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自民党はこれからも『原子力ムラ』の肩を持ち続けるのか、その見識がこれから問われる《前篇》

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所要時間 約 7分

【 ニッポン、これからのエネルギー 】
福島第一原発の事故後も、圧力をかけることを止めない『原子力ムラ』
多くの日本人は、安全で平和なより良い将来のため、原子力発電を廃止したいと考えている

エコノミスト 9月21日

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今週、日本国内でただ1か所稼働していた原子力発電所が停止しました。
本州の日本海側にある大飯原発3号機、4号機が定期保守点検と安全検査のため停止しました。

この大飯原発の3号機、4号機に加え、福島第一原発で3基の原子炉がメルトダウンを起こしたことが原因となり、以降停止が続いている国内の50基の原子炉の再稼働がいつ行われるか、確実なことは何も決まっていません。
2011年3月、巨大地震と巨大津波が東日本各地に壊滅的被害を与える以前、日本は国内の電力の30%を原子力発電で賄う、世界有数の原子力発電大国でした。

そして今、1970代以降、2度目となる全原子力発電所の停止という事態を迎えました。

昨年12月に政権の座に返り咲いた自由民主党は、全ての原子力発電所の一時停止による、経費の増大を警告しています。

経済産業省は原発を停止している分、代替の火力発電に必要な原油、天然ガス、石炭の燃料の輸入代金として2013年末までに、日本は9兆2000億円(約930億ドル)の追加出費が必要になるとの試算を明らかにしました。
これに急激な円安と石油価格の上昇が日本経済にとっては逆風となり、この30年間で初めて貿易収支が赤字に転落しました。

第一原発大規模工事
日本国内の企業、そして消費者は世界有数の高額な電気料金を請求される事態となっています。

こうした状況を背景に、電力事業分野の運命共同体である日本の電力会社、政府官僚、一部の研究者、そして重工業各社、いわゆる日本の『電力ムラ』は、自民党に対し原子力発電所を再稼働させるよう圧力を強めています。

安倍晋三首相は、可能ならその願いをすぐにでも容れたいという立場です。

今年の始め、安倍政権は日本のエネルギー政策から、原子力発電の削減という方針を削除しました。

福島第一原発の事故をきっかけに大きな盛り上がりを見せた首相官邸前の抗議行動は、参加者が減少し、原子炉の再稼働に向け道は開かれているように見えました。

しかし実際の状況は、そんな単純なものであるはずがありません、

まずは福島第一原発の事故を受け、権限が強化された原子力規制委員会の存在があります。
原子力発電所の再稼働させるためには、原子力発電が活断層その他の要件を検証した脱上で、安全と判断する必要があります。
世界の巨大地震の5分の1が集中する日本の地震を引き起こす、その主な原因となっているのが活断層です。

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さらには原子力発電所が立地する周辺の市町村の了解を取り付ける必要がありますが、多くの日本人が安全で平和な、つまりはより良い将来のため、原子力発電を廃止したいと考えています。

そこへ持ってきて、今回の福島第一原発の一連のトラブルの発生が、原子力発電にとっての状況を一層不利なものにしました。
最近になって毎日数百トンもの放射能汚染水が太平洋に流れ込んでいた事実が発覚し、いち早い再稼働などという目論見は消し飛んでしまいました。

こうした状況を考えれば、安倍首相ならずとも慎重にならなければなりません。
もし原子力規制委員会が日本で最も古く、危険な原子力発電所の再稼働は認められないと決定すれば、自民党といえどそれを覆すことは許されません。

人員不足に悩む原子力規制委員会は、再稼働を早めたいとの意図から、新たな安全基準の策定を急ぐよう政治的な圧力を受けました。
しかし、活断層の上の原子炉については監視を怠らないようにしています。

そして安倍首相も、原子力発電に反対する国民感情をなだめるには至っていません。
首相にとって原子力発電所が立地する、各地の市町村は問題ではありません。
これまで政府と電力会社は、僻地にある経済的にも恵まれない地区で気前よくカネをばらまき、あらゆる問題を金で解決し、原子力発電所を建設してきました。
これら原子力発電所が立地する市町村の中からは、再稼働を求める声も上がっています。

CBS 再稼働反対
しかし、少し原子力発電所から離れてしまえば、事情は異なり、反対意見が積み上がる一方です。

本州北西部にある新潟県には世界最大規模の柏崎刈羽原子力発電所がありますが、同県の泉田裕彦知事は県民の70%が同原発の再稼働に反対していると語ります。
泉田知事はもし原子力規制委員会が再稼働の許可を与えた場合、新潟県知事にはそれを止める権限は無いと語っています。

それでも圧倒的人気を誇る地元の政治家たちは、日本政府や電力会社と対等に渡り合おうと必死の構えでいます。
〈 後篇に続く 〉

http://www.economist.com/news/asia/21586570-shadow-fukushima-worlds-worst-nuclear-disaster-after-chernobyl-hangs-over-japans-energy
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原子力発電の新しい安全基準、国内の報道だと「原子力発電所の安全を一日も早く実現するために」という論調でしたが、欧米のメディアは「一日も早い再稼働のため」だとしています。
こうした『見解の相違』も興味深いところです。

平明に見れば、日本の産業界が原子力発電に巨額の投資を行なったことは、『欲に目がくらみ、合理的に未来を見通すことが出来なかった』ということになるでしょう。
それを一日も早く認めることが、これ以上傷口を広げないことにつながる、合理的な判断をお願いしたいところです。

 

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