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トランプの貿易戦争・次のターゲットは?日本

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所要時間 約 7分

トランプ「日本がこれまで貯め込んだ貿易黒字を吐き出させてやる…」
「一体どれほどの金額をアメリカに支払わなければならないか、私が思い知らせてやる」

ドイチェ・ヴェレ 2018年9月7日

ドナルド・トランプ米大統領は引き続きアメリカの貿易赤字を減らすことに力を入れており、次の目標し日本である可能性があります。
トランプは日本政府に貯め込んだ貿易黒字を吐き出させたいと周囲に語っていると米国の新聞が伝えました。

 

中国、EU、カナダ、そしてメキシコ、トランプは多方面で貿易戦争を戦っていますが、米国のビジネス紙ウォール・ストリート・ジャーナルは次の戦いの相手として日本が浮上してきていると伝えました。

9月7日のウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された編集補佐のジェイムズ・フリーマン氏のコラムは、トランプは2017年の日本の688億ドルの対米貿易黒字について、今年も目立った「改善」が得られる見込みがないことを「問題」視しています。

 

フリーマン氏は大統領と直接会談した際、同氏が米国経済に対して肯定的なコメントを寄せたことに感謝の意向を伝えた際、アメリカがアジア諸国と概ね「良好な関係」を維持していることを評価しました。

「しかしもちろん、彼らが一体どれほどの金額をアメリカに支払わなければならないか私が思い知らせてやれば、そんな関係はすぐに終わってしまうだろう。」
トランブの発言をフリーマン氏はこのように伝えました。

このニュースを受け市場では主要な同盟国を相手にアメリカの貿易赤字額を減らそうとする取り組みの中で、トランプが世界第3位の経済規模を持つ日本に狙いを定めたとの推測が広がり、ニューヨーク取引市場の午後の相場で日本の通貨は直ちに反応しました。

これまで数多くの会談を行ったり共にゴルフをしたりと日本の安倍首相との間には親密な関係が築かれていると周囲を思わせてきただけに、トランプの発言は周囲は少なからず驚かせることになりました。

 

▽ 中国は引き続き主要目標である

 

日本に対するアメリカの貿易赤字額は依然として大きなものですが、5年前の733億ドルと比較すると多少減っています。
2018年7月末までの時点では、さらに約400億ドルまで減少しました。

 

これに対し、米国の対中国貿易赤字額は今年7月に368億ドルとなり、過去最高の10%の増加を記録しました。
欧州連合(EU)に対する貿易赤字額も、前月比50%増の176億ドルに達しました。

 

トランプは米国大統領に就任以来ずっと中国に照準を合わせ続けており、中国政府に政策の変更を迫り、より多くのアメリカ製品の輸入、そして年間3,350億ドルの対米貿易黒字を削減するよう圧力を強めてきました。

アメリカ政府は9月7日に期限切れとなった2,000億ドルに達する懲罰的関税に代わり、中国に対する一連の新たな経済制裁措置を準備していると見られます。
これは年間約5,000億ドルにのぼる中国からの輸入品のうちね2,500億ドルを対象としたものになると見られています。

これに対し中国商務省はすでに報復措置を行うことを公表、その中には米国から輸入品に600億ドルの関税をかける措置が含まれています。
これまでのところ、中国は米国が行う制裁関税に対し1ドルごとに同じ1ドルの割合で報復してきましたが、米国からの輸入総額は年間2,000億ドル以下のため、トランプが行っている制裁措置に対していずれ報復の余地がなくなることになります。

 

▽ 企業経営者たちの怒り

 

しかしアメリカの企業各社は、トランプが行っている貿易戦争に懸念を深めており、関税の報復合戦から手を引くよう求めています。

 

米国の技術系企業であるシスコ、デル、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ、ジュニパーネットワークスは9月7日、主要製品が中国政府の新たな懲罰的関税のリストに含まれるのを防ぐため、トランプ政権に対し政にぎりぎりの段階で要望書を提出しました。

4社はトランプと米国通商代表部(USTR)のロバート・ライトヒャー(Robert Lighthizer)に宛てた共同書簡で、ネットワーク機器に高額の関税が課されることになれば、小売価格引き上げにつながり、消費行動を鈍らせる結果につながると主張しています。

 

書簡には
「米国通商代表部が10%から25%の追加関税を課すことになれば、米国企業や労働者、顧客、米国の消費者はもちろん、米国の経済的・戦略的優先事項にまで悪鋭影響が幅広く、歪んだ形で及んでしまうことになります。」
と書かれています。

高額な関税の対象となる製品のリストには、クラウド・コンピューティング・データセンターに必要な多数のコンポーネント、完成製品が含まれています。
関税が課されればすぐにデータ処理と通信を処理するサーバー、ルーター、スイッチの価格上昇につながることになります。
打撃を受けると予想される他のコンポーネントには、米国の大手ハードウェアメーカーとGoogle、Amazon、Facebookなどのクラウドコンピューティング企業が輸入しているマザーボードとメモリー・モジュールがあります。

 

これら米国企業の共同声明は、米国の伝統産業の大企業が取り組んできたアプローチから逸脱するものです。
これらの企業ではこれまでは自分たちの事業に懸念を持ちつつも、トランプ政権の貿易政策についてはっきりと反対の意思を明らかする経営者はほとんどいませんでしたる

しかし先進的企業の経営者たちによる今回の声明は、そうした姿勢にはっきりと距離を置くものになりました。

 

https://www.dw.com/en/next-stop-in-trumps-trade-crusade-japan/a-45392469

気候変動による主要作物の栄養成分の変化、数億の人類が栄養欠乏の危険にさらされる!

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所要時間 約 8分

二酸化炭素濃度の上昇は地球規模で重要な作物の栄養価に重大な脅威をもたらす

気候変動による作物の栄養素の減少は『現在すでに緊急事態』である栄養不良・栄養失調の問題をさらに深刻なものにする

 

チャーリー・シールド / ドイチェ・ヴェレ 2018年8月27日

二酸化炭素濃度の上昇は地球規模で重要な作物の栄養価に重大な脅威をもたらす…

 

新たな研究結果が公表され、こうした作物によってやっと生きている世界で最も貧しい数千万から数億人の人々にとって、それは壊滅的なものになる可能性があるという結果が示されました。

新たな研究では大気中の二酸化炭素のレベルの上昇により数億人の人々が栄養欠乏の危険にさらされる可能性があり、開発途上国の健康の未来について深刻な疑問が生じています。

 

ハーヴァード大学公衆衛生学部のT.H.チャン氏の研究グループは8月27日に発行された気候変動ジャーナルに掲載した論文の中で、気候変動の広がりが人間が日常的に摂取している栄養成分にどのような影響を及ぼすか、その脅威の程度について詳細な報告を行いました。
今後数十年間に炭素排出量が劇的に減少しなければ、これから地球上の1億7,500万人が亜鉛欠乏症を起こし、2050年までには1億2,200万人が生きるために必要なタンパク質の摂取ができなくなる可能性があると推定しています。

 

これに加え出産適齢期の14億人の女性と5歳未満の児童が鉄分摂取量の4%を失い、貧血状態に陥る危険性があります。

注意すべき作物の栄養成分の変化

 

さらにこの調査は、水不足、気温上昇、二酸化炭素レベルの上昇などの気候変動が野菜、豆類、米などの栄養成分を変化させ、品質と収穫量に影響を与えていることを表す調査結果を報告する文献が増え続けていることを指摘しています。

現在世界の二酸化炭素(CO2)レベルは400ppmを少し上回っている状態です。

 

もし将来CO2レベルが550ppmに達した場合、その環境下で作物を栽培すると現在の作物に比べ、タンパク質、鉄、亜鉛の濃度は3~17%低下してしまうことになります。

気候学者は今すぐCO2排出量の削減に取り組まなければ、その濃度は2100年までに1200ppm以上に上昇する可能性があると予測しています。

 

世界最貧地域で生きるリスク

 

様々な分野でテーマごとの研究が行われているにもかかわらず、それらを総合し地球規模で人類全体の健康にどのような影響が及ぶのかというテーマについての研究はほとんど行われていません。

このハーヴァード大学の研究グループは世界の151カ国における低栄養摂取による健康への影響を評価するGENuS(Global Expanded Nutrient Supply - 世界全体の規模の栄養供給)のデータベースを使用して、米、小麦、ジャガイモなどの主食となる作物の栄養素が減少することにより、最もダメージを受ける可能性のある地域についても検証しました。

 

その結果についてハーヴァード大学プラネタリー医療保険組合の責任者であり、今回の研究の共同責任者であるサミュエル・メイヤー氏はドイチェ・ヴェレの取材に対し、次のように答えました。
「気候変動による他の様々な問題の最大の被害者と同様、『最貧国』の人々が最も大きな影響を受けるでしょう。」
「栄養素欠乏症の限界に近づいている人々、そして必要なミネラルや特定の栄養素についてかなりの部分をこれらの主食作物に依存している人々にとって、今回の発見は極めて重要です。」

 

米と小麦のような主要作物は世界中の30億人以上の人々にとって大切な食糧源です。
多様な食事を用意できない貧しい国々の多くの人々が、カロリー摂取のほとんどをこうしたこれらの主食穀物をに依存しています。
これらの『食物の多様性が低い』鉄や亜鉛やタンパク質の豊富な『動物性タンパク摂取の機会がほとんどない』人々こそ、作物の栄養不足によってもつとも深刻な被害を受けることになります。

そして最大の被害を受けると予想される国は、21世紀半ばまでに亜鉛が不足している人口が5,000万人、タンパク質欠乏症が3,800万人、鉄欠乏症に陥っている女性や子供が502万人になると推定されているインドです。

 

▽ 世界的に栄養失調が「極度に悪化する」

 

現在すでに地球上の20億人が栄養不足に陥っています。
これとは別に必要十分な栄養価のある食事ができていない人々が約8億1,500万人、新鮮な野菜の摂取量が十分でないことにより死亡する人が毎年150万人に上っています。

ドイチェ・ヴェレの取材に応じたワシントン大学で世界規模の健康問題について研究しているクリスティー・エビ教授がこう語りましまた。
「このまま何もしなければ、気候変動による作物の栄養素の減少は『現在すでに緊急事態』である栄養不良・栄養失調の問題をさらに深刻なものにする恐れがあります。

 

エビ教授はさらに鉄分の不足が鉄欠乏性貧血を引き起こし、「心不全や発達障害などの重篤な合併症を子供たちに引き起こす可能性があります。」と述べています。
そして亜鉛の欠乏は「食欲減退と嗅覚の喪失につながり、ケガや傷が治りにくくなり、さらには免疫機能の障害」につながる可能性が高くなります。
「亜鉛は人間の成長と発達を支える重要な微量栄養素であり、妊娠中の女性の健康維持と子どもの成長には食事による十分な摂取が重要になります。」

▽ 世界全体の問題

 

しかし主要な作物の栄養不足の影響を受けるのは発展途上国だけではありません。
この調査の結果は、世界中の保険衛生と食料の必要な量と質の確保にはっきりと悪影響を与えるものです。
エビ教授は、地球温暖化による作物の品質の低下は『人間すべてに悪影響を与える可能性』を持っています。

肉、穀物、果物、野菜を含む多様な食事は、十分なビタミン、微量栄養素、およびタンパク質を摂取するために最低限必要な条件です。

しかしエビ教授は「それだけの質と量が確保された食生活は、すべての国の貧困人口に行き渡らない可能性があります。」と指摘しています。

 

地球温暖化による作物の品質の低下が先進国と発展途上国の両方の人々に悪影響を与える可能性があるにもかかわらず、ハーヴァード大学のマイアーズ氏は富裕国の国民と研究チームの今回の調査結果の間には「互いに関連する道徳的要素」があると語ります。
マイヤーズは、「私たちが家の中を暖かくする方法、何を食べるかという選択、移動手段、何を購入して消費するかという選択」が結果的に「食品の栄養量を減らし、他の場所で暮らす人々と将来の世代の健康に影響を与える」可能性があることを肝に銘じるべきだと語りました。

 

「アメリカや中国など大規模経済国家の行動が、世界で最も弱い立場の人々を危機的状況に追い込んでいることを理解する必要があります。」

 

https://www.dw.com/en/climate-change-threatens-crop-nutrition-puts-millions-at-risk/a-45245760

ハラハラしながらトランプの顔色をうかがうアベ・ジャパン《後編》懸念が深まる日米同盟の行方

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所要時間 約 10分

日本の軍事費を現在の倍以上に増額しようとしている与党自民党

日本の首相があれだけ媚びへつらっても、トランプは日本にどんな保証も与えはしなかった

 

エコノミスト 2018年9月6日

これまで日本とアメリカは様々な問題で小競り合いをしてきましたが、安全保障と貿易関係だけは別でした。
しかし今、トランプは経済問題で有利な条件を引き出す材料として安全保障問題を利用する準備が整ったようです。

 

日本政府当局者は現在、極めて強固だった軍事同盟をトランプ率いるアメリカがどのように貿易問題の取引材料として利用しているか、注意深く見守っています。

 

そして要求通りに軍事支出を増強しないNATOの加盟国に対してはアメリカは防衛の義務を放棄すると脅している手口についても注視しています。

トランプはアメリカ軍の韓国駐留経費についても不満が蓄積しています。
この点を見て日本政府関係は同様に日本国内の米軍基地の諸経費についても、トランプが同様の考えを持っているのかどうか測ろうとしています。
「NATO加盟国に起きたことは、遅かれ早かれ日本でも起きるでしょう。」
元駐米大使の加藤良三氏がこう語りました。

 

日米間の同盟関係が決裂するまで悪化すると見ている関係者はほとんどいません。
しかしトランプの予測不能な行動は、日本の政治指導者が独立した積極的な外交政策を展開する努力を強めるよう促しています。
その中には隣り合う巨大な存在との関係を修復することが含まれています。

昨年末に東南アジア・サミットの際に合わせ開催された安倍首相と習近平国家主席の首脳会談以降、世界第2位の中国と3位の日本との政府関係者同士の交流のテンポが高まっています。

10月には安倍首相が日本の首相として7年ぶりに中国の首都北京を訪問する予定になっています。

 

また北方領土をめぐる争いが続いているロシアとの関係を改善するため 9月10日、ウラジオストクで開催される経済フォーラムに参加する予定を立てています。
この間彼はロシアのプーチン大統領に加え、習近平国家主席と会談する可能性が取りざたされています。

 

安倍首相にとってアメリカの外交政策に関する最も大きな誤算は貿易分野におけるものでした。
安倍首相はトランプがアメリカはもはや環太平洋パートナーシップ(TPP)の一員ではないと宣言し、TPPから離脱してしまったことを無視してきました。
それでもなんとか安倍首相はアメリカを除く10カ国で貿易協定を締結するところまでこぎつけました。
安倍首相は加盟各国に対し協定の批准のスピードアップを促しています。

これとは別に7月には数年越しの厳しい交渉を経て、日本はEUと世界最大規模の相互自由貿易協定を締結しました。
安倍首相はトランプの保護貿易主義的指向に対抗する動きとして、これを歓迎しました。
さらに日本はもう一つの貿易協定であり、ASEAN加盟10カ国と他の複数の国が参加するアジア地域包括的経済連携に力を入れています。

 

しかし安全保障分野では日本は米国の傘下にとどまり続ける以外、現実的な選択肢は無いと考えています。
そして安倍首相は実際に、日本国憲法による制約があるものの海外の紛争地帯で日本の自衛隊がアメリカ軍と共同軍事行動ができるよう安全保障関連法案を成立させ、アメリカとの軍事同盟関係を強化しようとしています。

 

安倍首相は戦闘によって自衛隊員が犠牲になることは避けたいと思っています。
昨年平和維持活動に参加させるため自衛隊員を海外派遣した際は、隊員が殺害されたら辞任すると約束していました。

日本は他の軍事パートナーとの関係構築も行っています。
いわゆる Quadは日本、アメリカ、オーストラリア、インドの間で進展している安全保障パートナーシップであり、メンバー間の協力を強化すること急務であるとされています。
NATOや欧州各国、特にイギリスやフランスとも防衛協力の強化について話し合いを進めています。
先月イギリスは東南アジア地域における軍事協力を強化する一環として東南アジアに3隻の駆逐艦を派遣しました。

 

日本自身も防衛力を強化しようとしています。
8月には、米国のミサイル迎撃システムを装備した新型駆逐艦を投入しました。
そして2023年までに同じくミサイル迎撃システムの陸上版であるアメリカ製のイージス・アショアの導入が計画されています。
軍事アナリストによれば、北朝鮮に対して使用可能な空中発射巡航ミサイル、そして米国製のF-35戦闘機を追加購入も計画されています。

 

与党自民党は、NATOが設定した目標であるGDPの2%に相当する金額にまで軍事費を増加させたいとしています。
ただし、NATO各国の多くはこの『目標』を達成していません。
NATOの欧州メンバーの平均1.3%、アメリカの3.1%と比較すると、2017年に日本が軍事費に費やしたのはGDPの0.9%でした。

これらの取り組みは大統領になる前、アメリカが攻撃された場合日本は「家にいたままソニー製のテレビを見ている」可能性があると嘆いたトランプを喜ばせるに違いありません。

アメリカは長い間、日本に対しもっと軍事費を増額し、隊員が射殺される可能性がある場所に自衛隊員を派遣してはならないという日本国憲法による制約を放棄するよう、日本に迫ってきました。

 

しかし、トランプが大統領であり続ける限り、日本は現在のアメリカが信頼できる友人なのかどうか心配しなければならないでしょう。
元太平洋軍司令官のブレア氏が次のように語りました。
「かつて日米間にちょっとしたいさかいはありましたが、日米双方が同盟関係の改善に取り組み、充実した中身に仕上げる必要があることを常に理解していました。」

 

しかし現在の日米両国の政府関係者に、その理解が引き継がれているかどうかは分かりません。

 

[完]
https://www.economist.com/asia/2018/09/08/japan-is-worried-about-its-alliance-with-america

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中国の『軍事的台頭』について、中国の友人たち(一人は杭州市の病院長、一人は南京市の大学教授、一人は太原市の私立学校長)に尋ねたことがあります。

彼らは一様に顔をしかめ、快く思っていない、困ったものだという感想を漏らしました。

 

国内には、中国の軍備が膨張していく様子を見て、さあ大変だ日本は危ないぞと煽って回る連中がいます。

世界地図を見ればわかることですが、日本列島は中国の東側にフタをするように横たわっており、その結果中国としてはアメリカのシーレーンに対し、海軍力を強化することによって南シナ海において外洋との接続レーンを確保する路を見出したいというだけの話のように思えます。

尖閣で揉めるのは、そこに新たな不安定要因を持ち込ませたくないというあたりが本音かとも思います。

陸軍は対ロシア、対ベトナム、そして西方の少数民族に対する押さえというあたりがその本質ではないでしょうか。

 

ところが先ほどの国家主義者連中はまるで中国13億人が束になって攻め込んでくるかのように煽って回っています。

その結果を客観的に見れば、信じられないほど高額な武器を大量にトランプに売りつけられているだけ。

 

1930年代に現実以上に『敵の脅威』を煽ってまわった結果、日本人は1944年から45年にかけ、世界のどの国も体験しなかった地獄に突き落とされました。

21世紀に国境を越えた向こうにいる相手との諍いを軍事紛争にまで発展させてしまったら、それ以上の地獄が待っているはずです。

 

ユーゴスラビアの解体やシリアの内戦で、どれだけ多くの人間がどれほど悲惨な目にあったか、私たちはこの目で見てきました。

世界規模ではユーゴスラビア、シリアは『小国』扱いになるでしょうが、それでも起きたことの悲惨さはまさに戦慄すべきものでした。

もし日本と中国の間で武力紛争が起きれば、その何十倍、いや何百倍の凄惨な地獄が作り出されるに違いありません。

 

対外紛争の解決に『戦争』の二文字はない、私たち日本人はその前提があってこれまで70年間の繁栄と平和を可能にしてきました。

今ここで、それを大転換しなければならない積極的理由はありますか?

ハラハラしながらトランプの顔色をうかがうアベ・ジャパン《前編》懸念が深まる日米同盟の行方

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所要時間 約 9分

トランプはこれまでずっと東アジア地区において安倍首相の存在を無視する外交を展開し、最大の屈辱を与えてきた
自動車輸出にまで高額の関税をかけられてしまったら、アベ外交のぶざまさは忍耐の限度を超えてしまう

 

エコノミスト 2018年9月6日

広島からそう遠く無い場所にある岩国基地にある管制塔に登ると、海軍と言う言葉の日本式婉曲的表現である海上自衛隊とアメリカ海兵隊が共同所有する巨大施設を1峯することができます。
眼下にある滑走路からアメリカ海兵隊のF-35戦闘機が空に向かって舞い上がっていきます。
すぐ近くに見える格納庫にあるのは、最新鋭の水上機です。

 

これまでの10年間で岩国基地はみるみる大規模な施設になってきました。
アジア太平洋地区に展開する米空軍にとって最大拠点の1つであり、約5,000人の米軍兵士と一緒に約1,500人の日本人スタッフが働いています。

岩国基地は、日本国内にある米軍基地としては異例の日米両国が共同で使用する形をとっています。

 

岩国基地は日米間の安全保障関係がどのように強化されているかを表す存在である、この基地のアメリカ軍の最高幹部であるリチャード・フュスト大佐と日本側の最高幹部である森田義和大将が異口同音に語りました
岩国に配属されているアメリカ海兵隊員たちは、数年前と比べ自衛隊との共同訓練の頻度が高くなっていると語りました。

共同訓練が頻繁になっているのは日本国内の他の軍事拠点でも同様であり、戦闘パイロットはもちろん、サイバー攻撃を担当するデスクワークの自衛官・兵士もまた同じです。

かつての太平洋軍司令官で米国のシンクタンク・笹川平和財団のデニス・ブレア氏は、日米間の軍事的連携はこれまで以上に緊密になっていると語りました。

 

米軍による防衛協力をかつて無いほど必要だと考えている日本にとって、これは幸運なことです。

中国は現在もなお1930年代から1940年代にかけて日本が行った侵略行為に対する憤りを隠そうとせず、そのことが東シナ海の島々の領有権をめぐる紛争の一因となっています。

 

中国の軍事力は急速に増強されており、アジア地区における覇権国家としてアメリカに取って代わることを熱望しているようにも見えます。
一方、北朝鮮は日本全国のどこであっても核兵器攻撃ができる軍事力を持っています。

 

日本はロシアとの間では、第二次世界大戦を正式に終結されるための平和条約の調印を行っていません。
日本政府関係者は9月中旬に、シベリアでロシアと中国が大規模な軍事共同演習が行われることについて懸念を深めています。

さてその日米同盟ですが、ドナルド・トランプ大統領(冒頭の写真 : まるで使用人のような態度をとっている安倍首相の向かって右側の人物)一人のせいでこれまでにないほどのストレスにさらされています。
日本政府が心配しているのは、トランプ政権が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記と予告なく合意を形成し、米国の安全だけを確保し日本に対するミサイル攻撃の危険性が解消されないという事態です。

 

最近の北朝鮮の核開発問題をめぐる各国の首脳級の外交において、日本はほとんど蚊帳の外に置かれていると感じてきました。
事実、安倍首相の外交特別補佐を務める河井克行氏は、6月のシンガポールで開催されたトランプ・キム首脳会談について日本に警鐘を鳴らす出来事だったと語りました。
会談後、トランプ氏は韓国との合同軍事訓練の中止を発表し、朝鮮半島から米軍を撤収する考えを示しました。
「日本が新しい安全保障環境に入ったことは決定的となりました。」

 

この問題についてトランプはやりすぎだと考えている関係者はほとんどいませんが、同盟国に対するこれまでの米国の対応に常に疑問を呈し、日本の繁栄を許したのは世界経済秩序のあり方に問題があるというトランプの信念について、日米両国の関係者は憂慮していることを隠しません。
しかし彼らはまだ公然とその懸念を公のものにしたいとは思っていません。

例えば河野太郎外相は、安倍氏とトランプ氏の間の個人的な親密を指して、日米の同盟関係が「かつてないほど強いものになっている」と称賛しています。
そしてトランプがどの国の国家元首よりも日本の首相と多くの時間を共にしているとも語っています。

2月14日、トランプと安倍首相は北朝鮮問題を軸に電話で1時間以上会談しました。
河野氏はバレンタインデーでのこれだけ長い時間のチャットは、自分は妻とだってしたことがないと冗談交じりに語りました。

 

日本の一部の関係者は私的な見解だと断った上で、トランプがアメリカは同盟国を含む世界各国にいいとこ取りされてしまっている上、アメリカ軍が世界中に展開している現状にも憤慨していると解り、だいぶ狼狽したと語りました。
しかし日米関係に詳しい人間は、日本に駐留するの54,000人のアメリカ軍の任務は日本の防衛だけではなく、東アジア地区のアメリカの覇権を守るためであることをトランプが理解していないようだと語りました。

 

そして今、最も危険な暴風雨になろうとしているのが貿易問題です。
トランプ氏はアメリカの貿易赤字へのこだわりが強く、最大の相手国の一つが日本です。
2017年の対日貿易赤字は700億ドル近くに上りました(図表参照)。
トランプが望むのは農産物の輸入関税引き下げを日本に押しつけることです。

日本は目下抵抗しています。
日本側はトランプが貿易収支だけでなく、アメリカに対する日本への投資規模も検討材料とすべきだと主張しています。
日本企業はアメリカ国内で毎年380万台の自動車を生産していますが、その数は日本からアメリカへの輸出台数の2倍以上になります。

 

しかし、元太平洋軍司令官のブレア氏(バラク・オバマ大統領時代の国家情報機関長官)は、鉄鋼とアルミニウムの関税強化から日本が免除されなかったことは、次に来るはずの事態の「舞台稽古」のようなものだと語りました。
日本は中国とは異なり、トランプの世界の自由貿易体制に対する横暴に対しては耐え忍ぶだけで報復しないようにしています。
しかしもしアメリカが自動車に25%の関税を適用することになれば、本人も語っていますが安倍氏といえど何らかの対応をしないわけにはいかなくなるでしょう。

 

過去6年間で日本の対米自動車輸出は倍増し、400億ドルに達しています。
すでにトランプはこれまでずっと東アジア地区において安倍首相の存在を無視する外交を展開し、最大の屈辱を与えてきました。
その上自動車という重要な輸出品目にまで高額の関税をかけられることになったら、安倍首相のぶざまさは忍耐の限度を超えてしまうかもしれません。

 

《後編に続く》
https://www.economist.com/asia/2018/09/08/japan-is-worried-about-its-alliance-with-america

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このところ掲載記事の公開日時の設定に関して度々間違い、先に公開予定のまだ編集中のものが意図せず掲載されるミスを何度か繰り返しました。

ご覧の皆様にはご迷惑をおかけしていますが、ご容赦ください。

福島第一原発「放射線被曝による死亡」をやっと認めた日本

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所要時間 約 6分

肺がんにより死亡した福島第一原発の事故収束作業員の家族に補償金の支払命令

これまで放射線被ばくが原因の疾病発症を認められた作業員の数は4人、死者は初めて

ロイター/ ガーディアン 2018年9月5日

 

日本政府は、2011年の東日本大震災発生の際、地震と津波によって破壊された福島第一原発の事故収束作業に当たっていた作業員が、放射線被ばくによって死亡したことを初めて認めました。

 

2011年3月、マグニチュード9.0の地震によって発生した津波は約1万8,000人の命を奪うと同時に、東京電力福島第一原子力発電所において25年前に発生したチェルノブイリの原発事故以来、世界最悪となる原子力災害を引き起こしました。

 

そして今回、日本の厚生労働省は肺癌で死亡した50代の男性の家族に賠償金を支払うべきであるとの判断を下したと、同省の職員が明かしました。
この作業員はこれまで日本各地の原子力発電所で働いてきましたが、東京電力福島第一原子力発電所では2011年3月に原子炉がメルトダウンして以降、少なくとも2回働いていたことが確認されています。


この男性は2016年2月に癌と診断されたと政府関係者が語りました。

 

厚生労働省はこれまで福島第一原発で働いていた4人の労働者の病気の発症が放射線被ばくによるものであることを認定していますが、死亡したのはこの男性が初めてだとこの職員が語りました。

 

福島第一原発の原子炉のメルトダウンにより、周辺市町村で暮らしていた16万人以上の人々が自宅からの退去を余儀なくされました。
それ以降これまで数百から数千の人々が命を落とす羽目になりましたが、その原因は事故発生後の混乱しきった状況、原発難民としての苦しい生活、そして将来を見通せない生活からくる精神的ダメージであり、日本政府は放射線被ばくによる死者は出ていないと主張してきました。

現在東京電力に対しては、福島第一原発の事故が引き起こした数かぎりない深刻な問題について補償を求める訴訟が日本各地で起こされています。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/sep/05/japan-admits-that-fukushima-worker-died-from-radiation

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北海道の大地震で大規模な地滑り[速報写真]

 

ガーディアン 2018年9月6日

北海道をマグニチュード6.7の地震が襲い、厚真町と札幌市を中心に大規模な地滑りが各所で発生しました。

上記の写真はいずれも厚真町内の大規模な地滑りの発生現場

上記2点は札幌市内の災害発性現場

札幌市内に設けられた携帯電話の充電ステーション

 

下記のオリシセなるサイトで大きな画像をご覧になることができます。

https://www.theguardian.com/world/gallery/2018/sep/06/earthquake-landslides-hokkaido-japan-in-pictures

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フェイスブックなどにお書きになっていらっしゃる方がいらっしゃいますが、農業生産高が1兆数千億の北海道がご覧の写真のような状況になっているにもかかわらず、安倍政権が決定した災害への対策金はたったの5億円。

これらの写真に掲載されている土砂を全部取り除くことすら出来ないかもしれません。

その事実は北海道地震の対策についてはうわべだけをつくろい、実質的には見捨てた、ということを自ら証明したことになるのでは無いでしょうか?

 

一方で安倍政権は4,000億円を超える米国製のミサイル防衛システムを買うこと(買わされる)の必要性については議論の余地など無い!という態度をとり続けています。

防衛省が次年度予算で購入するとしているF-35Aステルス戦闘機は1機150億円だと言われています。

 

安倍政権の下で生きなければならない私たちは肝に命じなければなりません。

 

現場に駆け付けてくれた消防、警察、自衛隊の人々は別にしても、大災害が起きても日本政府が本気で助けてくれることは無い。

所得税・住民税・消費税から介護保険料まで公的負担が一方的に増やされ続けているにもかかわらず、災害が起きたらその後のことは『自己責任』なのです。

そしてオリンピックや万博が開催される時は、イベントの盛り上がりを邪魔しないように被災者はただ黙って耐え忍んでいなければなりません。

 

日本国民である以上、これからは最先進国とはとても言えない理不尽な扱いを受ける覚悟が必要だということを、忘れないようにしてください。

 

北朝鮮は脅威!中国も脅威!何だって脅威!記録的金額の軍事予算を要求する安倍政権

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所要時間 約 8分

「中国の空軍力・海軍力も脅威」史上最大の軍事負担を国民に迫る安倍政権
180億円だったはずのミサイル防衛システムの導入費用、『トランプ・セールス』で4,200億円に暴騰

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2018年3月31日

日本の防衛省が北朝鮮の核・ミサイル脅威に対応し、さらには東アジア地区における中国の空軍力の拡大、海洋活動の活発化と規模の拡大に対抗するためだとして記録的な軍事予算を要求しています。

今年後半に閣議決定の上議会で承認されれば、昨年と比較して2.1%増の5兆3千億円の予算が成立し、安倍首相の下で7年連続の軍事予算増額が現実になります。

 

8月末に公表されたこの防衛省の予算には4,200億円のミサイル防衛システムの導入費用が含まれていますが、昨年は180億円だったはずのものが急激に増えています。
その内の大部分の2,334億円は、北朝鮮が発射するミサイルを追尾・迎撃する米国製のイージス・アショア・ミサイル防衛システム2セットの購入に充てられる予定です。

日本の正規軍である自衛隊は米国と日本が共同開発した射程距離と精度が改善されたされたSM-3ブロックIIA迎撃艦載機の導入費用、この高度な迎撃機と協同作戦行動を可能にするための高性能のジェット戦闘機と駆逐艦の導入も要求しています。

 

今年6月のアメリカ大統領ドナルド・トランプと北朝鮮の金正恩(キム・ジョンイル)との首脳会談が実現し、緊張緩和への道筋が見えてきましたが、日本は北朝鮮政府に対する強硬姿勢を維持しなければならないと防衛当局は主張しています。

日本は年度ごとの防衛見直しの中で、防衛省は北朝鮮は2016年の初頭以来3回の核実験と40発の弾道ミサイル発射を行うなど「深刻で緊急性の高い脅威」という事実に変わりはないとしています。

 

北朝鮮は昨年2基の弾道ミサイルを発射し日本の国土上空を通過させましたが、日本政府は住民に対し避難場所を確保するよう警告を発していました。

一方でこうした事態を見て、トランプは北朝鮮が核・ミサイル実験を行ったことを利用し、日本と韓国に対し最新鋭の米国製軍事機器を購入するよう促しました。

現在日韓両国には数万人規模の米軍が駐留しています。

 

安倍首相は北朝鮮が核兵器、弾道ミサイル開発を急いでいると語り、これこそ日本が防衛力を強化し、第二次世界大戦後自衛隊に課された憲法上の制約を取り払わなければならない証拠に他ならないと主張しています。

 

1945年以降米軍の占領下にあった中で編まれた日本国憲法は、国際紛争の解決手段として軍事力を使用することを禁じ、自衛隊の役割を日本を防衛するという目的に限定しています。

安倍首相ははこれまで憲法改正を明言してしてきましたが、2015年には同盟国を支援する必要が生じた場合に自衛隊が武力行使できるようにする、集団的自衛権行使を合法とする法律を制定しました。
これより日本は理論的には、第二次世界大戦以降初めて、国外での軍事力の行使が可能になったのです。

 

安倍首相は日本国憲法が課している様々な制約に反対の立場を明らかにしながら政治的キャリアを築いてきましたが、9月に実施される自民党の総裁選挙で予想通り勝利すれば、自衛隊の法的地位を憲法上明確にする作業を開始する見通しです。

さらに安倍首相は近年、日本を取り巻く安全保障環境が「より厳しく不確実」になったと述べました。

 

日本の防衛省の文書はシンガポールで行われたトランプとキムジョンウンの会談が画期的かつ重要性だと指摘したものの、日本政府の当局者は、北朝鮮指導者の曖昧な誓約について具体的進展は確認できていないと語りました。

日本は中国の防衛費の増加、南シナ海における軍事施設の建設、東シナ海で日中間の紛争の原因となっている尖閣諸島周辺での海洋活動を活発化させていることに神経を尖らせています。
そして中国空軍の戦闘能力の強化に対抗するとして、防衛省はF-15戦闘機への更新に540億円、F-35ステルス戦闘機6機の購入に920億円を要求しています。

 

中国政府は今年3月、中国軍の近代化の一環として8.1%増となる1.11兆元(約18兆円)の国防予算を発表しました。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/aug/31/japan-record-defence-budget-north-korea-china-threat

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今回の北海道地震を見て、自衛隊の装備について重大な疑問があります。

自衛隊は実質的な日本の正規軍ですが、一方では大災害の救助隊という性格を持っています。

私自身も東日本大震災を体験した際、被災地の至る所で自衛隊が救助・復旧作業に従事している姿を目にしましたが、その分市民の『安全確保』が早まったように思います。

 

しかし北朝鮮のミサイルはいつ、何のために飛んでくるのでしょうか?

ミサイル1基を発射するにしても北朝鮮には多額の経済的負担が発生するはずですが、それでも日本にミサイルを撃ち込むことによって彼らは何を手にすることができるのでしょうか?

どころか自分たちにはどんな利益もないのに、アメリカ軍に軍事力行使の格好の口実を提供することになり、自分たちの体制崩壊の引き金を引くことになるでしょう。

北朝鮮はしたたかですが、馬鹿ではありません。

 

日本は対中国・対北朝鮮という対立・緊張状態を演出し煽り続けることで、自民党一党支配を継続させてきた【 世界でただ一カ所、未だに核兵器を突きつけ合う場所 】という米国CNNの評論記事( http://kobajun.biz/?p=32547 )をご紹介したことがあります。

まさにその通りで、北朝鮮の脅威というのは、私は「可能性が限りなく低いバーチャル・クライシス」だと思います。

 

一方で東日本大震災以降今回の北海道地震まで、日本ではどれだけの数の大きな災害が発生したでしょう?

 

日本政府には現実に発生している脅威に、迅速・適切に対応していただきたい。

 

そのために必要なのは、トランプに根をつりあげられてしまつたイージス・アショアなどではなく、災害救助設備、被災地での安全確保設備ではありませんか?

 

 

 

 

「アベの利用価値はほとんど無くなった?」トランプ《後編》

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所要時間 約 12分

「これから同盟各国は、アメリカの国益を第一義に考えて行動しなければならない」…

的外れなことを一方的に主張するトランプ、安倍首相との個人的な関係は冷たいものに

 

ジョン・ハドソン、ジョシュ・ドーシー / ワシントンポスト 2018年8月28日

「安倍首相の補佐官達は、今やマティス国務長官の言うこともケリー大統領首席補佐官の言うことも耳に入れようとしないトランプの意向に従うしかないと諦めています。ましてホワイトハウスの安全保障問題の顧問であるジョン・ボルトン氏の影響力は極めて限られたものでしかありません。」

トランプ政治の先行きに対する不透明感はさらなる懸念へとつながっています。

 

トランプが上級補佐官の助言も無視し、北朝鮮との核交渉を軌道に乗せるため、沖縄や韓国に駐留しているアメリカ軍の存在も交渉のテーブルに乗せてしまう可能性すら懸念されています。
6月に急遽行われた安倍首相の訪米によるトランプとの会談の後、日本の当局者は自分たちが彼の意向を十分に理解しているということに自信を持っていたはずでした。

 

アメリカ政府当局者は、米国の軍事体制を変える計画が検討されていることを否定していますが、両首脳間で貿易交渉について厳しい応酬が続いていることについては当然のことだと考えています。

「トランプ大統領は安倍首相とは始めから打ち解けていました。」と述べた。
米国政府の高官がこう語りました。「トランプ・安倍両政権は、現在の世界を支えているシステムを維持していくための負担を世界中の同盟各国で平等に分かち合うため、互恵関係をなお一層強いものにするための仕組みを作り上げることに着手しました。これからも現在の世界の態勢の維持を望むのであれば、それは同時にメンバー中最大の存在であるアメリカのために機能するものでなければなりません。」

議論が白熱する中、安倍首相はトランプがその主張を明確にするのを待ちの姿勢で聞いていましたが、後になって会話の中で反論する機会をうかがうようになった、日本の政府関係者がこう語りました。
「安倍首相はもしトランプ大統領の発言を否定すれば、大統領の誇りを傷つけることになるだろうと理解していました。」
日本の外交官の一人がこう語りました。

 

別の外交官は、トランプの真珠湾攻撃に関する言及は意味が解らないと語りましたが、トランプが好んで歴史的事実について引用する傾向があり、特に日本の「サムライの過去」について語ることが多いと付け加えました。

 

「的外れなことを一方的に主張する傾向はあるものの、トランプの対日姿勢は大統領選挙の候補者時代からほとんど変化していません。」
ウィルソン・センターの日本専門家、ゴトー氏がこう語りました。

「日本経済に対する彼の見解は、今日の現実というよりは1980年代と90年代の認識に基づくものです。だとすれば彼の世界観、特にアジア地区に関する世界観が現実というよりは第二次世界大戦当時の認識に基づくものであっても、特に驚くことではないかもしれません。」

 

太平洋を挟んだ両国の関係者は日米関係の基盤は依然として強く、オバマ大統領と比べると安倍首相はより率直かつ頻繁にトランプと打ち合わせていると述べています。

しかし最も重要な経済問題と安全保障問題に対する日本政府の忍耐は限界に近づいているようです。

匿名の関係者の証言によると、日本側は今年の夏に北朝鮮当局者と極秘で会談を行ったことを米国側に隠していました。
これまで明らかにされていなかった秘密会議は7月にベトナムで、日本の諜報機関(内閣情報調査室)のトップ北村滋氏と北朝鮮の朝鮮統一担当部門のキム・ソングウネ国務次官との間で行われました。

 

米国の高官らは日本と北朝鮮との関係についてアメリカ政府が正確な認識ができなくなったとして、日本側がこの会談についてありのままの状況を隠していたことについて不快感を表明しました。

これに対し日本政府職員のひとりは、諜報機関同士の会談にコメントできるはずがないと述べました。

 

しかし日本側の複数の関係者は拉致被害者の帰還について交渉するためには、日本が果たすべき役割までトランプ政権に全て押しつけるわけにもいかないということを認めています。

 

そして貿易摩擦問題について打開点を見出したいという日本側の思いが強くなっています。
安倍氏は6月のホワイトハウスでの会談で、二国間貿易協定に進もうとするトランプに個人の判断で反論しました。

その1ヶ月後日本の菅官房長官はさらに強い言葉で提案を拒否しました。
「日本はいかなる国とも国益に反するような関係を構築することはしない。」
菅官房長官はこう語りました。

さらに日本の経済産業大臣が日本製の自動車に25%の関税を課すという脅迫をトランプが実行すれば、日本政府は報復するだろうと公の場で警告しました。

 

安倍首相はトランプとの個人的関係の構築に投資したことは後悔していないと、日本政府の関係者が語りました。
日本政府関係者は安倍トランプの個人的な関係がなかったら、日米間の緊張はさらに悪化していただろうと考えており、恒常的に防衛協力を強化する動きを続けるマティス国務長官を常々賞賛しています。
「極東地区の米軍の存在がなければ、日本は安全を確保することは不可能です。」
と日本政府の高官が語りました。
「好むと好まざるとに関わらず、それは動かせない事実です。」

 

英国のテレサ・メイ首相、フランスのエマニュエル・マルコン大統領など、トランプとの個人的な関係構築に多大な投資をしてきた各国の指導者たちも、様々な政策上の優先事項についてトランプに繰り返し拒否されてきましたが、対トランプ工作の費用対効果について分析を行ってきました。

米国政府の関係者はトランプの関係は悪化するのも早いが、劇的に改善する場合もある点を強調しました。

トランプは欧州連合(EU)との貿易の現状に怒りをあらわにしてきましたが、交渉継続のため訪米した欧州委員会ジャン=クロード・ユンカー委員長と思い切った合意を締結し、世界最大の貿易相手との間で大きな進展を実現させました。

「安倍首相とトランプの個人的な関係は悪化しています。しかし安倍首相がトランプに電話会談を申し込むのはまだかなり容易な状況で、事実かなり定期的に行われています。」
メリーランド州チェスタータウンのワシントン・カレッジの対日問題の専門家アンドリュー・オロス氏が語りました。

 

アナリストは関係が悪化を続けている原因について理由は簡単だと分析しています。
すなわちトランブが安倍氏を必要とする場面がますます減っていく中、逆に安倍首相がトランプを頼らなければならない案件の方は増える一方だ、と。

安倍首相は幅広い分野の問題をトランプのもとに持ち込みました。
拉致問題への協力と援助、米国が高関税政策を取ろうとする中での自国に対する関税の免除、イランとの核交渉から米国が撤退したことによりに生じた石油輸入制限の詳細の確認など、幅広い分野の要望です。

 

しかし現在3期目の首相就任を目指す安倍としては、日本が米国産農産物を無制限に受け入れるよう迫るトランプの要望を入れるわけにはいきません。
輸入農産物の自由化は日本にとっては非常にデリケートな政治問題だからです。

「大統領就任当初こそ安倍氏が首相として座っている日本から得るものがあったものの、現在ではさほどではなくなったようです。それに加え、度々色々と懇願してくる割にはトランプが求めるものを提供してくれない相手だと考えているのかもしれません。」

カーネギー国際平和基金の日本問題担当のジム・スコッフ氏がこう語りました。

 

https://www.washingtonpost.com/world/national-security/i-remember-pearl-harbor-inside-trumps-hot-and-cold-relationship-with-japans-prime-minister/2018/08/28/d6117021-e310-40a4-b688-68fdf5ed2f38_story.html?utm_term=.ebfd26c20543

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トランプの言う通りになどしたら、日本国民はアメリカの富裕層の下僕に成り下がるでしょう。

しかし安倍首相はアメリカの工作が自分に及ぶことが何より恐ろしいに違いありません。

自分を守るためなら、傀儡でも何でも気にならないのかもしれません。

ドイツのメルケル首相のように毅然たる態度をとることなど、永遠にないでしょう。

 

湾岸戦争が終わって四半世紀が過ぎ、イラクの首都バグダッドにはアメリカ企業の看板が林立していると言います。

そしてアメリカが劣化ウラン弾を使って攻撃したエリアでは、2010年代になってもたくさんの障害を持った子供たちが生まれているとも伝えられています。

あの戦争は本当に必要だったのでしょうか?

 

私が少年期を過ごした1960年代にアメリカはベトナム戦争の泥沼に入り込んでいきました。

1950年代に幸福を絵に描いたような生活を実現させたアメリカ社会は、どんどん壊れていきました。

薬物中毒がまん延し、PTSDの人々が社会の中にはっきりと存在感を現すようになりました。

多数の帰還兵たちの心がボロボロになっていことを、多数のアメリカ市民が身をもって思い知らされることになりました。

病的な犯罪が多発するようにもなりました。

 

アジアで挫折を繰り返したアメリカは、南米では悪魔以上の力を振るいました。

ニカラグアやチリではアメリカの『工作』によって、何万人の市民が虐殺されたか、答えはおそらく永遠に明らかにされないでしょう。

日本の右翼はなぜあんなに金を持っているのでしょう。

三流以下の雑誌が、なぜ頻繁に全国紙や地方紙の全面広告を掲載できるのでしょう?

「アベの利用価値はほとんど無くなった?」トランプ《前編》

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所要時間 約 9分

「安倍首相は完全に無視されていた」!

安倍首相の外交努力が何か功を奏したことはほとんどない

 

ジョン・ハドソン、ジョシュ・ドーシー / ワシントンポスト 2018年8月28日

6月のホワイトハウスで行われた会見の席上、緊迫した空気の中でトランプ大統領は安倍首相の不意を突くようにこう発言しました。
「私は真珠湾を忘れないよ。」
米国を第二次世界大戦への参戦に追い込むことになった、日本軍による奇襲攻撃に言及したのです。

 

その後トランプは日本の経済政策に対する辛辣な批評を始めました。
この時の会議の状況に詳しい人間が説明しました。
トランプは日本に対する米国の貿易赤字について不満をぶちまけ、安倍首相に向かい牛肉や自動車などの米国の輸出産業にとつてにとって有利になるよう、二国間貿易交渉を速やかに開始するよう言い渡しました。

 

安倍首相を憤慨させたこの会談で、トランプは世界の中で「最も親密な関係にある」首脳との関係が逆説的なものであることを証明しました。

2人の関係は『蜜月』と表現されるほど緊密なものでした。
トランプはどの国の首脳よりも多い8回安倍首相と会い、電話での会談は26回に上っています。

ホワイトハウスのある補佐官はゴルフをネタにこんな冗談を言っています。
トランプは世界中にその映像が流れたエピソード、一緒にゴルフした際にバンカーに転がり落ちた安倍首相をからかう一方、素早くバンカーから這い上がる安倍首相の様子を見てその俊敏さを褒めたのです。

トランプは安倍首相を抜け目のない交渉相手と見なしているように見えます。
そして安倍首相について「いいヤツだ」と表現しています。

 

「私はトランプ大統領が安倍首相を悪く言う場面をみたことがありません。他の国の多くの首脳については違いますが…。」
ホワイトハウスを始めとする米政府関係者、国務省職員、そして日本政府関係者らは異口同音にこう語りました。

今回の記事を書く際、日米の二国間交渉についてインタビューした際の彼らの反応です。

 

しかしここ数ヶ月は、トランプの北朝鮮への意表をつくようなアプローチ、日本の貿易慣行に対するしつこいほどの否定的な見解が、トランプと安倍首相の関係を合意形成ができない膠着状態に陥れ、日本政府の側は不満を募らせています。

こうした亀裂が生じたことは、トランプの「傑出した姿」と「卓越したリーダーシップ」をおおっぴらに褒め称え、3,800ドルもする金メッキゴルフクラブを気前よく進呈し、貿易摩擦について他の同盟各国がアメリカ製のバーボン、トウモロコシ、オートバイに対して素早く報復関税をかけたのとは対照的に日本製鉄鋼製品とアルミニウムにトランプが高額の関税を課す措置を取っても報復しないなど、トランプとの個人的関係の構築に重点的な投資を行ってきた安倍首相にとっては事態が失望しなければならない局面に入ってしまったことを意味します。

 

安倍首相の外交面での取り組みが何か功を奏したことはほとんどありません。

 

日本は金属製品の関税の暫定的免除を受けていない唯一のアメリカの主要な同盟国であり、今度は日本の自動車産業が高額の関税を課される可能性が出てきました。
これは自動車産業が稼ぎ頭というだけでなく国の産業の精神的支柱にもなっている国にとっては、容易ならざる事態です。

 

「安倍首相はトランプとの個人的な関係がそのまま強い二国間関係に発展することを望んでいました。しかし安全保障面と経済面の両方で、彼は大きな挫折に直面しているのです。」
こう語るのは、ワシントンのシンクタンクであるウィルソン・センターの日本専門家、ゴトー氏です。

環太平洋パートナーシップ(Trans Pacific Partnership)からの撤退による影響によって生じた損失を相殺するためにも、トランプ政権日本との強力な提携を必要とします。
TPPは経済的に好調な太平洋沿岸地区11カ国の中で、アメリカをあらためて中心的存在にするはずでした。

 

日本の政府関係者は会談中にトランプが間違っている経済データを基に話を進めた上、北朝鮮問題に対する日本の助言は断ると発言しました。
6月にシンガポールで開かれた歴史的な北朝鮮の金正恩総書記との会談の前、安倍首相は電話会談や会合の場で北朝鮮が非核化の具体的な措置を講じるまで、韓国との軍事演習を中止しないよう、そして朝鮮戦争を正式に終了させないよう、トランプに対し繰り返し助言してきました。

 

安倍首相に近い日本政府の関係者のひとりは「安倍首相は完全に無視された」と述べました。

 

「安倍首相の補佐官達は、今やマティス国務長官の言うこともケリー大統領首席補佐官の言うことも耳に入れようとしないトランプの意向に従うしかないと諦めています。ましてホワイトハウスの安全保障問題の顧問であるジョン・ボルトン氏の影響力は極めて限られたものでしかありません。」

トランプ政治の先行きに対する不透明感はさらなる懸念へとつながっています。
トランプが上級補佐官の助言も無視し、北朝鮮との核交渉を軌道に乗せるため、沖縄や韓国に駐留しているアメリカ軍の存在も交渉のテーブルに乗せてしまう可能性すら懸念されています。

 

6月に急遽行われた安倍首相の訪米によるトランプとの会談の後、日本の当局者は自分たちが彼の意向を十分に理解しているということに自信を持っていたはずでした。

アメリカ政府当局者は、米国の軍事体制を変える計画が検討されていることを否定していますが、両首脳間で貿易交渉について厳しい応酬が続いていることについては当然のことだと考えています。

 

《後編》に続く
https://www.washingtonpost.com/world/national-security/i-remember-pearl-harbor-inside-trumps-hot-and-cold-relationship-with-japans-prime-minister/2018/08/28/d6117021-e310-40a4-b688-68fdf5ed2f38_story.html?utm_term=.ebfd26c20543

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状況について的確に表現する言語力を持たないトランプは、安倍首相を単に「good friend」ではなく、「good and convinient friend」と言いたかったのだろうと思います。
単に「良い友だち」というのではなく、「都合の良いときだけ友だち」ということです。

 

友だちグループの中で、いつも金を持っていて気前よく人におごったりして友人たちの歓心を買おうとするものの、その実あまり尊敬もされていなければ大切にもされていない存在、それが今のアベ日本だと思いませんか?

 

対トランプということを考えると、日本はそもそも入り口で間違っていたと思います。
自分の利害にキタナイ人間とつき合わなければならなくなったら、「オレは理不尽な要求は許さないぞ」という毅然とした態度を取らないとどこまでもつけこんでくるのがこの類の人間。

 

今や日本全体がトランプ・アメリカの「good and convinient friend」にされてしまいそうになっているのは、誰の目にも明らか。

このままではアメリカが世界各地で行っている軍事介入に、徴兵された日本の若者が送り込まれる可能性すら見えてきたのではないでしょうか?

日本は急ぎ看板をかけ替えなければ、大変なことになってしまいます。

 

「We are not ABE!」

 

【 安倍3選の大義とは何か?! 】

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所要時間 約 9分

実績・実態の無い経済政策、不明のままの今後のヴィジョン、あるのは憲法9条改定への執着だけ
国民に冷たい視線を向けられても、あらゆる手段を使いライバルたちの芽をつぶし続けてきた成果が間もなく現実になる

 

ロイター/ ニューヨークタイムズ 2018年8月26日

安倍首相の経済政策への期待は低く、平和主義を基本とする日本国憲法の改定手続きを進めようとする姿勢に疑問が突きつけられていますが、勝利が確実視される自民党総裁選挙に出馬する意思を表明しました。

 

9月28日の自由民主党の総裁選挙で、安倍氏は対立候補の石破茂氏に大差をつけて勝利することが確実視されていますが、そうなれば戦後最長の任期を持つ首相になる可能性があります。
連立与党が衆参両院の過半数の議席を抑えているため、自民党総裁に就任すれば自動的に日本の首相に就任することになります。

 

「あと3年、自民党総裁、日本の首相として舵取りを担う決意を固めた。」
安倍首相は訪問先の鹿児島県で、記者団にこのように語りました。

 

複数のアナリストによれば安倍氏は首相としての6年間、首相の地位をゆるぎないものにするため、自らの政権支持者に対し見返りとして閣僚ポストやその他の便宜を提供するなどしてライバル候補をシャットアウトし、日本の有権者の安倍政権への支持の低さを議席数の少ない野党が利用できないようにしてきました。

安倍氏は2012年の首相再任以降、「アベノミクス」と呼ばれる政策でデフレ状態に陥っている日本経済を復活させること、そして防衛力の強化を主要な公約に掲げてきました。
安倍首相は防衛予算の増額を続け、実質的には国軍である自衛隊の憲法上の制約を緩めました。

しかし経済面では、極めて大きな規模の金融緩和政策にもかかわらず、日本銀行が設定した2%のインフレ目標を達成することはできませんでした。

 

安倍氏が自民党総裁選挙に勝利して任期を延長することになっても、その後どんな政策に力を入れるつもりなのかほとんど全く何も解っていません。

 

「経済政策のテーマは何にすべきなのでしょうか?それは安定です。つまりは『ボートを揺らすのはやめろ!』と言うことです。」
有価証券ファンドのウィズダム・トゥリー・ジャパンの責任者ジャスパー・コール氏がこう語りました。

 

安全保障面における最大のテーマは、自衛隊の現在の曖昧な地位を明確にするために戦後の日本国憲法第9条改正することです。
第9条は日本の戦力の保持を明快な表現で禁止していますが、自衛のための戦力を有することは許されていると解釈されてきました。

▽ 憲法改定のリスク

 

しかし安倍氏が憲法改定を実現させられるかどうかははっきりしません。
日本国内では憲法第9条を変更することへの反対意見が多く、そのための政治的手続きにはリスクが伴うからです。

憲法改定案は、衆参両院において3分の2の承認を得たあと、国民投票で過半数の賛成票を得る必要があります。

 

「私が確認できる安倍氏の唯一の具体的な政策は憲法改定だけですが、国民に受け入れられる可能性は低いと思います。」
コロンビア大学名誉教授のゲリー・カーティス教授がこう語りました。

 

今年始め安倍氏は自分の周囲の人間に国の予算を流用して便宜を与えた一連のスキャンダルによって支持率が30パーセント台に落ち込みました。
現在の支持率はそこから回復していますが、支持率は高くありません。
安倍首相自身は不正行為を否定しています。

8月第4週に公表されたテレビ朝日(ANN)の世論調査では、安倍政権支持率は38.8%、同26日の共同通信の世論調査では44.2%でした。
27日の日本経済新聞による調査では48%、保守系の読売新聞の調査では安倍政権支持率は50%でした。

 

『誰が日本の首相としてふさわしいか』質問したテレビ朝日(ANN)の世論調査では、日本の政治への国民の信頼を回復し、経済格差を是正する必要性を強調した石破氏が安倍氏を上回る支持を獲得しました。
しかし自民党支持者のうち安倍氏を支持する割合が58%だったのに対し、石破氏の支持は31%に止まりました。
日経新聞の調査では一般有権者の39%が安倍首相を支持したのに対し、石破氏支持は31%でした。

自民党支持者だけの調査では安倍氏を支持する割合は65%に上昇しました。

 

国内メディアの調査によれば、安倍氏は9月の総裁選挙では議員票405票のうち少なくとも70%の支持を固めています。
これとは別に一般党員による405票によって、次の自民党総裁が決定します。

「安倍氏が語るビジョンについて、一般の人々は冷たくなった不味いピザを出されたかのように反応しています。
しかし安倍氏は自民党内のライバルとなる可能性のある人間たちを傘下に組み入れ、あるいは立候補取り下げを強要、あるいは脅迫している上、野党は分裂状態にあるため、国民が冷めた目で彼を見ていることについて心配する必要がありません。だから総裁選の勝利が見えているのです。」
テンプル大学日本校のアジア研究所長のジェフリー・キングストン教授がこう語りました。

 

2009年から2012年、多難な政権運営を強いられた民主党は、昨年の選挙で崩壊しました。
その後継者である中道左派の立憲民主党と中道の民主党は苦戦を強いられています。

 

今月のNHKの世論調査では立憲民主党の支持率は5.6%、国民民主党の支持率は0.4%でした。
自民党の支持率は35.6%、しかし43.2%は支持する政党は無いと回答しています。

 

https://www.nytimes.com/Japanese PM Abe Seen Headed for Extended Term Despite Policy Doubts

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ある業界団体の常務理事をしている友人に直接聞いた話をご紹介します。

 

彼の団体で国の補助金を受けた事業を企画し、専門家も加わり詳細な計画書を作成し、1年ほど前に自民党本部の幹事長室に『陳情』に出向きました。
机の上に資料を置き並べ、計画の概要について説明を始めようとしたところ、自民党幹事長は一冊の資料も手に取ることなく、こう言い放ったそうです。
「ああ、いいから、ウチはそういうの関係無いから。選挙で何票(安倍自民党に)投票してくれたか、それしかみないから。」
そして前回の選挙で、自民党が全国の市町村で何票・何割の票を獲得したかの資料を手元から出して、そこだけ詳細にチェックし始めた、ということでした。

 

その事業がどういう性格のものであったかは別として、大切な国家予算を、私たちの税金を、そんなやり方で使っていたのか?
何となくは解っていたつもりでも、実際にあった話を聞いて気持ちが暗くなりました。

 

「だから日本は、国際競争において肝心な場面で負けるようになったのだ。
国内の経済格差が拡大するのも、
官僚が腐敗するのも、
弱者が攻撃され放置されたままになるのも、
一般給与所得者の公的負担が増え続けるのも、
福祉予算が一方的に削られていくのも、
そして国の借金がかさみ続けるのも、
すべて国家予算の使い道をこんなやり方で決めているからなのではないか?!」

 

大学や企業の研究部門などでは、将来の日本や人間社会に役立てようと懸命の努力をしている人々がたくさんいます。
そうした分野にこそ私たちの税金が投入されるべきなのに、中も外も太鼓持ちそのものの人間が最後の命運を握っているのが今の日本。
変えましょう、何としても変えていきましょう。

世界が100年かけて築いた共存秩序を破壊するトランプ《3》

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所要時間 約 11分

トランプがアメリカの役割を変えてしまったことのダメージ、私たちはまだその全てに遭遇したわけではない

アメリカ合衆国という国家は信じて良い相手なのか?その信頼性も壊してしまったトランプ

 

エコノミスト 2018年6月7日

▽ トランプの手に大統領権限 - キチガイに刃物

 

さて再び絶望という視点から見てみましょう。
トランプの政策の中で、たとえ上辺だけでも成功だったというものはありません。
しかし、たとえトランプ自身はハットトリックを主張することはできたとしても、潜在的なマイナス面はプラス面を上回る可能性があります。
例えば北朝鮮の金正恩がアメリカ全土を射程内に収めたと豪語する大陸間弾道弾を放棄することを、アメリカに提案するかどうかは最も気がかりな点です。
しかし短距離ミサイルや核弾頭そのものを放棄しない限り、韓国と日本は依然として脅威にさらされたままです。

 

同盟国と信じていたアメリカが自分自身の安全だけしか眼中にないことが明らかになり、日本も韓国も「裏切られた」と感じれば、東アジア地区における軍拡競争につながる恐れがあります。

 

北朝鮮のある高官はイランの核開発に関する「共同包括行動計画(JCPOA)」からトランプが一方的に離脱した結果を見て、北朝鮮は以後アメリカの提案については一切信じるべきでないということを確信したと外国メディアに打ち明けました。
これはイランの核開発交渉から一方的に離脱したことが作り出した大きな副作用です。

イランの核開発能力を本当の意味で制限できるように、期待以上の分野にまで踏み込んで安全策を講じた巧緻な計画を崩壊寸前に追い込んだ(いまやイランがこの交渉からいつ離脱してもおかしくない状況に置かれています)だけではありませんでした。

 

アメリカという国は信じて良い相手なのかという信頼性が自壊してしまいました。
覇権国家が約束を破ったのです。

 

こうしたことからペンタゴンも外交官の多くも、トランプのやり方に反対しているのです。
一部のイラン人アナリストらは、米国が新たな制裁を課した場合、イランは民主主義国家としての再出発ではなく、現体制の下でウラン濃縮を再開する可能性の方が高いと警告しています。

 

貿易問題に関しては、中国がアメリカの輸入超過の状況の改善に動き出したことが多少はトランプの自尊心を満足させることがあっても、世界貿易体制の真の問題を解決するためには何の効果もありません。
トランプは結局はアメリカの貿易赤字を大幅に減らすことはできないという情けない運命に見舞われることになるでしょう。
さらに自動車の輸入超過は国家安全保障上の問題だと騒ぎ立てることによって世界貿易機関(WTO)に現実的な被害が及べば、事態は益々悪化することになるでしょう。

そして3つの問題すべてにおいてトランプは安っぽい手段を使い、それで解決だとしてしまう懸念があります。

 

北朝鮮は何十年もの間、友好的雰囲気の中で米朝首脳会談が実現することを望んできました。
そして金正恩はトランプとの会談実現のため、これまでほとんどどんな対価も支払っていません。

 

アメリカ大使館のエルサレム移転はイスラエルにとっては非常に大きな価値があります。
イスラエルはその実現のため様々な工作を行ってきたかもしれませんが、今回は別にトランプに実現を求めてはいません。

 

そして貿易収支の不均衡を是正する動きは、中国による知的財産の侵害、不公平な輸出奨励金、海外資本の流入に対する厳しい規制について中国政府が様々な対策を取らなければならないという負担を、むしろトランプが大幅に軽減してやるという状況につながるかもしれません。

 

観光客は海賊の餌食にはならない

 

このようにトランプの政策は目先の上では成功を収めるかもしれません。

しかし党派を超えてこれまでのアメリカの外交政策が支持してきた、長い時間をかけて築き上げられてきた世界秩序をトランプが否定したことは、世界にとって極めて深刻な状況です。

従来の世界秩序に基づく世界政策について研究を続けてきたシンクタンクのRANDは、このルールに基づきアメリカがその国益のために展開すべき2年間をかけたプロジェクトを完成させました。
この中でRANDは従来の世界秩序こそ米国の外交的優位と軍事的優位を確立させたものであり、米国の国益を大きなものにすることに役立ってきたと結論づけました。
「堅固な世界秩序は米国にとって有益なものである。」

だからこそ世界秩序が損なわれることによって、失望も大きくなるのです。

 

「大統領としてトランプはアメリカの政策を根本的に悪い方向に変えてしまいました。」
バーンズ氏がこう語りました。
「トランプは私の生涯で最も支持され無い大統領であり、最も危険な大統領です。そう考えているのは私は一人ではありません。アメリカ人の大部分が同じ考えです。

 

外交問題評議会の委員長で共和党員のリチャード・ハース氏は、すでに人々がアメリカという国家について異なった視点で考えるようになったと指摘しました。

「米国は堅固な土台から自分を引きはがしました。」
その影響は「持続的に自らを壊していく」可能性が高いと語ります。

シドニーの国際政策研究所の責任者であるマイケル・フルリエフ氏は、
「トランプが世界におけるアメリカの役割を変えてしまったことに対するダメージがどれほどのものであるか、私たちはまだその全てに遭遇したわけではありません。」
と語り、次のように続けました。
「自由世界のリーダーは、自由主義社会の価値など信じていないのです。」

 

このような背景の下で再び「Yes, but イズム(法)」という視点を設定しましょう。
イエス、でもそれは別に新しいものではありません。
その状況はこれからも続きますが、世界はすでに変ってしまいました。

 

トランプが歴代アメリカ大統領の政策を大きくひっくり返したのはごく最近の話ですが、国民の支持は見えません。
不人気な状態から脱出するためには、これまで採用してこなかった、しかしすでに道筋が見えている前政権の政策を踏襲することが有効です。

イランとの核合意は正式には「包括的共同作業計画(JCPOA)と呼ばれるものですが、これには多くの反対者がいました。
気候温暖化に関するパリ合意は、共和党が過半数を制している上院の批准を必要としないように慎重に作成計画されたものでした。

 

ヒラリー・クリントン氏はトランプを相手にした大統領選挙期間中、アメリカの有権者に対しオバマ大統領の下で交渉が行われていた環太平洋パートナーシップ(TPP)貿易協定を拒絶すると公約しましたが、トランプはそれを実行しました。
その事実をクリントン氏はしぶしぶ認めはしたものの、中身については納得のいくものではありませんでした。

しかしトランプはとにかく実行したことを自慢しています。

 

トランプが抱え込んでいる問題の多くは以前から存在していました。

 

中国の知的財産権の侵害と中国に対する直接投資の制限に対する怒りは数十年来のものです。

 

NATOに加盟する同盟国に対する防衛費の増額要求はオバマ大統領も行っていました。

 

オバマ大統領は支持者がイラクとアフガニスタンに派遣した兵士の撤退を要望したにもかかわらず、駐留を継続させました。

この点においてもトランプと変わりません。

「歴史家はオバマとトランプの共通点の多さに気がついています。」
キャンベラのオーストラリア国立大学において同国の外交政策研究の第一人者であるアラン・ジンゲル氏がこう語りました。

 

トランプが行っている政策が実際にはアメリカの長い伝統の一部である例もみられます。
「アメリカ・ファースト」は、ウッドロー・ウィルソン(大統領任期1913年 - 1921年)以降4代にわたるアメリカ大統領のスローガンでした。
バード・カレッジのウォルター・ラッセル・ミードはトランプの外交政策が踏襲している4人の大統領を特定しました。すなわちジェファーン、ハミルトン、ジャクソン、ウィルソンです。

 

冷戦はアメリカの外交にアレクサンダー・ハミルトンのアプローチ、すなわちアメリカの利益、特にビジネスの利益を重視する国際的関与のあり方と、国際主義者で理想主義者のウィルソンが行った外交の両面性をもたらしました。
一方的な軍縮論者でありアメリカ孤立主義の信奉者であったアンドリュー・ジャクソンの政策を引き継いできた政治家たちはソビエト連邦が崩壊すると、それまでの同盟国への支援がアメリカにとって大きな重荷になっていることに気がつきました。

大統領執務室に陣取る強情で横柄な性格を持ったトランプも同じ考え方をしています。

19世紀の先例が21世紀の外交政策の最良の手本になるはずはありません。
しかしトランプのことを、少しはまともな人間に見せることには貢献しています。

 

《4》に続く
https://www.economist.com/briefing/2018/06/07/donald-trump-is-undermining-the-rules-based-international-order
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決して聡明とは言えない頭脳から出た価値観を押しつける人間がアメリカ大統領と日本の首相を務める現在…

それでもアメリカでは『弾劾』の機運が徐々に形を取り始めているようですが、日本では総理大臣3期目が当然のように取りざたされています。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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