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巨大電力会社はもう不要!【 スマート・エネルギー社会へと変貌するアメリカ 】

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太陽光発電とクラウド・システム、そして自家発電機にもデータセンターにも変身可能な電気自動車!
新システムの開発を、フォード他多数の企業が推進

ジェフ・セントジョン(グリーンテック)アメリカAOLエナジー 2013年1月9日

フォード製EV

フォード製EV


屋根に取り付けられた太陽光発電装置が、必要な電気をすべて賄うこの家では、ガレージでは充電のみならず電気自動車が最高の状態に調整され、台所をはじめ家庭内の電気機器は壁に設置された調整器により、最も効率的に運用される。
こんな家が実現したら、その価値はいったいどれほどのものになるでしょうか?

それを可能にする新たなコンピュータ・システムを、フォード・モーター社、サン・パワー社、ワイアプール社、そしてジョージア工科大学からなるグループが、現在共同開発を進めています。
彼等はこのシステムがもし実現すれば、その価値は計り知れないものとなると語っています。

上記のシステムについては商品化はまだ先になりますが、フォード社のみは、クラウド・コントロールを導入した技術により、送電網を利用して全国のフォード製の電気自動車の充電状況と車両の点検を自動で行い、その結果を各家庭のスマート・グリッドシステムに逐次提供するシステムを運用できるデータベースを、すでに開発しました。

これが1月8日火曜日にフォード社が発表した『マイ・エナージ・ライフスタイル』パートナーシップの概要ですが、その名前は同社の新しいプラグイン・ハイブリッド車シリーズの『フュージョン・エナージ』ラインナップにちなんで名づけられたものです。
上記の企業グループは今週ラスベガスで開催される『消費者家電ショー(CES)』に参加し、巨大ディスプレイを使って、フォードが活溌したシステムを紹介することにしています。このシステムはフォード製のプラグイン方式の電気自動車を、電気の需要が下がって電気料金が安くなる夜間の時間帯を利用して効率的に充電を行うものです。

次に実現が予定されているのは、『一般的アメリカ世帯』賞入賞の機会が与えられる可能性があるグループ各社の技術です。
フォードのプラグイン電気自動車、サン・パワー社の最新型太陽光発電システム、そしてワイアプール社のスマートシステム冷蔵庫などです。
火曜日の発表に先って、7日月曜日には他のグループ企業であるイートン社が新型の電気自動車充電器、ネスト社がスマートシステムのサーモスタット、パワーハウス・ダイナミクス社が新型の家庭用電気センサーについて発表を行いました。

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これらの技術がすべて組み合わされると、一般的なアメリカの家庭で60%の電気の節約が可能になるとともに、ジョージア工科大によって開発されるコンピュータ・システムにより、CO2の56パーセントの削減が達成されます。
この驚くべき数値について、フォード車の電気自動車事業の世界部門の責任者であるマイク・ティンスキーは、古い冷蔵庫をよりエネルギー効率の高いモデルに交換するというような単純な作業だけでなく、各家庭に設置される装置が効率的な電気の供給と利用を可能にすることにより実現されると語りました。

もちろんこの最終目標は、電気自動車をスマートグリッドの家庭用電源につないで充電するというだけの第一段階からは、はるかな先にあります。

ECOタリティー、チャージ・ポイント(旧社名クーロム・テクノロジー)のような電気自動車用スタンのためのネットワークを構築している企業、NRGエナジーのeVgoネットワークのような電気自動車用スタンド経営企業、あるいはシュナイダー・エレクトリック、シーメンス、ABBのように電気自動車用スタンド・ネットワークに電気を供給する設備の開発を行っている企業は、最も電気の価格が安いタイミングを探し、需要が低下しているタイミングで電気を取り込むための、システム開発を進めています。

電気自動車自体も、家庭における充電を効率良く行うことが出来ます。

BMV社とテンドリル社は、最も高率の良いタイミングで電気自動車に充電を行う、スマートハウスを共同開発することになりました。
そして日産は同社の電気自動車リーフに搭載されているバッテリーを使い、逆にスマートハウスに電気を送り込むことが出来る仕組みを開発中です。
ゼネラルモータースは同社のシェヴィー・ヴォルトを使って、一般家庭が電気を使って行うあらゆる作業に電気を供給する実験プロジェクトに取り組むとともに、家庭用電源を使ってヴォルトに充電を行う際、その家庭が最も効率的に利用できるようにするための各種データを収集・分析できるようにするオン・スター・プラットフォームの開発も行っています。

これに対しフォード社のティンスキーは、同社の『マイ・エナージ』は、電気の需給手段に関係なく機能する特徴を持っていると語りました。
フォード社はアメリカ全土に無数にある発電所や送電会社について、電気自動車に充電する場合はもちろん、一般家庭が電気を利用する際の時間帯、価格帯に関しても独自のデータベースを作り上げており、これを利用すれば、各家庭の電気の利用状況全体を効率化させることが出来ると語っています。

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アメリカ全土の電気の需給状況について、これだけのデータベースを有するのはおそらくフォード社1社だけであり、フォード製の電気自動車を所有すれば、すなわちそれが最も効率的な電気の利用を可能にする携帯端末を所有することになると語っています。

フォード社はさらに、同社の電力データベースを活用するためのクラウド・コンピューティング・プラットフォームを立ち上げ、パートナー企業各社から提供されるソフトウェアを組み合わせて、電気自動車の充電指令システムを構築すると語りました。
ワールプール、ネスト、パワーハウス・ダイナミクス各社がそれぞれ、全国の家庭や世界と結んで独自の指示や情報を収集し、それらをまとめ上げ、最終的にはシンプルな形の製品を作り上げます。

フォード社とサンパワー社は、電力の需要時間帯には売電を、それ以外の時間帯にはフォード製フォーカス・エレクトリックに充電を行う、2.5キロワット能力の太陽光発電システムの共同販売を発表した2011年の夏以来、すでにこの事業に取り組んでいます。
しかしティンスキーによれば、太陽光発電システムを大型にし、電力会社からできるだけ電気を買わないようにした方が経済的メリットが大きいことに提携する各社が気づき、以来『マイ・エナージ』の連携が一層うまく行くことになりました。

ではスマートメーターのような、スマート・グリッド技術を利用することはどうなのでしょうか?
フォード社も始めは実際にこの方法を試しましたが、「電力各社のスマートメーターの規格がバラバラな上、どの社もその仕組みを公開したがらなかったため、うまく行きませんでした。」
ティンスキーはこう語り、さらに次のように付け加えました。
「だからこそ私たちはすべてを公開し、クラウドの利用を可能にしたのです。」

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現在のところ、『マイ・エナージ』グループの各社は実際の市場でどのようなセールスを行うか、その計画について多くを語りませんが、ティンスキーによれば12カ月以内には商品として、実際に市場で売り出すための準備が進んでいます。
技術の発展のために重要な要件は、もちろん、これからのフォード製のプラグ・イン自動車がどれだけ売れるのか、にかかっています。
現在フォードは米国と欧州市場で6車種のプラグ・イン自動車を投入し、自動車販売ではイートンズ・レヴィントンと、充電装置の普及販売についてはGEワットステーションと提携を結んでいます。

http://energy.aol.com/2013/01/09/ford-and-the-ev-backed-solar-powered-cloud-controlled-home/
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ちょっと長い記事でしたが、要点はうまくつかめましたでしょうか?

電気自動車が単なる乗り物の範疇を出て、各家庭が上手に電力をコントロールできるようにデータセンターとしての働きをする、というもの。

そのエネルギー源となるのが太陽光発電による自家発電設備です。
家庭の電気製品すべてと電気自動車に電力を供給し、余れば売電し、足りなければ安いときに買う(アメリカの電力販売は自由市場なので)。
その指令を出すのが自動車のコンピュータであり、何かの都合でそれが使えないときには、クラウドシステムが代わりに働くことになります。

もちろん最先端のシステムですから、今すぐ巨大電力企業や大規模発電設備が不要になる訳ではありません。
しかし10年20年の間には普及が進む事になります。
なのに、これから10年20年もかけて危険極まりない上に、処理の目処が立たない高放射性核廃棄物を無限に作り続ける。
福島第一原発の事故発生による見直しにより、維持・運営には巨額の費用が必要とされることになり、アメリカ、そしてヨーロッパでは費用がかかり過ぎる事による「危険」も問題視されるようになっている。
そんな原子力発電所を、建設することはもちろん、稼働させる事もますますもって無意味どころか、この国の「発展」を損なうことになるでしょう。

世界のエネルギー事情は、急激な変化を続けています。
その事実から国民の目を逸らさせ、既得権益企業の利益を守り、長い目で見てこの国の利益を失わせる「エネルギー鎖国」をしない覚悟は、新政権にはあるでしょうか?

本当の「経済成長」を果たすなら、「腰を据えて」世界の動きの半歩先を進む覚悟が必要なはずです

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【 ロシア正教(ギリシャ正教)のクリスマス、陽気なお祝いと荘厳な儀式 】

アメリカNBCニュース 2012年1月7日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

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ベラルーシ共和国の首都ミンスクの東約50キロほどの場所にあるリチェブ村で、『コリャドキ』と呼ばれるクリスマスの行事を祝う人々。
『コリャドキ』はロシア正教(ギリシャ正教)のクリスマス行事で、ウクライナとベラルーシの一部で伝統行事として、数百年の伝統があります。1月7日。

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上はいずれもベラルーシのリチェブ村、1月7日。

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ガザ市内の聖ポルフイリオス教会で執り行われる、ギリシャ正教のクリスマスミサ。1月7日。

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マケドニアのスコピエの教会に集まった、ギリシャ正教の信者たち。1月7日。

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セルビアの首都、ベオグラードにある、聖サヴァ教会に集まったギリシャ正教の信者たち。1月7日。

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