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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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【 安倍首相、憲法の改定を宣言 】

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戦争の完全放棄を宣言していることで世界的に有名な第9条、日本の平和主義は憲法によって守られている

安倍首相の改憲の決意表明に対し、ソーシャル・メディア上には大量の反対意見が書き込まれた

世論調査では回答者の82パーセントが「平和主義を国是とする現在の憲法を誇りに思う」と回答した

 

モトコ・リッチ / ニューヨークタイムズ 2017年5月3日

 

日本の安倍晋三首相は5月3日水曜日、アメリカ軍の管理下に置かれていた1947年に制定された日本の平和憲法を改定する計画を発表しました。
憲法制定70周年を迎え保守系の民間団体が主催した式典で紹介されたに送りつけられたるビデオ・メッセージで安倍首相は憲法を2020年までに改定すると明言し、自衛隊として知られる日本の軍隊の地位を「明文として書き込む」と発言しました。
日本が北朝鮮から継続的な安全保障上の脅威を受け続けている状況の中、227,000人以上の現役兵士で構成されている「自衛隊が違憲かもしれない」という状況をこれ以上放置できないと強調しました。

 

北朝鮮が挑発的行動を繰り返し、安全保障上の懸念が高まっているとする安倍政権は、日本の軍備の増強を進めています。
つい最近では朝鮮半島の沖合で訓練を行うアメリカの航空母艦カール・ヴィンソンの護衛艦としての役割を果たすため、日本は海上自衛隊の2隻の駆逐艦を派遣しました。
そして5月1日海上自衛隊の駆逐艦2隻は空母カール・ヴィンソンと3隻の軍艦のアメリカ海軍攻撃機動艦隊の補給艦1隻とともに航行を始めました。

 

戦争を完全に放棄することを宣言していることで世界的にも有名な第9条があることで、日本の平和主義は憲法によって守られています。
日本国憲法第9条は戦後、日本は平和主義国家であるべきだと考える多くの日本国民の拠り所となってきましたが、この条項を変えてしまいたいというのは安倍首相の長い間の宿願でした。

これまで日本国憲法を改変しようという動きは国内においても、そして韓国や中国からも、かつての軍国主義の復活を意図するものだとして疑いの目を向けられてきました。

 

歴代の日本の政権は同じ考え方を持つ学者たちとともに、憲法は国家の自衛権を認めている以上、自衛隊の存在は合法的なものだと主張してきました。

しかし安倍首相は憲法第9条について、広範囲に『解釈の変更』を進めるとともに、2年前には『集団的自衛権』という考えのもとにこれまで認められていなかった、同盟国の軍隊とともに海外での戦闘を可能にする安全保障関連法案を国会で成立させました。

 

この法律の成立に対しては何日にもわたる国会での攻防とともに、かつてない大規模な、そして長期間の一般市民による抗議活動が展開されました。

憲法の改定を提案するというのは政治的に周到で万全な配慮を必要とするという認識に立ち、安倍首相はメッセージの中で日本は「平和主義に徹するという姿勢を堅持しなければならない」とつけ加えることを忘れませんでした。

しかし専門家はこの発言は憲法改定の真意を疑っている人々をとりあえず安心させ、憲法改定を可能にする道筋をつけるための周到な計算のもとに行われたものだと指摘しました。
安倍首相とその政権は「日本国憲法第9条は日本国民に広く支持されているため、これを廃棄しようとすれば憲法の改定が非常に困難になるということに気がついたのです。」
上智大学で政治学を専攻する中野孝一教授がこう語りました。

 

憲法記念日の直前、公共放送局NHKによる世論調査が行われ、回答者の82パーセントが「平和主義を主唱する現在の憲法を誇りに思う」と回答したことが明らかにされたのです。

安倍首相の提案は「一見すると合理性があるようにも考えられますが、まず最初に憲法を破壊した上で、次に憲法が定める『事後法の禁止』行為によって憲法改定を図っている点、批判は避けられないでしょう。」

中野教授がこう語りました。

東京都内では約55,000人が憲法改定に反対する集会に出席し、ソーシャル・メディア上には大量の反対意見が書き込まれました。
「日本国民の多くがどんな犠牲を払ってでも、憲法を変えるべきだと熱心に望んでいるのでしょうか?私はそんな『大勢の意見』など聞いたことはありません。』
ツイッターでトモ・キムラさんがこう発言しました。
しかし別の1人は、安倍首相は憲法を現実に合わせようとしているだけだと発言しました。「私は日本の安全保障環境が劇的に変わったという現実に合わせ、憲法を改正しなければならないと思います。」
匿名のハンドルネーム500円未満さんがツイッターにこう書き込みました。

 

前大阪府知事の橋下徹大阪市長は、読売新聞の取材に対し、今や憲法を改正すべき時が来ていることは明らかだと答えました。
「自衛隊は太平洋戦争直後は憲法に違反していたかもしれません。」
「しかし自衛隊が現在合法な存在であるということは疑いのない事実です。」

 

元政府官僚で明治大学国際総合研究所の客員研究員の奥村準氏は、安倍首相は改憲案を設立させることはおそらく可能だろうと語りました。
昨年7月の参議院選挙では連立与党とその同調勢力は議席の3分の2を獲得し、憲法を改定するための発議権を手に入れることに成功しました。

どのような変更でも、憲法の条文を変更するためには国民投票で過半数の賛成を得なければなりません。
共同通信社が5月に入って発表した世論調査は、日本国憲法の平和主義的な条項を書き変える必要があるかどうかという問題について、回答者はほぼ半数対半数に意見が真っ二つに分かれているという結果を明らかにしました。

 

https://www.nytimes.com/“Shinzo Abe Announces Plan to Revise Japan’s Pacifist Constitution”

【 平和憲法の改変、民主主義プロセスの破壊を続ける安倍政権 】(再掲載)

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憲法第9条により平和主義は戦後日本の復興の礎となり、平和国家日本の再建は確実に進んでいった
軍国主義が一般国民に強制したものは極端な服従、戦争末期の玉砕や特攻による集団自殺
軍国主義に縛りつけられていた日本の潜在能力に、躍進する自由を与えた平和憲法

多くの日本人は長く続いた平和な黄金時代に、幕を下ろすことなど一切望んではいない

 

ピーター・ポッパム / インディペンダント  2014年7月17日

安倍&豪州首相
日本の安倍晋三首相は与党が過半数を制する国会の議席数を利用し、日本は集団的自衛権を行使し得るとする憲法の「再解釈」を行いました。
この決定は国民の大きな怒りを買い、その怒りは時間が経っても容易には収まりそうにありません。

日本の現在の憲法は西側の法律家たちによって考案され、敗戦によって自信を喪失していた国に対し施行が課せられ、完全な平和主義の国家の再建設がすすめられることになりました。

 

憲法第9条の条文は次の通りです。
「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」

この憲法の発布以来、日本の国家主義者たちはその規定する内容について「屈辱的な」ものであると憤懣を募らせ続けてきました。
しかし平和主義は戦後日本の復興の礎となり、平和国家日本の再建は確実に進んでいったのです。

日米安保条約に基づくアメリカの軍事力の傘の下にいることも日本人に軍事力の不必要さを感じさせてきましたが、それ以上に多くの国民が日本は平和国家に生まれ変わったのだという認識を持ったことにより、戦前の軍国主義がもたらした様々な恐怖や悲劇からいち早く立ち直ることを可能にしたのです。

大東亜共栄圏03

第二次世界大戦中に日本軍の占領地区における残虐行為などが戦後明らかにされると、当時詳しい事情も知らずに大日本帝国の戦争推進政策に賛同していた一般国民は、驚きと恐怖に打ちのめされました。

『大東亜共栄圏』こそは大日本帝国が創り出した壮大な規模の欺瞞でした。
アジア各国と対等の同盟関係を結ぶ振りをしながら、日本人は各国民に対し人種的に優位に立っているという真意を隠し持ち、天皇を神格化して様々な形で利用しようとしていました。

軍国主義が一般国民に強制したものは極端な服従、戦争末期の玉砕や特攻による数多くの若い人々への集団自殺の強制、さらには日本中の都市が壊滅寸前に追い込まれ、多くの民間人が犠牲になったアメリカ軍による空襲、猛爆でした。

 

東南アジア諸国は大日本帝国の侵攻により、西欧の帝国主義国家の植民地からの脱却を果たしたため、当初は恩恵があるように感じた国々もありました。
しかし独立の喜びに浸っていたのもつかの間、間もなく彼らはいやでも日本の醜い真意に気づかざるを得ない状況に追い込まれていきました。
以後彼らは二度と大日本帝国の『恩恵』について、口にすることはなくなったのです。

大東亜共栄圏02
マッカーサー元帥が統治責任者を務める中で公布された平和憲法は、軍国主義に縛りつけられていた日本の並外れた潜在能力を自由にしました。

そのエネルギーは産業の復興に向かい、日本経済を泥沼から引き出しただけでなく、生活水準の改善を著しく改善することになりました。

日本人は別に自画自賛することが大好きな訳ではありませんが、しかし一面では真実です。

1930年代に誇らしげに語られた『大東亜共栄圏』構想は、結局は日本に膨大な数の死と惨めな敗戦をもたらしただけでした。

 

1930年代の軍国主義国家を、1950・60年代の平和主義国家日本と比較してみたらどうなるでしょうか?

『トランジスタ・セールスマン』は、当時の池田勇人首相が推進した高度成長政策について、フランスのド・ゴール大統領が日本人を幾分かの軽蔑を込め揶揄した言葉でした。
しかし日本は近代国家史上2回目となる繁栄を謳歌し、戦時中と異なり日本人が東南アジアで忌み嫌われることはもはや無くなりました。
事実、日本の海外投資のあり方は綿密に調査に基づく緻密なものであり、この点往々にして高圧的であり相手を小ばかにしたような中国のやり方とは対照的なものでした。

憲法第9条01
東南アジア、東アジア地区において平和主義国家日本が半世紀の間続けてきた、現地の人びととの融和を大切にする友好的な政策が生み出したこのような高い評価を、簡単に台無しにする方法があります。

それが安倍首相とその支持者たちが天性持っている国家主義的思考であり、彼らが今進めている国家主義的政策です。

 

東南アジア、東アジア地区において平和主義国家日本が半世紀の間続けてきた、現地の人びととの融和を大切にする友好的な政策が生み出したこのような高い評価を、簡単に台無しにする方法があります。
それが安倍首相とその支持者たちが天性持っている国家主義的思考であり、彼らが今進めている国家主義的政策です。

それこそが今日本が外交的に危機的状況に追い込まれている本当の理由なのです。

そして安倍首相が憲法第9条の解釈の変更を行うことにより日本という国家の性格と政策を一変させてしまおうとしていることに対し、国内から広範囲な反対が巻き起こっていることの原因です。

 

国内において国民の大きな反発を引き出したものは、安倍首相が行ったそのやり方でした。
巧妙に仕組まれたごまかしというべきかもしれません。
安倍氏はかつて一度、短期間首相の座にいたことがあります。
その時は目立つほどの業績も無く、その後数年間は注目を浴びることもありませんでした。
そして2012年、1980年代半ばから停滞が続いている日本経済を復活させるため、新しい政策を大胆に実行するという公約を掲げて政権の座に返り咲きました。

集団的自衛権01
その政策のシナリオはきわめて複雑なものでしたが、これまで試されたことは無いというメリットを持っていました。
そして今のところ、完全な失敗に終わったということにはなっていません。
しかし東アジア地区において拡大を続ける中国の覇権と争うため、再び日本を強大な軍事力を持つ国家に変貌させる、そのためには日本の国のあり方まで変えてしまうという政策は、本来含まれてはいなかったはずでした。

コンセンサスについての考え以外は、日本の民主主義は完ぺきというには程遠いものなのでしょうか?

 

日本では実業界においても、そして政界においても、民主主義の理念とは相いれないものが奥深く存在するのではないでしょうか?

こうした事情から経済発展の早さと比較して、日本の政治社会の進歩は世界の中でむしろ遅い方だと見られています。 - 多くの場合、日本の企業や政治組織などにあって何か特別な状況が発生した場合には、誰もが同じ方向を向き、上からの命令に喜んで従うという態度を示さなければなりません。
このやり方で安倍首相は日本の平和憲法を踏みにじりました。

日本のニュース解説者などが指摘しているのは、安倍首相の「内閣による解釈の変更」という民主主義とは相いれない手法です。

2007年の第1次安倍内閣の当時、安倍首相は国民投票法を含め思い切った憲法の改変を提案しました。
もし当時の議会の承認が得られれば、成功していたかもしれません。

憲法解釈変更 7
しかしそこに至るまでのあまりに困難な道のりを考え、今回は自分たちにとって簡便な手法を用いることにしたのです。
これによって安倍首相は、本来なら必要とされる国民の合意を取りつけることなく、自らが増強に心血を注いでいる日本の軍事力を海外で行使できるとする解釈を成立させたのでした。

この過程において安倍首相は、民主主義国家において本来許されないはずの行為を繰り返し行いました。
フィナンシャルタイムズの記事にもあった通り、日本の経済を再生するとする安倍首相の取り組みはまだ道半ばです。
その実現のためには、政権をしっかりと支える多くの政治的資本を必要とします。

 

しかしその好戦的、すなわち戦争を挑発して回るような安倍政権の政治姿勢に対する国内外の反感は、本来の目的であったはずの日本の経済再生を失敗に終わらせ、元の木阿弥にしてしまう可能性があります。

なぜ日本はアメリカが主導する軍事行動に、歩調を合わせ続けなければならないのでしょうか?
平和主義は日本にとって、慣れぬ新しい概念ではありません。

16世紀にキリスト教宣教師を追い出した後、日本は世界との交易の扉を閉ざした上で銃器の使用を厳しく制限し、武士が帯びていた刀はやたらと振り回す武器ではなく、名誉の象徴としての位置付けに変わりました。
鎖国と呼ばれるこの政策は、国家間の戦争が多発した時代において、長く平和な時代を日本にもたらしました。

沖縄戦01

戦後の平和主義は経済が停滞していた時期にも、日本人に長い間平穏な生活を保障してきました。

多くの日本人は、必要とされる適切な議論が行われないまま長く続いた平和な黄金時代に幕を下ろすことなど、一切望んではいないのです。

 

原題 : Shinzo Abe’s way of reinterpreting Japan’s pacifist constitution won’t wash
He has bitten off more than he can chew
http://www.independent.co.uk/voices/comment/shinzo-abes-way-of-reinterpreting-japans-pacifist-constitution-wont-wash-9613153.html
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【 70年間続いた平和主義は今や日本が誇るべき伝統、時の権力者の勝手な破壊を許していいのか?】(再掲載)

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わざわざ外国に行って人を殺すような行為はしない、それは日本人にとっての新たな文化、新たな伝統
安倍首相の右傾化政策は、戦前の日本を地獄の業火に引きずり込んだ悲劇的失政に通じる
平和憲法は戦争で殺された300万以上の日本人の、そして2,000万以上のアジア人の犠牲者の上に成立したもの

 

ザ・ガーディアン 2014年7月1日

No War
1943年、石田雄氏が日本軍に徴兵されたとき、彼はアジアを西欧列強の植民地支配から解放するための正義の戦争に参加するのだと信じていました。
彼の中では日本の軍国主義に対する疑いが芽生えていましたが、毎日繰り返される戦闘訓練の中でいつしか彼本来の人間性は鈍麻し、戦争の大義を信じるようになっていたのです。
そして降伏…
軍国主義の厳しいタガが外れると、戦地における日本軍の残虐な行為が次々と明らかになりました。
石田氏は以後の人生を、日本の平和憲法を護ることに捧げる決心をしたのです。
この憲法は当時日本を実質的に統治していた、アメリカ占領軍当局の下で制定・発布されたものです。

そして今、約70年の時間が過ぎた後の日本の防衛政策の劇的な転換を見て、かつての大日本帝国陸軍の士官であった石田氏は、日本の若者が再び海外の戦場に送り込まれる事態が現実となることを恐れています。

 

7月1日、保守タカ派の安倍首相とその内閣は、長い間禁じられてきた日本の海外での武力行使を容認する内閣決議を行いました。
この決定は石田氏が見る限り、日本を再び無謀な戦争に引きずり込んでしまう可能性があります。

「安倍首相がしていることは、私たち日本人の平和憲法の原則を破壊する行為です。」
東京大学の名誉教授である石田雄氏がこう語りました。
「国外において一切人殺しをしない、ある意味でそれは日本人の貴重な遺産の一部分を形成しています。そのような大切な理念を国民が望んだからではなく、ひとりの人間が命令したから捨て去る、なぜそのようなことをする必要があるのでしょうか?」

広島04
現在91歳の石田氏は日本とアメリカの共同作業によって編まれた平和憲法こそが、戦後70年間続いた平和主義の土台を支え続けてきたと考えています。

「戦後私は、軍国主義青年になるために長い間洗脳されていたのだと気がつきました。」
石田氏がこう語りました。
「そのために自分の存在意義についての喪失感に打ちのめされていたとき、私は平和憲法と出会い、目の前が一気に開ける思いがしたのです。」

安倍首相が憲法を解釈しなおし、集団的自衛権の行使は容認されるとしたことで、こうした日本の平和主義的伝統が捨て去られる危険にさらされ、平和主義国家としての基盤が潰え去ろうとしているのです。

 

しかし日本が憲法の改変そのものを行う可能性は無いのでしょうか?
安倍首相は国会内と国民投票で手続きを進めるために必要な賛成票を得ることが出来ないと判断し、憲法の改変という選択肢を本当にあきらめたのでしょうか?

 

国際紛争の解決手段として戦争を放棄し、武力の行使を禁じる憲法第9条の解釈の変更が行われることになっています。

安倍首相率いる自民党と連立を組む公明党合わせた議席数は全体の過半数を上回り、この後、憲法第9条の解釈の変更は議会で承認されることになっています。
そうなれば日本は第二次世界大戦終了後初めて、集団的自衛権の行使が容認されることになります。

実際の運用では国連の平和維持活動、そして本格的な戦争状態には陥っていない、いわゆるグレーゾーンへの武装した自衛隊の派遣が可能になるのです。

しかし最も心配されることは、『強い同盟関係にある』軍隊救援のため派遣された自衛隊が、アメリカ政府の強い要求により本格的な戦闘へと引きずり込まれる危険性がある事である、こうした批判もあります。
実際に安倍首相は第2の任期において防衛予算を増額し、自衛隊の体制と装備の充実に力を注いできました。

そして第二次世界大戦における日本と日本軍の歴史的記録を書き換えようと図る日本の保守派の政治家を代表する人物として、台頭する中国の軍事的脅威と、北朝鮮の核開発計画から日本と同盟国を防衛するためには、現行憲法が邪魔になると主張します。

1日火曜日に行ったテレビ演説の中で、安倍首相は日本が平和主義国家であることに変わりはなく、憲法第9条の解釈の変更により自衛隊が海外の戦闘地帯に派遣される可能性がある事を否定しました。
その代り、日本国民を防衛するためにより優れた態勢が築かれることになると語ったのです。
例えば日本の防衛のため戦闘を行っている米国艦船を、日本の海上自衛隊が防衛することが可能になる、安倍首相はこう説明しました。
「これは、日本人の幸福に資するための対策なのです。」
「平和国家としての日本の立場に変更はありません。」

 

今回の解釈変更について、内閣が作成した文書にはこう書かれています。『我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合に、これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がない時に、必要最小限度の実力を行使する』

WP504
しかし、20世紀半ば、日本の軍国主義政策の直接の被害者となった近隣諸国からは、批判的な論説が相次ぎました。
「中国政府は、中国の脅威を過剰に煽り立てる日本政府の行為に反対する。」
中国の外務省スポークスマンは北京での記者会見の席上、こう語りました。
「長い間希求し続けてきた平和な世界の実現への取り組みを、日本はもはや捨ててしまったのだろうか?近隣各国がそうした疑問を持つのはごく自然な事です。」

韓国政府のスポークスマンは次のように語りました。
「過去日本の軍国主義の犠牲となった近隣諸国の懸念を払拭し、地域の平和と安定のために平和憲法をこれからどう生かすべきか、日本はそこを原点に議論すべきあると考えています。」

自衛隊に対する制約を取り払おうとする安倍首相の一連の政策に対しては、日本国内でも多くの反対の声が挙がっています。
約10,000の人々が月曜日の夕方、首相官邸前でデモを行いました。

 

同様の集会は7月1日火曜日にも開かれました。

「現在の憲法は、300万人以上の日本人の、そして2,000万人以上のアジア人の戦争の犠牲の上に成り立っているのです。」
74歳になる村田良彦さんがこう語りました。
「私たちはその事を肝に銘じる必要があります。」

 

いくつかの最近の世論調査の結果は、有権者の大部分が集団的自衛権の行使容認には反対していることを明らかにしました。

一方、解釈変更を支持する立場の人々は、不確実性を増すアジア太平洋地区の状況に対応するため、日本は他の見民主主義国家同様の防衛政策を採用しているだけだと語りました。
「地域の平和と安定を守るため、関係諸国と協力しながら共同の枠組み作り上げるために、我々は現在より率先的な役割を演じようとしているのです。」
AP通信の取材に、自民党の安全保障研究委員会の委員長を務める岩屋たけし氏がこう答えました。

憲法解釈変更 7
しかし石田名誉教授が次のように指摘しました。
安倍首相は靖国神社参拝により、あえて日中、日韓の間の緊張関係を演出し、その上で今度は自衛隊に対する最終的な制約を取り払う挙に出た事により、東アジア地区に危険な時代を創り出してしまった、と。

 

かつて徴兵され太平洋戦争の戦場に送り込まれた男性から見れば、昨年末に世論の反対を押し切って特定秘密保護法を成立させたことを始めとする安倍首相の日本の右傾化政策は、かつての日本を地獄の業火に引きずり込んだ悲劇的な失政に通じるものがあります。

「特定秘密保護法の成立を見て、私はすぐに1928年の治安維持法を思い出しました。治安維持法の成立により、反対者を逮捕する事、そして国政に関わる情報を隠してしまう事が極めて容易な事になってしまいました。」
石田名誉教授が当時をこう振り返り、次のように続けました。
「憲法9条の解釈を変更した事により、日本は再び海外に実戦部隊を送り込む事が可能になりました。 歴史が再び繰り返すのではないか、そう心配せざるを得ないのです。」

 

http://www.theguardian.com/world/2014/jul/01/japan-pacifists-military-intervention-shinzo-abe
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2017年の憲法記念日が過ぎ、いよいよ安倍政権の憲法改変への動きが加速しそうな展開となってきました。

連休中ということもあって新規の翻訳作業が思うように進まず、これまで翻訳した中で特に心に残った記事をアーカイブとしてご紹介させていただくことにしました。

以下は翻訳当時の私のコメントです。

 

集団的自衛権の行使容認が閣議決定された後、自民党が多数を占める宮城県議会が『この際、憲法改正までやりましょう』という決議を行いました。
その提案演説を聞くとこれまで各所で語られてきた改憲派の主張と比べて何ら新しい論点などは無く、要するに現在の内閣に「宮城県の自民党はよくやっている」と言われたいがためのこびへつらい、私にはそう見えます。

しかしこういう人間たちが一番怖い、私はそう考えます。
なぜなら長年研究・考察を続けてきた挙句の結論ではなく、ただ権力の一部に連なりたいという『欲』だけが動機であるため、議論などができるはずがないからです。

 

前回も書きましたが、筋の通った国権主義者などならそれなりに研究・考察を続けてきた上での主義・主張なので、対立した立場の人びとともきちんとした議論ができるはずです。

しかし欲が動機の人間たちは、どこかに後ろめたい気持ちがあるのかどうか、そして自分の中で論理が完結している訳でも無いため、反対する市民などには、往々にして高圧的・強圧的な態度をとることになります。
日本の戦時中、気に入らない相手を『非国民』と罵倒して歩いたのは、まさにこのような人間たちです。
実際に権力を握ったとき、この人間たちは特高警察、ゲシュタポなどの組織を使嗾し、民主主義的議論をしたというだけで凄惨な暴行、拷問を加えられる世の中が出現してしまいました。

これ以上の『闇』を広げてはいけないと思います。
私たちはできることを倦むことなく、こつこつと続けていかなければなりません。

【 戦場のヴァイオリニスト 】

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ISISはイスラム教の何かを代表するものではなく、ただ単に自由を抑圧する無法者に過ぎない

テロリズムに抵抗し、美しい音楽を楽しむ自由すら抑圧しようとするすべてのイデオロギーに反対する

 

ロイター / アメリカNBCニュース 2017年4月20日

 

モスル出身のヴァイオリニスト、アメーン・ムクダッドさんは2年半に及んだイスラム国(ISIS)によるモスル市支配の下で、大切な楽器を破壊されるという経験を強いられましたが、今再びモスル市東部で演奏を始めました。

 

イラクのモスル市内にはイスラム教の聖地に加え、キリスト教の古代の聖地もあります。

ISISとの戦闘で廃墟と化したモスルの街中で、イラクのヴァイオリン奏者アメーン・ムクダッドさん野外の小さなコンサートを開きました。

演奏したのはアメーンさんがISISによる厳しい支配が続く中で、密かに作曲を続けていた自作の曲です。

その間もモスル西部からはアメリカ軍が主導する空爆の轟音、爆発や発砲の音が絶え間く響いてきていました。

 

「この場所は、ひとつのセクトのためのものではありません。すべての人々のための場所なのです。ダーシュ(Daesh : アラビア語の無知で乱暴な人間たちを指す軽蔑語 – 転じてISISの嫌悪・軽蔑的呼称)はイスラム教の何かを代表するものではなく、ただ単に自由を抑圧する人間たちに過ぎません。」

ロイター通信の取材に対し、アメーンさんがこう語りました。

「ダーシュは何もかも間違っています。」

 

ISISの戦闘員たちは彼の家に乱入して、楽器を没収、彼の音楽はイスラム原理主義に対する冒涜だと決めつけました。生命の危険を感じた28歳のアメーンさんは2014年にモスルを脱出し、今回の約1時間のコンサート開催を機に初めて帰還を果たしたのです。

 

アメーンさんがコンサートの場所に選んだのは、宗教を超えた連帯を訴えるため、ヨナスの墓あるいはイスラム教の預言者ユーニスのモスクと呼ばれる場所でした。

「私は自分の演奏を通して世界にメッセージを送りたいのです。テロリズムに対する抵抗、美しい音楽を楽しむ自由を抑圧しようとするすべてのイデオロギーに反対の声を挙げるきっかけを提供したいのです。」

アメーンさんがこう語りました。

「音楽を否定するのはすべて醜い人間たちです。」

 

▽ イスラム国(ISIS)に立ち向かう

 

アメーンさんは、ソーシャルメディアを通してコンサート会場と時間を告知しましたが、この時点でイスラム国(ISIS)がまだチグリス川を挟んでモスルの旧市街の東部を支配下に置いており、自分の命を危険にさらす大胆な行為でした。

 

古代のニネヴェの遺跡の近くにあるコンサート会場を防衛していたイラク政府側の兵士たちは、近くにロケット弾が着弾したことを理由にコンサート中の一般市民の安全を保障できないとして最初、コンサート会場に設定した場所への立ち入りを拒みました。

しかし粘り強い交渉の上、兵士たちはコンサートの開催を受け入れ、演奏が始まると拍手を送る聴衆の中に加わったのです。

 

「夢のような演奏を楽しむことが出来ました。」

イスラム国(ISIS)の市内占領によって大学での勉強を途中であきらめなければならなくなった女性、タハニー・サレハさんがこう感想を述べました。

 

私は戦争がモスルの人々の人生までを奪うことはできなかったのだというメッセージを伝えたかったのです。」
「ご覧のようにモスルの街はめちゃくちゃに破壊されてしまいましたが、それでも私たちは幸せな生活を取り戻したいのです。そのためにも音楽が必要なのです。」

 

イスラム国(ISIS)がこの街を支配していた期間、あらゆるエンターティメントが禁止されていました。
それにもかかわらずムクダッドさんは一人で、あるいは減り続けていた数人の仲間たちと、イスラム国(ISIS)の兵士に探知されないよう窓を閉め切り、用心を重ねながら演奏を続けていました。

「あまりに恐ろしくて、時に私は演奏するのをやめなければなりませんでした。、しかしそんな時でも、アメーンは演奏をやめようとはしませんでした。」
アメーンさんの友人で、一緒に音楽サークルを結成した同じヴァイオリン奏者のハカム・アナスさんがこう語りました。
「私たちは彼があっという間に殺されてしまうと思い、演奏をやめるよう何度も説得しましたが、彼は聞き入れようとはせず、演奏を続けました。」

 

ある晩、イスラム国(ISIS)の兵士たちがアメーンさんの自宅に乱入して楽器を破壊した後、血祭りに上げてやると脅しました。
アメーンさんはバクダットまで逃れ、危うく一命を取り留めました。

モスル市内からイスラム国(ISIS)の勢力を一掃するまでこれから約半年を必要とするという際どい状況を反映し、この日アメーンさんのコンサートにやってきた住民は20名ほどにすぎませんでした。
その大部分が若い人々です。
その一人、アブドラ・サイエルさんがこう語りました。
「これこそは、私たち若者が必要としているものなのです。」

 

http://www.nbcnews.com/news/world/iraqi-violinist-ameen-mukdad-plays-mosul-troops-battle-isis-n748836

【 世界が呆れはてた安倍政権の閣僚発言 】

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「あれだけ人の人が亡くなったのも、あれほどひどい原発事故が起きたのも、東北で良かった」ただでさえ遅れがちな東日本大震災と福島第一原発事故からの復興に、さらなる混乱

巨大地震、巨大津波、そして最大規模の原子力発電所事故が重なった三重災害が「首都圏ではなく、東北地方を壊滅させただけで終わって良かった」

 

ロイター / ガーディアン 2017年4月26日

 

日本の今村雅弘復興大臣は、首都圏ではなく代わりに東北地方が巨大災害に襲われて『良かった』と発言し、辞任、事実上更迭されました。

 

4月26日、巨大地震、巨大津波、そして最大規模の原子力発電所事故が重なった三重災害が首都圏ではなく東北地方を壊滅させることになって良かったと発言した、安倍政権の閣僚が事実上更迭されました。

この大臣は2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故によって壊滅した被災地の復興を促進することが職務でした。

 

安倍政権の下では閣僚や与党議員が失言をしたり、あるいはスキャンダルが繰り返されてきましたが、今村復興大臣は相次ぐトラブルの最新事例を提供することになりました。

今村復興大臣は、マグニチュード9.0の巨大地震によつて巨大津波が発生し、約20,000人の人々が死亡・行方不明になった災害の損害規模について言及した後、こう述べました。

「これがまだ東北で良かった。」

 

この発言は今村復興大臣が今月4日、チェルノブイリ以降最悪の原子力発電所事故となった福島第一原発事故の自主避難者の帰還問題について記者会見の席上「本人の責任だ」と発言し、居合わせた記者たちを怒号した後、部屋を飛び出して批判を浴びた、わずか数週間後のできごとでした。

安倍首相も直ちにこれを非難し、首相自身として謝罪を行いました。

今村大臣の辞任が素早く決定した背景には、今回の発言に対しては与党内にも同情論が無く、さらには安倍政権が受ける打撃を最小限にとどめようとする意図があったものと見られています。

 

「東北の被災地の人々を傷つける極めて不適切な発言であり、本来被災者に寄り添って働かなければならない復興大臣への信頼を著しく損なう行為で、誠に遺憾です。」

今村氏が辞任を表明した後、安倍首相は記者団の質問にこう答えました。

 

今回の発言はただでさえ遅れがちな東日本大震災と福島第一原発事故からの復興という問題に加え、東北の被災地の産業がなかなか軌道に乗れずにいる事実を改めて浮かび上がらせることになり、政権側にとっては痛い失点となりました。

被災地では現在、多くの避難家族が故郷に戻ることをあきらめざるを得ない状況に置かれています。

 

同じく被災地の復興に尽力すべきはずの務台政務官は2016年9月1日、台風10号に伴う豪雨被害の視察で岩手県岩泉町を訪れた際、同行者に「おんぶ」されて水たまりを渡ったことが報じられ、物議を醸した上、今年に入って「長靴業界はだいぶもうかった」と発言した責任を取り、3.11の災害発生から6周年を迎える直前、辞表を提出し辞任せざるを得なくなりました。

 

さらに4月中旬、中川俊直経済産業大臣政務官は不倫と重婚に関する疑惑について一連の報道があり、辞任に追い込まれました。

中川氏は後に自民党も離党しました。

 

しかしこうした一連のスキャンダルに加え、首相自身にも森友学園を巡る疑惑が国内を騒がせたにもかかわらず、世論調査によれば安倍首相の支持率は尚50%前後を維持し続けています。

つい最近、自民党は総裁の任期を3年連続3期にまで延長し、安倍首相は2018年の現在の任期を終えた後も尚、首相の地位に留まり続けることが可能になりました。

安部首相は戦後最も長期に政権の座に座り続ける可能性が出てきました。

 

https://www.theguardian.com/world/2017/apr/26/japan-reconstruction-minister-quits-after-inappropriate-comment-on-disaster-zone

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今回のこの騒動、大臣辞任で決着がはかられているようですが、それで済む話でしょうか?!

こんな発言は大臣はもちろん、国会議員として、政治家として、そして人間としてどうなのか?!

ということを問うべきではないでしょうか?

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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