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【 労働人口の急激な減少に苦しむ日本と難民受け入れ問題 】

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人口の高齢化により2030年までの15年間に800万の労働人口が減少する日本、計画的な移民受け入れ政策は問題解決に貢献し得る
移民受け入れによる労働力確保は、日本経済の衰退を防ぐための現実的選択肢のひとつ
亡命者・難民への適切な理解、彼らと共生できる社会の創生、日本は制度をこの機会に段階的に改善して行くべき

ジャスティン・マッカリー / ガーディアン 11月26日

日本人口問題
日本政府の関係省庁がヨーロッパで急増している中東・アフリカ難民の問題について受け入れ枠を拡大するつもりは無いとの見解を明らかにしたのに対し、国連の幹部級当局者は改めて日本政府に対し、シリア・イラク両国から内戦を逃れて来た人々の受け入れを要請しました。

日本政府の石破茂地域創生大臣は、人種的融合がうまくいった例として20世紀前半に多数の日本人移民を南アメリカ諸国が受け入れたことを例に挙げ、日本はもっと積極的に移民を受け入れるべきだと語りました。
石破氏の発言は、国連の難民事務所の高官がシリアとイラクの内戦を逃れ、難民となっている人々を受け入れるよう要請を行ったことを受けたものです。

これに対し安倍晋三首相は、非常に厳しい日本の難民受け入れ基準を緩めることは一切しないと発言、このため日本の難民認定・亡命者保護基準は厳しすぎるとの国際的な非難を招くことになりました。
昨年日本は、5,000人という記録的な数の難民申請を受け付けましたが、受け入れが承認されたのはわずか11人でした。

石破氏は3年以内に行われるはずの与党自民党の次期総裁候補として立候補するものと見られていますが、計画的な移民受け入れ政策は、今後急激に労働人口が減少することが政府の統計によっても明らかな日本において、その経済的繁栄維持のために貢献し得ると考えています。

難民子供 3
石破氏は11月下旬、次のように発言しました。
「国民の人口減少が続くこと自体を変えられないのであれば、日本政府は移民受け入れの方針を推進する必要があります。」
「海外の人々が日本に移り住んではならないとする考えは、誤っています。」
「日本政府は海外の人々が日本に移り住む際、言葉や習慣、その他の生活面で、日本人と移民双方が不自由な思い、不快な思いなどをしないようにするための政策を実現する必要があります。」

11月始め、河野太郎行政改革担当大臣兼警察庁長官は、出入国管理法の制限の緩和は、安倍首相が掲げた国内総生産(GDP)を2020年までに491兆円から600兆円まで引きあげるとする目標の達成に貢献するはずだと発言しました。

しかし菅義偉官房長官は河野氏の提案を直ちに否定するかのような発言を行いました。
「諸外国は(難民問題について)厳しい現実に直面させられてきました。」
「日本は移民の受け入れについては、慎重であるべきです。」

今週公表された政府統計は2030年までに日本の労働人口が12.4%、790万人減少して5,561万にまで減少する見込みであることを明らかにしました。
GRPH Working Generation
そして同じく政府の予測は、現在約1億2,800万の日本の人口は、2060年に8,600万にまで減少し、そのうち65歳以上の割合が全体のほぼ40%に達することを明らかにしています。

しかし安倍首相は9月にニューヨークで開催された国連総会の席上、閉じられた日本の出入国管理のドアをいかなる形であっても解放するつもりが無いことを強調しました。

「それは、日本の人口統計上の問題です。」
安倍首相はこう語り、次のように続けました。
「移民や難民を受け入れる前に、日本は女性や高齢者がもっと活躍できる社会を作る必要がある、そして出生率をもっと上げるべきだと私は考えています。移民や難民を受け入れる前に、日本には優先して取り組まなければならない数多くの課題があるのです。」

日本はヨーロッパで深刻化している難民急増の危機を緩和するため、協力するよう国際的圧力を受けています。
しかし日本はイスラム国(ISIS)との戦闘を行っている国々に対し、難民救済のための人道的援助、具体的には財政的援助を行う事のみを表明しています。

シリア難民 3
難民をもっと受け入れるよう求める国際社会への対応については、ヨーロッパ諸国のみならず、12,000人の難民受け入れを表明したオーストラリア、25,000人の受け入れを約束したカナダなどと比べても、日本の対応は著しく異なっています。

国連難民高等弁務官のアントニオ・グテレス氏は、11月末に日本を訪問した際、
「日本政府が進んで行動を起こすことを望んでいる。」
と語りました。
「日本に移住する人々の数を増やこと、特に現在においてはシリア人の人道的な救済について具体的検討を行う」ことに期待を表明しました。

グテレス氏はこの問題について日本政府の当局者と協議を重ねてきたことを明らかにし、次のように語りました。
「亡命者・難民の存在について適切な知識を持ち、彼らが自分たちの社会にうまく溶け込み共生できるよう、日本は移民難民を受け入れる制度をこの機会に段階的に改善して行くべきです。」

http://www.theguardian.com/world/2015/nov/26/japan-under-pressure-to-accept-more-immigrants-as-workforce-shrinks
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【 私たちを迎え入れてくれたアメリカ 】

アメリカNBCニュース 11月23日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)

Yazidis 1
米国に難民として受け入れられた数多くのイスラム教ヤジディー派の人々にとって、今年のサンクスギビングデーの夕食は、改めて残忍極まりないISISから逃れ平和な暮らしを手に入れることができたことへの感謝に満ちたものとなりました。

現在ネブラスカ州リンカーン住宅局で働くファリス・ピラリはアメリカ人の同僚に七面鳥を料理してサンクスギビングデーを一緒に祝おうと誘われました。
しかし感謝を捧げながらも、一方で彼は親類のことを考えています。
彼の親戚たちは今、トルコ国内に点在する難民キャンプに住んでいます。

「家内と子供たちと一緒に生活出来る私は幸運です。」
30歳のファリスがこう語りました。
彼は2010年7月にイラクを脱出し、ヨルダンの難民キャンプに1年間暮らした後、2011年8月に移民として米国が受け入れてくれました。
「私たちの子供はここにいて、もうISISの脅威に怯える必要はありません。でも私たちが夢見るのは、同胞の人々全てがここに来て平和な暮らしができるようになることです。」
(抜粋)

(写真上・右からファリス・ピラリ、長女ジュリア・ターロ6歳、長男アイデン・ターロ3歳、妻カーリー・アリ)
(写真下・イラク難民として渡米、現在はネブラスカ州リンカーンでパブリック・スクールの教師を務めるグリエ・ハラフ)
Yazidis 2
(写真下・これまでのシリア内戦・難民に関する写真から抜粋)
Syr08
Mig 4
DAY02
Day07
Syr07
難民子供 1
http://www.nbcnews.com/storyline/isis-terror/yazidis-u-s-grateful-thanksgiving-escaping-isis-n468361

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