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「国民の声、国民の願いに、まるで向き合おうとしない日本の政治」

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所要時間 約 8分

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【 高まる一方の反原発への抗議行動 】

ポーラ・ハンコックス / アメリカCNNニュース 7月21日

1960年台は社会革命の時代でした。
学生たち、公民権運動家、そして反戦活動家による抗議行動が世界中を席巻しました。
そしてそれは、日本でも例外ではなかったのです。

1960年には日米安保条約に反対する数十万人の人々が、路上を埋め尽くしました。
時に過激化したその抗議行動も、以来すっかり影を潜め、今日に至っています。

ここのところ日本では、原子力発電に反対する抗議行動が、大きなうねりとなってきました。
かつては日本政府の政策に特に異を唱えることが無かったその国民も、自分たちの指導者に対し、大きな疑問を突きつけるようになりました。

毎週金曜日、数万人の人々が首相官邸前に集まり、たった一つの明快なスローガンを叫んでいます。
「脱原発!」

昨年、巨大津波が引き起こした福島第一原発の事故以来、日本では脱原発の市民運動が成長を続けてきました。

ここに掲載した映像は、福島第一原発の事故の被災者たちが、その生活を建て直すためにどれほどの苦労を強いられているか、それを物語っています。

鎌谷ゆきこさんは福島県双葉町の、福島第一原発の周囲20km圏中に設けられた、立ち入り禁止区域に住んでいました。
彼女は事故の直後の、避難した際のパニックを忘れてはいません。
いったいどこに逃げれば安全なのか、再び故郷に戻れる日が来るのか、何もわからないままに逃げることだけを強いられました。

「あの場所が私の故郷なのです。」
彼女はCNNの取材にこう答えました。
「どんなことがあっても、故郷に帰りたい。本当は今すぐにでも、自分の家に帰りたいのです、だめだって解ってますけど…でもいつか必ず、この夢がかなうよう願っています。」
鎌谷さんは現在仮設住宅で暮らしていますが、彼女自身が体験し、今も続く悲惨な原発難民を二度と生み出さないように、行動を起こさなければならない、そう感じて反原発抗議行動に加わった、と話しました。

斎藤なぎささんがこの抗議行動に参加するのは七回目ですが、回を重ねるごとに参加者が増え行くように感じています。
「今一番強く感じていることは、ここに来ている人々は決してあきらめないだろう、という事です。そして参加する人々も、増えていく一方です。今日のように雨が降って条件が良くなくても、これだけ多くの人が集まって来るのですから、すごいと思います。」

数十万人の人々が脱原発を訴えていますが、代替の発電手段はどうなるのでしょうか?

尾崎さんとだけ名乗った男性は、こう語りました。
「もし電力が足りない、というのなら、代替手段はいくらでもあるはずです。火力発電所、水力発電所はどうなっているのでしょうか?そして、何もかも電気に頼る生活を、見直すことだってできるはずです。私たちも我慢する必要があります。たとえ停電が起きるにしても、それを乗り切ることはできるはずなのです。原子力発電なしでも、日本社会はやっていけるはずです。」

本来であれば日本政府は、こうした人々の願いに耳を傾けなければならないはずですが、その態度は真摯に向き合おうという姿勢には程遠いものです。
日本の50基の原子炉はすべて、安全確認と定期点検のため停止していましたが、7月には停止していた原子炉の再稼働が実施されました。
日本政府の主張は単純なものです – 日本には電力が必要なのだ。

日本の野田佳彦首相は先月、こう演説しました。
「豊かで快適な暮らしを続けるためには、安価で安定した電力供給が不可欠なのです。もし原子力発電を完全に止める決定を行ってしまったら、日本社会は機能しなくなってしまいます。」

日本経済団体連合会の部長、長谷川まさみ氏は、これから日本が暑い夏を迎えるに当たり、エネルギー危機に陥る可能性がある、という意見に賛同しています。
昨年行われた計画停電は、企業活動に悪影響を与えた、と語ります。
「こうした状況が続けば、会員企業の中にはこれ以上国内での企業活動は続けられない、という意見があります。このままの状態が続けば、電力使用量の大きな企業は、日本での生産が続けられなくなり、海外に移転せざるをなくなるでしょう。その結果、雇用機会が失われることになるでしょう。」

しかし、抗議活動を行っている人々は、何よりも国民の安全を優先しなければならない、と主張しています。
先に公表された国会事故調査委員会の報告書は、原子力発電所を運営する企業、政府の監視機関、そして日本政府、その三者の癒着・共謀こそが事故の根本原因である、と指摘しました。

一体いつになったら故郷に戻ることができるのか、かつて福島第一原発の周辺で暮らしていた数万人に上る人々は、その答えを待ち続けています。
抗議活動を行う人々は、原発の無い日本、それだけが受容れ可能な選択肢だ、と語ります。

http://edition.cnn.com/2012/07/20/world/asia/japan-nuclear-power/index.html?eref=edition

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【星の金貨】の記事は、海外の記事の翻訳であるため、人名表記の正確性に問題があります。
記事中に登場された方のお名前の表記に誤りがある可能性がありますが、ご容赦くださいますようお願いいたします。

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原発推進タカ派の人間を、新たな原子力規制員会の委員長に据えようとしたり、原子力基本法を改悪して、核燃料サイクルを継続することで、核兵器製造を可能にするためのプルトニウムを貯めこむことを、日本の国の基本方針にしようとしたり。
なぜこうも国民が望んでいることとは反対の方へ、この国を進めようとするのか。
いまや、原子力発電・既得権者たちのなりふり構わぬ、利権確保が始まったように見受けられます。

情けないのは、その「先兵」を買って出る日本の「二大政党プラスワン」、そして国民の怒りを冷笑しつつ、その先棒を担いでいる「外部有識者」の存在。

天網恢恢疎にして漏らさず

この上は一日にも早い、社会正義の実現を!

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【鳥取砂丘を行く二人のこども】
アメリカNBCニュース 7月22日

【鳥取砂丘を行く二人のこども】
アメリカNBCニュース 7月20日

ポルトガル領アゾレス諸島で開催された世界ダイビング・コンテスト。コロンビアからやって来た女性が高さ30メートルの断崖の上からタイピングする瞬間。
[写真をクリックすると、拡大画像を見ることができます]

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