ホーム » エッセイ » 【 自衛隊から日本国軍隊へ – 形を現し始めた安倍首相の軍事プラン 】
現状でも世界有数の防衛能力を持つ自衛隊、北朝鮮の攻撃も充分に迎撃可能
安倍政権が目指すのは、反撃して相手を「叩く」能力の整備
ブラッド・レンドン / ヨーコ・ワカツキ / アメリカCNN 2017年5月3日
安倍晋三首相は2020年の公布をめざし、日本の平和憲法の改定と新たな条項を追加するという構想を明らかにしました。
安部首相が常設軍の保持を禁止している日本国憲法の改定に関するスケジュールについて明言したのは、今回が初めてです。
安部首相は日本の実質的な国軍である自衛隊の現在の存在状況と憲法の規定の間には、明らかな矛盾があると語りました。
「私たちが現役世代でいる間に憲法で自衛隊の存在を明確に規定する必要があり、憲法上違憲だと判断される可能性についてその余地を残さないようにすべきだと私は信じています。」
安部首相は憲法公布70周年を機に東京で開催されたフォーラムへのビデオ・メッセージの中でこう述べました。
「私は2020年を新生日本がスタートを切る年にしたいと強く願っています。」
第9条の条文は、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」と規定しています。
安部首相の提案内容は、根本的な転換を象徴するものだと、ベルリンにあるフレイエ大学で日本の安全保障を専門に研究するコーリー・ウォレス教授がこう語りました。
「安部首相の提案は日本の防衛政策の実質的な内容をどう表現するかという、それだけの変更に過ぎません。」
しかし、憲法の改定については
「日本を取り巻く状況の変化に適応するという点に主眼を置き、第二次世界大戦(太平洋戦争)以前の過去の事歴にはもうとらわれない。」
という姿勢を明確にするものだとウォレス教授がCNNの取材に答えました。
憲法によって軍事力を保持しないと規定しているにもかかわらず、日本は世界でも最強の軍隊を持っていると海外のアナリストが指摘しました。
「パイロット、船舶、どれをとっても日本の自衛隊は世界のどの国の軍隊にも引けをとらない規模と質を持っています。」
米陸軍の司令部参謀幕僚カレッジで軍隊の歴史を専門に研究するジョン・T.キューン教授は、昨年CNNの取材にこう答えました。
▽ 北朝鮮の脅威の実相
北朝鮮の脅威の拡大を受け、アメリカ合衆国と他の同盟国が訓練の頻度を高め、日本が参加する機会が増えその軍事力にスポットライトが当たり続ける中で、今回の安倍首相の発言が行なわれました。
最近になって頻繁に繰り返されている北朝鮮の発射テストでは、日本の近海にミサイルが着弾していま
そして2017年3月、国営朝鮮中央通信は発射実験を繰り返している当局には「日本国内の米国帝国主義者の侵略者たちの軍事基地を攻撃する仕事を課されている」と伝えました。
この発表以来、アメリカの航空母艦空母カールビンソンを始めとする機動攻撃艦隊による訓練に日本の駆逐艦も参加するようになりましたが、北朝鮮はこの艦隊をもすべて撃沈すると息巻いています。
日本のメディアによれば、日本最大の軍用艦であるヘリコプター空母出雲は、カールビンソンと行動を共にしている米海軍軍艦に燃料補給する海軍補給船を護衛する任務に就きました。
そして2017年4月、安部首相は日本がサリン・ガスを充てんした北朝鮮の化学兵器ミサイルの攻撃目標になる可能性があると語ったのです。
「我が国を巡る治安情勢は、ますます厳しさを増しています。」
安部首相は2017年4月中旬このように語り、北朝鮮の脅威を強調しました。
しかし海外の専門家は日本は北朝鮮政府がどのような攻撃を仕掛けてきても、現時点で充分に対応できる能力を有していると語りました。
日本は平和憲法があったおかげでその軍事力の整備を防衛の一点に集中させることができたため、国土を防衛するという能力において、世界的に見ても極めて高い能力を持っていると口をそろえて語りました。
しかし一方で今日の北東アジアの状況は、そうした日本の防衛装備の弱点を明らかにすることになったと指摘しました。
仮に北朝鮮のミサイルの攻撃にあった場合、日本は単独で直ちに反撃するために必要なハードウェアの一部が不足しているのです。
「自衛隊は、日本列島の地上に侵入してきた敵に対してき、これを直ちに撃破することが可能です。しかし中国や北朝鮮の空軍基地やミサイル発射基地を破壊する能力は持っていません。」
アメリカ太平洋軍合同作戦本部のカール・シュスター氏がこう語りました。
シュスター氏によれば日本の軍用機は中国や北朝鮮の防空網を突破できるだけの装備を運ぶことができません。
「自衛隊は日本を防衛することは可能ですが、反撃して相手を叩くことはできません。」
憲法改定の手続きを開始するためには衆参両院で3分の2以上の賛成を得て発議され、その後国民投票によって有権者の過半数の賛成を得て承認される手続きを必要とします。
http://edition.cnn.com/2017/05/03/asia/japan-abe-pacifist-constitution/index.html
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『相手を叩く能力』
すなわち交戦権という事ではないでしょうか?
確かに我々に向けて北朝鮮がミサイルを発射した場合、その位置を特定できるのであればそこを『叩いて』二次、三次の攻撃を不可能にさせることは一見合理性があります。
しかし重要な問題は相手の攻撃拠点は一か所なのか?ということになります。
第一次攻撃を行った相手は当然発射地点を特定されてそこを攻撃されることを予想し、二次、三次の攻撃を行うために別の拠点を整備しておくことは当然でしょう。
要するに『相手を叩く』という発想の先にあるのは全面戦争です。
『平和と外交による紛争解決の実現にこだわらなければ、私たちは想像もできない規模の大量破壊の恐怖を繰り返す(強制収容所の中でヒロシマ原爆攻撃の第一報を聞いて - ガーディアン - http://kobajun.biz/?p=28113) 』
外交工作による北朝鮮の体制崩壊を目指すことの方が合理的だと考えるのは私だけでしょうか?