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【 日本の高等裁判所、高浜原発の稼働差し止め命令を破棄 】

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所要時間 約 7分

今回の判決は安全上の深刻な問題が未解決のままの高浜原発の再稼働に、道を開くことになった

福島第一原発の事故収束・廃炉作業の本格的見通しも無いまま、原発の再稼働へと向かう日本

 

ダニエル・ハースト / ガーディアン 2017年3月28日

 

高浜原子力発電所には深刻な安全上の問題が未解決のまま残されているとグリーンピースが指摘しているにもかかわらず、1ヵ月以内には再稼働する見通しとなりました。

福島第一原発の事故発生以来苦境に立たされていた日本の原子力産業ですが、2台の原子炉の稼働を停止させていた地方裁判所の命令を取り消す判決を手に入れました。

6年前に発生した3基の原子炉がメルトダウンした福島第一原発の事故以降、日本の原子力産業界は多くの市民と一部の自治体などが一貫して持っている原子力発電への不信感から、一致した反対に直面してきました。

 

福島第一原発の事故の後、日本の原子力発電事業に対する国内の評価が決定的に悪化した結果、事故当時稼働していた原子炉の数は42基でしたが、日本原子力産業会議によれば現在稼働しているのは3基だけです。

大阪高等裁判所が京都北郊にある高浜発電所の原子炉3号機と4号機の再稼働を27日火曜日に支持したことにより、稼働中の原子炉の数は増えることになります。

 

高等裁判所の判決に対し、隣県である滋賀県の住民たちは、滋賀県の中心に位置する琵琶湖の水系が汚染される恐れがあるとして、抗議の声を挙げています。

高浜原発を所有する関西電力は、稼働停止を命じた先の地方裁判所の判決は客観的な科学的知見に基づくものではなく、稼働停止により1日あたり2億円以上の損失が発生していると主張していました。

 

グリーンピース・ジャパンで世界のエネルギー問題の上席担当者であるケンドラ・ウルリク氏は、今回の稼働停止命令を覆した判決について、

「原子力産業側に有利な判断を繰り返してきたことで悪名が高い日本の裁判制度の事を考えれば、今回の判決は当然予想されていたものです。」

と語りました。

「今回の判決は安全上の深刻な問題が未解決のままの高浜原発の再稼働に、道を開くことになりました。」

今回の判決を受け、地方紙や地方の放送局は、高浜原発は1カ月以内に再稼働することになるだろうと伝えました。

関西電力の岩根茂樹社長は記者団に対し、関西電力は

「安全を最優先する。」

と語りました。

 

2週前東京圏の地方裁判所は、国による管理業務の怠慢が2011年3月に福島第一原発が事故を起こす原因を作ったと判断し、避難を余儀なくされた住民に対し損害賠償を行うよう命じる判決を下しました。

 

安倍政権は、新たな安全基準に適語した原子炉から順次再稼働させる事を支持すると明言し、2030年までに日本が消費する電力の20%~22%を原子力発電によって賄うという目標をセットしました。

福島第一原発で事故を起こした東京電力は、もう一つ別の柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を実現しようと、懸命の取り組みを行っています。

 

東京電力柏崎刈羽原子力発電所は世界最大の原子力発電所ですが、福島第一原発の事故以降もう何年もの間、稼働していません。

福島第一原発の最も重要な建物が東日本大震災の巨大地震に耐えることができなかったという極秘報告を東京電力が明らかにしたことに対し、2017年2月日本の原子力規制委員会は同社に対し報告書を提出するように命じました。

 

廃墟と化した福島第一原発で、東京電力は数十年を要すると言われている事故収束・廃炉作業に取り組んでいます。

現在同社は重要なプロセスのひとつである溶け落ちた核燃料をどのようにして除去すべきか、試行錯誤を繰り返しています。

 

しかし東京電力は、巨大地震と巨大津波が原因となってメルトダウンを起こした原子炉の内部に投入したロボットを、すでに数体失ってしまいました。

 

https://www.theguardian.com/environment/2017/mar/28/japanese-nuclear-industry-court-injuction-takahama-greenpeace

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《16》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

 

エドゥアール・マネ(フランス : 1832–1883)作[アルジャントゥイユの自宅の庭のモネ一家](写真上)油彩、1874。

 

1874年の7月から8月にかけてマネは自宅があったパリのジャンヌビリエで過ごしましたが、セーヌ川をはさんだ対岸のアルジャントゥイユにはモネの自宅がありました。

2人はその年の夏、頻繁に行き来をしていましたが、そこにルノアールが参加することもありました。

 

マネが描いたこの絵ではモネとその妻カミーユ、息子のジャンの姿が見えますが、このときモネもマネの姿を描きました。

ただし、モネの作品の方はその後どうなったのか現在は所在が不明です。

この時もルノアールが居合わせ、マネの隣にカンバスを置き、一緒にモネとその妻カミーユ、息子のジャンの姿を描きました。(写真下)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/436965

【 隠しきれなかった極右団体と安倍首相のつながり 】

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所要時間 約 10分

日本政府から不正な財政的便宜を供与された極右的見解を持つ教育団体

森友学園問題は安倍政権と日本政府全体を揺さぶる大きな事件

 

ジョナサン・ソブル / ニューヨークタイムズ 2017年3月16日

 

3月16日木曜日、極右的見解を持っていることで知られ、現在スキャンダルの渦中にある教育団体の理事長が、2015年に安倍首相から寄付金を受け取ったと証言しました。

これは直接の関係を否定している安倍首相の主張とは明らかに矛盾するものです。

もしこの証言内容が事実であれば、安倍首相には深刻な政治的ダメージを課すことになるでしょう。

ただこの教育団体のリーダーである籠池泰典理事長は、その証言内容を裏付ける証拠をすぐには提示しませんでした。

 

籠池理事長が日本政府から不正な財政的便宜を供与されていたという告発は、日本国内の報道のトップを独占し、安倍政権の支持率を低下させるスキャンダルに拡大しました。

ネットワーク・ニュースの取材記者たちは16日木曜日に大阪市内にある籠池理事長の自宅を訪れた国会議員のグループに密着し、籠池氏に直接質問を行った結果について報道するため現場から実況中継を行いました。

 

籠池氏は日本国内の大物政治家と関係を持っており、その事が今回籠池氏が持っている極端な右翼的思想が大きな問題となる一因を作りました。

籠池理事長が率いる教育団体が運営する幼稚園は、戦前の日本の軍国主義的教育制度の要素を教育カリキュラムの中に取り入れることにより、子どもたちに「愛国心と誇り」を育もうとしています。 その中で籠池理事長は中国人と韓国人について差別的・軽蔑的な声明を行ったとして告発されました。

 

籠池氏と政治家とのつながりが国家レベルのスキャンダルに発展したのは、今年2月に籠池氏が理事長を務める森友学園が、巨額の不当な割引をした上で国有地を払い下げる措置が取られたことが明らかになったことが原因でした。

この土地は森友学園が小学校を建設するために購入したものであり、資金調達のため寄付金を募り、右派・保守団体などから支援を受けていました。

 

その中で突出した存在のサポーターであったのが安倍首相の昭恵夫人でした。

そしてスキャンダルに火が点くまで、昭恵夫人は建設が進められていた小学校の、「名誉校長」に就いていました。

昭恵夫人はスキャンダルが国家的規模にまで拡大する中、先月名誉校長を辞任しました。

 

しかし安倍首相は、個人的に森友学園と直接つながりがあったという事を否定しました。

「安部首相は直接寄付をしたことは無く、昭恵夫人、安倍首相の事務所、あるいは第三者を介して寄付をしたこともありません。」

籠池理事長が発言を行った後、安倍政権の菅義偉官房長官は16日の会見でこう語りました。

 

安部首相はこの問題が最初に発覚した時点で、首相自身あるいは昭恵夫人と今回の国有地払下げとの間に直接関係があったことが明らかにされた場合には、政治家を辞任すると語っていました。

 

「籠池氏の証言は安倍首相のこれまでの発言がうそであったことを証明する結果になる可能性があります。そしてこの問題は日本政府全体を揺さぶる大きな事件です。」

政治評論家の伊藤敦夫氏がこう語り、たとえ安部首相の個人的寄付が法的には合法なものであったとしても、安倍首相にとって「倫理に問題」があることは否定できないと語りました。

 

籠池氏本人は「安倍首相にご寄附いただいた金額」も含め、2015年9月に受け取った寄付金については鮮明に記憶していると語っています。

籠池氏はそれ以上詳細には語りませんでしたが、いずれ国会の場で詳細な情報を明らかにするつもりであると語りました。

 

日本の国営放送局であるNHKの報道によれば、安倍首相率いる自民党は当初籠池氏を国会の場で証言させることに反対していましたが、16日の会見後態度を翻し、国会での証人喚問に同意しました。

籠池氏の証人喚問は3月23日に行われます。

 

16日籠池氏本人との会談を行った国会議員のグループは、会見後にいくつか事件の詳細に関わる発言を聞くことが出来たと語りました。

安倍首相の昭恵夫人から100万円の寄付金を受け取ったタイミングは、2015年9月に幼稚園で昭恵夫人がスピーチをした際だったことを議員団は籠池氏から聞き出しました。

さらに議員たちは受け取った100万円の寄付の出所について、籠池氏は安倍首相本人であると考えていることも明らかにしました。

 

安倍政権の稲田朋美防衛大臣も今回のスキャンダルに関わっています。

元弁護士の稲田氏は、2004年に行われた訴訟において森友学園を弁護する側に立っていました。

しかし国会の場での質問に対しては、まず最初に森友学園の側に立って働いたことはないと否定しました。

しかしその後、当時のことは忘れてしまっていたとして当初の声明を撤回し、謝罪しましたが、野党側は大臣として不適切だとして辞任するよう要求しました。

大阪府当局は森友学園に対し、学校設置許可の虚偽申請を行ったかどで、刑事告発することを検討していると3月中旬に明らかにしました。

 

森友学園が新設しようとしていた小学校の初期の広告媒体には、旧大日本帝国がアジア各地で行った残脚行為等についての学校の歴史教科書の記述を曖昧なものとし、学校教育の内容そのものを変えてしまおうとしている保守政治家の代表的存在である安倍首相について、学校名にその名を冠する予定である旨記載されていました。

 

財務省は森友学園が大阪郊外の空港近くの8,770平方メートルの土地を、評価価格の14%にあたる1億3,400万円で売却しました。

際゛むしょは大幅に低い金額で国有地を譲渡した理由について、現場にある産業廃棄物の処理に必要な費用と相殺したためだと語っていますが、そのために森友学園が実際にいくら支出したのかは明らかにはされていません。

 

https://www.nytimes.com/

Shinzo Abe Hurt by New Disclosures Over Ties to Extreme Right-Wing Group

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今となってはいささか旧聞に属する記事になりましたが、安倍政権による日本の民主主義の破壊を食い止めるためには、日本国民がこの問題から目をそらさないようにしなければならない、という別の報道記事を読んで、敢えて翻訳し掲載しました。

 

【 日本 - 裕福な国の貧しい子供たち 】ドイチェ・ヴェレ( http://kobajun.biz/?p=30144

【 6年 – なおも苦しみ続ける福島の女性とこどもたち 】ドイチェ・ヴェレ( http://kobajun.biz/?p=30766 )

などの記事を思い浮かべてその内容と見比べたとき、安倍政権の政治の本質というものが声なき弱者を見捨てたまま、声高に国家主義を叫ぶ者などを思い切り優遇するという、前近代的で身勝手なものだという事を痛感せざるを得ませんでした。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《15》

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 


ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。
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クロード・モネ(フランス: 1840–1926)作[エトルタ](写真上)油彩、1883

モネは1883年の2月の大半ををノルマンディー地方の漁村、エトルタで過ごしました。
この際、20点に上る海岸の風景画、そして3点の岩礁エトルタを描いた作品を完成させました。
今日でこそ岩礁と波頭に反射する光までをとらえたモネの画法の質の高さが正当に評価されるようになりましたが、この絵を初めて見た19世紀の人々は、石灰岩質の断崖が続く海岸にある奇岩の自然の造形の方に目を奪われていました。

 

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/438823?pos=59&pg=3&rpp=20&offset=0&rndkey=20170309&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

【 責任を負うべきなのは日本政府と東京電力 】

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所要時間 約 9分

福島第一原発の事故は「予測可能」だった、したがって「事故の発生を防ぐことは可能だった」

被災者にされた住民が直面させられた精神的な苦悩について、十分な評価が行なわれたかどうか、大きな疑問がある

 

モトコ・リッチ / ニューヨークタイムズ 3月17日

 

3月17日金曜日、東日本地区の地方裁判所は2011年3基の原子炉がメルトダウンし、一時は160,000人が緊急避難を強いられた福島第一原子力発電所の事故について、管理していた日本政府と電力会社が事故を未然に防ぐための対策を怠っていたとする判決を行いました。

2011年3月に襲った巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを引き起こした事故について、日本政府、東京電力の双方がその責任を負うべきであると日本の法廷が判断を下したのは初めてです。

現在日本の各地で生活をしている約12,000人の避難民が何十件もの同様の訴訟を起こしていますが、今回の判決が影響を与えることは必至と見られています。

 

群馬県の前橋地方裁判所が行なった判決に関する日本国内のニュース報道によると、判決文の中で群馬県の前橋地方裁判所は1986年に発生したチェルノブイリ原発事故以降世界最悪の規模にまで拡大した福島第一原発の事故について「予測可能」であり、したがって、「事故の発生を防ぐことは可能だった」と結論しました。

法廷は日本政府と東京電力に対し、そして福島第一原発の周辺の市町村から避難し、現在は群馬県で暮らす62人の住民に約3,800万円の損害賠償を払うよう命じました。

個人によって差がありますが、1人当たり約60万円の賠償額が算定されました。

 

この訴訟では137人の元住民が一人当り1,100万円の損害賠償を求めましたが、判決は半分の原告に対する損害賠償を認めました。

原告の半数は日本政府に避難を命令された人々ですが、残り約半分は自主的に避難した人々です。

賠償額は一人ずつ当時の状況を検証した上で決定されました。

裁判所は第一原発周辺の福島県の市町村から避難した約160,000人の人々がこれまで日本政府や東京電力から十分な損害賠償を受け取っているかどうかを検証しました。

これまで約90,000人が帰還、あるいは別の場所に定住しています。

東京電力はすでに約7兆円の賠償金を支払っています。

 

 

裁判で原告側は日本政府と東京電力が、発生する可能性のある地震のマグニチュードと津波の高さについて適切な予測を行い、それらから原子力発電所を守るための設備をもっと充分に行うべきであったと主張しました。

2011年3月11日、東日本の太平洋岸地域一帯を襲った巨大地震と高さ約17メートルの巨大津波が福島第一原子力発電所の防波堤を破壊、大量の海水が敷地内に流れ込んで建物を進水させ、停電時など緊急事態が発生した際に重要な機器を作動させ続けるために必要なディーゼル発電機を破壊しました。

東京電力は17日判決が言い渡された後、自社の責任を否定しない内容の声明を発表しました。

「わが社の原子力発電所が事故を起こしたことにより、福島及びその他の場所で暮らしておられた方々に、耐えがたい苦しみと将来に対する大きな不安を与えることになってしまったことについて、改めて衷心よりお詫び申し上げます。」

東京電力の広報を担当する伊藤氏がこう語りました。

「今日前橋地方裁判所で下された判決文を精査の上、今後の対応について検討を行う予定です。」

安倍内閣の菅義偉官房長官は、日本政府は判決の詳細をまだ確認できていないとした上で、記者団に次のように語りました。

「関係する省庁と諸機関で判決文の内容について詳しく検討の上、政府としてどのように対応する協議することになるでしょう。」

 

複数のアナリストが今回の判決が重要な先例になるだろうと分析しました。

「東京電力のこれまでの主張の基本にあるのは、福島第一原発の事故発生以前に東京電力が行なってきたすべては、事前に日本政府の承認を得ていたというものです。

一方日本政府は、東京電力が指針に適切に従わなかった結果だと主張してきました。」

金沢工業大学未来デザイン研究所の所長であり、独立した立場で福島第一原発の放射線量の調査と監視を行っているセイフキャストのボランティア研究者であるアズビー・ブラウン氏がこう語りました。

「今回の判決は、事故の責任が日本政府と東京電力の双方にあるという事を証明する証拠が揃っていると判断したものと思われます。」

「私は日本政府、東京電力ともに控訴することになり、従って結論が出るのはしばらく先になるだろうと考えています。」

 

福島第一原発の問題で日本政府と東京電力を相手に別の集団訴訟を担当している馬奈木厳太郎(まなぎ いずたろう)弁護士は、日本政府が管理監督責任を怠っていたと語り、今回の損害賠償額では「まだ不十分」であると語りました。

集団訴訟において日本政府と東京電力の過失について訴えているグループの代表は、自分たちは損害賠償の金額よりも、今回の事故の本質が解明されたかどうかの方が重要だと語りました。

「金額が問題なのではありません。」

福島県相馬市の元住民で、馬奈木弁護士が取り扱っている4,200人の原告の代表世話人を務める66歳の村松孝市氏がこう語りました。

「たとえ金額が1,000円、2,000円という金額であっても、私はかまいません。それよりもまず、日本政府が責任を認めてほしいと思っています。私たちが最終的に目指すのは、日本政府に彼らの責任を認めさせ、二度と同様の事故を繰り返さないということを肝に銘じさせることです。」

 

今回の訴訟で原告団を代表する鈴木克昌弁護士は声明の中で、

「日本政府による管理監督業務が不適切であったことを改めて確認した」という意味で、今回の判決は重要なものであると語りました。

 

しかし一方で鈴木弁護士は、損害賠償の低さには失望したと語りました。

「被災者にされた住民が直面させられた精神的な苦悩について十分な評価が行なわれたかどうか、大きな疑問をもたざるをえません。」

 

https://www.nytimes.com/

( Japanese Government and Utility Are Found Negligent in Nuclear Disaster )

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原発事故の補償というものについていつも考えているのは、自分の生活の完全な復元などおよそ不可能だろう、という事です。

モノだけについて考えてみても、人間の暮らしは生活必需品だけで成り立っている訳ではありません。

絵を描くのが趣味の人は、自分の作品や画材などを失ったでしょう。

写真が趣味の人は、高額なレンズなどの機器を失ったかもしれません。

音楽が趣味の人は、大切なライブラリーを失ったかもしれません。

これらはすべて人生の大切な一部だったでしょうが、原発事故の補償がそこまで及ぶはずもないでしょう。

 

そして故郷。

故郷に値段が付けられるでしょうか?

上の写真にもありますが、福島第一原発の事故発生以来、いったい何人の人々が何度「自分の故郷を返せ!」と思ったでしょう?

【 福島の放射線量はもはや安全という幻想 】

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所要時間 約 10分

日本で最大規模の事故現場、最も高額な費用を必要とする作業現場、その福島第一原発の状態はこれから何十年も続く

事故収束・廃炉作業が手順通り・計画通りに進行すると公言してはばからない日本政府当局、その楽観的な見解には深刻な疑念がある

 

マーティン・フリッツ / ドイチェ・ヴェレ 2017年3月11日

 

第一原子力発電所の3基の原子炉がメルトダウンし、言葉などでは表現しようがない程苦しめられた福島…

6年が過ぎた今、外見上は他の場所と変わらない日常を取り戻したように感じられるかもしれません。

しかし福島第一原発の事故収束・廃炉作業現場に目を移せば、そう簡単には進みそうもない長い道のりが残されています。

 

口と鼻を得覆うためのフィルター付きのマスク、ヘッドスカーフ、ヘルメット、そして2重になったソックス、これらは福島第一原発の敷地内に一般人が入る際、必ず身につけなければならないものです。

しかし現在は敷地内の地面が放射能の拡散を防ぐためにすべてコンクリートで覆われ、フェースマスクや放射線防護服を着用しなければならない作業員はごく一部だけという状況に変わりました。

 

「現在の放射線量は、東京銀座の商店街と同じくらいにまで下がっています。」

東京電力の原子力・立地本部長代理の岡村祐一氏が、福島第一原発を最近訪問した一団のジャーナリストにこう保証しました。

しかし訪問者たちが施設内を巡るバスからそばに原子炉が見える場所に降り立ち、線量計の針が安全と考えられる放射線量の2,000倍である160~170マイクロシーベルトを指すのを見ると、正常になったという錯覚はたちまち消えてなくなります。

「長時間ここにとどまることはできません。」

岡村氏がこう警告しました。

 

外見上、6年前地震、津波、原子力発電所事故の三重災害に襲われた当時と比較すると、福島の様子は著しく変わったように見えます。

事故収束作業は、明らかに前進しました。

 

しかし建物を支えていた鉄骨がむき出しになり、壁が裂けて何本もの配管が寸断されている光景は、6年前この施設を水没させ、原子炉の機能を完全に奪ってしまった高さ17メートルの津波の事を思い出させます。

マグニチュード9.0の地震とそれによって発生した巨大津波に襲われ、チェルノブイリ以来世界史上最悪の原子力発電所事故を引きおこした福島第一原発の事故収束・廃炉作業には、30年から40年かかるとされています。

日本政府の当局により作業全体で約21兆5,000億円の費用がかかると見積もられていますが、費用はさらに高額になる可能性があります。

6,000人の労働者が立ち働く福島第一原子力発電所の事故収束・廃炉作業現場は、日本国内で最大の規模、そして最も高額な費用を必要とする工事作業現場ですが、その状態はこれから何十年も続くことになるのです。

「私たちは今、4つの問題と戦っています」

東京電力の原子力・立地本部長代理の岡村祐一氏がこう語りました。

「福島第一原子力発電所内の放射線量を下げること、原子炉への地下水の流入を止めること、使用済み核燃料棒をすべて回収すること、そして溶け落ちてしまった核燃料を取り除くことです。」

 

▽ 原子炉格納容器内の黒いかたまり

 

しかしこうした分野における状況はゆっくりとしか進んでいません。

一例をあげると作業員は現在、原子炉1号機の原子炉建屋の周りに足場を組んでいますが、そこにあるがれきその他をすべて取り片づけるにはこれから4年がかかる見通しです。

その作業が終わらない限り、原子炉1号機の原子炉建屋内にまだ残っている約400本の使用済み核燃料棒を取り出すことはできないのです。

 

隣接する原子炉2号機の青い原子炉建屋の外部はまだ無傷のままです。
原子炉建屋の上で新たに設置された金属プラットホームの上を、防護服を着けた作業員たちが歩いているのを見ることができます。
しかし壁の後にあるものは原発の悪夢です。
1月に原子炉内に送り込まれたロボットは、原子炉の外殻である原子炉格納容器に高温で溶け漏れ出した核燃料が凝固したとみられる、きわめて危険な黒いかたまりを発見しました。

「現在その部分には致命的に高い放射線量があります。」
岡村本部長が語りました。

 

岡村氏はすぐに3号機に話題を転じました。

ここの進展具合はさらに明らかです。
水素爆発は原子炉建屋の屋根を、曲がりくねった金属がもつれあったスクラップに変えてしまいました。
この鋼鉄製のスクラップを解体し、がれきを取り除くことに何年もかかりました。
「現在私たちは、巻き上げ式のホイスト・クレーンを使って新しい屋根を造っています。」
岡村氏が誇らしげに語りました。
「来年以降、私たちは最終的に約600本の使用済み核燃料棒に近づくことができるようになります。」
岡村氏がこう解説しました。

 

しかし、原子炉が爆発しなかった4号機とは異なり、メルトダウンした1〜3号機の周囲は人が2、3分しかそこにとどまることができないほど放射線量が高く、すべての事故収束作業は遠隔作業で行う必要があります。
その結果、クレーン関係の装置を設備するだけのことで、すでに数年間のスケジュールの遅れが発生しています。

 

▽ すべては不明のまま

 

福島第一原発の原子炉の実際の状況を見る限り、事故収束・廃炉作業が手順通り・計画通りに進行すると公言してはばからない日本政府当局の楽観的な見解に対し、深刻な疑念を抱かざるを得ません。


引き続き東京電力の岡村氏は地下凍土壁のコントロール・センターについ説明しました。
凍土壁は原子炉の基礎部分にある、原子炉内を冷却した際に発生した高濃度の汚染水がある場所に地下水が流れ込まないようにするためのものです。
凍土壁が建設されて以来、原子炉基礎部分への地下水の流入量を減らすことができました。
しかし5つに区切られた凍土壁は、内部で水位が急激に上昇した場合に大量汚染水が氾濫する可能性があり、これを防ぐため開口部を作らざるを得ませんでした。

 

このように困難な問題が山積しているにもかかわらず、日本政府と東京電力は今年の夏という早過ぎる時期にケルトダウンした原子炉内からどうやって融け落ちた核燃料を取り出すべきか、決定する予定になっています。
福島第一廃炉推進カンパニー・バイスプレジデント兼福島第一原子力発電所長の内田俊志氏ですら、こうしたスケジュールが実現可能なのかどうか、この日訪問したジャーナリストたちの前で、自身が持つ疑念を隠すことはできませんでした。
「すでに私たちの手元にはロボットとカメラが提供してくれた、貴重な画像があります。」
内田氏がこう述べ、次のように続けました。
「しかし内部で本当に何が起きているか、いまだ不明のままです。」

 

http://www.dw.com/en/the-illusion-of-normality-at-fukushima/a-37885120

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《15》

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 


ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。
いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

カミーユ・コロー(フランス: 1796–1875)作[荷船を漕ぐ男性](写真上)油彩、1865
Camille Corot (French, Paris 1796–1875 Paris)

1796年、パリの裕福な織物商人の子として生まれたコローは、画家になることを反対していた父親にしたがい、いったんは商人としての修業をしますが、1822年26歳の時、ようやく父の許しを得て画家を志すことになりました。
ありふれた風景を詩情ゆたかに描き出す手法により、のちの印象派の誕生を導き出すことになりました。

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/435969

【 『強制的』帰還に直面する福島の被災者たち – 打ち切られる財政援助 】《後篇》

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所要時間 約 9分

すべての責任を負うべきなのは福島第一原発の事故、しかし被災者に責任が転嫁される状況が作られている

様々な事情など顧慮されることなく、原発事故の被災者に対する補助金が打ち切られようとしている

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年3月10日

 

松本さんが体験したのは、福島県で暮らしていた何千人もの人々の間で繰り返された運命と同じものでした。

松本さんの夫は松本さんと一緒に、人口330,000人規模の、そして福島第一原発の事故発生の際は誰一人避難命令を受け取ることが無かった郡山市内でレストランを経営していました。

彼は妻が子供たちを連れ神奈川県に避難することを決めたとき、一緒に行ってそこで失業者になるリスクを冒すより、郡山に留まってレストランの経営者を続けることの方を選択しました。

神奈川と郡山を行き来する費用は、決して安くはありません。

松本さんの家族が全員一緒になれるのは2ヵ月に1度だけという状態です。

 

地元の自治体によれば松本さんの近所で暮らす2人以上の世帯に対する公的な住宅助成金の一般的な金額は、一カ月当たり90,000円です。

この助成金が打ち切られると、一部の世帯は補償金としてもっと少ない金額しか受け取れなくなります。

「本来ならこうした状況に一番責任をとらなければならないのは福島第一原発の事故のはずです。それがいつの間にか責任が転嫁され、まるで私たちの過失であるかのように、私たちが利己的であるかのように言われるようになってしまったのです。」

松本さんがこう語りました。

 

避難指定区域外から自主的に避難した人々は、これまで住宅に対する公的な補助金が支給されるように運動してきましたが、これはいくつかの地域で除染作業が適切に行われ、安全に居住できるようになったと、より多くの避難者を納得させようとしている行政当局に対し疑問を呈する意義もあります。

 

国際放射線防護委員会は環境中の放射線量が1年につき1ミリシーベルト(mSv)以下にならない限り、人間の居住には適さないというガイドラインを採用するよう推奨しています。

この基準に基づき福島県の住民の安全を確保しようと取り組んでいる人々は日本政府に対し、環境中の放射線量が1年につき1ミリシーベルト(mSv)以下になった時点で安全宣言を行うように求めてきました。

 

しかし日本政府は1年につき1mSv以下の放射線量を政府の長期的目標としている一方で、環境中の放射線量が原子力発電所など原子力関連施設で働く労働者と同じ被ばく基準である1年につき20mSv以下になった段階で、かつて住んでいた場所に戻って暮らすことを奨励しているのです。

 

松本さんは、確かに前例の無い規模で実施された福島県内での除染作業により、彼女の自宅やその周辺の放射線量が20mSv以下になった以下になったことを認めましたが、子どもたちが当然のように出入りする場所、たとえば公園や森林などには極端に放射線量が高い『ホットスポット』がいくつも残され、子どもたちが危険にさらされることになると主張しています。

「こうした場所の除染は未だ済んでいません。」

松本さんがこう語りました。

「大気中の放射線量が盛ったというのは事実です。しかし土地の放射能汚染や土壌中の汚染がすべて取り除かれたわけでは無いのです。」

 

3月末にはさらに4つの町村の避難指定が解除されることになっていますが、福島第一原発に最も近く放射線量が50ミリシーベルト(mSv)を超える地区に限っては、立ち入りの禁止が継続されることになっています。

 

福島第一原発の事故が発生し多くの人々が避難を余儀なくされた当初、元住んでいた場所に戻らなければ補償金も補助金も受けられなくなるなどという話はありませんでした。

しかし現在様々な事情など顧慮されることなく補助金が打ち切られようとしています。

そうなれば、多くの被災者が経済的理由から帰還を余儀なくされることになるのです。

 

〈完〉

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/10/japan-fukushima-nuclear-disaster-evacuees-forced-return-home-radiation

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私事ですが、今月仙台市内の国立大の博士課程を修了し、工学博士として国内の精密工作機械メーカーの研究所に勤務することになった長男が、福島県楢葉町出身の女性と婚約しました。

彼女は福島第一原発の事故の時は高校3年生で、実際に家族と一緒に緊急避難を経験したいわゆる原発難民です。

彼女の健康についてまったく懸念が無いはずもありませんが、これからは両方の家族が2人が築く家庭が健康で明るいものになるよう、全力で支えていくだけだと考えています。

 

しかしこうして身近に原発難民にされてしまった方々の話を聞く機会を得て感じるのは、この人々が本当に必要な情報をすべて提供されているのかという、肌が泡立つような怒りです。

安部首相がオリンピック開催地選定委員会の席上「福島第一原発は『アンダー・コントロール』」と宣言した段階で、ある程度この問題について知識を持った世界中の人々が、事故の隠ぺいと欺瞞工作が行なわれていることを実感したでしょう。

真実が解れば対応のしようもある、解決方法について考えることもできるのです。

最も弱い立場に追い込まれた人々を闇の中に置き去りにする、それが『美しい日本』というものなのでしょうか?

 

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《14》

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。
いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。


パウル・クレー(スイス生まれドイツ: 1879–1940)作[静物](写真上)石膏ボードの上に油彩、1927。

 

クレーは自身の作品リストについて、気に入った作品にアンダーラインを引いていますが、この作品もその中に含まれています。
そこには「少ないほど豊か」と書き込まれており、クレー自身が静物の形と色を単純化することにより、互いが互いを引き立てるという効果をねらっていたことが伺われます。

描かれているのは円錐、ゴブレット、半分に切ったレモン、ピッチャー、下の部分を切りとったタマネギ、紙、イースター・エッグ、カップ、聖餐杯、そしてサイコロですが、すべてテーブルの上にとウ感覚で並べられています。
レースのカーテンに描かれた模様はまるで刻み込まれたようであり、硬い質感を表現しています。
この作品を見た人は絵がキャンバスではなく、平坦な石の表面に描かれているように感じるかもしれません。
事実この作品は針金のフレームを埋め込んだ石膏板に描かれた後、深さのある木のフレームに入れられています。

 

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/483168

【 『強制的』帰還に直面する福島の被災者たち – 打ち切られる財政援助 】《前篇》

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所要時間 約 10分

第一原発の事故により人生を壊された人々に、今度は日本政府から冷酷な仕打ち

安全な環境で生活するという当然の人間としての権利が、原発難民に限って侵害されることになる

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年3月10日

 

2011年の巨大災害から避難した数千人が、財政的な困難に陥るか、安全であるとは思えない場所に戻って生活するか、いずれかを選択しなければなりません

 

6年前福島第一原子力発電所で発生した3基の原子炉がメルトダウンした事故の被害を免れるため避難しなければならなかった数千の人々が、間もなく財政的支援を失うことになっています。

これらいわゆる原発難民となった人々の何割かは、かつての故郷がいまだに放射能に汚染されているという懸念が続いているにもかかわらず、帰還を考慮せざるを得ない状況に追い込まれています。

 

こうした日本政府のやり方に対し、様々な立場で福島第一原発事故の問題に取り組んでいる人々は、安全な環境で生活するという避難民の人々の人権が侵害されるものだとして批判を強めています。

日本史上最悪の原子力発電所事故が福島で発生し、避難命令が出された地区以外で暮らしていた住民の内、今回の措置により約27,000人が影響を受けることになります。

 

2011年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波は東北地方太平洋沿岸地区で約19,000人の命を奪った上、重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンするという事故が発生しました。

 

『自主』避難者として松本のりこさんは日本政府から支給されてきた助成金を3月末で打ち切られる人々の中の一人です。

避難民の人々は不可能に近い2者択一を迫られています。

すなわち未だ安全ではないと考えている避難指示のあった自宅に戻るか、でなければ原発難民として他の土地で暮らさなければならない中、財政的困難に直面させられるか、そのどちらかを。

 

「私の知り合いの多くの避難している人々が、同じ境遇に置かれています。」

グリーンピース・ジャパンが公表した『不平等な打撃』と題されたレポートは、福島第一原発の周辺他地区から避難した160,000万人の女性と子供たちの人権が侵害されていると報告していますが、その中で松本さんがこう語っていました。

2017年2月現在、未だ80,000人が避難生活を続けています。

 

「私の知り合いの多くの避難している人々が、同じ境遇に置かれています。」

グリーンピース・ジャパンが公表した『不平等な打撃』と題されたレポートは、福島第一原発の周辺他地区から避難した160,000万人の女性と子供たちの人権が侵害されていると報告していますが、その中で松本さんがこう語っていました。

2017年2月現在、未だ80,000人が避難生活を続けています。

 

松本さんが次のように語りました。

「もし避難解除地区に帰れば、人々は高い放射線量と戦わなければならなくなるでしょう。でも日本政府は住宅への財政援助をとりあげることで、帰らざるを得ない状況を作りだそうとしているのです。これはもう犯罪に等しい行為だと言わなければなりません。」

 

福島第一原発が事故を起こしたとき、周辺の住民にはその場所から直ちに避難するように命令が発せられましたが、松本さんはその西方約70キロの場所にある郡山市で夫と2人の娘と一緒に暮らしていました。

 

松本さんは当初そのままの生活を続けていましたが、3か月後、当時12歳だった下の娘が鼻血を出し、胃痛を訴え、下痢するようになりました。

松本さんは夫を残したまま、240キロほど南の神奈川県まで娘たちを連れて行きました。

「日本政府は、放射線被曝の影響を軽く見せようとしています…。その上で今後郡山のような場所に戻らない人々は住宅援助を打ち切られ、自活するよう求められることになります。この人々は国内難民にされてしまうのです。私たちは自分たちの政府からまるで捨てられたように感じています。」

 

3基の原子炉がメルトダウンする事態に直面させられ、自らの意思で自宅から避難した人々の多くは母親、そして比較的低い線量であっても長期間被ばくすることによって健康面で深刻な被害が発生する恐れがあると専門家が指摘する子どもたちでした。

しかし自発的に避難した人々の多くが家族離散という憂き目に遭い、新たに住むことを決めた場所の家賃や生活費を稼ぐために苦労し、中には捨ててきた自宅の住宅ローンすら抱え込んでいる人もいました。

 

弁護士で東京に拠点を置くNGO『ヒューマン・ライツ・ナウ』の事務局長を務める伊藤和子さんがこう語りました。

「日本政府には避難者の人権を保護する義務がありますが、現在の政府はその義務を認めようとはしません。その代わり、福島第一原子力発電所の事故が健康面に与える影響、特に長期の放射線被曝と関連した危険性を軽視し続けているのです。」

 

〈後篇に続く〉

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/10/japan-fukushima-nuclear-disaster-evacuees-forced-return-home-radiation

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福島ほどの惨禍に見舞われたわけではありませんが、東日本大震災の被災地で暮らす私も3.11発生からの1カ月のことは鮮明に覚えています。

奥羽山脈が太平洋に向かって進むその東端の丘の上にある私の自宅からは、10キロほど離れた仙台港を垣間見ることが出来ます。

3.11発生から

 

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《13》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

 

ジョルジュ・スーラ(フランス: 1859–1891)作[グランド・ジャット島の日曜日の午後の『習作』](写真上)油彩、1884。

[グランド・ジャット島の日曜日の午後]1886年完成の本体はシカゴ美術館が所蔵・展示されています。(写真下)

この作品に描かれているグランド・ジャット島は、パリ西部のセーヌ川に浮かぶ中州で、19世紀後半にはまだパリ市街から遠く離れた田園の島であり、クロード・モネ、ゴッホ、アルフレッド・シスレーなどの印象派・新印象派・ポスト印象派の画家らの絵にも登場する。

この作品はスーラの代表作であるとともに、点描を用いた作品の代表作です。

スーラはこの絵の制作に2年をかけ、習作を多数描いたり、何度も描き直したりして公園の風景に慎重に焦点をあてていったと言われています。

彼は公園に通っては風景や人物を観察し、それらが完璧な形になるようにデッサンや油彩によるスケッチを数多く残しました。彼は特に色、光、形に意識を集中させ、縦2メートル、横3メートルの画面を構成していきました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%83%88%E5%B3%B6%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9B%9C%E6%97%A5%E3%81%AE%E5%8D%88%E5%BE%8Cを参照)

 

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/438822

【 6年 – なおも苦しみ続ける福島の女性とこどもたち 】

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所要時間 約 11分

日本政府当局の対応のまずさと不誠実さにより、数々の不当な扱いを受けてきた福島の女性と子供たち

福島第一原発の事故により、いったいどれだけの家庭が離散に追い込まれたのか、公式な統計はない

 

カタリーナ・ベッカー / ドイチェ・ヴェレ 2017年3月10日

 

日本政府は第一原発事故後の福島が限りなく正常に近づいていると思い込ませようとしている、しかし母親たちと子供たちにとって、原子力災害は終息などというものとは程遠い状況にあるとグリーンピースが証言しています。

数千人の福島の母親たちが、政府当局に対し訴訟を起こしました。

 

6年前に発生した三重災害 - 巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを引き起こした3.11の巨大災害 – は約20,000人の命を奪い、160,000人以上に自宅を捨てた避難生活を強いることになりました。

そして現在も尚80,000人以上の人々が仮設住宅での暮らしを続けています。

 

この災害は被害を受けたコミュニティのすべての人々に大変な影響を与えました。そして今日に至るまで女性と子供たちが「この災害に起因する人権侵害の矢面に立たされている」とする報告書をグリーンピースが公表しました。

 

福島の女性と子供たちは、福島第一原発の事故が発生した直後に行政側の対応のまずさによって数々の不当な扱いを受けてきました。そして今度は現在の安倍政権が住民たちを『放射能汚染がまだまだひどい状態にある』地域に帰還させる計画に着手したことにより、また別の人権侵害にさらされているとグリーンピースが告発しました。

 

可能な限り早く福島を正常な状態に戻したいとする日本政府は、福島第一原発周辺の地域でこれまで出されていた避難命令を3月末には解除した上で、避難していた住民たちの帰還を許可する方針です。

 

従業員は、福島で小学校を掃除します。 それは、4月に再開する予定です。

財政援助を失う脅威の下で、しかしグリーンピースはこれらの地域が未だ危険な程に放射線量が高いと警告した上で、日本政府に対し、財政支援を失うかもしれないという脅威を与えることにより帰還するよう圧力をかけることを止めるよう、日本政府に対して求めました。

 

これら避難命令が出されていた地域が安全だと宣言された一年後、日本政府は避難者に対する補償の支払いを打ち切る方針です。

さらに日本政府は、避難指定区域以外に居住していた人で自主避難している人々に対する住宅支援も3月で打ち切る方針です。

 

「自主避難を行なっている人々に対する住宅支援を打ち切ることは10,000以上の家庭の家計を脅すことになります。そして自らの意思に反して、汚染された場所に戻って生活を再開せざるを得ないよう、暗に強制することにもなります。」

グリーンピース日本で世界のエネルギー問題に取り組んでいるケンドラ・ウルリッヒ氏がこのように指摘し、補償や支援の打ち切りは

「多くの地域で長期計画に基づく放射線量を上回っているにも関わらず、経済的に不利な状況を人為的に作りだそうとするやり方は計画的な法律違反であり、生存者に対する人権侵害です。」

と語りました。

 

▽ ゲンパツ離婚

 

原発事故の被災地への帰還計画は、帰還を拒否する一方で生活の一部を財政支援によって賄わざるを得ない家庭、中でも母親と子どもたちだけの家庭にとっては深刻な問題であり、不安と困惑を招いています。

 

原発事故の後、多くの女性が汚染された被災地で仕事を続けなければならない夫を残したまま、子どもたちを連れて避難しました。

中には離婚を余儀なくされた人たちもいました。

福島第一原発の事故が発生したことにより、いったいどれだけの家庭が離散に追い込まれたのか、公式な統計はありません。

しかし『ゲンパツ離婚』という言葉が一般に使われるようになる程、こうした現象はごく当たり前に発生することになりました。

 

こうした母親たちは子どもたちを連れ、福島を出る形で避難しました。

現在彼女たちは住宅への財政支援を打ち切られるか、あるいは汚染されていることを覚悟でかつての居住地に戻るか、いずれかを選択するよう迫られているのです。

 

避難者が帰還する速度を上げさせるため、日本政府は汚染された全域の除染を行う代わりに、人が通る場所と主に暮らす場所だけを除染しました。

そして住民を帰還させるための目には見えない事実上の『屋外収容所』を作ったに等しいと、グリーンピースが語っています。

除染が完了したのは多くの場合、道路沿いの幅20メートルの地帯、そして宅地と農業用地です。

こうした状況から、帰還をした人々は除染されていない汚染された場所に囲まれて暮らすことになり、健康上の脅威があることは明らかです。

 

母たちはとりわけ子供たちの健康と成長について懸念を持っています。

いわき明星大学で臨床心理学を専門にする窪田憲子教授は、「安全宣言が行なわれた場所」で子どもたちが長期間生活を続けた場合、健康上の悪影響が発生することを確信しています。

「もし子供たちが屋内にいることを強制され、自由に外で走り回ることができない生活を続ければ、心の成長に必ず悪影響を及ぼすことになります。子供たちは互いに影響し合い、感情をコントロールする精神面での成長などが阻害される恐れがあります。」

ドイチェ・ヴェレの取材対し、久保田教授がこう語りました。

 

▽ 政府機関を訴える母たち

 

しかし原発事故によってこうした犠牲を強いられることに、物言わぬままでいることから脱却しようとしている女性たちがいます。

日本政府による住宅支援の継続と公正な補償の実施を求め、数千人の母親たちが一斉に訴訟を起こしました。

彼女たちは福島第一原子力発電所を経営していた東京電力、そして日本政府当局を訴えました。

「私はこれまで裁判の原告になる自分を想像したことなどありませんでした。 でも私は、子供たちのために、そして次の世代の人々のために現在、裁判を戦っているのです。」

福島から京都まで子供たちと一緒に移転した母親である堀江さんがドイチェ・ヴェレの取材対しこう語りました。

堀江さんは京都で他の母親たちとともに集団訴訟を起こしました。

「事故発生当時、政府当局者はテレビで直ちに健康被害が発生することは無いと語っていました。しかし将来私たちの子どもに影響が現れるかもしれません。それが私たが移転を決意した理由です。」

 

汚染された地域から避難した女性たちは、

「神経過敏や不合理などと言うレッテルを貼られました。」

グリーンピースがこう証言しました。

彼女たちが抱いた懸念はその夫、あるいは政府当局、その両方に無視されました。

今回訴訟が起こされた背景には、財政的な補償を求めることだけが目的ではなく、社会的正義を実現させたいという願いも込められています。

「私には法廷で述べたいことがあります。そして私には子供を避難させるたことは正しいという確信があります。」

子どもたちとともに福島から避難し、現在は英国で生活している園田さんがこう語りました。

「正しいのは私たちです。」

 

http://www.dw.com/en/six-years-after-fukushima-women-and-children-still-suffer-most/a-37871135

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棄民という言葉があります。

文字通り、民を見殺しにするという意味です。

21世紀の『最先進国』を自称する国の政府がそういう事をして良いのかどうか、私たち国民はもっと真剣に、深刻に考える人要があります。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000点の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《12》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

 

アンリ・ルソー(フランス: 1844–1910)作[ライオンの食事]油彩、1904。

この作品は、1903年マティス、ルオー、ボナールなどの参加によって始まったフランスの美術展覧会のサロン・ドートンヌ展(またはサロン・ドトンヌ)の1907年の展覧会に出品されたと考えられています。

ルソーにはジャングルをテーマにした作品が多数ありますが、このシリーズに着手したのは1891年、その作品『驚き!』はロンドンの国立ギャラリーに収納されています。

ルソーはジャングルの珍しい植物の写真を大量に所蔵し、それに動物園でのスケッチを加え、人気の高いこのシリーズを描きあげました。

彼は20数年間パリ市の税官吏を務めた日曜画家でした。

 

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/438822

 

【 死んでいくロボットたちと潰え去る希望・福島第一原発事故から6年・衝撃の現実 】《後篇》

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所要時間 約 10分

東京電力と日本政府が示したのは、福島第一原発の事故現場にある現実でもなく、原子力工学の客観的評価に基づく科学的分析結果でもない

福島第一原発の真の状況は『ノット・アンダー・コントロール』!

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年3月9日

 

今回、原子炉2号機の内部調査が途中で放棄せざるを得なくなったことについてグリーンピース・ドイツの上席の原子力専門家であり、現在日本に活動の拠点を置いているショーン・バーニー氏は

福島第一原発の事故収束・廃炉作業が「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況に置かれており、スケジュールについても、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」ものである事を改めて証明したに過ぎないと語りました。

「原子炉1号機と3号機についてどのように扱うかまだ技術的な方法が確立していない段階で、さらにはこの2つよりは多少はましな状況にあるはずの2号機ですら調査を進めることが出来ないのに、一般市民や報道機関に対して東京電力や日本政府が言っていることはすべて、推測あるいは希望的観測に過ぎません。」

「現在公表されている核燃料を除去するスケジュールなるものは、問題の数百トンに上る溶け落ちてしまった核燃料がどこにあるかもわからず、どのような状態なのかも把握できていないのに公表されました。このタイム・スケジュールは東京にいる安倍首相と原子力産業界が現実を無視して作り上げたものに過ぎません。」

「その根拠とされているものは福島第一原子力発電所の事故現場にある現実でもなく、原子力工学の客観的評価に基づく科学的分析でもないのです。」

 

日本の原子力規制委員会の田中俊一委員長も、東京電力が固執する楽観的な見通し基づく事故収束・廃炉作業スケジュールに同調するつもりはないようです。

「現在はまだそのような楽観的な話をできる状況にはありません。」

「未だ未だ辺り一帯闇に包まれている状況にあります。」

 

▽真の状況は『ノット・アンダー・コントロール』!

 

表面上は、福島第一原発の現場の状況の多くは5年前にガーディアンが初めて訪れた時とは一変しています。

当時は発電所内のいたるところに津波によって破壊された建物や施設の残骸が散乱していました。

数千人の作業員が放射線量が著しく高い環境の中、高い原子炉の爆発や破壊がもたらした無秩序な状態から脱するための作業に取り組むのに必要なホースやパイプ、建材などで辺り一帯が覆われていました。

 

6年が過ぎた今、損傷を受けた原子炉建屋には補強工事が施され、1,300体以上あった使用済み核燃料アセンブリは、4号機の核燃料プールから問題なく取り除かれました。

発電所内の地面は、雨水がしみ込んでこれ以上東京電力が汚染水の問題に振り回されることが無いように、特別なコーティングで覆われていました。

 

かつては福島第一原発の敷地内に入るためには放射線防護服その他被ばくを防ぐための重装備を身につけなければなりませんでしたが、現在作業員はほとんどの場所で簡単なサージカルマスクと軽装で働いています。

そして数千人の下請けや派遣などを含む6,000人の作業員は労働者は温かい食事をとることもでき、

2015年に開設された「レストハウス」で休憩をとることもできます。

 

しかし海岸線から丘陵地帯に向かって敷地内を進むとずらりと建ち並ぶ無数の鋼鉄製のタンクが、訪れた人に破滅のふちにある別の問題が未解決のままであることを思い出させることになります。

その中身は900,000トンの高濃度汚染水であり、間もなく100万トンに達しようとしています。

 

これらのタンクは地下水が破壊された原子炉の基礎部分に流れ込み、冷却用として使われ高放射能を帯びた汚染水と混じり合った結果作られた、大量の放射能汚染水を収容しています。

このため245億円を費やした地下凍土壁の建設が進められましたが、一時は画期的解決策とも思われたこの計画も、これまでのところ地下水の流れ込みを遮断できずにいます。

地下凍土壁は30メートルの深さまで地中を凍結させるものですが、東京電力の広報担当の岡村氏はそれでもまだ毎日150トンの地下水が毎日原子炉の地下部分に浸透してきていると語りました。

 

凍土壁には5カ所の開口部分がありますが、これは原子炉の基礎部分への地下水の流れ込み、あるいは汚染水の流出が起きないようにするためのものです。

「私たちは段階を踏んで凍土壁を閉じる必要があります。」

岡村氏がこう語りました。

「4月までに1日の地下水の流入量を100トンにまで減らし、2020年には福島第一原発の現場にあるすべての汚染水を完全に無くしたいと考えています。」

 

こうした福島第一原発における事故収束・廃炉作業について、厳しい目を向けている人々は、2020年が、かつてオリンピック開催地選定委員会の席上安倍首相が福島第一原子力発電所の現場が『アンダー・コントロール』、すなわちすべて順調に言っていると宣言したことにより、開催が決まった東京オリンピックの年であることに着目しています。

 

元バブコック-日立の原子力技術者だった田中光彦氏は、オリンピック招致を成功させ、日本全国の原子力発電所を再稼働させるため、安倍首相と日本政府が極めて困難な状況にある福島第一原発における事故収束・廃炉作業について、ことさら問題を軽視していると非難しました。

「安部首相は東京オリンピック招致のため海外へ行った際、福島第一原子力発電所の現場が『アンダー・コントロール』だと語りました。しかし国内に戻ってからは一切そうした発言をおこなっていません。

「福島第一原発の現場を実際に訪れた人は誰も、『アンダー・コントロール』の現実など見ることはできません。」

「しかし安倍首相と同様大きな影響力を持つ人々がことあるごとにそうした発言を繰り返していけば、それがだんだん真実であるかのように受け止められていってしまいます。」

 

〈 完 〉

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/09/fukushima-nuclear-cleanup-falters-six-years-after-tsunami

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日本の原子力行政は原発難民にされてしまった人々への補償の一部を打ち切る方針を示した一方で、日本企業がかかわる英国内の原発建設に1兆円という巨額の資金を拠出する方針を打ちだしました。

 

さらに3.11の6周年にあたっては、安倍首相は福島第一原発の事故に言及しなかったことに対し、さすがに福島県知事も『違和感を感じる』と問題視しています。

 

NHKの世論調査は、日本国民の半数以上がこうした政権を『支持する』と答えていると報道しました。

本当ですか?

私たち日本人は、それ程に他人の痛みに鈍感な人間になってしまったのでしょうか?

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《11》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

アメリカNBCのサイトでの作品紹介は18点で終わっていますが、せっかくですのでメトロポリタン美術館のサイトから素晴らしい作品を直接ご紹介します。

 

オーギュスト・ルノワール(フランス: 1841–1919)作[草原で]油彩、1888-92。

1888~1892年、ルノアールは白いドレスを着ているブロンドの女性とピンク色のドレスを着たこげ茶色の髪の女性、同じ2人をモデルにした一連の作品を描きあげました。

同じペアをモデルにした作品では、ピアノを弾く女性たちの絵が有名です。

いずれの作品も若々しい純真さを賛美するものです。

一連の作品は1890年代前半に既存の画廊などでごく当たり前に売られていました。

 

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437434?pos=44&pg=3&rpp=20&offset=0&rndkey=20170314&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

【 死んでいくロボット・潰え去る希望・福島第一原発事故から6年・衝撃の現実 】《前篇》

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所要時間 約 13分

「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」廃炉スケジュール

『これまでの理解を超える』規模の汚染と過酷な作業、破壊された原子炉内部の探査・3号機は不可能

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年3月9日

 

やっと5回目にたどり着いたリモコンロボット・スコーピオンの任務が結局は失敗に終わったことを、福島第一原発の技術者たちが認めました。

遠隔操作のためのケーブルの先につながれた1台の最新ロボットが破壊された原子炉の中心部に送り込まれましたが、結局は操作不能に陥り、放棄されることになりました。

このロボットによる原子炉内部の状況調査は、6年前に3基の原子炉がメルトダウンした際に生成されたと思われる核燃料デブリにその行く手を遮られることになったのです。

 

先月2台のカメラと放射線濃度の測定装置を備えた長さが60cmの東芝製ロボットが溶け落ちた燃料の正確な位置と状態を確認する調査に失敗し、原子炉内に放棄されましたが、東京電力は今後さらに別の調査を計画していることを明らかにすることで、今回の失敗がさほど深刻なものではないと印象付けようとしました。

たとえ今回行われた調査が失敗に終わったとしても

「私たちが最終的に各燃料デブリを取り除く方法を決定する際に役立つ価値ある情報を入手することができました。」

と東京電力はコメントしました。

 

しかし10時間の耐用時間があったはずのスコーピオン調査ロボットが、わずか2時間で操作不能に陥ったという事実は、福島第一原発の事故収束・廃炉作業が、どれ程スケールが大きなものであるか、そしてどれ程困難な作業を要するものであるかをはっきりさせました。

専門家の1人は、前例の無い困難さについて次のように発言しました。

「ほとんど想像を絶するほどのものです。」

 

最近日本の経済産業省が行なった試算では、2011年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、3基の原子炉でメルトダウンが発生するというチェルノブイリ以来世界最悪の規模の原子力発電所事故現場では、30年から40年の事故収束・廃炉作業が必要とされ、その費用は21兆.5,000億円に上ると推定されました。

原発事故の被災者に対する補償金も含めたこの金額は、3年前に行われた試算と比較するとほぼ倍になっています。

 

3.11の津波は主に福島第一原発の北側で約19,000人の命を奪い、原子力発電所周辺で暮らしていた160,000の人々は自宅を捨てての避難を強制されることになりました。

それから6年が経過した今、政府当局が安全だと判断を下した場所に元手って暮らす人々はごく少数に留まっています。

 

福島第一原発の破壊された原子炉内の最も危険な各場所に到達し、必要な情報をすべて手に入れるだけの時間充分に機能するロボットを開発する能力は、東京電力にはほとんど期待できないことが証明されています。

折り畳み式のカメラ装着アームを装備していることからスコーピオンと呼ばれる調査ロボットは、原子炉圧力容器の下部でレール沿いに進むことが出来なくなった後、核燃料デブリやそこにあった他の破片によって『死んで』しまいました。

 

このロボットも、これまで投入されてきたロボットも、目に見えない敵によって『死』に至らしめられた可能性があります。

放射線です。

 

放棄される直前、スコーピオンに装着されていた線量計は、原子炉2号機の格納容器内の放射線量が1時間あたり250シーベルトに達していることを示していました。

同じ地点で過去に実施された遠隔操作装置による線量調査では、1分以内に人間が死亡する1時間あたり650シーベルト相当する放射線量が測定されていました。

 

福島第一原発の内田俊志所長は溶け落ちた核燃料の状態について、東京電力が把握している情報が「限られた」ものでしかないことを認めました。

「前回のロボットによる調査もうまくいかず、これまで私たちは原子炉内部の状態については何とか覗き見ることができたという程度の情報しか得ていません。」

ガーディアンを始めとする内外の記者団が行なった最新の福島第一原発への訪問取材において、内田俊志所長はこう語りました。

「しかし現段階では、他の調査方法を考案することは不可能なのです。」

 

遠隔操作ロボットによる調査がうまくいっていないという問題とは別に、調査が始まった原子炉2号機と比べると1号機と3号機の放射線量はさらに高く、現在調査には手をつけられない状態にあります。

数週間の後に小型の防水ロボットを原子炉1号機の内部調査に投入する計画がありますが、さらに損傷の激しい3号機については計画すら立てられない状況にあります。

 

升田尚宏東京電力福島第一廃炉推進カンパニープレジデントは、実際に溶け落ちた核燃料の除去方法を決定するには、もっとたくさんの原子炉内部に関する情報を欲しいと語りました。

 

こうした深刻な障害について解決の見通しが立たない状況の中、東京電力は事故発生から10年後にあたる2021年に溶け落ちた核燃の除去作業を開始すると主張しています。

しかしグリーンピース・ドイツの上席の原子力専門家であり、現在日本に活動の拠点を置いているショーン・バーニー氏は、この作業を行なわなければならない東京電力は「前例も経験も無く、ほとんどどうしようもない」状況に置かれていると語り、東京電力が公表している事故収束・廃炉作業のスケジュールについても、「まったく現実的に乏しい、あるいは信用できない」ものであると付け加えました。

 

〈後篇に続く〉

https://www.theguardian.com/world/2017/mar/09/fukushima-nuclear-cleanup-falters-six-years-after-tsunami

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電子版の週間ダイヤモンドに『廃炉について、デマと誤報を乗り越えるための4つの論点』という社会学者の記事が連載され、悲観的な展望ばかりを拡散しているとして、ここでご紹介しているような『海外メディア』の記事が批判されています。

取組を続ければいつかは何とかなる、という論調ですが、決定的に不足している観点があると思います。

それは2012年10月にご紹介した【 福島第一原発で今も続く事故、そして危険、その真実 】の記事の中、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセン氏が指摘した『事故現場から核燃料を取り出すことが出来たとして、それをどこに持っていくのか?』という問題です。

 

現在の原子力工学が放射性物質を『無毒化』することが出来ない以上、この単位時間当たりいったいどのくらいの放射線を放出しているのか、そして1~3号機併せてどれ程の質量になっているのか、現段階では確認しようのない核燃料デブリ、これを安全・確実に保管する場所と技術が必要なはずです。

他県がその持ち込みを容認するはずもなく、福島の人々は核燃料の取り出しが成功したら、今度はこの問題に苦しまなければなりません。

 

福島第一原発で事故を起こしたのは日本人であり、事故の規模とその影響の大きさから考えて、これは日本全体の問題のはずであり、自分が受けた影響は軽微だからといって福島の人びとだけに重荷を押しつけるわけにはいかないはずです。

だからこそ私たち日本人全員がこの問題に正面から向き合い続ける必要があります。

大勢の人間が向き合えば多種多様の意見や感想が出るのは当たり前であり、それに対し『騒ぎ過ぎは非国民・悲観論を煽るのは非国民』とばかりに、全体主義的論調でそれを抑え込もうとするのは不当だといわなければなりません。

必要なのは悲観論から楽観論まで、その両方の科学的尺度を日本人全員で検証し続けることだと思います。

そうしなければ、被災させられてしまった人々に本当の未来はありません。

 

被災した人々と地域への配慮を欠いた記事が国内メディアに繰り返し登場する以上、私は『海外メディア』の記事の紹介を止めるわけにはいかないと思っています。

 

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【 メトロポリタン美術館375,000の収蔵作品をデジタル化、無料提供 】《10》

 

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

 

ニューヨークのメトロポリタン美術館はそのコレクションをデジタル化し、無料で375,000点に上る画像データを公開しました。

いずれも公有財産として、無料で制約なしで利用することが出来ます。

アメリカNBCのサイトでの作品紹介は18点で終わっていますが、せっかくですのでメトロポリタン美術館のサイトから素晴らしい作品を直接ご紹介します。

 

クロード・モネ(フランス: 1840–1926)作[ヴェタイユの夏]油彩、1880。

ヴェタイユはパリの西北、セーヌ川東側にありますが、この絵はその対岸からの風景画です。

個々のタッチの揺らぎには、光と色彩を正確にキャンバスの上に表現しようとしたモネの工夫が見てとれます。

しかし正確な表現を目指したモネのこの手法は皮肉にも後に抽象的表現へと発展することになりました。

実際この絵の上の無数のタッチは、見るものに溶けるような印象を与えています。(写真上)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/437111?pos=19&pg=1&rpp=20&offset=0&rndkey=20170312&ft=*&deptids=11&when=A.D.+1800-1900

 

ポール・ゴーギャン(フランス: 1840–1926)作[イア・オラナ・マリア(アヴェ・マリア)]油彩、1880。

1892年3月の本人の手紙には、ポリネシアで数多くの作品を書き上げたゴーギャンは、その第一号としてキリスト教的題材として取り上たことが印されています。

右側の女性は聖母マリア、肩の上にいるのは幼いイエス・キリストです。

「腰を民族衣装で覆っただけの女性2人の左側には黄色い翼を持った天使の姿があります。

背景には目だたないように暗い色彩の山、花を咲かせた木々を配しました。紫色の小道とエメラルド・グリーンの前景、左手前にはバナナの木を配しました。満足できる出来栄えだと思っています。」

 

ゴーギャンはこうした作品について、所有していたジャワのボロブドゥール遺跡の写真に多くの啓示を得ていました。(写真下)

http://www.metmuseum.org/art/collection/search/438821

 

【 衝撃の教育内容 – 日本のウルトラ国家主義幼稚園 】

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所要時間 約 5分

否定しきれるのか?安倍内閣と森友学園のつながり

国家主義的主戦論を唱える私立の教育機関に対し、日本政府がまるで後援するような対応

 

エコノミスト 2017年3月4日

 

塚本幼稚園の園児たちは毎朝軍歌に合わせて小さな足で力強く地面を蹴り、天皇陛下の写真の前で丁寧にお辞儀をし、国を守るために勇気を奮うと誓います。

そして幼稚園の行事がある度、3歳4歳5歳の子どもたちは見守る両親たちに向って、外国の脅威から日本を防衛しようと呼びかけます。

 

塚本幼稚園の園児たちの曾祖父母の世代は、かつてこれとよく似た教育を受けさせられました。

しかし第二次世界大戦(太平洋戦争)の敗戦により、戦後日本国内の学校では国家主義的教育はすっかり影をひそめました。

 

つい最近までほとんどの日本人は、今どきまさか国家主義的主戦論を唱える私立の教育機関があろうとは思ってもみませんでした。

さらにそうした教育機関を日本政府がまるで後援するような対応をとっていたことを知り、国民の驚きは一層大きなものになっています。

 

昨年、塚本幼稚園を経営している森友学園は大阪にある国有地を市場価格のわずか14%という法外な価格で手に入れました。

そして幼稚園と同様、ウルトラ国家主義の普及を実現普及させるための小学校の建設を始めました。

そして小学校建設の資金獲得のための寄付を求めた際、森友学園は安倍晋三首相の名前を引き合いに出したのです。

首相夫人の昭恵氏は塚本幼稚園でスピーチをした経験があり、建設予定の小学校の名誉校長に指名されました。

 

また稲田朋美防衛大臣は、海上自衛隊の戦闘用艦艇がドック入りをする際、塚本幼稚園の園児たちが歓迎のセレモニーに参加して隊員の士気の向上に貢献したとして、感謝状を贈りました。

 

安部首相は今回の土地不正譲渡疑惑についていかなる関与も否定しており、それ以外の事実が証明された場合には首相を辞任すると語りました。

安部首相は自身と夫人は本人の意思に反して、森友学園の籠池理事長の一方的な動きにより幼稚園の後援者にされ、今回の疑惑に巻き込まれたと主張しています。

安部首相は「再三に渡ってお断りしたにもかかわらず、籠池氏はそれに応じず」、小学校建設資金の寄付金集めのために名前を使用されたと主張しています。

 

しかし安倍首相は過去に森友学園の教育方針について、「賞賛に値する情熱」を持って教育に取り組み、しかも「よく似た考え方」を共有していると賞賛していました。

しかし詳細な調査が進むにつれ、首相側、学園側の双方に事実を書き換えようとする動きが出てきました。

安部首相と稲田防衛大臣に関連する記述一切が塚本幼稚園のウェブサイトからいつの間にかきれいさっぱり姿を消しました。

 

塚本幼稚園はヘイトスピーチを禁止する法律の下での調査をされたことがあります。

塚本幼稚園は保護者のもとに中国人の侮蔑的表現である『支那人』という単語を用いた文書を配布したことがありました。

教頭を務める籠池氏の夫人は在日韓国人であるとされた母親のひとりに、自分は差別したことは無いが、『韓国朝鮮人と中国人を嫌悪している』と書いた手紙を送りつけました。

 

森友学園は現在、安倍首相と同様、きわめてあいまいな態度に終始しています。

大阪府の当局は、建設が完了しても、小学校の開設許可が下りない可能性があると語っています。入学申込者も予想を下回る状態が続いています。

この小学校は当初安倍晋三記念小学校と命名される予定でしたが、様々ないきさつにより、瑞穂の国小学校に校名を変更しなければならなくなりました。

 

http://www.economist.com/news/asia/21717996-embarrassingly-it-has-links-prime-minister-ultranationalist-kindergarten-japan?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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