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【 長い、長い道のり 】&【 3.11災害後の日本を検証する 】〈第3回〉

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所要時間 約 11分

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アメリカNBCニュース 2012年3月9日

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海外では巨大地震と巨大津波が、東日本に壊滅的被害を与えてから一年が過ぎようとしています。
NBCも2万人近くの犠牲者を出したこの大災害一周年の、番組作りに取り組んできました。
NBCのイアン·ウィリアムズは一年前、この災害現場に最も早く駆けつけた海外特派員の一人でした。彼はその後数週間、現場からの報告を続けました。今夜は彼が領域に返される。
彼は今日その場所に戻ってきました。
生き残った人々が、その後どうやってこの一年を乗り切って来たのか、現地からお伝えします。

レポーター : それは東日本の沿岸で暮らす人々にとって、最も恐ろしい瞬間でした。
20,000人近くの人々が命を落としました。
一年が経ち、付近は全く異なった景色になりました。
けた外れの後片づけ作業により、海岸は見違えるようになっています。
巨大な津波にのみこまれた漁業の町大槌は、一度は地上から抹殺されてしまいました。
ねじれた残骸に覆い尽くされ、不毛の地と化していたこの町も、やっと穏やかな表情を取り戻したかに見えます。

レポーター : 海岸沿いには巨大な瓦礫の山がいくつもできています。毒性を持つものもあります。
津波の被災地にはおよそ19年分のごみが堆積しています。
日本ではおよそ50万の建物が破壊され、その瓦礫をどう処分するのか、具体的かつ現実性のあるプランはまだ見つかっていません。
そしてこの町の再生プランも。

2,000人の生存者が暮らす狭い仮設住宅の中に、津波で何もかも失ってしまった79歳の高橋さんの姿があります。
彼女の自分の家に住みたい、という願いはかなえられそうにありませんが、常に前向きに、前だけを見て暮らすよう日々努力している、と話してくれました。
地元の自治体は高さが15メートルもある、 防潮堤を建設すると約束しました。
この高さは昨年この場所を襲った津波の倍になりますが、それでもこの場所が再び住んでも安全である、とは言い切れないのです。
この場所からさらに南側にある南三陸町は、海から離れるにしたがって左右の山が迫ってくる地形が災いし、津波が15メートルを超える高さになってしまい、もっともひどい被害を受けた町のひとつです。

漁業の盛んなこの町を世界的に有名にした、ビルの屋上に乗りあげた観光船は撤去され、がれきの片づけも進んでいます。
これまでアメリカの慈善団体により寄付された新たな設備が、200人ほどの雇用の場をこの町に作り出しました。
ランドルフ・マーティン(Mercy Corps : 思いやりによる団結)「ほんとうにこの町が立ち直るまでには、これから長い長い時間がかかることになるでしょう。でも私はこの一年間、私はこの街の人々が互いに知恵を絞り協力し合いながら、再び町としての機能を取り戻す様子を見ることができました。」

レポーター : ここには立ち直ろうという意思が欠けている、などという事はいささかもありません。そしてみんなが懸命に未来をつくり出そうとしてる、その姿こそは最も尊い、そう言えるでしょう。
イアン・ウィリアムズ、NBC放送、日本から。

http://www.msnbc.msn.com/id/3032619/ns/nightly_news/#46687288

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私たちは忘れもしません。

津波をまともにかぶった人たちは、寒気と恐怖に震えながら肉親を捜し、がれきを片付けていました。
仙台港の方向には真っ黒な煙が空高く上がり続け、あらゆる方向から緊急車両のサイレンが途切れることなく聞こえていました。
そして、朝になると自衛隊や消防の車両が何台も何台も、続々と沿岸部をめざして走っていきました。

電気も水もガソリンも、そして何より情報が無い中、福島第一原発から大量の放射性物質が放出されていたのに、たくさんの人々が自転車で仙台市内を走り回っていました。

なのに国会は政争・政局に明け暮れ、日本の放送・新聞は飽きることなくその様子を被災地にも流し続け、私たちの気持ちを一側暗いものにしてくれま した。

被災地には世界各国の救助隊や報道陣がやってきて、世界に向け今回の東日本大震災の被害がどれ程悲惨なものか、発信し続けていました。
おかけで日本中から、世界中から支援の手が差し伸べられ、被災地の人々は大いに慰められました。

日本政府・政府機関・大政党の国会議員『以外』の日本中・世界中の方々から、私たちは大きな支援をいただきました。
ほんとうに心から感謝いたします。

しかし、昨日取り上げたアメリカCBSニュースが取り上げていた大川小学校の犠牲者のご遺族を始め、立ち直れずに苦しんでいらっしゃる方が数多くいらっしゃいます。
そして福島第一原発から20km圏内の方など、まだ何も始まっていない方には、ほんとうにどんな慰めもありません。

ところで、3月10日前後からアメリカを始め、世界中のニュース各社のサイトに日本のニュースが続々アップされています。
確認済みのものだけでもNBCが5本、CBSが4本、ABCが3本、CNNが5本など、他に英国BBC放送やアルジャジーラほか、かなりの分量になります。
下記のニューヨーク・タイムズの記事と同時掲載の形で、可能な限り数多くご紹介していく予定です。

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【 3.11災害後の日本を検証する 】〈第3回〉
「冷温停止宣言は国民の間にわき上がる、事故に対する怒りをなだめるためだけに行われた」

▽ 地震・津波・原子力危機
「日本政府の職員は国民より、自分を守るのが先」

2011年3月11日に襲った巨大地震が東日本沿岸部を襲い、続いて発生した巨大津波は北日本の都市や農地を目も当てられないほどの惨憺たる有様にしてしまいました。
遠くアメリカや南米の西海岸でも津波警報が発せられるほどでした。
マグニチュード9.0を記録したこの地震は、この国の記録始まって以来最大の地震となりました。

日本が救出活動に苦闘するそのタイミングで、今度はチェルノブイリ以来最悪の原子力発電所事故に直面させられることになりました。
爆発と放射能漏れが福島第一原発の3基の原子炉で起き、限りなく100%に近いメルトダウンが発生しました。他の一基の原子炉では、原子炉の上部に格納されていた使用済み核燃料が火を噴き、放射性物質を大気中に直接大気中に噴出させたのです。

放射性物質は東京の水道水の中にまで入り込み、汚染された水が海洋中に流れ込むなど、日本政府は絶望的な状況のなかで対策を迫られることになりました。

7月までに災害による死者・行方不明者は20,000人を超えてしまいました。
原子力発電所の危機は、数万人の人々に仮設住宅での暮らし、あるいは避難先での生活を強いることになりました。

一部の政府関係者は、インタビューや公式声明の席では、日本の関係当局が今回の事故処理に必要な金額、避難を強いられた人々の人数などについて、不利な情報を握りつぶしたり、事実を否定したり、といったお決まりの隠ぺいを行ったことを認めています。

それというのも、強大な政治力を持つ日本の原子力産業界の反発を恐れてのことでした。

災害発生後数か月の間、原子力発電に対する人々の反感は、運転上の不具合、故障修理、あるいは定期点検などの理由で停止中だった原子炉の再稼働への反対、という形で現れました。
福島第一原発の事故以降稼働中の原子炉は54基中10基だけとなり、産業用の総電力量の30%が急激に減少することになりました。

▽ 『冷温停止』の疑惑
日本政府は2011年12月、事故を起こした福島第一原発の原子炉が高温状態を脱し最終的に制御できるようになっ た、と宣言しました。
しかし、この宣言はそれが行われる以前から、専門家に疑問を持たれていたのです。

野田佳彦内閣総理大臣が率いる災害対策特別委員会は、福島第一原発の破壊された3基の原子炉が冷温停止にほぼ等しい状態になったとして、冷温停止『状態』を宣言しましたが、冷温停止とは技術的には炉心の核燃料が安全・安定している状態を指します。
一部の専門家は、今回の宣言は年内には冷却システム を正常に機能させる、とした政府の誓約のつじつまを合わせるための物で、現状を正しく表現するものではない、と指摘しました。

別の専門家は国民の間にわき上がる事故に対する怒りをなだめるためだけに行われた宣言であり、3基の原子炉が抱える安全上の問題から目を逸らさせてしまう可能性がある、と述べています。
3月11日のマグニチュード9.0の地震の余震のうち、もし大きなものが襲ってきたら、事故後にあわてて作られた急ごしらえの新たな冷却システムが破壊されてしまう可能性が高い、と多くの地震学者が考えています。

http://topics.nytimes.com/top/news/international/countriesandterritories/japan/index.html?scp=1&sq=fukushima%20surprise&st=cse

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