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【 小規模?! 福島第一原発の汚染水漏れ 】&【 チェルノブイリ事故の、新たな研究結果が明らかにしたもの 】

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【 小規模?! 福島第一原発の汚染水漏れ 】
東京電力は福島第一原発の、事故収束・廃炉作業を完遂させられるのか?!

ニューヨークタイムズ 4月14日

4号機使用済み核燃プール
破壊された福島第一原発で放射能汚染水の地下貯蔵施設で水漏れが明らかになり、この汚染水を地下貯蔵施設から地上の汚染水タンクへ移すことが決定しましたが、14日・日曜日、地下貯蔵施設で新たな漏出が見つかり、作業全体が遅れることになりました。
今回の水漏れは地下貯蔵施設から地上の貯蔵タンクに汚染水を送り込むための、配管からのものと見られています。

東京電力は地下貯蔵施設間で汚染水をやり取りするための配管の、つなぎ目の部分から約23リットルの汚染水が漏れ出したとみられると語っています。
東京電力は現在、福島第一原発の敷地内で、膨大な量の高濃度の放射性物質汚染水をどう貯蔵し続けるか、大きな問題に直面しています。

2年前の大事故により破壊された原子力発電所内では、溶け落ちた核燃料と核燃料プール内の使用済み核燃料が過熱しないよう、絶えず水をかけ続ける必要があり、このため毎日高濃度の汚染水が作られ続けています。

少量とはいえ今回の漏出事故により東京電力は、配管の修理が完了するまで、第2番貯蔵施設からの汚染水の移動を延期せざるを得なくなりました。
この貯蔵施設からはすでに120トンの汚染水の漏出したものと見られており、今回の事故によりその量はさらに増えることになります。

汚染水池
この貯蔵施設は数枚のビニールなどを重ね合わせて作られていましたが、東京電力によれば汚染水はそこから漏れ出し、付近の土壌を汚染してしまいました。

今回の問題もまた、福島第一原発の事故収束・廃炉作業を完遂させられるだけの能力を、果たして東京電力が持ち合わせているのかどうかという疑問を、再び突きつけることになりました。
福島第一原発では先月来、繰り返し様々なトラブルが報告されていますが、中にはネズミが配電盤の中に侵入したため、原子炉や使用済み核燃料プールの冷却が出来なくなるという事故が発生したばかりでした。


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【 チェルノブイリ事故の、新たな研究結果が明らかにしたもの 】
精神的ストレス障害、外傷的ストレス症候群、うつ、不安、そして被差別感情で苦しむ被災者たち

ジャード・アンダーソン アメリカAOLエナジー 4月26日

AOLチェルノブイリ
2013年4月26日、旧ソ連邦のウクライナ共和国で発生した、悪名高いチェルノブイリ原発事故が発生してから27周年を迎えました。
この日、国際的な場で人道的支援活動を行っている緑十字インターナショナルが、この恐ろしい原発事故が人間の心理的側面に長期的に及ぼしている影響に関し、新たな研究結果を明らかにしました。

大規模な放射性物質の放出には、ガンの発生は常に大きな懸念材料です。
しかし、チェルノブイリのような大規模な原発事故の場合には、約1,000万人に上る地方住民に対し、これとは別の深刻な長期的心理的ダメージを与えてしまっていることが明らかにされました。
精神的ストレス障害、外傷的ストレス症候群、うつ、不安、そして被差別感情で苦しんでいることが、調査で明らかになりました。
「うつ、不安、そして自殺は、汚染地域で暮らす人々と、避難をした人々の間の深刻な問題です。」と、緑十字インターナショナルの社会問題・医療問題責任者のマリア・バイタグリアーノが、公表された声明の中でこう述べています。

調査結果は、南カリフォルニア大学世界健康研究所の責任者ジョナサン M.サメット博士がリーダーとなり、ロシア、ベラルーシとウクライナの各緑十字が参加して行なわれました。

以下にご紹介する動画は、ウクライナ、ベラルーシ、モルドヴァ、ロシア連邦に住んでいる人々が抱える問題について、サメット博士が解説を行っているものです。


http://energy.aol.com/2013/04/26/video-findings-of-chernobyl-nuclear-disaster-study/?icid=related1
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日本の原子力行政の狡猾なところは、福島第一原発放出した放射性物質の被害について、あたかも甲状腺がん、その他のガンに限られるような宣伝工作を行っている点です。

第1部から第4部までご紹介した『実録『トモダチ』作戦』シリーズの中にもありましたが、放射線による健康被害はまだまだ未解明・未知の部分が多いのです。

福島第一原発の事故を起こしてしまった日本は、これから放射線が人体に及ぼす影響について、どの国よりも積極的に取り組む義務があるはず。
なのに、原子力発電所を抱えるどの国よりも及び腰に見えます。

科学的姿勢、為政者としての良心、日本の原子力行政にはそのどちらも感じたことがありません。

【 日本の原子力政策、アメリカ政府が異議 】〈 後篇 〉

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オバマ政権、「アメリカ政府が日本の脱原発に、異議を唱えたことなど一度も無い!」
日本の原子力施設の管理には、問題が多すぎる

米国FOXニュース 5月1日

放射線
日本国内の原子炉のほとんどは、プルトニウムを主原料とした燃料では無く、濃縮ウラン燃料を使っています。
しかしこれらの原子炉も、特定の技術を利用すればどちらの燃料も使えるようになります。
そして核兵器もまた、高濃度に濃縮したウラン、または核兵器レベルのプルトニウムまの両方を使うことができます。

イランと比較してみましょう。
イランはもう少しで、核兵器レベルのウラン濃縮ができそうなところまで来ています。
そして現在は核兵器レベルのプルトニウムを作り出すことが可能な、重水炉の開発に取り組んでいます。

日米両政府の関係者によれば、オバマ政権はつい最近、日本がこれ以上プルトニウムの在庫を積み増すことに対する懸念を日本政府に伝えました。

4月にワシントンでアメリカ政府の原子力政策の担当者と会談した、日本の原子力委員会の副委員長である鈴木辰二郎氏は、その際伝えられたメッセージが、次のようなものであったことを明らかにしました。
「その目的を明らかにしないまま、日本が莫大な量のプルトニウムを溜め込んでいくことは、世界に対し悪い先例を作ることになる。」

日米両政府によれば、鈴木氏が会談したのはアメリカ政府の核不拡散問題に関する政府の代表交渉人たちであり、その中にはダニエル・ポーンマン米国エネルギー省副長官、トーマス・カントリーマン国務省副長官が含まれています。

イラン核開発
北朝鮮キム
Abe nationalist
将来日本が原子力発電を続けるべきかどうかについて、アメリカ側は一切発言したことはない、国務省がこうコメントしました。

そしてアメリカ政府高官がこう語りました。

福島第一原発の事故を起こしてしまった以上、日本はもっとしっかりとした権能を持った核監視機関を作り上げ、六ヶ所村再処理工場のような施設についても、もっと適切な運営が図られるようにしなければならない。

しかし日本の原子力委員会と日本原燃は、共に今年10月には六ヶ所村再処理工場を稼働させるとしています。

これに対し、福島第一原発の事故を受けて組織された日本の原子力規制委員会は、その日程は『不可能』だとしています。
六ヶ所村再処理工場が対応しければならない新しい安全基準は、12月までまとまる予定はありません。
六ヶ所村再処理工場がおおむね完成しており、原子力産業界の関係者は数ヶ月のうちには完全稼働が可能になると考えています。

プルトニウムの核兵器転用の問題については、国連の核監視機関であるIAEAが、六ヶ所村再処理工場の操業状況について詳しく精査していく予定だと、日本原燃の福士氏が強調しました。
「今後日本側はIAEAの定期的、そして不定期の点検を受け入れることになっており、プルトニウムを取り扱い実態、そして使用状況を公表することになります。それにより日本は、六ヶ所村再処理工場が平和目的の施設であることを証明することになります。」
しかし原子力規制委員会は六ヶ所村再処理工場の試運転開始時期について、より慎重な姿勢採っています。

オバマと安倍
六ヶ所村再処理工場の操業開始がいつになろうとも、オバマ政権はそれが東アジア地区の国家間の摩擦を、さらに深刻な事態へと向かわせることを恐れています。
六ヶ所が周辺各国の核兵器開発と核武装化を、促進してしまうことを恐れているのです。

米国が開発した核燃料や設備をアメリカから韓国に提供する予定の新しい核開発協定は、現在手続きが遅れています。

この交渉で韓国側はウラン濃縮と核燃料の再処理を、自国で行えるようにアメリカ側と交渉を重ねてきました。
民間企業による原子力開発を推進するためには、これらの技術を国内で行うことが決定的要因になる、韓国側はそう主張しています。

しかしアメリカ政府は韓国側の提案を拒否し、結局先週になって従来の条件のまま、2年間の核開発協定の延長に米韓両国が合意することになりました。
ただし、交渉だけは続けられることになりました。

韓国はアメリカに対し、核技術保有の条件は長年のライバルであり、かつて自国を植民地支配した日本と同等のものを認められるべきである、そう考え、そう主張している。
現役の、そしてかつてのアメリカ政府高官たちがこう証言しました。

アメリカ政府当局者は六ヶ所村再処理工場を稼働させてしまえば、現在は日本に続いて核燃料の製造を認めらた韓国の一連の要求が、一層強硬なものになるだろうと語っています。

FOX 4
「日本に許されることが韓国には許されない、そのような印象を韓国が持ってしまったら、彼らはなんとしても状況を変えようとするでしょう。」
クリストファー・ヒル前駐韓アメリカ大使がそう語りました。

そして中国が先週、核燃料再処理施設の建設について、フランスのアレバ社と契約を交わしたことを明らかにしました。
中国は六ヶ所村再処理工場と同規模の施設を建設し、年間9トンのプルトニウムを産出する予定です。

中国はこの施設について、全くの平和目的であると語っています。
しかし中国はその兵器庫に数千発、あるいは数万発の核爆弾を保有しているものと見られています。

核問題の専門家が次のように語りました。

どのような形であれ、もし日本が核兵器に転用可能な核物質の製造に踏み切れば、必ず中国は対抗措置をとるに違いない。
そうなれば日中間で、泥沼の核軍拡競争が始まってしまう。

〈 完 〉

http://www.foxbusiness.com/news/2013/05/01/us-opposes-japan-nuclear-plan/#ixzz2S6cmiwo1
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皆さんは覚えていらっしゃるでしょうか?
福島第一原発の事故後、日本で脱原発の気運が盛り上がって来た時、日本のマスコミが、
「日本の脱原発に、アメリカ政府が懸念を持っている」
という報道を流しました。

しかしこの記事の中で、アメリカ国務省がそのことをはっきり否定しています。
日本のマスコミは真実を伝えないどころか、多くの人が知らないことをいいことにウソすら伝える。

英国の良識「エコノミスト」紙が、こう指摘しました。

日本の報道は常に権力の側に立ってものを考え、ほとんどの場合、正しい現実認識の役には立ちません(http://kobajun.biz/?p=6770 )。

ご指摘の通りです、残念ながら。

【 日本の原子力政策、アメリカ政府が異議 】〈 前篇 〉

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オバマ政権、日本の再処理事業稼働に反対を表明

米国FOXニュース 5月1日

101807
オバマ政権が反対しているにも変わらず、日本は今、大規模な核燃料の再処理事業を開始する準備を進めています。
アメリカは日本のこの動きにより、北朝鮮とイランを始めとするアラブ諸国に、核兵開発の口実を与え、核軍拡競争に火がついてしまう事を何より恐れています。

日本の本州の北端、青森県にある六ヶ所村再処理工場は、核兵器に転用できるプルトニウムを年間9トン生産することが出来ます。
この施設について、日本政府関係者は民間によるものだとしていますが、別の政府関係者や原子力産業界の専門家は、その量は優に2,000発以上の核爆弾を製造することが可能な量であるとしています。

日本政府関係者は生産されるプルトニウムは、発電以外の目的に使われることは無いと語っていますが、現在日本では2011年に発生した福島第一原発事故による原子力発電への懸念から、50基ある稼働可能な原子炉のうち、実際に稼働しているのは2基に留まっています。
さらには世界で唯一核兵器による攻撃を受けた経験を持つ国として、日本政府は長く核兵器の使用・製造には反対の立場をとってきたはずでした。

北朝鮮による核兵器開発の推進、そして領土問題に起因する国家間の緊張が高まっている東アジア地域において、六ヶ所村再処理工場における核燃料サイクルが与える影響について、アメリカ、韓国、さらには日本政府関係者が度々懸念を表明してきました。

日本の隣国、特に中国、韓国、台湾は、対抗上自国も核燃料技術の開発に力を入れる必要があるかどうか、六ヶ所村再処理工場の動向について注意深く事態の進展を見守っている、米政府当局者はそう考えています。
特に中国政府の場合、核兵開発の拡大に乗り出す懸念があります。

核爆発
「実際に起こりうる問題として、仮に六ヶ所村再処理工場が実際に稼働を始めた場合、この地域で唯一の核兵器保有国である中国政府は、対抗措置として、直ちに核燃料の再処理技術開発に着手せざるを得なくなるでしょう。」
こう語るのはワシントンに本部があるシンクタンク、核兵器不拡散政策教育センターのヘンリー・ソコルスキー所長です。

「核兵器開発に関するこのような報復の繰り返しは、事態をますます悪化させていくことになります。」

2006年、北朝鮮が一連の核実験を行った後、日本と韓国のタカ派に属する政治家たちはその脅威を喧伝し、自国の核兵器開発の必要性を訴え続けて来ました。

北朝鮮の最新の核兵器実験は、今年2月にも実施されました。

アメリカ政府がもう一つ懸念するのは、日本がプルトニウムを適切に、安全に保管できるのか、という点です。
仮に日本が稼働中のプルトニウム燃料を使っている原子炉の数を大幅に減らすとなれば、余剰分のプルトニウムをどう保管するかという、新たな問題が発生することになります。
当初六ヶ所村再処理工場はプルトニウムを発電用の燃料として使用することで、日本の備蓄を減らす施設と考えられてきました。

六ヶ所村再処理工場を運営する日本原燃株式会社の広報担当者である福士康文氏は、安倍首相率いる自民党政権は、新たな安全基準に合致すれば、現在停止中の原子力発電所を再稼働させていく方針であると語りました。

安倍 軍隊
そして現政権は六ヶ所村再処理工場の活用により、出力の高い原子炉の核燃料としてプルトニウムを使用してその備蓄量を減らしていくことを、国のエネルギー政策の一環として推進していると語りました。

日本政府と関連する民間企業は1992年にこの施設の建設を始めて以来、すでに2兆1千億円を超える巨額の費用をつぎ込んできました。
しかし日本政府の関係者によれば、技術上、そして予算上の問題から、予定を遅らせる変更が19回にわたって発生しました。

この著しい遅れのため、オバマ政権内部には日本は六ヶ所村再処理工場の計画を放棄したという認識が広がっていた、核政策を担当するアメリカ政府関係者がこう証言しました。
この認識は、福島第一原発の事故発生により、当時の民主党政府が日本の原子力世政策の大幅な見直しを表明したことにより、確信に近いものになっていました。

「日本が六ヶ所村再処理工場の計画に固執しなければならない、合理的な理由は存在しない。」
第一期のオバマ政権で核不拡散政策を担当したクレイ・サモア氏がこう語りました。

しかし、昨年12月に返り咲いた安倍首相の自民党政権は、日本の原子力産業に再び活路を与え、六ヶ所村再処理工場を中心とした核燃料サイクル事業の復活を約束した、政府関係者、そして原子力産業の関係者がこう証言しました。

安倍首相は原子力発電の擁護者です。

しかし安倍首相の事務所は、同首相が六ヶ所村再処理工場の問題に言及してはいないと答えました。

4号機建屋
日本が持つウラン濃縮技術と使用済み核燃料の再加工技術は、核兵器に転用可能な年間9トンのプルトニウム生産を可能にします。
六ヶ所村再処理工場の稼働により、毎年それが現実のものになります。

日本中部、東海村にもかつて再処理施設がありました、
2007年に閉鎖されるまで、この施設では毎年約7トンのプルトニウムが作り出されていました。
〈後編 - 5月5日掲載 - につづく〉

http://www.foxbusiness.com/news/2013/05/01/us-opposes-japan-nuclear-plan/#ixzz2S6cmiwo1
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福島第一原発では大量の高濃度の放射能汚染水が、処理不能のまま貯まり続けています。
そして六ヶ所村再処理工場には、核弾頭2,000発分のプルトニウムが貯まり続けることになる。
もし保管方法や管理方法を誤れば、2,000発の核爆弾を撃ち込まれたのと同じ災害が発生する可能性が生まれることになるのではないでしょうか?

その危険は年を追うごとに拡大し、2年目には4,000発、3年目には6,000発になっていく。
まさに日本は「原子力汚染大国」になろうとしているのではないでしょうか?

そこには健康な科学的思考など、微塵も感じられない。
そう思うのは、私だけでしょうか?

そしてそれをサウジアラビア辺りで、
「日本が世界に誇る原子力技術を、あなた方にも提供してあげよう。」
と胸を張って見せる。
そこに政治家としての健全な思考バランスを、あなたは感じることができますか?

21世紀の日本を、基本的人権を認めない国家に変えようとしている安倍自民党

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右派の集会を国家行事に『格上げ』した主権回復記念式典、国家主義を大いに煽った安倍首相

ワシントンポスト 4月28日

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日本は4月28日日曜日、日本が第二次世界大戦敗北の後、主権を回復した日の記念し、初めてとなる公式行事を開催し、安倍首相はその国家主義キャンペーンに一層力を入れる姿勢を明らかにしました。
昨年12月に政権の座に着いた安倍首相は、当初停滞している日本経済の回復に注力して来ましたが、最近になって持論の保守的政策を強化する姿勢を明らかにし始めました。

28日に開催された国家式典は、アメリカの影響を受けて作られた平和憲法改正の支持を取り付けるための一手段と見られています。
安倍首相率いる自民党は、現在の憲法が第二次世界大戦終了直後から1952年まで続いたアメリカの占領下、押し付けられたものだとしてことあるごとに批判してきました。

昨月、安倍内閣は4月28日を『主権回復記念日』という与党自民党の提案を承認し、初めて国費による記念式典を開催したのです。
これまで同様の式典は、首相自身が所属する自民党の超保守派議員、そして右翼的政策に賛同する人間たちによって私的に開催されてきました。

28日の式典は20世紀半ば、アジアを次々と侵略していった往時の日本の、国家主義行事の雰囲気そのものに満たされていました。
式典はまず、民主主義国家の国歌としての内容に関して論争の絶えない『君が代』の斉唱で開始され、明仁天皇陛下への万歳三唱で終わりました。
そしてステージ中央には、巨大な『昇る朝日』の飾り付けが据えられていました。

式典で安倍首相は国民に対し、この日のことを胸に刻み込み、心からこの日を祝うように訴えました。
そして日本を国家的誇りに満ちた、強力な国家にするよう求めたのです。
61年前、当時の日本人には高い理想があり、今日の国民はその期待に応えなければならないと強調しました。

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「日本を強国として、世界の国々が一目も二目も置く存在にしなければならない、我々にはその義務がある。」
安倍首相はここでも口癖にしている、『美しい日本』を取り戻すためにもっともっと努力しなければならないと語りましたが、その底には国民の権利を制限してすべてに国家的利益を優先させる、強権国家を作ろうとする意図が見え隠れしているという批判があります。

慶応大学の政治学者である片山杜秀(もりひで)准教授は、今回の式典もまたお決まりの国家主義三種の神器 - 国歌、国旗、そして軍隊をそろえた、安倍首相得意の『安っぽい演出』に彩られたものだったと語りました。
朝日新聞の27日付け朝刊に掲載されたインタビューの中で、片山准教授は今回の式典の目的について、アメリカ占領時代に作られた憲法を書き換えない限り、日本は真の独立国家とはなり得ないということを、国民に信じ込ませることだと指摘しました。

憲政記念会館で開催された今回の式典は、第二次世界大戦中日本の侵略を受け、被害を被った隣国などが批判してきた一連の国家主義的イベントの中、最新のものとなりました。

今月、日本のいわば『戦争の聖地』である靖国神社へ数人の政府閣僚と約170人の国会議員が参拝したことは、中国と韓国の強烈な反発を招きました。
これら日本の政治指導者たちが参拝した靖国神社には、230万人の戦争犠牲者に加え、戦時中の日本の指導者であり、戦争犯罪人として裁かれた14人もあわせて祀(まつ)られれており、ことあるごとに近隣諸国との軋轢を生じさせてきました。

安倍首相は先に国会で「侵略についての明確な定義は無い」、そして日本は「どんな脅威にでも屈しない」と発言し、中国と韓国を激怒させました。

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「日本はかつて主権を失ってしまった最大の理由は何だろうか? ... それは、日本が間違った道を進んでしまったからではないだろうか?」
日本経済新聞は日曜の社説でこう述べました。
「日本は太平洋戦争における戦争責任について、それを曖昧なままにしてきた。そのために近隣諸国との間に歴史認識についてのずれが生じ、戦争が終わって68年を経た今日尚、論争を続けざるを得ない原因を作り出してしまった。』

安倍首相はさらに現在の自衛隊の拡充を図り、正式な軍隊へと変えようとしています。
そして過去日本政府が行った、第二次世界大戦以前から戦争中に大日本帝国の軍隊が行った非人道的行為についての近隣諸国に対する謝罪についても、これを覆そうとしています。
さらには自民党の政治綱領にも概説されている通り、天皇の地位を再び国家元首の地位に据えようする動きすら見せています。

自民党の憲法改定草案では、国際社会において人間の当然の権利であり不可侵とされている基本的人権について、これを保証する条項を削除することが謳われているのです。

この式典はアメリカによる占領が1972年まで続いていた沖縄の厳しい批判を招きました。
沖縄県の宜野湾市では数万人の市民が公園に集まり、大規模な抗議集会を開催しました。

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沖縄には日米安保条約に基づき、在日アメリカ軍の4分の3が駐留していますが、それだけに県民の間には根の深い反米感情があります。
そして同時に日本政府に対しては、沖縄が犠牲を払っている状況について充分な配慮、そして補償を行っていないという不満が鬱積しています。

沖縄県の仲井真弘多知事は、日曜日の式典をボイコットしました。

日本は1951年、米国でサンフランシスコ平和条約と日米安全保障条約に同時に調印しました。
そしてその7ヵ月後、日本本土のほとんどの地域においてアメリカ軍による占領が終了しましたが、 沖縄には引き続きアメリカ軍の大部隊が駐留することになりました。
日本の主権回復を祝った4月28日、沖縄ではこの日の事を『屈辱の日』と呼んでいます。

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/suddenly-japan-marks-sovereignty-recovery-day-as-government-steps-up-nationalist-campaign/2013/04/28/b69de262-afc3-11e2-b59e-adb43da03a8a_story.html
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先日、自民党の国会議員が安倍首相の政権運営を「世界が評価している」と自画自賛していましたが、「世界とはいったい何を指して言っているのか?!」と思いました。
少なくとも私が毎日チェックしているアメリカ、そしてイギリスなど先進各国の一流と言われるメディアではない、その事だけは確かです。
今日を皮切りに【星の金貨】では、そうした記事を暫時ご紹介してまいります。

ドイツは第二次世界大戦での自国の行為について、徹底的な検証を行い、あわせて戦争責任の追及が行いました。
自国の力で清算を行ったのです。
そして国家社会主義労働党(ナチス)は非合法化され、かつて侵略した相手のフランスとは盟友になり、今やヨーロッパ各国の束ねとして重要な役割を果たしています。

日本はどうでしょうか?
街中をわがもの顔で、大音量で軍歌を流しながら走る右翼の街宣車。
あれはドイツでは非合法、だと思います。

日本だけがそれを許している、というより現政権とのつながりはどうなのでしょうか?
みなさん、ご一緒に世界の世論をとことん検証していきましょう!

写真集【 CIWEM 世界環境写真家大賞2013 】 作品展〈 後篇 〉

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都市居住者が、地方居住者の数を上回ってしまった地球。格差拡大の危険な状況に向かうのか?

ザ・ガーディアン(英国) 4月10日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

GRD09
[環境が生んだ難民]「最後の幻想」アレッサンドロ・グラッサニ
ひとりの子供がモンゴルの首都ウランバートルにあるゲル(遊牧民族の移動式居住用テント)地区を歩いています。
モンゴルでは極貧のため、数多くの子供たちが学校に通う事すらできません。
2008年は地球にとって、引き返すことのできない転換点となりました。
地球の歴史上初めて都市居住者の数が、地方に住む人の数を上回ってしまったのです。
このため地球温暖化が一層進むことになる一方、これから数十年の間、都市の貧困層は抜き差しならない危険な状況に追い込まれていく可能性があります。

[環境が生んだ難民]「最後の幻想♯6」アレッサンドロ・グラッサニ(写真下・以下同じ)
モンゴルの首都ウランバートルの自宅で3歳の息子とともに、ゲルの中に横たわるエルデヌ・ツヤ。
彼らはぎりぎりの生活を送っていますが、飼っているヒツジたちとともに、冬の間より一層厳しい環境の中で生きていかなければなりません。
GRD10
[環境が生んだ難民]「最後の幻想♯7」アレッサンドロ・グラッサニ
冬の嵐の間に死んでしまった羊の死体を、埋葬場所に引きずっていくエルデヌ・ツヤ。
GRD11
[電子廃棄物 : ガーナ]カイ・レーフェルドバイン
電子廃棄物のリサイクルは、今やこの地球上で数千万人もの人々が食べていくための『割の良い商売』になっています。
GRD12
[汚染されてしまった景色]ルー・グアン
中国内モンゴル自治区の霍林弥勒市。大規模な炭鉱開発により、もともとあった緑の草原はすっかり荒廃し、牛も羊も姿を消してしまいました。
地方政府は、モンゴルのイメージを残す試みとして、120体の等身大の草を食む羊、牛、馬、そしてラクダの彫像を製作し、一帯に置き並べることにしたのです。
しかしそれをしたために、かえってこの地が汚染されてしまったことを強調する結果となってしまいました。
GRD13
[グリーンピース]スティーヴ・モーガン
グリーンランドの沖合180kmの海上で、53,000トンの石油採掘基地レイヴ・エイリクソンの舷側のはしごを昇るグリーンピースの活動家たち。
レイヴ・エイリクソンは現在世界で最も環境破壊が懸念されるバフィン湾で採掘を行っており、グリーンピースはそれを止めさせるため様々な活動を行っています。
グリーンピースはこの場所は、貴重な世界最大のイッカククジラの生息域であり、またシロナガスクジラ、海鳥、ホッキョクグマを含む、世界有数の海洋生物の生息地だと指摘し、環境の保護を訴えています。
GRD15
[ごみファイター]イゴール・ペトコヴィク
ごみとリサイクルをテーマに、西アフリカを旅していた私は、各地のごみ集積所でたくさんの子供たちと出会いました。
私はこの子供たちにテーマを絞り、ごみの山と格闘する彼らの姿を、生きた現実として世界の人々に見て貰おうと思いました。
GRD16
[核の冬]ゾルタン・バロウ
極寒の日、ハンガリーの首都ブダペスト西方のボコド湖の岸に並ぶ家々
オロスラニーの街の近くにあるボコド湖は湖水の温度の暖かさと、沿岸に立ち並ぶ漁師の家の家並の美しさで知られています。
その家々の正面にあるのがオロスラニー発電所であり、ボコド湖はどんなに寒い冬でも決して凍結することはありません。
GRD17
[核の冬]トーマス・ホワイト
石油を運ぶタンクローリーが、ウガンダとの故郷を目指し、ルワンダの道を埃を巻き上げながら疾走しています。
GRD18

http://www.guardian.co.uk/environment/gallery/2013/feb/21/ciwem-environmental-photographer-2013?INTCMP=SRCH#/?picture=406897756&index=0
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モンゴルの遊牧民族の人々の暮らしは、作家の司馬遼太郎さんが『街道をゆく』その他で熱心に紹介してくれたおかげで、私たち日本人にもずいぶんその実態がわかるようになりました。
そこから得た私の知識などはいわば『また聞き』のものです。

それを承知でお話しますと、国家等概念が地機上で暮らす、全ての人々の上に重くのしかかるようになってから、国境など気にせず遊牧をしてきた人々の暮らしが、ずいぶんと不便なものになったようです。
この写真集を見る限り、その不自由さは現代社会の『貧困』という概念と直結してしまったようです。

同様に日本においても、戦後自民党の高度成長政策により、大家族制の農民社会が「核家族」制社会へと変貌しました。
大家族から切り離された核家族は、企業にとっては使いやすい人材を輩出するための供給源としての側面を持っていたように思います。
大家族によるしがらみ、地縁社会から霧はされた人材であるほど、企業にとっては『使い勝手の良い』人材であったはず。

今回のTPP参加は、その大家族制、地縁社会に対する最後の鉄槌なのでしょうか?
既存のコミュニティを徹底的に壊し、他によって立つものを失った人間を企業社会、そして国家に直接組み入れていこうとしている、そんな気がしています。

その先にあるのは、硬直した一層の高齢化社会・少子化社会、人間を使い捨てる社会のような気がします。
そして人間の多様な在り方を否定する、日本の現政権による国家主義社会志向。
皆さんはどうお考えになりますか?

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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