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「あれだけ人の人が亡くなったのも、あれほどひどい原発事故が起きたのも、東北で良かった」ただでさえ遅れがちな東日本大震災と福島第一原発事故からの復興に、さらなる混乱
巨大地震、巨大津波、そして最大規模の原子力発電所事故が重なった三重災害が「首都圏ではなく、東北地方を壊滅させただけで終わって良かった」
ロイター / ガーディアン 2017年4月26日
日本の今村雅弘復興大臣は、首都圏ではなく代わりに東北地方が巨大災害に襲われて『良かった』と発言し、辞任、事実上更迭されました。
4月26日、巨大地震、巨大津波、そして最大規模の原子力発電所事故が重なった三重災害が首都圏ではなく東北地方を壊滅させることになって良かったと発言した、安倍政権の閣僚が事実上更迭されました。
この大臣は2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所事故によって壊滅した被災地の復興を促進することが職務でした。
安倍政権の下では閣僚や与党議員が失言をしたり、あるいはスキャンダルが繰り返されてきましたが、今村復興大臣は相次ぐトラブルの最新事例を提供することになりました。
今村復興大臣は、マグニチュード9.0の巨大地震によつて巨大津波が発生し、約20,000人の人々が死亡・行方不明になった災害の損害規模について言及した後、こう述べました。
「これがまだ東北で良かった。」
この発言は今村復興大臣が今月4日、チェルノブイリ以降最悪の原子力発電所事故となった福島第一原発事故の自主避難者の帰還問題について記者会見の席上「本人の責任だ」と発言し、居合わせた記者たちを怒号した後、部屋を飛び出して批判を浴びた、わずか数週間後のできごとでした。
安倍首相も直ちにこれを非難し、首相自身として謝罪を行いました。
今村大臣の辞任が素早く決定した背景には、今回の発言に対しては与党内にも同情論が無く、さらには安倍政権が受ける打撃を最小限にとどめようとする意図があったものと見られています。
「東北の被災地の人々を傷つける極めて不適切な発言であり、本来被災者に寄り添って働かなければならない復興大臣への信頼を著しく損なう行為で、誠に遺憾です。」
今村氏が辞任を表明した後、安倍首相は記者団の質問にこう答えました。
今回の発言はただでさえ遅れがちな東日本大震災と福島第一原発事故からの復興という問題に加え、東北の被災地の産業がなかなか軌道に乗れずにいる事実を改めて浮かび上がらせることになり、政権側にとっては痛い失点となりました。
被災地では現在、多くの避難家族が故郷に戻ることをあきらめざるを得ない状況に置かれています。
同じく被災地の復興に尽力すべきはずの務台政務官は2016年9月1日、台風10号に伴う豪雨被害の視察で岩手県岩泉町を訪れた際、同行者に「おんぶ」されて水たまりを渡ったことが報じられ、物議を醸した上、今年に入って「長靴業界はだいぶもうかった」と発言した責任を取り、3.11の災害発生から6周年を迎える直前、辞表を提出し辞任せざるを得なくなりました。
さらに4月中旬、中川俊直経済産業大臣政務官は不倫と重婚に関する疑惑について一連の報道があり、辞任に追い込まれました。
中川氏は後に自民党も離党しました。
しかしこうした一連のスキャンダルに加え、首相自身にも森友学園を巡る疑惑が国内を騒がせたにもかかわらず、世論調査によれば安倍首相の支持率は尚50%前後を維持し続けています。
つい最近、自民党は総裁の任期を3年連続3期にまで延長し、安倍首相は2018年の現在の任期を終えた後も尚、首相の地位に留まり続けることが可能になりました。
安部首相は戦後最も長期に政権の座に座り続ける可能性が出てきました。
https://www.theguardian.com/world/2017/apr/26/japan-reconstruction-minister-quits-after-inappropriate-comment-on-disaster-zone
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今回のこの騒動、大臣辞任で決着がはかられているようですが、それで済む話でしょうか?!
こんな発言は大臣はもちろん、国会議員として、政治家として、そして人間としてどうなのか?!
ということを問うべきではないでしょうか?