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【 ソーシャル・ネットワーク上の暴言が証明する、日本の政治家・政府高官たちの見識、品性、思いやりの欠如 】《前篇》

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所要時間 約 7分

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首相でさえ、フェイスブック上で反対の立場の人々に対し配慮に欠ける表現を行い、非難される有り様

AP通信 / ワシントン・ポスト 6月20日

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ネットの世界の出来事については、後から誰かに泣きついたところでどうなるものでもありません。
これは最近、日本の政治家や官僚たちが高い代償を払い、身に痛みを憶えながら学んだ現実です。
最近明らかになった騒動では、福島第一原発の被災者の救済にあたるべき日本政府の高官が市民活動家に対し、ツイッターで糞便を指す侮辱的表現を用いて攻撃し、更迭されました。

国連委員会におけるもう一人の政府高官の激高ぶりは、うまく人の目に触れずにフタをされ高のように見えましたが、20日にはYouTubeで公開されてしまいました。

安倍晋三首相でさえ、フェイスブック上で反対の立場の人々に対して配慮に欠ける表現を行い、非難される有り様です。

日本は、この4月になって初めて、政治目的でソーシャルメディアを使用することを法律で認めました。
今後の日本の行方を決める上で、重要な役割を果たすことになる7月21日投票の参議院議員選挙において、有権者へのアプローチにソーシャルメディアを活用できるということは天の恵みであると同時に、きわめて重い責任がつきまとうという事にもなります。

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日本の政治家と政党は、記者クラブのシステムを使い、国民が事実や真実に触れることをコントロールしてきました。

このため日本のメディアは記者クラブの席を守るために、しばしば政治家の失敗については見て見ぬふりを決め込んできました。

政治家の側近たちも、政治家が行った問題発言などがテレビや活字媒体などで取り上げられないよう、大手メディアとの『持ちつ持たれつ』の関係の構築に励んできました。

しかし、政治家がいったんネット上で発言を行なえば、こうした防衛策は無力です。

「感情的な部分に食いつかれることになります。いちどフェイスブックの『コメントする』ボタン、あるいはツイッターのツイートボタンを押してしまったら、もう手遅れです。」
「たちまちに鵜の目鷹の目で待ち構えている失言監視人たちに見つかり、『本性を現した』とばかりに食いつかれるのです。」

復興庁統括官付参事官の水野晴久氏は次のツイートのため、更迭されました。
「左翼のクソどもから、ひたすら罵声を浴びせられる集会に出席。不思議と反発は感じない。感じるのは相手の知性の欠如に対する哀れみのみ」

水野氏がこのツイートを行ったのは3月7日でしたが、長らく見過ごされてきました。しかし失言監視人の目にとまり、広く一般に知られてしまったのです。

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5月下旬、今度は国連の委員会での様子が物議を醸すことになりました。
国連拷問禁止委員会において、日本の犯罪容疑者の人権を守ることについては、『まるで中世時代(時代錯誤)だ』と非難したモーリシャスの使節に対し、日本の上田人権人道大使が自国の刑事制度を弁護すべく声を荒げて叫びました。

YouTubeと公式ウェブサイトで公開された映像では、上田大使はブロークンな英語でこう語りました。
「日本は断じて中世国家などではない。我々はこの分野においても、最先進国の一員なのだ。」

この発言に周囲から失笑が漏れると、上田大使は叫びました。
「笑うな!何で笑うんだ?」
「黙れ!黙れ!」

この動画は3日間で20万回以上再生されました。
この映像と事実は日本の大手メディアで繰り返し報道され、6月も半ばを過ぎてから、やっと日本の外務省が上田氏を公式に非難しました。

橋下徹大阪市長は第二次世界大戦前と戦中の帝国陸軍による従軍慰安婦制度について、「必要悪だった」と発言し、ツイートを流しました。

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さらに日本国内にある基地のアメリカ兵の犯罪を減らすために、日本の性風俗産業を積極的に活用するよう提案するツイートを流しました。

この発言に対し、アメリカ軍側は「憤激に耐えず、きわめて不愉快である。」と怒りを露わにしました。
橋下氏は日本の国政政党・維新の会の共同代表を務めていますが、発言について公式に謝罪しました。
しかし謝罪したのは、性風俗産業に関する発言の方だけだったのです。

〈後篇に続く〉

http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/gaffes-on-social-networks-by-top-japanese-officials-spark-concern-about-lack-of-sensitivity/2013/06/19/02f5d206-d949-11e2-b418-9dfa095e125d_story.html
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この記事も後半に、ヤマ場が来るため、翻訳者の私としては後篇こそお読みいただきたいと思っています。
明日日曜日は休載日ですが後篇を続けて掲載し、代わって月曜日を休載日とさせていただきます。
ご了承ください。

人種差別主義を一言で言えば、自分の下を作ろうとする行為だと思います。
かつてのアメリカでは、黒人に対し最もひどい迫害を行ったのは『プア・ホワイト』と呼ばれる、白人の貧困層でした。
白人社会の最下層で貧しく苦しい生活を続ける彼らは、黒人を自分たちの『下』に設定し、群れを作ってそれを攻撃・迫害することにより、生きている上でのウサ晴らしをしました。
品性下劣、人間として最悪の行為です。

後篇では日本の人種差別が焦点になります。
ぜひ続けてお読みください。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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