星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » エッセイ » 

米国の核戦争実施計画、その立案者が告発する!《1》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

アメリカにベトナム戦争からの撤退を決意させたのは、軍戦略担当者の内部告発だった

アメリカの核戦争実施計画、それは人類の戦争史上最悪のものだった

 

デモクラシー・ナウ 2017年12月5日

私たち人類は今、アメリカ大統領のトランプと北朝鮮の金正日(キム・ジョンウン)総書記が本気で核戦争を始めるつもりなのかどうか、深刻な懸念を抱かざるを得ない状況にあります。

そこで今日は過去アメリカ軍の核戦争の実施計画の作成に携わり、後にベトナム戦争の真実について告発を行ったダニエル・エルスバーグ氏と討論を行う事にしました。

1971年、エルスバーグ氏はベトナムへの米国の関わりについて真実を最高機密文書をニューヨークタイムズなどのメディアに告発公開したことで知られる高位の防衛アナリストです。

後にこの文書はペンタゴン・ペーパーとして有名になりました。

エルスバーグ氏の告発はベトナム戦争を終結させるために重要な役割を果たしました。

 

しかしエルスバーグ氏がペンタゴン(米国国防総省)とホワイトハウスにおいて核戦争プランを立案する立場の特別顧問であったことを知る人はほとんどいません。

12月初旬に発行された彼の新しい著作の題名は次の通りです。

『地球を終末に向かわせる装置 : 核兵器の戦争計画立案者の告白』

今日はエルスバーグ氏が担当していたアメリカ合衆国の核兵器戦争計画の最高機密、キューバのミサイル危機が発生した当時に最前線でこの問題と対応した時の様子、トランプ大統領は核兵器を使うつもりなのか、そして告発者として世界的に有名になったエドワード・スノーデン氏やチェルシー・マニング氏を現代の英雄と呼ぶべきなのかどうかについて、一緒に議論をしていきたいと思います。

 

ホアン・ゴンザレス

北朝鮮は、アメリカ側の行動が朝鮮半島で偶発的に核戦争が始まる危機にさらしていると警告しています。

この警告は米国と韓国が12月初めに多数の艦船を展開し、核兵器を搭載可能なアメリカの軍用機200機以上、数千人の兵士を動員して大規模な合同演習を始めたことに対して行われたものです。

そして北朝鮮外務省はトランプ大統領を「核兵器を弄ぶ悪魔」と名指しで避難する声明を発表しました。

 

今年、北朝鮮は米国と韓国が朝鮮半島における合同演習を行なわないのであれば、核兵器の開発計画を放棄する用意があるとの見解を明らかにしていました。

しかしトランプ政権はこの提案を一蹴しました。

北朝鮮とアメリカの間の緊張が高まっている今日、私たちはアメリカ政府で核戦争の計画作成に実際ら関わっていたエルスバーグ氏を交え時間をかけて議論する場を設けました。

エルスバーグ氏はすでに世界で最も重要な内部告発者行った人物として有名ですが、実は違う事でも有名です。

ダニエル・エルスバーグ氏は1971年最高位の軍事アナリストを務めていた当時、ベトナム戦争における米国の関与の歴史を詳しく解説した秘密の報告書を公開しました。

どう見てもアメリカ側に分の悪い戦争であるにもかかわらず、戦場に送りこまれる兵士の数を劇的に増加させたり、北ベトナムへの空爆の量や規模を一方的にエスカレートされているという事実を明らかにしたのです。

彼は機密文書7,000ページの文書をコピーし、ニューヨークタイムズやその他の公的メディアと情報を共有しました。

この報告書は後にペンタゴン・ペーパーとして知られるようになり、ベトナム戦争の終結に重要な役割を果たしたのです。

 

エイミー・グッドマン :

さらにその10年前の1961年、ダニエル・エルスバーグ氏はアメリカ国防総省(ペンタゴン)とホワイトハウスの高位の軍事コンサルタントとして、核戦争の実施計画を立案していたことはあまり知られていません。

エルスバーグ氏は今週発行されたばかりの『地球を終末に向かわせる装置 : 核兵器の戦争計画立案者の告白』と題された著書は、過去に同氏を有名にしたペンタゴン・ペーパーに続き、アメリカ政府の核兵器戦略に関する最高機密を完全に網羅したものです。

エルスバーグ氏は2003年にペンタゴン・ペーパーを公開した際も、ベトナム戦争に関する内部告発を行った際も、核兵器に関する問題には触れていませんでした。

アカデミー賞受賞が予想されているドキュメンタリー映画「アメリカで最も危険な男」のモデルにもなっている人物です。

今回のエルスバーグ氏の告白はペンタゴン論文についての映画の制作を行っているスティーブン・スピルバーグ監督の、新たな映画の主題のひとつになるかもしれません。

それでは数十年前、アメリカ政府の核兵器の実施計画の作成に関わったエルスバーグ氏とともに、この数年間に一体何が起きていたのか、検証を進めることにしましょう。

エルスバーグさん、有名になったペンタゴン・ペーパーをコピーする以前に今回明らかにされた核兵器の実施計画の最高機密文書のコピーを作っていたという事ですか?

 

ダニエル・エルスバーグ:その通りです。

 

エイミー・グッドマン :

すでに報道各社にも明らかにされましたか?

 

ダニエル・エルスバーグ:いいえ、全部については公開していません。

抜粋などについては明らかにしたものもありますが、その際も最高機密である計画の一字一句を忠実に再現したものではありません。

飽くまで要約というべきものだけです。

私が始めてこの問題について報告を行ったのは1961年、ジョン・F・ケネディ大統領の任期です。

私はケネディ大統領の補佐官、マックジョージ・バンディにアイゼンハワー大統領時代に初めて制作された核兵器戦争の実施計画と問題点について説明しましたが、彼はかなりショックを受けた様子でした。

そして他の大統領がそうしてきたように、ケネディ大統領もその計画を最新のものに改めるという選択を行ったのです。

そして私はアイゼンハワー大統領時代の核戦争実施計画を時代に合わせて一新する仕事を与えられました。

アイゼンハワー計画を更新することは、実際のところ、そうですね当時としてさほど難しいものではありませんでした。

計画そのものは人類の戦争史における最悪のものだったと思います。

当時の文官でこの計画の中身を目にした人間はほとんどいません。

事実、当時の戦略空軍司令官のジョージ・ルメイ将軍が核攻撃目標をどの場所に設定しているのか、その中身まで知っている統合参謀本部関係者はほとんどいなかったのです。

 

《2》に続く

https://www.democracynow.org/2017/12/6/doomsday_machine_daniel_ellsberg_reveals_he

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

今日から数回に分けて、アメリカの核兵器戦略に関わった重要人物、一般にはベトナム戦争にアメリカが危険な程深入りしていることを世界に向け内部告発した人物して有名なダニエル・エルスバーグ氏に関する討論をご紹介します。

長文のため核兵器の戦争計画、そのショッキングなまでに危険な内容が明らかにされるのは第2回以降の掲載でご紹介することになりますが、その恐ろしさは私たち素人の想像を絶するものです。

ICANに関わった人々がノーベル平和賞を受賞したことにより改めて核兵器の問題に世界の注目が集まっている今、ぜひこの長文の告発を一人でも多くの方にお読みいただきたいと思っています。

【 アベノミクスの5年間を検証する 】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

上昇した経済成長率、上がらなかった給与所得、上昇しなかったインフレ率

アベノミクスは最も重要な目標を達成していません

 

エコノミスト 2017年11月16日

東京の飯田橋にある皇居の北側にある居酒屋チェーン『鳥貴族』には連日仕事帰りの若いサラリーマンや女性たちが集り、比較的低額な予算で焼き鳥とお酒を楽しんでいます。

客たちは註文の際、賃金の上昇が続き人材難に陥っているウェイターの代わりに、店内各所に設置された注文用のターミナル機器のタッチスクリーンを操作しています。

先月同社は、地元産の鶏肉を材料にした焼き鳥2串の価格を従来の298円から6%以上値上げせざるを得なくなりました。

これは同社にとって28年間で初めての値上げになりました。
焼き鳥の店頭価格は一般的にはマクロ経済の指標とはみなされません。

 

しかし、鳥貴族の決定は、安倍晋三首相の名前を冠する日本経済を復活させる政策「アベノミクス」の根底にある論理を実証するものです。

彼の経済戦略は、大規模な金融緩和政策を積極的に進めることにより、子女の支出と投資を活性化させることを目的としていました。

それによって雇用が創出され、賃金を押し上げることになるだろう。

賃金の上昇は、次に物価を押し上げることになるだろう。

その成果は20年間ほとんど途絶えることなく続いてきたデフレーションを終息させ、2%の新しいインフレ目標の達成することによって証明されるだろう…

安倍首相の手法は権力の座に就く以前に形を成していました。

5年前の2012年11月16日、安部氏の前任者である民主党政権の野田氏は日本の議会を解散し、安倍氏の選挙戦での勝利を確実なものにしました。

すぐに市場は反応し為替相場では円が下がり始め、株式市場は安部氏の勝利がもたらす拡大政策を見越して上昇を始めました。

そしてさらに2013年4月に日本銀行総裁に黒田晴彦氏が就任し、金融緩和政策を最大規模に拡大し、大規模な債券購入を始めた時点でこうした期待は一線を越えることになりました。

5年後、日本の通貨は2012年11月と比べ約30%安くなり、日経平均の株価指数は150%以上上昇したのです。

 

こうした政策は経済に人為的に仕組まれた刺激を与えてきました。

日本のGDPは今や7四半期連続で上昇しており、16年間途絶えることなく経済成長を実現するという最長の経済成長を記録することになりました。

インフレによる調整を行なわない名目GDPの拡大は、さらに際立っています。

2017年第3四半期までのこの5年間の経済成長率は11%を超えており、これまでの20年間で最も速い成長率になっています(下図を参照)。

中でも輸出はその増加の大きな原動力になりました。

円安のおかげで、日本の商品に費やされる1ドルは円に換算してこれまで以上の価値のものが手に入るようになりました。

これまでの5年間、民間設備投資も積極的に進み18%以上、一定価格では約15%増加しています。

例えば、鳥貴族は、2017年8月から2018年9月までに80店舗を新規出店する予定です。
アベノミクスは政策の支持者が期待していたよりも多くの雇用を創出しています。

日本の就労年齢人口が400万以上も縮小した事を勘案しても、雇用は過去5年間で270万以上増加しました。その結果、失業率は3%を下回り、日本は1人の求職者に対して1.5以上の求人倍率を実現しました。

 

こうした進展にもかかわらずアベノミクスは最も重要な目標を達成していません。

すなわち2%のインフレ率の達成です。

生鮮食品を除く消費者物価指数は今年に入り、9月までにわずか0.7%上昇しただけでした。

ここからエネルギー価格の上昇分を差し引くと、インフレ率はさらに低い数値になります。

インフレ率の上昇が進まないのはなぜなのでしょうか?

そもそも重要なことなのでしょうか?

理由のひとつが、労働者の賃金が期待どおり速やかに上昇していないということによるものです。

焼き鳥店のウェイターなど、定着率が低く雇用保障が低い職種の賃金の上昇はかなり著しいものです。

 

一方で日本の賃金水準の大勢を決する「中間層」の労働者にはこの状況は当てはまりません。
日本の終身雇用の労働者は会社側が容易に解雇することはできず、労働者の側も途中で退職すれば社会的地位を著しく損なうリスクが発生します。

その結果、労働者不足になっても過剰になっても、労働者の会社に対する交渉力が強化されたり、逆に低下したりという事はありません。

こうして一般的労働者の賃金は、普通の暮らしを続けるために必要な生活費に対し、多くも無く少なくもなくという状態に固定される場合がほとんどです。

安倍首相の下でのチームは、日本銀行が約束したより高いインフレ率が達成されることを期待し、労働者の賃金水準がもっと高いものになって「前向きな」消費行動に移ることを期待していました。

しかし思惑と現実は逆であり、実際の労働者の賃金は低迷するインフレ率の影響を大きく受けています。

政府は現実をはるかに上回る賃金の上昇を期待していたことが、後に明らかになりました。

 

賃金がなかなか上昇しないもうひとつの原因は、もう少し楽観的なものです。

日本はもっと別の労働力の供給市場が存在することに気がつきました。

多数の女性と高齢者が労働市場に誘引されています。

また、昨年は外国人労働者が初めて100万人を超えました。

例えば鳥貴族では、多くのベトナム人労働者が働いています。

 

さらに日本の企業各社は労働コストが上昇した場合、それをそのまま製品価格に転嫁するのではなく、生産性を上げてコスト上昇分を吸収する方法を見つけました。

各企業は鳥貴族で使われているタッチスクリーン端末などの省力技術に投資してきました。

短観(企業短期経済観測調査)によれば、特に深刻な労働力不足に直面している中小企業はこうしたソフトウェア開発への投資を2018年3月末までの1年間に22%以上増加させる計画です。

一方でインフレ率が上昇しない、すなわち物価が高騰しないという事は日本の一般消費者にとっては良いことであり、なぜ政府がわざわざすべてのものの値段を引きあげようとしているのか疑問を持つこともあるでしょう。

鳥貴族の長期間にわたり価格を据え置いてきた末にやむを得ずの値上げですら、チェーンの厳しい顧客の一部からは批判されています。

しかし11月のとある月曜日の夕方、飯田橋の店内にいたお客さんたちの感情はもっと寛容なものでした。一組の学生は、以前の一皿280円という価格を維持するのは不可能だと感じていました。

逆に無理な低価格を続けて、店が無くなってしまうことの方を心配していました。

 

こうした学生たちの心配は、デフレと戦う上でもうひとつの大きな障害となっている日本全体が抱える悲観的な不安感を象徴しているかもしれません。

すなわち、日本の人びとは物価が上がって生活が圧迫されることも心配していますが、デフレが続いて経済停滞からの脱出が出来ない事も心配なのです。

 

https://www.economist.com/news/finance-and-economics/21731419-growth-has-picked-up-not-inflation-what-five-years-abenomics-has-and-has?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

立憲主義を踏みにじる国家元首を弾劾しよう!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 7分

憲法違反でトランプを弾劾する運動、アメリカ全土の都市に拡大

法の支配に従おうとしない大統領に対し、国民が自らの手で憲法と民主主義を守ろうとしている

デモクラシー・ナウ 2001年12月1日

ゲスト : ジョン・ボニファス
憲法弁護士およびフリー・スピーチ・フォア・ピープル(人々のための自由な発言)の共同設立者

 

2017年11月、6人の民主党議員がトランプ大統領に対し司法妨害その他の法令違反を犯したとして、大統領弾劾の訴追勧告に署名しました。

これは民主党のサポーターのトム・スターヤー氏が10月に署名運動を開始した弾劾嘆願書に基づくもので、現段階で300万人分の署名が集まっています。

記録に基づけば全米の少なくとも17の市町村がコミュニティが現在、トランプに対する弾劾訴訟を呼びかけています。

 

11月27日火曜日、マサチューセッツ州の町ウェストンは、トランプの憲法違反を犯しているかどうかを下院が審査するよう認める市民の請願を提出した自治体の列に加わりました。

今日はフリー・スピーチ・フォア・ピープル(人々のための自由な発言)の共同設立者兼ディレクターである憲法弁護士ジョン・ボニファス氏のお話をうかがいます。
エイミー・グッドマン:それではドナルド・トランプ大統領を弾劾しようとする努力についての最新情報をお送りします。

今年11月、6人の民主党議員が、トランプ大統領に対し司法妨害その他の法令違反を犯したとして、大統領弾劾の訴追勧告に署名しました。

そこで今日はフリー・スピーチ・フォア・ピープル(人々のための自由な発言)の共同設立者兼ディレクターである憲法弁護士ジョン・ボニファス氏をお招きしてこの問題について検討することにしました。

デモクラシーナウへようこそ!今、いったい何が起きているのですか?

 

ジョン・ボニファス:

現在、一般市民のレベルで重要な動きが勢いを増しています。

先ほどあなたが言われた通り、下院の中で大統領弾劾のための手続きを開始した議員たちが現れました。

そして今、全米の17の市町村がトランプ大統領に反対する弾劾手続きを進めるように求める決議を行いました。

そして私たちが組織した『いますぐトランプ大統領を弾劾する.org』のメンバーを含む数百万人のアメリカ人が、トランプの弾劾を求める請願書に続々と署名を続けています。

法による支配をトランプが踏みにじり続けていることによりアメリカの立憲主義が危機に陥っている状況を見て、憲法と民主主義を守るため人々が立ち上がり行動を始めたことにより、運動が前に進んでいます。

エイミー・グッドマン:

なぜ弾劾するのでしょうか?

ジョン・ボニファス :

弾劾権は無法な大統領を罷免するため、憲法の定めの下私たち国民が持っている正当な権利です。

大統領または側近などが連邦刑事法の違反を犯したかどうか、特任弁護士であるミューラー氏が刑事犯罪捜査という事も視野に入れながら現在手続きを進めています。

 

さらにはこの調査と並行して進めなければならない別の問題があります。

それは大統領弾劾捜査です。

すなわち大統領自身が権力を濫用しているのではないか、国民から得ている信頼をまるで違う方向に乱用しているのではないか、という問題です。

そしてさらには報酬の不正利得や合衆国憲法が定めている腐敗防止条項の違反の疑いも新たに生じています。

ひとつはトランプ大統領は大統領執務室を国家の財産を使って自らの事業に有利な計らいを行っている疑いがあり、これは大統領が守るべき正義を犯すものです。

もうひとつはこれまで聞いたことも無い犯罪、すなわちロシア政府と共謀し先の大統領選挙において陰謀を行った疑いに対し、権力を乱用して真実を明らかにする取り組みを妨害している疑いです。

 

さらにリストは続きます。

もしこうした疑いが事実なら、この大統領は法の下で責任を取らなければならず、そのためには弾劾手続きを進めなければなりません。

 

エイミー・グッドマン:最後にマサチューセッツ州ウェストンについてうかがいます。

何が起きたのでしょうか?

ジョン・ボニファス :

マサチューセッツ州ウェストンは町議会で、これまでご説明した弾劾手続きを進めるよう求める決議を行った一団の市町村に加わりました。

しかし今もっとも大切なのは、私たち国民が、法の支配に従おうとしない大統領に対し立ち上がり、自らの手で憲法と民主主義を守ろうとしている事なのです。

 

https://www.democracynow.org/2017/12/1/cities_across_the_us_join_movement

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

今回の日本の衆議院議員選挙の結果を見てつくづく感じたことは、日本国内からだけでは日本は変えられないという事でした。

度々ご紹介しているオリバー・ストーン監督の『近代アメリカ史」でも、日本のことは『アメリカの衛星国』だと表現しています。

イギリスもフランスも、世界認識の中でアメリカの衛星国という事はありません。

ドイツは東西に分裂していた頃は、西ドイツに多少衛星国的色合いがあったかもしれませんが、統一ドイツの今はそういわれることはないはずです。

 

基本的人権、民主主義にこだわったオバマ政権の下ですらアメリカの対日政策、特に政情のコントロールについてはアメリカの負の部分をできれば日本に肩代わりさせようというものでした。

それが今やアメリカ国民の半数から愛想を尽かされ、日本に対しては『もっと米国製兵器を買い入れろ』と迫る大統領が現職です。

 

今朝の朝刊の一面には、母子家庭を含めた生活保護費が削られるという見出しが出ていました。

日本の首相はアメリカ大統領に『喜んでアメリカ製の高額な武器に日本の税金を投入します!』と答えました。

私たち社会の公正さを守るためには、アメリカの動きにも無関心ではいられません。

 

 

日本政府、大飯原子力発電所の原子炉2基の再稼動を承認

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 10分

日本国内における一般国民の原子力発電への支持を一掃した福島第一原発の事故

東日本大震災という巨大な自然災害は、すぐに福島第一原発の最悪の人為的災害へと姿を変えた

 

ドイチェ・ヴェレ 2017年11月27日

2011年に発生した福島第一原子力発電所の事故は日本国内における一般国民の原子力発電への支持を一掃し、その結果化石燃料の使用量の増加をもたらしました。

福島第一原発の事故から6年後、日本は原子力能力を回復するための措置を講じ始めています。

 

日本政府の原子力発電当局は月曜日、大飯原子力発電所の2基の原子炉が再稼働のための最終審査に合格し、立地する地元県知事が同意したため、来年初めにも再稼働する見通しであることを明らかにしました。

西川福井県知事は、関西電力の原子力発電所運転にゴーサインを与え、大飯原子力発電所の3号機、4基の原子炉を再稼動させる計画です。福島第一原発の事故以来長年にわたり多くの国民が原子力発電の継続に反対しているにも関わらず、今回も再稼働が認められることになりました。

西川氏は、記者会見で「原子炉の再開に合意した」と述べました。

 

2011年の福島第一原発の事故発生により原子力発電に対する一般国民の支持が激減した結果、日本はいったんすべての原子力事業を停止しました。

大飯原発日本海沿岸にあり、日本の古都京都の北約60キロの場所にあります。

原子炉の3号機と4号機は2011年に停止、その後2012年に一時的に短期間再稼働されましたが、その後再び停止しここ数年間は使用されていませんでした。

2基の原子炉は2012年、福島第一原発の事故後日本国内で唯一稼働した実績を持つ唯一の原子炉でした。

▽事故への懸念は無くならない

 

2011年東日本大震災の巨大地震と巨大津波が福島第一原発の原子炉冷却システムを破壊した結果、3基の原子炉でメルトダウンが発生し、日本はすべての原子炉を停止しました。
この事故は1986年に発生したチェルノブイリ原子力発電所の事故以来、最悪のものとなりましたが、2017年10月福島地方裁判所は福島第一原発の管理責任者である東京電力と日本政府の責任を認め、被災者となった周辺住民に対する損害賠償を命じました。

国民の意見の大勢は原子力発電の停止を求めており、多くの事案が法廷に持ち込まれ、これまで再稼働した原子力発電所はわずかな数に留まっています。

現在、日本の43基の原子炉のうち5基だけが稼動しています。

 

福井県に隣接する京都と滋賀の地方自治体の住民は、原子炉の再稼動に反対しています。

11月24日には滋賀県の三日月大造知事が不測の事態が発生した際の対応計画に懸念があるとして、再稼働に反対を表明したと日本のメディアが伝えました。

「原子力発電所の事故に対する滋賀県民の懸念はずっと続いており、知事として再稼働に合意できる状況にはない。」

と述べたと時事通信が伝えました。

原子力発電の継続に対する反対意見が多いことにより、日本では発電手段の化石燃料からの転換が思うように進んでいません。

国際エネルギー機関(IEA)による日本のエネルギー使用状況調査によれば、福島第一原子力発電所の事故が日本の近年のエネルギー政策を「支配している」と報告しました。

「福島第一原発の事故の影響のひとつとして、すべての原子力発電所において原子炉の段階的な廃止傾向が続いている。その結果化石燃料の使用が大幅に増加し、燃料の輸入量も増加し、二酸化炭素の排出量が増加している。」

 

▽東日本大震災 - 福島第一原発が作り出した長く伸びる影

①戦後の日本史において最悪の災害となった東日本大震災(写真上・以下同じ)。

2011年、マグニチュード9.3の巨大地震が宮城県沖の海底で発生し、引き起こされた津波は東北地方の太平洋岸一帯を全滅させました。

少なくとも15,880人が命を奪われ、2,694人が行方不明になりました。負傷者は6,135人です。

②福島のメルトダウン

しかし福島第一原子力発電所を高さ13mの津波が押し寄せたとき、巨大な自然災害はすぐに最悪の人為的災害へと変わりました。

原子力発電所の冷却システムが故障して原子炉の冷却がストップしたため、3基の原子炉の炉心が過熱してメルトダウンし、放射能漏れが発生しました。

③スリーマイル島事故

福島第一原発の事故は先例のないものではありませんでした。

1979年、ペンシルバニア州ミドルタウン近郊のスリーマイル島原子力発電所では、原子炉が部分的にメルトダウンいる事故が発生しました。

炉心を冷やして蒸気を発生させるために水を送り込む給水ポンプが停止し、行き場がなくなった冷却水が故障した弁から漏れ出しました。

周辺地区からは約14万人の子供たちと妊娠中の女性が避難することになりました。

④チェルノブイリの負の遺産

福島第一原発の事故が発生するまで、チェルノブイリ原子力発電所の事故は歴史上最悪の産業事故でした。

1986年、ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所の原子炉4号機が突然の電圧が急上昇して原子炉が破壊され、ロシアとヨーロッパ全域に放射性物質が放出されました。

原子力発電所の周辺30キロ圏の地域が封鎖され、335,000人が避難しましたが、少なくとも30人が死亡しました。

⑤全原発停止へのドイツのためらい

原子力発電に対する反対運動が活発なドイツですが、ドアンゲラ・メルケル首相の中道右派政権は、もともとは2022年に設定されていた全原発の停止時期を2034年まで遅らせようとしていました。2022年にすべての原子力発電所の稼働を停止させるという目標は、メルケル首相の前任者である中央左派連合政権のゲルハルト・シュレーダー首相が設定したものでした。

メルケルの連立政権は、再生可能エネルギーへの全面的移行には相応の期間が必要だとして、遅延を正当化していました。

⑥メルケル首相の原子力発電の継続へのバックペダル

しかし2011年3月、日本で福島第一原子力発電所の事故発生を見たドイツ政府は、原子力発電所8基を永久に廃炉にするために迅速に動き出しました。

そして結局メルケル首相率いる中道右派連合は2022年までに原子力発電を段階的に、完全に廃止することを決定しました。

ドイツは2050年までに再生可能エネルギーによる電力供給割合を80%にまで引き上げることを目標を設定しています。

今年再生可能エネルギー発電割合は27%を達成しました。

⑦イタリア人は核兵器禁止を維持する

ドイツ同様、イタリアも原子力発電に対する反対運動が活発で、長い歴史を持っています。

1986年のチェルノブイリの大惨事の後、イタリアは1987年という早い段階で国民投票を行い原子力発電の禁止を決定しました。

しかし2011年に当時のシルヴィオ・ベルルスコーニ首相が原子力発電の再導入への途を模索し始めました。

結局この動議は国民投票によって再び否定されることになりました。

 

http://www.dw.com/en/japan-approves-restart-of-two-nuclear-reactors-at-ohi-power-plant-near-kyoto/a-41542894

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

福島第一原発の事故によって日本人は何を学んだのか?

という事に関する議論、それを取り上げた記事を繰り返しご紹介してきました。

原子力発電が始まった当初から使用済み核燃料、すなわち高レベル核廃棄物の処理は懸案のはずでした。

当然、優秀な科学者や技術者を結集させてこの問題に取り組むべきところでしたが、現実は異りました。

もっとももこの問題は日本だけでなく、世界で高レベル核廃棄物の処理は不可能というのが現実です。

しかも高レベル核廃棄物は口に入れるのはもちろん、触ったりしなくとも、近よっただけで人間の体のメカニズムを完全に狂わせ破壊し殺してしまう、他に例の無い恐ろしい物質です。

発電と言う事について他に方法が無いのならまだしも、今や再生可能エネルギーと言う安全で低コストの発電手段が多種多様に揃っています。

電気を作るために人間や地球の生物にとって致命的な物質を作り続ける事に、どんな合理性があるのでしょうか?

原子力発電を続けるのは経済的合理性によるものでもなんでもなく、多額の投資をしてしまった日本の電力各社の自己都合によるものとしか考えられません。

『募兵?! 徴兵?!』安倍政権の軍事拡大路線の行き着く先

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 8分

世界有数の優秀な兵器を装備している自衛隊・足りないのは隊員の数

安倍政権の軍事拡大路線によって、今後ますます不足する『兵員数』

 

エコノミスト 2017年11月20日

最新の日本の防衛白書の表現からはかつてのような控えめな表現がほとんど無くなり、声高な調子になって来ました。

東アジア地域の「不安定要因」は「より具体的かつ深刻なものになっている」と警告しています。

北朝鮮は既に核兵器を小型化して核弾頭にしているを製造・保有している可能性がある…

中国が南シナ海における軍事力を拡大させることによって「現状変更」しようとする動きは、「妥協することなく一方的な要求を実現」させようとする意思をあらわしている…

さらにはこれらすべての懸念に加え、隣接する諸国との日本の長年にわたる領土紛争がある:ロシア、韓国、中国…

 

しかし自衛隊の戦力はこれらの脅威に対抗するために必要な能力を大きく上回るものです。

国軍という名称は使っていませんが、自衛隊は世界で最も強力な軍隊の1つであり、世界第8位の規模の金額が投入されています。

海上自衛隊だけでもフランスとイギリスを合わせたよりも大きな海軍力を持ち、1,600機以上の航空機と4つのフラットトップ・キャリア(空母型戦艦)を有します。

300,000人の自衛隊員は最新鋭の兵器によって装備を整えています。

さらに北朝鮮と戦争になった場合、日本は飛来するミサイルから国土を防衛するための現時点で最新鋭の防御システムをすでに装備しています。

しかしこれでも十分ではないと主張する人もいます。

このようなタカ派的発言をする中にあって小野寺防衛大臣は、敵ミサイルが発射される前に破壊する能力を持った巡航ミサイルのような先制攻撃兵器の購入装備を求めています。

しかし先制攻撃兵器まで整備することになれば、武力による国際紛争の解決を禁じている日本国憲法による平和規律は急速に崩壊が進むことになるでしょう。

日本国憲法は陸・海・空その他の戦力を保持しないと規定していますが、実際には日本はすでに自衛隊という名称で実質的に陸・海・空の国軍を整備しています。

さらには2017年11月、自民党の指導的立場にいる人物のひとりである石部茂氏は、抑止力として日本自身が核兵器の製造能力を整備し続ける必要性があると述べました。

 

日本が巡航ミサイルを装備することも、核兵器を開発装備することも、現在のところは現実離れしています。

もっと切実な問題があります。

それは自衛隊の戦闘準備態勢です。

これまでの数十年間、日本では憲法の規定により国家を防衛に必要な最小限の戦力の保持こそが合法であるとみなされてきました。

日本の肩代わりをするように防衛力の強化を続けてきたのがアメリカでした。

ほとんどの日本人にとって、自衛隊に期待する主なものは災害救援部隊としての役割でした。

軍事専門家はまだ自衛隊の実際の戦闘能力を測りかねています。

ではテストに合格するためには、自衛隊はどうあるべきなのでしょうか?

軍事専門家は

「それは誰にもわからない。」

と答えています。

「ほとんどの人がそんな質問をしたいとは考えていません。」

しかし政府の考えははっきりしています。

2015年には、憲法の「解釈を変更する」法案を可決し、自衛隊がアメリカにとってより強力なパートナーになることを可能にしました。

自衛隊の職員は現在米軍と一緒に、侵略された島嶼を奪還するために編成された水陸両用の襲撃部隊の訓練を行っています。

これは中国に対するあからさまなデモンストレーションです。

首相の安倍首相は、日本の平和主義を象徴する憲法第9条に自衛隊の存在を明確に書き込むことで、違憲状態を終結させたいと考えています。

 

しかし自衛隊が抱える最大の問題は法的なものでもなく政治的なものでもなく、人口統計学的な問題であるかもしれません。

日本の18歳の人口はここ20年間で50万人以上も縮小しており、それでなくとも自衛隊員の募集は長い間課題となってきました。

隊員不足の問題は自衛隊が実際に戦闘を行う可能性が増せば増す程悪化する可能性があります。

70年以上の平和な生活を続けてきた日本にとって戦争は遠い存在であり、戦争への見通しについて心の再整理は出来ていません。

 

http://www.economist.com/blogs/economist-explains/2017/11/economist-explains-13?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

この記事を読み、太平洋戦争中の徴兵によってどれだけの数の日本人の人生が壊されたのか?ということを考えてすごく嫌な気分になりました。

太平洋戦争を始めた連中はきわめてずさんな、そして都合の良い展開だけを頭に描いて『中国を叩き、イギリスを叩き、アメリカを叩き』ました。

こんな戦略は今考えれば無謀を超えた愚劣なものです。

しかし当時の軍国主義政権はそこで200万人と言われる日本人の命を無駄にしました。

最終盤、大量の日本兵を死なせた『玉砕」など各部隊指揮官のメンツを保つというだけの理由で、大勢の兵士がアメリカ軍の重火器の前に実質的に無力な全身をさらすことになりました。

こうして日本はどんなに困難であっても徹底的に外交によって解決すべき問題に軍事力を用いたために、一旦は国が滅びてしまいました。

 

現在の北朝鮮問題も世界の軍事評論家はそろって『戦争という選択肢は無い』と断言しているのに( http://kobajun.biz/?p=31681・http://kobajun.biz/?p=31697 )、トランプと安倍政権だけがせっせと戦争準備を進めているように見えます。

さらには日本は『中国・北朝鮮に対する緊張状態を演出し続けることで、自民党一党支配を継続させてきた( http://kobajun.biz/?p=32547 )』という記事がありました。

しかし現在は度を過ぎています。一線を越えていると思います。

この記事にあるように、『戦力」の一方的な拡大を続け、隊員数の問題が逼迫してきたらどうするのでしょうか?

自衛隊員の給与体系を公務員の中で最も高いものにするのでしょうか?

『徴兵」に踏み切ろうという動機を持ち始める政治家などが現れるのでは無いでしょうか?

 

私たちも私たちの子供達もそのこどもたちも、戦争するために生まれてきたのではありません!

福島第一・ロボットが原子炉内の溶解ウラン燃料を最終的に確認《後篇》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 8分

溶解した核燃料の取り出し開始を2021年と発表した日本政府、具体的計画は未着手

核燃料を取り除く作業が終わらなければ、人々に福島第一原発の事故収束を認めさせるのは難しい

 

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 2017年11月19日

ごく最近の訪問で確認した限り、福島第一原子力発電所の様子からはかつての緊迫した空気は無くなりましたが、敷地内の移動についてはまだ厳しく管理され、全員が放射線量の測定バッジを身に着ける必要がありました。

一方「休憩施設」の建物の中では労働者が大きなカフェテリアで食事をしたり、コンビニでスナックを買ったりしていました。

発電所の入り口には「敷地内でのポケモン等のゲームは禁止」という警告が掲示されていました。

 

福島第一原子力発電所の事故収束・廃炉作業を専門に行っている東京電力の子会社の広報を担当する広瀬氏が次のように語りました。

「私たちは敷地内のがれきの片づけを完了し、発電所を制御下においています。」

「そして廃炉に向けた準備の最終段階に入っています。」

 

今年9月に首相官邸は、破壊された3基の原子炉のうち少なくとも1基から溶解した核燃料の取り出しを、事故発生から10年後の2021年に行うという目標を設定しました。

実現すれば福島第一原発の事故収束・廃炉作業は画期的な段階を迎えることになりますが、実際にはどの原子炉でそうした作業が可能になるのかめどは立っていません。

 

日本政府は、福島第一原発の事故収束・廃炉作業を完了させるには最低でもこれから30〜40年、そして数十兆円の費用が掛かることを認めています。

そして原子炉内に入り、溶解した核燃料の取り出しを行うための新世代ロボットを科学者や技術者が開発するため、福島第一原発の近隣に100億円以上をかけた研究施設が新たに建設されました。

1986年に発生したチェルノブイリの事故では、ソビエト政府は1986年の事故の後、破壊された原子炉をコンクリートで覆って密閉するだけのいわゆる石棺工事を行いました。

しかし日本は福島第一原発を解体・廃炉処理を行い、事故後に避難した約16万人が住んでいた周辺の町村の汚染を除去することを公約しました。

 

福島第一原発周辺の町村では一部で除染作業が完了し、多くの住民に対し元住んでいた場所に戻る許可が出されました。

しかし福島第一原発自体の汚染、すなわち溶け落ちた核燃料を取り除く作業が始まらなければ、一般の人々に事故が終わったという事を認めさせるのは難しいと関係者は認めています。

そして核燃料の除去が始まれば、福島第一原発の事故後ほとんどが停止している日本国内の原子力発電所の再稼働に国民の理解が得られるのではないかと、関係者は期待しています。

 

日本政府と東京電力は現在、福島第一原発が『制御下に置かれている』という見解に疑念を抱かせる可能性のある、さらなるトラブルや事故を回避するため手順を慎重に進めています。

憂慮する科学者連盟の核問題の専門部門責任者であり、福島第一原発の事故の詳細を伝えた著作の共同執筆者であるデビッド・ロックバウム氏は次のように述べています。

「彼らはいかなる誤りも許さない、そして予期せぬ事態を引き起こさないためにきわめて慎重にものごとを進めていますが、その進み方は遅すぎると指摘する人もいるでしょう。」

「彼らは学習したのです。信頼を失うのは一瞬だが、それを回復するには長い長い時間がかかることを。」

探査用のロボット、ミニ・マンボウがたどるべき調査ルートについて具体的説明を行うため、東京電力の広瀬氏は原子炉2号機と同じ構造を持つ無傷の原子炉5号機を収納する建物の中(写真上)に私を案内しました。

広瀬氏は先の方にある狭い傾斜路を指さしました。

そこには今年2月に破壊された2号機原子炉内でがれきに行く手を阻まれ、操作不能に陥ったスコーピオンに似たロボットと別のロボットがありました。

スコーピオンは原子炉内を調査中、一時間当たり70シーベルトという極端に高い放射線のために電子部品が正常な機能を失い、送られてきていた画像はやがて真っ黒になってしまい、技術者は操作をあきらめるしかなくなりました。

人間は1シーベルトの放射線を浴びれば放射線障害を引き起します。

 

広瀬氏は次に原子炉の下の台座と呼ばれる部分に私を導きました。
原子炉の底面は巨大なボルトの集合体のように見えました。

これらのボルトは正常に機能している際には原子炉内で核分裂反応を加速させるため核燃料棒を注入し、逆に減速させる際には徐々にこれを引き抜くために使用するアクセスポイントです。

台座は金属製の格子状になっており、その下には基礎部分のコンクリートを見ることができます。

「過熱した燃料はここから滴り落ちて、この辺りの格子を溶かしてしまったと考えられます。」

広瀬氏がこう語りました。

 

私たちは原子炉の下で、頭を底部にぶつけないよう、身をかがめていなければなりませんでした。

原子炉の周囲は暗く、辺りを覆い尽くす程パイプや機械類でいっぱいになっていました。
がれきや原子炉内の構造物に引っ掛かることを防ぎながら進むため、ミニ・マンボウは原子炉3号機の底まで約6メートルを走行するのに3日を要しました。

さらに他の2機の原子炉を調べるために、エンジニアはがれきの間を縫うようにして進むことができる「ヘビ」ロボットと、ほとんどの物質を通過できるミューオンを利用した画像装置を作りました。

ミューオン装置は原子炉内部粗いゴースト画像を描き出します。

そして溶解した核燃料を取り出すという作業自体も、きわめて困難な技術的課題と危険をセットにして突きつけることになるでしょう。

技術者たちは楢葉遠隔技術開発センターで新しい放射線耐久型ロボットを開発しています(写真上)。

このセンターには実物大の原子炉の模型を収容する格納庫サイズの建物と、ひとつひとつのがれきがどこにあるのかまで原子炉建屋内を再現したバーチャルリアリティルームが含まれています。

「私は30年間ロボット・エンジニアを続けてきましたが、これほど厳しい課題に直面したことは一度もありませんでした。」

このセンターの研究開発担当責任者である川澤晋二氏がこう語りました。

「ここでは日本のロボット・エンジニアに崇高な使命が課されているのです。」

 

(冒頭の写真 : 楢葉町に建設された技術開発センター、水槽内での事故現場探索用のロボットの実験)

〈 完 〉

https://www.nytimes.com/2017/11/19/science/japan-fukushima-nuclear-meltdown-fuel

福島第一・ロボットが原子炉内の溶解ウラン燃料を最終的に確認《前篇》

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 8分

人間が近づいたらたちまち死に至る程高いレベルの放射線の存在が、すべてを難しいものにしている

放射線に対し高い耐久性を持つ新型ロボットを投入し、所在と状況が不明の核燃料の特定を急ぐ

 

マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ 2017年11月19日

その日福島第一原子力発電所内で4人のエンジニアが数台のモニターの前に腰を下ろし、中の1人がゲームコントローラのように見える装置を操作していました。

彼らはこれまでの一カ月間、今まさに行なおうとしていることのために訓練を続けてきました。

福島第一原発内の破壊された原子炉の中心部に一台の小型ロボットを送り込み、操作するためです。

 

福島第一原発内の破壊された原子炉内にはこれまでも調査用のロボットが送り込まれてきましたが、あまりにも高い線量の放射線や内部に散らばるがれきによって破損するなどしていずれも操作不能に陥りました。

しかし、ミニ・マンボウと呼ばれる新型は放射線に対する防御能力を高くし、さらに浸水した状態の原子炉建屋内にあるその部分だけ異常に放射線量の高いホットスポットを避けるためのセンサーも備えています。

シューズケースほどの大きさのミニ・マンボウは小型プロペラを装備し、小型ドローンが空中を飛行するのと同じ要領で水中を行き来します。

事故によって破壊された原子炉建屋内を3日間慎重に走査した後、ミニ・マンボウは最終的に最も損傷の激しい原子炉3号機に到達しました。

そして原子炉底面に開いた大きな穴、そしてその下の床に凝固した溶岩のような塊が存在する画像を送信してきました。

これは事故の際に溶融したウラン燃料について初めて撮影された画像になりました。

 

実際に使用される前に、ミニ・マンボウは横須賀でデモンストレーションを行いました。

放射線に対する耐久性の高い機体とセンサーを装備した水中ロボットです。

ミニ・マンボウは以前のロボットが失敗した場所で、残骸のある場所やホット・スポットを巧みに回避しながら、福島第一原発の事故現場で極めて危険な存在であるウラン燃料の所在を明らかにしました。

 

原子炉3号機ではすでに今年7月にも溶解した核燃料の一部と見られる物質の存在を遠隔操作のカメラを使って確認しており、日本政府の関係者は同様の成功を重ねていくことで、チェルノブイリ以降最悪となった原子力発電所事故の転換点になる事を望んでいます。

2011年3月11日に発生した巨大地震と15メートルを超える津波が福島第一原発の重要設備である冷却システムの破壊して福島第一原発の大惨事が発生しましたが、それ以来、溶解した核燃料はどこにどのような形で存在しているのかという問題は、最大の謎の1つとされてきました。

冷却機能を失った原子炉の核燃料は過熱状態に陥り、6基中3基でメルトダウンが発生しました。

ろうそくのろうが溶けるようにして液状化し、鋼鉄製の格納容器を溶かして穴を開けるほど高温化したウラン燃料は、下部のコンクリート製の基礎部分にも浸透して行きました。

 

これまでのところ、後に『フクシマ・フィフティ』として賞賛されることになった福島第一原発の職員たちが海水を原子炉建屋内に注入して再度原子炉の冷却を可能にするまで、核燃料が溶解してどこをどう通りどのような状態になってるのか、誰も状況を把握できずに来ました。

最大の原因はもし人間が近づいたらたちまち死に至る程高いレベルの放射線の存在であり、溶解した核燃料の状況など確認しようがありませんでした。

しかし東京電力の職員たちが事故現場の処理に習熟していくにつれ、行方不明の核燃料を探す余裕も出てきました。

科学者やエンジニアはミニ・マンボウのような放射線耐久型ロボットや、原子炉内部の放射線量の状況を調査するためマンボのような放射線耐性のロボットと、反応炉の内部を見るためにミュオンと呼ばれるエキゾチック空間粒子を使った巨大なX線走査装置も製作しました。

 

日本政府の原子力行政の担当者と原子力発電所を所有する各電力会社は、現場の技術者が溶解した核燃料の所在を特定したことにより国内世論が変わることを望んでいます。

 

福島第一原発の事故により関東北部から東北地方にかけて大量の放射性物質が放出されてすでに6年半が経過しました。

最悪の局面では東京も一時危機的状況に陥るかに見えましたが、現在は福島第一原発が事故直後の混乱を収拾して脅威が去ったことを世間に周知したいと考えています。

すなわち計画的に事故収束・廃炉作業を進めていると…。

東京電力の木元崇宏原子力・立地本部長代理が次のように語りました。

「これまでは、溶解した核燃料がどのような状態でどこにあるのか、正確には分かりませんでした。それが特定できたため、これからはそれを回収する計画に着手することができます。」

 

東京電力は現在、福島第一原発をひとつの巨大な産業事故処理現場と定義したいと強く望んでいます。

約7,000人が毎日作業を続け、新しい汚染水の貯蔵タンクを建設し、敷地内に散乱していた放射性廃棄物を新しい処分場に移し、巨大な水素爆発によって崩壊した原子炉建屋の上に巨大な足場を組み上げました。

敷地内への立ち入りも、1年前は特別性の放射線防護服を着用しなければなりませんでしたが、現在はもっと簡単になりました。

今日では労働者や訪問者は、最も危険な領域を除くすべての領域を街を歩くような格好で移動することが可能です。

東京電力の案内担当者によれば、これは中央部分にあった樹木を伐採し、敷地内をすべて再舗装して汚染を密閉したことにより可能になったと説明しました。

 

[写真下]現在の福島第一原発・1号機原子炉建屋。上部構造は2011年3月の事故の爆発により吹き飛ばされました。

 

《後篇に続く》

https://www.nytimes.com/2017/11/19/science/japan-fukushima-nuclear-meltdown-fuel

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

福島第一原発の事故について改めてもっとも許し難いと思うのは、やはり160,000人とも250,000人とも言われる人々のそれまでの暮らしを葬り去った事でしょう。

人間は新たに幸せな暮らしを手に入れればそれですべて良しとするほど単純には出来ていないと思います。

私も年齢を重ねるごとに、自分の祖先がどうだったかという事を考えることが多くなりました。

過去とつながっているという事の価値は、漠然としか理解できないものですが、だからと言ってさほど価値が無いという事でもありません。

 

福島第一原発については物理的な回復に加え、人々の心の再生という事も大切な課題だと思っています。

 

核兵器妄想に取りつかれたトランプ《4》悪夢を再び世界に押しつけるアメリカ大統領

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 7分

北朝鮮に爆弾を投下することを、トランプ政権はなぜ決まった予定のように話すのでしょうか?

民主主義を理解しようとしない大統領トランプの指を、核兵器発射ボタンから早く引きはがして!

 

レベッカ・ゴードン /ル・モンド・ディプロマティーク 2017年10月31日

これに対し、トランプが起用した民間人のスタッフは褒められたものではありません。

ニッキー・ヘイリー国連大使は9月、CNNの報道番組の中でトランプ政権が

「可能な限りすべての外交的手段を尽くし、まずは北朝鮮に注意を促したい。」と語りました。

しかし、もし外交手段では事態が好転しない場合には

「北朝鮮はマスティス将軍に面倒を見てもらうことになるだろう。」と語りました。

そして放送を聞いている人たちが『面倒を見る』という言葉の意味を取り違えないよう、次のようにダメ押ししました。

「北朝鮮がこれ以上無謀な行動を続けるつもりなら、米国はいかなる手段を使っても国土や同盟国を守らなければならなくなったら、北朝鮮は完全に破壊されることになるだろう。」

 

確かにレックス・ティラーソン国務長官は毅然とした態度で、北朝鮮との対話の窓口を常に開けておく必要性を繰り返し主張し、トランプ得意のツイッターで

「リトル・ロケットマンと交渉しようとして、時間を無駄にしている」と嘲られています。

テイラーソン長官は10月15日、最初の一発を投下するまで外交努力が続くだろうとCNNに説明しました。

 

なぜテイラーソン長官は爆弾を投下することを決まった予定のように話すのでしょうか?

最初の一発を投下するのは誰になるのでしょうか?

彼はアメリカ軍による第一撃について話をしているのでしょうか?

あたかもトランプ政権全体が、外交努力がうまくいかない場合には必然的に戦争もあり得るという選択肢受け入れたように見えます。

それが具体的にどういう事かわかりにくい方は、ブッシュ政権が2003年3月20日にバグダッドに最初の一発と巡航ミサイルが発射される直前まで、イラクの独裁者であるサダム・フセインとの交渉を続けるという口実を掲げていたことを思い出してください。

 

トランプは一方的に命令してものごとを進めたいと考えています。

しかし合衆国憲法の細かな点、法律の定め、そして三権分立という民主主義のルールは、トランプが思っていた以上の障害になっています。

これまで大統領令を濫発して思い通りに進めようとした試みはほとんど失敗しました。

トランプにとっては『三度目の正直』となる、イスラム教徒の入国を禁止する方針は再再度法廷に持ち込まれました。

 

さらにはオバマ大統領の下で整備された医療制度であるオバマケアを無効にし、国家からの補助金拠出を中止させようという最近の取組もすぐには実現しそうにありません。

事実、トランプの方針に対しては、すでに18もの州が無効を求めて法的手続きを行っています。

 

トランプはイライラしています。

なぜ自分は映画スタートレックのジャン・リュック・ピカード指揮官のように、手で合図をするだけで周囲の人間たちにおとなしく言う事を聞かせられないのでしょうか?

なんでも思い通りになるなら、トランプは絶対王政の君主のようなものであり、憲法、法制度、そして議会は何の意味も持たなくなります。

 

 

トランプが望む通りの体制とは絶対君主制に他なりません。

そうなればトランプ一人で核攻撃を命じることができるようになります。

そうなってしまったら、他の問題では成文法や慣習法によってトランプの恣意的な判断が妨げられる可能性は残されますが、ボブ・コーカー上院議員が警告した通り、トランプ一人のせいで世界は『第三次世界大戦への道』を進むことになり、アメリカは1945年8月9日の長崎への原爆都投下以来初めて、核兵器使用に踏み切ることになるでしょう。

「核兵器発射ボタンからトランプの指を引きはがして!」

 

アメリカ議会にもしその気があれば、トランプの狂気を止めるための時間はまだ残されています。

たとえば核兵器の先制攻撃を行うためには、国務長官や国防長官、上下両院の院内総務など指名された人々の全会一致の決議を必要とするとする法案を可決成立させ、大統領の専行を防ぐなど数多くの対策がとれるはずです。

さらに良いことに、アメリカ議会はこれまで長い間放棄されてきた宣戦布告するための憲法上の権利をまだ有しており、カリフォルニアのテッド・リュー下院議員によって1月に提案された簡単な法案を承認すればそのことを再確認することが可能です。

議会調査部によれば、この下院決議案669号法案『2017年核兵器先制使用禁止令』は大統領が核兵器を先制使用することを禁止し、議会の宣戦布告の後、核兵器については議会が承認しなければ使用できないことになっています。

まだ時間があるうちに議会は行動を起こさなければなりません。

一方的に核兵器攻撃を命令する権限をトランプから取り上げれば、北朝鮮政府関係者の不安をひとつ取り除く結果につながるかもしれません。

でもそれ以上に私たちが夜安心して眠りに就くために、是非にも実現しなければならないことのはずなのです。

 

〈 完 〉

https://mondediplo.com/openpage/trump-s-nuclear-dreams

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

最も知性に優れた人間が一国の指導者に就くという事は、別に保証されているわけではない。

それはアメリカでも実際私たちが目にしているし、日本に於いてもそうだと思います。

しかしその事に一番責任を持たなければならないのは自分たち自身であり、現実を変えるために何かをしなければなりません。

核兵器妄想に取りつかれたトランプ《3》悪夢を再び世界に押しつけるアメリカ大統領

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 8分

核兵器使用への日本国民の憂慮に対し、トランプは作った以上使う事も選択肢の一つだと返答していた

これまでさらけ出してきた無分別・無知蒙昧さの一体どれを指して、トランプは『馬鹿』と言われたのか

 

レベッカ・ゴードン /ル・モンド・ディプロマティーク 2017年10月31日

いつでも核兵器の発射ボタンに手をかけるぞという脅しは、広く知られているトランプの『交渉術』のひとつの実例かもしれません。

トランプの交渉術なるものはただ単に攻撃的な手法を合理的な話し合いのように外観を取り繕うため、他が『えっ?』と思うような着手点から交渉プロセスを開始するものです。

 

過去に核兵器の保有への途模索していた可能性のあるイランのような米国の敵性国家であっても、これまでトランプはこうまで破壊的ではありませんでした。

トランプはオバマ大統領が中心になって交渉をまとめ上げたイランとの6カ国協定にずっと反対し続け、度々協定の一方的破棄を口にしてきましたが、実際にはそうはしていません。

イランは協定の内容を順守しているとの国際原子力機関(IAEA)の保証の受け入れを拒否しただけで、判断を議会に委ねるというだけの対応に終りました。

 

トランプが本音では独裁力を発揮したいと考えていることは明らかです。

本来採らなければならない政策をないがしろにしながらそうした衝動を隠し、政権基盤に対する信頼性を手に入れようとしているやり方には驚くべきものがあります。

 

こうしたことは先々に多少の希望が持てるという兆候かもしれませんが、現在のアメリカ大統領の発言の中に世界にとって多少なりとも希望が持てる状況を見出せるかどうかは、占いでもしないと解りません。

残念ながら私たちは、トランプが大統領執務室にいる限り、核兵器使用の可能性の方が高まるだろうという事を懸念しなければなりません。

トランプは核兵器に対して個人的に愛着を持っていることを繰り返し表明してきましたが、実際に使用してしまったらその先に何が待っているのかを真剣に考えている様子はありません。

事実2016年3月、ビル・オライリーがホストを務めるアメリカのFOXニュースの報道番組で、ヨーロッパにおける核兵器の使用を検討することになるかもしれないと語りました。

そしてヨーロッパを『広大な場所』と表現し、そこに明確な目標を定めて核兵器を使用することについて、あたかも理に適った事のように語っていたのです。

そしてさらに同じ月、今度はMSNBCのタウンホールで「私は勝負を降りるつもりはない」と語り、イスラム国(ISIL)の『カリフがいる首都』に対する核兵器攻撃を提案したのです。

少人数であちこちに隠れているゲリラ戦闘員に対する核兵器攻撃?

そんなことは無意味なだけでなく、最悪の結果をもたらすことになるでしょう。

 

NBCニュースのコメンテーターのクリス・マシューズ氏が、トランプが核兵器使用も辞さないという態度を表明していることについて、日本の国民が憂慮しているようだと告げると、彼はこう語りました返答しました。

「じゃなぜ私たちは核兵器を作ってるんだ?我々は使うために核兵器を作ってるんじゃないのか?」

マシューズ氏の質問はドナルド・トランプ以外の別の人間に向けられていたなら、意味のあるものになったかもかもしれません。

レックス・ティラーソン国務長官がトランプを「馬鹿だ」と呼んでいたことが最初に明るみに出た時、トランプがこれまでさらけ出してきた無知蒙昧さの一体どれを指して馬鹿といったのか、私たちは疑問に思っていました。

今はもう誰もが理由を解っています。

2017年7月の国家安全保障ブリーフィングの席上、トランプはアメリカがすでに保有している4,000基の核弾頭を10倍に増やすべきだとの提案を行っていたのです。

 

トランプが最も敬意を払っている顧問は現役の将官あるいは退役した将軍たちですが、ジョン・ケリー参謀総長、ジェームズ・マティス国防長官、H.R.マックマスター国家安全保最高障顧問を含む、リベラル派とは対極にある人物たちです。

まるで軍人の同窓会のような顔ぶれですが、それでもトランプの大統領執務室にあってはまだしも『成熟した』人間に分類されます。

別に確信している訳ではありませんが、気質上彼らの方がアメリカ合衆国のかじ取りに向いているとしても、事実その傾向が見えていますが、顔ぶれを見れば外交問題の解決手段として軍事力の行使が最初のアプローチになる可能性があります。

 

実際にマティス国防長官は、米国やその同盟国に対して北朝鮮が脅威を与えれば「大規模な軍事的報復」行う可能性があると、2017年9月に警告しています。

「私たちは、北朝鮮という国家の全滅を目指しているわけではない。ただし、我々には多くの選択肢がある。」

同様にABCのジョージ・ステファノプーロスに取材を受けた際、マックマスター国家安全保最高障顧問はこう答えました。

「はっきりしていることは、脅威だけでアメリカ軍が実際に行動を起こすことは無い、そうだろう?諸君。」

「脅しだけなら、結果は必然的にそうなる。そうだろう?」

 

そしてマックマスターは特に次の点を強調しました。

「キム・ジョンウンはすでに親族を殺し、北朝鮮国民を冷酷に扱っている。核兵器を使用すれば、『相互確証[確実]破壊 - MAD』という冷戦時代の核兵器戦略がどう機能するのか、そこまで頭が回らないのかもしれない。」

 

奇妙な話ですが、史上名高いもう一人の共産主義者の独裁者であるヨシフ・スターリンは血で血を洗うような党内の粛清を行い、数百万人ものソビエト市民を死に至らしめましたが、核兵器についてはそれを使えばどういう結果を招くか充分理解していたようです。

当たり前の人間にとってこの二人のアジア人を理解することには困難が伴いますが、その中身はまったく異なっているようです。

CNNによれば退役将官であるケリー氏ですら、記者団に次のようにそっと耳打ちしました。

「核兵器を搭載したミサイルをアメリカ本土の目標に到達させるだけの能力は、北朝鮮にはありません。」

「もし彼らがすでにその能力を手に入れており、アメリカにとっての脅威が増しているとすれば、外交がうまくいくことを祈りましょう。」

 

《4》に続く

https://mondediplo.com/openpage/trump-s-nuclear-dreams

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

核兵器妄想に取りつかれたトランプ《2》悪夢を再び世界に押しつけるアメリカ大統領

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

核兵器使用のトランプの基準はあまりにも曖昧で、その決断条件は誰も理解できない

核兵器を用いた戦争が始まる危険性を現実の世界に持ち込んでしまったトランプ

 

レベッカ・ゴードン /ル・モンド・ディプロマティーク 2017年10月31日

実際、「核シェルターに関するモラル」は当時、好んで取り上げられた倫理問題のひとつになりました。この問題の中身は次のようなものでした。

万が一に備えて核シェルターを準備しておいた人々が実際に核攻撃が行なわれ自分たちが助かった場合、準備する事無く攻撃で犠牲になった人々に対し責任はあるのか?

 

ライフ・マガジンは1962年発行の号に巻頭記事で、核攻撃に備え『持てる者』と『持たざる者』に格差が生じないように政府に対し、核シェルターの大量建設を求めました。

フィレンツェ・エルガン夫人によるこの記事の中で、彼女は「私は核シェルターに関するモラルに失望しています。」と述べ、次のように続けました。

「自分の家族を守りたいというのは人間として当然のことですが、私の中の倫理観は隣人をも守るための姿勢をもとめています。」

 

今日でも大学の政治学やビジネス倫理学を学んでいる学生が「核シェルターに関するモラル」の課題を与えられることがありますが、これはもう間違いなく古代史の一項目のようなものであり、やらされている学生たちは困惑気味です。

この課題では限られたスペースと乏しい食料しかない核シェルターの中に、ラテン系の娼婦とその幼い息子という親子、白人男性の生物学者、等々が留まり続けることを許すべきかどうかということを考えなければなりません。

スマートフォンの画面に描き出されるこれらの人物は1950年代に制作された、核戦争に備えるよう求める映画の3人の短いスカートを身に着けた女性たちに比べれば、明らかに多様化しています。

思春期、私は皮肉屋として知られたトム・レーラーの『次は誰?』の全文をほとんどそらんじていました。

『まずは核兵器を手に入れること。それでもう大丈夫、なぜなら私たちは平和を愛しているし、母性の大切さをちゃんと認識しているから…』。

そして核戦争に関わるフィクションも読みました。

『フェイルセーフ』、核戦争の結果地球上の生物が全滅に向かう様子を描いた『渚にて』など、どれもぞっとする内容でしたが、中でも最悪だったのは核戦争と人種差別の二重の恐怖を描いたロバート・ハインラインの『ファーンハム・フリーホールド』でした。

この物語では核爆発によって作者の分身とも言うべき自由主義者の主人公が、異次元世界にあるアメリカに送り込まれます。

そこで主人公が目にするのは、若い白人女性が『珍味』として扱われるほど、黒人と白人の人口割合が逆転している世界でした。

 

そしてこの作家は『異星の客』を発表、この本は直感と物事の深層を理解し『共感』し合う事を説き、後にヒッピーの経典とされ大切にされました。

ハインラインは1960年代の快適な白人社会のモラルを完全否定し、別種の完璧な調和をフィクション化した作家でした。

 

核兵器が持つ瞬時に大量殺戮を行う能力や潜在的脅威、つまり自分の人生の中で核戦争の危険性がどの程度現実味を帯びてくる可能性があるかということについて説明することは難しいことですが、1991年のソビエト連邦崩壊の後に生まれ育った人たちに理解してもらうのはなおさら難しいことです。

例えば夜中サイレンの音にたたき起こされて、すべての人が地球最後の日が訪れたことを知らされるような世界で生きていることを説明することは、とても困難なことです。

当時眠れなくなった私はトランジスタラジオを枕の下に置いて、普段は馬鹿にしていたポップスやロック・ミュージックを専門に流していた放送局にチャンネルを合わせ、当時のトップ40のヒット曲を聞きながら、そんな事態はやってこないと繰り返し自分に言い聞かせていました。

現代から見れば病的としか言いようがないこうした恐怖感は、当時は珍しいものではありませんでした。

核戦争に対する絶えざる恐怖は、この時代に子どもだったすべての世代の背景を形作りました。

私の友人たちの両親の多くはアメリカ合衆国政府の職員として働いていましたが、私と同じ恐怖に脅かされていました。

私たちは電話でおやすみを言い合いましたが、高校のボーイフレンドと私は時々、明日自分たちは生きていられることができるかどうかという疑問を口にすることがありました。

私たちの青春時代は常に死という問題と向かい合い、それは人間という種の絶滅によるものでした。

中には少しおかしくなってしまう人すらいました。

私たちは他に例のない戦時意識の中で暮らしており、そんな中で自分たちの将来について計画することは何の意味も無いように感じていたのです。

 

▽21世紀の私たちの現実

 

ベビーブーマー世代の恐怖は現実のものにはなりませんでした。

しかしドナルド・トランプはその恐怖を復活させただけではなく、2017年に北朝鮮との間で核兵器を用いた戦争が始まる危険性を現実の世界に持ち込みました。

世界の各所で行われている調査や分析の結果は、そうした危険が現実のものになる可能性は低いという事を示唆しています。

トランプは今年8月9日に北朝鮮に対し、もしアメリカを脅迫するようなことを再度行ったら「世界がかつて見たことの業火と怒り」によって国土を焼き払うといった類いの脅しを口にしなくなりました。

あるいは、アメリカ本国や同盟国を北朝鮮の攻撃から防衛しなければならない事態に立ち至った場合には躊躇無く北朝鮮の全土を破壊するという、周囲を唖然とさせた国連での約束も実行してはいません。

どちらの場合についても政治学者のスティーヴン・ブラムス氏が指摘していますが、トランプの言い方では核兵器の使用に踏み切る基準をあまりにも曖昧にしているため、どのような事態になれば一線を超えることになるのか理解できません。

 

2017年10月13日のニューヨークタイムズ紙によると、北朝鮮の政府当局者から次のような情報を入手したと伝えています。(https://www.nytimes.com/2017/10/13/...

「西太平洋におけるアメリカ軍の軍事的領域であるグアム周辺に、北朝鮮が弾道ミサイルを撃ち込む脅威が再燃している。」

現時点でトランプからは何の反応もなく、北朝鮮の脅威が何を意味するものであろうと核兵器を使った報復などは考えられないということだけは言えます。

人類にとって幸いなことに、トランプは当初の過激な発言については後に撤回するか、あるいは別の対応を選択するしか無い状況に置かれているようです。

 

《3》に続く

https://mondediplo.com/openpage/trump-s-nuclear-dreams

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

トランプはアメリカ国内で共和党の議員に、北朝鮮は未だアメリカ国内に目標を設定できるだけのミサイル技術を持っていないという前提で、

「戦争になっても、今度は死ぬのはアメリカ人ではなく、朝鮮半島と日本列島の人間たちだ。」

という意味の発言を行ったと一部で伝えられました。

こんなアメリカ大統領はおそらく史上初めてであり、『アメリカ・ファースト』というキャッチフレーズの持つ意味が

「そこまでのものなのか…」

と、絶句せざるを得ません。

 

根底にそんな考えを隠し持つ大統領の国から、

「さあ、やるぞ!」

とばかりに、進んで高額な兵器を大量に買い入れる現政権の姿勢には強烈な違和感を感じます。

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
カテゴリー
メタ情報