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【 ゲンパツ…温暖化…核兵器…すべてが無くなる世界の実現を! 】《6》

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所要時間 約 7分

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人口密集地の目と鼻の先で原子力発電所を稼働させるなど、正気の沙汰ではない

原子力発電所の事故、あらかじめ指定されている地域の人びとだけが整然と避難するなどということがあるはずがない

 

フェアウィンズ 2017年2月2日

 

フェアウィンズが米国原子力規制委員会のやることに異議を唱えることをさえ止めれば、彼らは安閑としていられるのです。

しかし原子力産業界の利害と原子力発電所の見解に異議をはさむ人間がいれば、その人間はたちまち渦中の人となってしまいます。

 

ラジオ・エコショック(ES):そんなことをしていれば、また原子力発電所の深刻な事故が発生する危険が高まってしまいます。

アーニー、私たちは、稼働年限の数十年が過ぎた古い原子炉を、気候変動のリスクを軽減させるという口実でさらに期間延長して稼働させることにより、地域社会に危険が及ぶことは無いのか、というのが最初のテーマでした。

ニューヨーク州のクオモ知事はつい最近、ニューヨークという人口密集地の目と鼻の先でインディアン・ポイント原子力発電所を稼働させるなど、正気の沙汰ではないとの発言を行いました。

この危険性についてご説明いただけますか?

 

アーニー・ガンダーセン(AG):

ええ、インディアン・ポイント原子力発電所はニューヨークの中心街であるマンハッタンから26マイル、約42キロの場所にあります。

もっと重要なことは、建設当時はその存在が確認されていなかった活断層から1マイル、約1.6キロの場所にこの原子力発電所があるという事実です。

そして、この活断層はインディアン・ポイント原子力発電所の耐震基準を上回る規模の地震を発生させる可能性があるのです。

そこで何が問題なのでしょうか?

ハドソン川について知識のある方ならお分かりでしょうが、インディアン・ポイント原子力発電所は川の流れを東西にブロックするように位置し、大都市圏により近い川の東岸にあります。

もし原子力発電所で何かトラブルが発生した場合、住民は北または南に避難することになります。

この地域は橋がほとんど無いため、ハドソン川の西岸に避難するというのは難しい選択です。

そしてすべての道路は田舎道です。

 

さて原子力規制委員会が『緊急時避難計画』を作成した際、彼らがしたことは原子力発電所が危険な状態に陥った時、避難をするのは半径5マイル、約8キロ圏内の人びとだけだという事です。

もしこれだけの人びとだけが避難するのであれば、道路は混雑しません。

しかし考えてみてください。

原子力発電所が危険な状態に陥り、半径5マイル以内の人々が避難を始めたとき、半径10マイル(約16キロ)圏内にいる人々はおとなしく待機を続けるでしょうか?

原子力規制委員会が作成した『緊急時避難計画』には道路の混雑は想定していませんが、その理由はこんなものだったのです。

 

実際にインディアン・ポイント原子力発電所の危機が発生すれば、市内だけで人口850万のニューヨーク中の人びとが、我先に避難を始めることは想像に難くありません。

インディアン・ポイント原子力発電所の第1の問題点は、建設されてからすでに40年以上経過しているということです。

第2は活断層に近いということ。

そして第3にニューヨークの中心部から40キロ余りしか離れていないという事です。

 

私が原子力産業界に身を置いていたのは1980年代のことですが、すでにその当時からインディアン・ポイント原子力発電所の『緊急時避難計画』なるものが全くの役立たずであると言われていました。

クオモ・ニューヨーク州知事が廃炉を要求しているのは、まったくもって正しいことなのです。

 

ラジオ・エコショック(ES):

インディアン・ポイント原子力発電所を停止させることについてある程度の合意に達したように伝えられていますが、実は抜け穴だらけだという指摘もあります。

いったい何について合意が図られたのでしょうか?

 

アーニー・ガンダーセン(AG):

ニューヨーク州当局と民間の非政府組織は、インディアン・ポイント原子力発電所の停止を求める際、現在の規制基準を根拠としてきました。

その基準に基づけば、同原発が稼働を続けるためには新しい冷却システムを追加で建設しなければなりません。それが新しい基準の下での正しい対応です。

しかし原子力発電所を経営する側は新しい冷却システムを建設するために、新たに50億ドルを出費するなどまっぴらなのです。

しかし法廷闘争に置いては、敗色が濃くなっていました。

 

そこで取引をすることにしたのです。

インディアン・ポイント原子力発電所は2021年に稼働を停止させる、しかしそれまでの間、新しい冷却システムは建設しないと言うのです。

この取引によってインディアン・ポイント原子力発電所を経営するエンタジー社はこれから4~5年の間、追加で投資をする必要もなく金儲けに専念できるようになります。

こうなってしまった以上、2021年までマンハッタンの住人達が避難を必要とするような事態が発生しないよう、祈るしかありません。

 

《7》へ続く -

http://www.fairewinds.org/nuclear-energy-education//ecoshock-interview-extreme-nuclear-dangers

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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