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米国の核戦争実施計画、その立案者が告発する!《7》

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アジア・ヨーロッパの周辺国で発生する『戦争関連死』は信じられない程多数に上る…それが核兵器を使った戦争の恐ろしさ

核戦争が始まってしまった場合全人類の3分の1が死滅するという予測 - 実際には3分の3になる

 

デモクラシー・ナウ 2017年12月5日

ダニエル・エルスバーグ:

さて、繰り返しお話した通り、『地球を終わりに向かわせる装置(Doomsday Machine)』は実際に場実在し、私はアメリカがソ連・中国のすべての都市を短時間で破壊し尽くすだけの核兵器を装備していることを知ることになりました。

そしてその『核兵器戦略』では6億人以上の人間が殺されることになっていました。

そしてその数字には何万発という核爆弾が爆発することにより放出される放射性物質や延焼により、ヨーロッパ・アジアの周辺国で死亡する数億人分の『戦争関連死』は含まれていませんでした。

 

当時のレベルでは天候が被害の拡散にどう影響するか、核爆発の延焼がどこまで及ぶかなど、副次的要因の計算はできなかったので、今日のような精密な予測は不可能でした。

しかしこうした間接的被害者の数が信じられない程多数に上るのが核兵器を使った戦争なのです。

アメリカの核攻撃によって死亡する人間の数が億という単位になるとお話しましたが、当然そこにソ連の報復攻撃による死者の数か加わります。

従ってその数は10億を超えるものになりますが、当時の地球の人口は約30億人です。

つまり核兵器による攻撃とその報復攻撃により、当時の地球人口の3分の1が殺されてしまうことになります。

 

私は映画作品『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』の重要人物ストレンジラヴ博士のモデルのひとり、「水爆の父」エドワード・テラー博士から直接話を聞いたことがあります。

「熱核兵器を使用した戦争が起きれば、最大で人類の3分の1が死滅することになるでしょう。」

この数値はアメリカ軍の統合参謀長の見解とほぼ同じです。

私はその話を聞いた時、3分の2まで水が入ったコップを思い浮かべました。

しかし実際には、テラー博士は間違っていました。

ランド研究所のカーン氏も間違っていました。

誰もがちゃんとした答えを出すことが出来ませんでした。

実際に核兵器を使った戦争が起きてしまったら、殺害されるのは全人類の3分の3になるでしょう。

 

現在もアメリカの核兵器は多数の都市に照準を合わせたままになっています。

人類はもうこうした状態を続けることを終わらせることを願っているはずですが、多数の都市が軍事目標にされたままになっています。

これらの都市はいずれ徹底的に焼き払われることになっているのです。

 

そしてすでに計算済みの核兵器攻撃の被害だけでなく、その先には計算外のさらに憂慮すべき結末が待っているはずです。

第二次世界大戦末期の1945年3月9日と10日に行われた東京大空襲による大火災では、一都市内で複数の大火災が発生することによる火炎旋風が発生しました。

この現象がこれまで確認されているのは第2次世界大戦中のハンブルク、ドレスデン、そして東京の3例しかありません。

一面に広がった大火災が空気柱をはるか成層圏の高さにまで上昇させたことが解っています。

 

そして1983年以前には解らなかったことについても精密な予測ができるようになりました。

これだけの核兵器が使用されれば、約1億トンの煤煙が成層圏に吹き上げられ、長期間地表に届くはずの太陽光がさえぎられることになるだろうということです。

成層圏では雨が降ることも無く、これらの煤煙はまるで地球を覆い隠すようにして広がったままの状態に陥ります。

 

それによってまたは太陽光の70パーセントが地表への到達がブロックされ、植物の成長が阻害され、地球上のすべての人々、基本的にという意味に訂正させてください、基本的にすべての人間を飢えさせることになります。

 

カール・セーガン博士が今から約30年前の1983年に初めてこの考え方を公表しましたが、その際人類の絶滅という事態は現実になり得ると発言していました。

最新の計算では『絶滅』まで至ることは無いだろうということになっています。

人間という種は優れた順応性を持っており、ニュージーランドの端っこの方で暮らす数百万人は軟体動物を食べながら生存を続けることが可能だという、新たな見解が示されています。

しかし地球上の人類の98〜99%は絶滅の危機に見舞われることは間違いがなく、核兵器の全面使用が『地球を終わりに向かわせる』ことは間違いありません。

 

米国とロシアの両国が依然として今すぐにでも核兵器攻撃を始められる態勢を維持したままであるという事、そして発射を命令できる権限を持つ人間が複数存在し、警告が発せられれば直ちに核ミサイルが発射される可能性があること、大陸間弾道ミサイル・システムは敵の攻撃にさらされれば直ちに報復措置に出るよう設計されていること、さらには自国に対する攻撃が確認されれば核兵器を使うか否かの判断を求められるシステムが存在する以上、核戦争の危機は常に身近にあると考えなければなりません。

 

さて、これまでこうした警告は両陣営で何回も繰り返し誤って発せられ、何度も核戦争の一歩手前まで行ったことがあります。

1995年、冷戦終結から7年後、エリツィン大統領は両陣営で初めて、核戦争を開始するためのブリーフケースとボタンを公開しました。

一例としてノルウェーの気象予報ロケットがロシアの首都モスクワを壊滅させる可能性のある核ミサイルに誤認されたことがあります。

その際エリツィンは、ミサイルであれば着弾する寸前まで『報復攻撃』を命令する事を躊躇しました。

そして最終的にロシアはそれが誤った警告であると判断しました。

もし当時エリツィンが違う判断をそうでなければ、今頃私たちはこうして生きてはいられなかった可能性があります。

なぜなら一方の側、あるいは両陣営の攻撃から作りだされる核の冬が、ずっと前に私たち人類を飢えさせてしまっていただろうからです。

 

《8》に続く

https://www.democracynow.org/2017/12/6/doomsday_machine_daniel_ellsberg_reveals_he

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核兵器を『持つな!持たせるな!』

という反戦スローガンがありますが、ここまで読み進むと核兵器の真実とはまさにその言葉通りだという事を実感します。

国土の防衛というと多少聞こえが良く感じるかもしれませんが、核兵器とはまさに人類史上最も愚かな発明だという事を痛感します。

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