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【 福島第一原発、溶け落ちた核燃料(?)を確認・事故収束・廃炉作業に初めての光明?】

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どこにどれだけの危険が潜んでいるかわからない、福島第一原発の困難な廃炉作業がようやく緒に就いた

福島第一原発の事故収束・廃炉作業費用の一部は、電気料金の値上げという形で一般消費者に転嫁される

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2017年1月30日

 

3基の原子炉がメルトダウンした事故発生から6年が経った福島第一原子力発電所で、東京電力は原子炉2号機の真下にある溶け落ちた核燃料の一部と見られる物質を初めてカメラに収めることに成功した可能性があることを公表し、今や巨大な放射性核廃棄物と化した同発電所の事故収束・廃炉作業が進展する可能性が見えてきました。

 

1月30日東京電力は、福島第一原発の中でも特に損傷がひどく、放射線濃度がいまだに極度に高くて危険な状況にある原子炉2号機の真下で、溶け落ちた核燃料と他の物質が交じり合ったいわゆる核燃料デブリと見られる物質を遠隔操作のカメラを使って撮影したと公表しました。

福島第一原発の事故収束・廃炉作業において、溶け落ちた核燃料を取り除くことは最大の課題であり、その場所を特定することがすべての作業の第一歩となります。

 

東京電力はこの物質について、核燃料棒が溶け落ちた核燃料デブリと特定するためには、巨大地震に襲われた福島第一原発が事故を起こした2011年3月11日以前、この物体がこの場所に無かった事を確認した上で、様々な分析をする必要があると語りました。

マグニチュード9.0という巨大地震は東北地方の太平洋岸に巨大な津波を殺到させ、18,500人以上の命を奪いました。

そして福島第一原子力発電所では予備の電源設備がことごとく破壊されたことにより、世界史上最悪のチェルノブイリ原子力発電所事故のちょうど25年後、再び最悪の原子力発電所の事故が引き起こされることになったのです。

 

福島第一原発の6基のうち3基の原子炉がメルトダウンするという事態は、付近の住民約160,000人の強制避難につながり、周辺地域はもちろん福島県内をほぼ全域に渡って放射性物質で汚染することになりました。

住んでいた場所を追われた人々の多くは、故郷には戻れそうにもありません。

 

東京電力が今回その存在を確認した黒い物体が溶け落ちた核燃料によってできたものであることが確認できれば、事故収束の最中にミス・トラブルが繰り返され、膨大な量の高濃度汚染水が行くあても無いまま敷地内で増え続け、処理費用がとめどもなく上昇し続けている福島第一原発の事故収束・廃炉作業にとって、重要な進展を意味することになります。

 

「この物質には福島第一原発の事故収束・廃炉作業に必要ないくつかの重要なデータが存在しており、作業プロセスに大きな前進をもたらすことになるでしょう。」

東京電力の担当者がこう語りました。

 

長さ10.5メートルの伸縮自在のアームの先端に取りつけられた遠隔操作カメラを使い、東京電力の技術者は原子炉圧力容器の真下の格子状の鉄枠の上にある黒色の塊の撮影を行ったと地方のメディアが報じました。

さらに朝日新聞は、東京電力は2月にはカメラ、放射線量測定装置、温度計を備えたサソリのような形のロボットを原子炉格納容器内に送り込む予定であると報じました。

 

原子炉2号機ではこれまで3回、溶け落ちた燃料の場所と状態を確認するためロボットを送り込みましたが、放射線量のあまりの高さにことごとく失敗に終わりました。

 

東京電力は2013年後半、福島第一原発の事故現場から数百本の使用済み核燃料棒を回収することに成功した後、今後は溶け落ちた核燃料の状態を測定・分析できれば、これを取り除く作業にめどをつけることが可能になり、事故収束・廃炉作業全体の進めることが可能になると語っていました。

 

しかし現実には福島第一原発全体を廃棄する困難な、そしてどこにどれだけの危険が潜んでいるかわからない作業はようやく始まったばかりです。

 

福島第一原発全体の廃炉作業に必要な期間は40年とされていますが、つい先週3号機の原子炉建屋から使用済み核燃料を取り除く作業のスケジュールが遅れていることが、日本のマスコミによって明らかにされました。

 

日本政府は2016年12月、福島第一原発の完全廃炉、周辺地域の除染作業、さらには補償金の支払いと高濃度の放射性廃棄物を保管するための費用、これらすべてを合わせた見積り金額が21兆5,000億円にまで上昇したことを認めました。

これは2013年に政府が公表した金額のほぼ2倍です。

そして政府内の委員会は、この総経費の内約2兆4,000億円が、電気料金の値上げという形で一般消費者に転嫁されることになると見積もっています。

 

https://www.theguardian.com/environment/2017/jan/31/possible-nuclear-fuel-find-fukushima-plant

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化石燃料代がかさむことを理由に原子力発電の復活が謀られている日本。

しかし福島第一原発の事故は解明されればされるほど、新たな課題が次々と明らかになり解決のために必要な費用もかさみ続けています。

そして片方は金で済む話ですが、もう片方は人生を壊されたり故郷を奪われたり健康上の深刻な問題を抱えさせられたりと、とカネではとても解決できない状況が続出しています。

さらに放射性核廃棄物の処理に至っては、いくら金を積んでも解決が不可能であり、将来原子力発電の事故とは別の深刻な問題を人間社会に作りだす危険性があります。

ゲンパツに関する限り誤った選択はもう許されない、私たちはまさにそのような状況に立たされているのではないでしょうか?

 

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【 松山英樹、アメリカPGAツアー今季2勝目、FEDEXポイント、トップに 】

 

アメリカPGAツアー・オフィシャル 2017年2月5日

 

松山英樹選手がアリゾナ州スコッデールで開催された全米プロゴルフツァーのウェイスト・マネジメント・フェニックス・オープンで連覇を果たしました。

今期2勝目を挙げ、5カ月間の賞金総額は438万ドル(約4億9,100万円)を突破しました。

最終日18番ホールで357ヤードのビッグドライヴを放つ松山英樹。(写真上)

 

最終日18番ホールでバーディ・パットをミスした瞬間の松山。(写真下・以下同じ)

プレーオフ最初のホールでバーディパットを外した松山。

プレーオフ最終17番ホールで、パットのラインを確かめるウェブ・シンプソン(米国)と松山。

プレーオフ最終17番ホールでバーディパットを沈めた松山。

プレーオフに勝利し、ガッツポーズに入る瞬間の松山。

松山とのプレーオフ、3ホール目の10番ホールでバーディパットを外し、肩を落とすウェブ・シンプソン。

優勝トロフィーを手に笑み崩れる松山英樹選手。

http://www.pgatour.com/news/2017/02/05/golf-best-photos-gallery-waste-management-phoenix-open-tpc-scottsdale-final-round.html

 

【 ゲンパツは先進国の発電手段として、もはや無理スジ『工期の遅れ』その実態 】

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先進各国の原発で行われている原子炉製造、その大部分が予定より遅れ、費用もうなぎ上りに

新世代原子炉は21世紀初頭にはすでに技術開発が完了していたにもかかわらず、稼働実績は無い

 

エコノミスト : 日常経済データ 2017年1月30日

 

世界の原発建設の状況。ピーク時の1979年に234基建造された原子炉は、後に48基が計画放棄・永久廃炉になり、現在稼働しているのは165基(水色部分)。現在建造途中の55基のうち、35基が計画より遅れている。(下のグラフ・見づらいときは英エコノミストのオリジナルサイトでご確認ください。)

 

いくつかの新興国では大型原子力発電所の存在価値はまだ十分にあるようですが、世界期には原子力発電所を建設することは高額な上に予算額を超過することが多く、さらには工期が遅れることが日常的になっています。

 

1950年代、原子力発電の実現のめどが立ちアメリカ、ロシア、英国、フランスの各国は発電用原子炉の製造に着手、技術開発競争が始まり、原子力産業界が活況を呈することになりました。

1970年代後半には、すでに約230基の原子炉が工事中でした。

 

しかし1979年にスリーマイル島で、そして1986年にはチェルノブイリで人類が経験したことの無い深刻な事故が発生した結果、原子力発電の安全性について疑問を持ちはじめた西ヨーロッパ諸国とアメリカ政府は原発建設にためらいを見せるようになり、民間企業においては原子力技術開発ブームが徐々に下火になっていったのです。

 

その後西暦2000年を迎えるまで原子力発電に対する関心は低迷を続けました。

しかし21世紀に入ったのを境に、電力の安定供給の確保、二酸化炭素の排出量の削減、そして開発途上国の経済圏で増大を続ける電力需要という課題の解決手段として、再び原子力発電への投資を行なおうとする動きが目立ち始めました。

 

しかし原子炉の建造計画をまとめ上げるのは容易なことではありません。

つい最近稼働を始めたばかりの2基の原子炉についてみてみると、アルゼンチンの1基は建設の着手から稼働まで44年、アメリカ合衆国内の1基は33年かかりました。

さらには原子力発電の電力供給の画期的進化を実現させると喧伝された2種類の新世代原子炉は、いずれもまだ未だ完成・稼働しているものはありません。

ヨーロッパで開発された欧州型圧力原子炉(EPR)、アメリカのウェスティングハウス社が開発したAP1000、これら新世代原子炉は21世紀初頭にはすでに技術開発が完了していたにもかかわらず、稼働実績は無いのです。

 

世界的な原子力のデータベースをあたってみたところ、現在工事中の55基の原子炉のうちのほぼ3分の2は工期が予定より遅れていることが解りました。

 

フィンランド、フランス、中国で建造中の欧州型圧力原子炉(EPR)すべてが、設計当初の完成時期になっても工事が完了せず、年単位で遅れています。

アメリカの複数のAP1000原子炉の建設工期の遅れは、ウェスティングハウス社の親会社である東芝に、数千億円に上る損失を発生させることになりました。

 

2017年1月27日、東芝はそれまで社の中核事業と位置付けていた原子力発電所開発計画を縮小せざるを得なくなったことを公式に認めました。

 

先進各国がこうした状況に陥っているにもかかわらず、韓国と中国の比較的後発の企業は、大規模な原子力発電所建設事業において収益確保が可能であることを実証しています。

韓国の韓国電力(KEPCO)は現在アラブ首長国連邦国内で、4カ所の原子力発電所を建設しています。

アブダビのバラカー原子力発電所1号機は予定通り数か月以内に稼働する準備が整いました。

建造費もほぼ予算内に収まる見込みです。

 

もしこれを成功と呼ぶのなら、その理由は一貫性ということになりそうです。

KEPCOは常に同じ製造企業と共同で事業を行い、作業工程も製品もメイド・イン・コリアで統一されています。

これとは対照的に開発に着手してから多大の困難を伴って実用化されるに至ったEPRもAP1000も、今度は下請けに出した先の海外のエンジニアリング企業や建設会社が技術的な困難に直面させられることになったのです。

 

韓国の手による原子力発電所建設や原子炉製造の費用は過去20年間ほぼ変わりませんでしたが、同様の経費はフランス、アメリカでは約3倍になりました。

原子力発電所の建設が1970年代のような活況を呈することはもう無いでしょうが、長い間我慢を強いられてきた原子力発電の支持者が望みをつなげられる場所が、少なくともピンポイントでは存在するということです。

 

http://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2017/01/daily-chart-22

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【 移民受け入れを止めるな!トランプが出ていけ! 】《3》

トランプ政権の移民受け入れ凍結措置、全米の空港で抗議行動を誘発

 

米国NBCニュース 2017年1月29日

 

1月29日フィラデルフィア国際空港で、車の中からサインボードを掲げトランプに抗議する人。(写真上)

 

1月29日ロサンゼルス国際空港で道をふさぎ、サインボードを掲げてトランプに抗議する人々。(写真下・以下同じ)

1月29日ハットフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港の外、トランプを批判するスローガンを叫ぶ人々。

1月29日首都ワシントン、ホワイトハウスの近くのラファイエットパークで思い思いのサインボードを掲げて抗議する人々。

1月29日首都ワシントン、トランプ・インターナショナル・ホテル・ワシントンの前で、白黒の配色のアメリカ国旗を持って抗議する男性。

1月29日フィラデルフィア国際空港で「抵抗しよう」と訴える切抜きのサインボードを掲げる人。

http://www.nbcnews.com/slideshow/trump-out-refugees-ban-sparks-protests-airports-across-nation-n713746

【『サイテーの』大統領に立ち向かう『怒れる女』たち – トランプへの猛抗議を展開した世界中の女性たち】《後篇》

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トランプ大統領の就任を認めたアメリカ人はわずか40パーセントに留まっている

人間として当然の権利まで取り上げようとしている!それがトランプ

 

アルジャジーラ 1月22日

▽ 世界中に拡大する抗議

 

トランプの差別的・排外的な政治姿勢に対するデモは、オーストラリア、英国、ドイツ、日本とフランス、その他の国々でも開催されました。

ケニヤの首都ナイロビのカルラ・フォレストに集まった数百人規模の抗議者はプラカードを打ち振り、アメリカのプロテスト・ソングを合唱しました。

オーストラリア最大の都市シドニーでは、男女合わせて3,000人程が集まり、中心部の繁華街にある米国領事館に向かってデモ行進する前にハイドパークで抗議集会を開き、メルボルンでも5,000人が抗議集会を開催しました。

 

日本の東京では、数多くの在日アメリカ人を含む数百人の人々が抗議集会を行いました。

 

連帯する抗議集会はスイスのジュネーブでも開催されました。

イギリスではロンドン市内のトラファルガー広場に詰めかけた抗議者の数は主催者側発表で100,000人に達しました。

人びとは『ダンプ・トランプ』(トランプをお払い箱に!)と口々に繰り返し、旗や横断幕を掲げて平等の権利を訴えました。

掲げられたバナーには

「不寛容な社会が間違いであることをもう一度証明しよう」

「ウイ・シャル・オーバー・コーム(We shall over comb – トランプの髪の毛がかつらであることを踏まえ、有名なプロテスト・ソングWe shall overcomeをもじった語呂合わせ。敢えて訳せば『私たちはかつらをかぶった奴になんか負けないぞ!』)」

などというものもありました。

ウィーンでも警察と主催者による確認により約2,000人がデモ行進しましたが、折からの氷点下の気温が影響し、最後は200前後に参加者が減少しました。

 

スウェーデンの首都ストックホルムでは数千人の人々が女性の権利と人権のための緊急集会に集まると同時に、アメリカで行われている抗議デモとの連携を表明しました。

彼らは

「小心者め、核兵器から手を離せ!」

「排外的右翼運動に歯止めをかけなければ、私たちは幸せにはなれない!」

「アメリカを偉大な国にしたのは憎しみではなく、愛であったはずだ!」

などと書かれたプラカードを掲げ、アメリカ大使館に向かってデモ行進しました。

ABCニュースとワシントン・ポストが共同で行った最新の世論調査は、1970年代以降最も支持率が低いと言われるトランプ大統領の就任を認めたアメリカ人がわずか40パーセントに留まっていることを明らかにしました。

 

ペンシルバニア州から来たマーガレット・サンプソンさんは妊娠と出産の自由を訴えるため、毛糸で編んだ子宮のシンボルを掲げてデモ行進しました。(写真下・以下同じ)

「自分の体と自分の人生を自分がコントロールできること、それが私が考える自由に関する最も基本的な定義です。トランプの大統領就任で、その自由が脅威にさらさせることになったと考えています。」

ニューヨークから来たダニエル・ザイガーさん :

「支持している人間より、トランプが掲げている政策と人種的偏見と女性蔑視に反対している人々の方がはるかに多いことをドナルド・トランプに解らせるために、私はここにやって来ました。」

ニューヨークからラヒメー・アンダリビアンさん :

「もし国民の声に耳を傾けようとしない政府が誕生したら、私たち自身が立ち上がり、その声を国政の場に届けなければならないという事を、私のパートナーの可愛い娘に実地に理解してもらうためにこの場所に来ました。

〈 完 〉

http://www.aljazeera.com/news/2017/01/women-world-protest-president-trump-170121134424671.html

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私が小学生だった1960年代、アメリカ大統領はジョン・F・ケネディ、テレビ放映されていたアニメは『鉄腕アトム』でそこに描かれている世界は21世紀という設定でした。

アトムが活躍する21世紀の世の中は基本的に平和な社会であり、科学というものは原則として良心的なものでした。

登場する悪者も最後はアトムに諭され、悔悛するというパターンが数多くありました。

 

ところが現実にこの目で見ている21世紀は、世界各地でいつ大規模テロが発生してもおかしくない状況にあり、世界最強国の大統領はどう見ても賢者の選択とは言えない大統領令を乱発し混乱は増すばかり。

あまりのギャップに唖然とする思いです。

まさか50年後の自分が「21世紀より1960年代の方がまだしもマトモな人間が多かった。」と思おうとは…

 

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【 移民受け入れを止めるな!トランプが出ていけ! 】《2》

トランプ政権の移民受け入れ凍結措置、全米の空港で抗議行動を誘発

 

米国NBCニュース 2017年1月29日

 

1月29日テキサス州ダラスのフォートワース国際空港で、トランプ大統領のイスラム系国民の移動禁止命令に対する抗議活動の間、手荷物受取所で祈りを捧げるために集まった人々。(写真上)

 

1月28日ニューヨークのJFK空港でトランプに対する抗議の意思表示をする男性。(写真下・以下同じ)

1月29日テキサス州ヒューストンで、トランプへの抗議デモを行う人々。

1月29日ニューヨークの市内バッテリーパークで抗議のプラカードを掲げる少女。

1月29日ニューヨークの市内バッテリーパークで開催されたトランプへの抗議集会に集まった人々。

http://www.nbcnews.com/slideshow/trump-out-refugees-ban-sparks-protests-airports-across-nation-n713746

『サイテーの』大統領に立ち向かう『怒れる女』たち – 世界中の女性たちがトランプに猛抗議《前篇》

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アメリカの首都を中心にヨーロッパでも、アジアでも、アフリカでも

『サイテーの男』が大統領になった以上、世界中の女性たちも黙っている訳にはいかなくなった

 

アルジャジーラ 1月22日

 

1月21日土曜日、共和党候補の大統領が就任した翌日、数十万人の人々がアメリカ合衆国の首都に集まり、抗議の声を挙げました。

そしてこの抗議デモに呼応するデモがアフリカ、アジア、ヨーロッパ中の都市でも開催され、ドナルド・トランプ大統領に反対する声が世界中にこだますることになりました。

 

あらゆる年代の女性たち、そして男性たちが首都ワシントンをデモ行進しました。

そして女性の権利、出産に絡む権利、出入国管理などの問題についてそれぞれがそれぞれの意見をアピールしました。

デモには米国国会議事堂とホワイトハウスの間にある公園状の施設である国立モールを埋め尽くしてしまうほどの人々が参加しました。

デモ隊の一部はさらに、トランプ大統領が首都ワシントンに滞在する際の拠点としていたホテルやアメリカの資産家たちが居を構えているペンシルバニア通りの上にあふれ出しました。

 

抗議者たちは手に手にサインボードを掲げ、そこには「女性の権利は、すなわち人間としての権利です」「国境沿いの壁を撤去しなさい!二度とそんなものは作るな!」などと書かれていました。

中には大統領選挙期間中、テレビ討論の場でトランプが対立候補のヒラリー・クリントンを『nasty woman – イヤな女だ』と呼んだことを受けた「イヤな女たちを激怒させる、あんたみたいなサイテーの男が行く場所は地獄しかないわ!」というサインボードも掲げられていました。

 

女性平等党のリーダーを務めるソフィ・ウォーカーさんは、アルジャジーラとのインタビューの中で互いの連帯を表明するために集まって来たと語りました。

「私たちはドナルド・トランプが政治の場で提唱している憎しみと差別に抗議するために、ここに集まってきました。」

「そして私たちは現在、この国で盛り上がりを見せている外国人排斥ムードに対しても抗議するために、ここにいます。 さらには人種差別と女性蔑視、性差別を常態化させようとする動きに対しても抗議の声を挙げるため、みんな集まって来たのです。」

 

この日のデモの参加者の中には、大統領選の投票前にビデオ映像が公にされトランプ自身が関与を認めざるを得なくなった女性に対する性的暴力事件を象徴するものとして、ピンクの毛糸で編まれた「ニャンニャン」帽子をかぶった女性の姿が数多く見かけられました。

公開されたビデオの中で、トランプは相手の同意なしに女性の体をつかんだと語り、あまりの非道さに女性たちの憤激を買うことになったのです。

 

マサチューセッツ州から娘さんとともに旅してきたモニカ・モランさんは、トランプが家庭内暴力と性的虐待から女性を守るために制定された女性保護法(the Violence Against Women Act)に基づく基金に対する公的資金の提供を打ち切る恐れがあるために、今回の抗議行動に参加したと語りました。

「残念ながらアメリカでは4人に1人から3人に1人の割合で、生涯のどの時点下で家庭内暴力にさらされるという結果が明らかにされています。そうした場合に女性保護法と基金が彼女たちを現実に救済しているのです。トランプがこの制度に対する資金提供を打ち切れば、もっと多くの女性たちが殺されることになってしまうでしょう。」

アルジャジーラの取材にモランさんがこう答えました。

 

抗議デモがこれほどの規模で行われたことは、2016の選挙運動期間中に分断されてしまった傷あとがいまだ癒えることの無いアメリカにあって、女性たちの怒りの深さを改めて印象付けることになりました。

首都ワシントン治安当局はこの日のデモの参加者数を明らかにはしていませんが、主催者側はAFP通信社の取材に対し、アメリカ国内各所からの参加者は当初予想していた数の4倍に膨れ上がり、総計100万人に達することになったと答えました。

 

ロスアンゼルスでも同様のデモに50万人が参加したことを市警察当局が確認、ニューヨークでもほぼ同じ規模で抗議のデモが行なわれました。

他にもシカゴ、ダラス、サンフランシスコ、デンバー、セントルイスなどで大規模な抗議デモが行なわれ、さらにはアメリカ国内各所で抗議が巻き起こりました。

 

トランプは1月20日の大統領就任式の席上、『アメリカ・ファースト』をすべての政策において実現させるという就任演説を行い、これまで繰り返してきた性差別主義的発言、外国人に対する排外的発言とも相まって、アメリカ国内だけでなく世界中の自由主義者、左派その他の革新派の怒りを招きました。

 

〈後篇に続く〉

http://www.aljazeera.com/news/2017/01/women-world-protest-president-trump-170121134424671.html

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【 移民受け入れを止めるな!トランプが出ていけ! 】

トランプ政権の移民受け入れ凍結措置、全米の空港で抗議行動

 

米国NBCニュース 2017年1月29日

 

1月28日シカゴのオヘア空港にトランプの決定に抗議するために集った人々。(写真上)

1月27日金曜日、ドナルド・トランプ大統領はアメリカ国内でのテロを防止するため、イラク、シリア、イラン、スーダン、リビア、ソマリア、イエメンのイスラム諸国国民について90日間すべての出入国管理を停止するという行政命令に署名しました。

この措置に対する激しい抗議はたちまちアメリカ全土に拡大して行きました。

 

1月28日ニューヨークのジョン・F・ケネディ(JFK)国際空港にトランプの決定に抗議するために集った人々。(写真下・以下同じ)

トランプ大統領が出入国管理関する大統領令を発してから24時間、世界各国の出入国管理業務が対応に追われる一方、決定に対する反発も世界中に拡大しました。

大統領令により移民や難民申請を行うつもりであった人々は先が全く見通せない状態となり、綿密な調査を受けた結果すでに難民申請が受理された人々も法的に宙ぶらりんのまま、各地の空港で足止めされることになりました。

1月28日にニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港のターミナルの入口で、警官と向き合って立つ抗議者。

22日日曜日トランプ大統領は、自ら行った決定を擁護する声明を公表しました。

「アメリカは移民が作り上げた誇り高い国であり、我々は現在も抑圧から逃れようとする人々に共感と同情を持ち続けます。しかし、我々自身の市民と国境を守るために今回の措置をとることにしたのです。」

1月28日のニューヨーク、ブルックリンにある合衆国裁判所の前でプラカード掲げて抗議する人々。

1月28日サンフランシスコのSFO国際空港の到着ロビーに抗議のために集まった人々。

写真左側の女性が掲げているのは『移民受け入れを止めるな!トランプが出ていけ!』と書かれた紙。

http://www.nbcnews.com/slideshow/trump-out-refugees-ban-sparks-protests-airports-across-nation-n713746

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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