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30ワットの明るさ

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所要時間 約 3分

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あの震災からひと月程して、25歳になる娘が女房殿に言ったのは
「食べ物が無くなって、本当に怖かった。」
という感想だったそうです。
考えれば、昭和60年に生まれた娘が何か「売っていないから、手に入らない。」という経験などはしたことが無いかもしれません。

コペンハーゲン(デンマーク 1976年発行)

コペンハーゲン(デンマーク 1976年発行)

そのためか、近年はモノを売り出す際にことさら品薄感をあおるため
「初回生産限定」「限定生産・製造番号付き」
などのテレンテクダが多用されるケースも。
それが震災後のこの地、仙台では様相が一変してしまいました。
言われてみれば、スーパーなどに行ってカップ麺の棚がカラッぽで何も無かったりすると、ちょっとコワいな、って思います。
でも私たち親の世代は小さい頃は日本の高度成長が始まったばかりの頃で、言ってみれば無いのが当たり前の時代。それが小学校あたりから年を追うごとに暮らしが良くなっていき、「努力すれば報われる♪」「末は博士か♬大臣か♪」なんて言葉が、暮らしの常識として通用していた時代でした。
モノは足りないけど、時代の明るさは100ワットを超えていたかもしれません。
それからたった一世代後の現代。
日本国民の少子高齢化が進み、国の財政は破綻寸前。社会的には『格差』が広がり、学校を卒業しても働き口の無い若者が急増。働き口を持っている未婚男性・女性の中にも結婚生活を実現させられるだけの収入が無く、結婚できないまま30代、40代を迎える男女が急増...

訪れた人、暮らしたことがある人が必ず「素晴らしい街だった」と語るコペンハーゲン(デンマーク 1976年発行)

訪れた人、暮らしたことがある人が必ず「素晴らしい街だった」と語るコペンハーゲン(デンマーク 1976年発行)

日本の社会は閉塞感に打ちひしがれていながら、なぜかモノだけはあふれかえっていて、各家庭には要らないものがいっぱい。
モノはあふれているが、時代の明るさはせいぜい30ワットと言ったところでしょうか。
そこを襲った今回の大震災。
ここ仙台のある宮城を挟み、岩手 ~ 福島は一時、文字通り真っ暗闇に陥りました。
そして復興へと向かう段階に入った今。
30ワットの社会に戻すのか?
50ワット、80ワット、100ワットの選択肢もあるはず。
被災地の真ん中に暮らす者として、誤った選択はしたくないものです。 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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