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【 英国のEU離脱 – 日本、中国、アジア各国市場が受ける影響は? 】

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所要時間 約 9分

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中国は国民投票実施前に詳細に分析済み、上海市場も影響は軽微、当面は事態を静観の構え
今年から来年にかけ、欧州には不安材料が山積
週明け、日本・中国・オーストラリアの株価は反発、韓国、香港、東南アジアは続落

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 6月27日

株式市場
中国政府が同国の企業の対英投資についてしばらく様子を見ることになるだろうとの見解を示した一方、日本は英国に対し1,000社を超える取引企業が影響を被る実態について『精査』するよう迫りました。

国民投票で英国のEU離脱が決定したことを受けポンドが続落し、日本と中国の当局者は同国と世界経済の先行きにまた新たな不安材料が加わったことを警告し、アジアの金融市場は27日月曜日になっても前週末に記録した大きな損失を取り戻せずにいます。

日本の株式市場は月曜日午前に安倍首相が緊急会合を開いて日本銀行に対し金融市場を安定させるため採れる手段をすべてとるよう指示したことを受け、昼過ぎまでに日経平均株価は約2%ほど値を戻し、このまま株価が一方的に下がり続けることは無いと強調しているかのようでした。
「金融市場には不確実性と危機に対する懸念が残っています。市場を安定させるための働きかけを続けることが重要です。」
株式市場の取引開始前に開催された会合で、安倍首相がこう語ったと共同通信が伝えました。

英国の国民投票が実施される以前に離脱が決定した場合の影響について詳しく分析済みだった中国は、翌週の株式市場の幕開けをどうやら無難に乗り切りました。
中国政府の当局は多くの中国企業が事態を「静観する」対応を望んでいるようだとの見解を示しました。
中国の李克強首相は世界の主要市場が安定化のため、協同して取り組みを行うよう望むというメッセージを発しました。
「私はヨーロッパが中国のための重要なパートナーであることを改めて強調したいと思います。そして、中国は中国とEUとの関係、中国と英国との関係、そのどちらをも発展・維持させ続けることを約束します。」
李克強首相は天津で開催された世界経済フォーラムにおける講演でこう語り、次のように続けたと共同通信が伝えました。
「中国はしっかりと連帯し安定した欧州連合の実現を望むと同時に、安定し反映する英国社会の実現も望んでいます。」

天津経済フォーラム
中国の最高位の経済プランナーである除紹史国家発展・改革委員会主任は、26日に開催された天津世界経済フォーラムの会場で、今回の英国の国民投票の結果が中国経済に与える影響は限定的なものだと語りました。
24日金曜日の国民投票の結果発表後に対ドルレートの記録的な下げ幅を記録した英国ポンドは、27日月曜日にさらに下落しました、
1ポンドは1.3388米ドルまで2.4%下げましたが、金曜日に一時31年ぶりの安値である1.3228米ドルつけた時に比べると、若干ではありますが値を戻しています。

前週の24日金曜日に2008年の世界的金融危機以来最大となる7.9%の下げ幅を記録した東京の日経平均株価は、27日月曜日午後2%以上 – 300ポイント以上値上がりしました。

上海総合指数は午前の取引開始直後0.6%上昇し2,870.92に、シドニーのS&P/ASX200指数は0.5%上昇し5,136.80豪ドルまで戻しました。

しかしその他の市場では軒並み値を下げる展開となり、前週の金曜日世界の金融市場から2兆1千万ドルの資産を消滅させた危機が続くことになりました。
香港のハンセン株価指数は20,112.35まで0.7%下落、ソウルの韓国総合株価指数(KOSPI指数)は0.1%、1,923.13まで値を下げました。
シンガポール、フィリピンとインドネシアのベンチマークも同様に下落しました。

英国離脱日本外相
日本の岸田文男外務大臣は英国に対し、同国内で投資を行っている日本企業から事情を聞いて適切な対処をとる義務が英国にはあると警告しました。
岸田外務大臣は27日月曜日午前、英国のティム・ヒッチェンズ駐日大使と会談し、次のように要請しました。
「英国内で事業を行っている約1,000社の日本企業にその見解を確認するようお願いします。」

日産やトヨタのような日本企業は英国で140,000人を直接的および間接的に雇用していますが、いくつかの会社は24日に行われた国民投票以前から、英国がEUに留まるべき必要性について、秘密でも何でもないという見解を示していました。

アジアのアナリストは今後の展開について予断を許さない状況にあると厳しい口調で語りました。
英国の政治状況の激変と、他のEU加盟国の中で英国に続き脱退に向けた動きが加速することは、市場の不安定性を増すだけだと語りました。
「現在の状況は投資家がいったいどれだけのリスク資産を売却する必要があるか、はっきりした見当が全くつかない程不透明です。」
みずほ証券の外国債券部門の上級戦略家である岩城弘子氏がこう語りました。
「現状について言えば、投資家が売却すべき資産がすべて処理されたとは言えない状況にあると思います。さらに10%値を下げても私は驚くにはあたらないと考えています。」

英国ポンド通貨
みずほ銀行は報告書の中で次のように述べています。
「EUと英国が離脱のための手続きと交渉のタイミングに関して若干の食い違いが表面化するかどうか、市場は神経質の見守っている状況にあります。」
「英国におけるEUの合法性そのものについて、離脱を支持する政党から疑問を突きつけられる可能性があります。」
今年スペインで、そして来年にはフランスで総選挙が予定されており、
「こうした政治的な要因が、英国の離脱交渉に複雑な性格を加えることになるでしょう。
事態がどの方向に進展することになるのか、その不確実性は世界の金融市場が大荒れになる潜在的要因をはらんでいることを示唆しています。」

国際通貨基金のクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、数日中にヨーロッパの政策担当者によってされる決定によって今後の趨勢が見えてくるだろうと語りました。
ラガルド専務理事は25日コロラド州で開催されたアスペン・アイデア・フェスティバルの席上、今後経済危機に陥るかどうかは、先行きの不確実性の程度に左右されることになるだろうと語りました。
「今回の危機がどの方向に向かうのは、今後数日間に行われるヨーロッパの政策担当者の決定に大きく左右されることになるはずです。」

英国株式市場
今回の英国のEU離脱について、一部のアナリストはアジア市場が他の市場よりも影響を受けにくいだろうと語りました。
「アジアは、ほんの少しのかすり傷だけで今回の危機を切り抜けるに違いありません。大部分のアジアの経済市場は英国との直接取引は大きくなく、英国金融機関からの融資についても、代替の選択肢が数多く存在し対処が可能であり、悪影響は最小限に留まるものと考えられます。」
香港のHSBC銀行のアジアの経済調査部門の共同責任者であるフレデリック・ノイマン氏は、報告書の中でこう述べています。

https://www.theguardian.com/business/2016/jun/27/brexit-pound-decline-japan-china-markets-investment-fears
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【 6月27日の報道写真から 】

アメリカNBCニュース 6月27日

銀座
6月27日、東京銀座商店街の建設現場の装飾看板の前を歩く着物姿の女性。この日、東京証券取引所では24日に英国のEU離脱のニュースを引き金に暴落した株式市況が幾分値を戻しました。

http://www.nbcnews.com/slideshow/today-pictures-june-27-n600051

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