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なぜ自民党は選挙に勝ち続けるのか?:大切なのは政治理念より支持者への見返り

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所要時間 約 7分

スキャンダルも日本経済の停滞も「どこ吹く風」、支持者を潤わせればそれで良いという情実型の選挙戦術

これほどの政治支配はアメリカやヨーロッパの民主主義国家ではあり得ない

派手なインフラ事業で現金と雇用を大盤振る舞い、ただでさえ危機的状況の公的負債を積み増す安部政治

 

エコノミスト 2017年10月12日

今治市は四国と本州を分ける瀬戸内海を見下ろす場所にある美しい中世の城(今治城 : 冒頭の写真)で知られています。

しかし近頃では別のランドマークが注目されています。

それは今治市を上から見下ろす場所に建設中の魅力的なカレッジキャンパスです。

公共の場所に建設され、政府の助成金96億円によって成立した事業でしたが、建設半ばのこの獣医学部は、巨額の助成金が交付されることになった背景には安倍晋三首相の存在があったという主張がつきまとっています。

 

元文部科学省の官僚は、同省が仲間が経営する新しい大学に許認可を与え補助金を交付するために、安部首相が影響力を行使したと主張しています。

首相側はこれを否定しています。

野党の政治家は、今回安倍首相が10月22日が投票日となる衆議院の解散総選挙に打って出た理由の一つは、この加計問題に関するさらなる質問をうまく切り抜けようとしているのだと指摘しています。

しかしこうした一連の問題も、安倍首相が率いる自民党に対し今治市民が向き合う姿勢にはほとんど影響を及ぼしてはいないようです。

「多くの人が悪魔と知りつつも、これからも支持を続け恩恵にあずかろうと考えているようです。」

今治市で商店を経営する高須佳子さんがこう語りました。

 

四国地方は長年にわたり自民党の拠点となってきた、地元野党の政治家である福田剛氏がそう指摘しました。

今治市議会では32議席中27議席、県議会では47議席中26議席を自民党とその与党議員が占めています。

衆議院議員選挙を見てみると、2014年の選挙では四国の小選挙区11席のうち自民党がとれなかったのは1議席、比例代表では6議席中3議席を獲得しました。

自民党が全国的規模で敗退した2009年の選挙でも、四国地方に限っては小選挙区13議席中の8議席と比例代表で2つの議席を確保しました。

安倍晋三首相が率いる自民党は1955年以降、数年間を除き権力を握り続けてきました。

政治学者の猪口孝氏は、これほどの政治支配はアメリカやヨーロッパの民主主義国家ではあり得ない状況だと指摘しました。

この「あり得ない形」の原因の一つに日本の選挙制度があります。

四国のような保守的な農村部には、国政に対する大きな発言権が与えられています。

最高裁判所がこれまでの制度を違憲としたため、日本政府は気が進まぬ様子ながら一票の格差を縮小する方向に動きましたが、自民党は依然として利益を得続けていると、東京大学のケネス・マックエルウェイン氏が指摘しました。

 

政治への無関心も自民党に有利に作用しています。

2014年の衆議院選挙の投票率は52%であり、第2次世界大戦以降最低の水準でした。

しかし自民党は政治理念よりも現実的利益を優先させることで、揺るぎない支持を得ています。

自民党は保守的であるとよく言われていますが、一方では昔ながらの社会民主主義的な政策も看板として掲げています。

年金制度を守る姿勢を強調し、大盤振る舞いをして派手なインフラを構築して四国のような場所にも現金や雇用をもたらし、ただでさえ危機的な状況にある公的負債を積み増しています。

その例として1999年には、本州と四国を結ぶ巨大な橋を建設するシリーズの仕上げとして、10本目となる今治と本州を結ぶ優雅な橋が完成しました。

ちょうどその1年前には、約170km離れた四国と本州とを結ぶ3本の橋が落成しました。

 

安部首相が財布のひもを握っている日本政府による一連の大規模な景気刺激策は、回復への足取りの重い日本経済の実態が表に出ないようにする効果を発揮しています。

他の先進各国ではどの政党も国家財政を健全化させることに最大の責任を持とうとしている、こう考えるのは河野太郎外務大臣です。

「日本では、大きな政府と小さな政府という両方の政策をひとつの政党が担っているのです。」

 

今治市の経済を支えてきたのは、自民党に絶対的な忠誠を誓う造船業や繊維会社の経営者たちでした。

しかしこうした産業は近年衰退の一途をたどり、地元の人口縮小も歯止めがかかりません。

しかし地元野党の政治家である福田剛氏によれば、相変わらず多くの人々が自民党の方を向いています。

これまでこうした伝統的産業は衰退を続けてきました。

人口減少もさほど気にはしていないようです。

しかし日本の有権者たちは長い年月をかけ日本がどう変わったかという事より、政治に期待すべきものは選挙が終わった後に自分たちがどんな見返りを得られるのかという点にある、そう完全に割り切ってしまっているようです。

 

https://www.economist.com/news/asia/21730204-scandals-and-economic-stagnation-seem-do-it-no-harm-why-ldp-keeps-winning-elections-japan?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

被災者の人権を侵害 – 日本の原子力行政 : 福島第一原発事故の被災者、窮状を国連で証言

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所要時間 約 9分

財政的に追い詰められ、まだ危険な量の放射線が残る自宅に戻ることを強制されている原発被災者

自宅を捨てて逃げなければならなかった原発被災者に、二重三重の経済的困難がのしかかる

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年10月11日

2011年に発生した福島第一原発の事故により自宅を捨てて避難せざるを得なかった女性が、ジュネーヴの国連本部で開催される委員会に先立ち、原発難民にされてしまった人々の人権が侵害されていると証言する予定であるとガーディアンの取材に答えました。

福島第一原子力発電所の3基の原子炉のメルトダウンした後、園田光子さんは夫とともに10歳の息子を連れてそれまで住んでいた村から自主的に避難しました。

 

園田さんは国連人権委員会の席上、こうした避難者が財政的な困難に直面し、事故発生から7年近くが経っても放射線量が危険な値に留まっているかつての住居に戻ることを強制されていると証言することになっています。

園田さんはジュネーヴの委員会に先立ち、日本国内で開催される調査会で証言することになっていますが、ガーディアンの取材にこう答えました。

「私たちは日本の政府からも社会からも、見捨てられたように感じています。」

園田さんのように事故当時、指定避難区域以外に暮らしていた住民で現在他の場所で避難生活を送っている人々の数は約27,000人と見積もられています。

彼らが暮らしていた場所については未だに放射線量の高さに懸念があり、果たして住民の安全が保たれるのかどうか懸念が残りますが、日本政府は今年3月に住宅費用の援助を打ち切りました。

これに加え福島地区の再建の取組の一環として日本政府は、一度立ち入り禁止区域に指定された後除染作業を行った区域について再び居住地としてこれを開放する方針を示し、これによって事故の際立ち退きを命じ去られた数万人の住民は来年3月に補償金と住宅援助の両方の支払いを打ち切られることになりました。

 

このように政府が財政支援を打ち切る方針を明示したことにより、避難民の人びとは不可能とも言える選択を迫られることになりました。

放射能による汚染が解消されていない場所に戻って暮らすか、安全な場所で暮らす代わりに国家による補償を打ち切られ、今以上に苦しい生活を強いられるか、そのどちらかを選ばなければなりません。

グリーンピース・ジャパンにおける世界的なエネルギー・キャンペーンの先駆者であるケンドラ・ウルリッヒ氏は、次のように述べました。

「原発難民の人々にはかつて住んでいた家に戻るかどうか冷静に判断する選択権を与えられるべきであり、そのために充分な財政援助を提供されるべきです。」

「もし原発難民の人びとが経済的圧力によって帰還を余儀なくされているのであれば、それは情報に基づく決定を下せる立場にないという事です。この度の国連総会は、日本政府に対し正しい対応を行うよう、圧力をかけることが目的です。」

 

原発事故によって避難を余儀なくされた人々は、『ホットスポット』と呼ばれる放射線量が極端に高い場所が各所に残っているにもかかわらず、今度は福島第一原発近くの自宅に戻ることを強く勧められているのです。

今年3月に避難命令が解除された飯舘村では、前例の無い規模での除染作業が行なわれた住宅や学校など公共施設に対しては安全だと宣言されたものの、周囲の森林の多くは放射能が高いままです。

「野外刑務所、そんな表現をしても良いかもしれません。」

ウルリッヒ氏がこう語りました。

「こうした場所に戻ってしまえば、人々の生活の質が受ける悪影響は厳しいものになるでしょう。この場所での生活は森林とは切っても切れない関係にあります。しかし放射能汚染により森の中に入ることは決して許されません。そして森林全体を除染することは不可能です。」

数ヶ月間各所を転々とした後、園田さんと家族は2年間京都に住んでいましたが、その場所の自治体が無償でアパートを提供してくれました。

その後これまでの4年間は夫の母国である英国で暮らしてきました。

フリーの翻訳家であり日本の書道の師範でもある園田さんは

「私たちは実質的に2度に渡り避難しなければなりませんでした。息子も私も最初は本当に苦労しました。私たちは日本を離れたくはありませんでした。」

 

食品の安全性と内部放射線被ばくに対する深刻な懸念があるため、親戚に会うための短期の滞在を除いて、園田さんはもう二度と福島の故郷に戻ることはではないと確信を深めています。

「私の故郷の村はとても美しい場所なので、本当に悲しいです。」

と彼女はこう語りました。

「そこには私たちの家があり、引退後はそこで生活するつもりでした。」

福島第一原発の事故による避難は家族を離散させてしまいました。

園田さんの両親は暮らす場所を新たに手に入れるために必要な資金を調達しようと悪戦苦闘していますが、捨てざるを得なかった自宅の住宅ローンの支払い義務が重くのしかかっています。

園田さんが次のように語りました。

「今年3月、日本政府が住宅援助を打ち切ったことは冷酷な仕打ちでした。」

「何人かの友人は望まないのに、福島に戻るという以外の選択肢が無くなってしまったのです。」

原発難民の支援を行っているグリーンピース・ジャパンは、園田さんが行なう証言が被災者への財政的支援を継続し、住民の帰還計画を推し進めようとしている日本政府に対する国際的な圧力を構築するための最初のステップとなり、政府が計画を撤回する結果に結びつくことを期待しています。

 

グリーンピース・ジャパンは過去、福島周辺の放射線量が、国際放射線防護委員会が勧告している放射線への曝露限度である1ミリシーベルト(mSv)を下回るまで、福島周辺の安全宣言を行なわないよう日本政府に要請していました。
日本政府は長期的には年間1ミリシーベルトを長期目標とするとしていますが、原子力発電所の労働者に適用される年間曝露限度である年間20ミリシーベルト以下の地域に、一般の住民が帰還して生活することを奨励しています。

こうした日本政府の態度に対し、園田さんが次のように語りました。
「なぜ一般の人、特に女性や子供たちが国際的に定められた限度の20倍の放射線がある場所で生活しなければならないのでしょうか?」

「日本政府は、被災者にきちんとした回答をしていません。」

 

1番目の写真 : 指定避難区域の外側で農作業をする園田さんの叔母

2番目の写真 : 福島第一原発事故発生の前、近くの山間の渓流で水を飲む園田さんの息子と友だち

3番目の写真 : 福島第一原発の事故発生の前、自宅近くを歩く園田さんの家族

https://www.theguardian.com/environment/2017/oct/11/fukushima-evacuee-un-japan-human-rights

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お断りしなければなりませんが、原文の記事には『安部政権』も『安倍首相』も一切書かれていません。

被災者への援助を打ち切るのは Japanese Government であり、Abe Administrationとは書かれていません。

しかし原子力行政は国の重要な政策の一つであり、その方針を決めるのは現政権、すなわち安部政権に他なりません。

本文中に『日本政府』とあるものは、すべて安部政権と置き換えるべきです。

しかしながら原文を尊重し、本文中は『日本政府』とさせていただきました。

※英文からの翻訳のため、個人名・固有名詞の漢字表記に誤りがある場合があります。

【 福島第一原発の最大規模の集団訴訟で賠償支払い命令 】

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所要時間 約 8分

おびただしい数の人々が自宅を捨てて避難しなければならなかった巨大な原子力発電所の事故、日本政府にも責任がある

根こそぎ破壊された人間の暮らしについて『補償する』ことは、果たして可能なのか?

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年10月10日

日本の裁判所は福島第一原子力発電所の運営する東京電力と政府に対し、2011年3月3基の原子炉がメルトダウンした事故の影響により様々な形で被害を受けた住民に対し、約5億円の損害賠償を命じました。
福島地裁の判決はこれまでの裁判所の判決と同様、大量の放射線が放出され何十万何万というおびただしい数の人々が自宅を捨てて避難しなければならなかった巨大な原子力発電所の事故に対し、日本政府に責任があるという事も明確にしました。

 

3基に上る原子炉のメルトダウンという事故の発生により、それまでの生活を根本から破壊されたとする12,000人の人びとが全国で30件の同様の訴訟が行なわれていますが、3,800人の原告を含む集団訴訟はその中で最大規模のものです。

2017年3月、25年前のチェルノブイリ原子力発電所事故以降、世界最悪の原子力事故となった福島第一原発の事故について、国にも過失があったとする日本の裁判所として初めての判断が下されました。

そして2011年3月11日に強力な地震と津波によって深刻な原子力発電所事故を引き起こした東京電力は、3件の訴訟すべてにおいて損害賠償を命じられることになりました。

判決によれば事故発生当時避難を命令されなかった福島県の住民を含む原告は、最高で36万円の賠償を受け取ることになります。

 

しかし裁判所は、それまで生活していた住居が再び人間が安全に暮らせる数値に放射線量が下がるまでの期間、月額5万5000円の補償を支払うように求めた原告の訴えは却下しました。

このケースは政府とTepcoが6つの原子炉のうちの3つの炉で燃料の溶融を防ぐために使用されていた発電所の冷却システムを破壊し、バックアップ発電機を破壊した災害を予見できたかどうかにかかっています。


いずれの裁判でも、福島第一原子力発電所の6基の原子炉の内3基で、本来から原子炉の炉心で核燃料のメルトダウンを防ぐために機能するはずだった冷却装置を破壊し、併せて非常用の発電機も使用不能に陥らせるほどの災害の発生を日本政府と東京電力が予め想定することはできたかどうかという点が重要な争点となりました。

 

福島地方裁判所は、福島第一原発が位置する東北地方の太平洋沿岸地区を襲う危険性について、すでに約10年前に状況が解明されていたにもかかわらず、日本政府当局は東京電力に安全対策を改善するよう命令しなかったと指摘しました。

原告側の主張は2002年に日本政府が専門家に依頼して調査を行った結果、今後30年以内にマグニチュード8.0の地震が発生する確率が20%、その際高さが15.7メートルに達する津波が発生する可能性があるとした報告に基づいています。

裁判所は、日本の原子力行政が責任を持って原子力産業界に働きかけ、東京電力に対し福島第一原発の地下に置かれていた非常用ディーゼル発電機を高地に移動させるとともに、原子炉建屋を耐水性を強化するように命じていれば、原子炉がメルトダウンする事態を防ぐことができた可能性が高いという原告の主張を支持しました。

これに対し日本政府と東京電力は東日本の太平洋岸一帯を破壊し尽くす程強力な津波の襲来を予測することは不可能だったと主張し、福島第一原発の事故はやむを得ないものだったと主張してきました。

 

災害から約7年が経過しましたが、未だに5万人以上の被災者が仮設の住居での生活を強いられ続けています。

一部の被災地域では政府の避難命令が撤回され、放射線の脅威が本当に取り除かれたのか危ぶみつつも指定避難が解除された市町村に戻った人々もいますが、多くの人がもう二度と故郷に戻ることはできないと語っています。

https://www.theguardian.com/environment/2017/oct/10/fukushima-residents-win-500m-yen-payout-over-nuclear-disaster

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これまで原発難民にされてしまった方々から直接うかがったお話に、この稿の内容を重ね合わせたとき、最初に思ったことは『補償とは何か?』という事でした。

 

私が知っている現在20代で事故当時高校生だった女性は、自宅が楢葉町の小高い丘の上にあり、学校帰り度々目にしていた山間に夕陽が沈んで行く景色が大好きだったと話してくれました。

それは人間としての感情のひとつであり、そうした風景を永遠に奪われても、もちろん補償の対象とはなりえません。

彼女は仙台市内の大学に進学しましたが、「幸いに」原発難民として迫害や嫌がらせを受けることは無かったとも話してくれました。

その話を聞いた時には、本当に心が痛みました。

自分とは関係の無い会社が引き起こした産業事故の被害者にされたことで、なぜ迫害や嫌がらせを受けることを心配しなければならないのか、あまりに理不尽な話だと感じたからです。

しかし国内報道でも度々伝えられたように、原発難民にされてしまった方々のなかに、実際に避難先で数々の理不尽な扱いにさらされることになった方も数多くおられたようです。

彼女はこうした体験を私に終始穏やかな口調で話してくれました。

しかし彼女を知る別の人は、家族がいよいよそれまで暮らしていた自宅を『捨てなければならない』と決まった時、信じられないほど取り乱し、その後精神を病む寸前まで行ったのだと教えてくれました。

 

彼女は今年結婚し、新幹線を乗り継いで行かなければならない程遠い場所にある新居で暮らすことになりましたが、福島県いわき市内に新たに居を定めたご両親と一緒にかつての自宅を訪れて哀惜の思いを新たにし、その後新天地へと旅立っていきました。

 

こうしたお話も含め、そして自分が数多く手がけた翻訳記事の中で語られていた体験談も含め、一度生活の根底を破壊されてしまったら、もう取り返し様がないのだという厳然たる事実が存在することを思い知らされました。

人為的にそれを補償するなど、到底不可能な話です。

 

人間は物質だけを揃え整えて生きている訳ではありません。

私も一度過労で倒れて、ごく一時的にでしたが記憶を無くしたことがあります。

あの時感じた恐怖というのは、例えようのないものでした。

人生というものが記憶の積み重ねであることを痛感させられた体験でした。

 

原子力発電所が一度事故を起こしたら、周辺で暮らしている人々は『何もかも捨てて』避難しなければなりません。

もう原発など無くても、いかようにも電気を作ることができる時代になっているはずです。

現在の政権・安部政権は、何より人間の暮らしを守ろうという意思を持っているでしょうか?

福島第一原発の事故に関する日本国内の議論はまだまだ足りない、そう感じさせる記事でした。

【 まだ、原発?】

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所要時間 約 8分

廃炉にされる原子力発電所の数が、建設中の原子力発電所の数を上回る時代が到来した

米国は自分たちが始め世界中に混乱を広げてしまった原子力発電の、終息への道筋を示さなければならない

 

マギー・ガンダーセン / ベン・シュルマン・リード/ フェアウィンズ 2017年6月22日


廃炉にされる原子力発電所の数が建設中の原子力発電所の数を上回る時代がやってきました。

現在世界中で稼働している原子炉は1960年代に構想・実現されたものであり、21世紀社会になって急速に進歩した再生可能エネルギーとの競争において大幅な後れを取ることになり、経済的成果が実現不可能となった結果、次々と閉鎖に追い込まれています。

今や世界中の人びとが福島第一原発で発生したのと同じ事故が、その場所に原発がある限り世界中いつどこででも起こり得るという事を理解するようにもなりました。

 

一度はこれからの35年間12日ごとに1基の割合で新しい原子炉を建設し、2050年までに1000基の新しい原子炉を稼働させる計画を夢見た原子力産業界ですが、もはや原子力に依存する必要性がなくなり、誰ももうそんなことを望みもしなければ欲してもいないという厳しい現実に直面しています。

 

世界最多の原子炉が稼働している米国では、マサチューセッツ州ピルグリム、ニューヨーク市郊外のインディアンポイント、ニュージャージー州オイスタークリーク、カリフォルニアのディアブロキャニオン、そして最近ではスリーマイル島ペンシルバニアで、それぞれの原子力発電所が近い将来閉鎖されることになると発表されました。

米国内の原子炉の停止は経済面だけに留まらず地球環境にとっても良い影響が期待できますが、廃炉は高額な費用を要する複雑な工程を持つ作業であり、これまでこれらの巨大施設を支えてきた地元のコミュニティには少なからぬ損害を与えることになります。

原子力発電所の稼動が完全に稼働を停止すれば、地元自治体や地元の経済界は原発の経済的恩恵からの財務体質の転換を円滑かつ確実に実現しなければなりません。

併せてきわめて有害な放射性核廃棄物の長期的な安全保管を可能にしなければなりませんが、米国政府はこれまでそれを実現できていません。

 

さらには発電をやめた原子力発電所はそれそのものが巨大な放射性核廃棄物となるため、物理的に数十年間の安全管理が必要になることに加え、地域社会は今よりももっと健全で持続性の高い方法での電力供給を可能にしなければなりません。

その上で多様なやり方で自給自足できるように経済を再構築していく必要があります。
現時点で原子力発電所が立地する市町村は「ホスト・コミュニティ」と呼ばれていますが、残念なことにその経済規模は小さく、経済的にも原発以外に主だった収入源は無いというのが現実です。

こうした市町村で将来の運営計画が検討される際、原子力発電所からの発言がいつも取り上げられる訳ではありませんが、現実には市町村の命運を握る存在です。

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションはバーモント・ヤンキー原子力発電所が抱えている問題と欠陥、そして立地自治体であるウィンダム郡が当然受けるべき配慮が欠如していることを継続的に監視し報告しています。

 

2014年バーモント・ヤンキー原子力発電所が閉鎖される時になって、バーモント州の議員と州政府の職員たちはバーモント州の権利とバーモント州のすべての市民の権利を守るためには、自分たちが同原発の運営会社であるエンタジー社と本来国の原子力政策を健全に運営する立場にあるはずの原子力規制委員会、その両方と戦わなければならない立場に置かれていることに気づきました。

 

バーモント州は州内唯一の原子力発電所であるバーモント・ヤンキーの廃炉プロセスの条件について交渉中であり、アメリカ国内で原子力発電事業から撤退するための的確な手続きと、廃炉と解体の作業を円滑に進める方法についてのモデルケースとなっています。

バーモント州は移行に際し、発電所の法人所有者の権利と利益だけでなく、すべての利害関係者の利益を保護するための公正な手続きを模索しています。

 

バーモント州は州内唯一の原子力発電所であるバーモント・ヤンキーの廃炉プロセスの条件について交渉中であり、アメリカ国内で原子力発電事業から撤退するための的確な手続きと、廃炉と解体の作業を円滑に進める方法についてのモデルケースとなっています。

バーモント州は移行に際し、発電所の法人所有者の権利と利益だけでなく、すべての利害関係者の利益を保護するための公正な手続きを模索しています。

 

原子力発電所が立地するすべての市町村の住民にとっての本当の疑問は、地方税をきちんと収めている地元の住民たちの権利を守り、その声を代弁してくれるのはいったい誰なのか、という事です。

廃炉作業の実際の進行状況はどうなのか、地下水の水脈や河川の流域は汚染されていないか、

そして地域経済の健全性を保つための構造転換は順調に進んでいるか、等の問題に住民の立場で取り組んでくれる存在です。

 

ところが停止中の各原子力発電所の放射線量と廃炉作業の進行状況の監視に責任を持つべき原子力規制委員会(NRC)は、上記のような周辺住民の人権問題にはまるで無関心であり、どのような対策も行っていません。

すべての環境を守るため保証されなければならない清浄な空気を吸う権利、安全な水を飲む権利、そして停止した原子力発電所の様々な部品から漏れ出す放射能に汚染されていない食品だけを口にする権利、このような環境問題と人権問題はすべて、米国内の地方自治体と州政府に任せっぱなしにされています。

バーモント州はもっと安全でより透明性の高い廃炉プロセスの実現を求め、高放射性核廃棄物と汚染された原子力発電そのものの安全かつ永続的な廃棄に移行する作業をめざし、自治体として地域社会果たすべき役割の実現をリードしています。

 

わたしたちフェアウィンズもオープンで透明な廃炉プロセスを提唱しながら幅広く対話を行うことにより、米国が始めた原子力発電事業に終止符を打ち、世界中に広がってしまった混乱を収束に向かわせるために指導的役割を果たし得ると信じています。

 

原子力発電から脱却し、経済的にも妥当な費用で、しかも地球上のすべての生き物が健康な状態で生存を続けることができる環境を守ることに貢献する安全なエネルギー社会への転換を、地域社会が協力して実現する、それがフェアウィンズが目指しているものなのです。

 

http://www.fairewinds.org/newsletter-archive//oegf127i8zwvkcg5koxzivdipspzk9

【 東京電力の原子力発電所に再稼働の許可 】

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所要時間 約 7分

日本の原子力規制制度の欠陥を完全に露呈

福島第一原発事故の被災者への補償費用、そして廃炉費用、総額が50〜70兆円に急増

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年10月4日

2011年3月日本の福島第一原子力発電所において3基の原子炉をメルトダウンさせる事故を起こしてから6年以上経過し、東京電力は原子力事業への復帰への第一歩を踏み出しました。
日本の原子力規制委員会は10月4日水曜日、東京電力(Tepco)からかねて申請のあった世界最大の原子力発電所である柏崎刈羽原子力発電所の2基の原子炉を再稼働するという申請を承認しました。

 

しかし東京電力は現在も福島第一原子力発電所において、完了に向け確実な見通しすら立たない事故収束・廃炉作業を行っています。

今後実際の再稼働に向けた手続きの過程では一般市民との意見交換や協議が行われなければならず、新潟県の日本海沿岸で暮らす人々の強い反対に直面することも予想されます。

原子力規制委員会はそれぞれ出力が1,650万メガワットの柏崎刈羽原子力発電所原子炉6号機と7号機が福島第一原発の事故後に導入された新しい厳格な安全基準を満たしたとして、4日水曜日に開催された委員会で5人の委員全会一致で再稼働の承認に賛成しました。

この決定に対し、原子力発電に反対する様々な立場の人びとから批判が相次ぎました。

グリーンピース・ドイツの上級原子力発電技術の専門家であるショーン・バーニー氏は、原子力規制委員会の決定は無謀だと非難し、次のように語りました。

「東京電力が2011年に福島第一原子力発電所で引き起こした3基の原子炉のメルトダウンの原因は、すべて原子力発電のリスクの無視によるものです。大地震が発生するリスクが極めて高い場所にある世界最大の原子力発電所について、その原子炉の安全性を承認することは日本の原子力規制制度の欠陥を完全に露呈しています。」

 

グリーンピースは、23個に上る地震活断層が柏崎刈羽原子力発電所の敷地の下に存在すると述べました。

 

東京電力は声明を発表し、原子力規制委員会の決定を厳粛に受け止め、福島第一原子力発電所の事故収束・廃炉作業と被災者に対する補償を充分に行いつつ、柏崎刈羽原子力発電所での安全性を高めるための努力を継続して行うと発表しました。

しかし原子力規制委員会の承認が得られても、実際に再稼働が実現するまでには尚数年を要すると見られています。

米山隆一新潟県知事は、少なくとも3年はかかると言われている福島第一原子力発電所の事故に関する検証作業を東京電力が完了させない限り、再稼働に同意するかどうかを検討することはないと述べました。
福島第一原発事故の被災者は原子力規制委員会の決定に対し、怒りを露わにしました。

いまだに仮設住宅暮らしをしいられている松本ひろ子さんは、共同通信の取材に次のように答えました。

「福島第一原子力発電所の事故がすでに終わったかのように物事が進められているように見えます。」

かつては福島第一原発に近い場所で暮らしていた松本さんは、東京電力は「深刻な原子力事故が周囲に信じられない程甚大な被害をもたらす可能性があることを忘れてはならないはずです。」

と語りました。

東京電力は巨大地震と巨大津波によって引き起こされた福島第一原発の事故以降高騰している火力発電用の化石燃料の輸入価格の高騰に苦しんでおり、その支出を削減するために停止している原子炉を再稼動する許可を求めてきました。

福島第一原発の事故発生により日本国内の原子炉はすべて稼働を停止しましたが、現在 4基の原子炉が新しい基準に基づく安全審査に合格し、再稼働しています。

 

東京電力は現在、2011年3月11日に福島第一原子力発電所の6基の原子炉の内3基がメルトダウンを起こした事故により、生活の基盤を根本から破壊されてしまった人々からの巨額の補償請求、そして事故収束・廃炉作業に必要な巨額の費用の発生に直面しています。

福島第一原発の事故収束・廃炉作業に必要な期間は約40年、経費はこれまで約22兆円と試算されていましたが、日本経済研究センターは今年の初め、その金額が50〜70兆円に急増する可能性があると発表しました。

そして原子力発電を今後も継続するかどうかという問題は、この10月に投票が行われる衆議院議員選挙でも重要な争点のひとつとなることが予想されています。
安倍晋三首相は経済成長のために、そして日本が気候変動の問題に関する数値目標を達成するためにも原子炉の再稼動が必要であると主張しています。

安倍政権の下で日本政府は、2030年までに原子力が日本の発電総量の約20%を供給することを望んでいます。

 

しかし自民党の対抗勢力としてその地位を急浮上させている新設された希望の党は、2030年までに原子力発電を段階的に廃止するという方針を打ち出しています。

世論調査の結果は、ほとんどの日本人が原子力発電所の再開に反対していることを明らかにしています。

 

https://www.theguardian.com/environment/2017/oct/04/fukushima-operator-tepco-restart-nuclear-reactors-kashiwazaki-kariwa#img-1

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実際に原発難民にされてしまった方のお話を直接うかがうことができたとき、
「人間としての誇りすら失ってしまった…」というエコノミストの記事( http://kobajun.biz/?p=17075 )が伝えていたことが本当なのだと実感しました。
それまで自分の仕事に誇りを持って情熱的に取り組んでいた人が、それまでの仕事に関わるすべてを取り上げられ仮設暮らし、あるいは思いもかけない身過ぎ世過ぎの仕事を強いられる。

もちろん思い出も絆もそこで断ち切られてしまう。

 

そのことが人間としてどれほど辛いことかも考えもせず、日本の原子力行政は電力会社の投資資金の回収が最優先…

そこだけ見れば終わりか?! という憤りを禁じ得ません。

安部首相の必勝プランを狂わせる元盟友、そしてポピュリスト

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目的は権力への執着だけ、それが国民の前に明らかにされれば安部首相の賭けは裏目に出る

希望の党と自民党の政策には目立つほどの違いは無く、要は安倍・小池の個人的な争い

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年9月28日

安部首相が政権の経済政策と北朝鮮政策への審判を仰ぐためと称して突如解散を決めた衆議院は、10月に総選挙にむけ各党が準備を急いでいます。

その安倍首相は手ごわい競争相手と化したかつての盟友と対決することになりました。

小池百合子東京都知事が結成した新たな保守政党が、政権与党自民党の対抗勢力として一定の支持を集める中、安部首相は衆議院を解散しました。

 

安部首相が解散を宣言するわずか1日前に結成された小池氏の希望の党は、これまで自民党を縛って来た既得権益に挑戦し、多様性を尊重する「寛容で保守的な改革」を目指すことを公約しました。

昨年の東京初の女性知事となった小池氏は英語とアラビア語を話すことができる元アナウンサーであり、政治世界の既得権勢力との対決を決意したと語る保守的なポピュリストです。
小池氏は希望の党を正式に立ち上げる際、次のように述べました。

「今この時点で日本をリセットしなければ、今後充分な形で国際競争力と国家安全保障を維持することができなくなります。」

 

安倍首相は野党が弱体化し分裂している隙に乗じ、予定を1年早め、安倍政権の経済政策と北朝鮮のミサイル・核開発計画に対する厳しい姿勢について国民の信任を得ることを口実に衆議院を解散しました。
10年前安倍氏が初めて首相の座に就いた際に防衛大臣に指名された小池氏は、今回の衆議院選挙には出馬せず、都知事として2020年東京オリンピックの準備の監督を続けたいと語りました。

しかし新党の党首に就くとした小池氏の決定は、その積極的なメディア・アプローチと相まって、保守票と浮動票を自分に引きつけて政権基盤を安定させようとした安倍首相の計算を狂わせることになり、安部首相の計画を挫折させる可能性がでてきました。

2度に渡った私立学園への不正な便宜供与疑惑によってこの夏、2012年後半に首相に就任して以来最低となった安倍政権への支持率ですが、選挙直前には回復傾向にありましたが、希望の党は支持率の差を詰めつつあります。

 

毎日新聞が行なった世論調査では安倍首相率いる自民党への支持率が29%、希望の党の支持率は18%でした。朝日新聞が行なった別の世論調査では自民党が32%に対し、小池氏の希望の党が13%という結果が出ました。

解散総選挙の実施が決まる前から混乱が続いていた野党第1党の民進党でしたが、希望の党の誕生により混乱に拍車がかかりました。

 

数名の民進党国会議員が名指しで小池氏が率いる希望の党への入党を拒否されましたが、民進党党首の前原誠司氏は民進党出身者の入党手続きを進めるよう、働きかけを行っていると伝えられています。
今回の選挙でも自民党の勝利が予想される一方、別に誕生した右派政党からの手ごわい挑戦は衆議院における圧倒的過半数という議席数を減らす可能性があります。

自民党・公明党の連立与党は現在、安部首相が強く求める日本の平和主義憲法の改定のために必要な衆参両院の3分の2以上の議席を占有しています。

選挙後再びこの議席数を確保できなければ、安部首相が全政治的なキャリアを捧げたプロジェクトが実質的に挫折する可能性もあります。

東京のBMIリサーチの国際政治・安全保障部門の責任者であるヨエル・サノ氏は、突然の解散選挙について有権者が安部首相の権力への執着だけが目的だと判断すれば、安部首相の賭けは裏目に出る可能性があると語りました。

「特に北朝鮮情勢の厳しさを考えると、日本の国民は今回の唐突な解散総選挙について、安部首相が自分に有利な状況に便乗した相手を見くびった行動だと見なす可能性があります。」

 

長年日本初の女性首相に就任することを密かに狙ってきたことで知られる小池氏は、昨年行われた選挙で自民党に反旗を翻し東京都知事の座に就くことに成功しました。

そして今年7月には東京都知事選挙において自らの党を率いて再び自民党を破り、次の国政選挙では連立与党に挑戦することになるだろうと見られていました。

 

イギリスではテレサ・メイ首相が今年の春に解散総選挙を強行した結果、保守党が下院における過半数の議席を失うというだけの敗北に終わりましたが、一部のアナリストは安倍首相が同じ運命に陥ることは無いと見ています。

「日本にはイギリスの労働党のような強力な野党勢力が存在しないからです。」

東京のテンプル大学のアジア研究担当部門の責任者であるジェフ・キングストン教授がこう語りました。

「自民党は小人の国のただ一人の巨人です。突っ走ろうとする安倍首相を止めるものがあるとしたら、それは大きなスキャンダルだけでしょう。」

「現在の圧倒的過半数の議席を維持することは難しいかもしれませんが、日本の野党のばらばらのまま何の準備も出来ていない状況を考えると、連立与党の議席が過半数を割り込むという大きなリスクが発生するとはどうしても考えにくい状況にあります。」

安倍首相と小池氏はいずれも日本の実業界と近い立場にあり、安全保障問題については同じタカ派的存在ですが、今回の選挙では2つの問題について立場が異なっています。

安倍首相は教育政策の充実や高齢者の介護には財源が必要だと述べ2019年の消費税増税をやりきると断言していますが、小池氏は消費増税の凍結を求めています。
そして小池氏は、2011年福島第一原発の原子炉がメルトダウンした事故に言及し脱原発を公約として掲げていますが、安部首相は国内の原子炉の再稼働を後押ししています。

 

しかしコロンビア大学のゲリー・カーティス名誉教授は、次のように指摘しました。

「小池氏率いる希望の党と自民党の間には目立つほどの違いはありません。これは有権者に対し安部氏と小池氏とどちらが有能か、という事を納得させる競争です。どちらが有能か、どちらの人柄が優れているか、それだけです。」

 

https://www.theguardian.com/world/2017/sep/28/japan-pm-shinzo-abe-election-challenge-tokyo-governor-yuriko-koike

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前回の記事にも書きましたが、大手メディアの報道は『安部対小池』という図式を強調し、立憲民主・共産・社民というリベラル、世論調査では支持率が4割という存在をことさら軽視しているかのような印象を受けます。

前回も書きましたが、大切なことは心優しいリベラルが1人でも多く投票所に行くことでしょう。

今回の投票をパスすれば、日本は千載に禍根を残すことになると思います。

 

英誌のエコノミストは『日本の民主党政権を崩壊させるため、米国の諜報機関が積極的役割を演じた』と報じたことがあります( http://kobajun.biz/?p=21901 )が、そうした組織が今回も静観しているとは思えません。

彼らの目的は何でしょうか?

安倍政権下の日本は米国製の兵器を大量に購入するようになりました。

トランプ政権は『より高性能の兵器を日本・韓国に提供する』と発言しました。

そのアメリカでは国内に人口を上回る数の銃器が氾濫し、コンサート会場で突如機銃掃射を受ける可能性すらあるという生活を送らなければなりません。

 

『せっかく実現した平和国家を武器で汚染するな!』

そんな怒りも込めて、私は投票所に行こうと思っています。

日本経済は回復途上、急な解散総選挙はこの国の運命を危険にさらすだけ

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所要時間 約 9分

『北朝鮮の脅威』を超える日本にとっての脅威、それは構造改革途中放棄した安倍首相の政治姿勢

『とにかく改憲』それが安部首相の本音、本当の目的。日本経済回復は選挙期間中だけの表看板

 

エコノミスト 2017年9月30日

 

日本経済の停滞は極めて長期間に及んでおり、いまだ多くの国民は回復の兆しを感じていません。
しかしよーく見てみると、回復の兆しは各所に見え始めています。
何年もの大規模な財政緩和策と金融刺激がようやく何らかの影響を及ぼして始めているように見えます。
失業率は3%を下回りましたが、これは23年ぶりの最低水準であり、少なくとも非正規労働者の賃金は上昇しています。
日本銀行が目標としている2%のインフレ目標ははるかに下回っていますが、物価もじわじわと上昇しています。

 

外部の人間には、こうした話は迫力に欠けるつまらないものかもしれません。
しかし30年近くも景気後退とデフレに苦しんできた国にとっては、脱出への出口がみえはじめたということになるのです。

過去18ヶ月間続いてきたゆるやかな景気回復は、この10年間で途切れなく成長が続いている期間の記録を更新中です。

 

この本格的復活の序章ともいうべき回復の立役者は安倍晋三氏であり、1990年代に発生した日本の大規模なバブル崩壊以降最長記録に近づくほぼ5年間首相の座にあります。
今週安倍首相は10月22日を投票日とする衆議院の解散総選挙を突如発表しました。
しかし結果はほぼ予想される範囲に収まるでしょう。
安倍首相と連立与党の公明党は現在衆参の全議席の3分の2以上の過半数を占めていますが、もし彼らが政権の座を守ることができなければ、それこそ驚くべき逆転と言うべきでしょう。

しかし安倍首相に関係する一連のスキャンダルが発覚し、安倍首相の政権基盤を損なっており、楽勝するだろうと考えていた選挙で、より厳しい戦いに直面する可能性があります。
今後の政治の展開次第では未だ回復途上の日本経済を再び脱線させる可能性があり、世界で3番目に大きな規模を持つ経済をもう一度泥沼に突き落とす可能性があります。

 

在任期間を通し安倍首相は、財政出動と金融緩和が政策として終了した後日本経済を支えることになる重要な構造改革を、国民に不人気だとの理由で先延ばしにしてきました。

構造改革の中身はこのままでは維持が困難な年金制度の改革、一部の業種の保護を目的に導入された各種の規制を撤廃し市場原理に任せること、終身雇用を保証されてきた給与所得者の中途での解雇を可能にすることなどの経済制度の変更です。

いずれの制度変更も、もっともらしい理由により実施が延期されました。

政治的な思惑と経済的な理由によって、国民にとって好ましくなく感じる構造改革は日本経済の充分な回復が実現されるまで待つのが理にかなったやり方だとされたのです。

 

▽ 安倍氏の悪い習慣

 

しかし現在の政治状況は安倍首相のこうした及び腰の姿勢をむしろ歓迎するような展開となっています。

安部首相は予定を1年以上繰り上げ、衆議院の解散選挙を宣言しました。

これは恐らく安部首相自身の国民の支持率が今後14カ月間に改善される見通しはないとの観測にもとづくものです。

一つの大きな懸念は、小池百合子東京都知事が率いる「希望の党」と結成、そして最近になって自民党を離党し希望の党に入党する人間が現れはじめたことです。

新党は年初に行われた東京都知事選挙で自民党を敗北に追い込んだ同じく小池百合子が率いる都民ファーストの会と合体する予定です。

 

そして現在野党第1党である民進党の国会議員をも取り込むことにより、安倍首相率いる連立与党の対抗軸を形成しようとしています。

前回までの選挙とは異なり、安部首相は今回は不人気な経済改革の実施に対する有権者の気持ちを和らげる準備をしていたようには見えません。

安部首相はこれまで経済問題については、選挙演説中は年金制度も含め様々な分野に財政出動を行うという約束しかしてきませんでした。

そして経済の再生、あるいは根本的に経済を立て直し日本を再び強国として甦らせるための唯一の手段である構造改革にはさほどの熱意はもっておらず、平和主義に基づく憲法を改定することにこそ強い意欲を持っているという事実をあっさりと認めました。

 

今回の選挙は日本の不安定な状況を悪い方向に向かわせる可能性があります。

結果いかんでは安部首相の政治基盤にダメージを与える可能性があり、そうなれば構造改革への意欲はますます後退することになるでしょう。

最小限に見積っても自民党は議席を減らす可能性がありますが、その理由は単に現在の議席数はどう見ても多すぎるというものです。

もし自民党が予想を超えて議席数を減らす事態になれば、党内に安倍首相を総裁の座から追い出そうとする勢力が現れる可能性があります。

 

しかし自民党の過半数の程度がどうなろうと、最終的にだれが責任を採ることになろうと、日本経済を復活させる仕事を道半ばで放りだすことは致命的な間違いになるでしょう。この場合、時間が経つにつれて事態は悪化していくだけです。

公的負債は今やGDPの250%を超えてしまいました。

人口は高齢化し、労働人口は減少を続け、経済成長の足取りは一層重くなりっています。

 

北朝鮮の今にも戦争を始めるかのような姿勢は、一部の有権者の注目を経済から国家安全保障にシフトさせたかもしれません。

こうした状況は安倍首相に有利に働いています。

金正恩(キム・ジョンウン)に対抗するには、扱いの難しい味方であるドナルド・トランプのアメリカとうまく連携できる強力なリーダーが必要かもしれません。

しかし長期的には景気後退を回避できなければ、日本の安全保障は内側から大きな脅威にさらされることになってしまいます。

経済的停滞は長い間続いており、国民も政治家もこの問題を放っておいても日本は何とかやっていけると考えているかもしれません。

しかし巨額の財政出動も金融緩和政策も、しょせんは一時しのぎの政策であり、日本が抱え込んでいる問題を本質的に解決するものではありません。

残された時間が限られる中、日本経済が大きな惨状に落ちこむことなく数々の問題を改善に向かわせる機会は、突然の解散総選挙により一層遠のくことになりました。

 

https://www.economist.com/news/leaders/21729747-whatever-outcome-reforms-must-continue-japans-early-election-puts-its-economic-recovery

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今回の選挙の要点は改憲派である安部派と小池派の主導権争い、それに対抗する立憲民主・社民・共産のリベラル陣営という事だと私は思っています。

一時小池氏の希望の党が民進党離党者の内リベラル系の議員は排除すると宣言し、それこそ日本の政界からリベラル派の議員を排除する動きが見えた際は怒りがこみ上げましたが、幸い枝野氏が立憲民主党を立ち上げ、何とかリベラル派の陣容が整いました。

あとは私たち有権者が投票所に行くだけです。

【 津波の下に消えてしまったこどもたち : 3.11の想像を絶する悲劇の真相 】《第6回・完》

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所要時間 約 9分

消えることのない苦痛や絶望を象徴する場所は、やがて生い茂る雑草に埋もれていった

朝目覚めると最初に思うことは喪ってしまった子供のこと、夜に眠りにつくときに心の中を占めているものは亡くなってしまった子供の思い出

 

リチャード・ロイド・パリー / ガーディアン 2017年8月24日

大川小学校の多勢の子供たちが犠牲になった事故調査委員会の報告書は、津波による事故発生から3年近く経ってから公表されました。
そして2014年3月10日事故発生から3周年の前日、周囲を驚かせるニュースが流れました。
大川小学校で死亡した23人の子供たちの家族が仙台地方裁判所に石巻市と宮城県への告発状を提出したのです。
遺族は市と県に過失があったとして告発し、失われてしまった一人一人の生命に対する補償を要求しました。
災害発生から3年と364日が経過していました。
この日は法的に告訴状を提出することができる最後の日でした。
遺族たちはこれまで計画をすべて秘密裏に進めてきました。

 

日本の法廷では何事も迅速には進みません。
2016年4月までは、ともに被告の立場に置かれた石巻市と宮城県に、過失があったとする証拠は提出されなかったようです。
原告の主張は、大川小学校の先生たちは津波が襲ってきた当時適切な判断ができなかったために子供たちを守ることができなかったのであり、その過失の責任は石巻市にあるというものでした。
今回の争点は2つに集中していました。
ひとつは現場の教師たちが津波の襲来を予見できたでしょうか?
ふたつ目は、彼らは子供たちを津波の襲来から救うことができたでしょうか?

仙台地裁は2016年10月26日判決を下しました。
私はその朝、東京から新幹線に乗って仙台に向かいました。
その日は暖かく陽射しがまぶしい明るい日でした。
津波の発生からすでに5年半が経過していましたが、目立った傷跡は目に入らなくなっていました。
東北の都市や町には復興資金が流れ込み、ある意味活況を呈していました。
10万人が依然として仮設住宅住まいを強いられたままでしたが、彼らが暮らす狭く不自由な住居は時折被災地を訪れるという程度の人々の視界からは消えていました。
津波によって完全に破壊された町や村が再建されることはありませんでしたが、瓦礫の撤去作業などはすでに完了しました。
繁茂する雑草が被災地の沿岸一帯を覆い尽くしてしまったため、所々に埋もれるようにして残ったままの建物の基礎や構造物は、消えることのない苦痛や絶望を象徴する場所というよりは、放置された遺跡のように目に映りました。

 

仙台地方裁判所の建物の前では記者やカメラマンたちが所在無げにウロウロしていました。
しかし原告の一団が照りつける陽射しの中を列を作ってゆっくりとやってくると、記者たちは一様に色めき立ちました。
原告である大川小学校の子供たちの母親、父親たちが3列になって歩道に沿って歩いてきました。

彼らは黒い喪服を身にまとい、幾人かの遺族は犠牲になった自分たちの息子や娘の額に入った写真を携えていました。
正面の3人の男性が大きな横断幕を捧げ持っていました。
横断幕には上下をふちどるようにして犠牲になった23人の子供たちの写真が名前を添えてちりばめられていました。
自宅や通学途中、あるいは外で遊んでいる時に撮影されたその写真の中で、子供たちは笑ったり微笑んだり、あるいは少し難しい表情をした子供たちの顔がありました。
中心には一文字一文字慎重に手書きされた文章がありました。
「先生の言うことを聞いていたのに!」

 

法廷の扉が開かれ、満員となった全員が着席しました。
私は黒い喪服に身を包んだ両親たちを見やりました。
何年にもわたって彼らと話をしてきた、いったいどけだけの時間が費やされたのでしょう。
ある時は激しい言葉がほとばしり、時には耐え難いほど細部に渡ったやりとりが行われました。
子を喪った親たちは幼児期、赤ん坊の頃、時には妊娠期、あらゆる段階の子供たちの人生について私に話しをしてくれました。

親たちの鼻の中には消えることのない、そしてまとわりついて離れない悲しみがありました。
親たちが朝目覚めると最初に思うことは決まって喪ってしまった子供のことであり、夜に眠りにつくときに心の中を占めているものは喪ってしまった子供の思い出でした。
彼らにとって学校とはすなわち亡くなった子が通っていた場所であり、家庭とは子供たちが中心的存在の共同体であったことを思っていました。
親たちは災害とその展開、その後に続いた現実から受けた衝撃、そして命を落とした子供たちと生き残った自分たちとという息のつまるような状況について説明してくれました。

 

ドアが不快な音を立てて開きました。
黒いガウンをはおった若い女性と2人の中年男性という組合せの3人の裁判官が着席しました。
中央の裁判官は着席するとすぐに、静かに、抑揚のない調子で話し始めました。
彼が話した文語調の日本語による法律用語は、私の理解を超えていました。
私は聴きとることをあきらめ、耳を傾ける親たちの顔に焦点を合わせました - 怒り、あるいは歓喜、私は彼らの表情を読み取ることより判決の内容を理解する子が出来ました。
その顔は真っ直ぐに裁判官に向けられていましたが、両親たちはみな一様に苦渋の表情を浮かべていました。。
そして何の表情も浮かんでおらず、一見すると限り無表情でした。

突然開始された裁判官の申し渡しは、唐突に終わりを迎えました。
法廷内にひしめいていた人々は立ち上がり、ぞろぞろと出て行きました。

そして原告の両親たちも立ち上がりました。
彼らは互いに言葉を交わすことも無く、うなずきあうこともしませんでした。
一様に深刻な表情を浮かべ、深い苦悩を感じさせました。

 

しかし最終的に私は、裁判官が下した判決の一部は原告の両親たちの意に沿うものになったと感じていました。
それは被告に対し聴いていた限り極めて多額の補償金の支払いを命じた部分です。

私は日本の記者が集まっていた廊下に出て、彼らとメモの交換をしました。
私は間違っていませんでした。
大川小学校の両親たちは勝利したのです - 彼らは1100万ポンド(約1,600万円)以上の補償金を受け取ることになりました。

しかし失われてしまったすべての子供の命は、取り戻しようがありませんでした。

 

-《完》 –

https://www.theguardian.com/world/2017/aug/24/the-school-beneath-the-wave-the-unimaginable-tragedy-of-japans-tsunami

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翻訳していて久しぶりに涙が流れました。

別の原稿にも書いたことがありますが、人間はたった一つの命を与えられ、たった一度の人生を歩んでいきます。

リセットもリプレイもありません。

そしてその人にとっての『世界」は生きている間だけのものです。

 

この原稿を訳し終えて思うことは、どんな時でもまずは命を守ることが大切だということです。

巨大災害はもちろんですが、犯罪や戦争といった命を奪うことを目的とした行為にも、私たちは鈍感になってはならないと思います。

【 北朝鮮は選挙の道具、最大限に有効活用している安倍首相 】

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所要時間 約 8分

今回の選挙では北朝鮮が安倍首相に、めいっぱい追い風を送り込む結果になっている

北朝鮮というカードを自分に有利に抜け目なく利用する安部首相

 

ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ 2017年9月20日

北朝鮮による最近の核実験と数度のミサイル発射は、日本の国民を緊張させています。

10月に予定されている選挙は、北朝鮮政府に対して強硬姿勢を貫くと明言する人物を巡る争いになるでしょう。

安倍晋三首相は25日、衆議院の解散総選挙を求める発表を行いますが、その背景にはいくつかの要因があります。
日本経済は着実に成長しており、国民生活は概ね充足していますが、問題は野党が対立軸を形成できるだけの政策を打ちだせないまま組織的に混乱し、議員の離脱や再編成によって弱体化してしまっている状況にあり、これらが安部首相を利する結果となっています。

 

今年前半に明らかになった一連のスキャンダルにより安倍政権への支持率は低下していましたが、ここに来て政権支持率が再び50%を超え、現在は安部首相が待ち望んでいた状況かもしれません。

それを実現させたもののひとつが、北朝鮮体制による度重なる軍事的挑発であり、それに対する安倍首相の好戦的ともとれる強硬な対応です。

安倍氏の外交問題に対するタカ派的な強硬姿勢は良く知られていますが、北朝鮮による核実験、ミサイル発射、日本国民の拉致などの問題に対し、安部首相の陣営は国際社会に対しても結束してこの問題に対処することを求め、そうした対応は国内的には支持獲得のための格好の材料として利用されています。

特にここ数か月、北朝鮮の兵器開発に携わる武器科学者たちが実証して見せた明らかな技術的進歩は、日本国民の心理状態をますます不安定なものにしています。

 

安倍死傷の支持率は2017年7月には約26%前後と低迷していましたが、今や安倍首相は1960年代以降最長を記録している1,728日の自民党政権の首相としての在任期間を更に延長させるために、日本の一般国民が抱いている恐怖心を利用することが可能になりました。

 

テンプル大学日本校のアジア研究部門の責任者であるジェフ・キングストン教授は、

「日本では対外的危機が発生する度、日の丸の旗のもとに結集しようという動きが繰り返されてきました。今回は北朝鮮がそのテーマなのです。」

ドイチェ・ヴェレの取材にこう答えました。

キングストン教授はつい最近北朝鮮が行なった、熱核反応を起こす弾頭によるものだったと見られる核実験と2回に渡る弾道ミサイル発射により、

「安部首相は長年日本の憲法の改定を宿願としてきましたが、有権者に対しそれも選択肢の一つだと思わせることが可能になって来たのです。」

安倍首相は今こそ、日本人が「紛争解決の手段として永遠に戦争を放棄する」こと、そして「陸・海・空、その他の戦力を保持しない」ことを規定している憲法第9条を改定する必要があると考え、それを明言しています。

 

他の保守派の人間たち同様、安部首相は現在の憲法の条文は第二次世界大戦(太平洋戦争)に敗北した日本が勝利者の連合国に強制されたものであり、現実の外交的環境に合わせたものに変更されるべきものだと考えています。

日本国憲法第9条については支持する国民が多数に上り、憲法の改定は政治的にハードルが高い問題ですが、キム・ジョンウン政権による脅威を理由に安倍首相が同じ論理を用いて攻勢を強めることは間違いないと見られています。

北朝鮮の脅威は現実

 

「北朝鮮の核実験とミサイル発射に関する圧倒的な量の国内報道により、日本の国民は北朝鮮の脅威は現実的なものであるという共通認識を強いものにしています。」

キングストン教授がこう語りました。

「日本の野党が対北朝鮮問題に関しては有効な対抗案を示せない現状を見て、自民党はことさら安全保障問題に固執しています。」

そして次のように語りました。

「北朝鮮のキム・ジョンウン総書記が、今度の安倍首相の選挙にめいっぱい追い風を送り込んでいると言っても良いでしょう。」

 

アナリストは、2人の友人知人が関わる別々の私立の教育機関の建設問題で、担当する文部科学省に政治的影響力を行使したという疑惑を振り払うため苦しんでいた7月下旬に支持率が26%にまで低下したことを考えると、安倍首相の支持率の回復はきわめて印象的だと指摘しています。

 

安部首相は自分の政治生命を守るために戦っているという指摘もありました。
東京の国際基督教大学国際関係学部のスティーブン・ナジー准教授は、安倍首相が

「北朝鮮というカードを非常に抜け目なく利用している」と考えています。
「安部首相は日本の国民に対し、北朝鮮問題を扱う上で強力なリーダーシップを発揮している姿を演じ、さらには米国との安全保障関係の効果を強調しているのです。」


ナジー准教授はこう語り、次のようにつけ加えました。
「こうした安部首相の動きに合わせるように、ドナルド・トランプは今週の国連総会の演説で、北朝鮮人による日本人拉致問題を取り上げました。

「これは日本人にとって非常に感情的な問題であり、このタイミングで取り上げたことで安部首相の支持率を上げるために効果的に作用することになるでしょう。」

 

http://www.dw.com/en/japans-abe-using-north-koreas-threats-to-boost-election-chances/a-40598152

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真に平等で自由な社会、戦争の無い民主的な社会の実現を願っている人なら、連日報じられている新党設立の動き、安部自民党が強調する北朝鮮の脅威の拡声器の役割を喜々として担っているNHKなどの国内報道に対し、モヤモヤが晴れない日が続いているのではないでしょうか?

 

これまでご紹介したガーディアンの掲載記事の中には、すでに核兵器保有国である北朝鮮に対し『軍事的解決という選択肢は無い』とあり( http://kobajun.biz/?p=31681 )、北朝鮮が最も恐れるのは『中国が後ろ盾になった北朝鮮国内のクーデター』だ( http://kobajun.biz/?p=31697 )とありました。

こうした分析こそ冷静な的を得たものだと思うのですが、日本国内の報道の多くはそうではありません。

まさに『北朝鮮を選挙の道具として、安倍首相が最大限に有効活用できるよう』な報道を展開しているとしか思えません。

 

そしてリベラルな立場をとる政治家を、ドサクサに紛れこの際政界から駆逐しようとするかのごとき『新党結成』の動き。

そうしたやり方は議論することを頭から否定する姿勢の裏返しであり、安部自民党と本質は変わりません。

 

このような政権、このような報道体制、そしてこのような政治の流れが続けば、今後私たちの国はどうなるのでしょうか?

今度の選挙『棄権という選択肢はあり得ない』、そうではありませんか?

【 国難突破?!いいえ…野党弱体・混乱の機に乗じる突然の解散総選挙 】

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所要時間 約 10分

安部首相への追い風となって猛威を振るう『北朝鮮の脅威』

自民党が勝つか負けるか、その要因は徹底して野党の側にある

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年9月25日

安倍首相は野党の混乱が自分に有利に働くと判断し、大陸間弾道ミサイルと核兵器開発を急速に進める北朝鮮への強硬な姿勢を支持するよう国民に求め、突然の解散総選挙に打って出ました。

安倍首相は25日、テレビで行われた記者会見で、今回の選挙では社会保障制度への出費計画と朝鮮半島危機への対応姿勢に対する評価が下されるだろうと語りました。

そして連立与党が過半数を獲得できなければ、首相を辞任すると付け加えました。

安部首相は日本の急速な高齢化と北朝鮮の状況を踏まえ、

「強力なリーダーシップを発揮し、国家的危機に自ら立ち向かうため最前線に立つ。」

と述べました。

「これは国家の指導者としての私の責任であり、首相としての私の使命です。」

 

安倍首相は、2019年に予定されていた消費税増の一部を日本が抱える巨額の公的債務の返済ではなく、育児と幼児教育に転用すると述べましたが、一方では財政改革の努力も続けると語りました。
同時に10月22日に開催される衆議院選挙が北朝鮮情勢の緊張が高まる中で政治的な空白を作り出す危険性があるという批判を否定しました。
「北朝鮮の脅威に屈してはならない。」

と述べ、次のように続けました。

「今回の選挙で改めて国民の信任を獲得し、強力な外交を推進する。」

解散総選挙は安倍首相率いる政権与党自民党の代わりに、保守系の別の選択肢として候補者を立てることができる小池百合子東京都知事が率いる新党誕生から数時間後に発表されました。

防衛大臣の経験もある小池氏は、新たに結成した「希望の党」には、旧態依然とした特別なしがらみはないと語りました。

小池氏は、「北朝鮮情勢を考えると、日本は今困難な時期に直面している。」

と語り、こう続けました。

「経済面で世界は大きな動きを見せているが、日本の存在感は徐々に弱まっている。私は明日への希望があると日本人が確信できる状況を作りたい。」

小池氏の党には他の野党から離党して参加する動きがすでに出ています。

内閣府副大臣を務める福田峰之氏は9月、小池氏の党に合流する最初の自民党を離党者になると語りました。
参議院より力を持つ衆議院議員選挙の投票は、北朝鮮との緊張関係が一気に高まる中、予想よりも一年早く実施されることになりました。

北朝鮮は先月一カ月だけで日本の北部に2基の弾道ミサイルを発射した結果、日本国内では緊急時に対応するための様々な訓練と度重なる緊急警報が発せられる結果となり、安部首相は日本が「前例のない脅威」に直面していると警告しました。

日本経済新聞が9月第4週週末に行った世論調査によると、有権者の44%が総選挙で自民党を支持すると回答しました。

今年の夏の地方選挙での結果が全て不首尾に終わった最大野党の民進党は党首選挙を余儀なくされましたが、投票すると答えた有権者はわずか8%でした。

 

しかし特筆すべきことは回答者の20%はまだ投票する政党は未定だと答えており、これらの人びとの動向次第では小池氏の新党が国政選挙の結果に大きな影響を与える可能性があります。

当落ライン上にいる自民党の候補者をさせるため、小池氏の新党は数十人の候補者の擁立について野党間で協力しあう可能性がとりざたされています。
小池氏の新党希望の党の前身である都民ファーストの会は7月に行われた東京都議会選挙で安部首相と政権与党自民党に屈辱的結果を与えましたが、これまでの活動は東京都内に限定されており、国政の場で安倍首相に対し本格的な挑戦を行うまでの勢力にはならないだろうというのがアナリストたちの見方です。

 

「日本には真に対抗勢力の名に値する野党はありません。自民党はこびとの国にいるたったひとりの巨人です。安倍首相が突き進む路線に立ちはだかるものがあるとすれば、それは大きなスキャンダルです。」

東京にあるテンプル大学のアジア研究部門の責任者であるジェフ・キングストン教授がこう語りました。

アナリストの中には、過去1年間に英国と米国で起きた衝撃的な結果が日本では起きないという見方を否定する人もいます。

ベテランの独立系政治アナリストである森田実氏は、

「安倍首相の大きな賭けは、大きな驚きをもたらす可能性があります。」

と語りました。

 

安倍首相は自衛隊を海外に派遣し、世界の紛争地帯で積極的な役割を果たすため、日本の戦後憲法を改定したいという強い願望を持ち続けてきました。

安倍首相は戦後アメリカの統治の下で制定された日本国憲法第9条がこうした活動を厳しく制限していることに対し、保守的な立場から批判を繰り返してきました。

安部首相の支持率は今年7月に30%台にまで低下しましたが、憲法の海底を国会が発議するために必要な議席数の3分の2という絶対的優位の「過半数」を失ったとしても、連立与党が過半数を維持することは充分に可能だと見て賭けに出たものと思われます。

 

一部のアナリストは自民党連立政権が安部首相が憲法改定を進めるために必要な3分の2の議席を失う危険性があると述べましたが、そうなれば安倍首相の多年の宿願にブレーキがかかることになります
BMIリサーチのアナリストである佐野氏は、

「安倍首相の楽観的見通しにもかかわらず、急な解散総選挙の実施にはリスクがあります。」

と指摘しました。

しかしウィズダムトゥリー・ジャパンの責任者であるジャスパー・コール氏は、自民党が絶対優位の過半数を維持する可能性を排除するのは間違っていると述べました。

「野党は混乱しており、議員候補者が著しく不足しています。そこに北朝鮮の核開発の脅威とこの問題に対する中国の対応が追い風となり、安部氏への感情的な大衆支持が形成されることになるのです。」

 

https://www.theguardian.com/world/2017/sep/25/japans-pm-shinzo-abe-calls-snap-election

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読み終えて解消されないもやもやのようなものが残る記事ですが、それが一面の真実だという事でしょう。

しょせん日本の政治はポピュリストによるポピュリストのための政治だと切って捨てても、その実害を被るのは私たち一般国民です。

今回の総選挙にも1,000億円を超える国の予算が投じられるわけですが、私たちの給与からきっちり減額されるいずれかの税金からその費用は支払われるはずです。

 

そして国政選挙の度、タイミングを合わせるように安倍政権が国家予算をつぎこむ『大型景気刺激策』を打ちだすこと(下の記事)に、お気づきですか?

個人的に思っているだけで根拠を示すことはできませんが、これは選挙後に自民党候補を『勝たせた』選挙区の支援業界などを中心に、公的補助金・助成金名目でばらまかれるのではないでしょうか?

その出所も私たちが納付している税金なのです!

日本の納税者が仮に6,000万人だとすると、私たちは1人当たり33,000円以上の負担を求められることになるのです。

ここの所、本気で怒らなければならないところだと思うのですが?

 

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【 安倍首相、衆議院解散に先立ち2兆円規模の景気刺激策を発表 】

選挙期間中、有権者の歓心を買うために利用される可能性がある

 

ロイター 2017年9月25日

安倍首相は今年末までに2兆円規模の新たな景気刺激策を策定するよう命じました。

安倍首相は諮問委員会との会談でこの予算パッケージは教育、育児費用の補助、生産性向上のための企業の整備投資の拡大に焦点を当てるべきだと述べました。

安部首相はこの後、政権支持率の回復と野党勢力が混乱に陥っている機会をとらえ衆議院の解散総選挙を宣言する予定になっており、この景気刺激策が選挙期間中、有権者の歓心を買うために利用される可能性があります。

 

http://uk.reuters.com/article/uk-japan-economy-abe-stimulus/japan-pm-abe-announces-17-8-billion-economic-stimulus-package-idUKKCN1C003Y

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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