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【 大義なき解散総選挙、首相の狙い通りの展開となるか? 】

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経済回復の重要な鍵を握る労働者の賃金と消費支出については、現実には改善がなかった
選挙結果を有利に導くため、莫大な税金を投入する『新たな経済政策』の発表を準備中
勤労者世帯の収入の増加を図ることに失敗したアベノミクス、2期連続で日本経済が後退

ガーディアン 11月18日

GRD安倍
安倍晋三首相は、国民に人気の無い2度目の消費税引き上げを表明し、アベノミクス成長戦略の継続の可否を問うため、12月に抜き打ちで衆議院の総選挙を行う事を表明しました。

安倍晋三はレビ中継された記者会見で、12月14日金曜日に衆議院を解散し、総選挙を行うと表明しました。
この席で安倍首相は消費税の8%から10%までの2度目の引き上げについて、2015年10月から2017年4月まで、計画よりも18ヵ月遅らせることも表明しました。
安倍首相の発表は1年を4期に分けたGDPの数値が、2012以来初めて不況に陥ったことを示した翌日に行われました。
日本経済は、第2四半期に7.3%と大幅な落ち込みを見せた後、7月から9月までの第3四半期、さらに年率1.6%縮小しました。
今年4月に実施された消費税の5%から8%への17年ぶりの引き上げは、世界第三位の規模を持つ日本経済の60%を占める個人消費支出を大きく減少させる結果につながり、多方面の批判を浴びました。

「私はたくさんの意見を聞き、それらを考慮に入れた上で、アベノミクスの成功を確実なものとするため、消費税の2度目の引き上げを2017年4月まで18カ月間延期することを決定しました。」
安倍首相はこう語りました。
そしてアベノミクスの『3本の矢』の効果が、雇用機会の増大と企業収益の改善という望ましい形で現れていると語りました。
しかし経済回復の重要な鍵を握る労働者の賃金と消費支出については、現実には改善は見らません。
この点について安倍首相は、先行する2つの数字に遅れることなく「回復しなければならない」と語りました。

安倍首相は17日月曜日に明らかになった予想外のGDPの落ち込みについて、消費税の3%の引き上げが個人消費支出に重くのしかかった結果であり、来年10月再び消費税を引き上げればデフレーションから脱出する取り組みを危険にさらすことになると語りました。

ヒットラー安倍
GDPのデータは巨額の財政出動、金融緩和、構造改革の3つの政策の組み合わせであるアベノミクスにとって大きな打撃となりました。
安倍首相は個人的に尊敬する英国の前首相であるサッチャー夫人の言葉を模し、日本を再び成長軌道に乗せるためには、アベノミクスの以外の選択肢は無いと強調しました。

日本国内の多くのアナリストが7月~9月の第3四半期に2%以上経済が成長すると予測しました。
一部の経済学者は落ち込みに対するリバウンドがあるはずだとまだ考えていますが、しかし来年始めまでそうした反発はありそうに見えません。
4年の任期のうち、ちょうど半分の2年が過ぎた段階で、なぜ解散総選挙を行うことを決心したのか尋ねられ、安倍首相は次のように答えました。
「非常に重要な決断をした以上、直ちに国民に改めて信を問うことが必要だと考えたからです。私は有権者に審判を仰ぐつもりです。」

安倍首相は先進国中最大の負債を抱える日本に対する懸念が高まり続けているのを受け、解決策の一つとして2段階に分けた消費税の引き上げに同意しました。

急速な高齢化が進む日本では、医療費の公的負担と社会保障費が急激に膨らみ続けており、これを増税によって賄う事はどうしても必要な措置とされてきましたが、2015年10月に予定されていた消費税を8%から10%まで引き上げる2度目の増税を延期することにより、安倍首相は国家財の立て直しを優先しなければならないとする与党自民党内の財政再建派を敵に回すことになりました。
これについて安倍首相はGDPの数値が期待を大きく裏切る低いものとなったことを受け、20年間続いてきたデフレからの脱却のため、成長戦略を最優先させることにしたと語りました。

憲法解釈01
安倍首相は選挙結果を有利に導くためため、改めて安倍政権の最大の目的は経済の再生であることを訴えるつもりであり、そのために2兆円から3兆円に昇る景気刺激策を発表する準備を進めていると伝えられています。

「7月から9月までのGDP数値は、期待したほど良いものではありませんでした。」
「しかし我々は長期にわたるデフレーションから抜け出す可能性を手にしています。我々はその機会を逃すことは出来ないのです。そして国際社会の信用を回復できるまで、財政再建のための取り組みを最後まで続けなければなりません。」

安倍首相は消費増税の先送りにより、収入は増えないのに支出ばかりが増えて困窮している有権者の支持を得ることはできるでしょうが、財破たんの危険をとりあえずは先送りしておいても大丈夫なのだという事を、自民党内の財政再建派を納得させられたわけではありません。

テネオ・インテリジェンスで日本を担当するアナリストのトビアス・ハリス氏は、来年9月に予定されている自民党の党首選挙において安倍氏が再び党首に選出されるためには、今回の選挙で完全勝利を得ることが必要だと指摘し、次のようにつけ加えました。
「消費税の再引き上げについての支持は得られたとしても、アベノミクスは成功を収めつつあると力説しているにもかかわらず、2期連続で日本経済が景気後退を続けている原因について、安倍首相ははっきりさせなければなりません。」
「さらには勤労者世帯の収入の増加を図ることに失敗した点についても、原因を明らかにする必要があります。」
「衆議院における現在の連立与党の圧倒的多数を少しでも損なうことになれば、安倍氏個人にとっては痛手となります。ましてや過半数を割るような事態になればなおさらのことです。」
ハリス氏は最後に、与党の敗退という事態に陥れば安倍首相の任期は危ういものになり、来年の自民党総裁選挙では有力なライバルが登場することになるだろうと語りました。

http://www.theguardian.com/world/2014/nov/18/japan-calls-snap-election-shinzo-abe
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私は昨年両親が相次いで亡くなり、自分の恥を言うようですが、年収分のちょうど倍ほどの株式を相続しました。
これまで株になどにはまったく興味が無かった私はすぐに1社分を処分しましたが、別の証券会社は売却ではなく相続を求めてきました。
そのまま放置しておいたのですが、ここの所の株高で100万円以上値上がりしました。
しかし株高の分など所詮アブク銭であり、値上がり分など絵に描いた餅に過ぎないと思っています。
実際にガソリン高を始めとする物価の高騰により、生活に対する圧迫感が強まっています。
年収が100万円増えればこうした事態に対応できるでしょうが、現実に求められているのは節約です。

試みに相続した株式の当時と現在の評価額をそれぞれの円ドルレートでドルに換算し、比較してみました。
約3,400ドルのマイナスでした。

これこそがアベノミクスのからくりだと思いました。
国内だけ見ていると何だか良いようにも見えますが、国際的評価ははっきりと下落していました。
一見儲かったように見える、けれど実際の生活は苦しくなるばかりです。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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