ホーム » エッセイ » 【 フクシマ : 巨大地震が集中する国土と沿岸に並ぶ原子力発電所 】
世界で発生するマグニチュード6.0以上の大地震の20%が、日本の国土に集中
停止中の原子力発電所であっても、使用済み核燃料を保管している核燃プールは冷却を続けなければならない
ダニエル・ハーストー / ガーディアン 2016年11月22日
心配された大きな損害の危険が去ったと判断された段階で、日本は東北太平洋沖のマグニチュード7.4の地震によるすべての津波警報を解除しました。
11月22日午前6時ごろ福島県東方沖を震源とする地震が発生し津波が繰り返し東北地方を中心とする沿岸に繰り返し押し寄せる事態となったため、福島県、宮城県の太平洋沿岸の特に低地で暮らす人々に対し直ちに避難するよう緊急の警報が発せられました。
この警報は東北地方の太平洋沿岸に最高で高さ3メートルの津波が襲来する可能性があるとしていましたが、実際に観測された中で最も高かったのは午前8時ごろに仙台港に到達した1.4m の津波でした。
福島と宮城の津波警報は地震発生から約4時間後により緊急性の低い段階のものに引き下げられましたが、住民に対してはなお沿岸部には近づかないよう引き続き注意が呼び掛けられました。
すべての警報が解除されたのは地震発生から約7時間後のことでしたが、それまでは震源に近い岩手県と茨城県内においても警戒態勢が敷かれたままでした。
この地震に関する重傷者などはいませんでした。
日本の気象庁は今回の地震の震源の深さが約30kmであると公表しました。
気象庁は今回の地震が2011年に発生し、今回警報が発せられた地域一帯を壊滅状態にしたマグニチュード9.0の地震の余震の一部と見られるとの見解を明らかにしました。
この地域は22日終日に渡り、繰り返し弱い余震に襲われました。
東京電力は、地震の後短時間停止していた福島第二原子力発電所の冷却装置が機能を回復したと国営放送局NHKが伝えました。
自動車メーカーの日産は2011年の東日本大震災発生の際、甚大な被害を被った福島工場の業務を一時中断しました
ガーディアンの取材に対し、日産のスポークスマンはすべての従業員がいわき市内の工場からの避難を完了したと話し、22日いっぱい業務を再開する見通しは無いという見解を伝えました。
一方、福島県いわき市の消防当局は、地震により石油コンビナートで火災が発生したものの、間もなく消火されたNHKが伝えました。
日本の安倍晋三首相は国際会議に出席するため海外にいましたが、現地で会見し日本政府は被害を受けた地域の地方自治体の機能を補完するためあらゆる手段を尽くす用意があると語りました。
「首相として国に対し、津波と避難の状況について適切で正確な情報を確認の上公表するよう求めました。その上でできるだけ速く損害の状況を把握し、非常事態に際し適切な対応をとるよう指示しました。」
今回の地震で12人が負傷したことをNHKが伝えました。
その中には地震で戸棚が倒れ怪我をした、福島県の初老の女性が含まれていました。
今回の地震もまた、東京を含む日本全国にその影響が及ぶことになりました。
大きな地震が発生することは、世界で最も地震活動が活発な地域の1つである日本においては一般的なことです。
世界で発生するマグニチュード6.0以上の大地震の20%が、日本の国土に集中しています。
2011年3月11日に発生した激烈な地震は、記録が残っている中で最大のマグニチュード9.0を記録し、この地震によって発生した巨大津波は1986年のチェルノブイリ以降最悪の原子力発電所事故を引き起こしました。
津波の被害を受ける可能性のある海岸線に沿って日本国内に存在するすべての原子力発電所は、福島第一原発の事故が引き起こした原子力危機以降すべて停止したままです。
現在稼働しているのは日本の南西部に2基の原子炉だけです。
しかし停止中の原子力発電所であっても、使用済み核燃料が再加熱することが無いよう、保管している核燃料プールは冷却を続ける必要があるのです。
https://www.theguardian.com/world/2016/nov/21/japan-earthquake-tsunami-warning
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【 一般市民に犠牲を強いながら進められるモスル奪還作戦 】《1》
アメリカNBCニュース 2016年11月22日
イラク軍特殊部隊と民兵が協働し、イスラム国(ISIS or ISIL)からモスルを奪還する戦い。
しかしその陰では多数の一般市民が住んでいる場所からの避難を余儀なくされるか、さもなくば負傷させられたり、殺されたりしています。
2016年11月21日、イラク北部のクルド族が管理するアスキ・カラクのチェックポイントで、フェンス越しに食料を買うために両親とともに行列を作るイラク難民の女の子。(写真上)
11月20日モスルの約70kmの南にあるカイヤラー、イスラム国(ISIS or ISIL)軍が撤退する際各所の油井に放火して行ったため、消化活動を行うために必要な水を送るパイプラインの建設を急ぐ作業員。(写真下・以下同じ)
11月20日モスルの約70kmの南にあるカイヤラー近くの検問所で、車に乗って順番待ちをするイラク人の一家。
モスルシ市内の中心部では前進を図る政府軍に対し、イスラム国(ISIS or ISIL)軍が狙撃や自爆攻撃を繰り返し、このため政府軍は一旦前進を停止して、拠点防御の体制を取っています。
戦闘の激化に伴い、一般市民の犠牲が増え続けています。
11月19日モスル奪還作戦の戦闘地帯で、イスラム国(ISIS or ISIL)軍の自爆攻撃によって破壊された高機動多目的装輪車(ハンビー)の周囲で被害状況を確認するイラクの特殊部隊の兵士。
11月20日モスル市内で、政府軍が行なった食料の配給に群がる市民。
http://www.nbcnews.com/slideshow/retaking-mosul-costs-civilians-lives-n687261