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【 3.11から半年、先の見えない生活を強いられている被災者の間で、不安と不満が渦巻く 】

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所要時間 約 9分

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今日はご覧いただいている[星の金貨]の、各記事の見出しの訂正を行いました。
その時々のニュースを翻訳してきましたが、中には自分の感情のほとばしるままに、タイトルをつけてしまった場合もありました。
そのため後になって、自分でもその内容が解らなくなってしまい、参照するのにあちこち自分で探しまわらなければなら無いはめに。
反省の上、一部の見出しを内容に即したものに訂正しました。

ところで、今日ご紹介するニュースは少し前のアメリカCBSニュースのものですが、同社のホームページから削除されてしまいました。
アップする前に翻訳の正確性を期すため、原文をもう一度確認しようと思ってサイト内を探したところ「すでに削除されました」のコメント。
普通なら短くても半年は、そのまま掲載されているはずなのですが......
日本のどこかからクレームがあったのかもしれませんが、さて、どの部分が問題だったのでしょう?
しかし、鉢呂経済産業大臣の辞任はいったい何だったのでしょう?
私はあのとき、「死の町」を作った責任の追求もまともにやらず、国民の望まない踊りを踊る日本のマスコミの性根を見た思いがしました。

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【 日本は地震、津波から6ヶ月を迎える 】
[ 第二次世界大戦以来、見たこともない破壊の後で ]

アメリカCBSニュース/AP東京 2011年9月11日

災害によって荒廃した東北太平洋側の海岸沿い、その北から南まで、被災地の人々は9月11日・日曜日、生き残った人々は一斉に祈りを捧げました。
彼らの生活と日本のすべてを変えてしまった3月11日の巨大地震と巨大津波が彼らに襲いかかってから、半年の月日が流れました。

世界が3.11同時多発テロの10周年記念行事を行う中、日本の子供を亡くした親たちは色とりどりの短冊をつるし、僧侶は破壊された建物の前で読経しました。
そして福島第一原子力発電所の事故の惨禍を見て、立ち上がった数千人の人々が、原子力発電の廃止を求めて通りをデモ行進しました。

午後2時46分ちょうどに、彼らは手を止めて、一分間の黙とうをささげました。

マグニチュード9.0の地震は、第二次世界大戦以来、見たこともない破壊を日本にもたらしました。
続いて発生した津波は東北地方をのみこみ、市や町を完全に破壊しつくしました。
津波は福島第一原子力発電所にも襲いかかり、チェルノブイリ以来最悪の原発事故を引き起こしたのです

約2万人が死亡または行方不明になっています。 80万世帯以上の家屋が全壊、または半壊。災害は企業活動、道路やインフラを完全に麻痺させました。
日本赤十字社は40万の人々が住む場所を失ったと推定しています。

半年後、物理的には回復の兆候が見えてきました。

がれきの多くは片付けられ、または一か所に集められ巨大な山を成しています。
港湾都市である気仙沼市では、津波によって内陸にうち上げられた多数の船舶が撤去されました。
ほとんどの避難者は、高校の体育館などの避難所から出て、仮設住宅やアパートに引っ越しました

日本の自動車や電子機器メーカーの製造工程で重要な部品の不足につながった、サプライチェーンの問題はほぼ解決されました。工業生産も、ほぼ地震前のレベルまで回復しています。

しかし表面的にはそうでも、先の見えない生活を強いられている被災者の間で不安と、不満が渦巻いています。
彼らの苦痛はいやが上にも増し、政府の対応の遅さと指導力の欠如に不満は増大する一方です。

気仙沼の漁師小松さんは、アワビの養殖事業を再開したいと考えています。
しかし、彼は福島第一原子力発電所からの海への放射能漏出について心配し、せっかく育ててもアワビが販売でき るほど十分な安全性が確保できるのかどうか不安を感じています。
彼は政府や自治体が地元の漁師のために、適切な放射線の情報を提供していないと話します。
「一体全体政府は、我々が置かれている非常に厳しい状況と、漁業に対する人々の放射線への恐怖について、しっかり考えているのでしょうか?」と語る小松ですが、彼もまた家を津波で失っているのです。

別の住民である80歳の菅原さんは、津波で妹を失い、現在は仮設住宅に住んでいます。
彼は彼の家を建て直そうとしていますが、ずっと不安定な状態のままに置かれています。
「私の家族は裕福な訳ではないのです。私は行政がこの地区についてどうするつもりなのか、できるだけ早く決めてもらいたい、と思っています。」

彼はもうしばらく、待たなければならないでしょう。
日本経済新聞によれば、被害の大きかった宮城、岩手、福島県内の各自治体が、再建計画についてはまだ原案ができている程度です。
深刻な災害が発生した31の市町村のうち、再建計画が確定したのは4つの自治体にとどまっていると日経新聞は伝えます。
災害の規模が大きすぎる上、日本政府の対応の遅さと、各自治体内部での意見の相違が復興を遅らせる結果となっています。

福島原子力発電所の緊急労働者は、来年早々に原子炉を冷温停止に持ち込む目標を達成するために、苦労を重ねています。
「我々は、原子炉を制御下に置くまでには至っておらず、状況は依然として困難である。」
原子力安全保安院の森山報道官は東京で発表しました。

福島市では日曜日、市民数十人が、福島第一原子力発電所からの放射の危険がチェルノブイリには遥かに及ばない、とした政府支援の国際会議の合意に反発しました。
抗議をした人々は、子供にとってのリスクを過小評価しようとしている、と会議の主催者を非難しました。

また、東京や大阪など主要都市でデモを行った市民、数千人に上る反原発を訴える人々は、国に原子力発電の廃棄を訴えました。
抗議を行った人々は経済産業省の前で、『原子力発電?さようなら』と書いた横断幕を掲げました。

災害や原子力危機の政府の対応への批判は、菅元首相の辞任につながりました。
元財務大臣野田佳彦はこの5年間で6番目の新しい日本の首相になり、その地位を引き継ぎました。
首相は復旧作業をスピードアップするため、多額の資金を用意することを約束し、彼の政権に対する信頼を獲得しようと、宮城、岩手両県の訪問に、土曜日の多くの時間を費やしました。
しかし夜半に及んだこの旅の間、早くも政府を窮地に陥れる事件が起き、政権の影を薄くしてしまいました。
野田政権の新しい閣僚の一人、鉢呂経済産業大臣が福島第一原発周辺の市町村について『死の町』と表現したことが、『避難している人々の心情に対し配慮に欠ける』との非難を受け、自ら墓穴を掘る形で辞任に追い込まれたのです。
新しい政府に対して、土曜日の先週リリースされた共同通信の世論調査では62.8パーセントの支持率を獲得し、力強いスタートに見えました。
しかし鉢呂経済産業大臣の辞任は、野田の指導能力についての信頼の低下と新たな疑問を生む事となってしまいました。
このような政治的配慮の無さが明らかにしたことは、復興への道のりが長いものになるだろう、ということです。

「破壊規模の大きさと影響を受けた面積の広大さを考えると、日本の復興は長く、複雑な道のりをたどらざるを得ません。」
日本赤十字社の近衛総裁は、声明の中で述べています。
「復興のためには、最低でも5年はかかるでしょうが、心の傷を癒すためには、さらに遥かに長い時間を必要とするでしょう。」

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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