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緊急警報【 原子炉4号機からの核燃料取り出し、今のやり方で問題は無いのか? 】

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所要時間 約 8分

取り出し作業は東京電力まかせにせず、世界の専門家を現地に派遣し、その監視の下で行うよう要求する声
東京電力の構造改革、安倍政権による原子力発電所の再稼働推進の援護が目的
安倍晋三首相は出来るだけ多くの原発を、出来るだけ早く再稼働させる構え
『原子力ムラ』とのつながりが『あまりに強すぎる』安倍政権

エコノミスト 11月19日

原子炉4号機核燃料キャスク
多数のがれき、ねじ曲がった金属片などが無数に散乱し、未だに混乱の中にある福島第一原子力発電所において、原子炉4号機の外見はそれほどひどくないように見受けられます。
2011年3月地震と津波に襲われた際、水素爆発によって屋根と外壁を吹き飛ばされ、破壊の跡も無惨な4号機原子炉建屋のこれ以上の破壊を防ぐため、現在鋼鉄製のフレームが建造されています。
しかしそれでも原子炉建屋全体は安全とは言えず、その上層階にある使用済み核燃料プールは特に危険な存在です。

11月、東京電力はこの使用済み核燃料プール内にある、約1,500体の核燃料アセンブリの取り出し作業を開始しました。
取り出した後、核燃料アセンブリは別の場所にあるより安全な共用プールに収納される事になります。

プールの上にはクレーン、そして放射線量が危険な値になったときに警告を発する黄色の警告灯がが据え付けられています。

専門家の指摘によれば、いよいよいこれまでの事故収束・廃炉作業の中で最も危険な作業が始まる事になります。

東京電力執行役員福島第一原子力発電所長 小野 明氏は、核燃料の取り出し作業は原子力発電所においては、日常的な作業だと語ります。
担当するものは火災の危険、地震による損傷、プール内の水の喪失などを防ぎながら、一切のミスを置かす事無く核燃料アセンブリを取り出す作業を行わなければなりません。
核燃料アセンブリは冷却されなくなれば、あるいは衝突などの衝撃を受ければ発火して火災を起こす危険性を持っています。

spiegel07
福島第一原発を所有している東京電力は、同社に対する社会的信用が低下しきった、まさにそのタイミングで核燃料アセンブリの取り出し作業を行う事になりました。

今年になって連続して発生した高濃度汚染水の漏出事故、そして原子炉を危険な状態に追い込む可能性のあった電源喪失 - ネズミの侵入が原因のあの事故を含む数々の事故・トラブルの結果、東京電力に厳しい社会的非難が集中しました。
7月には日本の原子力規制委員会が福島第一原発における高濃度汚染水の漏出事故を、7段階ある世界事故基準のレベル3に指定しました。

そして現在、4号機からの核燃料アセンブリの取り出し作業を東京電力にまかせきりにせず、世界から専門家を現地に派遣し、その監視の下で行うよう要求する声があがっています。

今に至っても尚原子力発電支持の立場を変えようとしない自由民主党でさえ、40年以上の歳月を要する福島第一原発の事故収束・廃炉作業を、東京電力まかせには出来ないと判断を下しました。
東京電力の社員を含めた事故収束・廃炉作業専門の機関を立ち上げ、これを東京電力の商業部門から切り離す案が浮上しています。

経営上の問題も含め、ここで東京電力の構造改革を行う事は、現政権の原子力発電所の再稼働への取り組みを援護する事になります。
現在日本国内では原子力発電所はすべて停止していますが、この状況は長くは続かないと思われます。

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安倍晋三首相は原子力規制委員会が行う新たな安全基準による審査が住み次第、出来るだけ多くの原子力発電所を、出来るだけ早く再稼働させる構えでいます。
燃料輸入量の増大は発電コストを押し上げ、2011年以降の日本の貿易赤字の主な原因となっています。
今年9月、東京電力は世界最大の原子力発電所である柏崎刈羽原子力発電所を再稼働させるため、安全審査を申請するため新潟県知事の同意を取り付けました。
もし柏崎刈羽原子力発電所が再稼働する事になれば、その後次々と原子力発電所の再稼働が認可される事になるでしょう。

日本国民の間には、たとえ新基準の安全審査に合格しても、原子力発電所の再稼働に反対する声があります。
「にもかかわらず、その声がなかなか表立っては取り上げられることがありません。」
こう語るのは日本の反原子力団体である原子力情報室の伴英幸事務局長です。
今後20年間には耐用年限の到来等、様々の事情により現行の原子力発電所は廃止にされるはずであるにもかかわらず、原子力発電施設を段階的に削減していくべきであるという見解に、公式の合意は未だに形成されていないのです。

Koizumi2
そこに割って入ったのが、かつて人気の高かった自民党の小泉純一郎首相でした。
彼は原子力発電を直ちに廃止するよう、呼びかけました。
彼の記者会見がテレビで放映された後に実施された世論調査では、小泉氏の意見を支持すると答えた人は5分の3に上りました。
東京テンプル大学のジェフ・キングストン氏は、小泉氏は未だに人々の心をつかむ術を心得ていると語りました。

しかし安倍政権が、国民のこうした声に耳を傾ける事はなさそうです。
安倍内閣と『原子力ムラ』とのつながりが『あまりに強すぎる』からです。

大企業は声を揃えて原子力発電所の再稼働を求めています。

小泉元首相のアプローチは、山本太郎議員に比べれば、きわめてオーソドックスです。
皇居での園遊会で新たに議員となった山本氏は、天皇陛下に福島第一原発の災害に苦しむ人々の状況を綴った書簡を、直接手渡すという挙に出ました。
この行動に従来からの権力層は反発、行き過ぎた行為だとして厳しく指弾しました。
しかし天皇皇后両陛下だけは、山本議員と親しく会話されていました。

山本太郎
原子力発電を巡る日本のドラマは、まだまだ終わってはいないのです。

http://www.economist.com/news/asia/21589912-riskiest-part-yet-fukushima-clean-up-soon-begin-high-alert
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福島第一原発の事故を反省どころか、『悪用』しようとしている、そうとしか思えない政治が続いています。
それもしばらくは国政選挙が無いというタイミングを利用して。
まさに国民の意を体するのではなく、自民党の派閥の領袖の一人が口にしたように「我々の思い通りにさせてもらう」政治が形になってしまいました。

私たち自身が、声を挙げていかなければならないと思います。
英語が得意な人は英語で、フランス語が得意な人、ドイツ語が得意な人、スペイン語、イタリア語、アラビア語…、とにかく一人でも多く声を挙げていきましょう!

 

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