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【 アメリカ海軍兵士8名が、東京電力を告発 】&【 津波対策の欠陥を認めた東京電力 】

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偽りの報告、度重なる過失

トム・ワトキンス / アメリカCNNニュース 2012年12月29日

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2011年3月に発生した福島第一原発の事故の後、日本の東北地方で救援活動にあたった空母ロナルド・レーガンに乗組んでいた8人のアメリカ海軍の水兵が、虚偽の報告を含め、一連の過失により損害を被ったとして東京電力を告訴しました。

告訴は2012年12月21日カリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所に対して行われ、福島第一原子力発電所から漏出した放射線に被曝したことにより、当時日本の東北地方太平洋岸で救援活動を行っていたアメリカ海軍の空母USSロナルド・レーガンの約5,500名のうち、一部の乗組員が健康被害を被ったと主張しています。

「彼らは身体的問題を抱えています。」
空母ロナルド・レーガンの母港があるサンディエゴのCNNの系列局であるKGTVの取材に対し、原告団の弁護を務めるポールC.ガーナー弁護士がこう答えました。
「原告の一人には腸からの出血が認められます。他の原告の甲状腺には異常が認められます。」

ガーナー弁護士は症状の程度について、CNNの電話インタビューに対し、「病状は深刻です。」と回答しました。

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「彼らは海軍軍人として最も誇るべき任務に就くべく、現地に派遣され、そこで人道的援助活動を行いました。しかし自分たちの健康とこれから健やかに暮らす権利まで、叩き売るつもりはありませんでした。」
そしてガーナー弁護士は次のように続けました。
「しかるに福島第一原子力発電所を運営していた人間たちは、彼らに対し嘘をつくことをもって報いたのです。」

2011年3月11日、巨大地震と津波が福島第一原発周辺地区一帯に襲いかかりました。
それによって発生した福島第一原発の事故は、100,000人以上の周辺住民に対し避難のための移住を強制し、1986年にウクライナで発生したチェルノブイリ事故以降、最悪の原子力発電所事故となりました。

34ページの訴状の中で、ガーナー弁護士は健康被害への補償として1,000万ドル(約9億3,000万円)に加え、懲罰的損害賠償としても3,000万ドル(約28億円)を要求しています。現在東京電力は国有化されています。
さらに原告団は母親が事故の処理に当たっていた期間、その胎内にいた子供1人についても、損害賠償を求めています。

「空母USSロナルド・レーガン(CVN-76)とその乗組員が一連の救援活動を行っている間、日本政府は放射線による被ばく、つまり汚染の危険性は無いという説明を行いました。
いわく『すべては制御下に置かれている』、『問題は起きていない、我々を信頼してもらって結構だ』、そして現場にいる人間たちに対する『差し迫った危険は無い』と言いつづけました。
そして福島第一原発で発生していた原子炉のメルトダウンについては、事実とは全く異なる嘘をつきつづけました。」
ガーナーによる告発は続きます。
「アメリカ海軍は、健康上の影響と安全に関する東京電力が行った偽りに満ちた説明を信じ込んでしまい、危険が無いという誤った判断をしてしまいました。」

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訴状はさらに続き、東京電力が適切な検査を実施して来なかったこと、欠陥のある施設を建設したこと、社会的に不公正なビジネス活動と不法な業務を行ってきたこと、さらには公的立場においても私的な立場でも不適切な行動を繰り返した挙句、詐欺行為に及んだと告発しています。

「原告たちはこれから一生放射線被ばくの影響に苦しまなければならなくなったが、これは適切な措置さえ取られていれば回避することが可能であったはずであり、また回避されるべきものであったとしています。」

東京電力のスポークスマンである吉田まゆみ氏は、同社が訴状を受け取っていないので、今すぐコメントすることはできないと語りました。
2012年10月になって、東京電力は福島第一原発が稼働停止を命じられる恐れがあるため、安全面での問題を明らかにした上で、解決を図ることを怠っていたことを認めました。

東京電力は自ら作成した報告書の中で、2002年過酷事故に備えるための安全基準が採用され、その中には原子炉格納容器のベント装置、各原子炉に対する電力供給源は複数確保することが含まれていましたが、追加的安全措置がまったく採られないまま、2011年3月11日を迎えてしまったことを認めています。

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同社がその理由の一つとして挙げたのが、追加的安全措置に関する改良工事を大々的に行ったりすれば、周辺の自治体や住民に対し、原子力発電所に何か問題が発生したという印象を与えてしまうのではないかという恐れでした。
東京電力は追加安全対策を取ることが、「一般の人々の不安をかきたてることになり、ひいては反原発電運動に弾みを与えてしまう可能性があった」、何よりそのことを恐れたと語っています。

先に日本政府が公表した報告書では、東京電力と規制当局(原子力安全・保安院等)の災害対策は『不十分』なものであり、原子力危機が発生してからの対応は『不適切』なものであったとしていました。

http://edition.cnn.com/2012/12/28/world/asia/japan-fukushima-lawsuit/index.html
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わざわざ昨年12月末の記事をここに掲載するのは、次週月曜日から掲載を開始する実録『トモダチ』作戦・第4部の予備知識をお持ちいただきたかったからです。

この記事は空母USSロナルド・レーガンの乗組員のうち、8名が東京電力を告訴したことに関する報道ですが、その訴状に綴られた文章を見ると、東京電力と日本政府の『非人道的振る舞い』に改めて戦慄する思いです。

しかしあまりくどくどと書くと4月8日月曜日開始予定のも、実録『トモダチ』作戦・第4部の興を削ぐことになりかねません。
出来ればそちらをじっくりお読みいただければ、と存じます。

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【 津波対策の欠陥を認めた東京電力 】

田淵 弘子 / ニューヨークタイムズ 3月29日

東京電力は3月29日金曜日、同社が運営する福島第一原発を2年前に根こそぎ破壊した津波に対し、有効な対策を取ってはいなかったことを認めました。
「これ程巨大な津波が襲う事を予測することは難しかったとはいえ、事故の発生原因を自然災害にのみ求めることをすべきではありません。」
東京電力内部に設置された調査特別委員会が公表した報告書がこう述べています。私たちは人間の英知をもってしてもこの災害を防ぐことが出来なかったという事実を、真摯に受け止める必要があります。」
今回の認識はこれまで同社が明らかにしていた、津波の大きさは予測不可能だったとしていた見解を覆すものになりました。


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【 上昇し続けるスマートフォンの売り上げ、共に増え続ける『?』な行動 】

アメリカNBCニュース 4月1日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます・掲載した写真はいずれも3月19日、タイの首都バンコク市内のショッピングモールで撮影したもの。)
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一組のカップルがバンコクにあるショッピングモールで、一生懸命スマートフォン相手に何か入力しています。
空港や様々な公共交通機関、レストラン、そして通りを歩きながらでさえ操作を行っている人々がいて、その是非についての議論にも絶え間がありません。
スマートフォンの操作に夢中になるあまり、周囲に対する心配りなどほとんど期待できないからです。
スマートフォンの売り上げは好調を保ったまま、2013年度は世界で9億1,800万台が販売される見込みです。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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