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【 ゲンパツは先進国の発電手段として、もはや無理スジ『工期の遅れ』その実態 】

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所要時間 約 8分

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先進各国の原発で行われている原子炉製造、その大部分が予定より遅れ、費用もうなぎ上りに

新世代原子炉は21世紀初頭にはすでに技術開発が完了していたにもかかわらず、稼働実績は無い

 

エコノミスト : 日常経済データ 2017年1月30日

 

世界の原発建設の状況。ピーク時の1979年に234基建造された原子炉は、後に48基が計画放棄・永久廃炉になり、現在稼働しているのは165基(水色部分)。現在建造途中の55基のうち、35基が計画より遅れている。(下のグラフ・見づらいときは英エコノミストのオリジナルサイトでご確認ください。)

 

いくつかの新興国では大型原子力発電所の存在価値はまだ十分にあるようですが、世界期には原子力発電所を建設することは高額な上に予算額を超過することが多く、さらには工期が遅れることが日常的になっています。

 

1950年代、原子力発電の実現のめどが立ちアメリカ、ロシア、英国、フランスの各国は発電用原子炉の製造に着手、技術開発競争が始まり、原子力産業界が活況を呈することになりました。

1970年代後半には、すでに約230基の原子炉が工事中でした。

 

しかし1979年にスリーマイル島で、そして1986年にはチェルノブイリで人類が経験したことの無い深刻な事故が発生した結果、原子力発電の安全性について疑問を持ちはじめた西ヨーロッパ諸国とアメリカ政府は原発建設にためらいを見せるようになり、民間企業においては原子力技術開発ブームが徐々に下火になっていったのです。

 

その後西暦2000年を迎えるまで原子力発電に対する関心は低迷を続けました。

しかし21世紀に入ったのを境に、電力の安定供給の確保、二酸化炭素の排出量の削減、そして開発途上国の経済圏で増大を続ける電力需要という課題の解決手段として、再び原子力発電への投資を行なおうとする動きが目立ち始めました。

 

しかし原子炉の建造計画をまとめ上げるのは容易なことではありません。

つい最近稼働を始めたばかりの2基の原子炉についてみてみると、アルゼンチンの1基は建設の着手から稼働まで44年、アメリカ合衆国内の1基は33年かかりました。

さらには原子力発電の電力供給の画期的進化を実現させると喧伝された2種類の新世代原子炉は、いずれもまだ未だ完成・稼働しているものはありません。

ヨーロッパで開発された欧州型圧力原子炉(EPR)、アメリカのウェスティングハウス社が開発したAP1000、これら新世代原子炉は21世紀初頭にはすでに技術開発が完了していたにもかかわらず、稼働実績は無いのです。

 

世界的な原子力のデータベースをあたってみたところ、現在工事中の55基の原子炉のうちのほぼ3分の2は工期が予定より遅れていることが解りました。

 

フィンランド、フランス、中国で建造中の欧州型圧力原子炉(EPR)すべてが、設計当初の完成時期になっても工事が完了せず、年単位で遅れています。

アメリカの複数のAP1000原子炉の建設工期の遅れは、ウェスティングハウス社の親会社である東芝に、数千億円に上る損失を発生させることになりました。

 

2017年1月27日、東芝はそれまで社の中核事業と位置付けていた原子力発電所開発計画を縮小せざるを得なくなったことを公式に認めました。

 

先進各国がこうした状況に陥っているにもかかわらず、韓国と中国の比較的後発の企業は、大規模な原子力発電所建設事業において収益確保が可能であることを実証しています。

韓国の韓国電力(KEPCO)は現在アラブ首長国連邦国内で、4カ所の原子力発電所を建設しています。

アブダビのバラカー原子力発電所1号機は予定通り数か月以内に稼働する準備が整いました。

建造費もほぼ予算内に収まる見込みです。

 

もしこれを成功と呼ぶのなら、その理由は一貫性ということになりそうです。

KEPCOは常に同じ製造企業と共同で事業を行い、作業工程も製品もメイド・イン・コリアで統一されています。

これとは対照的に開発に着手してから多大の困難を伴って実用化されるに至ったEPRもAP1000も、今度は下請けに出した先の海外のエンジニアリング企業や建設会社が技術的な困難に直面させられることになったのです。

 

韓国の手による原子力発電所建設や原子炉製造の費用は過去20年間ほぼ変わりませんでしたが、同様の経費はフランス、アメリカでは約3倍になりました。

原子力発電所の建設が1970年代のような活況を呈することはもう無いでしょうが、長い間我慢を強いられてきた原子力発電の支持者が望みをつなげられる場所が、少なくともピンポイントでは存在するということです。

 

http://www.economist.com/blogs/graphicdetail/2017/01/daily-chart-22

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【 移民受け入れを止めるな!トランプが出ていけ! 】《3》

トランプ政権の移民受け入れ凍結措置、全米の空港で抗議行動を誘発

 

米国NBCニュース 2017年1月29日

 

1月29日フィラデルフィア国際空港で、車の中からサインボードを掲げトランプに抗議する人。(写真上)

 

1月29日ロサンゼルス国際空港で道をふさぎ、サインボードを掲げてトランプに抗議する人々。(写真下・以下同じ)

1月29日ハットフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港の外、トランプを批判するスローガンを叫ぶ人々。

1月29日首都ワシントン、ホワイトハウスの近くのラファイエットパークで思い思いのサインボードを掲げて抗議する人々。

1月29日首都ワシントン、トランプ・インターナショナル・ホテル・ワシントンの前で、白黒の配色のアメリカ国旗を持って抗議する男性。

1月29日フィラデルフィア国際空港で「抵抗しよう」と訴える切抜きのサインボードを掲げる人。

http://www.nbcnews.com/slideshow/trump-out-refugees-ban-sparks-protests-airports-across-nation-n713746

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