星の金貨 new

星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

ホーム » アーカイブ

「裏切られた!」東京医大スキャンダルの被害者が告発する

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 9分

試験の点数を意図的に引き下げられた女性、男女不平等の問題は日本の社会全体に蔓延していると指摘

女性の社会進出を自らの成長戦略の柱と位置付ける安倍首相にとって、東京医科大のスキャンダルは恥ずべきものであるはず

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2018年8月10日

数年前、宮内理子さんは医者になることを夢見て、日本の最も有名な医大の試験場に入って行きました。
若い女性のひとりとして、宮内さんは進もうとする道がきわめて狭いものであることを認識していました。
そして東京医科大学の入試は難関として知られ、さらに男性よりも女性が合格することの方がはるかに難しいとされていました。

 

宮内さんは知らずにいましたが、大学当局は宮内さんが進もうとする道に別の障害物を置こうとしていました。
大学側にとっては見ず知らずの女性でしかない宮内さんの試験結果に対し、女性の医学界への進出をできるだけ阻んでその分男性の医師を確実に増やそうと意図する大学の当局者によって、実際よりも点数を下げる操作が行われたのです。

 

8月初旬に読売新聞が伝えたところでは、東京医科大学は女子学生の比率が3分の1を超えないよう操作していました。
理由は女性医師は出産後も医師を続けられるかどうか不明だという懸念からだとしています。

 

このスキャンダルは世界中に伝播し、各国の報道機関が否定的な見出しを掲げることになりました。

この事態を受け日本の文部科学省は、国内数十カ所の医科大学や医学部で制度的に性差別が行われていないかどうか緊急に調査するよう通知しました。

 

初期にこうした不当な扱いを受けた女性の一人である宮内さんはガーディアンとのインタビューの中で、
「東京医科大学が意図に女性を不合格にし、結果として男性医師を増やそうとしているという噂は知っていました。」
「それでもその噂が本当だとわかって、私は本当にショックでした。」

8月第2週に入り、東京医科大は10年以上にわたって女性受験者の入学試験の点数を意図的に引き下げていたことを認めました。
この事実は東京医科大が国の研究資金を獲得しやすくするよう操作する見返りに、息子を不正に合格させた疑いがある文部科学省の官僚に対する調査中に発覚したものです。

 

調査によると今年の入学試験では、一旦すべての応募者の第一次試験の得点を20%引き下げた後、過去に少なくとも4回以上不合格となった受験生を除き、男性の主権者に一律にも20点以上を加点しました。

東京医科大のスキャンダルはメディアから厳しい目で見られ、大学は公式に謝罪せざるを得ませんでした。
東京医科大が性別による差別操作を始めたのは2006年だと認めました。

 

この事件の発覚を受け、他の歯科大学や医学部でも女性受験者を差別しているのではないかという疑念が高まっています。

 

数年前東京医科大学を受験した田中さゆみさんは自分の入学試験の結果も不正に操作された事実を知って、裏切られたと感じたことを明らかにしました。

「性別によって受験生の試験の点数を操作することは、直接的な差別です。」
田中さんはガーディアンの取材にこう答えました。
「試験の点数を変えることと面接試験で受験者に低い評価を与えることには大きな違いがあります。なぜなら後者では、試験官の自由裁量に任せられているからです。」

精神医学者の途を志す田中さんは、東京医科大に対する損害賠償請求を検討している数人の女性うちの一人です。
「東京医科大の入試に費やした費用を弁済して欲しいのです。」
「東京医科大が女性の受験生を差別していることが最初分かっていれば、私は決して志望しなかったと思います。」

 

今回の事実の発覚は、医師になることを目指している日本の女性が直面させられている大きな障害をクローズアップすることになりました。
大学が公開した入学者の記録によれば、入学試験に合格した女性の割合は2009年の24%から2010年にはいったん38%にまで上昇しましたが、それ以来低下を続け2018年は18%になりました。

 

同様の問題が日本全国で取りざたされています。
1997年までの10年、医学部の女子学生数は目に見えて増加を続けましたが、過去20年間では30%をわずかに上回っている状態です。

女性医師の不足は、他の先進国中日本をはるか後方に押しやることになりました。

 

OECDのデータによると2015年の日本の女性医師の総数は67,493人であり、半数のOECD加盟国の平均が45パーセントであるのに対し、日本は21パーセントでしかありません。

産婦人科医であり日本女性医療者連合理事の種部恭子医師は今回の不正入試問題を受け、次のように語りました。
「確たる証拠をつかんでいるわけではありませんが、気になることがあります。」
毎日新聞のインタビューに種部医師は次のように語りました。
「問題の根源にあるのは、重圧の多い日本の医療現場を機能させるには、男性の医師が長時間働き続けることかできる点、向いていると信じられていることです。」
「今回の件でこのパンドラの箱が開いたことをきっかけに、病院や他の医療機関の構想的問題を解決するため何をすべきかということに関し、全国的な議論が必要です。」

 

今回のスキャンダルは女性の社会進出を自らの成長戦略の柱と位置付ける安倍首相にとっても、恥ずべきものであるはずです。

 

女性は現在、日本の労働力の40%以上を占めていますが、政治家、会社役員、医療などの専門的職業分野では過小評価されています。
世界経済フォーラムは2017年、男女平等の観点から日本を144カ国中114位にランクさせましたが、10年前と比べても順位は23位後退しました。

 

田中さんも宮内さんも日本医科大学の入試結果発表以前に他の医科大学からの合格通知を受け取っていましたが、ソーシャルメディアと大学の首脳陣にこれまでのやり方を改めるよう求めるため前の週に大学の前で開催された抗議行動で自分たちの怒りをあらわにしました。
「東京医科大は付属病院で働ける男性医師を安定的に確保するために、入学試験の結果を改ざんしたと語っています。」
田中さんがこう語り、次のように続けました。
「その方針は女性医師を支援するものではなく、ただ単に男性にもっと仕事を与えることでした。そんなことをしても医療専門分野のプロフェッショナルの労働力不足を解決するのに役には立ちません。」

病院の救急救命室で医師として働くことを目指している宮内さんは、今回の入試結果の改ざんは医療はもちろん他の専門分野で働こうとする若い女性を減少させる危険があると語りました。

「それは女性には勉強は必要ないというメッセージを強調する結果につながります。」
宮内さんがこう語り、次のように続けました。
「夫が外で働いている間に妻が子どもを育てるという昔ながらの考え方は、まだまだ日本社会に残っています。これはさらに大きな問題です。これは日本にとって残念な状態です。」

 

※ご本人の希望により、宮内さん、田中さんはともに仮名です。

https://www.theguardian.com/world/2018/aug/10/betrayed-victims-of-tokyos-medical-school-scandal-react

なぜ日本は多量のプルトニウムを積み増しているのですか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 6分

エネルギー政策の中心に据えられていた核物質が重荷になってきた日本

日本国内の余剰プルトニウム、英仏での半永久保管か国内での地下埋蔵処分、いずれも巨額の費用が発生する

 

エコノミスト 2018年7月25日

アメリカが投下した原子爆弾により広島と長崎が壊滅させられてから数十年後、日本はドワイト・アイゼンハワー米国大統領が推進していた商業用原子力政策である『原子力の平和利用』を受け入れました。
冷戦の最中、この政略結婚によって日本にもたらされたのが6キログラムの濃縮ウランでした。

この濃縮ウランが日本の原子力政策の発端となり、最終的に原子力発電所が供給量の約3分の1の発電を行うことになったのです。

 

そして1988年、国際条約による厳しい規制を課された上で日本は核兵器の製造と同じ技術を使い、ウラン濃縮とプルトニウムの抽出を行うことを認められました。
そして2018年7月、日米両政府は1988年の協定を延長しました。

 

日本国内には現在6,000発の核爆弾を製造するのに充電な量の47トンのプルトニウムが蓄積されています。
日本はこれほどの量のプルトニウムを一体どうするつもりなりでしょうか?

エネルギーの自立という日本の色あせた夢の中心にあるのがプルトニウムです。

原子炉から取り出した使用済み燃料は、プルトニウムを抽出するために再処理することができ、その後プルトニウムは混合酸化物、すなわちMOX燃料にリサイクルされることになります。
このプルトニウムについては原子炉での再利用が目的とされていましたが、2011年の福島第一原子力発電所の重大事故の発性以来日本国内のほとんどの原子炉は停止したままになっています。
新たに導入された厳しい安全基準も原子力発電に抜きがたい不信感を持った国民を納得させるには至らず、国内のほとんどの原子炉は停止したままになっています。

 

日本の原子力発電設備全般がすでに高齢化しています。
河野太郎外相は日本の原子力発電の現状について「極めて不安定」であると認めています。

 

プルトニウムを多量に保有することについて日本の立場はますます厳しいものになっています。
日本政府は核爆弾を製造する意図はないとしています。
しかし中国やその他の周辺諸国は、日本がプルトニウムをどれくらいの期間保有することを許されることになるのか疑問視しています。
アナリストらはアジア地区でプルトニウムの保有量を競う状況に陥ることを懸念しています。

さらに核兵器を製造できるレベルの日本のプルトニウムは再処理され、フランスと英国に保管されています。
それは、武装した船舶などによって世界中を移動します。

 

米国はこうした核物質の輸送と民間施設でのプルトニウムの貯蔵は、核兵器不拡散に対する潜在的な脅威であると指摘しています。
潜在的な脅威とは核兵器製造のため転用されるか、テロリストの標的になる可能性のことです

 

こうしたアメリカ側の見解が、日本がプルトニウムの保有量を減らすべく動くように軽く揺さぶることになりました。

 

解決方法のひとつとしてあるのが、日本の核燃料リサイクル政策の中心となっている六ヶ所村再処理工場を本格的に稼働させることです。
東北地方の中でも特に雪深い場所にある六ヶ所村は、年間8トンのプルトニウムを生産することが可能です。
しかしこの施設はすでに計画された予算の3倍、工事の完了予定も20年も遅れています(2022年3月に稼働開始予定)。

 

仮に再処理プログラムが動き始めたところで、MOX燃料を使用することが可能な原子炉のほとんどは現在停止しています。

アメリカは日本に対しプルトニウムの放棄を迫る、あるいは条文に書かれている通り、1988年の協定を終結させることもできます。
しかし日米関係を考えるとこれは現実にはならないでしょう。

 

ということは日本は英国やフランスに一時保管されているプルトニウムをそのまま半永久的に保管してもらうか、あるいは余剰プルトニウムを地下埋蔵処分する方法を確立しなければならないということを意味します。
いずれの方法を選択しても、莫大な金額の費用がかかります。

 

そのため、最もありうるシナリオは現状ののまま何もしないということであり、日本における決して万全とは言えない状況での保管が今後も続くだろうということです。

 

https://www.economist.com/the-economist-explains/2018/07/25/why-does-japan-have-so-much-plutonium

安倍首相の派閥の国会議員の差別・侮辱発言に、幅広い分野から怒りの声

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 6分

党として問題にしないと杉田議員を擁護していた安倍自民党幹部、批判の高まりに渋々・後手後手の対応

杉田議員は謝罪せず、少数者への差別発言が相次ぐ安倍自民党の国会議員

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2018年8月3日

自民党の安倍首相の派閥所属の衆議院議員、杉田水脈氏は同性カップルに生産性は無く、国家の繁栄に貢献しないとの文章を公開しました。

 

子供を作ることができないため同性のカップルが『非生産的』だとする杉田氏の見解に対し、政権与党である自民党の対応は後手に回り、改めて党の立場は違うと弁明しました。

 

7月に公開された雑誌の記事で杉田氏は同性結婚をした人々への支援のために税金を投入することに反対を表明しましたが、これに対し広範な分野から批判が巻き起こっています。
杉田氏は公開しています。
「同性カップルは子供を産むことはできない。言い換えれば同性カップルには生産性がなく、したがって、国家の繁栄に貢献しない。」

当初、自民党の幹部議員たちはこの好きだ議員の発言について党として問題にするつもりはないと語り、杉田氏を非難することを拒否していました。
杉田氏は第二次世界大戦の戦前戦中、日本軍が韓国女性などを従軍慰安婦として使役していた事実について、韓国政府のでっち上げだなどと発言し、その蒙昧な右翼的発言が問題視されてきた人物です。

 

安倍首相が率いる派閥の議員である杉田氏は自らの発言について謝罪していませんが、事務所は「問題を真剣に受け止めている」と語っていると共同通信が伝えました。

 

今週になってから自民党は声明を発表し、同性同士の結婚について杉田議員と見解を共有していないと述べました。
声明では杉田議員は(LGBT)問題への理解が不十分であり、関係する人々の気持ちへの配慮に欠けるものだとしています。

自民党は、性的少数者の権利を守ることに力を尽くしていると語っています。

安倍首相は記者団の質問に対し、「人権が守られ、多様性が尊重される社会づくりを目指すのは当然だ。」と述べました。

 

しかし今週初め、LGBTの権利に対する自民党の姿勢は、同性愛が『趣味みたいなもの』と発言する衆議院議員が現れたことにより、再び批判を集めることになりました。

谷川とむ衆議院議員はインターネットのテレビ番組に出演し、同性関係に別に反対はしないが、同性結婚を合法化する法律には反対していると語りました。
「男性と女性が結婚し、そして子供が生まれる。それが伝統的な家族の形成であり、人類は、国家が衰退し滅亡するのを防ぐため、古来その営みを続けてきた。」

 

近年、日本のいくつかの地方自治体が同性パートナーシップを認めているが、同性同士の結婚についてはまだ法的に認められていません。
谷川氏は朝日新聞にあてた書簡の中で、「「LGBT(性的少数者)の方々を差別するつもりはなく、多様性を認めていないわけでもない」」と釈明しました。

彼のコメントは党員の性的少数者に対する認識を高めることを目的に制作された新しい自民党のパンフレットに反しています。
そこにはこう書いてあります。

「性的少数派のメンバーであることは個々の意志、好み、嗜好の問題だという誤った認識が広まっている。」

 

https://www.theguardian.com/world/2018/aug/03/japanese-mp-mio-sugita-calls-lgbt-community-unproductive

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

少数者や特定のグループを迫害する社会ほど息苦しく、生きづらい社会はありません。
性的な少数者の人を特定して攻撃するという、その感覚がまず理解できません。
韓国籍や朝鮮国籍の人を「わざわざ」特定して差別するのとなんら変わりがありません。

 

それを『売り』にして権力者に媚びるとなると、もう人間として最悪の部類ではないでしょうか?
その種の人間が国政の要である衆議院議員であるということが、日本の深刻な闇であると思います。

 

安倍政権になってから、日本ではこうした闇がじわじわと拡大しているように思います。

しかし多くの人がそうした現実を見ようとしない、見ていないのではないでしょうか?

 

この闇が一気に広がった1930年代40年代、日本は歴史上最大規模で国民を不幸のどん底に突き落とす時代が始まりました。

そして数十万という単位で人命が奪われてしまい、さらに多くの人が一生取り返しのつかない障害を背負いこむ結果に繋がりました。

 

それまで現実を見ていても見ていなくとも、一旦こうした闇に覆われてしまったら、その日から地獄の日々が始まるのだということを一人でも多くの方にお伝えしたいと思っています。

 

小さな語り部:長崎原爆の惨禍を伝える日本の子供たち

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 12分

核兵器攻撃を直接体験した生存者がますます少なくなるにつれて、小学生たちが体験談を伝える責任を担う

現在の日本の政治指導者たちは核兵器廃絶を真剣に望んでいない

 

ダニエル・ハースト / ガーディアン  2018年8月2日

毎月9日、長崎市立城山小学校の500人の生徒たちは講堂に集まり、歌を歌います。
しかしどこの小学校でも見られる校歌斉唱ではありません。
歌われる「子らのみ魂よ(子どもたちの魂に永遠の安らぎを)」は、学校の長い歴史の中で最も衝撃的な出来事を題材にしたものです。

 

第二次世界大戦の終了間際、米国が日本の南部にある長崎市に原爆を投下したことにより、1,400名の児童と28名の教職員が殺されました。
長崎は1945年8月9日、広島にはその3日前に原子爆弾が投下されました。

 

それから間もなく73年が経過しようとしていますが、この小学校はその記憶を後世に伝える特別な責任を感じています。

「城山小学校は長崎市の他の市立小学校に比べ、最も爆心地に近い場所に位置しています。」
と、穏やかな口調でこう語った校長の竹村博明氏は、爆心地はちょうど500メートル離れた場所にあると説明してくれました。
「この地では平和を願う感情はことのほか強いものがあります。」

 

原爆投下を直接体験させられた生存者が次々と亡くなっていく状況にあって、その役割はますます重要なものになってきました。
被爆者として知られるこれらの人々の数は過去20年間で半減しており、その平均年齢は82歳に達しています。


加齢とともに出歩くことも困難になり、世界的に緊張が高まっている世界に対し再び核兵器が使用されることのないよう、自ら出かけて行ってその攻撃のむごたらしさについて直接証言することが難しいという現実に直面することになりました。

 

こうした現実を受け、城山小学校の6年生は「ミニ語り部」としてより多くの責任を引き受け、訓練を受けています。
毎年、全国の約400の学校から数千人の生徒たちが城山小学校へ視察旅行に訪れ、原爆について学んでいます。
平和を象徴する鳩の姿が刻まれた学校の門を通り過ぎた来訪者の子供たちは、当時の城山小学校の生徒と教師の命が
「雲の上から襲ってきた白い閃光に包まれ、声を上げるいとまもなく虚しく散ってしまった」
状況を伝える歌詞を耳にします。

 

その後6年生は「ピース・ナビ」と名付けられた活動として古い建物の残骸を含め、学校周りの見学の案内をします。
少年少女の語り部たちはその時何が起こったかを丁寧に説明し、平和のメッセージを伝えているのです。

 

こうした活動は今年74歳になった内野節夫さんをはじめとする被爆者の人々に希望を与えています。
長崎に原爆が投下された時、内野さんはわずか1歳9ヶ月でしたが、そのとき防空壕に避難していたため最悪の事態だけは免れることができました。

「残念ながら私が生きている間に核兵器がなくなることは考えられませんが、次の世代には何か進展があることを期待しています。」
内野さんがこう語りました。

「だからこそ子供たちや若い世代の人々に自分の経験について伝えることが私の責任であり、義務だと感じています。体験した人間が伝えることにより、彼らは原爆を使うことがどれほど危険で恐ろしいことか、非人道的であるか、そして核兵器というものがいかに恐ろしく部残酷なものであるかを理解できるのです。」

 

▽ この世の地獄

 

長崎への原爆投下という事実は現在の子供たちにとって対峙すべき課題かもしれませんが、内野さん自身はまだ幼い時に長崎の爆撃の恐怖に向き合わなければなりませんでした。
内野さんは当日の直接の記憶はほとんどありませんが、内野さんが小学校4年生になったとき、両親が初めて当時の様子を詳しく話してくれました。
内野さんの母親は、頭をから上が無くなっているものも含め多数の焼け焦げた肢体を目撃していましたが、原爆が投下された後の様子について『この世の地獄』だったと表現しました。

 

暑かった真夏のその日、人々はなんとか生き延びようともがきながら水をくれと必死に叫んでいました。

内野さんはこうした体験談を聞いた子供達が、同年代の子供達にも同じ話を伝えてくれるよう望んでいます。
「小・中学生の少年少女やと若い人たちから感謝の言葉をたくさんいただいています。皆さん、家族とこの話を分かち合う決心をしてくれているのです。」
内野さんが誇らしげに語りました。

広島でも、地方自治体は当時の記憶を残すべく取り組みを行っています。
これまで、117人の大人が3年の訓練をすべてきちんと終了して「被爆体験伝承者」となり、これからさらに250人が加わるべく準備が進められています。
これらのボランティアの人々は被爆者の経験を「継承」し、視察のため訪れた人々や外国からの訪問者に平和のメッセージを伝える役割を担います。

 

広島市の平和推進部門の松島博隆氏は、
「日本の若者たちは被爆の事実についてはほとんど知識が無いという現実があります。」
と認めました。

 

広島と長崎で原爆投下73周年の平和祈念式典の準備が進められる中、両都市にガーディアンをはじめとする海外の報道機関が日本の外務省から招待を受けました。
広島、長崎の両都市は間も無く毎年恒例となっている平和宣言を行い、自らの経験をもとに世界中の指導者に対し、核軍縮を実現を求める呼びかけを行うことになっています。

 

核軍縮を実現することは口にすることほど容易ではありません。
被爆者の多くは日本が世界で唯一原子爆弾による攻撃を二度も受けた国であるにもかかわらず、安倍政権が最新の核兵器不拡散条約への調印を拒否したことに深刻な疑問を持っています。

「日本の政治指導者は核兵器廃絶を真剣に願っているわけではない、それが事実です。」
と広島が原爆による核兵器攻撃を受けた際、まだ母親の胎内にいた72歳の水戸幸世(こうせい)さんがこう語りました。
「これは私にとって最も腹立たしいことです。」

 

核軍縮運動に取り組んでいる人々にとって、最近の世界情勢は先行き悲観的にならざるをえない状況になる可能性があります。
アメリカ大統領のドナルド・トランプは米国と北朝鮮の緊張の高まりを受け、核兵器の保有量を増やすと公の場でうそぶきました。
その後の展開により米朝間で緊張緩和に向けた動きが見られましたが、朝鮮半島の非核化を目指すという北朝鮮の約束については具体的な進展の兆しは見えません。

 

しかし長崎大学核兵器廃絶研究センターの吉田文彦教授は、少なくとも一つの分野においては事態が前向きに進んでいると捉えることができる理由があると語りました。
多くの若者や働きざかりの人々が被爆者の体験談を真摯に受け止め、「今後、被爆者の方々の体験談を直接聞くことができなくなる新しい段階」の到来に備えようとしています。

吉田氏がこう語りました。
「73年前の出来事についてきちんと話すことができる新しい世代の人々が増えているのを、私たちは目の当たりにしています。」

 

https://www.theguardian.com/world/2018/aug/02/mini-storytellers-japanese-children-pass-on-horror-of-nagasaki-bombings
+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

【 日本はなぜ核兵器禁止条約を受け入れようとしないのか? 】( http://kobajun.biz/?p=32118 )という記事をご紹介したことがあります。
「21万人以上が殺された広島と長崎の人々にとって、日本の不参加は到底容認できるものではない」と被爆者の方々の思いが語られた後、「核兵器のない世界を実現するために努力するという安部首相の発言は虚言」であると指摘されていました。

 

被爆者の方で無くとも、これにはがっかりさせられます。

 

戦争はそれまでの社会的価値を一変させます。

本来は国土と市民の命を守ることが最優先されなければなりませんが、これまで数限りなく見てきた戦時ドキュメンタリーのどこにもそのような場面は確認できませんでした。

当事国においては戦闘能力を上げることとそれを保持することが最優先されることになります。

 

太平洋戦争末期、戦車兵として関東地方で米軍の上陸に備えさせられていた作家の司馬遼太郎氏は、次のような自分の体験を紹介しています。

「米軍の上陸地点周辺では大量の避難民が発生するため、現場に急行するのは困難なのではないか?どう対応すればいいのか?」

と尋ねた当時下士官だった司馬さんに、上官はこう返答したと言います。

「(避難民は)ひっ殺していけ!」

 

これが実際の戦争の姿だと思います。

市民を守るどころの話ではありません。

戦争が始まれば、人間の命は消耗品でしかなくなります。

 

ひとりひとりの人間の最大のテーマは、自分の人生をどう生きるかということのはずですが、戦争になれば問答無用で自分の命を国家に差し出さなければなりません。

しかしその国家が賢明なものだという保証はありません。

国家の頂点にいるのがヒットラーや関東軍司令部であった時代の人々は、最悪の運命に見舞われました。

 

70年以上平和な時代を築いてきた日本に、なぜ今になって「戦争にそなえよ」と唱える人間たちが現れてきたのか?

戦争があたかも外交手段の一つであるかのような、欺瞞に騙されてはなりません。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/aug/02/mini-storytellers-japanese-children-pass-on-horror-of-nagasaki-bombings

【 がっちりまき上げられる日本!とうとうカジノ法案を成立させた日本 】

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

所要時間 約 7分

カジノがターゲットとしている顧客は裕福な日本人と金遣いの荒い外国人観光客

東京にカジノを作ることができれば「最高の儲け口!」とラスベガスのギャンブル業者

 

エコノミスト 2018年7月26日

東京都心のエスパス・パチンコ・パラーの店の外に列を作る人々の上に、登り始めた太陽から容赦なく強烈な光が降り注ぎます。
店内にはエアコン付きのオアシスがあります。
日本人はピンボールから派生したこのゲームに年間20兆円以上の対価を支払って騒音に包まれたスリルを味わい、退屈な仕事や家庭生活からの脱出を図っています。

 

そして今、この業界に強力なライヴァルが現れることになりました。

7月20日、日本の国会は国内の3都市でカジノを設立する法案を可決し、長年の論争に決着をつけました。

 

安倍首相のペット・プロジェクト(長年実現を目指してきた計画)であり、家族連れが一家団欒の時間を過ごすはずの統合型リソートの中にカジノを建設することにより、ある種のいかがわしい印象を曖昧にしてしまおうとする意図が見え隠れします。

 

このためジリジリと立法化が見えてくるに従い、人々の苛立ちも募ってきました。
安倍政権はこの法律に関する議論を途中で打ち切るという挙に出たため、激昂する野党議員たちが怒りをあらわにしました。

ほとんどの日本人は、ギャンブル依存症やヤクザの世界と関わりがあるカジノには興味も関心もありません。
日本の国民の約3分の2はカジノの開設に反対しています。

 

にもかかわらず、なぜ日本政府自らわざわざカジノを経営する人間たちを勇み立たせているのか、その理由は定かではありません。

 

3,500万人の住民の中に多数の裕福な退職者を抱える大都市圏の東京は、小国のシンガポールを凌駕する手軽なギャンブル拠点として周辺からギャンブル顧客をひきつけることになるかもしれません。

 

ラスベガス・サンズのボスであるシェルドン・アデルソンは東京について「究極のもうけ口」と表現しました。
ハードロックカフェとMGMリゾーツは年間収益が2兆円に達するだろうとの期待から、数年をかけて日本国内のパートナー業者の育成を図ってきました。

そして日本国内外の企業はリゾートを建設するためにたっぷりと稼がせてくれる建設契約を期待しています。

 

国内のパチンコ関連企業にも余得に預かることになるかもしれません。
既にスロットマシンの製造分野に進出を始めた企業もあります。
そうした企業を代表する存在がコナミであり、同社はすでにアメリカのスロットマシンの10分の1を供給している上に、アメリカ、オーストラリア、シンガポール、南アフリカで何百というゲームライセンスを保有しています。

 

それでも日本の国会はカジノを運営する業者に様々な制約を課すためにケンケンガクガクの議論を重ねてきました。
この法案は日本人顧客に対し入場は週に3回までに制限し、6,000円の入場料金が設定されます(外国人観光客は自由に出入りできます)。

マイクロチップが埋め込まれた身分証明カードにより法の遵守が強化されることになりますが、政府や公安組織の関与が強くなることに神経質になっている人々もいます。
安倍政権の連立与党の公明党の政治家である濱村進(はまむらすすむ)氏は、カジノがターゲットとしている顧客は裕福な日本人と金遣いの荒い外国人観光客だと語りました。

 

日本政府はカジノをホテル、店舗、会議施設などともに『統合型リゾート』の中に固定したいと考えています。
大阪大学の谷岡一郎教授はカジノは統合型リゾートの稼ぎ頭になるものの、物理的には全フロアスペースの3%に制限されるとしています。

 

カジノの経営業者はラスベガスやシンガポールの競合他社よりも高い30%の高率の税金に直面することになります。
警察は、犯罪に対する懸念を緩和するために監視を強化することにしています。

昨年、政府選定の委員会の学識関係者として委員を務め三原徹氏は、統合型リゾートは観光客を呼び込んで地元の経済に恩恵をもたらすと語っています。
そしてシンガポールやマカオのような場所よりも優れているのは、日本人のおもてなしであると谷岡教授が語りました。

 

証券会社CLSAのアナリストであるジェイ・デフィボー氏は、一旦統合型リゾートが立ち上がってしまえば、周囲の嫌悪感も変わることになるだろうという見方に同意します。

 

しかし賭けが完全に成立して結果がはっきりするまでには時間がかかるでしょう。

 

https://www.economist.com/business/2018/07/26/japan-finally-gets-casinos

+ – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

 

『草刈り場』という言葉があります。

誰かが勝手放題、荒稼ぎできる場所ねというほどの意味ですが、日本は今、トランプの草刈り場と化してしまったのではないでしょうか。

イージスアショアは、冷静な分析も何もないまま驚くほど高額な兵器をアメリカから買おうとしている、その象徴的事例です。

そして日本とEUに対し、まるで難癖をつけるようにして持ち出してきた各種の関税。

さらにはカジノ。

 

関税問題は別としても、イージスアショアとカジノについては、本当に必要なのかどうか国内の議論を押しつぶすようにして、アメリカの要求だけがまかり通るような状況です。

トランプの傍若無人ぶりを唯々諾々と受け入れる理由はなんでしょうか?

誰かが現在の政治的地位を保証してもらうためにために、日本の、日本国民の何もかもを平気で差し出しているのではないでしょうか?

このサイトについて
ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
最近の投稿
@idonochawanツィート
アーカイブ
カテゴリー
メタ情報