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[ 冷温停止 – アルジャジーラはどう伝えたか?]

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所要時間 約 11分

【 日本、福島第一原発事故の安定を宣言 】
「放射線の恐怖の中で暮らすことが、今や日常生活の一部になってしまった」

アルジャジーラ12月16日

日本政府は25年前に発生したチェルノブイリの事故以来最悪となった原子力事故を引き起こし、制御不能に陥っている福島第一原発が『冷温停止状態』に達し、 同発電所を制御下に置くための取り組みが重要な到達点を無事通過した、と発表しました。

「福島第一原発の原子炉は、冷温停止状態を達成しました。」
日本の野田首相は12月16日に事故対策委員会の席上、こう発表しました。
「万一、何らかのトラブルが生じても敷地内の放射線量が十分低く保たれるといった点が技術的に確認されました。」
「政府としては改めて今後のロードマップを明確にし、発電所の安全維持に万全を期しながら廃炉に至る最後の最後まで、全力をあげて取り組んでまいります。」

福島第一原発は東京の北東240kmの地点にあり、3月11日に発生した巨大地震と同発電所の冷却システムを破壊した10mを超える津波によって損害を受け、核燃料のメルトダウンと放射能漏れを引き起こしました。

冷態停止状態を宣言することは、原発問題にとどまらない、好ましくない影響を与えることになるでしょ う。
冷温停止は80,000人に上る避難民に、帰宅を許可するための前提条件です。

冷態停止状態とは、核燃料棒を冷却するために用いられる水の温度が沸騰点以下に抑えられ、核燃料の再加熱が起きない状態のことです。
福島第一原発の運営する東京電力の大きな目標の一つは、年内にこの状態を達成することでした。

数か月にわたる取り組みの結果、事故を起こした3基の原子炉は9月末までには、沸騰点以下の温度にまで下がりました。
しかし東京電力は温度の推移と放射線の漏出量の確認をする必要があるとして、冷温停止の宣言には慎重な態度をとりました。

アルジャジーラのインタビューに答え、核科学者のイマド・ハッドーリ博士はこう話しました。
「日本の首相の計画は実現不可能なほど野心的なものであり、詳細なものです。汚染除去を行うとするこの計画が成功するかどうかの基準の一つは、3月の発生以来続いている汚染除去作業の結果にあると思います。」
「私は、25年前のロシアで起きたチェルノブイリ事故の際とは異なり、汚染除去作業が細部にわたり厳格に行われることを、強く願っています。」と彼は語りました。

▽ 大規模なクリーンアップ

ハッドーリ博士はこうも言います。
「原子炉は実際のところ、大気の72倍という巨大な圧力がかかった巨大なステンレス鋼の卵のようなものです。冷態停止になっていれば、原子炉内の圧力が大気圧レベルにまで下 がっていることを意味します。」
「こ れまでの8カ月以上、日本は核燃料の温度を摂氏95度以下にまで下げることに成功しており、このことは原子炉内の圧力も大気と同じレベルまで下がっていることを意味します。」
「廃炉とは、原子炉圧力容器の上部を取り外すことができる状態、核燃料を取り出して安全な場所に格納し、その上でコンクリート製の容器で原子炉を覆う作業を開始することができる状態のことです。」
そして博士はさらにこう付け加えました。
「これらの高い放射線を放つ核燃料は、核燃料使用済みプールの中に格納されています。こうした燃料は日本国内の54基の原子炉の中にも保管されており、大きな保管能力を持っています。」

東京電力は事故の初期に、損傷した原子炉全体をコンクリートで覆う石棺の方法は採らない、と発言していました。
石棺は原子炉が火災を起こし、数日の間燃え続けたウクライナのチェルノブイリの原子炉で採用された方法です。
東京電力は福島第一原発では段階的に燃料を取り出し、他の場所に保管する方法を採用する、としています。

政府と東京電力は、早ければ来年初めにも損傷していない燃料棒の取り出しを始めたい、としています。
しかしながら溶け落ちた燃料の除去に取り掛かるのは、10年以上後になるでしょう。そして原子炉の撤去には40年かかると予想される、と15日に日本国内のメディアが報道しました。

汚染の除去作業と被災者への補償のための莫大なコストは、東京電力の財政基盤を弱らせています。
日本政府が早ければ来年の夏に行う1兆円の資金投入は実質的な国有化である、と複数の情報源が先週ロイター通信に語りました。

そして日本は原子炉の周囲の住民に帰宅を許すとなれば、膨大な量の汚染除去作業を行わなければなりま せん。
環境省によれば原発の周囲2,400平方キロメートルの汚染の除去が必要になります。

今回の危機は原子力に対する国民の信頼を大きく損ない、日本は原子力による発電量を2010年の30パーセントから2030年までに50%に引き上げるとしたこれまでの計画を見直すことになりました。

原発に近かろうが遠かろうが、放射線の恐怖の中で暮らすことが、今や日常生活の一部になってしまいました。
放射線に敏感になっている人々の間には、公的機関が検出された放射線量は危険なレベルではないと保証しているにもかかわらず、野菜、お茶、牛乳、魚介類と水に対する不安がわき上がっています。

チェルノブイリの経験は、こうした不安は何年もの間続くことを教えています。
事故から25年たった今でも、チェルノブイリ原発の周辺で暮らす住民は、地元産の食品については購入前の放射線チェックを忘れません。

日本の経済規模の2倍の額がある負債を軽減するための、消費税の増税に対する確固たる姿勢とも相まって、今回の発表によって野田内閣の支持率が改善するとは考えられません。
そして過去最高となった円高の問題や景気低迷など、野田内閣が直面する問題をリストアップしていくと、その前途は容易なものではありません。

http://www.aljazeera.com/news/asia-pacific/2011/12/201112167758128873.html

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隠ぺい、欺瞞などが渦巻く福島第一原発事故関連の記事ばかり翻訳していると、気が鬱してきて心も体も重くなるときがあります。
そんな時、私の心を救ってくれたのがこの4度目の紹介になるレイチェルでした。
このブログの[星の金貨]というタイトルは、同名のグリム童話からとったものです。
親を亡くしながら、困窮する子供や老人に出会うたび、持っていた食べ物や着ている服までも与え、最後には何もかも無くしてしまう女の子。
しかし最後裸になってしまった女の子に、夜空に輝く星たちがたくさんの金貨をプレゼントしてくれます。
子供の時、初めてこの童話を読んだときは、女の子のあまりの犠牲精神に反感すら覚えました。

しかし今年の7月、アメリカNBCニュースで初めてレイチェルのことを知り(http://kobajun.biz/?p=764)、星の金貨の女の子が実在することを知りました。
欺瞞、隠ぺい、信じられぬほどの汚染、数万年消えない汚染、奇形を生む遺伝子の損傷、人間の使い捨て、故郷を追われる人々、そんな話題ばかりの原発問題。
レイチェルがいなければ、この[星の金貨]は今日まで続かなかったかもしれません。

以下にご紹介するレイチェル基金のその後と世界の子供たちについてのビデオは、元のサイトに字幕も記事なく、すべて聞き書きするしかなかったため、要訳・意訳になっています。
この点をお含みいただき、ご容赦をお願いする次第です。

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【 次々に実現するレイチェルの夢 】

アメリカABCニュー ス 12月16日

しばらく前にここでもご紹介した本当に思いやりの深い女の子、レイチェルが始めた開発途上地域の子どもたちに清潔な水を贈る取り組み。
世界には生活の場に清潔な水がないため、死にゆくわが子を腕に抱いたまま、なすすべもなく見守ることしかできない母親がたくさんいます。
このことを知ったレイチェルは9歳の誕生日の時、
「私の誕生日のプレゼントを買うお金で、不潔な水しか口にできないアフリカの子供たちに、清潔な水を贈るための寄付をお願いします!」
そう言って、たった一人で貯金を始めました。

しかし10歳の誕生日を迎える前に、レイチェルは悲劇的な交通事故で天国に行ってしまいました。

しかし、周囲の人々がレイチェルの貯金から基金を作り、彼女が亡くなった後、その取り組みに感動した人々から100万ドルを超える寄付が寄せられ、世界各地で子供たちのために井戸が掘られ、清潔な湧き水を口にできるようになりました。
レイチェルの基金にはその後も寄付が続き、また新たに150万ドルを超える金額が集まりました。

中央アフリカではレイチェルの基金からの寄付金によって井戸が掘られ、子供たちが生まれて初めて見る清潔な水に歓声を上げています。

エチオピアでもそれまで安全とは言えない水汲み場で、重労働の水汲みをしなければならなかった子供たちに井戸が贈られました。

そして毎年数万人の子供たちが死んでいくバングラデシュ。
ここにも寄付によって井戸が作られました。

南米のグァテマラ、ここで暮らす原住民の子供たちは、その8割しか成人することができません。
十分な食事を与えられない子供たち、9歳(レイチェルが亡くなった年齢)の子供たちの平均身長は、世界の平均身長に遠く及びません。

そしてソマリア。
この親子は遠くエチオピアまで徒歩で避難してきましたが、飢えのため子供は危篤状態です…

助け合いのため伸ばした手は、言葉の壁を乗り越えることができます。
心を開けば良いのです。
そしてあなたはたった今、そのことをやり遂げてくださいました。
皆さんが贈ってくださった寄付により、レイチェルの基金が再び100万ドルを超えたのですから。

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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