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電力の独占事業「古ぼけた、時代遅れのもの!」ニューヨーク州知事

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所要時間 約 8分

【 災害からの迅速な立ち直りに必要な、再生可能エネルギー小規模発電システム 】〈前編〉
「現在の電力事業は、人間の顔を持たない官僚機構に支配された独占事業」

クリス・コリンズ / アメリカAOLエナジー 11月27日

ソーラーワンで様々な機器の充電を行う人々。


アメリカ東部の沿岸地区で、ハリケーン・サンディが発電・送電システムをたちまちのうちにだめにしてしまった、その被害の広がりの早さはまさに衝撃的なものでした。
電気が止まってしまった人々の暮らしは、にっちもさっちも行かなくなってしまいました。
しかしこれ程に自然災害による被害が拡大してしまったのは、この地の発電・送電システムが過度の独占状態にあったためでした。

クォモ州知事はニューヨークの発電・送電システムについて、「古ぼけた、時代遅れのものである」
と気に衣着せず厳しく指摘しました。
「現在使われている発電・送電システムは、別の時代に、別の場所で考え出されたものです。」
知事はこのように発言しました。
「電力の独占は1950年代の遺物です。電力事業については、今や根本的に見直すべき時期に来ています。」

まさに知事が言う通りです。

昨年巨大地震と津波が襲った時、日本で起きたことは何でしょうか?
大規模な原子力発電所の事故が始まり、次々と悲惨な事態が引き起こされました。
一方では風力発電システムは災害を生き延び、ともすれば不足しがちな電力の供給に貢献しています。


ハリケーン・サンディが去った後、ニューヨーク市内のガソリンスタンドのタンクの中はガソリンで一杯でした。
しかし、問題は電気が無いためポンプが作動しなかったことでした。
もしそれぞれのガソリンスタンドが太陽光などの自家発電装置を備えていれば、あのようなガソリン不足パニックは発生しなかったはずです。

電力の独占を排除し、発電送電を分散化することに、全くと言って良い程問題はありません。

具体例を挙げましょう。
ニューヨーク市の実に半分の建物が太陽光発電に適しており、もしこれらの建物がすべて太陽光発電システムを設置すれば、ピーク時の電力需要の半分を賄うことが可能になります。
PEWリサーチセンターの調査によれば、アメリカ人の67%が地球温暖化を事実として認めています。
地球温暖化などと言う事実は無いという非科学的主張は、これまで長い間政治的取り組みを阻害し続けて来ました。
この国の政治家たちが国民の声に耳を傾け、地球的規模の危機を回避するために、認識を改め本腰を入れた取り組みを行うべき時はすでに来ているのです。

多くの国々で、この難しい問題への取り組みが始まっています。
15か国のヨーロッパ諸国の首脳が集まり、協議が行われた最近の欧州議会の会議では、以下の結論に到達しました。
「地球温暖化を防止すべく再生可能エネルギー事業を成功させるためには、電力の独占を排除し、小規模なシステムを分散配置することが不可欠である。」
その成功例として、議会はドイツとデンマークの事例を挙げました。
今年ドイツの電力の26%が、再生可能エネルギーによる小規模発電システムによって賄われました。
太陽光、風力、そしてバイオマスです。


ドイツはこの実績により、2022年までに必要とされる電力の35%を、再生可能エネルギーによって賄うという目標の達成が可能になりました。
ドイツ政府は今や、再生可能エネルギーによる小規模発電システムによって、わずか10年以内に全電力の50%を賄うことも可能である、との見通しを持つに至りました。

もしアメリカもドイツと同じだけの数値を達成していれば、ハリケーン・サンディによってあれ程の大規模停電は発生しませんでしたし、石油タンカーの接岸が1、2週間遅れたところで何ほどの混乱も起きなかったでしょう。

クォモ知事が言及した『意外なほどの脆さ』を露呈することも、無かったに違いありません。

オバマ大統領のクリーン・エネルギーの開発に取り組みは評価されるべきですが、遠隔地に大規模発電システムを建設するというそのやり方は誤りです。
オハイオ州やインディアナ州の電力が、1,000マイルも離れたノース・ダコタ州の風力発電所から送電されることになれば、せっかくの取り組みもほとんど意味が無くなります。
施設のどこかで不具合が発生すれば、オハイオ州もインディアナ州も、ニューヨークが体験したような大規模停電に見舞われることになります。

最も安全性が高い発電・送電システムは、州ごとに小規模施設を各所に建設し、送電線も最新のものをできるだけ短くすることに努める必要があります。


クォモ州知事は、この地の発電・送電システムは、人間の顔を持たない官僚機構に支配された、独占事業だと批判しました。
〈つづく〉

http://energy.aol.com/2012/11/27/decentralized-renewable-energy-systems-will-make-us-less-vulnera/
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巨大設備によって発電した電気を、長大な送電網を使って送電する。
それはもう時代遅れだ、と明快に結論を出しています。

この考えに立てば、電力不足と原子力発電の稼働停止は関係が無くなります。
どころか、「燃料費が高い」と大騒ぎしている火力発電も必要ありません。

要するに大規模発電・電力の独占さえ止めれば、電気の安定供給が可能になるという、日本人にとっては『目から鱗』の論理が、アメリカ・ニューヨーク州知事によって明快に語られているのです。

再生可能エネルギーの技術が進歩し、その発電コストが下がり続けている現在、大規模システムによって発電した電気を、長大な送電網を設備して独占販売するやり方に、合理性はもう無くなってしまったのです。

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【 冬景色 】

アメリカNBCニュース 12月4日
(写真をクリックして、大きな画像をご覧ください)


ブリザードに見舞われたストックホルム市内。12月3日、スウェーデン。


ストックホルム市内。12月3日。


スコットランドのスターリング城の墓域。12月3日、イギリス。


ベルギー西部のオートファーニュ。12月2日。


フランス、ヴァルトラン。11月30日。

 

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ほんとうの「今」を知りたくて、ニューヨークタイムズ、アメリカCNN、NBC、ガーディアン、ドイツ国際放送などのニュースを1日一本選んで翻訳・掲載しています。 趣味はゴルフ、絵を描くこと、クラシック音楽、Jazz、Rock&Pops、司馬遼太郎と山本周五郎と歴史書など。 @idonochawanという名前でツィートしてます。
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