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[アフター・ザ・フクシマ] 立ち上がる日本の市民社会〈前篇〉

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所要時間 約 8分

「日本政府は、本気で国民を守るつもりはあるのか?」

キム・ジェンナ・ジュリアーンス / IPSニュース 11月26日


工業技術者であった、山田恭暉(やすてる)さんの場合、定年退職の意味は、仕事をするのを止めるという事ではありませんでした。
73歳になった山田さんは、日本中から集まった他の700人の熟練技術者である退職者とともに、こう申し出たのです。

福島第一原発の最も危険な、放射線量が著しく高い現場で、若い人たちに放射線被ばくをさせないよう、自分たちが事故の収束作業を行う、と。

山田さん、そして現代のサマリア人とも言うべき彼の同志たちが結成したグループは、1986年のチェルノブイリの事故以来、最悪の原子力事故となった福島第一原発事故に対し、政府がもっと本腰を入れた対策を行い、放射線の危険性について正しい情報提供を行うよう求め、日本全国で立ち上がった市民運動団体のひとつです。

※善きサマリア人(聖書に出てくる)そのものについての解釈は少し複雑なようですので、ここでは善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:good Samaritan law、良きサマリア人法、よきサマリア人法とも)の解説を引用します。
「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。
アメリカやカナダなどで施行されており、近年、日本でも立法化すべきか否かという議論がなされている。(日本語版ウィキペディアより引用)


「ガンが進行している頃には、私たちの寿命の方が先に尽きてしまっているでしょう。」
彼の組織[福島原発行動隊(SVCF)]の取り組みについてプロモートするため、アメリカを訪れていた山田さんが、IPSニュースの取材に対し、こう答えました。

[福島原発行動隊(SVCF)]が目指すのは、福島第一原発の事故現場に世界の専門家を結集し、根本的な解決に向けた取り組みを可能にするよう、日本政府に対する国際世論を喚起することです。
現在続けられている事故現場の汚染物質除去などの収束作業には20年、そして根本的解決を図るための事故の検証作業には40年かかると見られています。

「チェルノブイリの事故の規模は、きわめて大きいものでした。しかし福島程、複雑なものではありませんでした。」
山田さんがこう指摘しました。

事故の収束作業がこのまま、事故の対応に充分なノウハウがあるわけではない東京電力という民間企業に任されたままの現状について、山田さんは懸念を深めています。


現在福島第一原発の現場では約400社ほどの企業が参加して、様々な収束作業を行っていますが、何段階もの多重下請けによる現場作業が、熟練した技術者が事故の収束に加わることの邪魔をしている。
ベテラン技術者である山田さんが、このように説明してくれました。

あれ程の批判を受けながら、政府関係機関と原子力産業界のなれ合いの関係は未だに改善されておらず、このため日本政府は事故の収束作業を東京電力任せにしています。
この状況について、収束作業が日本の将来の世代に与える影響、ひいては地球的規模の影響を考えると、居ても立っても居られないのだ、と山田さんは語りました。

一向に改善されない行政と原子力産業界の癒着、めまぐるしく変わる福島第一原発の状況報告と周囲への影響、公表された放射線量への疑念、そして矛盾する現状報告、これらすべてが、日本政府は本気で国民を守るつもりはあるのかという、大きな不信感につながりました。


さらには日本の医学界も、放射線被ばくによる健康への脅威、奇形や正常な機能を持たない子供が生まれる危険性などが高まっていることを否定したことにより、日本国民の中で知識・意識が高い層の信頼を失うことになりました。
〈つづく〉

http://www.ipsnews.net/2012/11/in-post-fukushima-japan-civil-society-turns-up-heat-on-officials/
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どうやら完全とは言えないまでも、年末の衆院選に向け「脱原発への願い」が一本化される動きが出てきて、少しほっとしました。
例によって「二大政党」からは「脱原発だけで政治ができるか?」等々、足を引っ張るコメント続出です。
しかし、脱原発はただ単に物理的に原発を停止させるというだけではなく、利権まみれ、金まみれの原発行政に象徴される、国民不在の政治からの脱却の意味もあります。

福島第一原発の被災者の方々に対する一片のいたわりも示さず、思いやりも口にせず、徹底した金融緩和により外資のハゲタカ集団を呼び込んで日本で好き放題やらせたり、日本国民の基本的人権を制限した上、軍備を増強(すさまじい金がかかります)されてしまったりしたら、それこそ言いたい事も言えない世の中になってしまいます。

今日は個人的意見を述べさせていただきますが、弱者に対するいたわり、思いやりの無い政治など、まっぴらごめんです。

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【 武器、軍隊…その銃口が国民に向けられた時[Ⅰ] 】

アメリカNBCニュース 11月27日
(写真をクリックすれば、大きな画像をご覧いただけます)

2012年11月22日、トルコ。国境の向こうのシリア、ラース・アル・アインの方に上がる火の手を見つめる国境警備兵。


2012年11月18日シリア、マアッラト・アン・ヌウマーン。政府軍の攻撃で肩に銃弾を受けた少年を抱きかかえ、病院の外で治療の順番を待つ父親。


2012年11月4日シリア、トルコとの国境近くの難民キャンプ。政府軍による虐殺のあった村から、家族とともに逃げ出すことに成功した少年が、水の配給の列に並んでいる。


2012年11月4日シリア、アレッポ。政府軍の空爆により破壊された住宅から、2人の幼い子供とその母親を助け出す救助隊員。


2012年10月31日シリア、アレッポ。政府軍の機銃掃射により重傷を負った11歳の少女に、酸素吸入をする家族。


2012年10月26日シリア、イドリブの難民キャンプで、配給品の奪い合いに加わる少年。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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