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【 菅前首相、英国メディアに福島第一原発の事故対応について激白 】

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所要時間 約 18分

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世界が破滅に向かうのを止めたのは?!

デビッド・マクニール / ザ・インデペンダント(英国)4月23日

日本のかつての内閣総理大臣は、福島で発生した大事故の処理を誤ったと揶揄され続けてきました。
しかし今、その見方が変わり始めています。
彼自身が初めて、当時の状況を明らかにしました。

それはまるで口から放射能光線を吐いて破壊の限りを尽くし、核攻撃兵器の架空の象徴であったゴジラの破壊の後のようでした。
世界で最も多くの人口を抱える大都市が、制御不能となった原子力発電所が噴き上げた死の灰の脅威にさらされることになったのです。
しかしそれは250km離れた福島第一原発の三基の原子炉のメルトダウンにより、3,500万人の人口を抱える東京で実際に起きた出来事でした
そして多くの意味において、首都で起きた第二次世界大戦以来最も緊迫したこのドラマの主人公は、当時の内閣総理大臣菅直人でした。

当時の事故対応について広く批判を浴びた菅前首相ですが、しかしながら事故が起た後、東京電力が6基の原子炉と恐ろしい規模の殺戮と汚染を起こす可能性があった7つの使用済み核燃料プールを放棄しようとした際、これを許さなかった点においては高い評価を得ています。

「それがどういう意味を持つ決断であったかは後世の評価を待つ他ありませんが、私は総理大臣としてできる限りことは行ったはずです。」
一年前の原子力発電所事故を振り返りながら、菅前首相が辞任後初めて英国の新聞に明らかにしました。

菅前首相が当時一番恐れていたことは、当時の枝野官房長官が口にした『悪魔の連鎖反応』、すなわち福島第一原発のいたるところで次々とメルトダウンが発生する事態でした。
「もしこうした事態になれば、首都も壊滅せざるを得ませんでした。」
枝野元官房長官は今年始め、当時を振り返りこう述懐しました。
菅前首相自身は福島第一原発の事故が完全に対応不能になれば、東京は誰も住むことのできない廃墟になってしまう、という強迫観念に苛まれていました。
「そうなれば東日本全域が壊滅的被害を受けていたでしょう。」

カギになる瞬間は東日本大震災が発生した3月11日の4日後、3月15日にやって来ました。
菅前首相が東京の中心にある首相公邸で仮眠から目覚め、疲れ切った体をしわくちゃの緊急時作業服で包んだ彼は、当時の海江田経済産業大臣から、驚くべき報告を受けました。

『東京電力の職員と700人の作業員が、福島第一原発を放棄して避難する準備に入った。』

菅前首相は直ちに運転手に、1キロほど離れた場所にある東京電力本社に彼を連れていくよう命じました。
彼が背を丸めて東京電力本社の会議室に突然入っていくと、そこには約200人の人間であふれかえっていました。
「一体全体何でこんなところが人であふれかえっているのだ?!」
彼は思わず大声を出しました。
「緊急時の重要な決定は、5、6人で行うべきだ。」
彼の怒りの矛先は東京電力の勝俣会長と、居並ぶ取締役たちに向かいました。

『どんなことがあっても』、職員や作業員を福島第一原発から下げることは許されない。
『このまま福島第一原発を放棄すれば、この大災害はチェルノブイリの2倍、3倍の巨大災害になってしまう。』
彼は1986年に発生したウクライナの原発事故を引き合に出しました。
60歳以上の作業員を福島第一原発に向かわせるべきだ、と彼は主張しました。
「私自身60歳を超えていますが、ガンが発生するまでは20年から30年かかると言われていますので、その年齢なら関係ないと思ったのです。」
菅前首相がこう語りました。そして以下のようにつけ加えました。
『自分自身も福島第一原発に行かなければならないのなら、喜んで現場に向かう。この大災害はもはや日本だけにとどまらず、世界に被害を及ぼす規模のものなのだ。』

東京電力の経営陣と火花を散らし、疲れ切った菅前首相は会議室を後にしました。
しばらくしてそこでは、福島第一原発の完全放棄を前提にしたすべての案が否決されました。
後になって東京電力の武藤副社長は、私たちは『一部の職員』を撤退させようとしていただけなのだ、と語りました。

今日、菅前首相がこう語りました。
「原子炉一号機が3月12日に爆発しました。3号機は14日。そして2号機も大変危険な状態でした。このような状況では、誰もがもはや放棄する以外にない、と考えても不思議では無かったかもしれません。」
「しかし、そんなことは許されないのです。化学プラントならば、そこにあるものが燃え尽きてしまえば、事態は収束に向かいます。しかし、原子力発電所ではそうはいきません。火災がおさまれば、その後は事故処理もやりやすくなるというわけにはいかないのです。」

この点に関する菅前首相の対応についての評価が3月に行われました。
大半を大学教授、ジャーナリスト、法律家が占める30人からなる福島原発事故独立検証委員会が6カ月を費やした調査の末、委員長で弁護士の塩崎彰久氏が、今回の危機に対する政府の対応全体に対し、
「未熟で、場当たり的、ただし運には恵まれていた」
と結論づけたのです。
『事故前からこのような事態を予測していた者はいなかった。一握りのわずかな政治家だけがパニックと相互不信に陥ることを免れたが、この事故に関する技術的問題に関わる度合いが増すことになった。
しかしこうした政治的介入が功を奏することは無く、かえって混乱を引き起こし、この場合においては時に危機的状況すら生むことになった。』
菅前首相が東京電力に立ち向かい、その全面撤退を阻止した点だけは重要であったと評価されています。
『もし全面撤退が実際に行われていれば、福島第一原発の事故全体が、全く手のつけられないことになっていただろう。』
報告書にはこう記載されています。

菅前首相自身が関わり、事故後一週間の状況をまとめた報告書は、上記報告書から2週遅れて明らかにされました。
この中で菅前首相は福島第一原発が完全に対応不能となり、同原発の半径250km圏内の全員に避難命令、あるいは避難勧告を発する事態を恐れていた、と語っています。
こうした事実があったことは、2012年になるまで明らかにされませんでした。
「それは事態が、それ以上悪化しなかったことを証明するものです。」
菅前首相が語りました。
「私たちは3月15日から17日の間、この見えない敵に瀬戸際まで追いつめられました。しかし、その後少しずつ反撃していったので す。」

菅前首相は今後さらに14基の原子炉を建設する、という計画を廃棄させた後、8月に辞任しました。
この背景には以下のような憶測があります。

政治的に強大な力を持つ日本の原子力産業界と、保守的な報道機関が、彼に『制裁を加える』ためにやめさせたのだ と。

菅氏の後継者である野田佳彦はうだるように暑い夏が訪れる前に、現在停止中の原子力発電所を再稼働させることを約束しています。
一か所を除き、現在日本のすべての原子炉は福島第一原発の事故を受け、停止しています。

現在日本の経済産業大臣である枝野氏は今週、北海道電力が定期点検のために北海道泊原子力発電所発電所の3号機が停止する5月5日以降、当面日本での原子力発電量がゼロになると語りました。

菅前首相は昨年事故を起こした福島第一原発では、今でも危険な状態が続いており、そのことを彼自身は非常に心配している、と語りました。
「一年が経過した現在も、現場が一体どうなっているのか、具体的なことがわかっていません。」
菅前首相がこう語りました。
3メートルから6メートルの高さまではある、そう予測していた原子炉2号機内の水量が、実際には60cmしかないことを先月東京電力が確認しました。

菅前首相は、福島第一原発は冷温停止していると言える状態には無い、と語りました。

▽ 活動家から首相へ : 菅直人の台頭

1947年生まれ、菅直人は民主党の創設者のひとりだった。
2010年には民主党が選挙で自民党に地滑り的勝利を収めた後約半年で、不人気の鳩山由紀夫から職を引き継ぎ、この3年間で5人目の首相になりました。

しかし間もなく襲った東日本大震災の巨大地震と巨大津波が引き起こした福島第一原発の事故への対応を批判され、一年足らずで首相の座を離れなければなりませんでした。
東京工業大学の大学院卒業後、菅前首相は市民活動家として政治家としての道を歩み始め、最終的にこの島国の首相に就任するまでに、3回の閣僚就任経験を持っていました。

http://www.independent.co.uk/news/world/asia/naoto-kan-the-man-who-says-he-saved-the-world-7669097.html
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『原子力発電で明るい未来』『原子力発電は安全』などと言っていた東京電力が、一時は事故を起こしている福島第一原発を全面放棄しようとしたことを、私たち日本人は忘れないようにしなければなりません。
当時被災地であった私が住んでいる仙台市では、3.11当日に襲った津波についても、折からの停電で詳しい状況は分かっていませんでした。

そして福島第一原発で起きた爆発についても、情報は途切れ途切れに断片としか入っていませんでした。
こちらでは沿岸の市町村で数千人の行方が分からなくなっており、まずはそのことをなんとかしなければならなかったのです。
津波が襲った現場では人々ががれきをかき分け、あちこち走り回りながら、半狂乱になって肉親や同僚などの姿を探し求めていたのです。
そのとき本当に『福島第一原発の全面放棄』などされていたら、いったいどれだけの人がとんなことになってしまったか、想像もできません。
今回、英国のザ・インデペンダント(英国)がこの『事実』を取り上げてくれたおかげで、『この有り様』が世界中に伝わっていくことになるでしょう。

そして現在「そんなに原発が嫌なら、ろうそくを灯して暮らせ。」
と言っている人間が枢要な位置を占める政府が、今後の日本の行方を決定しようとしています。
この異常さに危機感を持たない訳には行きません。
まさに危機は『終わってなどいない』のです。

ところで菅首相が辞任を迫られていた 2011年の夏前、被災地で暮らす自分は「辞任させられて当然」と思っていました。
しかし、その後世界各国のニュースを毎日翻訳しながら読んでいるうちに、脱原発、反原発の流れから言えば菅前首相の辞任は決してプラスに ならないのではないか?
と考えるようになりました。
そしてドイチェ・べレ(ドイツ国際放送)などのニュースを何本か翻訳するうち、菅前首相の辞任の流れを作ったのは日本の原子力業界ではな かったか、という疑いは濃厚になりました。
「このまま菅を首相の座に座らせておいては、世論の後押しを受け、脱原発の流れが決定的になる」
そうした危機感を持った原子力業界がメディアを使って別の世論を作り出し、菅前首相の辞任を実現させた。

私たち国民は見事に利用されてしまったのかもしれません。
その思いは、現首相の発言・行動を見ていると増々深いものになります。
「次に来る者が、今の人物よりも良いという保証はどこにもない。」
そんなことは、サラリーマン社会を生きてきた私たちは百も承知だったのに…

そして世界の世論が『おかしいだろう!』と非難しているのもこの点なのです。
事故の原因を作った原子力安全保安院や東京電力が『制裁』を受けず、原子力発電の廃止を訴えた菅前首相が『制裁』される日本という国。
私たちはこの指摘に対してどう答えればいいのでしょうか?

もう一つの話題は、核家族。
日本のテレビ・新聞が取り上げる子供の虐待。
その家庭がもし父母だけではなく、何世代かが一緒に暮らすおじいちゃん・おばあちゃんがいるところなら、その分母親の育児ノイローゼなども少なければ、子供たちも救われたのではないか、と考えたことが何度もありました。

核家族は産業維持に大きな価値を置く社会にあっては、都合の良い家族構成でした。
しかし、親にとっても子供にとって心理的な部分での負担は重く、現代にいたって大量の孤独死を生む原因にもなっています。
ひとつの尺度ですべてを結論づけることはできませんが、先進国社会で今再び大家族に戻ろうとする動きがあることは、人々が「何事か」に気づき始めた証拠であるのかもしれません。

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【『核家族化』が否定される時代がやって来た 】

アメリカNBCニュース 4月22日

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子どもたちを育てるための素晴らしい方法が、毎日のように新たに発見されているようです。
今回は尊敬すべきおじいちゃん・おばあちゃんたちが、新たに生を受けた赤ちゃんに彼らの優れた体験を伝えるべく腰を上げました。
NBC放送のケビン・ティブルズがお伝えいたします。

「そろそろお目覚め?いいわよ、可愛らしいお嬢ちゃん!」

レポーター:赤ちゃんのソフィアは生まれて一週間を過ぎたばかり、そして祖母のアンは初めての孫を前におばあちゃんとしての彼女の新しい役割を愛しています。

「私はこうしているときが一番幸せ。」

アン自身が子供を産んだのはもう30年以上も前。
そしてソフィアが生まれる以前、息子のマークとその妻デニス がシアトルのスウェーデン医療センターで『新しいお父さん・お母さんのための教室』に通っている間、アンも子育てに参加する決心をし ましたそして彼女自身のスキルを磨くため、『新しいおじいちゃん・おばあちやんのための教室』に通ったのです。
「ここで祖父母としての資質を磨くのです。」
「30年前に私たちが経験した育児方法より、今はもっと優れたノウハウがあるのよ。」

レポーター : 新しく祖父母になる人々が、赤ちゃんのくるみ方について教習を受けています。」

「こうして赤ちゃんの肩まできちんとくるむのです。」

レポーター:赤ちゃんに必要な栄養の問題から、昼寝の時間に至るまで。

「私が子供を育てたていた時分にはドクター・スポックの育児書ぐらいしかなかったのよ。」

レポーター:物事は確実に進歩しています。
おじいちゃん、おばあちゃんのためのTIPS、それは以下のようなものです。
ベビーベッドの中に大きなものを置いてはいけません。
おもちゃや携帯電話もだめ。
寝かせるときは背中を下にします。
ベッドの中でうつぶせにして、ハイハイの練習をさせてはいけません。
これでマークとデニス、そしてソフィアも、おばあちゃんの育児にいつも最高の評価を与えることになるでしょう。

「妊娠中からすでに、こうしたアンおばあちゃんの準備は始まっていました。」
「彼女はずっと孫の誕生を待ちわびていたのです。」

レポーター : そしていよいよアンが磨き上げられた祖母の役割を果たす時がやって来ました。
「さあ、ひとつひとつをもっとレベルアップしていくわよ。お人形を使って練習を重ねてきたけど、これからはこの可愛らしい小さなかわいい命を大切に守っていかなければならないわ。」

レポーター : 新しいおばあちゃんのアンが最新式の育児法を身に着ける一方、デニスの父エリック・チャンは彼の母国台湾の伝統の習慣や伝統料理を、新米の母親である娘に伝えようとしています。
彼はまた、孫のために子守唄を歌って聞かせます。

レポーター:足りないところを補い合い、睡眠不足に陥りがちの新しい両親を手助けするために何でもこなしています。
「両方の 祖父母が赤ちゃんと一緒に時間を過ごすことができ、本当に幸せです。孫に対する愛情も深まるばかりです。」

「だからと言って溺愛するだけのおばあちゃんにはなりませんよね?」
「だれが?私?」
レポー ター : もちろん彼女が、です。
「さあ、出かけるわよ。」

レポーター : 彼女がこの点に関する知識も、最新のものに持ち替えているのはもちろんです。
ケビン・ティブルズ、NBCニュース、シアトル。

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