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「この状態が本当に冷温停止なのか?!」

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【 日本政府は深刻な疑いがあるにも関わらず、『冷温停止』宣言を行う可能性がある 】

ニューヨーク・タイムズ 12月14日

巨大地震と巨大津波が福島第一原発の冷却システムを壊滅させ、3基原子炉がメルトダウンを引き起こしてから9カ月、日本政府は間もなく暴走する原子炉を、ついに再び制御下に置いた、と宣言することになっています。
しかし宣言以前から、専門家からの数々の深刻な疑問に直面しています。

12月16日 金曜日、野田首相に率いられる災害対策委員会は、損傷した3基の原子炉が『冷温停止』しているとする発表を行うかどうか、投票を行いま す。
冷温停止という専門用語は、炉心の燃料棒が『無傷で』安定している状況を意味します。
多くの専門家は、もし発表が行われるとすれば、それは原子力発電所の冷却システムの修理を完了し、年内に冷温停止を実現するとしてきた政府発表の、つじつま合わせのために過ぎないと指摘します。
委員会が冷温停止を宣言するならば、次なるステップとして冷却水プール近くに融け落ちている燃料棒を安全な場所に移し換えた後、原子炉そのものを開くことができるはずです。

しかし専門家は、国民の間で膨れ上がる事故に対する怒りを抑え込むため、ただそのことのためだけに達成宣言を行い、そのため依然として脅威の残る原子炉の安全問題から、人々の注意を逸らしてしまうのではないか、と危惧しています。

懸念の一つは、3月11日 の巨大地震に続く大きな余震によって、事故後急いで建設した応急設備の冷却システムが破壊されてしまう恐れがある、というもので、これは 多くの地震専門家が可能性が大きいと指摘しています。
専門家はさらに、冷温停止宣言は、炉心の燃料棒が単メルトダウンしているだけでなく、原子炉格納容器の底を突 き破り、土台のコンクリートの中まで貫通してしまっている深刻な状態についても、それが安定した状態である、との誇張された印象を与えて しまう恐れがあるとも、指摘しています。

「政府が望んでいるのは、すべてが今年中に制御可能な状態になり、人々を安心させることです。」
九州大学原子力工学の工藤和彦教授は語ります。
「しかし私が本当に知りたいことは、この宣言ができる状態になっているのか、という事実なのです。」

おそらくは印象をあいまいにするために、日本政府は3基の損傷した原子炉が『冷温停止』状態であると発表する際、漠然とした表現を行うことになっています。
政府側の専門家は事実、原子炉の温度は水の沸騰点を下回る温度に保たれ、融け落ちた核燃料も核連鎖反応は起こしておらず、再び制御不能になる程温度が上昇することは無い、と言ってもよい状態であると主張します。

そして本当に、この専門家たちは東京電力が損傷した原子炉の制御機能の回復を達成した、という事を信じています。
彼らはアメリカ、フランス、日本の各企業の応援のもと、急場をしのぐため建設した冷却システムが、炉心および格納容器の外に溶け落ちた燃料の冷却を達成していると主張しています。

これらの専門家はさらに、損傷の激しい1号機を覆うため新たに建設された建屋が、大気中への放射性物質の拡散を止めている、とも主張しています。この建屋は3月に水素爆発によって破壊され、北日本及び東日本一帯に危険な放射性物質をまき散らす結果をもたらした、3つの建屋のうちのひとつです。

それでもなお、専門家は冷温停止状態の原子炉の定義とは、原子炉格納容器の扉を開け、原子炉内の核燃料を取り出すことができる、その安全が保たれている状態のことである、と指摘します。
これに対して福島第一原発の場合は、損傷した原子炉から溶け落ちた核燃料を取り除くことに着手するまで3年とみている政府の目論見を、はるかに超える年月を必要とするであろう、とも指摘します。
こうした事実は、冷温停止と宣言することは人々に誤解を与えるだけであり、実際の状態よりも福島第一原発がより安全な状態に近づいていると思い込ませてしまう、と複数の専門家に言わせるにいたりました。

「福島第一原発の損傷中の原子炉のようなものを、冷温停止と主張することは全くふさわしいことではありません。」
インターナショナル・アクセス社の原子力技術顧問の中野ノボル氏が指摘しました。
事実、専門家はこのように指摘します。
メルトダウンを起こし損傷した核燃料棒は、数十年間たっても未だ取り除かれてはいません。チェルノブイリ事故 の場合、ソ連当局は1986年の爆発の後、ただ単にコンクリートの石棺で覆う作業をしただけでした。
一部の専門家は、冷温停止の宣言は、緊急を要する現在進行中のさらなる放射能汚染の問題から、目を逸らさせるためのものである、と指摘します。

特に問題なのは、太平洋に近い破壊された原子炉ビルディングの基礎部分、または地下の銀製のタンクに貯まっている90,000トンの汚染水の危険性です。
「現時点で私が非常に心配しているのは、原子炉内で起きている汚染汚濁の進行です。」
と、サンディエゴ州立大学の核物質保管制御の専門家マレイE.ジェニックス氏が語りました。
彼自身は現在は事故起こした原子炉の状態は安定している、という政府発表、特に高熱を発する核分裂の連鎖反応はもう起きない、という発表を信じていた、と言います。
先月、一基の原子炉の付近で核分裂の副産物である放射性キセノンが検出されたとしても、3月の事故以来放射性崩壊が十分に進行していることを考慮すれば、それが核分裂が再び始まっていることを警告するものとは考えにくい、と語りました。

別の専門家は異論を唱えます。
前述の九州大学の工藤教授は原子炉を開いて中の燃料の状態を確認するまでは、再臨界として知られる現象である核分裂が再び始まった可能性を除外することはできない、と語りました
しかし教授やそのほかの専門家がもっと心配しているのは、もう一度巨大地震、あるいは津波が襲えば、間に合わせの冷却システムは破壊されてしまう恐れがあるという点です。
彼らが特に問題視するのは、この冷却システムは耐震基準に沿って建設されたわけではなく、1.5マイル(2.4km)以上をゴムホースで連結した浄化装置やその他の脆弱な機器に依存している点です。
「再び地震と津波が一緒にやってきたら、福島第一原発はすべてを一からやり直すことになります。」
工藤教授は指摘します。

「この状態を本当に『冷温停止』と呼べるのですか?」

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今日は「クリスマス前の感動できるストーリー」をご紹介しようと用意をしていたのに、台無しにされてしまいました。
もちろん、日本政府があり得ないタイミングで、あり得ない宣言を行ったためです。

さすがに、政府発表を額面通りに伝えた日本の大手マスコミは無かったようですが、批判が充分ではありません。
セシウムはもちろん、プルトニウム、ストロンチウムなどの汚染状況がまったく明らかにされていない事も指摘すべきでしょう。
そして国民のほとんどが受け入れがたい発表を、堂々と行うその姿勢についての追求も。

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【大量殺人が可能なインフルエンザウィルス】

アメリカNBCニュース 12月5日

注意を喚起しなければならない話題です。
科学者が研究室で大量殺人が可能なインフルエンザウィルスを作り出しました。
現在、この事実を世界中に広く公表すべきかどうかで議論が巻き起こっています。
科学担当特派員、ロバート・バゼルがお伝えします。

レポーター : きっかけは鳥インフルエンザでした。
2人の科学者がその研究室で非常に伝染力が強い、人間が作り出せるウィルスの中では最も危険なインフルエンザ・ウィルスを作り出しました。
科学的報告をどこまで行うかについて、政府委員会が決定を行うところです。
論争の的となるであろう決定が、もうすぐ下されます。

何人かの第一線で活躍する科学者は、この研究全体が完璧に間違っている、と指摘します。
「私はこのような人を死に至らしめるウィルスをもて遊んで、哀れな犠牲者を前後不覚に陥れること自体間違っているし、その研究結果を発表することは、その次にやってはいけない行為だと思います。」

レポーター : H1N1型と呼ばれる鳥インフルエンザが最初に鳥から人間に伝染したのは、1998年香港での出来事でした。
それは猛威を振るい、感染者の死亡率は6割に達しました。
香港ではすべての鶏を殺処分することで、それ以上の拡大を防ぎました。
それ以来、周期的な流行はありましたが、一個のウイルスの伝染力はそれほど強い物ではなく、2、3人が感染するにとどまりました。
2人の科学者、1名はヨーロッパ、もう1名はウィスコンシン州立大学、鳥インフルエンザ・ウィルスを遺伝的に作り変えることにより、人から人への感染を容易なものにしたのです。
彼らは実験台にフェレットを使いました。
彼らは科学雑誌「サイエンス」と「ネイチャー」に、研究結果についての論文を提出しました。
この研究の目的は、自然界における爆発的流行が何によって発生するのかを突き止めることです。

一部の人は、この研究はテロリストの教科書になりうる、と指摘します。
ある国の政府の要人は「いいね!」というかもしれません。
しかしその国の報道機関が、2人の科学者をおっかなびっくりフォローするかどうかは定かではありません。

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