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【 核廃棄物処分場、そこで起きている現実 】〈後篇〉[フェアウィンズ]

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所要時間 約 8分

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核廃棄物の地下格納施設で事故が起きれば、危険過ぎて人間が入れなくなる危険性がある
核廃棄物の地下格納施設での事故は、全く手のつけようがない深刻な事態に陥る可能性を持っている
管理当局、規制当局の隠ぺいと過少申告が、本来なら不要な悲劇の連鎖を作りだす

フェアウィンズ・エネルギー・エデュケイション 2014年3月6日


当時鉱山内で働いていた職員の家族と内部告発者は、鉱山内のひとつの区画の天井が崩落したと主張しています。
崩落した天井が高レベル放射性廃棄物を格納していたキャニスターを直撃して破壊してしまい、閉じ込められていた放射性物質が鉱山内全体に拡散し、その一部が施設外にまで漏れ出してしまったものだと証言しました。

これに対し米国エネルギー省がこれまで発表したデータは想定されるうち最小の数値を、核工学の専門用語を多用して表現していますが、フェアウィンズはこの件に関し以下の見解を有しています。

1. 米国エネルギー省は独立した立場の専門家や科学者が、今回の事故による放射性物質の放出量、あるいは環境に与える影響を検証するために充分な資料を未だに公開していません。

2.労働者が内部被ばくし、現場から遠く離れた場所でも放射性物質を検出したという事実から、地下鉱山(実験施設)内が高濃度に汚染されてしまった可能性があります。

3. 数千から数万個のキャニスター(密封容器)が、地下鉱山内にありますが、このうち最低一個が破壊され、放射性物質の密閉保管が出来なくなっています。
この施設の内部関係者の証言通り、もし屋根が崩落し複数のキャニスターが損傷を受けているような状況であれば、半減期が25万年の極めて毒性の高いものも含め放射性核物質が施設内に散乱してしまっている可能性があります。

米国廃棄物処分場05
4. もしそうした状態であれば、地下坑内は広範囲にわたり汚染されてしまっている可能性があり、高い放射線量のため危険過ぎて人間が入り込めない状態になっている可能性があります。

5. 排気フィルタの機能は完璧ではなく、稼働しているとしても放射性物質の放出は続いていると考える必要があります。
米国エネルギー省はフィルタにより99.9%の放射性物質が取り除かれると主張しています。
しかし私はそれは真実ではないと考えています。
米国エネルギー省は数値の扱いについて、もっと科学的態度に終始すべきです。
99.9%の意味は、1,000分という時間があれば、フィルタは999分間はすべての放射性物質をブロックするものの、残る1分間はすべてを無条件で通過させてしまうという事です。
これを現実に充てはめてみましょう。

1日は1440分です。
WIPP(Waste Isolation Pilot Project)核廃棄物隔離保管実験プロジェクトは、約3週間に渡り放射性物質を放出していました。
1,000分ごとに1分間、フィルタはすべてを通過させていたと考えれば、WIPPは約30分間、すべての放射性物質を環境中に放出していたことになります。
周辺の市町村は事故が起きた最初の1分間、放射性物質の放出にさらされ、さらにその後3週間の間に、合計30分間の放射性物質の放出が加わったことになります。

米国廃棄物処分場06
6. 米国国立科学アカデミーはそのBEIRリポートにおいて、人間の行為によって作りだされた放射線に被曝した場合、何も問題が起きる可能性が無いレベルというものは存在しないとしています。

そして私たちには、さらに次の4つの大きな懸念があります。

7. まずこの事故はどれほど深刻なものなのでしょうか?
そして放射能汚染はどこまで拡散したのでしょうか?
WIPPは記者会見を開き、半径160キロ圏内の住民について、申し出があれば誰でも被ばくの検査を受けられるようにすると発表しました。
もし健康被害を確認したら、どう対応するつもりなのでしょうか?

8.2番目の懸念は被ばくしてしまった職員への対応です。
米国エネルギー省は当初被ばくした職員はいないとする態度を取ったため、職員に日常と変わらない生活を許す結果になりました。
本来であれば、着ていた服や靴、その時身に着けていたものすべてを処分し、本人も除染措置を受けるべきでした。
今や家庭内や家族に放射性物質が付着してしまった可能性があります。
家族はもちろん、乗っていた自家用車、家屋、着などについてはすべて検査をし、必要があれば除染の措置を行うべきです。
彼らは被ばくした状態で帰途食料品店に立ち寄ったり、コーヒーショップで友人と会ったりはしなかったでしょうか?

米国廃棄物処分場07
彼らは出勤してから自宅に戻るまで、同じ服を着ていた可能性があります。
私は話を大げさにするつもりでこういう事を言っているのではありません。
原子力発電所や各施設の労働者、病院関係者、被ばく患者が放射性物質を身に着けたまま自宅に戻り、結果被ばくが拡大してしまった例は、世界中で記録として残されている事実なのです。

9. 第3は、日中に屋根が崩落したことが事実だとすれば、近くに人間はいなかったのかという事です。
間近でキャニスターが破壊され中身が露呈すれば、近くに居合わせた人間は高濃度の放射線被ばくをしてしまうことになり、そうなった場合には医学的治療が非常に困難になります。
これまで犠牲者の報告が無いのは、単に運が良かったからだと言わざるを得ません。

10. 周辺の市町村や環境問題に取り組んでいる人々は、この施設を作るために大規模な掘削を行っていることについて懸念を抱いてきました。
工法に水圧破砕技術が用いられていますが、これによる地下水脈の破壊が起きる可能性があります。
今回の内部崩落事故と周辺で今も続けられている水圧破砕工事に関連性は無いのでしょうか。

フェアウィンズはアメリカ政府当局に正しい対応を促すため、これからも質問をぶつけ続けるつもりです。

〈 完 〉

http://www.fairewinds.org/whats-leaking-nuclear-waste-isolation-pilot-program/
 + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – + – +

【 日本の核廃棄物処分場建設、強まる懸念 】
日本には高放射性核廃棄物を、安全に埋蔵処分できる場所など無い

ハリー・フォーセット / アルジャジーラ 3月21日

核廃棄物の地下処分場の建設場所を決定する日本政府の計画が、長期の安全に対する懸念を引き起こしています。

日本政府は現在、国内にある原子力発電所を再び稼働させるため、福島第一原子力発電所の事故後に策定された安全基準に適合しているかどうかの審査を続けています。
しかし福島第一原発の事故は一方で、原子力発電によって生み出される高放射性核廃棄物を、長期にわたって安全に保管しなければならない問題の存在を浮かび上がらせました。

日本政府はどうにかして核廃棄物の地下処分場の建設予定地を見つけ出そうとしています。
しかし原子力発電の継続に反対する人々は、日本には高放射性核廃棄物を安全に埋蔵処分できる場所など無いと語っています。

http://www.aljazeera.com/video/asia-pacific/2014/03/japan-nuclear-waste-disposal-raises-fears-201432145945421435.html

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