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【 核兵器開発疑惑の真相に迫る 】《5・最終回》

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所要時間 約 7分

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レーザー技術やデジタルカメラの技術の進歩により、秘密の核関連施設を発見できる可能が高まっている
レーザー技術の進歩は、遠心分離装置を使わずにウラン濃縮を可能にした
核兵開発の意図を隠し持つ国の数が、過去最大に昇っていることが明らかにされた

エコノミスト 9月5日

ECO-NUKE02
レーザーによる解析はウラン濃縮作業に関するその他の事実も探査できるようにします。
10年前、検査担当官たちは複雑な遠心分離装置の配管設計を調べるためにレーザーによる調査を開始しました。
このことにより、核爆弾を製造するために必要な高度なウラン濃縮作業を行うためのあらゆる種類の再処理作業の中身を突き止めることができるようになりました。

地下に建造された秘密の核関連施設は、高性能の新型地中レーダーの走査によって発見できる可能性があります。
現場の調査官が利用できる遠隔施設によるモニタリングも性能が向上しています。

かつてIAEAの調査部門の責任者を務めたジュリアン・ウィッチェロ氏は、磁気テープを使う記録用のビデオカメラが時には3ヶ月も経たないうちに故障してしまうことが多々あったと語りました。
しかし今日ではデジタルカメラが長時間の記録はもちん、特定の機器の稼動や何か特殊な動きをつかんだ時にそれを確実に撮影記録できるよう、プログラミングすることも可能になったと語りました。
こうして撮影された映像は暗号化された後、順次整理記録されていきます。

核開発調査
もし調査を受けている側の技術者が都合の悪い画像を何らかの方法を使って削除しようとすれば、こうした操作が行われている瞬間にソフトウェアがそのことを突き止め、調査官に警報を送ることも可能になっています。
しかしこうした技術も実用化されたばかりです。

IAEAは調査対象の施設のコンピュータの中身まで調べる権限は持っていません。
そして調査される側はいくつかの機器については、その使用を拒否することができます。

イランに派遣された調査官たちは、西側の諜報機関が核兵器製造に関連する実験が実際に行われたと特定している『パーチン』と呼ばれる施設への立ち入りを行うことは確実です。
イラン側は一連の実験は兵器開発が目的ではないと主張していますが、建造物が破壊されたり爆発による振動が起きていれば、これまで取り上げてきた数々の新技術がパーチンの中で実際にあった多くの事実を明らかにすることでしょう。

イラン核開発施設
▽ 最大の疑問

今日、秘密裏に核兵器を開発することは可能なのでしょうか?
それは不可能だと語るのは、パキスタンの前外務大臣のリヤーズ・モハンマド・カーン氏です。

しかしアメリカ国務省で各国のウラン濃縮・プルトニウム処理の状況を監視する任務についている上級職員は、匿名を条件に取材に応じ、秘密裏に核兵器を製造することは決して不可能ではないと語りました。
他に同意する意見もあります。

オーストラリアのカールソン氏は、諜報機関が調査対象を間違ってしまう危険性があることを指摘しました。
イラクは1991年の湾岸戦争以前、核爆弾用のウランを濃縮するため電磁式同位体分離装置を使用していましたが、長い間このことを秘匿することに成功してきました。

廃棄物輸送
これについてカールソンさんは、1940年代の核開発は現在と比べれば原始的な技術が使われていたため、隠さなければならないほど重要な物質や部品を輸入する必要もなかったと語ります。

現在の調査機関が対象としているのはそういうものではないのです。
実際、ウラン濃縮技術も変化を続けています。
ジェネラル・エレクトリックを核とする合同企業体は、レーザーを使ってウラン濃縮を可能にする技術を開発しています。
もしこの技術が実用化されてしまえば、大掛かりな遠心分離装置は設備しなくとも、もっと小型の施設で核爆弾が製造可能になることが懸念されています。

国防科学委員会の報告書は次のように指摘しています。
すなわち東西冷戦が終了した後の2010年から始まった調査によれば、核兵開発の意図を隠し持つ国の数は過去最大に昇っているのです。
この事実を見る限り楽観的になどなれないと共同議長を務めたジョン博士が語りました。
そして2010年という年は、イランがレーザー技術を使ってウラン濃縮を行う技術を手にしたことを誇らかに宣言した年でもありました。

原爆投下後
イランとの新しい協定が実現した後も、世界中に核開発の意図を秘匿している国々が散らばっている以上、核兵器開発を摘発していく技術も進化を続ける必要があるのです。

-《完》 –
http://www.economist.com/news/technology-quarterly/21662652-clandestine-weapons-new-ways-detect-covert-nuclear-weapons-are-being-developed?zid=306&ah=1b164dbd43b0cb27ba0d4c3b12a5e227
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【 追悼 : デヴィッド・ボウィ 】

アメリカNBCニュース 1月10日
(掲載されている写真は、クリックすれば大きな画像をご覧いただけます)

2016年1月10日、1年半の癌との闘病生活の後、デヴィッド・ボウィが69歳で死去しました。
Bowie 1
2003年11月(写真上)

1972年(写真下・以下同じ)
Bowie 2
1996年
Bowie 3
1999年
Bowie 4
2013年
Bowie 5
http://www.nbcnews.com/slideshow/life-times-rock-legend-david-bowie-n493836

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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