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独り勝ちを狙うトランプの北朝鮮外交、恐ろしいツケを払わされる日本と韓国《中編》

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所要時間 約 13分

北朝鮮はこれ以上は無理だというところまで、自分たちに有利な条件を要求した

米国との和解を経て中国への対抗勢力に加わることにより、急速に成長したベトナムに倣った経済発展の道を模索するキム・ジョンウン

 

エコノミスト 2018年6月7日

▽ 世界が注目する瞬間

 

しかし歴史的なツーショットのシャッターチャンス以外、米朝首脳の直接会談が何をもたらすかははっきりしません。
朝鮮半島情勢に詳しい米国の専門家は、キム・ジョンウン委員長に非核化を迫るための手段はいくつかあるとテレビ番組の中で語りました。
制裁措置の緩和、多額の財政援助と投資、朝鮮戦争を終結させる正式な平和条約の締結、「利害」に基づく外交関係確立(互いに大使館を置く一歩手前の外交関係)などです。

 

トランプはキム・ジョンウンが武装解除に同意すれば、キム一族の体制は米国からの攻撃を一切受けないという「非常に強い」保証を提供されることになると話しています。

 

しかし最も大きな問題は、これまでにすべて試みられたことがあることばかりだということです。

 

韓国と北朝鮮は1992年に互いに核兵器を持たないことについて正式に合意を交わし、その直後アメリカは韓国内の米軍基地から戦術核兵器を撤去しました。
しかし1994年、高齢化した「偉大なる指導者」、金日成(キム・イルソン)は国際機関の査察団を追い出し、原子炉から取り出したプルトニウムを使って6発の原始爆弾に転用すると脅しました。

1994年後半「合意された枠組み」の下で北朝鮮はアメリカが原油と商業用原子炉を援助することを条件に、プルトニウムを使った不法な作業を放棄すると約束しました。

1999年には北朝鮮は制裁措置の緩和を条件にミサイル開発の放棄を約束し、続いて2000年には南北首脳会談が行われ、ビル・クリントン大統領の訪問が表明されました(しかし在任中には実現せず、大統領職を退いたクリントン氏が訪問することになりました)。

 

しかし2002年には極秘裏にウランを使った核兵器を行っていることが明らかになると北朝鮮は国際査察官を追放し、その結果事態は「6カ国協議」と呼ばれる多国間交渉の開催によって解決が図られることになりました。

 

そして北朝鮮は2009年から2017年の間に5回の核兵器実験を強行しました。
さらに北朝鮮は国連安全保障理事会の決議に反し、アメリカ本土に到達可能な弾道ミサイル実験も行いました。

 

アメリカの元外交官クリストファー・ヒルは、2005年に米国、中国、日本、北朝鮮、ロシア、韓国が合意した6カ国協議の「朝鮮半島の恒久平和体制」の合意に向け文言について感慨を込めて思い出しました。
この協定では北朝鮮が核兵器を放棄し、国際査察を受け入れ、先に脱退した核不拡散条約(NPT)に再度加入するという約束をしたはずでした。

当時、米国は核兵器はもちろん通常兵器であっても武力による北朝鮮への攻撃・侵攻意図は全くないことを明言し、韓国国内の米軍基地に核兵器は一切装備されていないことを確約しました。
同時にヒル氏は当時中国が強く主張した、米朝双方の利害関係を調整するという手法も実現に向けた検討が行われたと語りました。
彼は北朝鮮に対し懐疑的だったブッシュ政権にこの考えに同意するよう説得し、2007年に北朝鮮側に条件提示を行いました。
「しかし北朝鮮側は土壇場でそれを拒否したのです。」
元駐韓米国大使であるヒルはこうため息をつきました。

 

「北朝鮮はこれ以上は無理だというところまで、自分たちに有利な条件を要求したのです。」

 

▽期待できるものは単なる偶然

 

しかしこれまでとは異なり、北朝鮮は今度こそは対米交渉を成功させたいと熱望していると考えるのに十分な根拠があります。
核兵器は依然として金氏一族の支配体制の屋台骨であり北朝鮮の一般国民の支持も得ていますが、北朝鮮のエリート層はキム・ジョンウンがもう一つ力を入れているまだ小規模な経済発展への取り組みの方に期待しています、ソウル国民大学のアンドレイ・ランコフ氏がこう指摘しました。

金氏はこれまでの数年間武器製造に心血を注いできましたが、いずれ経済成長と両立させると約束していました。

金総書記は経済政策よりも軍事政策を優先する一方で、国内に大規模にはびこる闇市場を半ば黙認し、国有企業内の運営を実質的に民間企業に委ねることにより、北朝鮮経済のバランスをとってきました。

 

金総書記は自身の方針にさえ逆らわなければ、私的な投資も奨励しています。
「眠ったのままの一般住民の資金の活用と動員」を呼びかけている政府の方針すら明らかにされています。

韓国中央銀行がまとめた統計によると、2011年にキム・ジョンウンが政権を引き継いで以降、北朝鮮の経済成長は毎年1桁台の前半に留まり低迷を続けています。

 

こうした数字は信頼できるものではありませんが、父親の金正日体制時代の経済破綻や広範な飢饉に苦しんでいた時代とは一線を画しています。

 

キム・ジョンウン総書記は、米国との和解を経て、そして中国への対抗勢力の一翼を担うことによって急速に成長したベトナムを先例とする国家の経済発展の道を模索していると、北朝鮮当局者が海外から視察に訪れた人々に語ったことがあります。

少なくともキム・ジョンウン総書記は制裁の緩和には真剣です。

首都平壌の住民たちはいつ停電するかわからない電力供給から解放されるため、中国からの太陽光発電パネルの輸入が昨年まで急激に増え続けていましたが、英国人のチャッド・オーキャロル氏が運営する北朝鮮関連のニュースを専門とする独立系ニュースサイトのNK Newsが分析によれば今年3月8年ぶりにゼロに落ちこみました。

 

4月初めには燃料価格が高騰し、人道支援を行っていたNGOの各団体は農村部での肥料不足が深刻になっていることを把握するようになりました。

こうしたすべての問題が北朝鮮の準資本主義的経済発展の気分に水をさすことになりました。

 

「北朝鮮で一定程度以上の資産を持つ人々は金を稼ぐことに執着しており、それが不可能になったり不自由になったりすれば、その不満は現在の指導体制に向けられることになるでしょう。」
ソウル国民大学のアンドレイ・ランコフ氏がこう語りました。

 

しかしキム・ジョンウン体制は画期的な可能性を認識できるかもしれません。
北朝鮮はトランプ政治を理解するため、かなりの努力を続けてきました。
北朝鮮当局者は、最近アラバマ州の上院議員選挙で共和党が議席を失った影響などについて、接触できる外国人からできるだけ詳しい情報収集を行ってきました。

中国の研究者によれば、キム・ジョンウン政権はトランプ氏にはイデオロギーと呼べるほどの信念を持っておらず、歴代アメリカ大統領とは異なり言わば商売人(ディールメイカー)であると判断しました。
しかしイランとの核開発疑惑に関する交渉から突然撤退を表明したトランプのやり方を見ると、苦労して積み上げてきた交渉を瞬時にダメにしてしまうこわし屋(ディールブレイカー)としての側面も持っています。

 

結局、今回北朝鮮としては、十分に検討に値する機会を手にしたと感じているとこの研究者が語りました。
現在のアメリカと中国の間のライバル関係をうまく利用すれば、北朝鮮はそれぞれから思惑通りのチャンスを手に入れることができます。

一方トランプ大統領側は今回は柔軟な対応を行うと決断したように見えます。

 

5月下旬、北朝鮮の「敵対的姿勢」のために首脳会談を取りやめると一度宣言したにもかかわらず、トランプは金総書記の随員の一人をホワイトハウスに温かく迎え入れました。
この直後トランプは、北朝鮮側が軍縮に関する具体的公約を何も明確にしていないにもかかわらず(トランプ政権はキム・ジョンウン委員長からの親書の中身を結局は公開しませんでした)、米朝首脳会談の開催を復活させました。

 

トランプの国家安全保障担当顧問のジョン・ボルトンは、完全非核化のモデルとしてリビア方式を導入するよう提案して北朝鮮を激怒させたましたが、解任もされずトランプの顧問としてその背後にとどまっています。
ジョン・ボルトンが主張したやり方に同意したリビアの指導者ムアマール・カダフィは、結局なぶり殺しの目に遇いました。

最も重要な点はトランプが現在、これまでの『オール or ナッシング』という主張を取り下げてしまっていることです。
トランプは現在の米朝関係の良好なことを考えれば、もはや『最大限の圧力』といった類の政策を口にするべきではないとも語っています。

 

6月12日に近づくにつれトランプは朝鮮半島の非核化はすぐには実現しないとの見方を示すようになり、約65年の不安定な停戦を解消するために朝鮮戦争を正式に終結させる平和条約の締結を視野に入れた象徴的な勝利の可能性を語るようになりました。

 

こうした態度の変化はより重要な問題について、交渉が長引く結果につながる可能性があります。

トランプはシンガポールでの米朝会談について、「まずは互いについて知る」機会になるべきだろうと語るようになりました。

 

《後編》に続く
https://www.economist.com/asia/2018/06/07/talks-between-america-and-north-korea-might-succeed-at-a-terrible-price

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1960年代〜70年代、まだ高度成長期の延長上にあったセピア調ともいうべき日本社会にビートルズに代表される極彩色の欧米の文化がなだれ込む社会で成人したのが私たち世代です。

その私たち世代は社会はどこまでも民主主義を発展させていく場所である、とごく自然に考えてきました。

 

それが今になって第二次世界大戦で精算されたはずの国家主義が台頭する場面に遭遇しようとは、30年前、20年前には想像もしていませんでした。

どころかディールメイカー、要は近視眼的な利益主義者のトランプと抜け目のない独裁者キム・ジョンウンに挟まれ、無定見な安倍首相は必要性についての厳密な検証のないまま何十億何百億もする米国製武器を次から次へと買い込む姿勢をあからさまにしています。

 

間違っていた、そう反省するしかありません。

日本は戦後の民主主義を、敗戦をきっかけにアメリカからバーゲンセール並みの手軽さで手に入れました。

その点、革命を繰り返し多数の犠牲を払いながら民主主義社会を組み上げてきた英国やフランスと異なっています。

 

その代わり軍国主義の非人間的所業に苦しみ、最後は人類史上わたしたち日本人だけが核兵器攻撃まで受ける羽目になりました。

その言葉では表現できないほどの苦痛の果てに日本の民主主義は実現したのだ、という意識を持って誠実に日本の民主主義について考え続けてこられた人々もいらっしゃいます。

 

自分ももっともっと誠実に真摯に民主主義の質的向上について考え、努力を重ねるべきだった、今はそう反省しています。

 

しかしここで日本の民主主義を諦めてしまうわけにはいきません。

ひとりでも多くの方に立ち上がり続け、声を上げ続けていただくしかないと思っています、日本の民主主義をこれ以上劣化させないために。

独り勝ちを狙うトランプの北朝鮮外交、恐ろしいツケを払わされる日本と韓国《前編》

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所要時間 約 8分

西側各国が考える以上にしたたかな北朝鮮外交、関係各国に法外な対価を要求する算段

歴史的なツーショットのシャッターチャンス以外、米朝首脳の直接会談が何をもたらすかはっきりしない

 

エコノミスト 2018年6月7日

アメリカが他の国に「ウィンウィン」の関係を持ちかけたとしたら、アメリカは「ウィン」を両方とも取り上げて一方的利益を手にする、と言うことを意味する。
ひとりの外交官がこう語りました。

 

しかしながら6月12日にシンガポールで開催された米国と北朝鮮の首脳会談は、例外的に2つの国の主要な主人公が2人とも勝利宣言することを可能にするかもしれません。

そして同時にその行方を固唾を飲んで見守っているオブザーバー諸国を喜ばせることになるかもしれません。

 

言うまでもなく韓国と中国はこの階段に大きな期待を寄せています。

一方の日本はやや懐疑的です。

 

しかしもし会談が不成功に終わった場合、無数にまたたくフラッシュと膨大な数の報道関係者が作り出す喧騒の中で、最大の敗者の姿はその中に紛れて存在意義不明のものになってしまう可能性があります。
最大の敗者とはアジアに何十年もの安定をもたらした米国主導型の安全保障体制です。

 

米朝首脳会談が行われたのはシンガポールの他の地域と橋、ケーブルカー、モノレールで結ばれたリゾート地区であるセントーサ島の超高級ホテルです。
近くには多くのゴルフコース、ビーチ、ろう人形物館、そして「銀河系の正義と悪との戦い」と「ハムナプトラの復讐」と銘打たれた宇宙船に乗って暗黒の宇宙に突入するイベントを売り物にしたユニバーサルスタジオのテーマパークがあります。

「セントーサ」とは「平和」「静謐」を意味するマレー語です。
こうした事実は預言者や占い師の社会的地位が高い韓国では物事が好転する前兆と見なされています。

しかしこの島の名前はシンガポール観光局の助言もあり1972年に変更されたばかりです。
それ以前はこの島は『プラウ・ブラキング・マティ(Pulau Blakang Mati)』という名で知られていました。

 

『死が背後から忍び寄ってくる島』という意味です。

 

アメリカと北朝鮮の外交はいつも非常に奇妙で理解し難いギリギリの線を走ってきました。
2000年に北朝鮮の首都平壌を訪れたマドレーヌ・オルブライト米国国務長官は、大量動員された人々によるマス・ゲームと兵士による捧げ筒の歓迎を受けました。

 

現在の独裁者の金正恩(キム・ジョンウン)祖父であった金日成(キム・イルソン)が権力の座にあった1992年以降初めて、米朝両国は2000年に北朝鮮の核兵器開発計画について話し合いをすることになりました。

北朝鮮は核兵器開発計画を放棄するという約束を繰り返し反故にしてきました。

 

韓国の北朝鮮問題の専門家たちは、核兵器が北朝鮮にとって金一族体制維持のための切り札なのか、それとも国際社会における国家の位置を押し上げるためのものなのか、長い間議論を戦わせてきました。

いずれが正解であるにせよ、核兵器がなくても北朝鮮はいつでも韓国の首都ソウルに砲弾の雨を降らせることができる軍事力を有しており、数十年の間抑止力として機能してきました。

いずれにしても、アメリカが求める「完全で検証可能で不可逆的な軍縮」はおそらく実現不可能です。

 

しかしドナルド・トランプ大統領と金正恩総書記は互いが平和の実現を熱望しているように演技することにより、直接首脳会談が「成功だった」と宣言することができます。
トランプもキム・ジョンウンも相手をテーブルの向こう側に座らせ、面と向かって直接会談さえすれば、自分たちの勇気ある決断と先見性についておおいに宣伝することが可能になるのです。

 

ホワイトハウスが大声で自画自賛する権利を6月4日早々に手にしました。
この日はトランプが大統領に就任してからちょうど500日目にあたり、過去18ヶ月間かつてない程強力な圧力をかけた結果、北朝鮮は大量破壊兵器の保有を諦める決心をしたのであり、チーム・トランプは「ドナルド・J・トランプ米国大統領の偉大なる500日間」 がそのことを可能にしたのだと持ち上げました。

 

トランプ大統領の下でアメリカは北朝鮮にいつでも北朝鮮全土に『炎と怒り』の雨を降らせると脅しながら、一切の妥協に応じないことを繰り返し強調し、「最大限の圧力」をかける政策を徹底して行ってきました。

一方、年間何度も北朝鮮を訪問している中国政府が資金を提供するシンクタンクの研究者は、キム・ジョンウン委員長はスターリン主義的独裁政治を続けながら、矛盾する状況の中で絶えず揺れ動いていると語りました。

 

「昨年、核兵器やミサイル実験をクリエしていた際、金正恩(キム・ジョンウン)委員長は北朝鮮のエリートに対し、目的はとにかくアメリカを交渉のテーブルにつかせることだと語っていました。」

 

「ですから今回の会談の実現について、北朝鮮の人々は金正恩が勝利したのだと考えるでしょう。」

《中編》に続く

https://www.economist.com/asia/2018/06/07/talks-between-america-and-north-korea-might-succeed-at-a-terrible-price

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前編の方には日本や韓国にどのような法外なツケが回ってくる可能性があるのかは書かれていません。

肝心な話しは後編になります。

ご容赦ください。

 

会談後、キム・ジョンウンを褒めちぎったトランプはメディアから

「キム・ジョンウンは国民を迫害し、基本的人権を踏みにじる独裁者じゃないのか?」

と追求されました。

これに対する返答は、まるでこう言っているようでした。

「北朝鮮国民がどのような状況に置かれているか、そんなことには興味はない。大切なのはヤツが俺にとって役に立つ人間かどうか、それだけだ。」

 

トランプがいかなる国民の基本的人権にも関心がない、ということは早くから欧米のメディアが指摘してきました。

上の発言(と言っても実際にこう入ってませんが)の北朝鮮国民を日本国民に、ヤツを安倍首相に置き換えると、トランプの日本への見方そのものになると思うのですが。

 

【 Vs.トランプ!『アメリカ・ファースト』が作り出す世界の混乱 】

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所要時間 約 7分

ドイツ政府が公表したトランプと対決するメルケル首相の写真、世界中で反響

オバマ大統領の外交政策を非難し、同盟各国を泥棒呼ばわりしたトランプのG7政策

 

マーティン・ペンゲリー / ガーディアン 2018年6月10日

ドナルド・トランプの貿易顧問であるピーター・ナバロは、大統領は「世界のリーダー誰とでも話し合いに応じる」姿勢を持っていると6月10日に強調しました。
しかしトランプが一連の外交的混乱の場を抜け出し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記との首脳会談に臨むべく一人カナダからシンガポールに向かった1日後、トランプの独断的姿勢に対しG7サミットに参加した首脳たちの姿勢が明らかにされました。

 

写真はドイツ政府のカメラマン、ジェスコ・デンゼル(Jesco Denzel)が撮影し、アンゲラ・メルケル首相のスポークスマンであるステファン・シーベルト(Steffen Seibert)が発表しました。

 

腕を組んで座ったままのトランプは爛々たる目つきでメルケル首相を見返し、その周りには各国の首脳とその顧問団のメンバーが立ち並んでいる様子が写っています。

写真中央のメルケル首相はテーブルを押さえつけるようにして両腕を突き、その左には困り果てたような表情を浮かべる日本の安倍首相の姿が写っています。

メルケル首相の右には同じくテーブルに手をついたフランスの大統領エマニュエル・マクロンの姿が見えます。
さらにその右には英国のテレサ・メイ首相が手前の人物の陰になって映っています。

この写真は会議の行方を見守る人々に対し、笑顔や握手する姿ばかりが写し出されたお決まりの外交交渉の写真とは異なる珍しい光景を見せることになりました。

 

そしてトランプの「アメリカ・ファースト」外交政策が各国にどのように受け止められているか、そしてカナダでのG7サミットの2日間がいかに厳しい雰囲気の下で行われたかを端的に伝えるものとなりました。

 

6月8日にワシントンを出発したトランプは、クリミア併合を機にG8サミットを除名されたロシアに対し再度加盟するよう呼びかけました。
ロシア除名から4年が過ぎています。


6月9日にラ・マルビーで行われた午後の記者会見で、トランプはウクライナ侵攻を理由にロシアに制裁をおこなった前任者のオバマ大統領を非難し、ロシアを除名したG8各国は泥棒であり米国は奪った金を貯め込む「豚の貯金箱」だったと揶揄しました。

 

メルケル政権が公表した写真にはトランプの脇に国家安全保障アドバイザーであるジョン・ボルトンが立っている姿が写っています。
タカ派で知られるかつての国連大使ジョン・ボルトンは、トランプがCG7サミットから自分だけ離脱してシンガポールに出発した後、この写真を使ったツイートをしています。
「毎度毎度G7の首脳たちはアメリカがいつも味方をしてくれると期待している。しかし大統領は今日、はっきりとさせたのだ。『もうそんなことはない。』と…」

 

この発言はジャスティン・トルドー・カナダ首相に対するトランプの個人攻撃の下地をなすものであると同度に、トランプの保護主義的政策によって生じている緊張関係を解消しようと合意を図ったG7サミットの共同宣言への署名を拒否するための事前説明のようなものでした。

この写真はトランプの経済政策を主導する経済顧問たちがトルドー首相に激しい攻撃を加えた後に公開されましたが、各国首脳のそれぞれの仕草にどのような意思が隠されているのかを指摘する漫画やアニメを使った解説が世界中の紙面誌面をにぎわせることになりました。

しかし撮影された写真の1枚1枚がそれぞれに事実を伝えています。

 

同じ場での会合で首脳たちが寛いだ雰囲気の中で意見を交わす姿が写った写真では、微笑むメルケル首相とトランプ大統領が微笑みながらトルドー首相に目で合図をする様子を見ることができます。
ホワイトハウスも自身の写真を発表し、椅子に座ったトランプの話にメルケル、安倍、トルドーの各首相が耳を傾ける姿が写っています。

 

興味深いのはドイツのジャーナリストが報道関係者に公開した、同じ瞬間の6枚の対照的な写真を合成したものです。
しかし最終的にメルケルとトランプが和解することは不可能だとの観測には少なからぬ真実があるようです。

2人が対立するのは今回が始めではありません。

メルケル首相は、トランプ大統領が保護主義的貿易政策を推進し、イランとの核兵器交渉を拒否し、地球温暖化を防ぐためのパリ協定から一方的に脱退したことについて、不満を露わにしてきました。。

2017年3月、初めてホワイトハウスを訪問し握手をしようとしたメルケル首相に対し、トランプ大統領は聞こえなかったのか無視したのかは判然としなかったものの、手を差し出そうとはしませんでした。

 

2018年4月にアメリカを訪問し数日滞在したフランスのマクロン大統領には、トランプと昼食をとりながらの打ち合わせの機会が一度だけ提供されました。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/jun/10/angela-merkel-photo-donald-trump-diplomacy

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昨日来トランプとキム・ジョンウンの直接会談の報道がどの新聞をめくってもどのチャンネルをまわしてもトップに来ています。

しかしその直前、トランプがまた一つ世界の平和秩序を壊そうとしていることが判ったことはあまり大きくは取り上げられていません。

今回の記事は世界的に話題になった写真の解説記事程度の内容ですが、これから世界はどう動くのか、ご紹介に値する記事を探し、ここでご紹介していきたいと考えています。

【 相次いだセクハラ・スキャンダル – 日本の官僚には再教育が必要 】

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所要時間 約 5分

財務省の上級官僚による事件を含め、政府関係者が関わった性的嫌がらせが多発

世界経済フォーラムの最新の男女間格差の報告書、日本はG7諸国の中で最下位

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2018年6月7日

日本政府の高官は政府が検討している提案の下でセクシャルハラスメントの啓発会に出席する義務を課されたり、経歴や昇進に影響する事態に備えなければならなくなる見通しです。

 

日本のメディアは6月7日、内閣が財務省の上級官僚による事件を含め政府関係者が関わったとされる性的嫌がらせが多発したことを受け、来週早々に日本政府官僚を対象とした啓発プログラムの導入を準備していると伝えました。

財務省の最高官僚である福田潤一氏は、女性のテレビ関係者に性的に不適切な発言をしたとして告発された後、4月に事務次官の職を辞任しました。
週刊誌の報道によれば福田氏は女性記者に対し、胸を触ってもいいかと発言したり、不倫の関係をほのめかしたりしたとされていますが、本人は否定しています。

麻生太郎財務大臣は福田事務次官は罠に嵌められた可能性がある、あるいはセクシャルハラスメントは「犯罪ではない」などの発言を行ない、広く批判を浴びました。

 

女性の地位向上を議題にした安倍首相の下での閣僚会議で、来週早々にも啓発プログラムが承認される可能性があると毎日新聞が伝えました。
この提案の下で内閣府は啓発プログラムの出席状況を監視し、参加することが昇進の前提条件であることを明確に示す方針です。
あわせてセクシュアルハラスメントの被害者は、独立したカウンセラーを介して政府関係者に対して告発することも可能になると毎日新聞が伝えました。

 

安倍首相は女性の社会進出の規模拡大を経済成長戦略の重要な柱としてきましたが、世界経済フォーラムの最新の男女間格差の報告書では日本はG7諸国の中で最下位にランクされました。

 

野田聖子総務大臣は職場でのセクシュアルハラスメントを犯罪とする法整備を提案し、安倍首相にプレッシャーを加えました。
しかし安倍政権はこの提案の採用について未だに決めかねていると共同通信が伝えました。

 

最近明らかになった調査によれば本の新聞やネットワーク・テレビ局で働く数十人の女性が性的嫌がらせを経験しており、そのうち加害者として政府職員、警察官、国会議員が約3分の1を占めていることが明らかにされました。

 

外務省は今週、毛利忠敦ロシア課長を同省の女性職員に対するセクシュアルハラスメント行為があったとして停職9カ月の懲戒処分としたことを発表しました。

さらに6月4日には東京郊外の狛江市の高橋都彦市長がは、複数の女性職員からセクシュアルハラスメント行為をうけたとの申し立てを受けて辞任しました。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/jun/07/japan-sends-officials-on-sexual-harassment-courses-after-high-profile-scandals

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品性に欠ける女性への感覚もさることながら、今日の官僚の腐敗・不祥事の最大の原因は安倍政権である、と言う意見をお持ちの方、非常に多いのではないでしょうか?

 

無能な上に私利私欲にあくどく、何かあればすぐに責任回避、責任転嫁。

もし自分の上司がこんな人間だったら、ごく自然な感情として『襟を正す』などということが本当にバカバカしくなってしまうに違いありません。

 

防衛費の急な増額・安倍政権による平和主義の実質的破壊

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所要時間 約 11分

安倍首相、防衛予算は国内総生産(GDP)の1%以内とする制限の撤廃を提案

第二次世界大戦の日本の降伏を機に、世界で最も進化した民主主義的プロセスを確立した日本国憲法

 

ジュリアン・ライオール / ドイチェ・ヴェレ 2018年5月31日

複数の安全保障上の課題に直面する日本は防衛費を引き上げるための法整備について検討を始めました。
この動きは新しい軍事戦略を現実のものにするだけでなく、隣国との敵対的な関係を悪化させる恐れもあります。

 

日本の政権与党の自民党は、北朝鮮の脅威が依然として去らず、中国の軍事的台頭も長期に渡って継続しており、対抗上、防衛予算は国内総生産(GDP)の1%以内とする制限を撤廃するという安倍首相による提案を支持しています。

防衛予算を国内総生産の1%以内とする制限は変更不能というわけではなく、1970年代に当時の中曽根総理大臣が提案し、近隣諸国から日本の軍国主義の復活等の批判を浴びたくないという歴代政権によって代々踏襲されてきました。

 

しかし安倍首相は、日本の平和主義に基づく専守防衛姿勢を変えるべきだと長い間主張し続けてきました。
これは2018年末までに完成する予定の新しい国防計画ガイドラインに反映される可能性が高く、これに伴い中期防衛計画の内容も一新される可能性があります。

自民党は新しい国防計画ガイドラインの内容についての議論は既に進んでいるとする一方で、日本は現在「戦後最大の危機に直面している」と警告しています。

▽変化する安全保障環境

 

「保守的立場の政治家であっても1970年代の人なら、国防予算は国内総生産の1%以内という暗黙の了解を受け入れに抵抗がなかったでしょう。しかし国家の安全保障を巡る環境と各国の防衛支出の実情は変化しました。」
こう語るのは福井県立大学で国際関係を専攻する島田洋一教授です。
島田教授はNATO加盟国は概ねGDPの2%を国防費に割り当てているとと付け加えました。
「日本にとって差し迫った脅威は、核兵器に加え日本全国を射程距離内に収める多種類ののミサイルを保有している北朝鮮ですが、さらに大きな危険な存在は中国です。」

ドイチェ・ヴェレの取材に対し、島田教授がこう答えました。

 

また中国政府と北朝鮮は、日本が防衛支出を増額していることに対し、日本が太平洋戦争とは別の形でアジア大陸に対する侵略を開始しようとしている前兆だという宣伝報道や批判を強めていますが、島田教授は日本の軍事支出の増大の背景にあるのは高性能の武器や最新の軍事用ハードウェアの研究開発費の高騰によるものだと語りました。


「日本の軍事費の増大要因は中国や北朝鮮が懸念する戦前同様の侵略姿勢によって作られているわけではないのです。」
島田教授はこう指摘しました。

日本の自衛隊は中国・北朝鮮と比較すると比較的小規模であり、最も適切な価格で最良の安全保障を提供するために予算を「非常に賢明に」使う必要があるとも付け加えました。

 

しかし各国が軍事予算の増額を続けている現状にあっても、航空母艦の購入を予算化することはさすがに難しいと、島田教授も認めています。

 

▽海洋軍事能力の拡大

 

さらに与党自民党は2013年にヘリコプター搭載型駆逐艦として建造された出雲を、固定翼機が離着陸できる本格的航空母艦への改造を求める提案を行いました。

歴代の日本政府はこれまで近隣諸国の無用の敵対心を煽るという理由で、攻撃的能力の装備を象徴する艦型とも言える航空母艦のを保有することに難色を示してきました。

しかし安倍政権下の日本にはもはやそのようなためらいは見られません。
「中国はすでに航空母艦1隻を保有し、現時点でさらに2隻を建設中です。 日本は四方を海に囲まれた海洋国家なので、防衛手段として航空母艦を保有することは当然の成り行きであると言えます。」
島田教授がこう語り、次のように続けました。
「他のすべての国々も攻撃的な武器を保有していますが、攻撃的な武器を持っているからといって背後に侵略的意図を隠し持っているということを必ずしも意味するものではないということを忘れてはなりません。」

 

東京国際基督教大学国際関係学部のスティーヴン・ナジ(Stephen Nagy)准教授は、航空母艦の保有が必ずしも攻撃意図を示すものではないということには同意しました。

しかし日本の自衛隊は過去73年間、平和主義憲法の厳格な規制の下で活動するように訓練されてきており、一朝一夕にそうした性格が変わるものではないと語りました。
「日本に対する地域的な圧力は進化し、さらには複雑になっており、国家安全保障政策の再考が促されるようになりました。」
「朝鮮半島を巡る同盟関係について新しい展開の可能性があり、それは日本にとって安全保障上きわめて大きな意味があります。」
ナジ准教授はこう付け加えました。

 

▽中国の「軍事台頭政策」

 

「中国政府は南シナ海や東シナ海で非常に強引な政策を実践し、さらには尖閣諸島に対する日本の実効支配を弱めるために小刻みに揺さぶり続ける戦術を実行しています。」
ナジ准教授は、現在日本が実効支配する一方、中国も領有権を主張している東シナ海の無人島についてこう語りました。

中国海軍はの尖閣列島周囲の日本の領海に頻繁に侵入を繰り返し、日本の海上保安庁などとの間で緊迫した駆け引きを行っています。
将来的には中国は尖閣列島に対する実行支配を徐々に強めながら、領土の共同管理を要求る可能性があります。

 

「日本の最大の懸念は日本列島周辺の島々に対する管理支配を完全なものにしたいということであり、自衛隊が領土を守るために十分な能力を持っていることを実証したいのです。」
ナジ准教授がこのように付け加えました。

 

防衛力の強化ということでは、自民党内の別の勢力からも宇宙開発とサイバー技術の分野における軍事的プレゼンスの強化や他国の目標を攻撃する能力を備えた巡航ミサイルの配備などの提案が行われています。

 

第二次世界大戦終結時の日本の降伏を機に、日本国憲法は民主主義のプロセスを確立しました。
天皇の役割を限定し、国の平和主義的な性格を確立しました。

しかし日本人以外の人々の手によって日本の政治的未来について詳細なシナリオが作られてから、すでに70年以上が経過しました。

実質的にはすでに存在している日本の軍隊について、それを国軍として正式に定義しようとする新たな波が作り出されつつあるのです。

 

http://www.dw.com/en/is-japan-breaking-with-pacifism-to-increase-defense-spending/a-43996762

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まず問いたいのは、

21世紀に入り武力行使によって完全解決した国際紛争はあるのか?

ということです。

 

イラクにしても、アフガニスタンにしてもアメリカが最新鋭の武器を装備した軍隊を送り込みましたが、アメリカの軍事力とはあまり関係がないカンボジアやラオスほどの平和が達成できたでしょうか?

イラクのメイン通りには今やアメリカ企業の看板が立ち並ぶ一方、アメリカ軍が使用した劣化ウラン弾の残留放射性物質により出産や育児に大変な問題が起きています。

国内の各地にはいつ軍事衝突が起きてもおかしくない危険が無数に存在しています。

そしてアメリカ自身もイラクやアフガニスタンに送り込まれた兵士たちの帰還後のPTSDにより、退役軍人の人格の崩壊やその影響による犯罪の増加などが社会不安につながり、多くの市民が苦しんでいます。

 

戦争というのは突き詰めれば、敵国の人間をできるだけ多く殺す、不具にするという行為です。

平和な社会では決して許されません。

それを『国家』という概念を持ち出して正当化する。

その論理は2000年間変わっていません。

2000年の間の人間社会の進歩と比較すると、戦争の論理はあまりにも雑なものです、

 

ではなぜ彼らは戦争を欲するのか?

 

武器を買わせる

しかし買わせただけでは次から買わなくなるので、できるだけ使わせるようにする

そうした力が存在するという一面は見逃せません。

 

ベトナムから中東にかけ、アメリカの軍事介入によって何万人何十万人という人々が死ぬことになりましたが、振り返ってみてその大義は何だったのでしょうか?

そのことに今、ヨーロッパを中心に多くの人が疑問を持ちはじめています。

 

しかしそうした事実に蓋をして、可能性として存在する脅威をまるで眼前に迫った現実の脅威であるかのように宣伝し、演出をしているのが安倍政権であり政権与党自民党です。

教育予算を削り、福祉予算を削り、年金の支給を遅らせ、医療費保険費の徴収率を引き上げ、軍事予算の増額を続けています。

 

日本列島の海岸線に置き並べた武器は世界有数の性能と規模を誇りながら、その内側では国民が格差に苦しみ、経済的に追い詰められたり高齢化した国民が困窮死しています。

 

この道をこのまま進んだ先に、日本人の本当の幸福があるのでしょうか?

原子力発電の復活を図る安倍政権のエネルギー政策目標

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所要時間 約 6分

各電力会社は厳しい安全基準をクリアために高額なコストを支払うのではなく、経年劣化した原子炉の廃炉を選択した

稼働期間の延長や新しい原子炉の建設がなければ、日本では2050年までに実用可能な原子炉がなくなる

 

AP通信 / ニューヨークタイムズ 2018年5月16日

日本には2011年の福島第一原子力発電所の事故以降解決しなればならない様々な深刻な問題があるにも関わらず、安倍政権は今後10年間の原子力発電の大規模な継続を前提とするエネルギー計画を5月16日に提案しました。

日本政府の任命により編成された委員会によって提示されたこの草案は、2030年度までに原子力発電が日本の総発電量の20~22%を占めるべきだと述べています。

 

2015年に経済産業省がまとめた計画草案は再生可能エネルギーの目標を22~24%に設定しており、残りは化石燃料を使った火力発電によって賄うとしています。
安倍政権は7月頃にこの計画を承認する予定です。

各電力会社は福島第一原子力発電所の事故の後導入された原子力発電所に関する厳しい安全基準をクリアために高額なコストを支払うのではなく、経年劣化した原子炉の廃炉を選択したことを考慮に入れると、安倍政権が設定した目標を達成するのは難しいように見えます。

さらには人口密度の高い島国で、大量の放射性核燃廃棄物をどうやって処分すべきか現実的なプランがないまま原子力発電を再開することは、もう一つの大きな懸念材料です。

 

さらに安倍政権は核燃料再処理計画の継続もうたっていますが、その過程で生み出されるプルトニウムの備蓄量が増え続けていることについて、国際社会の懸念が高まっています。

今回策定される計画は、発電目標を達成するために新たな原子力発電所を建設するという日本国民が強く反対している問題に触れようとしていません。
コマツの顧問である坂根正弘委員長は、こうした日本政府の姿勢について「不都合な真実」から目を背けようとしていると批判しました。

 

2011年の福島第一原子力発電所の事故以降日本国内のほとんどの原子炉が停止していたため、原子力発電は日本の電力生産のわずか2%以下にとどまっています。
現在稼働している原子炉は5基に留まっています。

日本の電力会社は福島第一原発の事故以降、福島県内の6基を含め15基の原子炉の廃炉を決定したため、稼働可能な原子炉の数は39に減少しました。
専門家は現在停止している16基は再稼働の準備に手がついておらずこのまま廃炉になる可能性が高と語っています。

 

政府の委員会のメンバーで東京理科大学教授でエネルギー問題の専門家である橘川武郎(きっかわたけお)氏は、残された原子炉には従来40年間の稼働が許可されていますが、これらを20年以上延長する許可が与えられない限り、安倍政権が策定した目標を12年以内に達成することは不可能だと述べました。
稼働期間の延長や新しい原子炉の建設がなければ、日本には2050年までに実用可能な原子炉がなくなることになる、橘川教授がこう語りました。

さらに橘川教授は原子力による発電量が少ないということは、日本の排出削減約束とは対照的に、化石燃料への依存度が高いことを意味する、と指摘しました。
日本は2030年までに2013年比で26%、2050年には80%二酸化炭素の排出量を削減するという目標を設定しています。

 

福島事故以来、原子力発電に反対する運動を行っている小泉純一郎元首相は、東京新聞の取材に次のように答えました。
原子力発電は新たに導入された安全基準に適合させるため、そして非現実的な燃料再処理計画のためにきわめて高額なものになっています。
そうした意味からも原子力発電から再生可能エネルギーへの転換を加速すべきです。

 

https://www.nytimes.com/Targets for Nuclear Energy

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最近痛感することはドイツのメルケル氏と日本の安倍氏の、首相としての資質の違いです。

最大の違いはメルケル首相が人間、国民、市民というものに最も大切な価値を見出していることでしょう。

そして森友学園・加計学園の問題を考えると、日本の首相には資質だけでなく資格もかけているのではないのか?とお考えになる方が多いと思います。

 

安倍政権の下での官僚制度の腐敗と劣化が、5年後10年後20年後の日本に深刻な悪い影響をもたらすだろうということは、以前にも書きました。

それはモラルの低下、機能不全、あるいは社会現象として具体的になるでしょうが、エネルギー政策はそれ自体具体的なものです。

抽象的な概念に関しては異論を唱えることは前提条件の設定からして難しいことですが、エネルギー政策は具体的なものです。

 

危険であり、異常に高コストであり、利益が上がれば消費世帯に還元されるのではなく電力業界の族議員などに還流していくのが原子力発電。

しかも最先端科学をもってしても、原子力発電をすれば必ず作り出される放射性核廃棄物の処理は不可能です。

こんな理不尽なシステムを続ける理由は、私たち市民の側にはありません。

安倍首相の不当便宜供与疑惑・『政権に協力的な』官僚38名を放免

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所要時間 約 5分

大阪地検特捜部の決定がスキャンダルの終わりを告げる可能性は低い
大阪地検特捜部は政府職員に対しては嫌疑不十分であるとしながら、事件の核心にいた森友学園経営者を逮捕・起訴・拘留

 

ダニエル・ハースト / ガーディアン 2018年6月1日

安倍首相の権力担当能力に対する脅威となっていた塗布等便宜供与疑惑のスキャンダルで、数十人の日本政府関係者が追及を免れることになりました。

 

このスキャンダルは、安倍首相夫人である昭恵氏が関係する国家主義教育を行っていた学校経営者に対し財務省が国有地を常識外の安価で売却し、この一連の取引に関する公文書が改ざんされた問題が含まれます。

 

大阪地方検察庁特捜部は、国有地の大幅値引き売却に対する背任や決裁文書を改ざんした虚偽有印公文書作成などの容疑で財務省幹部ら38人の告発を受けていました。
しかし大阪地検特捜部は5月31日、安倍首相から公文書改ざんの指示を受けたことはないと国会で証言した佐川宣寿元財務省理財局長を含む38人全員について、不起訴処分とすると発表しました。

これを受け、自分自身あるいは自分の妻が本来の評価額から85%もの値引きが行われた土地割引と関連していることが明らかになった場合、首相を辞職すると昨年9月に公約していた安倍氏は安堵しています。

 

しかし大阪地検特捜部の決定がスキャンダルの終わりを告げる可能性は低いものです。

 

来週6月に入って早々に財務省の調査報告書が公表される予定であり、野党は不当便宜供与の疑惑を追求し続けると改めて宣言しました。

 

大阪地検特捜部は政府職員に対しては嫌疑不十分であるとしながら、一連の事件の核心にいた私立学園経営者を逮捕、起訴、拘留しています。
国家主義的教育機関である森友学園グループを率いる金子康則氏とその妻は、公的補助金を詐取したとして刑事告発されています。

森友学園が経営する幼稚園は園児たちに皇室の肖像写真の前で深々とお辞儀をさせ、毎日君が代を歌わせ、国家のために自己犠牲を賛美する1890年に編まれた教育勅語を学ばせていることで注目を集めていました。

安倍昭恵首相夫人は森友学園が設立する新しい小学校の名誉校長を務めることになっていましたが、昨年2月、国有地の取引に関する疑惑が費用面化した際に辞任しました。

 

疑惑が拡大し安倍氏が首相を務める政権の支持率は急落しましたが、昨年末に対立する野党が混乱・弱体化し北朝鮮の安全保障上の脅威が急拡大したタイミングを利用して突然国会を解散して国政選挙を行い、中道右派連立政権を勝利に導きました。

今年3月、国有地の売却を巡る事件の調査を行う国会議員に当時の記録を提出する際、財務省が安倍首相と昭恵夫人に関連する記述を改ざんしたことを認めたことにより、森友学園スキャンダルに再び火がつくことになりました。

 

この中の一つの文書からは森友学園側が安倍昭恵首相夫人から「良い土地なので、ぜひ前に進めてください。」と励まされたという記述が削除されていました。

大阪地検特捜部はこの種の改ざんは文書本来の性格を実質的に変更する重要なものではないと判断した、地元メディアがこう報じました。

 

https://www.theguardian.com/world/2018/jun/01/japan-charges-dropped-cronyism-scandal-threateningshinzo-abe

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いつから日本の政治がペテンの舞台になったのか?

と言えば、それはもう2012年末、安倍政権の誕生から、ということに同意される方は多いと思います。

 

これは極めて深刻な問題です。

今国政の場で行われているペテンは、日本の将来にも必ず災厄をもたらすからです。

 

日本ほどの経済規模と人口を持つ国が一夜にして崩壊する・滅ぶということはあり得ません。

戦後大きく飛躍したもののバブル崩壊後は停滞に苦しんでいるとはいえ、世界の技術革新に関わり続けている日本が、今この時点で全てが衰退に向かっているわけでもありません。

 

しかし国政の中心でペテンが進行しているとすれば、国運が傾くのは必然、当然の理です。

日本は体外受精への依存が世界1位 – そして不成功例の多さも…世界1位

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所要時間 約 7分

日本では5分の1の夫婦が不妊に悩んでいる

年齢の高い女性にバラ色の期待を抱かせ、何度も処置を受けさせ繰り返し報酬を受け取る日本の不妊治療

 

エコノミスト 2018年5月26日

加藤レディース・クリニックの不妊治療の表看板は、生殖能力を向上させるという類のものとは一切異なります。
企業が集中する東京の高層ビジネス街にあって、同クリニックでは1日平均75人の女性の卵子に受精させています。
院長の加藤氏はこのクリニックが世界で最も繁忙を極める病院の1つだと語りました。

 

20年ほど前、日本のジャーナリストが皇太子妃の雅子さまが不妊治療に通っていることを一切報道してはならないと警告されて以来、日本は長い道のりを歩んできました。
皇位継承者の出産を期待されていた皇太子妃は、30代後半で無事に女児を出産しました(女児の誕生によって国家主義者などを失望させることにはなりましたが…)。

 

今日の日本の人口はアメリカの半分にも満たないものですが、不妊治療を行う病院やクリニックの数は3分の1以上です。
妊産婦の体外受精(IVF)数が全出生数の5%を占め、昨年5万人を超える赤ちゃんが誕生しました。

厚生労働省は日本のカップルの約5分の1が不妊の問題と闘っていると報告しています。
女性の結婚年齢は遅くなり続けています。

 

日本の社会に固有の女性に対する圧力により、他の裕福な先進諸国と比較すると婚姻が出産に結びつく割合がはるかに少ない現実を生み出しているのです。
結果として40代になって不妊治療を受ける日本女性の割合は約40%と、イギリスやフランスと比べ倍の割合に達しています。

その結果日本が公式の統計を取り始めた1899年以降、昨年になって年間出生数は初めて100万人以下に減少してしまいました。

日本の総出生率(未婚既婚を問わず女性が生涯にわたって出産すると予想される子どもの数の典型例に基づく)は、国の人口を安定的に保つために必要な数よりかなり少くなっています。
日本の安倍首相は日本の人口が1億人を割り込まないよう歯止めをかけると根拠もなく主張していますが、最悪の場合日本の人口は現在の1億2,700万人から5分の1にまで落ちこむ可能性があります。

 

2004年出生率の異常な低下に気がついた日本政府は、健康保険制度では費用の補填ができない体外受精に補助金の提供を始めました。
そして現在はその対象を未婚のカップルにも広げげることを検討中です。

 

受給者は初回の処置に150,000円、以降回数を定めて補助金が交付されます。
しかしこの金額では必要な費用の全てを賄うことはできません。
43歳以上の女性と年収730万円以上の世帯には適用されません。
NGOである不妊情報ネットワークの松本晶子氏は、多くの場合体外受精に必要な費用は1回あたり30万〜50万円になると語っています。

 

しかしその費用のほとんどが無駄になっています。
不妊治療の専門家である浅田義正氏によれば、体外受精の成功率は10%以下であり、しかもその割合は低下傾向にあります。
「日本の体外受精は世界最高の処置回数と世界最低の成功率を記録しています。」
浅田氏がこう指摘しました。

不妊治療を行う医療施設は年齢の高い女性にバラ色の期待を抱かせ、何度も処置を受けさせ繰り返し報酬を受け取ることに余念がありません。
医師はよく知られている副作用を恐れ、妊娠の可能性を高めるのに必要な強力な薬を処方するのを避ける傾向にあることも、なかなか成果が出ない原因の一つになっています。

専門家は病院を格付けする制度も含め、日本には不妊治療を規制する一定の基準を必要としていると指摘しています。
不妊治療薬を製造販売するデンマーク企業のオリジオ・ジャパンのクラウス・ヤコブセン社長は、日本では格付け制度が無いため不妊治療を受けるカップルは口コミに頼るしか無い状況に置かれていると語りました。

 

日本では代理出産、そして卵子や精子の提供はメンバーのほとんどが男性によって占められている産科婦人科学会によって規制され、その規則も極めて厳しいものになっています。
精子や卵子の提供者や代理母を求めて毎年何百人もの日本人が外国に行く羽目になっています。
ヤコブセン氏は、より現実に即したガイドラインと補助金を制度化することにより、日本は毎年300,000人の新生児を得ることができると考えています。
300,000人という数字は、現在の1年間の死亡者数から出産者数を引いた数とほぼ同じです。

 

https://www.economist.com/asia/2018/05/26/no-country-resorts-to-ivf-more-than-japan-or-has-less-success

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以前から、女性たちをいろいろ『追い詰めて』いるのは、「日本の社会構造なのではないか?」と考えてきた私にとって、この記事は一つの答えでした。

日本の少子化はその社会構造が作り出してるのであって、女性や若年層の人々に責任を求めるべきものではありません。

結婚するのにもいろいろと社会的に制約がかかり、しかも金もかかる

子供産むのにもいろいろと社会的に制約がかかり、しかも金もかかる

こういう状況の中で婚期が遅れ、出産が遅れることをすべて個人の責任にすべきではないでしょう。

 

私の子供時代、昭和40〜50年代、独身女性の職業に「家事手伝い」とあるのは普通のことでした。

学校を卒業した後、家庭で家事全般について母親や家族から学びながら、来るべき結婚に備えていた女性たちのことです。

我が家は母親も働いていてましたが、そういうのは『共稼ぎ』と言われてむしろ特殊な方に分類され、まだまだ『専業主婦』が多数派の時代でした。

 

そんな環境の方が、子供を産み育てるには適していたかもしれません。

 

日本には一国の総理大臣が口先でリップサービスするのではなく、子供を産み育てる女性たちをもっと真剣に支える仕組みが必要です。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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