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【 迷走を続ける日本経済、アベノミクスでは打開不能 】《前篇》

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日本の潜在的成長率はほぼゼロ、わずかなショックで経済が不況に落ち込む可能性がある
安倍政権が誕生してからもうすぐ3年が経過、しかし経済局面が打開されるのはまだまだ先
アベノミクスに対する幻滅を、ますます露わにしている海外の投資家たち

ジョナサン・ソブル / ニューヨークタイムズ 10月25日

NYT アベノミクス
日本経済はこの2、3年、不況に落ち込みかけたまま、先行き不透明な状態が続いてきました。
成長局面に入ったのと同じ回数だけ不況局面に落ち込んだ日本経済において、それぞれの不況局面が意味するものとは何でしょうか?

現在の日本は、再び不安定な状況にあるように見受けられます。
2015年は第2四半期にマイナス成長に落ち込んだ後、続けて第3四半期にも生産高が縮小してしまった兆候があらわれています。
その原因を作ったのは減速する中国経済でした。

国内の経済学者などはどのような不況局面であっても短期間で済み、かつ深刻なものにはならないだろうと見ています。
しかしよりさらに厄介な事態を引き起こす可能性がある問題が、より深い場所に隠れている可能性があります。

日本の不況を終わらせるという公約を掲げて安倍政権が誕生してからもうすぐ3年が経過しますが、局面が打開されるのはまだまだ先のように見受けられます。

GRPH Real GDP
「潜在的成長率はゼロに近いため、どんなわずかなショックであっても日本経済は不況に落ち込む可能性があります。」
JPモルガン・チェイスの幹部級の日本経済学者である足立正道氏がこう語りました。
「日本経済の成長予想は貧血状態にあります。」
こうした状況から一部の経済学者は、国債を買い取るという形で莫大な金額を市場に注ぎ込んできた日本銀行10月末に開催される理事会で、一層の金融緩和策を打ち出すものと見ています。

アベノミクスの名で知られる安倍政権の経済政策の中心部分を成していたものが、この日本銀行によるかつてない大規模な資金注入(金融緩和)政策でした。
しかし日本の経済の実態はこうした政策によっては浮上しないことが、徐々に明らかになってきました。

そのひとつが昨年間の悪いタイミングで実施された、消費税率の引き上げでした。
日本の消費者心理を一気に冷え込ませ、出費を思いとどまるようになりました。
そして引き続き襲ったのが、日本製工作機械の最大需要家であった中国の景気減速でした。

しかし多くの専門家が、最も根本的な問題は、日本経済にはそもそも成長する要素をほとんど持っていない事だと指摘しています。

日本の経済成長は、基本的にゼロです。

安倍甘利
国内総生産の規模は1990年代半ばと同規模です。
その原因の大きなものは労働人口の減少です。

局面が目まぐるしく移り変わる状況下、こうした構造的要因により日本経済は何かあればたちまち不況局面に後戻りする危うさを持っているのです。

日本経済が持つ構造的弱点の改善については、これまで安倍首相が進めてきた経済政策はほとんど無力でした。

「海外の投資家はアベノミクスに対する幻滅を、ますます露わにしています。」
ゴールドマン・サックスの幹部級の日本経済学者である馬場直彦氏が、10月下旬にヨーロッパ、アメリカ、アジア諸国の投資家との会談を終えた後こう語りました。

これまでアベノミクスに対する外国人投資家の前向きな評価の中心にあったものは、安倍政権の経済政策の数少ない性向の中の日本の株価の上昇でした。
ここ数カ月間はそれ以前と比べ日本の株価は、他の世界市場の動きと同様その上昇の勢いは失われましたが、それでも2012年末に安倍首相が就任した時点と比較すれば、時価は約2倍になっています。
しかしそれ以外の日本経済の側面は弱体化しているように見えます。

日本経済02
アベノミクスの主要課題の一つは、労働者の給与アップと商取引上の障害となっている各種の規制を取り払うことに加え、持続的かつ全面的な物価上昇を生み出すことですが、「なかなか上昇局面には乗せられずにいます。」と馬場氏は語ります。
これらすべての要件の改善が実現されれば、日本経済の代謝が活発になり、経済構造の基幹部分に成長の可能性を現実のものにするための因子が組み込まれるはずでした

〈 後篇に続く 〉

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【 眠っている難民の子供たち…あなたが感じるものは何ですか?】《後篇》

アメリカNBCニュース 11月5日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

難民子供 4
カメラマンのマグナス・ウェンマンが、大量の中東難民が移動を続けている中、最も弱い立場の子供たちが眠る姿をカメラに収め、その背景にあるものを伝えています。

アフマド、7歳(セルビア、ホルゴスにて・写真上)
眠っている間ですら、自由にはなれない場合があります。
恐怖体験の再現が子供たちを苦しめています。
シリアのイドリブで暮らしていたアフマドが家に帰ってきた瞬間、爆弾がさく裂しました。彼は爆発の際破片に頭を強打されましたが、幸い命を取り留めました。
しかし弟はそうではありませんでした。
アフマドの一家は数年間戦争と隣り合わせの暮らしを強いられてきました。
しかし家を破壊されてしまった以上、もう選択肢はありませんでした。
彼の一家は逃げ出すほかなくなりました。
逃避行が始まって16日目、今アフマドは閉鎖されたハンガリー国境に通じる高速道路の脇のアスファルトの上で眠っています。
これまで家族はバス待合所で、道路で、そして森で眠ったとアフマドの父が説明しました。

アブドゥラ 5歳(セルビア、ベオグラードにて・写真下)
アブドゥラは、血液疾患にかかっています。
この2日間、彼はベオグラード中央駅の外で眠りました。
彼はシリアにいるとき、目の前で姉妹が殺害されるのを見ました。
アブドゥラはまだショック状態が続いており、毎晩悪夢にうなされています。
アブドゥラは疲れがたまり健康でありません。
しかし母親には彼に治療を受けさせたり、薬を買うだけのお金がありません
難民子供 3
アフマド、6歳(セルビア、ホルゴスにて)
アフマドが芝生の上で眠るのは真夜中が過ぎてからです。
周囲では難民申請をすることなくハンガリーを通過し、さらに西に行く方法を求める大人たちがうろうろしています。
アフマドはまだ6歳ですが、家族が荷物を抱えて徒歩で逃避行を続ける間、彼自身も自分で荷物を担いでここまでやってきました。
シリア国内で父親が死亡して以来、アフマドの世話をしている叔父がこう語りました。
「アフマド勇敢な子です。時々泣いていますが、それはいつも夕方だけです。」
難民子供 5
http://www.nbcnews.com/news/world/fleeing-childrens-sleeping-portraits-haunt-n458111

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