏は、学校における「道徳教育」の推進を唱え、国歌を強制的に歌わせることに反対してきた左翼の教師が行ってきた70年間の「洗脳教育」を終わらせ、「振り子を正しい位置に戻す」ために歴史教科書の第二次世界大戦(太平洋戦争)の日本の行為に対する前向な記述を要求しています。

 

超国家主義者たちは前進しました。

菅官房長官は彼らの仲間ではありませんが、教育勅語を擁護するとした発言は超国家主義者たちに対する追従(ついしょう)です。

 

それでも彼らは見過ごせない問題を抱えています。

彼らが尊敬していると強く主張するまさしくその天皇家の人びとです。

現在83歳なられる今上の明仁天皇は、父君である裕仁天皇が容認あるいは推進した太平洋戦争の悲劇を反省することにその人生を費やしてきました。

明仁天皇は多くの日本人や現地の人々が犠牲になった戦場を訪問することに、ご自身の多くの時間を費やしてきました。

そして日本人だけではなく、すべての戦争犠牲者を哀悼し続けてこられたのです。

 

▽ 菊の花の嘆き

 

明仁天皇の行動こそは、超国家主義者たちへの生きて活動している非難です。

日本会議のリーダーたちは、明仁天皇が半藤氏のような人を会話に誘った事実を知って、明らかに動揺しその表情は目にみえてひきつりました。

超国家主義者たちは明仁天皇から親しく声をかけていただいたことなど無いのです。

 

高齢化によりご自分の職務をこれまで通り遂行することに困難を感じられるようになって以来、明仁天皇は国民に対し生前退位を認めてくれるようお話になりました。

超国家主義者たちはこうした明仁天皇の思いにすら腹を立てています。

2,000年間続いてきた日本の皇室の伝統に反するというのです。

 

著名な自由主義知識人の1人である船橋洋一は、明仁天皇は国民の間にたぐいまれな程の人気があり、しかも尊敬を集めていると語りました。

「明仁天皇は本当の意味で無敵というべきです。」

 

しかしいまわが世の春を謳歌しているかのように振る舞っている超国家主義者たちはどうでしょうか。

自分たちの主張が支持されていると心の底から思っているのでしょうか?

 

〈 完 〉

http://www.economist.com/news/asia/21720613-bit-problem-flag-waving-extremists-japanese-ultranationalists-devotion-emperor?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

【 天皇家への忠誠を誇示したい超国家主義者たちへの冷たい視線 】《前編》

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所要時間 約 7分

総力戦を展開、その挙句国民が大量に殺され、2度も核兵器攻撃を受けるなどして国土を徹底に破壊される結末への道を突き進んだ軍国主義

日本の戦争犯罪はねつ造されたものであるという印刷物を自分たちの周りにせっせと積み上げ、正体を隠して発言を続ける自称『歴史家』達

 

 

エコノミスト 2017年4月12日

 

教育勅語は1890年10月、法令等ではなく当時の明治天皇自身の言葉として交付されました。
美文調で書かれた315文字は、国民に自己の研鑽に努めた上で帝国に忠誠を誓い、家族を大切にし、そして何より日本の天皇制の存続に尽くすよう諭しています。

あらゆる教育機関で教育勅語の謄本が作られ、天皇・皇后の写真とともに奉安殿に納められて大切に扱われました。
子供たちが教育勅語を暗唱したことにより、一人一人の国民が神聖な皇位継承者とその臣民とをつなぐ『国体』という神秘的概念を形成するための基盤になりました。
このため教育勅語は必然的に、戦前の大日本帝国が天皇の名の下に軍国主義政策を推進し、総力戦を展開し、その挙句国民が大量に殺され、2度も核兵器攻撃を受けるなどして国土を徹底に破壊される結末への道を開くことになりました。

 

『国体』という言葉は、かつてヒトラーが主張した生存圏(ドイツ語:Lebensraum - レーベンスラウム)という言葉が現代のドイツにおいて使われることが稀なように、現代の日本人にとって耳に快い言葉ではありません。
教育勅語に関しては、太平洋戦争に降伏した3年後の1948年、国会によって排除と失効が確認されました。

ところが4月早々、安倍内閣は「教育勅語」について、「憲法や教育基本法に反しない形」で教材として使用を認める閣議決定をしたのです。
安倍政権の菅菅義偉官房長官は記者会見でためらいがちにではありましたが、
「教育の唯一の根本とする指導は極めて不適切だが、普遍的なことまで否定すべきではない」
と語り、安倍政権の方針に反対する人々がまるでわからずやであるかのようなコメントをしたのです。

そして予想される批判をかわそうとするかのように、安倍政権が実際の授業で教育勅語を活用するよう勧めたことは無いと語り、使うかどうかは現場の教師次第だが、憲法違反にはならないよう配慮が必要だと付け加えました。

 

しかし教育勅語の問題を持ち出したタイミングは、森友学園を巡るスキャンダルが国内で大きな論議を呼んだその直後でした。

森友学園は超国家主義者グループとも言うべき存在で、幼稚園を運営しています。

その幼稚園の様子を撮影したビデオは、現在の天皇である明仁天皇と彼の妻の皇后の写真の前でお辞儀をする幼児たちを映し出しています。

子どもたちはさらに旧大日本帝国の軍歌を歌い、大人たちに対し、中国、韓国、ロシアとの間に存在する領土問題にしっかり取り組むようお願いをした上で、反中国・反韓国のスローガンを唱えていました。

 

日本国内では、この学園と安倍首相の妻・安倍昭恵氏との関係が明るみに出て、大きなスキャンダルになっています。

昭恵夫人は森友学園が大阪に建設している小学校の名誉校長に就任することに同意しました。

昭恵夫人は名誉校長を今年2月下旬に退きましたが、スキャンダルの中身はこの森友学園が小学校の建設用地を国から異常に安い価格で払い下げられたというもので、現在調査が進められています。

1930年代初期に生まれた小説家の半藤一利氏は教育勅語をまだ暗記しており、声に出して一言一句を唱えることができます。

半藤氏は教育勅語は良い面を持っていると語ります。

親孝行を心掛け、兄弟仲睦まじく暮らし、友情をはぐくみながら生きていくことに、反対する人など世の中にいるでしょうか?

しかし一方では、天皇陛下にいつでも命を捧げられるようにしていることを、美徳として称えています。

 

これと全く逆の概念を日本に持ち込んだのが、1947年にアメリカ占領軍によって『押しつけられた』自由主義の日本国憲法です。

そして一般国民こそが主権者だという事を明確に規定しています。

日本国憲法は天皇の神格化を否定し、国家元首ではなく単に国の象徴だと規定しています。

半藤氏は教育勅語の復活について語りながらも、天皇を元首の地位に据えることについての議論ができない人々を軽蔑しています。

 

日本においては右翼と超国家主義者の区別は判然とはしていません。

東京都内の中心部の路上では、日章旗を翻し、大日本帝国がアジア各地の征服事業にいそしんでいた当時の軍歌を大音量で鳴らし続ける『街宣車』の周りで、見るからに悪そうな連中(原文ではthugs)が汗を流していました。

 

日本の戦没者を神格化している東京の靖国神社では、特攻隊の制服を身にまとった夢想家が威張るようにして歩きまわっています。

別の場所では、公には決して正体を明かそうとはしない自称『歴史家』達が、日本が関わったとされる戦争犯罪はほとんどがねつ造されたものであるという印刷物を自分たちの周りにせっせと積み上げています。

さらには歴史を書き換えてしまおうとする人間たちがケーブル・テレビ・スタジオの安っぽいセットの前に座り、史実に対する怒りを爆発させているのが現在の日本です。

 

〈 後篇に続く 〉

http://www.economist.com/news/asia/21720613-bit-problem-flag-waving-extremists-japanese-ultranationalists-devotion-emperor?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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