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福島第一原発、信じられない程、莫大な量の放射能汚染水

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所要時間 約 8分

【 限界が近づいている!福島第一原発施設内、高濃度汚染水の保管問題 】

アルジャジーラ 10月25日


もはや機能していない福島第一原発で、破壊された原子炉の冷却に用いられた、高濃度の放射性物質に汚染された莫大な量の水の保管に、東京電力が苦慮していることを、同社の汚染水対策班の責任者が明らかにしました。

福島第一原発の敷地周辺には、オリンピックプール50杯分の水を貯蔵できる、巨大な貯水タンクが数百基建設され、原子炉を冷却するために使われた約200,000トンの汚染水が保管されています。

東京電力はすでに周囲の木を片っ端から切り倒し、タンクを設置するための敷地の確保を行っていますが、汚染水の量は今後3年で現在の3倍の600,000万トンを突破するものと見ています。
「汚染水の保管容量は限界に近づいており、時間との戦いになってきました。残された保管容量はごくわずかしかありません。」
東京電力の汚染水対策班の責任者である岡村雄一氏が今週、AP通信の取材に対し、このように答えました。

事故をこれ以上深刻なものにしないためには、メルトダウンした原子炉に大量の水を絶え間なくかけ続ける以外、方法がありません。
岡村氏は、原子炉建屋の最上階、地上50メートルの高さにある使用済み核燃料プールに注水するため、死に物狂いで方法を探った日々の事を覚えています。

使用済み核燃料プールに水が無くなってしまえば、核燃料はオーバーヒートしてメルトダウンを起こし、はるか遠くまで死の灰を拡散し、何百万という人々に被害を与えることになります。


核燃料を冷却し続け、それぞれの原子炉を安定した状態にしておくための措置は、別の大きな問題を引き起こしました。

破壊された原子炉から漏れ出し、建屋の地下、そして周辺の施設に溜まり続ける高濃度の汚染水をどう処理するか、という問題です。
「その時点で、高濃度汚染水がタービン建屋にまで漏れ出すという事は、想定していませんでした。」
岡村氏がこう語りました。

岡村氏たちは冷却水として使用した汚染水から放射性物質を取り除き、再び冷却水として使用できるようにするシステムを作り上げることを課題として与えられました。このシステムはこれ以上の施設内の汚染を防ぎ、作業員たち、そして環境へのダメージを食い止める目的がありました。

まず最初に東京電力は汚染水を原子炉近くの貯蔵タンクに保管する作業を行いました。


▽ 汚染水

その一方、55名からなる岡村氏のチームは、汚染水から放射性物質を除去するシステムを制作しましたが、岡村氏によれば通常なら完成まで2年かかる作業を、事故発生後3カ月で着工から稼働までを行いました。

この装置のおかげで、東京電力は冷却水の再利用が可能になりました。

しかしいくら再利用が可能になったとはいえ、原子炉の亀裂から原子炉建屋内とタービン建屋に冷却水が漏れ出し、このため汚染水の増加はとどまることなく続いています。
岡村氏のチームは、11月には東芝グループの技術を使った、新しい汚染水の浄化システムを稼働させることにしています。
「ALPSシステムによって浄化された汚染水を、さらに浄化することにより、すべての汚染物質が規制値以下のレベルにまで浄化されることになる予定です。」

しかし、こうしている間にも、原子炉の施設から地上に汚染水が漏れ出すことを防ぐ手立ては無いために、汚染水を保管するタンクは次々に一杯になっていきます。


原子力技術者で大学講師の後藤政志氏は、増え続ける汚染水の問題は、人間の健康、そして環境に対する長期に渡る脅威となり得る、と語りました。
後藤氏は、この汚染水が福島第一原発の施設の排水溝などから地下水脈に入り込み、さらには海中や公共の水道水などにも入り込んでしまう事を懸念しています。

「約10,000トンから20,000トンの汚染水が、それぞれの原子炉の核燃プール内に溜まっています。その他にも大量の汚染水が、この福島第一原発の施設にはあり、もしそれらを一か所にまとめると、その量は数十万トンもの量になります。それを見たら、いったいどう処理すればいいのか、誰だって動揺せずにはいられないでしょう。」
後藤氏は最後にこうつけ加えました。

「とにかく信じられない程莫大です。まったくもって莫大な量の汚染水が貯まり続けているのです。」

溶けた核燃料をはじめ、放射能で汚染されたすべての破片などを取り除かない限り、福島第一原発は汚染水の問題に取り組み続けなければなりません。
このプロセスだけで、優に10年はかかるものと見られています。

http://www.aljazeera.com/news/asia-pacific/2012/10/2012102510561941251.html
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この問題と、使用済み核燃料(高放射性核廃棄物)の問題をスルーして、原子力発電の継続など許されるはずがありません。
あたりの木をどんどん切り倒し、汚染水をつめた巨大なタンクを次々に設置していく。
しかし、どんどん水をかけ続けなければ、福島第一原発はこれまで以上の大災害に向けて暴走する。
そして高濃度の汚染水の『生産』が果てしなく続く。

これが『冷温停止状態』の真実です。

この真実を、日本国民の何パーセントが認識しているでしょうか?

福島第一原発の事故が始まったばかりの頃、海外の専門家などが指摘する『可能性』を口にすると、
「風評を煽るな!」
と責められました。

しかしその後、海外の報道機関や研究機関、そしてフェアウィンズやセイフキャストなどの市民運動グループが少しずつ事実を明らかにしていき、『可能性』は事実であった事が判明していきました。
それにより、「風評を煽るな!」などという叱責が、蒙昧であるが故の感情論である事が明らかとなり、口にする人はいなくなりました。

今度は『冷温停止状態』という言葉の一人歩きにより、福島第一原発の現場で淡々と、着実に事故処理が進んでいるかのような『錯覚』を持っている人が数多くいる事でしょう。

この記事が伝える『真実』も、一人でも多くの人に伝えていかなければならないと思っています。

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【 嵐の後の子供たち 】

アメリカNBCニュース 11月5日


マンハッタン・ビーチに近いブルックリン地区で、学校にたどり着くため、倒れた木を乗り越える母と息子。11月5日は、ハリケーン・サンディ襲来から一週間、学校再開初日になりました。
11月5日、ニューヨーク。


マンハッタン・イーストヴィレッジ小学校で、5年生の子供たちとハリケーン・サンディについて議論する女性教諭ミリー・ラミレス。
イーストヴィレッジでは多くの子供たちが被災した。
11月5日、ニューヨーク。


自身のハリケーン・サンディの体験について描く、イーストヴィレッジ小学校5年生の生徒。


イーストヴィレッジ小学校に到着した親子

「ぞっとするような眺め」、鳴り響く線量計、振り切れる針

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所要時間 約 19分

【「真実の危険は知らなかった…」福島第一原発の作業員】

アメリカCBSニュース 11月1日


津波によってメルトダウンが起きた福島第一原発では、汚染された冷却水の危険性を知りながら、東京電力は適切な防護措置も取らず、正しい情報提供も行わず、緊急作業員を現場に送り込んだと、元作業員が告訴理由の中で述べました。

この元作業員は、危機的状況にあった事故直後、原子炉3号機の事故対応にあたった6名の契約雇用による作業員の中の1人で、東京電力の対応により、放射線による健康被害を受けてしまったと語りました。

事故当時の作業員が、当時福島第一原発で何が起きていたかを、公の場で明らかにするのは珍しいことです。
彼は自分の名が『シンイチ』であることだけを明かし、AP通信の取材に応じました。

46歳の『シンイチ』は、事故当時の行動について、以下のように語りました。
暗闇と恐怖が支配する身の毛もよだつような現場で、あふれだした高濃度汚染水の中をヘッドランプひとつでかき分けるようにして進んでいきましたが、防護ブーツを通してさえ、汚染水の暑さが伝わって来ました。
「とんでもない状況でした。人間を送り込んでよい場所では無かったのです。」

3月24日、彼を含めて6人のチームは、電源ケーブル敷設のため3号機の地下部分に送り込まれたのです。
3号機は10日前に原子炉建屋が爆発を起こし、大量の放射性物質を環境中に放出していました。
彼らの任務は、過熱している核燃料プール内に冷却水を送り込むため、ポンプの電源を復旧させることでした。


彼は、東京電力とその第一次下請会社は、汚染された水が施設内のいたるところにあることを、作業員たちには伝えなかったと主張しています。

こうした『シンイチ』氏の告発に対し、東京電力の一杉よしみ氏は、福島第一原発の敷地内の他の場所で汚染水の存在が懸念されてはいたものの、3号機の地下にもそれがあるとは予測できなかったと、主張しています。
『シンイチ』氏の被ばく線量は、この日だけで政府が定める法定限度の半分を超えてしまい、直後から福島第一原発での作業を止めなければなりませんでした。

『シンイチ』氏は彼の家族が嫌がらせを受けたり、彼自身が事実と違う事を語っている、またはトラブルメーカーとしての汚名を着せられる恐れがあることから、取材に関しては顔写真の撮影を行わないことを条件に取材に応じました。

10月30日に彼は福島の労働基準監督局に刑事告発を行いました。
内容は、東京電力の安全対策に違反があったことを認めた上で、改善命令を出すよう求めています。
また、6か月以下の懲役または500,000円以下の罰金を定める労働安全衛生法に基づき、彼を直接雇用した会社を告発しました。

『シンイチ』氏の雇用主である東京電力の下請け会社は、3月中に彼を福島第一原発の現場で働かせることをやめ、待機を命じました。
彼は現在、ホットスポットと呼ばれる、福島県内の汚染がひどい場所で、除染作業員として働いています。

「私はこうした不当な取り扱いについては、告訴する充分な理由があると考えています。告訴に踏み切った理由は以上です。」


3月24日朝、『シンイチ』氏のチームは福島第一原発の危機管理センターに集合し、その日の作業について指示を受けました。
彼らは防水加工された防護服の下に、さらに2重構造の防護服を身に着け、チャコールフィルター付きのフルフェイスの防護マスク、そしてゴム手袋を二重に装着しました。
作業員はそれぞれ携帯型の線量計を身に着け、警報を前日検出された放射線量の40倍にセットしました。
この時、放射線量の増加については、それほど急激なものは予測していなかったのです。
しかし実際の放射線量は400ミリシーベルトでした。
この量は致命的ではありませんが、一時的に白血球数を減少させるのに十分な被ばく線量です。

3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が重要な設備である原子炉冷却システムを破壊し、福島第一原発の3基の原子炉でメルトダウンが発生し、大量の放射性物質が放出されました。
過熱している原子炉に対し何トンもの水が送り込まれましたが、それは直後に高濃度汚染水となって漏れ出し、原子炉建屋の地下や他の施設に漏れ出していったのです。


『シンイチ』氏はこの時受けた簡単な指示を覚えています。
すぐに原子炉建屋一階と地下の、制御盤の電線をつなぎなおすように。
放射線量が少しばかり高くなっているだろうが、問題というほどではない。
「汚染水については、何も触れられていませんでした。」

そのため、作業用ブーツを選ぶ際、膝まである長いブーツを履いたのは2人だけで、残る4人は短いものを選んだのです。

行く手を照らし出すものと言えばヘルメットにつりつけられたヘッドランプのみ、そんな状態で彼らは壁に開けられた穴から原子炉建屋の中に入っていきました。
電動ドアなど動くはずもありませんでした。
『シンイチ』氏と2人が1階で待機している間、2社の異なる下請け会社によって派遣された作業員3人が地下へと降りていきました。
何気なく下を見ると、白い湯気を立てている水面が見えました。
そしてめちゃくちゃになった機器の部品、そして壊れた建物の破片が落ちていました。


「ぞっとするような眺めでした。」
『シンイチ』氏が語りました。
「原発で働く人間なら知っていますが、床にたまった水は最悪の状況の象徴なのです。決して触れてはならないものなのです。」

線量計が鳴り響きました。最大値を検出したら5回警報音を鳴らすように設定された線量計は、原子炉建屋に入ってから度々短い警報が鳴っていましたが、この時も警報が鳴ったのです。
数秒間のためらいがありましたが、結局3名の作業員は地下に降りはじめした。
その時線量計の警報がけたたましく鳴り響き、そして静かになりました。
それはその場の放射線量が、計測可能な値を超えてしまったという合図でした。
しかしチームのリーダーは、きっと誤作動に違いない、と話しました。
地下に進んだ三人は、くるぶしまである水をかき分けながら、制御盤までたどり着くと点検を済ませ、再び1階に戻ってきました。
彼らは地下に溜まった水が、ゴム製のブーツを通しても暖かく感じた、と話しました。

他の任務を与えられた別のチームは、『シンイチ』氏のチームを無視し、何もせず現場を飛び出しました。放射能がきわめて危険な値に達していることを、線量計が警告していたのです。


しかし『シンイチ』氏のチームはそこに留まり、水浸しの地下をさらに奥へと進んで行ったのです。
ただちに命に関わることはありませんでしたが、短いブーツしか履いていなかった2名の作業員は、両脚にベータ線(放射線)による火傷を負いました。
最も長くこの場にとどまった3名の作業員は180ミリシーベルトの被ばくをしていました。政府が7月に定めた年間被ばく限度量の、ほぼ4倍の被ばくをしてしまったのです。
『シンイチ』氏は短いブーツしか履いていないことを理由に、地下に降りてぶら下がっているケーブルの結束作業を行うことを拒否し、長いブーツを着用していた2人が代わってこの作業を行いました。
おかげで『シンイチ』氏は、放射線火傷を免れることができたのです。

東京電力のスポークスマン吉田まゆみ氏は、この時のチームリーダーは現場から撤退しなかった理由について、非常に重要な任務を担っていると考えたので、あえてそこに留まったが、床に溜まっていた汚染水についてはもっと注意深く対処すべきだったかも知れないと、後に東京電力の職員に語ったことを明らかにしました。
さらに東京電力は、施設内の予期せぬ状況について、さらに慎重に状況判断をすべきであったと、付け加えました。

結局『シンイチ』氏が13日間福島第一原発で作業した間の累積被ばく線量は20ミリシーベルトで、『ただちに健康に対する悪影響は無い』とされましたが、彼自身は安心しているわけではありません。

他にも原発作業員の問題を取り扱っている『シンイチ』氏の顧問弁護士は、東京電力とその下請け最大手である関電工は、『シンイチ』氏とその同僚5名の作業員を、許容限度をはるかに超える放射能に汚染された現場に、防護が不完全なまま送り込んだと指摘しました。


『シンイチ』氏の顧問弁護士、山添拓氏はこう語りました。
「きわめて危険な現場に作業員を送り込んだこと自体違法である上、著しく高い放射線被ばくの危険にさらしたことも労働安全衛生法に違反しています。」
「たとえ東京電力が対利用の鳳雛作業を行った結果、現場がどうなっていたのか予測できなかったにしても、作業員の安全確保のための意識に欠けていたことは事実です。」

『シンイチ』氏が経験したことは、きわめて過酷な状況が続く福島第一原発の現場で、不十分な防護策しか施されず働いている作業員の中でも、特異なものです。
しかし何段階もの下請け、孫請けによって作業員が雇用されている今の体制では、作業員に事故が発生した場合に、責任の所在が曖昧にされてしまう可能性があると、山添弁護士が指摘しました。

国会独立調査委員会、政府事故調査委員会、そして民間の調査委員会による報告書は、この件について、東京電力の危機管理能力の欠如、緊急時対応の訓練不足、そして監督官庁との不適切な関係について、批判しました。
このうち国会独立調査委員会は、3号機の地下で作業員2名がベータ線やけどを負ってしまった件について、東京電力は原子炉に対する放水・散水を行えばどのような影響があるか、そもそもの始めからこれを厳重に監視すべきであったとの、結論を出しました。


『シンイチ』氏は福島第一原発で働いていた当時、5歳になる息子の2次的被ばくを最小限にするため、帰宅すると言えに入る前に着ていた服をすべて脱ぐようにしていたと話してくれました。
彼は着衣を洗濯機に放り込むや否や、すぐに風呂場に飛び込むようにしていました。

福島第一原発の他の作業員の人々も、皆同じように心配していると、『シンイチ』氏が話しました。
「私は満足に教育を受けていませんし、年齢もすでに40歳になりました。選択の余地は無いのです。」
彼がこう話しました。
「私は今、打ちのめされています。私は一生懸命働きましたが、家族と子供が犠牲になってしまいました…。これが私という人間の、人生の結末なのです。」

http://www.cbsnews.com/8301-501712_162-57539827/ap-interview-japan-nuke-plant-water-worries-rise/?tag=mncol;lst;9

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ここに語られていることに、『重い』などと言うありきたりの表現を使うべきでは無いと思いました。
最後の一言に、この『シンイチ』氏という方が、どんな思いで福島第一原発の現場で危険を押して働いていたかが表現されています。
働くのなら一生懸命取り組まなければならないというひたむきさ、家族と子供のためにという愛情。

ちょうどこの原稿をアップする準備をしている時、NHKのクローズアップ現代で、福島第一原発作業員の方の特集番組を放映しました。
その待遇があまり恵まれたものではないと感じました。
今福島第一原発の現場で身を挺して働いておられる作業員の方の取り組みが無ければ、この日本はどうなるでしょう?

故郷と住む家を追われた100,000人を超える原発難民の方々もまた、信じがたいほどの悲劇に見舞われました。

人間なら当たり前の『生きていくための願い』を、信じられぬほど大規模に、情け容赦なく、破壊しつくしたのが福島第一原発の事故でした。

この【星の金貨】でも数々の海外記事を翻訳・ご紹介する中で、どれ程多くの方々の悲劇を見てきたことか…

「監視・規制が問題というより、原子力発電そのものが問題」( http://kobajun.biz/?p=4337 )というフェアウィンズのサイトに掲載された原稿の中の言葉が、今さらながら思い浮かびます。

いま大飯原発の活断層を巡る報道で、原子力規制員会の『見解』がどうなるか注目を集めています。
でもちょっと待ってください、こうした報道に『慣らされて』しまうと、原子力規制委員会の存在を受け入れ、やがては原子力規制委員会を成立させている日本の原子力発電体制も、『仕方ないもの』として心のどこかで容認することにはならないでしょうか?

いくらでも人間の悲劇を生み続ける「原子力発電そのものが問題」、この意識を忘れないようにしたいと思っています。

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【えっ、誰がキュリオシティと一緒にいるの?!】

アメリカNBCニュース 10月31日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

ご覧いただいているのはNASAの火星探査車キュリオシティを、1メートルほど離れた場所から撮影した写真のようです。
えっ、でもちょっと待ってください。
一体だれが撮影したのですか?

答えはキュリオシティ自身です。
キュリオシティと高度な技術を持った画像処理の専門家による作品なのです。
原子力を動力に6つの駆動輪で動き回るこの移動式研究所の写真は、火星のGlenelg(グレネルグ)と名づけられた場所で、10月31日に撮影されたものです。

キュリオシティから伸びた長さ2.1メートルの火星画像採集装置 - Mars Hand Lens Imager(MAHLI)という名のロボットアームの先に取り付けられたカメラが、撮影した画像を組み合わせて合成された写真です。

MAHLIの主要な役割は、火星表面の様子を顕微鏡の精度で撮影すること、たとえば砂の粒子の形状の確認することなどです。
しかしスマートフォンのユーザーが自分の写真を撮影するようにして、キュリオシティが自分の姿を撮影することも可能なのです。

キュリオシティが自分で撮影した『自画像』はどんなものなのか、火星のゲールクレーターに着陸して一カ月が過ぎた9月に、最初の一枚が送られてきました。
この時からサンディエゴに本拠を置くマリン・スペース・サイエンス・システムズとNASAのジェット推進研究所のMAHLIチームのプロジェクトは大きな一歩を踏み出したのです。

同様の作業をアマチュアのレベルで行っているのが『無人宇宙飛行サイト.com』(UnmannedSpaceflight.com.)です。
このサイトは、宇宙における無人、すなわちロボットによるミッションの愛好者が集うサイトで、NASAが提供・公開した原版の写真から自由にイメージを膨らませるコーナーがとりわけ人気を誇ります。
時にはアマチュアの方が先に『完成画像』を作り上げてしまう場合があります。写真を合成し、発表するに至るまでの面倒な手続きを、アマチュアならきちんと守る必要はありません。

冒頭の写真はキュリオシティの司令塔部分に焦点を合わせ、オハイオ州のエンジニア、ジョー・ナップが合成したものです。


この魚眼レンズで撮影したような写真は、イギリスの教育者で天文学者のスチュアート・アトキンソンが、NASAが公開した火星での写真を合成して制作したものです。
写真の断片を組み合わせて作ったため、ロボットアームの痕跡が、黒い影となって画面に残り、気味悪く感じるかもしれません。
「ちょっと完成を急ぎ過ぎたかもしれません。でも黒い影もそんなに気にならないでしょう?NASAの公式写真では無いにもかかわらず、いい出来だと思いますよ。」
アトキンソン氏がこうコメントしました。


そしてこの一枚が、今日初めてNASAが公開した『公式』第一版の写真です。
MAHLIが撮影したサムネイル・サイズの写真を組み合わせてつ作り上げました。
高解像度版、つまり完成版はまだ公開されていません。
マリン・スペース・サイエンス・システムズのマイケル・キャプリンガーが、『無人宇宙飛行サイト.com』の同好の氏たちに対し、少しばかり自重するよう求めています。
「とりわけこのプロジェクトに関しては、キュリオシティの着陸前から、慎重に準備を進めてきました。」
キャブリンガー氏がこう口説きました。
「アマチュアの皆さんのスクープ合戦により、私たちが重ねてきた苦労が色あせてしまわないよう願うばかりです。」

キャプリンガー氏の16年間に及ぶ苦労の積み重ねを思えば、同情を禁じ得ません。
しかし一方ではやはり、これらのアマチュア作品も皆さんにご紹介せずにはいられません。

皆さん、高解像度版のNASAの『公式』画像が公開された暁には、ぜひNASA火星探査サイトを開き、そのプロの技を堪能していただきたいと思います。

「市民自らが立ち上がり、放射能汚染の真実を明らかにする」セイフキャストの活動

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所要時間 約 11分

放射線からスモッグまで、市民のため数値を明らかにする

ディラン・ウォルシュ/ニューヨークタイムズ 10月19日

セイフキャストの測定によって明らかになった、福島第一原発事故の汚染実態


小さな非営利組織であるセイフキャストは、福島第一原発の事故後、広範囲に及ぶ日本の都市部で大気中の放射能汚染の問題が深刻化する中、事故の教訓が求める行動を実践に移しています。
ナイト財団から40万ドル(3,200万円)の資金提供を受け、セイフキャストは放射能を速成するための線量計を独自に開発し、分刻みで各地の放射線量を測定して公表しています。
この線量計はどこででも手に入る部品によって構成されており、近くロス・アンジェルスでもこの器械を使った測定が始められることになっています。

セイフキャストの取り組みは、昨年3月11日に襲った巨大地震と巨大津波がきっかけとなり、福島第一原発の3基の原子炉がメルトダウンを起こし、たくさんの人々に放射線被ばくの危険性が迫った時に始められました。


「私には日本にたくさんの友人がいるのです。」
セイフキャストの共同設立者であるジョン・ボナー氏がこう語りました。
福島第一原発の事故後の混乱の中、
「人々は情報を手に行けることができなくなりました。電話回線は完全にパンクし、どんな事態が進行しているのか、全く分からないままにされてしまったのです。」

世界各国の選りすぐりのデザイナー、エンジニア、実業家、そしてハッカーたちが彼の下に参集し、ボナー氏は友人たちのネットワークを介して必要な情報を集め、これを誰もが簡単に確認することができるよう公開することを構想しました。
彼らはすぐに手分けして、関係機関の情報入手を次々試みましたが、必要とするデータは存在していませんでした。


「必要な情報が結局はどこにも存在しない、そのことが解る前から私たちは、各地の放射線量を計測するため、どこにでも持って行けるガイガーカウンターの制作に取り掛かっていました。」

こうしてセイフキャストは誕生しました。

ガイガーカウンターによる測定を続けるうちに、『放射能同様、実に様々な問題が』大気中、そして環境中には存在していることが明らかになってゆき、セイフキャストはこれらの問題にどう向き合うべきなのか、そのことについても考えざるを得なくなったと、ボナー氏が語りました。
セイフキャストによる測定が行われる以前に存在していたデータは、権利が存在し、誰もが利用できるようにはなっていませんでした。おまけに時間的にも、数値的にも、数回分が平均化されて1つのデータにされてしまい、結果的に不正確な、信頼性の乏しいものになっていました。


具体的にご説明しましょう。
ロス・アンジェルスの南部海岸大気観測地域では、1万平方マイル内に1,600万人が暮らす場所に35か所の観測地点が設けられ、遠隔操作により大気中の汚染物質の測定を1時間ごとに行っています。
しかし公表されるデータは、8時間ごとの平均値でしかありません。
設置されるセンサーの数と測定頻度は、アメリカ政府が一定の面積と時間について定めた運用基準に沿ったものです。
セイフキャストは測定すべきエリアを大幅に拡大し、1分ごとに観測データを公表するという、これまでとは比較にならない程充実した調査、発表を行おうとしているのです。
「私たちは測定装置を数多く持っています。そして得られたデータは、完全に公開するつもりです。」
ボナー氏はこう語り、次のようにつけ加えました。
「うまくいけば、そこで使われることになる測定装置の数は、我々自身が制作する数をはるかに上回ることになります。」

ナイト財団でジャーナリズムとメディア革新について研究を続けるジョン・ブラッケン氏( http://www.knightfoundation.org/staff/john-bracken/ )は、セイフキャストが手掛けている取り組みの底流には、コンピューターのハッキングとDIYの文化があると語りました。
「セイフキャスト内の多くのグループが、ソフトウェアが持つ機能を、ハードウェアの機能として実現させてしまっているのです。」
「見事な実績です。」

『最新の科学技術を市民運動の強力な武器として提供する』セイフキャストの取り組みについては、ブラッケン氏は感動すら覚えると語りました。


日本において、政府機関などが公表する放射線量などのデータに対し、多くの人々が疑いを解くことができませんでした。
そこに現れたセイフキャストは、今や日本国内に400万を上回る測定地点を設定しています。そして、ボランティアの人々が正確なデータを採取することにより、公表される著しく透明性の高いものとなり、人々の信頼を得ることになりました。

セイフキャストはナイト財団から資金提供を受けて、測定機器の開発研究を行っています。
このため完成した測定機器の設計・製作方法は、誰もが無償で利用できるようになっています。
このためこれから始まるロス・アンジェルスでの測定には、誰でも参加することができます。

最終的にボナー氏と彼のチームが望んでいるのは、ロス・アンジェルスでの取り組みがきっかけとなり、世界中で市民の手による環境監視、そして環境保全が実現することです。
ナイト財団はそのコンテストで、セイフキャスト以外の5つの団体にも資金援助を行う事を決定しましたが、得られた研究結果を市民が自由に利用できるよう、公開することを求めています。
ナイト財団によればこの結果881本のプログラムが提供され、そのほとんどがインターネットで入手可能になっています( http://www.knightfoundation.org/ )。

「今日、私たちが取り扱わなければならない情報の量は、実に膨大ですが…」
ブラッケン氏がこう語りました。
「しかしその一つ一つをきちんと検証することを、誰かがやらなければならないのです。」

http://green.blogs.nytimes.com/2012/10/19/from-radiation-to-smog-numbers-for-the-public/
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【子供たちの手に可能性を運ぶ、オーケストラの指揮者】
[メイキング・ア・ディフエレンス / この世界を変えて行く!]

アメリカNBCニュース 10月17日


今夜も新しい[メイキング・ア・ディフエレンス]のストーリーをご紹介ことにしましょう。
新たな道を切り開く一人の女性のお話です。
彼女は次世代を担う子供たちに、クラシック音楽の素晴らしさを伝えたいという熱意を抱き、クラシック音楽などまるで頭に無かった子供たちに、チャンスを提供しています。
ロス・アンジェルスからダイアナ・アルバーがお伝えします。

リポーター: 初めてバイオリンに触れる、この小さな手をご覧ください。

ソニア・マリエ・デ・レオン・デ・ベガ(指揮者)「私も初めての時はこんな感じでした。」

リポーター:新たな始まりの瞬間です。

ソニア「こうして私は、クラシック音楽を心から愛するようになったのです。」

リポーター:彼女はここにいる子供たちも、生涯こうした情熱を失わないよう願っています。

ソニア「まるで魔法のような力を持っている、そして何より美しい、私は子供たちの人生の中に、クラシック音楽を導きいれる手伝いをすることに喜びを感じているのです。」

リポーター: かつては女性のオーケストラ指揮者などありえないと言われた時代がありました。しかし彼女はその常識を打ち破った、最初のラテン・アメリカ人女性です。
彼女が率いるオーケストラは、結成20周年を迎えました。


しかし彼女はこんなふうに考えているのです。
「一番大切なのはコンサートなの?」
彼女は毎年数千人のロス・アンジェルスの子供たちの目の前に、オーケストラのソロイストを連れてきて、クラシック音楽を演奏してもらっています。
そして子供たちが言葉を失う様子を見て、クラシック音楽が子供たちの中に根づく可能性があることを感じています。

公立の学校でもそうですが、ここ数年で音楽の授業への教育予算が大幅に削減されてしまいました。
今や彼女のこの取り組みだけが、ロス・アンジェルスの子供たちがクラシック音楽に触れる唯一の機会になってしまいました。

リポーター: そして、子供たちは聴くだけではなく、無料のバイオリンのレッスンが受けられます。
子どもたちは声楽のレッスンも受けていると話してくれました。

キンベリー・アルバラド(4年生)「むしゃくしゃすることがあるでしょう。そうしたらその気持ちをバイオリンで表現してみるといいわ。」

ミゲル・トレス(6年生)「たくさん演奏すればするほど上手に弾けるようになるし、そうすれば増々演奏することが楽しくなるんだ。」

ソニア「バイオリンやその他の楽器を手にして、自分を表現できるようになれば、代わりに銃や麻薬などを手に持つことが無くなるのです。音楽の美しさ、そして達成感が心を満たしてくれますから。」

リポーター: 達成感を得ることによって子供たちの心が満たされ、何に対しても前向きに取り組めるようになることを、彼女は望んでいるのです。

キンベリー「むしゃくしゃすることがあるでしょう。そうしたらその気持ちをヴァイオリンで表現するの。ソニアたちのおかげで、音楽の素晴らしさがわかったの。一生懸命練習を続けて、大人になったらソニアたちのオーケストラのメンバーになるわ。」

リポーター:少しだけ手を貸してあげることで、子供たちの未来が開けていきます。
ダイアナ・アルバー、NBCニュース、ロス・アンジェルスから。

http://www.msnbc.msn.com/id/3032619/#49455469

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この国が立ち直るための財源を食い荒らす、官僚たちの群れ&『生きるため』には、働かなければならない子供たち

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所要時間 約 8分

【災害復興資金の流用への怒り】

ヒロコ・タブチ / ニューヨークタイムズ 10月30日

3.11後の岩手県大船渡市


日本政府が災害地域復興のため、被災した市町村に配布されるべき復興資金を、多数の無関係な事業に流用しようとしていたと、独立監査法人が明らかにしたことは、これまで巨大地震と巨大津波による東日本の壊滅的な被害、さらには続いて引き起こされた福島第一原発の大事故に対する政府の対応、そして政府そのものの在り方に疑問を持ってきた市民の間に、大きな怒りを巻き起こしています。
日本の独立行政法人である会計監査院が先週指摘した、2011年3月に発生した東日本大震災の復興のための40兆円規模の予算が、政策の混乱と意思決定の遅れにより、半分も有効に使われていないことも明らかになりました。

さらに監査院の調査は、国民への誠意のかけらも感じられない、官僚の無定見さをあばき出すことになりました。
かつてこの国の政府予算を蝕んでいた、利害関係者向けの人気取り政策と何ら変わらない、無関係な事業に復興予算が多数流用され、日本の再建への取り組みそのものが台無しにされようとしていました。
これらの指摘は、国民に対し透明性の高い政府予算の執行を約束して政権交代を実現した民主党の野田政権に、また一つ頭痛の種を抱えさせることになりました。

3.11後の宮城県石巻市


会計監査院の調べによれば、東日本大震災の復興予算の中には以下のようなものが含まれていました。
東京都心にスポーツ・スタジアムを建設するのに3億3000万円。
被災地から1,600キロ以上離れた沖縄県内の道路整備に5億円。
日本の捕鯨船団を、外国の環境保護団体などから守るために23億円。

神戸大学の都市計画の専門家である、塩崎賢明(よしみつ)氏が独自の調査を行った結果、災害復興予算のほぼ4分の1にあたる9兆2000億円もの金額が、被災地の人々の救済とは何ら関係の無い事業に割り当てられていると判断しました。

この問題に関する地方の報道機関による詳細の報道は、過熱することになりました。
これらの報道が明らかにしたのは、以下のような実態でした。
被災地から遠く離れた中部地方のコンタクトレンズ工場にも、災害復興予算から助成金が流用されていました。
ベトナムに原発を輸出する事業を成功させるための予算にも、5億円が流用されていました。

3.11後の岩手県宮古市


一方、災害の惨禍と格闘する地元自治体は、いまだに復興のための財源確保に東奔西走しています。
岩手県には、地元の産業を立て直したいと願う住民から、255億分円の資金援助の申し込みがありました。
しかし実際に助成金が交付されることになったのは150億円分の事業だけで、残りは却下せざるを得なかったことを、公共放送のNHKが伝えました。
NHKによれば、被災地全体でこうした助成金交付申請の約6割が却下されています。
被災地では多くの医療機関が、新たな機材や医薬品の購入ができず、閉鎖されたままになっています。

これに対し政府は、被災地とは関係ないとされた出費の一部について、これを擁護する態度を示しました。
枝野幸男経済産業大臣は、議会内の委員会で野党側に対し、被災地とは関係の無い地域の事業や環境整備であっても、日本の経済社会全体への貢献により、結果的には被災地の救済につながる、との見解を示しました。

野田首相は国民の怒りの前に、復興予算の中の被災地とは関係の無い事業を除外することを約束しました。
しかし、政府が無関係な事業への出費を認めた法律をどのように改正し、実際に歳出を抑制するかどうかは不明です。

政府の苦しい弁明にもかかわらず、国民の怒りは収まりそうにありません。


「国を再建するための予算の流用は、国民に対する第一級の裏切りである」と、日刊紙である東京新聞がその社説で訴えました。

野党自由民主党の森まさこ議員は
「政府はもはや、国民全体の信用を失っている」と批判しました。


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このタイミングで、この政府と、この官僚たちが日本を動かしている。
それそのものが『国難』である、皆さんもそうお感じになっていらっしゃると思います。
しかしそれを変えなければならないのは、私たち国民自身です。

自分たちの事しか考えていないにもかかわらず、何かといえば『国民のため』、『国民との約束』、『この国の将来』と平気で口にする。
しかしこうした人間は、いつの時代も、いたるところにいるのです。
そうした人間たちを政治の中枢に座らせている、その責任こそ『国民』にあるはずです。

『国民の問題』、それは『自分たちの問題』です。

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『生きるため』には、働かなければならない子供たち

アメリカNBCニュース 10月30日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

勤め先の修理工場の前に立つ少年。カイロ市内、10月2日。


エジプト政府は国内の18歳未満の人口の10%にあたる、160万人が未成年の労働者として働いていると見ています。
国内の専門家は、その数は政府発表の2倍だとしています。
国内では新しい憲法の起草作業が続いていますが、新たな憲法は未成年労働の禁止が緩和される恐れがあると、この問題に取り組む活動家などは懸念を深めています。

今月初め、エジプト人による子供の権利擁護連合は、新憲法の草案の中に、未成年労働の禁止に関する条文が見当たらないと、警告を発しました。


粘土細工を行う工場で、容器に水を満たす少女。カイロ市内、10月18日。


父親とともにロバが引く荷車に干し草を積み上げる少年。
カイロ北方のカリヨビヤで。10月17日。


レンガ工場で、セメント製のレンガを運ぶ少年。
カイロ北方カリヨビヤの郊外。10月17日。


陶器工場で屋根瓦を運ぶ少年。カイロ市内、10月18日。


休憩時間にお茶を飲む、機械工場で働く少年。カイロ市内、10月4日。

「沿岸部の被災地、復興の手がかりすらつかめず」&【 写真集 : ハリケーン・サンディの無残なつめあと 】

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所要時間 約 11分

【ハリケーン・サンディの巨大な爪あと、徐々に明らかに】

アメリカNBCニュース 10月31日


ジャージーショア(ニューヨークの南方70km付近に広がる、ニュージャージー州の海浜地帯)からお伝えします。
もし数百マイルに渡る地域を一望のもとに見渡すことができれば、スーパーストーム・サンディの襲来により、最も大きな被害を受けたのが南北約130マイル(約210km)程の、ニュージャージー州の海浜地帯であることが解るはずです。

私たちの下には、取材したばかりの情報が続々と集まっています。
その結果私たちに言えることは、今回のサンディの襲来によるアメリカ東海岸の被害が、『地図を書き変えなければならい程の』甚大なものであった、という事です。
今日になって我々は、かつてはそこに無かったはずの入り江や砂浜を確認しました。
そして海岸線が陸地の内側にまで入り込み、陸地が後退してしまいました。
見渡す限りすさまじい破壊の跡が広がっています。

今夜はサンディがヴァージニア州に上陸してから、甚大な被害を受けた被災地で取材を続けているレスター・ホルトに伝えてもらいます。

10月31日、ニューヨーク、クイーンズボロ。


リポーター(レスター・ホルト) : 最初にこの嵐が襲ってきたとき、人々は度を失い、ショックを受け、心底怯えきっていたことでしょう。
今や人々は何が起きたのかを目の当たりにし、失ってしまった物の大きさに呆然とし、どうすればいいのか、どこへ行けばいいのか、考えることからできません。
現地を訪れた大統領は、一目見て今回の被害の大きさを理解しました。

リポーター:まず洪水が襲い、次には大きな火災が発生し、すさまじい炎がニュージャージーにあるレンガ造りのこの町のシルエットを、夜明け前の空に赤々と映し出しました。
今回のハリケーンの威力によりガス設備も破壊されてしまい、2次的被害の発生が懸念されています。
被害発生からすでに2日が経ちましたが、この地域、とくに海岸線近くではまだ混乱が続いています。
ニュージャージー州知事とともに飛行機でこの地にやって来た大統領は、海岸沿いのこの地が灰燼に帰し、一部の地域はまだ水につかったままなのを目の当たりにしました。

大統領「あなた方のため、最善を尽くすことをお約束します。この街が再建を果たすまで、常に皆さんのことを念頭に置き、あらゆる援助を惜しむものではありません。」

10月31日、ニュージャージー州アトランティック・シティ。


リポーター:今日この場所で、この被害状況を目の当たりにしたのは、大統領だけではありませんでした。
被災地となった沿岸部に暮らす住民すべてが、朝の太陽が明らかにする惨状に、息をするのを忘れるほどの衝撃を受けたのです。
住民「私は人生のほとんどをこの場所で過ごしましたが、こんな光景を見るのは生まれて初めてです。」

リポーター:至る所に壊れた家、そして商店などが見え、いくつかの建物はかろうじて立っている状態です。
海から隔てられていたはずのこのがい場所、シーサイト・ハイツの街は、もはや人の住めない場所になってしまいしました。

シーサイト・ハイツ警察トーマス・ボイド「ここから北側にかけての全部で、家が建っていたはずの地面が流され、家の基礎が無くなってしまいました。」
リポーター:海岸沿いの地区では、あるべき姿のまま残っているものは何一つありません。船舶ですら道路の上にあります。

「ある人がフェイブックを使い、私に教えてくれたのです。大変だ、あなたのボートが中央分離帯の上にある!ってね。」

10月31日ニューヨーク、ロングビーチ。水が引いた後、辺り一面を砂が埋め尽くしていた。


リポーター: 12月のブリザードが運んできた雪のように、海岸から運ばれてきた砂が通り一面を埋め尽くしています。
まるで地震によって地中から湧き出した泥が、舗装された道を埋め尽くしてしまったようにも見えます。
しかし海浜の街として有名なこの場所が被った被害は、それだけではありません。
内陸の方でも至る所被害が発生し、人々の嘆きは尽きません。

住民「何もかも…」

リポーター:ニュージャージーの数百万世帯で停電が続き、停電していない場所ではガス管の損傷により供給が止まり、不自由な暮らしを強いられています。
リサとリッチのラリコ夫妻は、住まいがあるポイント・プレザントビーチから、荷物をまとめで出ていく以外の解決方法を見つけることができませんでした。
戻れるようになるまでは、ずいぶん時間がかかりそうです。
「いったいどれくらい、ここを離れなければなりませんか?」
リッチ・ラリコ「ずいぶん長くなりそうです。」

リポーター:ニュージャージは過去にもハリケーンの被害を受けたことがありますが、今回のサンディ程の被害を経験したことはありません。
悪い知らせが続々ともたらされてます。
州知事のクリス・クリスティはハロウィーンのイベントをキャンセルしました。子供たちを喜ばせる前に、解決しなければならない難問が山積みになってしまいました。
寒さがことのほか厳しく、ガスも電気も無い状況では暖房の手立ても無く、凍えている他ないような状況です。

ブライアン・ウィリアムズ : レスター、あなたのマナスクアン地区からの映像の数々、注目すべきものでした。今夜は詳細な報告をしていただき、ありがとうございました。

Visit NBCNews.com for breaking news, world news, and news about the economy

http://www.msnbc.msn.com/id/3032619/#49631047
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ハリケーン・サンディの被災地に駆けつけたアメリカのオバマ大統領は、現地で被災者の人々を前に、「私たちは決して逃げない」と誓ったようです(Obama vows help for Sandy victims: 'We will not quit')。ひるがえってわが日本。

日本の政治の中枢にいる民主・自民などの国会議員のみなさん、あなたがたは今や福島から「逃げて」ほとんどいなくなってしまいましたね。

そして自分たちの地位を守るため、あるいは権益を取り戻すために血相を変えて争っています。
そのためには、被災地の復興が遅れることなど気にもならない、私たち被災地で暮らす人間からはそう見えます。

そんなあなた方が『国民』という言葉を使うたび、3.11の、そして福島第一原発の被災者の人々のはらわたが煮えくり返っていると思います。

『国民』という言葉、もうあなた方には使って欲しくない、『国民』はそう思っているのではないでしょうか。

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【 写真集 : ハリケーン・サンディの無残なつめあと 】

アメリカNBCニュース 10月31日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

ニューヨーク市クイーンズ地区のブリージー・ポイントの空撮風景。
ハリケーン・サンディがもたらした嵐と火災による破壊の2日後。10月31日。


ブリージーポイントの破壊の跡を見つめる数人の人。サンティによる破壊は、かつては趣のある街として人々に愛されたロッカウェイ地区を、煙が立ち込める廃墟に変えてしまいました。10月30日。


ニュージャージー州アトランティックシティ。海沿いにあった木製の桟道が支柱だけを残し、破壊されている。10月31日。


米国空軍により公開された写真は、陸軍国家防衛部隊の救出活動に役立てられています。写真はニュージャージー沿岸の水没後、砂にうずもれてしまった住宅地。


サンディがもたらした洪水のため水没したフェンウィック島の住宅地。この場所と近くのベサニ・ビーチが被害が最もひどかった地域と思われると、当局がコメントしました。


ニューヨーク市ブルックリン地区から見た、停電中の同市マンハッタン南端部。


車のヘッドライトで、ニューヨークのチャイナタウン地区から、ノースキャロライナに避難しようとバス待ちをしている人が浮かび上がる。


停電中のニューヨーク市マンハッタン南端部。


同じ停電中のニューヨーク市マンハッタン南端部、フェリーの船上から。10月31日早朝。


マンハッタンにある職場に向け、徒歩でブルックリン橋を渡る人々。


ハリケーン・サンディが去った後も続く交通の混乱。ニューヨークの6番街でバスを待つ人々。10月31日朝。


交通機関がマヒする中、フェリーで対岸に渡るため、切符売り場にできた長蛇の列。10月31日、マンハッタン。


自転車や徒歩でクイーンズボロ橋を渡り、クイーンズ地区からマンハッタンに向かう人々。10月31日。


ニューヨーク株式取引所を見上げる、ウォール街の職場に向かう男性。10月31日

http://msnbc.msn.com/id/49596252/displaymode/1247?beginSlide=1

【 終わらない汚染 : 福島県沖 : 続く放射性物質の放出 】&【スーパーストーム・サンディの爪あと】

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所要時間 約 10分

マット・スミス / アメリカCNNニュース 10月26日


福島第一原発付近で採取した魚から高レベルの放射性物質が検出され、3基の原子炉がメルトダウンを起こした事故以降、太平洋への放射性物質の流入が続いている可能性を、26日木曜日にアメリカの研究機関が発表しました。

アメリカ・マサチューセッツ州にあるウッズホール海洋研究所・海洋放射線の専門家、ケン・ビュッセラー博士は、日本の沖合で獲れた魚の中、『圧倒的多数』のものは、福島第一原発の事故後、より厳しくなった食品基準に照らし合わせても、人間の健康に害を及ぼすものでは無いと、今週号の『科学ジャーナル』の中で述べています。

しかし福島第一原発近くの沿岸部では、相変わらず高濃度のセシウム-134とセシウム137が検出されており、このことから沿岸部では汚染物質の食物連鎖への入り込みが未だに続いていると考えられる、博士はこのように付け加えました。

福島第一原発の事故は爆発等により、大量の放射性物質を環境中に放出し、風向きの関係などからその大部分が太平洋沿岸に入り込みました。
一方、福島第一原発では現在も毎日、何トンもの水をかけて原子炉を冷やす作業が続けられており、地中に浸み込んだ汚染された水が海洋中に入り込み、魚のえさとなっている海底の植物が放射能に汚染され続け、その結果魚が汚染されている可能性もあります。
このいずれが汚染の主な原因となっているか、研究者たちは突き止められずにいますが、
「おそらくはその両方が重なり合って、現在の汚染が引き起こされていると考えられます。」
ビュッセラー博士はCNNの取材に、こう答えました。


「昨年の4月から途切れることなく続いている、原子炉の冷却水が現在の汚染の主な原因かどうか、私たちは断定できません。しかし、汚染物質のセシウムを継続して調査した限りでは、福島第一原発から直接漏れ出しているセシウムの量は、増え続けています。」
彼はこう語りましたが、しかし検出されたセシウムの量については、
「いますぐ人々に警告を発しなければならない程、高い訳ではありません。」
と語りました。

現在福島第一原発は、事故が危機の頂点にあった時程は、放射性物質を含んだ水蒸気を大気中に放出してはいません。
そして福島第一原発を運営する東京電力は、原子炉を冷やした後汚染された冷却水からセシウムを取り除く装置を稼働させています。
しかし、すべてのセシウムを取り除けるわけではないと、ビュッセラー博士が指摘しました。
ビュッセラー博士は事故の3か月後、太平洋の汚染状況を確認するための調査団を組織した一人です。
彼は日本政府が行った北日本沿岸各地での8,500匹の魚のセシウムによる汚染状況の調査結果を検証し、今回の結論に達しました。

3月11日に襲った巨大地震と巨大津波が、福島第一原発の原子炉冷却システムの全電源を破壊、3基の原子炉がメルトダウンを引き起こしてしまいました。
この結果、福島第一原発は原子炉が次々に爆発事故を引き起こし、環境中に大量の放射性物質を放出し、チェルノブイリ以来最悪の原子力発電所事故となったのです。


放出された放射性物質の大部分が風により海に向かって吹き飛ばされ、広大な太平洋により希釈されることになりました。
福島第一原発の事故が直接的に関与した死者は未だに報告されていませんが、放射性物質によって汚染されてしまった故郷の町や村から追い立てられた、10万を超える人々が難民となってしまいました。

ビュッセラー博士によれば、魚の汚染の程度にはばらつきがあり、最も汚染のひどいのは海底付近に棲息する生物です。
こうした結果から放射性物質は北日本沖の太平洋の海底に広く堆積し、汚染は今後数十年続くものと見られています。
セシウム-134の放射性物質としての半減期はわずか2年ですが、セシウム-137が崩壊によって半分の量になるまでは30年かかります。

セシウムはおもに魚の筋肉組織に蓄積されますが、そのほとんどは代謝により体外に排出されます。
4月以降、日本政府はセシウム-134、セシウム-137の両方について、生体1キログラム当たり100ベクレルを超える魚の市場への出荷を禁止しました。


このため漁場は福島第一原発のある福島県を避けるようになり、その結果セシウムの検出量も制限値を下回るようになっています。
一方、1,000ベクレルから10,000ベクレルの放射性物質に汚染された魚が、福島県沖で発見されました。
人々を驚かせたのは、8月に25,000Bq/kgを超える放射性物質に汚染されたアイナメ2匹が採取されたことです。
アイナメは概ね海底付近を棲息場所にしています。

しかしビュッセラー博士は現在日本政府は自国民の健康を守るための取り組みを行っており、
「汚染を表す数値を隠すことは、もう行ってはいないはずだ。」
と語りました。
「日本の人々の間には、いったい何を信じたら良いのか解らない、という不信感が蔓延しています。その底流にあるのは放射能汚染についてのあらゆる種類の警鐘、そして恐怖です。」

東京電力は福島第一原発周辺で採取・調査を続けている魚の汚染状況について、目立った変化は見られないと語っています。
しかし東京電力はこれ以上汚染が進行しないよう、一連の予防措置は実施済みであると語っています。

http://edition.cnn.com/2012/10/25/world/asia/japan-fukushima/index.html?hpt=ias_c2
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【スーパーストーム・サンディの爪あと】

アメリカNBCニュース 10月30日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

サンディが来襲している最中のニューヨーク市、証券取引所のあるマンハッタン付近。


スーパーストーム・サンディは30日火曜日、ウェストバージニア州一帯に30cmを超える積雪をもたらしました。
そして少なくとも265,000世帯を停電させ、数十の道路を閉鎖させたと地元紙のチャールストン新報が伝えました。

サンディは高台にある地区には予想通りの激しい雨風を叩きつけ、低い場所にある地区には予想を超える雪や大量の雨を降らせ、そして突風や局地的な洪水をもたらし、予想を超える被害を各地にもたらしました。

少なくとも80戸の家屋が火事で全半焼してしまったニューヨーク市内のクイーンズボロ。


自宅の被害を検証する男性。ブリージーポイント。


雪で動けなくなった貨物輸送トラックをけん引のため、ワイヤーをつなぐレッカー車の男性。メリーランド州西部のギャレット郡。


自宅前の雪かき。ウェストバージニア州ベックレー。


水没してしまった駐車中のタクシー。ニュージャージー州ホーボーケン(ハドソン川をはさんだニューヨークの対岸の地区)。


辺り一面全焼してしまった家屋、燃え残った消防士のモニュメント。ニューヨーク市クイーンズ地区にあるブリージーポイント。


ミアロビーチ付近の道路の損壊状況の確認をするデア郡の保安官。ノースキャロライナ州ロダンザ。


ボートを使って自宅から救出された人々。ニユージャージー州リトルフェリー。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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