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【 福島第一原発の事故収束作業によるガン発症を確認 】《後篇》

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所要時間 約 7分

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事故において大量の放射性物質を放出、その後も漏出を止められない福島第一原発やチェルノブイリ
現在進行形の原発事故が人間と環境に最終的に何をもたらすか?それは未だ誰にもわからない
原発難民の人々は未だに事故の影響に苦しめられており、その事実の否定はその苦しみをあざ笑うのと同じこと

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 10月20日

作業員02
専門家の間では、100mSv以下の低線量被ばくとガン発症との関連性について、意見が分かれています。

「これは労働者の権利という立場からは見て画期的な決定です。しかし、この事例は氷山の一角である可能性が高いと思われます。」
放射線衛生学者、衛生学者である獨協医科大学の木村真三准教授が、AFP通信社の取材に対しこう語りました。
木村准教授はガンを発症した男性の被ばく線量が比較的低いものであるにもかかわらず、福島第一原発の放射線被ばくとの関連性を認めざるを得なかったことは、日本政府に『緊急事態を告げる』ことになったと語りました。

一方、ロンドン王立カレッジの分子病理学のジェリー・トーマス教授は、日本の厚生労働省が福島第一原発の作業員のガン発症と放射線被曝との関連性を認めたことに驚いたと語りました。
「この作業員の被ばく線量が比較的低レベルであることを考えると、ガン発症のリスクは一般的にはきわめて小さいものです。さらにこの白血病の発症原因が他の要素ではなく、福島第一原発内の放射線によるものだと決定づけることは非常に難しいはずです。」
「こうした理由から、私自身はこの男性の白血病の発症は他に原因がある可能性が高いと考えます。」

線量調査の列
反原発の市民運動を行っている人々は、国際原子力機関(IAEA)と日本の当局が福島第一原発の事故による人体への影響は確認できないとする判断を示したことは、早計に過ぎるものだったと批判しました。
「これはIAEAにとっては大きな打撃となります。IAEAは今年9月、福島第一原発の事故によって放出された放射性物質による健康被害は、今後も発生することは無いだろうとのコメントを発表していました。」
グリーンピース・ジャパンはこうコメントしました。

グリーンピース・ベルギーの放射線専門家ジャン・ヴァンデ・ピュート氏は、以下のように語りました。「福島第一原発の事故が原因であると特定できる疾病は、今後も確認されることは無いだろうとするIAEAの声明は、明らかに早まったものでした。」

111326
「事故発生時点での放射性物質の放出、そしてその後も続く放射性物質の環境中への漏出による進行形の原発事故の健康、および環境への影響については、チェルノブイリ事故の例を見てもわかる通り、まだ最終確認はとれていないというのが現実なのです。
グリーンピースはIAEAと日本当局に対し、彼らの根拠を示すことが出来ない、非科学的な声明を撤回するよう求めます。」
「福島第一原発の現場やその周辺で働く作業員、そして原発難民にされてしまった人々は、未だに事故の影響に苦しめられています。
その現実を否定することはその苦しみをあざ笑うのと同じであり、同時に正義の実現を求める彼らの願いと彼ら自身とその家族の人間性を踏みにじるようなものです。」

事故後、福島では子供たちと若者の間で甲状腺ガンの発症率が急激に上昇しました。
しかし地元の医学界の権威、そして医療当局者はこうした事態を招いたのは、
今回使われた検査機器の精度が非常に高いこと、
これまでに無い大規模な検査が行なわれたこと
が原因であり、福島第一原発の事故による放射線被ばくが原因ではないと主張しています。

検査
しかしこうした主張は、岡山大学の津田敏秀教授によって疑問を突きつけられることになりました。
津田教授の行なった調査研究の結果、福島の子供たちの甲状腺がんの発症割合は、日本のどの地域と比較しても、20倍~50倍という高さであることが明らかになったのです。

〈 完 〉
http://www.theguardian.com/environment/2015/oct/20/fukushima-nuclear-disaster-first-worker-diagnosed-cancer
  + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 11月3日までの報道写真から 】

アメリカNBCニュース 11月3日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

day 1
11月2日ギリシア・マケドニア国境からセルビアに向かう電車の窓から外を眺める中東の難民。(写真上)
10月だけで218,000人以上の難民が地中海を横断し、西ヨーロッパを目指していきました。

11月2日エーゲ海を横断し、ギリシャのレスボス島にたどり着いた中東難民。(写真下・以下同じ)
day 2
11月2日レスボス島のピレウス港にフェリーで到着し、上陸した後赤ちゃんを抱きしめる難民の女性。
10月だけで218,000人以上という難民の数は、2014年一年間に発生した難民の数に等しいものだと、11月2日国連難民事務所が公表しました。
Day 3
11月1日ギリシアからマケドニアに入るため列を作って待つ難民と少女。
Day 4
11月3日、フランス北東部のカレー近くの廃棄物処分場の水たまりに映る中東難民のキャンプ。
現在カレー郊外のこの場所では戦争と貧困から逃れてきた、中東・アフリカ理難民の数が爆発的に増え続けています。
Day01
11月3日、アテネのアクロポリス丘の上の空。
Day02
11月3日、ドイツの難民センター近くの森を散歩する、アフリカから逃れてきた2人の男性。
Day03
http://www.nbcnews.com/news/photo/today-pictures-november-3-n456856

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