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星の金貨 東日本大震災や音楽、語学、ゴルフについて語るブログです。

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【 安倍政権「日本の民主主義を終わらせる!」統制国家の樹立をめざす 】〈 後篇 〉

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所要時間 約 6分

思い通りの憲法改定を行うため、着々と地ならしをしてきた安倍首相
国民に説教する自民党

エコノミスト 6月1日

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戦争直後の日本で通訳を務めた22歳のビート・シロタが現憲法につけ加え、男女の平等を支持する人々から評価の高い現憲法の一項にも、自民党は説教めいた一文を書き加えよううとしています。
いわく『家族は互いを支え合わなければならない』。

つい最近までこの自民党の改憲案は、第三者による検証をあまり受けませんでした。
しかし自民党の意図が完全に明らかになった今、状況は一変しました。

2006年から2007年、安倍氏の首相としての最初の任期、彼は憲法改正のための国民投票を行う法律を成立させ、改憲のための地ならしを行いました。
憲法改正のためには衆議院・参議院両院の議員の3分の2以上の賛成を必要とし、国民投票において過半数の支持を必要とする、というものです。
安倍首相が率いる自民党は衆議院において、改憲を支持する他党を併せれば実現のための充分な議席数を持っています。

7月21日に実施される参議院選挙でも自民党は、改憲を支持する同盟党とともに過半数を超える3分の2の議席の確保を目指しています。

安倍氏が成立させた国民投票法は、成立要件として最低投票率についての規定がありません。

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北朝鮮と中国との間の緊張が高まったことにより、憲法第9条の見直し機運が国民の間で高まっていると、自民党の中谷氏が語りました。
しかし自民党は第9条の改正を第一目標にはしていません。

自民党の連立パートナーである公明党でさえ、自民党の改憲案には反対しています。

安倍氏がとった戦術は、改憲のためのハードルを下げることでした。
憲法第96条をまず改定し、改正手続きに必要な議員の賛成数を3分の2から、単なる過半数に減らそうというのが安倍氏の狙いです。
この法案さえ通ってしまえば、憲法のどの条項を変更することもこれまでと比較して簡単な作業になります。

しかし安倍首相の機洋行姿勢については、自民党内部からすら異論が出始めました。
最初に憲法9条改正の必要について発言し、今もその立場を変えていない憲法学者である小林節氏も、
憲法96条を守るために新たに結成された法律家によるグループに加わりました。

こうした動きを見て5月23日、自民党は今夏の参議院選のマニフェストから憲法96条改定に関する記述を密かに削除しました。

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同じく改憲論者であり、大阪市市長で維新の会の共同代表である橋下徹氏が、第二次世界大戦中に日本が組織的に行った従軍慰安婦の存在を擁護する発言を行い、日本国内、そして世界中から非難を浴びたことも、安倍氏の目論見にとっては打撃であったかもしれません。
自民党は7月の参議院選挙の後、維新の会とともに議席数の3分の2を確保して上で改憲に乗り出すつもりでした。

しかし現在では自民党が維新の会と同盟関係を構築することは、7月の参議院選挙でどのような形であっても悪影響を及ぼすことになるのは必至となりました。

日本国内の他の政党も、様々な形で自民党の改憲案に非を唱えています。
その内容について検証するためには何年も必要とするほど、その内容は多種多様です。

例を挙げると公明党は、参議院と比較し、衆議院の権限を強くすることを望んでいます。
民主党は地方分権化の推進を求めています。

こうした状況の中で、一般の国民の間には96条を改定し、その時々の政権が憲法をいかようにも変えられるようにすることには強いためらいがあるようです。

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そして本当の危険がもう一つあります。
憲法改定がどのような決着を見るにしても、まずは経済を再生させなければならないという日本にとっての緊急課題が、結局は解決されないままに終わるかもしれないのです。

〈 完 〉

http://www.economist.com/news/asia/21578712-shinzo-abes-plan-rewrite-japans-constitution-running-trouble-back-future
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第二次世界大戦終了後の70年間の民主化に向けた世界の努力を、この人間たちはどう考えているのだろう?
自分たちが命令者になる社会を作ろうとする、どうしてそこまで思い上がれるのだろう?
そう思います。

そして昨日5日に公表された「成長戦略・3本目の矢」なるものが、「民間活力の最大限の活用」とありました。
この狡猾な表現には、唖然とします。
今後の経済政策がうまくいかなかったら、その責任は「民間側」にあり、成功すれば自民党政権がうまくお膳立てしたおかげ。
何だか、そう聞こえませんか?

要するに安倍首相を始めとする自民党のセンセイ方の腹の中にあるのは、『華族意識』なのではないでしょうか?
どんな体制であっても、自分たちがてっぺんにいられればいい。
だからヨーロッパアメリカの政治家の多数が、まずは一番大切にする民主主義を、いとも簡単に捨て去ることができるのでしょう。
パッサウ市内をボートで進む救助隊、6月4日。
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【 安倍政権「日本の民主主義を終わらせる!」統制国家の樹立をめざす 】〈 前編 〉

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所要時間 約 6分

【 日本国憲法第9条 】
自民党の改憲案は、現行の憲法が保障している基本的人権を完全に削除
国民に『上から命令する』、統制社会を目指す

エコノミスト 6月1日

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日本は太平洋の敗戦によってその国土を廃墟にしてしまい、アメリカ軍の占領を受けることになりました。
そして1946年、アメリカが原案を作成した日本国憲法が公布・施行されました。
自民党は1955年のその結党以来、この『民主的に過ぎる』憲法を改正することを党の基本方針としてきました。
なかんずく安倍首相にとっては、かつての占領軍によって『押し付けられた』国家の基本的骨格を捨て去ることは、そのライフワークになっています。
経済の復活とともに、憲法を書き換えることは、安倍首相の『日本を取り戻す』というテーマの中心を成しています。

安倍首相の右翼的姿勢を支持しない多くの日本人も、少なくとも憲法第9条を見直すことは支持しているようです。
この日本国憲法第9条は、日本の平和主義の象徴となっているものです。
憲法第9条は日本が外国との交戦権を持たないと規定し、常設軍、空軍、海軍を持たないと規定しています。
日本を平和主義的国家として位置づけるこの考え方は、未だに多くの支持を得ています。

しかし憲法の現行の解釈では、日本と同盟関係にある国家が攻撃を受けたとしても、日本は援軍を派遣することはできません。
改定では無く、最大限解釈を変更したとしても、現行憲法が認めるのは他国軍と協働しての自衛権の行使までです。

自衛隊
しかし、多くの日本人にとって歯がゆいことに、1954年の創設以来、世界的に見ても最も洗練された、戦闘能力の高い『自衛隊』を、常設軍隊と呼ぶことはできません。

これまで日本国憲法が改定されることはありませんでしたが、現在は幅広い支持があり、憲法改正の実現の可能性が出てきました。
憲法改定については様々な議論がありますが、まずはプライドの問題である事に間違いありません。

日本国内ではこの平和主義の体制に、多少でも変更を加えようとする試みでさえ論争の的になっています。

しかし実は安倍首相率いる自民党は、もっと極端な形でのこの国の体制の変更を狙っています。

昨年自民党が公表した憲法改正草案の中身には、歴史の針を逆に回し、かつての『統制社会』に戻そうという意図が見てとれます。

自民党改憲推進本部事務局長を務める中谷元衆院議員は、「自由と基本的人権、そればかりが大切にされている。」
と語り、現在の日本の体制に不満を隠そうとしません。
「国民の義務についても、同等に扱われるべきである。」

今回の自民党の憲法改正草案は、安倍氏を筆頭とする改憲論者の意向が強く反映されたものです。

改憲論者はかつての日本について、軍国主義国家が犯した数々の非道の行いには一切言及せず、日本が天皇陛下の慈悲深いまなざしの下、調和のとれた社会を築き上げていたことを子供たちに教育すべきだと主張しています。

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自民党の会見草案は、個人の権利を制限し、『公の秩序』を優先させることを謳っています
そして天皇の国家元首としての地位を回復し、天皇が憲法の規定に一切束縛されることは無いと位置づけようとしているかのようにも見受けられます。

そして自民党の改憲案は、基本的人権について保証している条項を完全に削除しているのです。

〈 つづく 〉

http://www.economist.com/news/asia/21578712-shinzo-abes-plan-rewrite-japans-constitution-running-trouble-back-future
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「平和ボケしている日本人」などという事がいわれますが、私自身は平和で何が悪い!と思います。
平和だからできることは無数にありますが、戦時だからできること、そんなものはどれほどあるというのでしょう?

日本が軍備を拡充し、中国や北朝鮮に宣戦布告すれば何かが解決するのか、と思います。

21世紀に入り、武器が第二次世界大戦当時とは比較にならない程進歩「してしまった」今、戦争というものがどれ程無残な結果につながるか。
シリアというあの小さな国の内戦ですら、人々は筆舌に尽くしがたい苦しみの中に追いやられ、明日がどうなるのか全く予断を許しません。
そしてアメリカですら、未だに『小国』アフガニスタンの『一勢力』に過ぎないタリバンに対し、決定的勝利を得られないでいるのです。
公称13億人、実際には14億とも15億ともいわれる人口を抱え、経済規模が世界第2位になってしまった中国が、どれ程の軍備を抱えられる事が可能なのか、計り知れないというのが世界の常識です。

その国を仮想敵国にして、憲法を書き換え、軍備を増強する、そのような構想のどこに未来があるというのでしょうか?

「限定」戦争という考えがありますが、過去の戦史を振り返ってみて、「限定」のつもりが止めども無く戦線が拡大して行ったという経験を、日本は第二次世界大戦においてさんざん経験させられたはずです。

大切なのはしんどくてもタフな外交を行い、何とか国益を守っていく事だと思います。

「平和ボケしている日本人」などと揶揄する人間は、世界がどう変わっているかを見通せない、21世紀外交の複雑さを理解できない、要はそういう事なのではないでしょうか?

【 崩壊の危機が続く、福島第一原発・事故収束・廃炉作業の現場 】〈 後編 〉

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所要時間 約 11分

本当の危機は、これから始まる
熟練の作業員が現場を去り、未熟練作業員が増加し、今後増々トラブルが多発することになる

ワシントンポスト 5月23日

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絶えず水をかけ続けることによりメルトダウンした3基の原子炉の状態がある程度安定しましたが、今度は別の問題が持ち上がりました。
一匹のネズミが死んで、仮設の原子炉冷却システムも含め、発電所内の電源が失われるトラブルが発生、さらには地中に作られた臨時の貯蔵施設から大量の放射能汚染水が漏れだしていることが判明し、地上にある鋼鉄製のタンクに至急汚染水を移し替えなければならなくなりました。

日本政府や東京電力は現在の作業を『廃炉作業』と言っていますが、原子炉を完全に廃棄する廃炉作業はまだ始まっていません。
これまで行われてきたのは、事故がこれ以上悪い状態にならないよう、臨時=間に合わせのシステムを製作し、原子炉を安定させることだったのです。

現在はまだ数千本の燃料棒が、原子炉近くにある使用済み核燃料プール内に放置されており、これを取り出して安全な場所に保管する必要があります。
しかし取り出し作業は非常に難しいものになります。
なぜなら原子炉建屋で相次いだ爆発によって原子炉建屋の構造が破壊されてしまい、通常の設備を使っての取り出しが不可能になっているからです。
この燃料棒を一本一本取り出す作業も、まだ始まってもいないのです。
これらの燃料棒はすでに原子炉内で使用されたものですが、信じられないほど高濃度の放射能を発し続けています。

福島第一原発の夏至路がメルトダウンして以降、事故現場の状況をツイッターでリアルタイムに逐一報告し続け、大量のフォロワーを獲得したひとりの作業員がいます。
彼が放射線量の高い場所で働いていた多くのベテランの作業員が、累積被爆線量が限界を超えてしまったために引退、あるいは解雇されていると語りました。

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「この仕事を続けることに、ある種の罪悪感を感じない訳にはいかなくなりました。」
彼はAP通信社の取材に対し、こう答えました。
「これまでにたくさんの作業員がやめていきました。彼らの家族が、この仕事を一刻も早くやめるよう望んでいたからです。自分の子供のことが心配でやめた人もいましたし、親からもっと安全な仕事に就くよう命じられた人もいました。」

「ハッピーさん」の名で知られ、71,500人のフォロワーがいる彼は20年間原子力産業界ではたらきつづけ、そのうちの半分が福島第一原発での仕事でした。
彼は以前は下請けの中でも大手の会社で働いていましたが、現在は従業員が20人ほどの中規模の下請け会社で管理職の仕事をしています。
「もしこのままの状況が続けば、事故収束・廃炉作業はとても40年では終わりません。私はそうなってしまうことを恐れています。」
「海外で日本が原子力発電所を建設することになれば、今いる技術者は海外に行かなければなりません。」

「そして国内の原子力発電所が再稼働することになれば、ここにいる技術者や作業員は別の原発にいかなければならなくなります。」

彼がこうツイートしました。

日本国内の原子力発電所は、現在一カ所を除きすべて停止しています。

彼自身の累積被爆線量はすでに300ミリシーベルトを超えてしまっています。
医療分野の専門家は、被爆線量が100ミリシーベルトを超えるとガンや他の疾病を発症する確率が高くなると指摘していますが、とのような被害を受けるかは個人によって異なります。

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彼は事故の発生後、最初の一年で60ミリシーベルト被ばくし、以後6ヵ月ごとに定期的に線量を測定してきました。

通常原子力発電所など核施設で働く労働者は、累積被爆線量について5年間で100ミリシーベルト、あるいは1年間で50ミリシーベルト以内と決められています。
しかし福島第一原発の事故があった年、その限度は1年間で100ミリシーベルトに引き上げられました。

福島第一原発の現場では作業員たちは、様々なホースを施設内に引き回し、そのバルブの状態と温度をチェックし、各種の漏れをふさぎ、がれきを片付け、使用済み核燃料を取り除くための設備の建設に、毎日毎日追い回されています。

福島県労働局によれば、福島第一原発の周辺の市町村で除染を行う、原発内の事故収束作業よりも高額な報酬が得られる作業員ですら、現在は充分な数を確保できなくなっています。
今年の第一四半期には、除染作業を開始するにあたり2,142人の作業員を募集しましたが、確保できたのはわずかに321人だけでした。
除染はその場所の放射線量を下げるために、地面の表面を削り取り、落ち葉などをかき集め、壁などをこすり洗いする作業です。
「再建作業が本格化し、ここにはたくさんの仕事があるのです。」
労働局の菅野康生氏がこう語りました。

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昨年12月に福島第一原発の作業員を辞めて、除染作業員になった作業員がこんな話をしました。
低い賃金、ひどい扱い、そして放射線の恐怖に怯えながら働くことには、もう飽き飽きしたと…
彼は福島で育ち、原発作業員として10年の経験がありました。
彼は充分な経験を積んだ作業員の数は減る一方であり、そのために今後は増々ヒューマン・エラーによるトラブルが増えることになるだろうと警告しました。
彼は東京電力が利益確保のためコスト削減にばかり目が行き、作業員の安全確保や公正な待遇などについてはなおざりにされてきたとして非難しました。
東京電力は福島第一原発の事故の後、実質的に破たんし、政府の財政援助を受けることで実質的に国有化されました。

たとえ東電が今後数ヶ月の間に必要な作業員を確保できたとしても、その雇用条件は悪化せざるを得ないと彼が語りました

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「本当の危機は、これから始まるのです。」
フリーライターで写真家の木野龍逸(りゅういち)氏が語りました。
彼は福島第一原発の事故に関する著作を行い、2011年3月以降東京電力について集中的に報道を行ってきました。
木野氏によれば、監督の職務をこなせる経験豊かな労働者が皆、被ばく線量の限界に達してしまい、作業現場で
作業現場からいなくなってしまう最悪のシナリオが現実になる可能性があります。
木野氏は作業員の安全を妥協する事無く確保し、税金がもっと適正に使われるようにするため、東京電力とは別に、事故収束・廃炉作業を専門に行う会社を設立する必要があると考えています。

いわき市の渡辺市議会議員は、比較的大きな下請け会社が廃業する可能性が出てきたと指摘しました。経験が少ないために安い賃金で働く労働者を提供する、さらに下層にある下請け会社がより安い価格で斡旋を行っているためです。
このため、技術力の有る作業員の不足を悪化させる可能性があると語りました。

先にご紹介した『ハッピーさん』も同じ怖れを抱いています。
零細な下請け業者が送りこんできた作業員の中には、まともな教育を受けた様子も無く、満足に読み書きも出来ない人間が居ると語りました。

事故直後と比較すれば、福島第一原発内の様子はだいぶ落ち着いたように見えますが、『ハッピーさん』は原子炉のうちの一基が爆発した際の様子を鮮明に記憶しています。
破片が空から降り注ぎ、その時間が永遠に続くように思えた程に、彼には長いものに思えました。

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「私たちはパンドラの箱を開けてしまったのです。ありとあらゆる種類の悪魔がそこから現れました。しかし、箱の底には、未だわずかな望みが残っているかもしれません。
いつの日はまた再び、平穏な日々が訪れることでしょう。」

「でも私たちが生きている間に、そんな平穏な日々が訪れることは無いと思います。」

〈 完 〉

http://www.washingtonpost.com/business/stricken-japan-nuke-plant-struggles-to-keep-workers-in-setback-for-decommissioning/2013/05/23/052afba0-c382-11e2-9642-a56177f1cdf7_story.html
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本稿に出てくる渡辺博之議員という方は5月30日にご紹介した【 福島第一原発の現場が崩壊する! – 不足する緊急作業員 】IPSニュース(ローマを拠点とする国際通信社で、市民の権利と女性問題を得意とする)( http://kobajun.biz/?p=11520 )の記事にも登場しました。
福島第一原発の労働者の問題について、豊富な、しかも正確な知識と見解を持っている、世界のジャーナリズムがそのように認めているのだと思います。

原発廃止を現実のものにするためには、こうした良識を持つ議員を、原発マネーと利権にズブズブになり、業界の利益を国民の安全より優先させ、挙げ句は原子力規制委員会の敦賀原発などに関する「活断層判断はけしからん」などと、臆面も無く吠える「政権与党議員」と入れ替えていかなければなりません。

ことは原発に限った話ではありません。
株価が多少上がったから安倍政権を支持し、原発もまあ、仕方が無い、などというのは蒙昧な話では無いでしょうか?
私たちは福島第一原発の事故収束・廃炉、そして賠償について、どうやら100兆円前後の負担を強いられることになりそうです。
国民ひとりあたり100万円です。
4人家族なら400万円です。
しかもアメリカで始まっている裁判などの展開次第では、その負担はさらに増えることになるでしよう。

そしてこの春から保険料が上がり、税負担が増し、食料品価格が上がり、生活に対する重圧は大きくなっています。
弱い立場の方々の心労は、なおさらでしょう。

プロパガンダや一部マスコミの煽動に乗って、現実を見失わないようにしなければなりません。
「本当の危機」が始まらないように…

【 崩壊の危機が続く、福島第一原発・事故収束・廃炉作業の現場 】〈 前編 〉

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所要時間 約 6分

廃炉完了までの年数、政府内の本音は最低でも50年

ワシントンポスト 5月23日

廃炉現場 3
3基の原子炉がメルトダウンし、無残な姿をさらす東日本にある福島第一原発の現場は、安定した状態を維持し続けるためには、毎日数千人の労働者を必要とします。

しかし福島第一原発で働く労働者を確保することは日に日に困難になりつつあり、今後安全な状態を保ちながら、数十年かかる事故収束・廃炉作業を続けることが可能かどうか、重大な懸念が生じています。

福島第一原発を運営する東京電力は、2011年3月に津波の襲来を受け3基の原子炉がメルトダウンした後、溶け落ちた核燃料と破壊された原子炉の冷却を続けるためのぎりぎりの人数の作業員を確保するのがやっとで、これまで冷却水を送り込むための電源が落ちたり、大量の放射能汚染水が漏れ出したりといったトラブルが相次いで発生しています。
しかし東京電力はこの場所で過去に、そして現在働いている職員・作業員こそが現場の状況に精通しているのだと主張しています。

福島第一原発周辺の市町村では、津波の被害を回復するため、建設業を中心に仕事の口が豊富にあります。
日本の安倍首相が打ち出した経済政策『アベノミクス』は、公共事業への支出を大幅に増やす方針を打ち出しており、割の良い建設関係の仕事はいくらでもあるのです。

さらにはより危険が少ない事故によって放射性物質が降り注いだ地区の除染作業も、福島第一原発の事故現場そのものと比べれば賃金も高く、もう一つの選択肢という事になります。
AP通信の取材に対し、長年福島第一原発の現場で働いてきた作業員は、累積被ばく線量が健康に危険を及ぼすほどのレベルに達したベテラン作業員たちが、現場を去って行ったと答えました。

彼らを雇っている下請け会社は報道機関に作業員が接することを厳しく禁じ、もし身元が分かった場合にはただちにクビになると語り、彼らの匿名が守られるようAP通信に対し求めました。

廃炉現場 4
東京電力の広報担当の清水亮氏は緊急作業員が不足している事実を否定し、事故収束・廃炉作業は順調に進んでいると語りました。
「必要な数の作業員の確保はこれまでうまく行っており、不足してはいません。必要があれば、その都度増員していくつもりです。」

しかし今後の障害は、今縮小を見せ始めた原子力産業界そのものから発制するかもしれません。
これまで電力会社は原子力発電所内の作業を下請けに発注し、下請け会社はその見返りとして作業員を集めていました。そして電力会社から直接仕事を請け負った下請けは、さらにその下請けを別の会社に行わせ、その結果現在では5層もの下請け構造が出来上がってしまいました。
東京電力のような電力会社は最終的に現場に送り込まれた人数を把握しているだけで - 福島第一原発の場合は3,000人 - 、その人数を揃えるための苦労はしていません。

東京電力は福島第一原発で事故収束作業を行っている作業員への支払い賃金、あるいは被ばく限度量に達し、現場を去らなければならなくなった作業員の数を明らかにしていません。
そして下請け会社の作業員に対する待遇について、注意深く検討している訳でもありません。

2012年末に行われた調査では、作業員の48%が東京電力とは契約関係に無い下請け企業によって採用されており、正式な雇用契約書もされないまま働いていました。

一体どれだけの法律が無視されているか明らかではありませんが、政府と東京電力は下請け会社に対し法律を遵守し、状況の改善に努めるよう警告を発してはいます。

汚水タンク 1
福島第一原発で働いている作業員たちと定期的に面談を行っている、いわき市議会の渡辺博之議員は、福島第一原発の現場の作業員の不足は今後一層悪化するものと見ています。
「下請け会社があちこちかけずりまわって、かろうじて必要な人数を揃えている、それが現実です。」
「他に条件の良い仕事がいくらでもあるのに、一体誰が福島第一原発の現場のような場所で働きたいと考えるでしょうか?」

渡辺氏によると、福島第一原発の作業員に支払われる報酬は一日あたり約10,000円です。
これとは対照的に、環境省によって雇用され付近の市町村で、より被ばくの危険が少ない場所で除染などを行う作業員の日給は、公的に『危険性』が認められているため、その分の手当が加算されて一日16,000円前後になります。

福島第一原発の事故収束・廃炉作業については、日本政府の中で最も楽観的な観測をする専門家でさえ、最低でも50年近くかかると語っています。
東京電力もメルトダウンした3基の原子炉の炉心がどうなっているか、未だに検証できないため、廃炉の完了までに必要な年数を正確に割り出すことは不可能だと認めています。

〈つづく〉

http://www.washingtonpost.com/business/stricken-japan-nuke-plant-struggles-to-keep-workers-in-setback-for-decommissioning/2013/05/23/052afba0-c382-11e2-9642-a56177f1cdf7_story.html

日本のすべての対応に問題あり!国連人権理事会が警告、日本政府(安倍政権)は東京電力の責任回避を黙認

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所要時間 約 8分

日本政府は東京電力にとって最も有利な形で救済を行い、賠償責任を国民に転嫁した
子どもたちも暮らす生活の場に、汚染物質が放置されている

米国FOXニュース 5月26日

FOX News
2011年3月に発生した福島第一原発の事故後の状況について調査を行っていた国連の専門部会が、日本政府と東京電力の被災者に対する支援、援助の内容には問題が多く、改善の必要があると報告しました。

特別調査官のアナンド・グローバー氏は、チェルノブイリ以来最悪の原発事故となった福島第一原発事故後の状況について、国連の人権理事会のウェブサイトに以下の内容の報告を掲載しました。
すなわち、東京電力は現在実質的に国有化されていますが、本来行われるべき原発事故の被災者に対する完全な補償を東京電力が免れようとしている行為を、日本政府が黙認していると指摘しました。

報告書は福島第一原発の事故に対する、日本の対応全体について問題があるとしています。

その中には放射線被ばくに対する補償をどのように行うのか、その進め方の難しさ、そして放射線被ばくの健康リスクについての情報公開の欠如、そして福島第一原発の現場で働く緊急作業員の人々に対する不当な扱いが含まれています。

国連人権理事会の報告書は日本に対し、福島第一原発の事故に対する緊急態勢の不備を改めること、そして賠償請求に誠意を持って向き合うように強く求めています。

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ジュネーヴに本部を置く国連人権理事会は、昨年のグローバー特別調査官の訪日により作成されたこの報告書を基に、5月27日月曜日から本格的な議論を開始する予定になっています。

日本の原子力産業は、巨大地震と津波が引き起こした福島第一原発の事故で3基の原子炉がメルトダウンして以来、危機的状況が続いています。

5月24日には、過去にも2度事故を起こしたことがある東日本にある東海村の日本原子力研究機構の施設で、放射能漏れの事故があったことが報告されました。

日本原子力研究機構の報告では6人の研究者が放射線に被曝し、他にも24名の研究者が被ばくした可能性があります。この中で最大の被ばくをした人の被ばく線量は1.7ミリシーベルトで、この値は日本国内で暮らせば、環境中に標準的に存在する放射線により被ばくする量の1年間分にあたります。
原子力発電所関連施設で働く人の被ばく限度量は5年間で100ミリシーベルトです。

被曝した人々は入院はせず、施設外への放射能漏れは無かったと報告されました。

国連人権委員会の報告書は福島第一原発の事故後の状況について、『解決すべき深刻な問題』として、いくつか指摘を行っています。

避難民
第一点は放射線に関する正確な情報提供を行うため、様々な決定に際しては地元の自治体を含めて行うこと。
そして子供たち、妊娠中の女性、障害者、そして高齢者などの弱い立場の人々を護るための特別の配慮を求めています。

日本国内の原子力発電所は福島第一原発の事故以降、定期点検のため停止した後、そのほとんどが停止させられたままになっています。
東京電力と各電力会社は収益の減少と火力発電の燃料として使用する天然ガスや原油価格の高騰に苦しみ、損失額が膨らんでいます。

本来であれば、原子力発電を行うことによって発生したあらゆる損害に対し、東京電力は法的責任がありましたが、福島第一原発の事故を受け日本政府が東京電力を国有化したためにその負債も国が受け継ぐことになり、賠償責任も実質的に国民に転嫁されることになります。

国連人権理事会の報告書にも、日本政府が東京電力の一切の権利負債を引き継いだため、
「ほぼ間違いなく、日本政府は最も効果的な方法で東京電力を救済したことになり、その財政上の責任がすべて国民に転嫁されるものとみられる。」
とあります。

報告書にはまた、事故直後、東京電力に賠償を求めるためには2,215項目60ページからなる請求書類をすべて書き込む必要があったと記述されています。

Fukushima residents
その後指摘を受け、請求書類の中身は多少簡略化されたものの、国連の報告書は日本政府は東京電力が賠償額を減額させようとしたり、支払いを先延ばしにしようとしたりとしているという懸念に対し、厳正に対処するべきであると指摘しました。

さらに報告書は賠償金額には、住む場所を追われた何万という被災者が、生活を再建するために必要な費用のすべてが含まれるべきであるとしています。

これまで東京電力はまず企業や事業主に対し、賠償額2兆3000億円(約230億ドル)のうちの約半分を支払いました。
賠償金額には自主的に避難をした、ほとんどが個人の被災者からの160万件に上る個別の項目が含まれています。
これら個別の項目から賠償額を算定すると、その金額は当初の予想金額の3兆円を超えることになるため、日本政府は賠償のための基金に1,540億円を積み増しました。

約150,000人の福島の住民は、未だに故郷に戻れずにいます。
すでに数百人の元住民たちが、県外で新たに生計を立てるべく、より多くの補償を求めています。

国連の報告書は福島第一原発の事故現場で働く作業員たちについても、懸念を表明しています。
「彼らの中には生活困窮者、中にはホームレスの人々も含まれる。」

放擲に義務付けられているにもかかわらず、作業員の多くは非合理的な多重下請構造のために、受けるべき適切な放射線量のモニタリングと健康管理が行われていません。

廃棄物
さらに報告書にはこう記されています。
「取り除かれた汚染された土が、住宅地や子供たちの遊ぶ場所の近くなど、住民たちの生活の場の中に放置され、健康被害が起きることが懸念されている。こうした危険な廃棄物を一刻も早く、住民の生活の場から撤去し、適切に保管することが求められる。」

http://www.foxnews.com/world/2013/05/26/un-expert-urges-help-for-japan-nuclear-victims/
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5月31日付けの朝日新聞の第1面に、安倍政権が『原発を活用した成長政策を打ち出す』とあるのを見て、掲載予定を変更しました。
『ビクビクものの木曜日』、それは新たなる経済恐慌発生への警告?〈後篇〉を掲載する予定でしたが、そんな場合ではないようです。
そちらの方はいずれ翻訳の上、〈前篇〉のページに追加し、その際この欄でお知らせすることにします。
ご了承ください。

この記事にある国連の特別調査については、昨年の11月末に[ 国連の査察官、日本政府の原発難民・被災者対策に「NO!」 http://kobajun.biz/?p=6530 ]でお伝えしました。
調査官としての結論が、まとめられ国連人権理事会のサイトに報告され( http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=12838&LangID=E )、その要旨が紹介されています。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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