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【 再生可能エネルギー開発を、ますます重要視するアメリカ議会 】

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所要時間 約 9分

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財政の崖の論議の中、風力発電開発補助金の延長を決定

ピーター・ガーデット / アメリカAOLエナジー 1月2日

AOL PTC Extension
まさにぎりぎりまで決まりませんでしたが、アメリカの風力発電事業に対する税制上の優遇措置の延長が決まりました。
これにより風力発電事業の各分野において、一層の開発投資が促進されることになるでしょう。
議会での検討が行われる中、風力発電を支持する議員は補助金の継続により、37,000人分の雇用と発電分野で急速に成長を続ける風力発電のサプライ・チェーンを守ったことになります。

風力発電の発電事業と設備投資に対する税制面での優遇措置の継続は、『財政の崖』の議論と直接関係があった訳ではありません。しかし、これまで実施されてきた優遇措置に代わるものが無いため、他の財政問題同様、このままでは時間切れによる自然消滅の危機に瀕していました。
優遇措置は他の問題と関連している部分も多く、財政の崖の問題により、風力発電事業に対する優遇措置も他の優遇措置と一緒に期限切れになるという恐れから、設備を2012年内に何とか終わらせようと、各企業は夥しい出費を行いました。
ワシントンに拠点を置く各風力発電事業関連団体と、GEエナジー、シーメンス、ヴェスタスを含む大手風力発電設備製造、基盤整備企業はこのため、大きく業績を伸ばしました。

優遇措置が継続されることにより、2013年に稼働を開始する風力発電所に限らず、2013年に建設が始まる風力発電所についても税制面で優遇措置が適用されることになり、これは業界にとって大きな意味があります。
すなわち優遇措置は稼働している期間に関係なく適用されることになり、稼働開始が2014年にずれ込んでも問題は無く、このため2012年でいったん終了した発電した電気を必要な場所に送り込むための送電網の整備も、再び時間をかけてじっくり知り組むことが可能になります。
「今回の延長措置により、風力発電タービンの製造メーカー、そして発電所建設企業などはこれから18~24カ月の間、新たな製造・建設に安心して取り組める条件が整いました。」
アメリカ風力発電協会が声明の中でこのように述べました。

Wind power 01
今回の延長措置は首都ワシントンで活動を続けてきた、風力発電業界上層部によるロビー活動の勝利を意味しています。
アメリカ風力発電協会会長のデニス・ボードは3週間前に退任の意向を明らかにし、後任に首都ワシントンで、国内におけるエネルギー問題を担当してきた上級副会長のロブ・グリムリッチの会長就任を発表しました。
ボード前会長は、アメリカ独立石油協会で彼女の下でロビー活動を行っていたスタッフを、アメリカ風力発電協会に連れてきてそのまま使っていました。
これに対し、グリムリッチ新会長はアメリカ連邦エネルギー規制委員会のパット・ウッド委員長の補佐役を務めて来ました。

なお、現在世界各地でこの10年間続く風力発電事業の著しい発展については、『AOLエネルギー白書』をご覧ください( http://energy.aol.com/2012/03/18/wind-rush-2012-an-aol-energy-white-paper/ )。

http://energy.aol.com/2013/01/02/wind-energy-ptc-extension-underlines-lobbys-growing-heft-in-dc/
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この記事は1月3日にご紹介した『かつての原発のパイオニア、原子力発電から撤退、風力発電のパイオニアに転身』( http://kobajun.biz/?p=7184 )の続編ともいうべき記事で、問題になっていた風力発電に対する国家規模の優遇措置の継続が、『財政の崖』問題に取り組む米議会で認められた事を伝えています。

日本のマスコミは伝えませんが、水圧破砕法によるシェールガス開発ブームに沸くアメリカも、一方では再生可能エネルギー開発にしっかり取り組んでいまるのです。
アメリカAOLエナジーは繰り返しそれを伝えており、【星の金貨】でもできるだけご紹介するようにしています。
またアメリカではここに来て、原子力発電が急激な勢いで、きわめて危険で金がかかる『厄介者』になってきている事も、AOLエナジーは繰り返し取り上げています。

さらにアメリカでは再生可能エネルギー開発推進に加え、あらゆる産業が参加してさらに発想を拡大した取り組みが始まっているのです。
それについては1月15日にご紹介する予定です。

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【 この20年で最悪の冬の嵐、中東一帯で8人が死亡 】

アメリカNBCニュース 1月9日
(掲載されている写真は、クリックすれば大きな画像をご覧いただけます)

雪に覆われたトルコのイスタンブール、1月9日。

雪に覆われたトルコのイスタンブール、1月9日。


ここ数年で最も厳しい冬の嵐が9日水曜日、中東諸国を襲い、レバノンとパレスチナ西岸地区で死亡事故を引き起こし、エジプトのスエズ運河の交通がマヒする事態となりました。
中東一帯でこれまでに8人の死亡が確認されました。

レバノンでは、嵐関連の事故により過去2日で6人が死亡したと赤十字が発表しました。
凍結した道路で足を滑らせて数人が川に転落し、うち一人が死亡しました。
またスリップした車両も川に転落し、運転していた男性が死亡したと、レバノン赤十字病院の院長が発表しました。

この異常気象は、シリア難民に対し、最も過酷な試練を課すことになりました。
中でもヨルダン北部の砂漠地帯にあるザータリ・キャンプで暮らす50,000人の避難民が最も悲惨な境遇に置かれています。
4日間降り続いた豪雨より一帯が冠水、それが夜間凍結し、そこに激しい風と雨が吹きつけ、200のテントから女性と子供たちが避難しなければなりませんでした。

「この4日間、凍るような雨がずっと降り続いているのです。」
44歳のアフマド・トバラはこう語り、表情を曇らせました。
テントを支える支柱が水没し、彼は急いでテントから脱出しなければなりませんでした。
9日までに1,500人の人々がテントを追われ、学校として使われている仮設の建物に避難しました。

011117
人口1,500万、トルコの商業の中心都市、イスタンブールにあるガラタ・タワーの上に立つ、カモメ。
ここにも大雪が降り、航空輸送、陸上輸送が大混乱に陥りました。

パレスチナ西岸地区。

パレスチナ西岸地区。


サウジアラビアのタブーク砂漠。1月9日。

サウジアラビアのタブーク砂漠。1月9日。


レバノンのベカー峡谷にある古代ローマの遺跡。

レバノンのベカー峡谷にある古代ローマの遺跡。


ガザ地区のパレスチナ人居住区。

ガザ地区のパレスチナ人居住区。


011116
ベカー峡谷にある、アルマリヤの難民キャンプで雪で遊ぶシリア難民の子供たち。1月9日、シリア。
この20年で最悪となる冬の嵐が今週東部地中海を襲い、国内の内戦を逃れてきたシリア難民に、一層の苦しみと死を運んできたのです。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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