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【 2020年東京オリンピック開催決定の裏に、巨額の不正資金 】《前篇》

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秘密口座へ1,300万ユーロ(約1億6千万円)の支払い、2020年東京オリンピック開催地決定の前後に
嫌疑のかかっている支払いについて、フランス警察当局が詳細に捜査中

オーエン・ギブソン / ガーディアン 5月11日

東京オリンピック01
日本の東京オリンピック招致のための対策チームからスキャンダルによって失脚した元国際陸上競技連盟のラミン・ディアク会長の息子が関係する銀行口座への7桁の金額の支払いが、2020年のオリンピック大会の開催地が東京に決定するまでの期間に行われたとの情報をガーディアンが入手しました。

この1,300万ユーロ(約1億6千万円)に上る巨額の不正資金については現在フランスの警察が詳細な調査を行っていると伝えられていますが、国際的イベントの開催地を決定する際の手続きとディアク氏の体制との関連がどのようなものであったのか、国際オリンピック委員会にその公正さについて重圧がかかることになりました。

そして2013年、2020年東京大会の開催を手にした際の日本に対しても、深刻な疑問が突き付けられることになりました。

たとえ何票であってもオリンピック開催地決定のための票が金で売買されたことを示す事実があれば、国際オリンピック委員会(IOC)にとっては、この上ない恥辱となります。
2002年に開催されたソルトレーク・シティ冬季オリンピック大会に絡む贈収賄スキャンダルが大問題となって以降、IOCは開催地決定の清廉潔白な手続きの実現を重要課題としてきました。

東京オリンピック
父親の方のディアク氏は1999~2013年、IOCメンバーを務めた後、2014年に名誉メンバーになりました。
同氏はロシアのドーピング疑惑が明らかになった後、その事実をもみ消すために100万ユーロ(約1億2,000万円以上)を受け取ったと告発され、2015年11月国際陸上連盟(IAAF)の会長を辞任しました。
ディアク氏は国際陸上連盟本部の腐敗についての捜査のため、政府の命令により現在フランスを出国することを禁止されています。

今年3月、ガーディアンはディアク氏に対するフランスの捜査が国際陸上連盟(IAAF)の問題から、2016年、2020年のオリンピック開催地決定に関わる競争にまで拡大したことを伝えました。

現在、嫌疑のかかっている取引は、2020年東京オリンピックの開催を実現するための組織、あるいはその取り組みに協力していた組織から闇の資金ルートを経てシンガポールの秘密口座に送金されたものであり、その総額は1,300万ユーロ(約1億6千万円に上っていると見られています。
この口座はラミン・ディアク氏の息子パパ・マサッタ・ディアク氏に関連するものです。
マッサタ・ディアク氏は現在国際陸上連盟(IAAF)のマーケティング・コンサルタントを務めています。

東京オリンピック02
2013年東京が競争相手だったトルコのイスタンブールとスペインのマドリードに勝ち、2020年オリンピックの開催権利を獲得した時点で、1999年から2015年までIAAFの理事長を務めていたラミン・ディアク氏はIOCの有力なメンバーでした。

10年以上に渡る国際陸上連盟(IAAF)の中枢で起きた腐敗と収賄は、今回の一連の告発の中心になっています。
世界アンチドーピング機関(WADA)に委嘱され今年1月に発表された独立機関による調査報告書は、ディアク氏と彼の息子でありマーケティング・コンサルタントのパパ・マッサタ・ディアク氏が国際陸上連盟(IAAF)の「隠された違法な支配機構」を運営するために、弁護士ハビブ・シス氏とどのように共謀していたかを明らかにしました。

2017年の世界陸上と2020年のオリンピック開催にカタールが名乗りを上げていた当時、マーケティング・パートナーである日本の電通の了解の下でスポンサー企業の獲得について自由裁量権を持っていたパパ・マッサタ・ディアク氏は、カタール政府に対し500万ドルの支払いを要求していた可能性があることをガーディアンが報道したことがありました。

東京五輪図
そして2008年1月、ガーディアンは、カタールが2016年のドーハでのオリンピック開催権利を得ようと運動していた当時、その取り組みに関わっていたと見られるパパ・マッサタ・ディアク氏が何かの『包み』を6人のIOCの有力メンバーに配布していたことを伝えました。

しかし今回の最新の予期せぬスキャンダルは、FIFAやIAAFなどの国際スポーツ組織のスキャンダルが次々と明らかにされる中、何より国際オリンピック委員会と現在その(IOC)会長を務めるトーマス・バッハ氏に衝撃を与えました。

嫌疑のかかっている支払いは開催地に東京が選出された前後に、多数回にわたって行われたものと見られています。
この件についての問い合わせに対し今回のオリンピック開催の誘致を行った日本オリンピック委員会の広報担当部門は、4月末から5月初めが連休のため業務を休んでおり、事実確認が出来ていないと返答しました。

東京オリンピック03
2020年東京オリンピック組織委員会は、今回の嫌疑に関する内容を把握していないと返答しました。
スポークスマンは次のように述べました。
「2020年東京オリンピック組織委員会は、今回の告発の内容をうかがい知る術がありません。私たちは最高の開催条件を提示したために、東京が開催地に選ばれたと考えています。」

〈 後篇に続く 〉
https://www.theguardian.com/sport/2016/may/11/tokyo-olympics-payment-diack-2020-games
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【 ハドソン川のフクシマ 】《2》を掲載する予定でしたが、衝撃的なニュースが5月11日付のガーディアン紙に掲載されたため、急きょこちらを翻訳し掲載することにいたしました。
掲載の更新時刻も変更しました。
後篇を引き続き掲載の後、【 ハドソン川のフクシマ 】については、16日以降順次掲載していく予定です。
[お詫び]
掲載当初、不正資金の総額1,300万ユーロを「16億円」と単位を誤って掲載していました。訂正した通り「1億6千万円」の誤りでした。
お詫び申し上げます。
[変更]
5月13日のガーディアン紙が再びトップでこの記事の続編を掲載しました。
この記事の後篇を掲載の後、そちらを翻訳掲載いたします。
【 ハドソン川のフクシマ 】《2》以降の掲載はその後にさせていただきます。

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【 ISISの無差別殺戮が作り出した母子家庭 】《2》

エリン・トリーブ、ソフィア・バルバラニ / アメリカNBCニュース 5月7日

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夫をISISに殺されたヤジズ教徒の女性たちは、孤独に苛まれ社会の中で女性一人の力で生きていくことの限界にも直面させられています。
それでも彼女たちは母親として子供たちを守っていくことを改めて心に誓い、自らの勇気を奮い立たせようとしています。
「私たちが住んでいた町がイスラム国(ISIS)に襲撃された時、夫は私に息子と娘を連れて逃げるよう頼みこみました。
夫はそこに残って戦わなければならないことが解っていたため、私は残りたかったのですが、子どもたちのことが心配でした。
結局私の家族は夫を残して避難しましたが、夫はその日のうちに殺されてしまいました。
2日後、親類が夫の遺体を回収しました。
彼は優しい心をもつ非常に穏やかで勇敢な男性でした。
葬儀の時、人々は口々に彼の勇敢さをほめたたえ、私はとても誇らしい思いをしました。
でも夫を失った私たち家族の生活は一変してしまいました。
夫を失った私に行動の自由はありません。
訪れる人もめっきりいなくなりました。」

現在35歳のパキザ・メルヘムが嫁いだのは12歳になったばかり時でした。
彼女は今、黒い喪服に身を包んだままです。(写真上)

「あの日私も撃たれて死ねばよかった…夫のいない生活の困難さに追い詰められた私は、時々そんなことを考えます。そんな時私を支えてくれるのか子どもたちです。私は何とか子供たちを支えていこうと思っていますが、子どもたちもまた私を支えようとしてくれています。
[今の状況]を考えれば、私が生き残るより夫が生き残ってくれていた方が良かったと思います。
男性なら再婚することが出来ますが、9人の子供たちがいる私は再婚することはできません。再婚すれば子供たちを夫の親類に任せなければならないからです。
私が持服を脱ぐのは、子どもたちが無事成人した時です。子供たちが皆成長して結婚して幸せになったら、その時私も喪服を脱ぐことが出来るでしょう。」

8人のうちの4人の子どもたちと一緒に。(写真下)
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http://www.nbcnews.com/slideshow/widowed-isis-yazidi-women-find-strength-motherhood-n569466

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《9》

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所要時間 約 6分

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一向に解決の糸口が見えない福島第一原発の事故
「事実を明らかにして自分に注目が集まるのが怖かった…」「組織の上層部から真実を公表することを禁じられた…」
原子力発電の恩恵を受けるのは発電所の所有者、市民は得るものより失うものの方が多い

 

フェアウィンズ 4月5日

多数の日本政府当局者が福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による健康被害について、調査検証をしたり、議論をしたり、あるいは報道したりしないように、医師、科学者、教師、ジャーナリストなどに強い圧力をかけ続けています。
こうした政治的状況の犠牲になるのは、とりわけ放射線の被害を受けやすい子供達、なかでも少女とその母親たちです。
彼女たちこそ、これから何十年と続くことになる放射線災害の本当の被害者になってしまう危険性があります。

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一向に解決の糸口が見えない福島第一原発の事故について私たちフェアウィンズは、少なくとも100,000人の人命が失われ、100万件のガン発症の原因になる可能性があると見積もっています。
そして周辺住民をはじめ日本の人々の細胞を損傷する危険性があるホット・パーティクルの存在については、世界中の原子力発電業界関係者が完全な無視を続けています。
福島第一原発から放出されたホット・パーティクルの存在と危険性について言及した科学者は、私が初めてでした。
ホット・パーティクルについては、日本は世紀を超えてその脅威にさらされることになるでしょう。

マギー・ガンダーセンと私アーニー・ガンダーセン、そしてフェアウィンズのスタッフたちはこれからも、原子力産業界の内部関係者や政府関係者や科学者が明らかにしようとしなかった重要な事実について、何十という重大な問題について、その存在と詳細な情報提供や出版を続けていくつもりです。

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私たちは幾度となく彼らから直接話を聞いたことがあります。
彼らが異口同音に語るのは、そうした事実を明らかにして自分に注目が集まるのが怖かった、あるいは雇い主や資金提供者から公表することを禁じられたという事です。

私たちはみなさんに真実を伝え続けてきたことを誇りに思っていますが、大手報道機関のほとんどが人類史上最悪の産業事故を起こしたフクシマで起きている事実を伝えようとはしていないことについて、幻滅し失望しています。

私たちと同じ世代の人間たちは3基の原子炉が同時にメルトダウンするという未曽有の事故から、いったい何を学んだのでしょうか?

まず最初に学んだことは、福島第一原発で一度現実になった以上、今後も同じ事故が別の場所でも起こり得るという事です。

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2番目に学んだことは、現在原子力行政に関わっている官僚たちが一般市民の安全や健康よりも業界の利害を優先しているという事実から、将来再び事故が発生した場合には緊急避難計画がまた機能しない可能性があるという事です。

第3は福島第一原発の事故では原子炉格納容器や圧力容器が『保たなかった』ことに象徴されるように、崩壊が始まってしまえば放射線の漏出を止めることも封じ込めることも、まったく不可能だったという事です。

第4は、原子力行政を担当する官僚たちがチェルノブイリでもスリーマイル島でも『直接の死亡者はいなかった』と主張していますが、多量の放射線の放出は結果的には少なくとも100万人規模の死の原因を作るであろうという事です。

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第5、それは原子力発電によって最大の恩恵を受けるのは発電所の所有者であり、私たち市民は得るものより失うものの方が多いという事です

第6は、福島第一原発の3基の原子炉のメルトダウンという人類が経験したことの無い事故により、莫大な量の放射性物質の放出は、太平洋でも1世紀以上にわたって放射能汚染が故続くだろうという事です。
そして最後に、福島第一原発で繰り返されている数々の失敗を防止するロードマップなどは存在しないという事です。
福島第一原発の事故収束・廃炉作業は気が遠くなるほど困難な事業なのです。

再生可能エネルギーは原子力発電と比べればはるかに安全で、建設コストも非常に安価な発電手段です。
であるにもかかわらず、そしてスリーマイル、チェルノブイリ、そして現在進行形のフクシマの悲劇的状況を目にしながら、なぜ世界はさらなる原子力発電所の建設を進めようとしているのでしょうか?

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そして原子炉の老朽化が進み安全性能が低下し続け、気候変動によって世界各地で洪水が発生し、津波、ハリケーン、台風などの自然災害が年々ひどくなり、さらには世界各地で地震を引き起こしている地殻構造プレートの沈み込みなどが起きているこの地球上至る所で、なぜ未だに原子力発電所が稼働を続けているのでしょうか?

フェアウィンズのアーニー・ガンダーセンがお伝えしてきました。
これからも必要なときに必要な情報を提供してまいります。

- 《完》 -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《8》

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多発する地震と津波の国の原発事故は、専門家が予測した最悪の事態の100倍の規模に達することになった
ガンダーセン氏への2時間のインタビューを一切公表しなかったウォール・ストリート・ジャーナル
これから5年間、世界は甲状腺ガン、難治の各種内蔵ガン、そして白血病の急増を経験させられることになる

フェアウィンズ 4月5日

アーニー・ガンダーセン
私には原子力工学の学士号と修士号がありますが、言実際に原子力産業界でほぼ45年を過ごしてきました。
私は、公認の原子炉オペレーターの資格も持ち、現場での経験もあります。
また私は原子力発電所の安全装置に関する特許を持っています。

2011年3月18日、福島第一原発の事故が発生してちょうど1週間後、アメリカCNNテレビに出演してジョン・キングのインタビューを受けた私は、世界中の原子力科学者、原子力技術者、原子力行政職員がすでに認識していた事実を、公の場で話をした最初の人間になりました。

CNNニュースアンカー
「福島第一原発の事故についてアメリカ政府当局は今日、スリーマイル島事故を上回る規模ものであるとの見解を明らかにしました。フクシマはチェルノブイリ級の事故になる可能性はありますか?」

第一大破壊
アーニー・ガンダーセン
「私の考えではすでに間違いなくチェルノブイリ級の事故になっています。福島第一原子力発電所では4基の原子炉が事故を起こしています。
この事故が発生する1年前までは『最悪の事態』とは原子炉内の核燃料の1パーセントが格納容器の外側に漏れ出すことでした。一日あたり0.1%ずつ10日程でその量に達するケースです。
これが『起こり得る最悪の事態』だと考えられていました。
しかし福島第一原発では格納容器の脇に開いた穴から、おそらく70%の核燃料が外部に溶け落ちていることが解りました。これは予想されたケースの100倍悪い状態です。」
CNNニュースアンカー
「非常に考えさせられる、真剣に考え込まざるを得ない見解ですね。貴重なご意見をありがとうございました。」

アーニー・ガンダーセン
私がジョン・キング・ショーでこの発言を行った2か月後、原子力産業界は私をうそつき呼ばわりしました。
一方原子力事業に関わる技術者や原子力の監視管理機関は沈黙を守り続けました。
そして事故発生から相当の時間が経ってから世界に対し、福島第一原発の経営者である東京電力は本当に起きていた事実を認めたのです。

FOX News
フクシマで起きたのは複数の原子炉のメルトダウンであり、システムの崩壊であり、そのレベルはェルノブイリ級のものであることを、世界はこの時点でやっと伝えられたのです。

なぜ彼らは事実を認めるまでにこれ程時間をかけたのでしょうか?
私は再びこの言葉を言わなければなりません。
『カネの流れを追いかけてください。』

原子力発電所の事故が引き起こす大惨事について、チェルノブイリについてもフクシマについても、私たちはそれが始まったタイミングを特定することは簡単です。
しかし福島第一原発の事故発生から5年、予想もしなかった規模で続いている放射能汚染がいったいいつ終わるかについては、誰確実なことが解っている人はひとりもいません。

有名なアメリカの野球選手でありコーチでもあったヨギ・ベラがこう発言したことがあります。
『終わったことを確認できるまでは、何も終わっていない。』
残念ですが、フクシマの事故は解決からは遥かに程遠いと言わなければなりません。

私にとっても、そして私同様の知識や経験がある原子力関連の技術者たちにとって、福島第一原発の事故が始まった時、そのことが意味するところははっきりしていました。
人類史上最悪の産業事故を終息させるまでには、信じられない程長い時間、そして考えられない程莫大な費用がかかるということです。

アーニー・ガンダーセン
2012年2月、私は東京の外国人記者クラブへ招待され、世界中のメディアに向けて発言する機会を与えられました。
その場で私は次のように語りました。
「私は福島県内を中心に汚染された地域全域の除染完了までは25年間、そして1,900億ドル(約20兆2,000億円)の費用が必要だと考えています。ですから気福島第一原子力発電所内での事故収束・廃炉作業の600億ドル(約6兆4,000億円)に加え、事故で汚染された地域の完全な除染を行うには今後20年から30年に渡り総額で2,500億ドル(約26兆6,000億円)の費用が必要になると試算しています。」

経験を積んだ原子力エンジニアとして、さらには原子力関連企業のもと役員として、私はチェルノブイリとスリヘマイルスリーマイルの事故でさんざん経験させられた事実の隠ぺい、そして世界中の人びとやその家族が直面させられた恐ろしい危険については、もう二度と見たくないという思いを抱き続けてきました。

だからこそフェアウィンズは起きたことについて、ワシントン・ポスト、ニューヨークタイムズを始めとする世界の報道機関に対しいち早く真実を伝えてきたのです。
私はウォールストリート・ジャーナルから2時間にわたるインタビューを受けましたが、それは一切公表されませんでした。
私たちは調査・検証したことが誤りなく世界中のメディアに伝わり、正確に人々の下に届いているかどうかの確認を続けています。

しかしこの5年間で最も悲しむべきことは、日本政府、アメリカ政府、そして世界の原子力産業界がこぞって、福島第一原発の事故を原因とする日本で暮らしている人々に対する健康被害はほとんど、あるいはまったくないと主張し続けている、その事実を目撃させられていることです。

 


しかし真実はおのずと明らかになりつつあります。

これからの5年間、世界は甲状腺ガン、難治の各種臓器のガン、そして白血病の急速な増加を経験させられることになると思います。
その原因は日本において福島第一原発から大量に放出された放射性物質に他ならないのです。

《9》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《7》

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原子炉のメルトダウン、爆発、高濃度汚染水の大量発生、すべて1980年代に危険性が確認されていた
放射能の漏出という問題は、少なくとも数十年という単位でしか解決されない
福島第一原発事故の深刻さについて、決して真実を伝えようとはしなかった各国の原子力行政官僚たち

フェアウィンズ 4月5日

アーニー・ガンダーセン
福島第一原発で現在進行している危機は、1970年代、1980年代という早い時期に技術者たちが指摘した危険性がそのまま現実になったものです。
その意味で彼らは全く正しかったということになります。

しかも安全装置のひとつが設計された通りには動作せず、このため大量の放射性物質が地下水系、大気中に放出され、毎日汚染された水が太平洋中に流れ出す結果となりました。

時限爆弾にも等しいこの原子炉の欠陥について、40年もの間原子力産業界の誰一人として議論をしようとしなかったのはなぜなのでしょうか?
そして欠陥が指摘され、それが福島第一原発の事故で実証されたにも関わらず、なぜ欠陥のある原子炉が稼働を続けているのでしょうか?

フェアウィンズはこの点について、繰り返しこう述べてきました。
『カネの流れを追いかけてください!』

EDF
ことはまったく単純明快です。
原子力産業も電力会社もそして監視機関までもが投資銀行の利害を最優先にし、さらには原子力兵器の開発や売買に関わる企業と政府が、原子力分野の開発能力の拡大を切望しているのです。
その結果、市民の安全な暮らしや健康問題などはすべて後回しにされているのです。
2011年の出来事を振り返ってみれば、地震多発帯の上で稼働を続けていた老朽化した原子炉が太平洋に放射性物質を流し込みづける結果を招いたものは、まさにこうした体制だったのです。
放射能の漏出という問題は、少なくとも数十年という単位でしか解決されないことは明らかです。

2011年当時、放射性物質の漏出問題を最初に認識した人間の1人が私でした。
当時私はこう発言しました。
「原子炉の一番外側を覆っているのが原子炉建屋、箱状の建築物です。次が格納容器。事故当時、原子炉1号機と3号機の格納容器内の圧力が上昇したため、内部から水素ガスを放出する処置が採られました。このガスが原子炉建屋内に充満し、爆発につながったのです。
私たちが目撃した劇的なシーン、それがこの原子炉建屋の爆発でした。

CNN05
そしてそのがれきに埋もれたのが原子炉格納容器です。
原子炉建屋自体は頑丈な作りなのですが、事故当時原子炉建屋も格納容器も必要なタイミングでこの水素ガスの放出をすることが出来ませんでした。
その結果今度は原子炉格納容器内で爆轟が発生したのです。
これは人間に例えると、口と鼻を完全にふさいだままくしゃみをするようなものです。
衝撃は鼓膜に集中することになるでしょう。

そして原子炉2号機では何が起きたのか?それは爆発による格納容器そのものの破壊でした。
このため2号機では溶け落ちた核燃料が格納容器の外にまで漏れ出し、トレンチ内に流れ込んだのです。」

これに対し番組司会者が私にこう尋ねました。
「話を先に進めましょう。
今度は太平洋に流れ込んでいる放射能汚染水の問題についてお伺いしたいと思います。
東京電力は11,500トンの放射能汚染水が太平洋に流れ込んだと報告しており、我々はこの数字を基準に話を進めたいと思います。
この量は大きなプール5杯分ほどの量になりますが、太平洋の規模を考えると文字通りスズメの涙ほどの量と考えてよいのでしょうか?
ガンダーセンさん、あなたはこの点について東京電力が放射能の脅威を過少にとらえているとお考えですか?」

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「福島第一原発では汚染水を地下から汲み上げましたが、問題はその保管方法です。現在敷地内には通常時の許容値の500倍もの放射線量に汚染された水が貯められていますが、毎日増え続ける以上さらなる容量の確保が必要です。
しかも後から発生した汚染水の方が一層高い放射線量を持っています。このため福島第一原発ではこれから発生するより汚染のひどい水を備蓄するため、11,000トンの放射線量の低い方の汚染水の海洋投棄を行ったのです。

計画外の漏出についてはその手当が終わりましたが、それまでの2週間一日あたり約7トンの汚染水が太平洋中に漏れ出したと見られています。これは安全基準の500倍までは汚染されていませんが、それでもやはり相当汚染されており、その分海洋も汚染されています。」

ところでフェアウィンズには世界中の方々から、福島第一原発の事故収束・廃炉作業がなぜそんなに長引くのか、いったいいつになったら完全に収束するのか、問い合わせが相次いでいます。
そこで私が事故発生から1週間たたないうちにCNNニュースの番組に出演した際お話したことを、ここで繰り返させていただきます。
『福島第一原発の事故収束作業はきわめて長い時間を必要とする困難な作業です。』

CB06
福島第一原発の事故が発生してから一週間、フェアウィンズのスタッフは要路にある人々に真実の危険性について伝えようとしていましたが、ここアメリカ、ヨーロッパ、そして日本の政府関係者は東京電力の原子力発電所で起きたことについて、世界中の人々にさほどのことが起きたわけではないと信じ込ませようとしていました。

「心配する必要はありません、大丈夫なのです。」
まるで世界中で同じテーマソングを歌っているようでした。
歌っていたのは国内に原子力発電所がある国々であり、市民たちに健康や生命に関する懸念を抱かせることなくこれらの原子力発電所は事故以前と変わりなく稼働を続けることができたのです。

情報公開法(1966年ジョンソン大統領の下で制定され翌年発効したアメリカの連邦政府の情報公開を定めた法律)に基づき公開されたアメリカ原子力規制委員会の文書や電子メールは、事故発生当時、アメリカの原子力発電関係の技術者がインターネットを通し、世界の人々が目の当たりにしているものが、最大規模の原子力発電所事故であり、かつてない程大きな悲劇の到来であることを認識していたことを明らかにしました。

FR24 破壊された福島第一原発
こうした認識があったにもかかわらず、世界各国の原子力行政に携わる官僚たちは、福島第一原発の事故がどれ程深刻なものであるか、決して真実を伝えようとはしなかったのです。

《8》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《6》

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所要時間 約 10分

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原子炉のメルトダウンと爆発、高濃度汚染水の大量発生、すべては1980年代に危険性が確認されていた
「事故を起こすとしたらそれは必ずGE社製のマーク1型原子炉になる…」不幸にも的中した懸念
メルトダウンを起こせば、GE製マーク1型原子炉の密閉容器は90%の確率で爆発する(1985年)

フェアウィンズ 4月5日

こんにちは、フェアウィンズ・エナジーエデュケイションのチーフ・エンジニア、アーニー・ガンダーセンです。
今は2016年3月ですがちょうど5年前の今月、福島第一原子力発電所の3基の原子炉のメルトダウンが始まりました。
これまでチェアマンを勤めるマギー・アンダーセンやフェアウィンズのスタッフ、そして私は繰り返し次のような質問を受けてきました。

福島第一原発の事故はどのように始まったのか?
福島第一原発の事故現場と周辺地域は現在どうなっているのか?
これほどの大災害が今後どのような軌跡をたどり、福島県や日本全体の人々にどのような影響を与えることになるのか?

放射線量を測定する長谷川さん。現状での住民の帰還に反対している。

放射線量を測定する長谷川さん。現状での住民の帰還に反対している。


こうして質問にお答えするため、フェアウィンズの総力を挙げてこのビデオを制作しました。
目的はただ一つ、福島第一原発で進行している悲劇について、真実を皆さんにお伝えするためです。

それでは最初に事故の発生原因についてみてみましょう。
フェアウィンズ・エナジーエデュケイションは皆さんもご存じの通り、マギーが専門家と協力しながらその正確な見解を一般向けに情報発信するために2003年に設立されたフェアウィンズ・アソシエイツが発展したものであり、非営利組織として一般市民の皆さんに真実を伝える活動を行ってきました。
2011年の第1四半期、私たちはアメリカ各地にあるいくつもの経年劣化の進んだ原子力発電所を検証し、安全を確保する上で数多くの深刻な問題があることを見つけ出していました。

白煙を上げる現場
そして福島第一原発の事故が発生する三週間前のある夜マギーが夕食後の散歩をしながら、私に次のように尋ねました。
これ程多くの老朽原発があり安全上の問題も存在することが確認されたが、(スリーマイルの)次に放射能漏れの事故が発生するとしたら、それはいったいどこになるのだろうと。
私は次に事故が起きる原子力発電所については、はっきりしたことは解らない。しかし事故を起こすとしたら、それは必ずゼネラル・エレクトリック社製のマーク1型原子炉になるだろうと答えました。

残念なことにその予想は当たりました。
福島第一で事故を起こした沸騰水型原子炉は、GEマーク1です。

もしあなたが大手メディアが伝えたことをそのまま信じていれば、福島第一原発の3基の原子炉のメルトダウン事故は、すべて日本固有の問題に起因すると考えているでしょう。
それは、全くの間違いです。

GE Mark 1
福島第一原子力発電所は、地階部分にディーゼル発電機を設置したことも含めほとんどアメリカ国内で設計されました。
そして日本で2,000年の間繰り返された津波の災害記録を無視したのもアメリカなのです。
原子炉自体はカリフォルニア州サンノゼにあるゼネラル・エレクトリックが製作したものですが、福島第一原子力発電所全体はニューヨーク、マンハッタンの中心にあるEvasco社が設計しました。

現在アメリカ合衆国内では福島第一原発でメルトダウンしたのと同じ型の原子炉が稼働を続けています。

米国の原子力産業界は、日本の原子力開発計画の体制なり体質がアメリカのそれと比較して、いくらか劣っていると一般の人々に信じさせたいのです。
従ってアメリカでは福島第一原発のような事故は発生しないのだと思わせたいのです。

改めて言いましょう、米国原子力産業界の行っていることは全くのデタラメです。
福島第一原発で機械上操作上の問題を引き起こしたすべての部品が、アメリカ国内にある23基のマーク1沸騰水型原子炉でも使われています。

第一原発大規模工事
そしてもっと重要な事があります。
アメリカ国内にある100基の原子炉を設計したエンジニアたちは、福島第一原子力発電所内にある6基の原子炉の設計コンセプトをそのまま使っているのです。

フクシマを始めとする日本国内の原子力発電所の安全性は原子力行政、電力会社や原子力産業によって危ういものにされました。
アメリカでは国民が安心して原子力発電所の管理を任せている原子力規制委員会、それこそが国内の原子炉の安全を脅かす存在になっているのです。

日本の原子力産業の質がアメリカと比較して劣っているという事実はありません。
むしろ材料として使われる素材の品質は日本の方が優れています。
加えてアメリカ国内の原子力発電所は総体的に経年劣化が進んでおり、一部は地震を引き起こす活断層の上にあったり、あるいは老朽化したダムの下流にあるなどしており、1979年にペンシルバニア州のスリーマイル島以降アメリカ国内でメルトダウン事故が発生していないのは単にツイていただけなのだと言わざるを得ません。

福島第一原発でメルトダウンと原子炉建屋を吹き飛ばすほどの爆発を起こした原子炉に設計上及び構造上多くの欠陥があることに、アメリカのエンジニアも日本の技術者も40年間完全に把握していました。

4号機キャップ
アメリカ原子力委員会(原子力規制委員会の前身)の上級幹部は1972年という早い時期に、GE製マーク1型原子炉の密閉容器に設計上明らかな欠陥があるとして重大な懸念を表明しました。
続く1985年に原子力規制委員会が公開した報告書には、もしメルトダウンが発生した場合、GE製マーク1型原子炉の密閉容器は90%の確率で爆発する可能性があると記されていたのです。

同じく1980年代に原子力規制委員会が公表した別の調査報告書には、ゼネラル・エレクトリック製の沸騰水型原子炉すべてが、他社製と比べメルトダウン事故を引き起こしやすい傾向があると指摘されていました。
GE製の原子炉は設計上底の部分に多くの穴が開けられているため、核分裂反応を減速・停止させるための制御棒の固定性が弱くなってしまうのです。

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そしてやはり80年代に重要な指摘がなされていました。
ゼネラル・エレクトリック製の沸騰水型原子炉はメルトダウン後の高圧力、高温、そして高い放射線量という条件下では複雑な配管と電気配線が格納容器に接続されているため、溶けた核燃料が外部に漏れ出しやすく、結果的に地下水系を高濃度に汚染することになるのです。

ゼネラル・エレクトリックも原子力規制委員会も、これらすべての欠陥を充分認識済みだったのです。

《7》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
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【 3本の手足を切断したカメラマンがとらえた難民問題 】《4》

アメリカNBCニュース 4月24日

難民
3本の手足を失ったカメラマン、ジャイルズ・デュレイ氏は、中東を始めとする難民たちの実情を撮影、公開しました。
深刻な障害を負っても尚、彼は難民たちの実情を世界に向け発信するという情熱を失いませんでした。
ロンドン出身の彼は、アフガニスタンで取材中に地雷を踏み、その後5年間で30回の外科手術を受けなければなりませんでした。
彼は今、戦争によって生活を破壊され、そして傷つけられた人々の窮状を世界に向け発信することに九死に一生を得た命を捧げています。

2015年11月30日マケドニア国境近くギリシャ、イドメニ村の夜。線路わきの難民たちのキャンプ。(写真上)

12月27日ドイツのシェーネフェルトの難民宿泊施設の外で遊ぶイラク、シリア、クルド族の子供たち。(写真下・以下同じ)
難民41
12月29日フィンランドのナグ、脱出以前に難民たちが故国で見聞きし体験したことを忘れることも記憶に残すことも、どちらも実は容易なことではありません。
フィンランドの赤十字、そしてボランティアの人々は難民の子どもたちに、彼らを受け入れる場所があることを確信させるために様々な取り組みを行っています。
難民42
12月29日フィンランドのナグ、灯ろうを空中に飛ばす地元の住民と『ゲスト(難民)』の人々。
難民43
http://www.nbcnews.com/slideshow/triple-amputee-photographer-giles-duley-shows-captivating-images-migrant-life-n560561

【 隠され続けるフクシマの現実、歪められる真実 】《5》

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今やウォール街は、新しい原子力発電所建設に資金提供を行うつもりは全く無い
原子力発電所を可能な限り長く稼働させ、可能な限り稼がせるというビジネスモデルにしがみつく電力各社
安倍政権が5年に渡り続けてきた福島第一に関する虚偽の報告、いかに事実と異るかを明らかにしていく必要がある

フェアウィンズ 4月5日

ハリントン:原子力産業に大きな利害関係を持っている人間たちにとっての利益とは何なのか、教えていただけますか?

ガンダーセン:ウォール街は新しく原子力発電所を建設することに資金提供を行うつもりは、もはや全くありません。
原子力産業は斜陽産業であり、追い詰められつつあります。
しかし国内にはまだ100基以上の原子炉があり、そのほとんどが60年間の操業許可を持っています。
そして現在、その全部の原子力発電所が稼働80年間の許可の延長を申請しています。
もともとこれらの原子力発電所は40年間の操業を念頭に設計されたはずなのですが、20年間の稼働延長が認められた結果、100基もの原子炉がアメリカ国内で稼働することになりました。
そして現在さらに20年間の稼働延長を求めているのです。

その中で最大の企業がエンタジー社ですが、アメリカ南部に拠点を置く同社は今、ヒラリー・クリントンの大統領キャンペーンに積極的に資金を献金しています。
言うまでも無くクリントン候補は南部の出身です。
次に大きいのがエクセロン社で、同社はバラク・オバマの大統領選キャンペーンに積極的に献金を行いました。

フランス・アレバ
そしてこの2社に加え、もっと小規模な電力企業が各地で原子力発電所を経営していますが、100基中35基がエンタジー、エクセロンの所有になり、この2社は突出して大きな企業なのです。
2社とも原子炉の稼働が可能な限り、電気を大量生産し続けたいと考えています。
エンタジーもエクセロンも、何ほどの費用も支払ってはいません。
ヴァーモント・ヤンキー原発の建設費用は2億ドル(約220億円)未満でした。
もし今新たに原発建設を行なえば、その費用は200億ドル(2兆2,000億円)を下らないでしょう。
60年稼働させた原子炉の20年延長が認められれば、経営する側にとっては格安のバーゲン品を手に入れたも同然です。このため、アメリカ中の原子炉が我も我もと延長を申請しているのです。

電力各社は原子力発電所を可能な限り長く稼働させ、可能な限り稼がせるというビジネスモデルの継続を望んでいます。
そしてウォール街も圧力をかけています。

新しい原発を建設しようなどとは思うな。

もしどうしても新しい原子力発電所を建設したかったらどうすればいいでしょうか。
これからも原子力発電を続けたいと思っていれば、彼らは何らかの突破口を見つけ出すかもしれません。
しかし作られてから80年が過ぎた自動車を想像してみてください。

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きちんとメンテナンスされていると解っていたとしても、あなたはこの車を高速道路で全速力で走らせる勇気がありますか?
多分誰もイエスとは言わないでしょう。
しかしアメリカの原子力規制委員会はそれでも大丈夫だと言って、許可しているのです。

ハリントン:ガンダーセンさん、これまであなたはたびたび原子力産業には国民が納めた税金の中から多額の補助金が交付されていると指摘して来られましたね。

ガンダーセン:米国会計検査院が調査を行った結果、これまでの70年間に米国エネルギー省が支出した補助金の総額のうち、実に半分が原子力産業の手に渡っていたことが明らかになりました。
そして石油産業とガス業界、そして送電網整備や太陽光発電などの再生可能エネルギーその他すべてを含めた事業がそれぞれ4分の1ずつ受け取っています。
70年間支給し続けた助成金の半分が直接原子力産業の手に渡っていた訳です。

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そして今度は米国原子力規制委員会は原子力規制委員会の稼働延長を認めようとしています。
これは「89号線(ワイオミング州~ユタ州の丘陵地帯を走る国道)を時速100マイル(約161km/h)で突っ走っても大丈夫か?」
という質問に対し、原子力規制委員会が「どうぞどうぞ」と答えているようなものです。
「時速160キロ?大丈夫、かまいませんよ!」
そんなことは原則ルール違反であり、危険な行為です。
つまり安全基準を無視して、原子力産業が何でも望む通りを認めようとしているのです。
原発の安全性がどれ程損なわれるかの影響を真摯に検証する事無く、とにかく安上がりで構わないという態度です。
安全性を確保するため必要なだけの投資を改めて行うとすれば、いずれの原子力発電所も閉鎖せざるを得なくなります。
そうしなくても良いように、アメリカ原子力規制委員会は本来クリアすべき安全基準を骨抜きにすることによって、原子力産業界を陰で支えているのです。

都路町帰還05
ハリントン:アーニー、それでは番組をここで終了し、あなたが福島で制作した番組の放映に移ることにしましょう。
これからもあなたの素晴らしい調査研究成果の発表をお続けください。そしてこの番組にもまたお出でください。
視聴者の皆さんも引き続き、ガンダーセン氏が制作した番組をご覧ください。
大いに学び、大いに啓発されることと思います。

ガンダーセン:安倍首相は4~5年前、フクシマはもう問題ではないと発言しました。
そしてオリンピックを東京に招致しました。
こうして日本政府は人々の視界からフクシマの問題を消してしまったのです。
しかしフクシマの問題は終わりませんでした。
私たちは福島第一原発について伝えるここ2週間の新聞報道を詳細に確認しました。
その結果わかったことは、福島第一原発からの各種の放射性物質の漏出は続いていることは明白であるという事実でした。

安倍首相02
日本にオリンピックを招致するため安倍政権が5年に渡り続けてきた福島第一原発に関する虚偽の報告について、私たちは協力しながら検証し、いかに事実と異なっていたかを明らかにしていく必要があります。
フクシマの現実と正しく向かい合うためには、日本はオリンピックの開催地に選ばれるべきではありませんでした。
日本の国土、特に福島第一原発の北側の汚染は未だに続いているのです。

ハリントン:ガンダーセンさん、ありがとうございました。あなたが今回お話になったことは、大手マスコミが決して取り上げない問題です。その意味でも大変貴重なお話でした。改めてお礼申し上げます。

- 《6・ガンダーセン氏のフクシマ・レポート》へ続く -
http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//arnie-gundersen-on-cctv-nuclear-free-future-fukushima-at-5-and-the-vermont-yankee-shutdown-what-do-they-mean
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【 3本の手足を切断したカメラマンがとらえた難民問題 】《3》

アメリカNBCニュース 4月24日

難民30
3本の手足を失ったカメラマン、ジャイルズ・デュレイ氏は、中東を始めとする難民たちの実情を撮影、公開しました。
深刻な障害を負っても尚、彼は難民たちの実情を世界に向け発信するという情熱を失いませんでした。
ロンドン出身の彼は、アフガニスタンで取材中に地雷を踏み、その後5年間で30回の外科手術を受けなければなりませんでした。
彼は今、戦争によって生活を破壊され、そして傷つけられた人々の窮状を世界に向け発信することに九死に一生を得た命を捧げています。
この12カ月間でドイツには100万人を超える難民が流入し、ドイツ政府は彼らの収容先の確保に難渋しています。写真は使われていない建物内に大量のテントを並べたドイツ国内の仮収容施設。(写真上)

12月29日フィンランドのナグ、難民たちに伝統的なフィンランドのバーベキュー料理を仕方を教える地元の人々。
(写真下・以下同じ)
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12月30日フィンランドのナグ、一緒に昼食をとるアフガニスタンから来た兄弟とイラク難民の少年。
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11月28日に旧ユーゴスラビアのマケドニア共和国で、電車の車窓から外を見つめる難民。
デュレイ氏はシリアから逃れて来た難民の青年に、ヨーロッパに逃れて来た理由を尋ねました。
「簡単な事です。私は早くからシリアの将来に見切りをつけました。そしてシリアにはもうどんな未来も無いと悟った最初の人間のひとりなのです。」
難民33
http://www.nbcnews.com/slideshow/triple-amputee-photographer-giles-duley-shows-captivating-images-migrant-life-n560561

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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