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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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【 自らを致命的危機に陥れる、人類最悪の選択 】《3》

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所要時間 約 10分

フクシマの事故が繰り返されることはない…強引な論理が使われ原子力発電所の稼働が正当化されている

原子力産業界は原子炉の安全性について、根拠の乏しい主張を繰り返し行っている

(※記事中の写真は必ずしも本文と一致していません。)

 

アーニー・ガンダーセン

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 7月29日

 

それでは福島第一の問題に移りましょう。
溶け落ちた原子炉の炉心はどこにあるのでしょうか?
誰にもわかりません。
福島第一原発の事故収束・廃炉作業が始まってすでに5年以上が経ちますが、私たち人間は未だに溶けた炉心がどこにあるのか、場所と範囲の特定が出来ていません。
事故発生以降の経過をたどると、福島第一原発では当初3基の原子炉について『部分的な』メルトダウンが発生したとされていましたが、現在は『完全な』メルトダウンが発生したことが解っています。
そして事故現場においてメルトダウンした核燃料の場所の捜索が不可能な程、事故現場の放射線量が高くなっているのです。

 

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次の写真です。
これこそが原子力発電の事故の影響を端的に表すものです。
福島第一原子力発電所1号機、爆発しました。
そして2号機、3号機、4号機。
みなさんに注目していただきたいのは3号機です。

アメリカの原子力規制委員会はこう表明しています。
『アメリカ国内の原子力発電所では水素爆発などは起きませんし、爆豪による衝撃波などは発生しません。
だから心配する必要などは有りません。
あなたが実際にフクシマで目撃したこと、そんなことはアメリカでは現実にならないのです。』
現実はどうでしょうか?
こうした事態が発生すれば、ディアブロキャニオン原発は持ちこたえることはできません。
そこで米国の原子力規制委員会は、福島第一原発で起きたような事故はアメリカでは起きるはずがないという論理を用いることにしたのです。
そうすることで、ディアブロキャニオン原発が稼働し続けることを正当化しているのです。

 

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ここにある小さな写真は爆発の最初の瞬間をとらえたものですが、この際にデトネーション(爆豪)による衝撃波が発生しています。

その直後にこの写真の事態に到りました。

原子炉建屋の屋根が吹き飛ばされた瞬間の写真です。

しかし皆さん、心配しないでください。アメリカ原子力規制委員会はこう言っています、ディアブロキャニオン原発ではこの事態は発生しないと。

私はこの点を特に強調したいと思います。

 

デトネーション(爆豪)による衝撃波などはアメリカでは発生しない、米国原子力規制委員会はなぜそんなことを言うのでしょうか?

それはデトネーション(爆豪)による衝撃波に耐えられる原子炉などはこの世界に存在しないからです。

そのために米国原子力規制委員会はアメリカの原子炉ではデトネーション(爆豪)による衝撃波など発生しないという強引な、科学的にあり得ない説明をしているのです。

 

次の写真です。

米国原子力規制委員会が原子炉格納容器のリークに関わった問題です。

 

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これはディアブロ・キャニオンとサンオノフレの原子炉の遮蔽ドームです。球体をちょうど半分に切ったような形をしています。

 

私は遮蔽ドームについて検証を行っていた時、原子炉の安全を確保するシステムについて検討する諮問委員会に参加するよう誘われました。それはちょうど福島第一の事故発生の4ヵ月前、前の年の2010年で、原子力規制委員会のメンバーの中から17人が選ばれました。

私はその場で原子炉格納容器からは放射性物質が漏出しており、特に新しい原子炉については管理基準を改める必要があると主張しました。

しかし一カ月後米国原子力規制委員会は、4,000人のスタッフを抱える政府機関ですが、政策方針書を作成し、原子炉格納容器からの放射性物質の漏出は原則ゼロであると記したのです。

で結局何が起きましたか?

これは事故発生から約1か月後に撮影された福島第一原発3号機の赤外線写真です。

 

大きい部分は使用済み核燃料プールで沸騰しており、沸騰しているという事は放射性物質が空気中に放出されているという事です。

この時の温度は摂氏62度だと記録されていますが、実際には130度前後で、そのためにプール内からはガスが発生していました。

これは重大な事態であり、続いて4号機でも同様の状態に、そしてさらに別の原子炉建屋でも同じ状況に陥りました。

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使用済み核燃料プールが沸騰していたのです。

 

しかし主要な問題はその事ではありません。

ここに点が見えますが、摂氏128度であることが解ります。

みなさんも良くご存じのように水は摂氏100度で沸騰します。

 

この時の状況について私の頭に浮かんだのは、ふるいにかけたようにして放射性物質を放出している原子炉格納容器です。

福島第一原発3号機は放射性物質の封じ込めが出来なくなりました。

これはアメリカ原子力規制委員会が否定した衝撃波の発生とはまた別の問題です。

事故発生当時、東京電力の本社と原子力安全・保安院との間には電話連絡が行なわれていましたが、原子炉格納容器から1日あたり300%の放射能漏れが起きているという点で見解が一致していました。

もしこれをディアブロ・キャニオン原発の安全基準に当てはめれば、原子炉の緊急停止をしなければならないという数値です。

アメリカ原子力規制委員会が定める許容される原子炉格納容器からの放射能漏れは、1日あたり0.1%というものです。

これもまた、原子力産業界が原子炉の安全性について、根拠の乏しい主張を行っているという実例のひとつです。

 

《4》に続く

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//world-in-danger

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【 シリア、停戦が破綻、政府軍が激しい空爆】《1》

 

アメリカNBCニュース 2016年9月26日

 

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シリア政府とその同盟軍は、停戦が破綻した直後、アレッポ市内の反政府勢力の支配地域に対する激しい空爆を行いました。

9月26日タリク・アルバブ地区に対する激しい空爆の後、がれきに埋まった場所で生存者の捜索を続ける人々。(写真上)

シリアにおける人権監視団は、反政府勢力の支配地区に対する空爆が数十回に渡り行なわれたと発表しました。そして22日には、シリア政府軍が新たな攻撃目標を設定したことを表明しました。

激しい空爆により道路も寸断され、救出活動は思うように進んでいません。

ホワイト・ヘルメットなどの民間の組織が用意した救助用の設備の多くも、今回の空爆によりその多くが破壊されてしまいました。

 

9月23日タリク・アルバブ地区対する激しい空爆の後、損害を受けた施設を見上げる少年。(写真下・以下同じ)

シリア人権監視団は、19日に停戦が破綻して以降、政府軍の空爆により237人が死亡し、その中には38人の子供たちが含まれていると発表しました。

犠牲者のうち、162人が反政府勢力の支配地区であるアレッポ東部で死亡しました。

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9月24日アレッポ東部のタリク・アルバブ地区で、ホワイト・ヘルメットのメンバーがトラクターを使って救出活動を行う様子を見守る住民。

アレッポが内戦の主戦場になってから6年の歳月が経過しました。このシリア第2の都市では現在250,000人以上の一般市民が窮地に陥っていますが、アレッポ全域の奪還に成功すれば、バシャル・アル・アサド大統領の政府軍にとっては大きな勝利を手にすることになります。

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9月18日アレッポ市内の反政府勢力の支配地域カーム・ア・ジャバル地区、空爆による破壊の後。

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9月24日アレッポ市内の反政府勢力の支配地域の臨時の病院で治療を待つ男の子。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/failed-ceasefire-leads-heavy-bombardment-aleppo-n654691

 

【 高速増殖炉もんじゅ、莫大な国費をつぎ込みトラブルの連続 – ついに廃棄へ 】

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所要時間 約 6分

過去22年間に毎年200億円の維持費用をかけ、稼働できたのはわずか250日

使った以上のプルトニウムを生産するというもんじゅのシステムは、今日の日本においては逆に負担

 

山口まり/AP/ワシントンポスト 2016年9月20日

 

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2016年1月、日本海沿岸の福井県敦賀市に立つ高速増殖原子炉もんじゅ。

与党自民党の原子力関係閣僚会議の主要メンバーは、深刻なトラブルが連続して発生した高速増殖炉もんじゅについて、日本政府は廃棄することを検討すべきだと語りました。

もんじゅは核燃料のプルトニウムを燃焼させて発電を行った後使用済み核燃料として使用した以上のプルトニウムを生産する原子炉として設計され、天然資源に乏しい日本にとって『夢の原子炉』と言われてきました。

しかし1兆円以上の国費を投入して建造された原子炉は1995年の稼働後数か月で深刻な事故を起こし、以来ほとんど稼働することは有りませんでした。

そして原子力発電所の新たな安全基準に適合させるためには、さらに1兆円近い費用が必要だと見られています。(写真上)

 

9月20日火曜日、日本政府の原子力関係閣僚会議を前に、メンバーである与党自民党の閣僚が、深刻なトラブルが連続して発生した高速増殖炉もんじゅについて廃炉を前提に抜本的に見直すべきであると発言しました。

 

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もんじゅは核燃料のプルトニウムを燃焼させて発電を行った後使用済み核燃料として使用した以上のプルトニウムを生産する原子炉として設計され、天然資源に乏しい日本にとって『夢の原子炉』として建造されました。

しかし1兆円以上の国費を投入した原子炉は1995年の稼働後数か月で深刻な事故を起こして以来、ほとんど稼働実績がありません。

さらに福島第一原発の事故後導入された原子炉の新たな安全基準に適合させるためには、少なくとも数千億円以上の費用、膨大な作業量と時間が掛かると見られています。

「廃炉も含め一定の決断を下すべき時に来ている。」

自民党の政務調査会の茂木敏充会長はこう語りました。

茂木氏の発言は首相官邸で開催される原子力関係閣僚会議に先立って行われたものです。

 

閣僚会議には経済産業省、環境省、財務省、外務省などの主要閣僚が参加して行われますが、現在もんじゅは運営主体の選定すらままならない上、維持するだけで莫大な費用がかかるため、大勢の意見は廃棄に傾いていると見られています。

 

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茂木氏は過去22年間でもんじゅが稼働できたのはわずか250日であったにもかかわらず、年間約200億円の維持費用が必要であったと語りました。

茂木氏は第2次安倍内閣で約2年間経産相を務めました。

 

茂木氏はさらに建造されてから数十年が経過したもんじゅを、福島第一原発の事故後導入された安全基準に適合させるためにはさらに数千億円に上る改修費用が必要だともつけ加えました。

 

2011年3月に発生した福島第一原子力発電所の事故以降、日本では反原発感情がかつてないほど高まり、もんじゅに対する廃炉要求も高まり続けていました。

使った以上の使用済みプルトニウムを生産するというもんじゅのシステムは今日の日本においては逆に負担になっており、国内各所から集められた使用済みプルトニウムを備蓄している状況についても、核兵器開発の観点から国際的な懸念が高まっています。

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茂木氏はもんじゅの廃炉が決まっても、日本の核燃料サイクル計画そのものに変更は無いと語りました。

原子力発電所で使われる核燃料について、日本はすでにプルトニウムとウランの混合燃料であり、通常の原子炉でも使用できるMOX燃料が主流になっています。

 

https://www.washingtonpost.com/business/japan-official-calls-for-scrapping-of-troubled-monju-reactor/2016/09/20/039b2f86-7f1c-11e6-ad0e-ab0d12c779b1_story.html

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【 シリア、ホワイト・ヘルメットの最前線 】《5》

 

アメリカNBCニュース 2016年9月16日

 

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ホワイト・ヘルメットは、シリア国内で民間防衛を目的に一般市民によって組織されました。
彼らは、アサド政権の政府軍が無差別に投下するバレル爆弾とミサイル攻撃に対応する救助隊です。
2016年6月15日空襲で負傷した女の子を救い出し救急車に乗せるホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真上)

2016年4月17日アレッポに対する空襲の後、仮設の病院に負傷者を運び込むホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真下・以下同じ)
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2016年4月28日アレッポに対する空爆の後、瓦礫の中から赤ちゃんを救出するホワイト・ヘルメットのメンバー。
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2016年8月10日イドリブに対する空爆の後、消火活動をするホワイト・ヘルメットのメンバー。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/angels-front-line-syria-s-white-helmets-n649691

 

【「ドナルド・トランプはバカ者…」ブルース・スプリングスティーン 】

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所要時間 約 6分

バカ者が先導する差別を基本にした民族主義的な新右翼運動は、民主主義社会にとってきわめて危険

トランプが大統領候補として選挙戦を戦っているという現実だけでも、きわめて不愉快

 

ガーディアン 2016年9月24日

 

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伝説的ロック・ミュージシャンのブルース・スプリングスティーンはこれまでアメリカ大統領選挙からは距離を置いてきましたが、今回共和党大統領候補者のドナルド・トランプを「バカ者」と呼び、「悲劇」であると表現しました。

 

彼は音楽誌ローリング・ストーンの取材にこう答えました。

「今やアメリカは基本的にバカ者たちによって包囲されています。誇張でも何でもなく、これは私たちの民主主義社会にとって悲劇です。」

スプリングスティーンはトランプを「非常に複雑でデリケートな状況に対し、乱暴で単純すぎる解決法を提案している。」として非難しました。

「彼が大衆を動かそうとしている基本的考え方は、きわめて危険なものです。白人国家主義、そして新手の右翼運動と呼ぶべきものです。」

そしてスプリングスティーン自身の考えとして、彼はヒラリー・クリントンが「非常に優れた大統領」になるだろうと語りました。

 

このインタビューと別に、ノルウェーとスウェーデンでそれぞれ別のトークショーに出演したスプリングスティーンは、今回の共和党大統領候補をアメリカ合衆国の恥だと語っていました。

スプリングスティーン自身、数多くの作品の中でアメリカの労働者階級の窮状や悲哀をドラマティックに表現してきましたが、だからなおさら経済的に不安定な立場の人々の目にトランプが「非常に魅力的」に映ったかを理解できると語りました。

 

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「トランプの言っていることの中身のバカバカしさは漫画以上のものです。しかしトランプはホワイトハウスに入る資格を現実にその手に持っています。この状況には神経質にならざるを得ません。」
スプリングスティーンは出演したトークショー番組でこう語りました。
「私は最終的に大統領選挙で勝利するとは考えていません。アメリカ人ならトランプが大統領候補として選挙戦を戦っているという現実だけでも、きわめて不愉快なものです。」

 

「トランプは有権者が『聞きたがっていること』を探し出し、それを演説で取り上げることに実に巧みです。
その中には『アメリカに褐色の肌を持った人々が入り込むこと』について、不快に感じる人々の感情も含まれています。」
「アメリカ合衆国にはいくつか特有の問題が存在します。富の再分配の著しい不平等です。その事実が民衆を扇動する際、格好の材料になるのです。」
スプリングスティーンがこう続けました。
「トランプはこの複雑な問題について、単純明快な答えを示して見せるのを得意にしています。」

 

スプリングスティーンは彼の伝記『明日なき暴走(Born to Run)』が9月末に発売されるのを前に、トークショウに出演しました。
伝記にはニュージャージーで過ごした幼少期から、ニューヨークに出て名声を掴むまでが記されています。

 

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スプリングスティーンは精力的にステージを務めることでも知られ、さらにその作品の幅の広さで長い年月、多くの熱心なファンの心をつかんで来ました。
今回の大統領選挙でトランプの有力な後援者となっているニュージャージー州知事のクリス・クリスティもその一人です。

スプリングスティーンは長年彼の音楽は自分自身を表現するためのものだと語ってきましたが、2004年、ジョージWブッシュからホワイトハウスを奪還しようとして失敗したジョン・ケリーの選挙運動に協力して以来、その政治的立場をオープンなものにしていました。

 

https://www.theguardian.com/music/2016/sep/24/bruce-springsteen-calls-donald-trump-a-moron

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掲載途中の【 自らを致命的危機に陥れる、人類最悪の選択 】《3》は、時事的話題を取り上げた後、9月30日に掲載の予定です。

 

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【 シリア、ホワイト・ヘルメットの最前線 】《4》

アメリカNBCニュース 2016年9月16日

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2015年10月3日イドリブ、ロシア空軍のと見られる空爆により死亡したメンバーを悼むホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真上)

2016年7月17日アレッポ、アサド政権のものと見られる空爆の後、倒壊した建物の中から負傷した青年を救い出すホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真下・以下同じ)

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2016年8月6日アレッポ、3週間に渡るアサド政権の政府軍の包囲から解放され、喜ぶホワイト・ヘルメットのメンバー。

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2016年6月12日イドリブ、空爆による倒壊現場から車を移動させるホワイト・ヘルメットのメンバー。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/angels-front-line-syria-s-white-helmets-n649691

【 自らを致命的危機に陥れる、人類最悪の選択 】《2》

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所要時間 約 10分

私たちが体験させられたのは、7年に1回という割合で原子炉のメルトダウンが発生するという事実
スリーマイル~チェルノブイリ~フクシマ、悪化を続けるゲンパツ事故の状況

 

アーニー・ガンダーセン

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 2016年7月29日

スリーマイル島の事故が発生してから35年が経ちますが、この間地球上でチェルノブイリ、フクシマと原子炉のメルトダウンが5回発生しました。
35を5で割ってみましょう。ロケット工学の話をしているのではありませんよ、ただの割り算です。
7という数字が出てきました。
スリーマイル事故以降、地球上では7年に1回の割合でメルトダウンが発生したことになります。
10年以内に1回の割合で原子炉のメルトダウンが発生する、これは歴史が証明するものです。
これに対し、原子力行政に関わる官僚や原子力規制委員会、原子力産業界 - いわゆる原子力ムラなどは当時の政治家たちにどう説明していたでしょうか?

メルトダウンのような事故が発生する確率は、100万年に1回だと語っていたのです。

現在世界には400台の原子炉がありますが、100万年を400で割ると2,500、つまり2,500年に1回の割合の発生確率になります。

 

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現実には私たちは7年に1回の割合で原子炉のメルトダウンが発生したことを知っているわけですが、原子力行政というものは判断基準に2,500年に1回の発生確率の方を採用しているのです。
これが原子力ムラによって議論が本来あるべき形から歪められてしまった典型的な例であり、残念なことに国会議員たちにもその影響がモロに及んでいます。
しかし原子炉というものが7年に1回の割合で事故を起こすものだと解っていたら、いったい誰がディアブロキャニュオン原子力発電所の稼働継続を認めるでしょうか?

第1の問題はまさにここにあります。
原発に関わる行政機関の官僚や政治家たちは同じ土俵で物事を考えていますが、真実はそこには無く別の土俵の上にあるのです。

 

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そして第2の問題です、事故は悪化しているという事実についてです。
原子力災害はより一層ひどいものになっています。
私自身も当事者になったのが、最初の事故であるスリーマイル島の災害です。
これは部分的なメルトダウンでした。
この写真を撮ったチームについてお話しますが、原子力業界の思考法について話すことは、興味深いことかもしれません。
これは事故の約1年後に行われたのですが、私自身もその場に居合わせました。
撮影は原子炉の上部から内部にカメラを降ろす方法で行われました。
これからお話するのは、その時のスタッフから直接聞いた実話です。

 

スリーマイル事故
彼らは何メートルカメラを降ろせば炉心に到達できるのか把握していませんでしたが、とにかく撮影用のカメラを降ろしていきました。
撮影した結果、炉心は写っていませんでした。
彼らはどうやら測定する高さを間違ったようだと話し合いました。
そこでカメラを吊り下げるワイヤーの長さを調節し、再びカメラを原子炉の中に降ろしていきました。
そして撮影した結果やはり炉心は写っておらず、確かにこの長さの場所に炉心があるはずなのに、測定に何か問題があるために撮影できないと話し合いました。
そして三度カメラを原子炉内に降ろしましたが、今度は撮影を担当していた人間がこう言ったのです。
「なんてことだ!メルトダウンだ!」

 

スリーマイル炉心
そして事故発生から2年間、大量の放射性物質を散々まき散らした挙句、この写真の存在が明るみに出るまで原子力産業界はスリーマイルの事故がメルトダウンだとは認めようとしなかったのです。
これは原子力産業界の体質を如実に物語るエピソードです。

そしてメルトダウンによって社会には重要な問題は起きていないという説明が行なわれました。
しかし現場に立ち会った原子力産業界の関係者も、実は健康被害を受けていたはずです。
けれども米国原子力規制委員会のホームページには、スリーマイル島の事故で健康被害を受けた人間はいないとされています。
もちろん、原子力産業界の見解も同じです。

ここにあるのは、スティーヴ・ウィング博士の手になる資料です。
示されているのはサスケハナ川とスリーマイル島の図面です。
スティーヴ博士が行なったのは、スリーマイル島の事故から10年後の全人口に占める肺がんによる死亡者の割合のデータの検証でした。

 

スリーマイル原発01
博士の研究は谷あいに暮らす人々の肺がんの発症割合が、丘陵地帯で暮らす人々よりはるかに多いことを明確に証明しました。
なぜそうなったのでしょうか?
スリーマイルの事故が起きた時、原子力災害の発生時、すなわちメルトダウンが発生した時点で大気の気温逆転現象が発生し、放射性物質が谷あいに閉じ込められる現象が発生したのです。
しかしこのことを原子力産業界は認めず、スティーヴ博士は多くの批判にさらされることになりました
しかし博士の研究は間違いなく事実を語っています。

スリーマイルの事故によって死者が出たのは紛れもない事実です。
この写真はチェルノブイリの原子炉の炉心が溶けだした様子を撮影したものです。

 

チェルノブイリ象の足
その形状から『象の足』と呼ばれています。
この写真は事故の約1年後にロボットを使って撮影されました。
この場所はもし私たちがいたら2分間のうちに死んでしまうほど、放射線量が高くなっています。

 

チェルノブイリ象の足02
これは『象の足』がいまだに極めて高濃度の放射線を発しているという事実を証明しています。
さて私たちはスリーマイル、チェルノブイリともに災害発生から2年以内に撮影された炉心の状況をこの目で確認しました。

さて、私たちはチェルノブイリの原子炉力災害によりヨーロッパ全域が深刻な放射能汚染に見舞われたという事を知っています。
アレクセイ・ヤブロコフ博士は、チェルノブイリが放出した放射性物質によって100万人以上が死亡したと計算しました。
これに対し国際原子力機関(IAEA)が試算した死亡者の数は約40人です。
きわめて大きいくい違いが、そこにはあります。

それでは福島第一の問題に移りましょう。

 

〈3に続く〉
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//world-in-danger
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原発の継続については人間の安全を深刻に脅かすということは、ガンダーセン氏が繰り返し指摘してきたことです。

ガンダーセン氏が指揮した事実は、福島第一原発の事故後、数年を経て国内研究者の手で現実になっていることが次々証明されています。[<原発事故>屋内汚染 原発距離と比例せず - http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201606/20160602_13020.html など]

そして今、原発は後始末にも莫大なカネがかかるという事が顕在化して来ています。

 

河北新報の記事[<原発賠償>東電、政府に負担要請へ - http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201607/20160729_63053.html ]を始め、福島第一原発の事故収束・廃炉作業の費用が国民に巡ってくることになりました。

そしてすでに1兆円以上の国費をつぎ込んだもんじゅ。この解体・廃炉作業についても国民が負担することになります。

日本の人口1億2,000万として、もんじゅには国民はすでに一人当たり1万円の支払いを求められたわけですが、今後解体・廃炉のためにそれ以上の支出を求められる可能性があります。

黙っていたら、自分たちに対する理不尽な要求が次々に正当化されることになりかねません。

 

それでも失った金は、働けば再び手に入れることもできます。

しかし命や民主主義は、そういうわけにはいきません。

 

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【 シリア、ホワイト・ヘルメットの最前線 】《3》

アメリカNBCニュース 2016年9月16日

 

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2014年7月27日アレッポ、空爆の後生存者の捜索をするホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真上)

 

2016年3月8日イドリブ、「バシャル・アル・アサドがこの国を出ていくまで、シリア国内の戦争は終わりません。」ホワイト・ヘルメットの21歳のオマール・アルワンがこう語りました。(写真下・以下同じ)

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2016年5月14日イドリブ、ホワイト・ヘルメットが行なっている戦闘地域で身を護るための特別授業に参加する子供たち。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/angels-front-line-syria-s-white-helmets-n649691

【 自らを致命的危機に陥れる、人類最悪の選択 】《1》

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所要時間 約 10分

フクシマの事故は過去形ではない - 人間が作り出した、未だに続く、世界的規模の原子力災害である
原発関連の事故・トラブルは公式に報告されているよりも、はるかに多くの件数が発生している

 

アーニー・ガンダーセン

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 2016年7月29日

 

福島第一原発が引き起こした原子炉のメルトダウン事故は、現在稼働している別の原子力発電所についてどのような危険が存在することを私たちに示唆しているのでしょうか?

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイションのチーフ・エンジニアであるアーニー・ガンダーセン氏にご登場いただきます。

 

アーニー・ガンダーセン :
私が今日みなさんにお話したいのは、原子力発電に関する議論について原子力産業界がいかに自分たちに都合よく誘導を行っているか、という点についてです。
ここに一冊の本があります、題名は『Don't Think of An Elephant!(象のことなんか考えるな!- 象は米国民主党のマスコット。右派保守派の政治家たちの議論の手法について解説した本)』。
議論を始める際には、象、すなわち相手の立場を考えてはいけません。どうやって相手を自分の土俵に引き込むかを考えるのです。議論は通常、その土俵を作った側が勝つことになるのです。
私たちは反原発主義者というレッテルを貼られ、それで議論が終わったことにされてしまいます。

例を挙げましょう。
この文章のどこが間違っているでしょうか?
『福島第一原子力発電所の事故は、2011年3月11日に発生しました。』
事故?それも間違いのひとつです。実はこの短い文章の中には3つも誤りがあります。
過去形?そうです、災害はまだ続いているのです。

 

福島第一汚染水タンク

原子力産業界はフクシマについて語るとき、必ず過去形を用いますが、実際には太平洋に対する海洋汚染は現在進行形なのです。
この汚染を解消させるには100年という時間と5,000億ドルほどの費用が必要になりますが、原子力産業界は事故がすでに過去のものだと思わせたいのです。
①フクシマの事故は未だに続いているのであり②事故の規模は世界的なものです。
もしもあなたが車を運転している時に、飛んできたフクロウがフロントウィンドウに衝突してあなたがなにがしかのトラブルに見舞われれば、それは間違いなくアクシデント、事故に違いありません。
あなたはそうした事態を予見できなかったからです。

しかし日本の国会事故調査委員会は、これはアクシデントではないと結論づけました。
人間の手によるものだったからです。
まさに人間の手によって作りだされたものなのです。

技術者たちは、その可能性があることを40年前から知っていました。
フクシマという時限爆弾の導火線は1967年、福島第一原子力発電所が建設され始めた時に点火されたのです。
そして2011年、福島第一原発の原子炉建屋が爆発しました。
しかし福島第一原発の事故はアクシデントではありませんでした。
人間が作り出したのです。

東京電力・広瀬
事故はアクシデントではなく、人災でした。
私はフクシマに関する語彙の中からアクシデントという言葉を取り除こうとしましたが、長年原子力産業界のエンジニアであった私には、その表現がすっかり染みついてしまっています。
それに誰もが口をそろえてアクシデントと呼んでいます。
しかし実際には災害、フクシマの事故は人間の手から作りだされた災害なのです。

フクシマというのは本来美しい、すばらしい県を指す言葉でしたが、現在は多くの人が福島第一原発の事を指してこの言葉を使います。
福島第一原発は福島第二原発の約10キロ南にあります。
場所を比較するとカリフォルニア州と似たような状況にあり、福島第一原発同様の事故がカリフォルニアでも起きうる可能性があることが理解できるはずです。

福島第一原発の事故を正しく災害と表現することには、福島で暮らす人々にとって決して無意味なことではありません。

とにかく話を前に進めましょう。
お話ししたいポイントは4つあります。

汚染水タンク02
最初は原発関連のトラブルは、原子力規制委員会などの監視機関に公式に報告されているよりはるかに多くの件数が発生しているという事実です。
政治家は国民に対し過小な報告を行い、原子力産業界も実際の規模や件数を過少に報告していますが、実際にはもっと数多くの問題が発生し、その内容も深刻です。

時間の経過とともにこうした事故やトラブルの状態は悪化して行きました。改善では無く、悪化して行ったのです。
特に3度目の事故、福島第一原子力発電所は最悪でした。我々アメリカ人にとっては幸いなことに、福島第一原発の事故に比べればスリーマイルの事故は最悪とまではいきませんでした。
しかし福島第一原発が放出した放射性物質はここアメリカの西海岸やカリフォルニアにまで到達しました。
放射能に国境線など無いという事実を証明することになりました。

私の生涯を振り返ってみると、大学を卒業したばかりの私が見ていた事実というものがあります。
その時私の視界にあったものは、原子力工学の学問がそのまま生かせるような世界だったはずです。
その時の私は今ここに立っている私よりも希望に輝いていたかもしれませんが、決して賢明では無かったと思います。
年齢を重ねることによって私の脳は少々退化したかもしれませんが、知恵深くなりました。
そして40年を超えて原子力の世界に身を置いてきた間の体験というものがあります。

 

chernobyl01
私たち人類はまず、スリーマイル島の事故で部分的なメルトダウンに遭遇しました。
続いてチェルノブイリで完全なメルトダウンが発生しました。
そして私たちは、福島第一原発1号機の完全なメルトダウン、2号機の完全なメルトダウン、3号機の完全なメルトダウン、それが同時に発生するという未曾有の事故に直面させられることになったのです。

 

《2》に続く
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//world-in-danger
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8月の新聞紙面に『もんじゅ』の敷地の地下にあるのは活断層ではないと有識者会議が結論を出し、原子力規制委員会がそれを受け入れたという記事がありました。
活断層かどうかという議論より、もんじゅをこれからも動かすつもりなのか?!ということの方に衝撃と怒りを感じました。
今日からご紹介する稿にある通り、「もんじゅを今後も存続させる」ということを前提条件に議論の設定をしてしまっています。
しかし、福島第一原発の事故後の国民的議論においては、もんじゅはもうやめるべきだという意見が大勢を占めていたはずでした。
原発のように、巨大な利権が絡み、膨大な数の利害関係者が群がる事業は、ちょっとでも監視の目を緩めるとこうなるのだということを如実に証明する報道でした。

 

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【 シリア、ホワイト・ヘルメットの最前線 】《2》

アメリカNBCニュース 2016年9月16日

 

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2016年9月1日ハマ北部のスーランから脱出する途中、政府軍のものと思われる攻撃によって炎上する車の中から生存者を救出しようとするホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真上)
ボランティアのネットワークによって運営されているホワイト・ヘルメットは、現在政府軍のものとみられる攻撃から市民を真っ先に救出し続けています。

 

2016年1月9日、イドリブ地区の反政府勢力が実効支配するマーレト・アル・ヌアンに対しロシア軍とみられる空爆が行われた際、死亡した幼児を抱えて歩くホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真下・以下同じ)

彼らの活動は常に命がけです。メンバーを構成するのは大工や学生、教師や弁護士などです。

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2014年7月27日、アレッポ市内で救出活動中に、続けて行われた攻撃により瓦礫の間に埋もれ脱出できなくなったホワイトヘルメットのメンバー。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/angels-front-line-syria-s-white-helmets-n649691

【 戦争される側から見た9.11後の世界 – 大義なき戦争が世界を滅ぼす 】《後篇》

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所要時間 約 10分

『テロとの国際社会の戦い』が始まって以来、いったい何万人の無関係な市民が殺されてしまったか確かめようも無い

外国軍隊による直接的な軍事行動は、アルカイダとISILが勢力を拡大するための理想的な環境を作りだしている

貧困や差別に目を向けることもいないまま、『積極的平和主義』などという愚劣なスローガンを振り回すな

 

ラミGホーリ / アルジャジーラ 2016年9月11日

 

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▽ 「安全保障を最優先」する考えが生んだ地獄

 

9.11の攻撃があって以降、世界各地で起きているテロや戦争が安全保障を何よりも優先させるという考え方が生まれ、アラブ地区アジア地区固有の政治状況や社会経済状況が完全に無視され続けることになりました。

その結果、それぞれの場所でテロリストを生む土壌が形成され人々が苦しむことになるという悪循環に陥っています。

その図式はこうです。

過酷な状況に追い込まれた数百万数千万の人々が自暴自棄になり、拡大と繁殖を続けるテロリスト犯罪集団に身を投じるか、それを支援する立場に身を置くようになったのです。

 

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今日最も悩ましい問題は、これらの恐怖組織を育てる大量の市民の不意や不満の根本原因となっているひとつひとつの問題について解決や改善に向けた取り組みが始まるどころか、この15年間で一層悪化してしまったという事実です。

中でも目につく具体的状況が、アラブ地区アジア地区における一般市民に対する政治的抑圧、絶え間なく続いている戦争状態、生活環境の著しい悪化、破壊される民族や宗教の融和、停滞するか悪化する就職状況、一層極端になる経済格差と貧困層の増大、経済成長の速度を上回る勢いで増加する人口、残虐さを増す政権側暴力とそれに報復するように拡大する反政府勢力の暴力、双方を支援する外国の軍事介入の規模拡大と恒常化、何もかもが悪化する一方です。

 

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2001年に始まった外国軍隊による直接的な軍事行動は、無人機による継続的な攻撃も含め、アルカイダとISILが勢力を拡大するための理想的な環境を作りだしているのです。

外国の軍隊による直接的な軍事行動が多くの市民を憤慨させた結果、アフガニスタン、パキスタン、イエメン、ソマリア、シリア、イラク、そしてリビアなどでは国家としての機能が分断され、安全も何もすべてがめちゃくちゃになってしまいました。

 

その結果人々の意識はどう変わったでしょうか?

こうした場所で行われた信頼に足る世論調査によれば、アラブ世界の5~8パーセントの人々がアルカイダまたはISILに対し、好意的な見方をするようになったのです。この数値は地域によっては15パーセントに達します。

5%という数字は一見すると少ないものですが、実際には約2,000万人のアラブ人がシリア、リビア、イエメン、イラクなどの破壊が繰り返されている場所でそれぞれの戦争を続けている、アルカイダやISILその他数百に上る先頭集団に対し好意的な目を向けているという事実を意味するのです。

 

イラク米軍

これに加えて発生している新たな問題が『ジハードの国際化』です。

現代版ジハードはアフガニスタンとパキスタンで過激化し、それがシリア、イラクに移動し、そして今はこれらの拠点が『後方支援』をする形で世界に広がり、その『戦士』の新メンバーもまた国際社会から供給され、その仕組みも強化されつつあります。

 

▽ 悪化する一方の事態

 

そして普通のイスラム教徒を悪魔化し、屈辱を与え続けるがごとき西側社会の行動が事態をより一層悪いものにしています。

アラビア語しか話せない人間はアメリカ国内では航空機を利用することが出来ないことに始まり、ひとりのイスラム教徒が引き起こした銃乱射事件が憎悪を生むなどした結果、大統領選の候補者がアメリカ社会の『安全保障』のためイスラム教徒の排除を繰り返し訴える事態まで、反イスラムの動きが先鋭化しています。

西側社会でのこうした状況は、外国軍隊の直接的な介入を受けている国々、そしてそれらと同盟関係を持つアラブ・アジアの強権的な政府の弾圧に苦しむ人々が、ジハード戦士を支援する背景を作りだしているのです。

 

難民07

アメリカ史上最長の戦争が続いているイラク、シリア、アフガニスタンでは2011年以降、アメリカ人兵士とその関係者が10,000人以上死亡し、50,000人が負傷しました。

そして『テロとの戦い』が続く中東から南アジアにかけての12カ国で、いったいどれだけの現地の市民や兵士が死傷したかについては、その数はまったくわからないのです。

 

西側先進社会の価値観の中では、彼らの南側で暮らす白人以外の犠牲者の数は正確な計測の必要すらないようです。

これが『テロとの国際社会の戦い』の基本理念なのです。

 

この有様ではテロ集団の勢力が拡大に拡大を続け、戦争が果てしなく続いて終る様子が無いことも仕方がないように思えてきます。

 

Day07

そして9.11の15年後の今日、アメリカ人は解決への糸口を見いだせないことにより、なお一層軍事行動への依存を高め、これまで以上に、そして日を重ねるごとにテロへの恐怖を大きくし続けているのです。

 

〈 完 〉

※この稿の筆者であるラミ氏は、ベイルートのアメリカ大学のイッサム・ファレス研究所のシニア・フェローであり、ハーヴァード大学ケネディ・スクールの外部シニア・フェローです。

http://www.aljazeera.com/indepth/opinion/2016/09/911-terror-militarism-war-fear-160911055050615.html

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20日付の西側各国の主要メディアは、ニューヨークの爆破事件の続報をトップで伝えています。

まさにこのアルジャジーラの記事が伝える通りのことが、また現実になりました。

アメリカの中には戦場で使うような兵器を買い込んで、全米ライフル協会が主張する『悪漢どもの襲撃』に備えようとしている家庭もありますが、テロリストはいちいち宣戦布告して攻撃を仕掛けてくるわけではありせん。

姿を隠したまま誰も知らぬ間に密かに爆弾等を仕掛けていく相手に対し、しこたま銃器を買い込もうとする、あるいはさせるそのやり方は愚劣以上のものです。

 

積極的平和主義に必要な軍備、そのための金額を貧困の撲滅や格差を解消するための現地の教育機関の充実のため使えば、人類は正しい答えに近づくことができるはずです。

家族も家も仕事もあって、それを生きがいと感じる人間が、捨て鉢のテロリストに志願する動機を持つでしょうか?

 

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【 シリア、ホワイト・ヘルメットの最前線 】《1》

アメリカNBCニュース 2016年9月16日

 

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ホワイト・ヘルメットは、シリア国内で民間防衛を目的に一般市民によって組織されました。
彼らは、アサド政権の政府軍が無差別に投下するバレル爆弾とミサイル攻撃に対応する救助隊です。

2014年6月2日アレッポに対する空襲の後、子供たちを救い出すホワイト・ヘルメットのメンバー。(写真上)
2016年9月10日アレッポに対する空襲の後、破壊された建物のがれきの下から救い出された女の子を運びだすホワイト・ヘルメットのメンバー。彼らはシリアで果てしなく続いている残酷な戦争の惨禍から市民を助け出すため、毎日、命を賭けています。(写真下・以下同じ)
ホワイト・ヘルメットのメンバーはこれまで60,000人に上る人々の救助を行いました。
彼らは今年のノーヘル平和賞の候補に挙がっていますが、彼らに授賞するよう求める嘆願書には、ハリウッドの有名スターを始め130,000人が署名しています。

 

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5歳のオムラン・ダキーシュ、2016年8月17日、アレッポで空襲受けた建物から引き出され救出された直後、救急車に乗せられました。
ホワイト・ヘルメットがオムランを救出した際に撮影されたこの写真は世界中に衝撃を与え、ホワイト・ヘルメットの名は8月世界的に有名になりました。
血まみれのうえ埃まみれのまま呆然とする男の子の写真は、シリアにおける内戦がいかに凄惨なものかを端的に伝えることになりました。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/angels-front-line-syria-s-white-helmets-n649691

【 戦争される側から見た9.11後の世界 – 大義なき戦争が世界を滅ぼす】《前篇》

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所要時間 約 8分

国際テロの根本原因を解明しなかった人類は、一層愚かな選択を行った

増殖を続けるテロ集団と終わらない戦争、それを始めさせたのは大国の官制暴力

『テロとの国際社会の戦い』に対する反作用は12カ国でテロ事件を誘発、数えきれない一般市民の犠牲者を作りだした

 

ラミ・G・ホーリ / アルジャジーラ 2016年9月11日

 

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テロリズムはそれ自体忌むべきものです。

しかし人々や政府機関がこの問題に対処しなければならない時、理性や計算を忘れ、暴力に対抗するには暴力しかないと結論した挙句、テロや戦争を拡大し恒久化させるようなことがあれば、事態はなお一層悲劇的なものになってしまいます。

しかしアルカイダによるアメリカへの攻撃・9.11同時多発テロの発生から15年が過ぎた今、それは間違いなく現実のものになってしまいました。

 

2001年9月11日、私はボストンにいましたが、今週再びボストンに滞在しています。

ボストン市民のあいだには、奇妙な組み合わせによる複雑なムードが漂っています。

軍国主義的な勝利主義、混沌とした政治状況、そして新たなテロ発生に対する恐怖です。

国内での世論調査の結果、アメリカ国民の5割が新たなテロ発生に対し懸念を抱いていることが明らかになりました。

 

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2001年の同時多発テロは、この地球上の人類のバランスシートを概ねネガティヴで恐怖に彩られたものに変えてしまったことは、もはや疑いようのない事実のようです。

 

2001年同時多発テロ以降のアメリカの行動記録を検証すると、ひとつの到達点が見えてきます。

 

9/11からテロリズムに対するアメリカの行動のチェックは、1つの非常に大きい業績をきろくしました。: 米国、そして世界各国はテロ防止対策を徹底的に強化し、2001年以降アメリカ本土におけるアルカイダ、あるいはISIL(別名ISIS)による組織的テロ攻撃は発生していません。

 

▽ ネガティヴなバランスシート

 

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しかしそれ以外の状況は悪化しました。

テロを生み出す土壌と政治状況が悪化する一方、アラブの地の中心部におけるアルカイダとISIL(別名ISIS)のテロの遂行能力と組織規模は、この15年間で確実に大きくなってきたのです。

 

アルカイダとISILに対する武力攻撃の内容と規模の拡大、そしてアジアからアラブに架けたイスラム社会における政治的抑圧と社会情勢の悪化が進めば進むほど、テロリスト達の勢力が拡大していくという皮肉な結果を生みました。

 

アメリカとその同盟諸国、西側各国からアジア、アラブの親米国家は過去20年間、テロリストたちに対し、お決まりの軍事作戦を秘密裏に進めてきましたが、アルカイダもISILもアラブの地から根絶やしにすることはできませんでした。

 

シリア難民10

事実、アメリカが主導する軍事攻撃『テロとの国際社会の戦い』に対する反作用は、12カ国においてテロ事件を誘発し、数千人に上る一般市民の犠牲者を作りだしました。

 

一時は追いつめられたアルカイダも今や息を吹き返したどころか勢力範囲を一層拡大させてしまい、さらに残虐なISIL(別名ISIS)を生みだし、まるでフランチャイズ・チェーンのように世界中に触手を広げ、各国で無差別テロを繰り返す一匹狼のテロリストを作りだしそのバックアップをしています。

 

2001年の同時テロを目の当たりにした私は、当時のアメリカの一般市民、そして政府関係者の反応がだいたい3通りに分かれていることに気がつきました。

 

アメリカ人の多くは、なぜアメリカがアルカイダが行なったような攻撃を受けることになったのか、その理由が解らずに混乱していました。

彼らは文献を検証するなどしてイスラム教を理解するための努力を重ね、なぜ一部のイスラム教徒が犯罪者と化したのか、理由を突き止めようとしました。

 

ブッシュイラク戦争

そしてアメリカはその手に持った巨大な軍事力をアフガニスタンに対し、最大規模で行使したのです。

さらにその18ヵ月後には、イラクに対し大規模な攻撃を仕掛けました。

それは、国際的なテロ行為に対する20世紀で最大規模の、そして最も長期に渡る軍事作戦に拡大しました。

なぜそこまで大規模な軍事作戦が必要だったのか、公平な立場のアナリストやオブザーバーによって解明されなければならないはずですが、それはアメリカ社会においても、アラブ社会においても、公の議論が行なわれた事はありません。

 

〈 後篇に続く 〉

※この稿の筆者であるラミ氏は、ベイルートのアメリカ大学のイッサム・ファレス研究所のシニア・フェローです。

http://www.aljazeera.com/indepth/opinion/2016/09/911-terror-militarism-war-fear-160911055050615.html

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やっと【星の金貨】オリジナルサイト( kobajun.chips.jp/ )のウィルス駆除が完了、グーグルに再審査を求めブラックリストから外してもらうことができました。
色々ご迷惑をおかけし、大変申し訳ございませんでした。
これで、パソコンの方は警告が出なくなったと思います。
当面は【星の金貨NEW】( kobajun.biz/ )と内容を同期させながら、掲載を続けてまいりますが、【星の金貨NEW】の方がセキュリティレベルが高くなっていますので、できればこちらをご利用ください。
これからもよろしくお願い致します。

 

私はビン・ラディンが「殺害」された時、なぜ逮捕・拘禁ではなく特殊部隊による射殺なのか釈然としませんでした。
法による秩序が否定されてしまったと感じたからです。
私たちが暮らす社会の平和は法によって秩序づけられているのか、それとも『力』によってそれがなされてしまうのか?
不幸に突き落とされる人を一人でも少なくするために、私たちはどちらを選ぶべきなのでしょうか?

 

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【 9月14日の報道写真から 】

アメリカNBCニュース 9月14日

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台湾南部に襲いかかった台風14号。14日の高雄市内。(写真上)

9月15日、倒壊した高雄港のブリッジ・クレーン。(写真下・以下同じ)

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http://www.nbcnews.com/slideshow/typhoon-meranti-strikes-southern-taiwan-n648456

【 核兵器を振り回す無法者、キム一家に振り回される世界 】

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所要時間 約 7分

核兵器はキム一族による北朝鮮支配を正当化し、生き残るために大切な道具

問題を根本的に解決するには、他の問題をとりあえず後回しにし、アメリカと中国が連携することが不可欠

 

エコノミスト 9月9日

 

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北朝鮮は何であっても世界的ルールに束縛されることを拒否しています。

世襲制に基づき独裁者の地位に就いたキム・ジョング・ウンは、何十万もの自国民に強制労働を強いながら、韓国の首都を火の海にしてやると脅迫を繰り返しています。

核兵器は金一家が支配する意義を証明し、生き残るための大切な道具です。

 

アメリカや周辺諸国にとって、たとえ北朝鮮との交渉がうまくいったところで何か利益が得られるわけでもなく、多くの国で自然とこの問題は後回しになってきました。

北朝鮮の核開発計画への対応の失敗はジョング・ウンの父親、キム・ジョン・イルが1993年に核拡散防止条約(NPT)から脱退すると脅迫したことが始まりでした。

 

これに対し2010年、米国のオバマ大統領が世界に向け『核兵器の無い世界』の実現を訴える演説を行い、一時は世界を楽観的ムードが支配しました。

オバマ大統領が始めたキャンペーンはロシアとイランを拡散防止協定に加盟させ、さらには核安全保障国際サミットを開催するなど他の場所では成功しましたが、唯一北朝鮮を屈服させる事だけは失敗に終わったことが明らかです。

オバマ大統領の任期が終わろうとしている現在、北朝鮮の核兵器・弾道ミサイル開発問題の危機的状況は日々深刻さを増しています。

現在北朝鮮は20基の核爆弾を保有していると見られていますが、6週ごとに1個ずつ増えています。

 

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2016年に入り北朝鮮は前例のないペースで、立て続けに弾道ミサイルのテストを実施しました。

1月には4回目となる核実験を行い、北朝鮮は『水爆実験に成功した』と宣言しました。

しかしその実態はより威力を増した原子爆弾だと見られています。

その後何回か弾道ミサイルの発射実験を繰り返した後、9月9日に5回目の核爆発を実行しました。

 

北朝鮮は自国のノドン・ミサイルへの装着が可能になる程核弾頭の小型化に成功したと誇らしげに宣言しましたが、アメリカと韓国、両国の当局もその可能性を否定しませんでした。

そして9月5日には改良型の3種のミサイルが日本海西方に着弾しました。

 

北朝鮮が保有するミサイルは韓国と日本を射程内に収め、沖縄やグアムの米軍基地への攻撃を可能にしました。

そして今、北朝鮮のミサイル技術が射程距離を伸ばし、射程を拡大している兆候が見られ懸念が大きくなっています。

 

北朝鮮は今年4月、4,000キロメートルを射程圏内に収める中距離弾道ミサイル、ムスダン3発の発射実験に失敗しました。

しかし北朝鮮のエンジニアは自らの失敗について学習しました。

そして早くも6月には追加実験が行なわれ、部分的に成功していました。

 

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そしていよいよKN-08大陸間弾道ミサイルの発射テストが始まる可能性があります。

その技術開発のスピードから考えると、オバマ氏の後継大統領が2期目を勤める頃には、ミサイルをニューヨークに着弾させる技術をものにすることになるでしょう。

アメリカはそうした技術が実用化される前に北朝鮮の核ミサイルを押収するか、破壊する計画を立案する必要に迫られることになります。

その場合中国の協力、最低でも黙認が重要な要素として浮上することになります。

 

北朝鮮の脅威は増々大きくなり、緊急性も増しています。

アジア各地で角を突き合わせているライバル同士であるアメリカと中国が、まずはこの問題を解決するための新たな連携の道を見つけなければならないことは明白です。

 

★図表や地図をクリックしても大きな画像が表示されない場合は、下記のオリジナルサイトでご覧ください。

http://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2016/09/troubling-trajectory?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227

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【 アメリカの核爆弾搭載爆撃機、朝鮮半島上空へ 】

 

アメリカNBCニュース 9月14日

 

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北朝鮮は米国がB-1爆撃機に朝鮮半島上空を飛行させたこととについて『無謀な脅しだ』と激しく非難しました。

2機の核弾頭搭載可能な米国B-1B爆撃機は9月12日夜間、朝鮮半島を横断しました。

この飛行には米国のF-16戦闘機と韓国のジェット戦闘機が護衛としてついてしました。

この飛行は、先週北朝鮮政府が行なって世界中から非難を浴びた核実験に対する、アメリカ側の示威行動であることははっきりしていました。

北朝鮮は直ちに国営メディアを通じて次のように述べました。

「米国の帝国主義者は、我が国の核実験の成功に慌てふためき、見境が無くなっている。B-1B爆撃機によって全面核戦争を行う準備が出来ていると脅迫している。」

 

また朝鮮中央通信によって発表された公式声明は、アメリカが北朝鮮による核実験を「挑発」と決めつけ、「先制核攻撃を開始する機会」を作るための「口実」としていると非難しました。

そしてアメリカが、「刻一刻、挑戦半島を危機的状況に追い込み、暴発させる『きわめて無謀な』行動をおこなっている」と伝え、「北朝鮮は厳しく状況を見極めるであろう。」と続けました。

「アメリカは、軽率な行動は止めた方がよい。」

声明はこう警告しました。

 

http://www.nbcnews.com/news/north-korea/north-korea-blasts-u-s-b-1-bomber-flyover-bluffing-n648026

【 安倍首相はフクシマの現状についてウソを言っている 】

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所要時間 約 8分

小泉純一郎元首相が、福島第一原発の事故収束・廃炉作業が順調に進んでいるという安部首相の説明に異議

原子力発電が最も安全で、クリーンで、そして最も安価な発電手段であると主張する業界の専門家たちにだまされてはいけない

 

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 2016年9月7日

 

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日本の小泉純一郎前首相は、最悪の原子力発電所事故を起こした福島第一原子力発電所における事故収束・廃炉作業の状況について、安倍晋三現首相が『順調に進んでいる(under control)』と国際社会に対して説明したことについて、「うそつき」であるとラベルを貼りました。

 

小泉首相は2001-06年の在職期間、戦後最も人気の高い首相のひとりになりましたが、現在は第一線を退き、同じ保守政党の政治家であり、当然小泉氏の後継首相に選任されると見られていた安倍首相が現在進める日本国内の原子力発電所の再稼働政策に公然と反対の立場をとっています。

 

安部首相は2013年9月、ブエノスアイレスで開催された国際オリンピック委員会(IOC)で演壇に立ち、東京が2020年の大会の開催権を得る直前、福島第一原子力発電所における事故収束・廃炉作業状況が「順調である(under control)」との見解を明らかにしました。

福島第一原発の事故では十万を超える周辺住民が避難を強制されたまま2年以上が過ぎていましたが、IOC当局は福島第一原発の指揮内に莫大な量の高濃度汚染水が溜まり続けているという報告に懸念を募らせていました。

 

安倍首相02

「順調だ(under control)と語った際、安部首相は事実を偽っていました。」

小泉元首相は東京で記者にこう語りました。

そして福島第一原発を管理する東京電力が、地下水の流れ込みによって大量の高濃度汚染水が作られ続けている状況を改善するため、高額な費用をかけて凍土遮水壁が建造されている問題に触れながら、こうつけ加えました。

「状況は決して順調でありません。」

「東京電力は凍土壁を建造することにより問題を解決できると言っていますが、実際に出来ていません。」

 

さらに小泉元首相は天然資源に乏しい日本にあって、原子力発電が最も安全で、クリーンで、そして最も安価な発電手段であると主張する業界の専門家たちにだまされているのだと続けました。

「安部首相は原子力産業界の専門家の話を信じています。私も首相時代、彼らの言ったことを信じていました。安倍首相は賛成、反対、両方の議論の中身を理解していると思いますが、結局原子力発電を推進する側の主張を信じることの方を選択したのです。」

 

4号機建屋

福島第一原発の事故の後、小泉元首相は初めて原子力発電の真実を理解したと語りました。

「原子力発電が導入されることになるまでの過程、導入後の現実と歴史を知るにいたり、私はそうしたウソを信じた自分自身を恥じることになりました。」

 

日本政府は2030年までに日本の全発電手段の中で、原子力への依存割合を全体の5分の1程度に抑えたいと語る一方、安倍首相自身は積極的に日本国内の原子炉の再稼働政策を進めています。

現段階で日本国内に数十基ある原子炉のうち、稼働しているのは3基だけですが、このうち2基は今年後半には点検のため停止の措置が取られます。

 

現在74歳の小泉元首相は2011年3月11日に東日本大震災が発生した時、日本沖合の太平洋に空母を停泊させ、日本への救援活動に従事し、その後深刻な健康被害に苦しむことになったアメリカ海軍兵士及び海兵隊員たちをバックアップする救援活動を行っています。

 

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数百人に上るこれら兵士は、トモダチ作戦と名づけられた救援活動の間、福島第一原発が吹き上げた放射性物質を浴びたことにより、白血病を始めとする深刻な健康被害に見舞われたと主張しています。

作戦に従事した400人は2012年、東京電力が福島第一原発の事故を未然に防ぐ対策を採っていなかったこと、そして放出された放射性物質の量を偽ったとして訴訟を起こしました。

から放射線の濃度に散らかっていることで責めていて、米軍関係者を危険にさらされているようにしている訴訟を開始しました。

彼らは19,000人が犠牲になった東日本大震災の被災地に、東北地方沖の太平洋に投錨した原子力空母ロナルド・レーガンからヘリコプターで救援物資を届ける救援活動に従事していました。

 

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しかし医療の専門家は、これらの海軍兵士・海兵隊員の被ばく線量は高くは無く、健康に被害をもたらす程の放射線を浴びてはいないと語っています。

そしてアメリカ国防総省が2014年に公表した報告書では、福島第一原発から放出された放射性物質による低線量被ばくと健康被害との因果関係は証明されなかったという見解が示されました。

小泉元首相は2016年5月にサンディエゴで健康被害に苦しむ数名の元兵士たちと面談し、2017年3月までに、彼らの医療費の補てんを目的に100万ドルの募金を行う予定です。

 

「日本の人々を助けるため懸命の活動を行った人々のために、何かしなければならないと思ったのです。」

小泉元首相がこう語りました。

「100万ドルではとても足りませんが、少なくとも彼らの献身的行為に対する感謝の念だけは形に出来ると思っています。」

 

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原子力発電を推進する姿勢をとり続けているにもかかわらず、第2次安倍内閣における安倍氏の首相としての業績を小泉元首相は評価しています。

「こと原子力発電に関する限り、私たちの立場は全く異なっています。」

「しかし安倍首相は第一次安倍内閣で犯した誤りについては充分な検証を行い、第二次内閣においては遥かにその状況は改善されていると思います。」

 

長期的視点で見る限り、安倍氏の政治生命は決して悪いものではありません。

しかし第一次安倍内閣では、一連の閣僚たちのスキャンダル、自身の健康問題、そして参院選での惨敗により、在職期間が1年に満たない2007年9月辞任せざるを得なくなりました。

 

https://www.theguardian.com/environment/2016/sep/07/former-japan-pm-junichiro-koizumi-accuses-abe-lying-over-fukushima-pledge

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【 9月12日の報道写真から 】

 

アメリカNBCニュース 9月12日

 

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シリア、ダマスカス東郊の反政府勢力の支配地区ドゥマが、アサド大統領率いる政府軍のものと見られる爆撃を受けて負傷し、苦痛を訴える女の子。

12日アメリカとロシアによるシリアでの停戦が発効したが、それぞれの影響下には無い武装勢力、ISIL(ISIS)などには効力は及ばないことになっています。

【 9年に及んだアメリカの『秘密軍事作戦』- 史上最大量の爆弾を落とされた国民は今 】

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所要時間 約 5分

アメリカCIAが計画し実行に移された『秘密の戦争』、国民一人当たり史上最大量の爆弾を投下

アメリカ軍は、ついには不要になった爆弾をラオス国内に大量に空からばらまいて捨てる行為までしてやってのけた

戦争、それは莫大なカネをつぎ込んで数限りなく多くの不幸を作り出す、壮大な規模の愚行

 

ロイター/AP通信/米国NBC 2016年9月6日

 

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9年間、米国はラオスで秘密の軍事作戦を行いました。
その結果、ラオス国民は1人当たり史上最大量の爆弾を落とされることになったのです。

ベトナム戦争が続いていた間、アメリカ空軍が投下した爆弾を門柱代わりに使っている自宅に立つ女性。2016年9月3日。(写真上)
1964年から1973年まで、米国軍用機は2億7000万発のクラスター爆弾を当時共産主義国家であったラオスに投下しました。
ラオスで不発弾処理にあたっている政府機関によれば、そのうち実に3分の1が不発弾でした。
結局、ラオス国民はアメリカが行なった『秘密の戦争』により、一人あたり世界史上最大量の爆弾を投下された国民になったのです。

2016年9月3日ラオス、バンナピア、アメリカ軍が投下した爆弾を持って撮影に応じた43歳の女性。(写真下・以下同じ)
ラオスを訪問したオバマ大統領は、米軍の不発弾によって20,000人以上が死傷した事実を受け、これから3年に渡り9,000万ドル(約91億円)を追加援助すると約束しました。
「アメリカは第二次世界大戦中にドイツと日本に投下した以上の200万トンを超える爆弾をこの小さな国に投下したのです。」
オバマ大統領は現地でこう語りました。
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米国が投下した爆弾を半分に切って、プランターとして使われていた。2016年9月3日ラオス、バンナピア。
アメリカ軍によるラオス爆撃は北ベトナムに物資を供給していたホーチミン・ルートを破壊し、共産主義ゲリラを一掃する目的でCIAが計画し、実行されたものです。
その結果、ラオスには深刻な爪あとが残されることになりました。
所期の目的が達成できなくなったアメリカ軍は、ついには不要になった爆弾をラオス国内に大量に空からばらまいて捨てる行為までやってのけたのです。
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2016年9月3日ラオス、カチョ。廃棄物の中から金属を収集中、不発弾が爆発し両手を失った28歳の男性。
2008年に300人だった不発弾による死傷者は2015年には42人にまで減少した一方、子どもの犠牲者の割合は増加しています。
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2016年9月3日ラオス、ビエンチャン。回収されたアメリカ軍の爆弾の隣に座る仏僧の男性。
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2016年9月3日ラオス、バンナピア、米軍が投下した爆弾の外殻を柱に使った自宅の前に立つ少年。
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2016年9月3日ラオス、ビエンチャン。不発弾によって足を失った人に提供するため、支援団体がストックしている義足。
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現在40歳のこの男性は、10歳の時に家族と農作業をしている時に左手を失いました。彼はシャベルで地面を掘っていたため、爆弾の存在に気づくのが遅くなってしまったのです。彼の母親は爆発当時の事を鮮明に記憶しています。
「爆発音がして驚いて駆けつけた私は、そこに息子が倒れているのを見ました。
近くにいた村の人が走って息子を近くの病院に担ぎ込んでくれましたが、手を切断するしかないと言われました。私はただ泣く以外、何もできませんでした。
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2016年9月3日ラオス、バンナピア、アメリカ軍が投下した爆弾の外殻がフェンスの支柱として使われている。

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2016年9月2日ラオス、シエンチャン地区。地中に残る爆弾を探すNGOのメンバー。

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2016年9月1日ラオス、シエンチャン地区。住宅の中庭に集められた爆弾。

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http://www.nbcnews.com/slideshow/u-s-bombs-scars-covert-war-still-raw-laos-n643386

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【 9月11日の報道写真から 】

 

アメリカNBCニュース 9月11日

 

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シリア、アレッポ北部の反政府勢力支配下の病院が爆撃を受けて倒壊した現場から、赤ちゃんを救出する男性。

http://www.nbcnews.com/slideshow/today-pictures-september-11-n646466

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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