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【 経済成長の美名の下、大型公共事業を『大復活』させた安倍政権 】《前篇》

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所要時間 約 7分

日本の『成長』を支えてきたもの、それは政府による多額の財政支出だった
利益誘導政治をはびこらせ、国中を穴だらけにして不要不急の道路、橋、ダムなどを建設、国の公的負担を積み増していく
日本の経済回復は大規模な公共投資に、危険なほど依存することになってしまった

田淵ひろ子 / ニューヨークタイムズ 12月8日

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牧歌的田園風景が広がる九州地方の一角で、封印されていたはずの熱狂的建設ブームが解放され、ブルドーザーが地響きを立てながら動き出しました。
かつて何度も見せられた光景の再来に、気が滅入るような何とも言えない気分に襲われました。

日本を再び成長軌道に乗せたという評判が喧しい安倍首相の『アベノミクス』、佐賀県にもたらした変化、それはほとんど唯一、道路沿いそして水路沿いに工事現場用の三角コーン、そして『工事中』の看板を大量に並べることでした。

地元の人々はこの建設ブームを見て、トラブル続きだった1990年代をほうふつとさせるものだと語りました。
当時首都から遠く離れた国内各所で、往時の成長と繁栄を取り戻すべく、湧くようにして熱狂的建設ブームが巻き起こっていたのです。
そしてかつての失敗同様、今回もまた成長が成し遂げられることは無いだろうと懸念しています。
「この建設ブームはいったいいつまで続くのだろうか?また同じ心配を繰り返すことになりそうです。」
佐賀市の中心部から数キロ離れた場所で、灌漑用の水路の改良工事に従事する松尾正孝さんがこう語りました。

日本は今年、長く続いてデフレからの脱却を目指して一連の大胆な政策を実施し、世界の先進国の回復を上回るペースで驚くべき成長物語を実現しました。
安倍首相がやったのは広範囲にわたる市場改革を約束するとともに、日本銀行からポンプで金を汲み上げ大量の貨幣を流通させるやり方であり、脚光が集まった投資部門が活況を呈することになりました。

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しかし一部の経済学者は、日本の経済回復は大規模な公共投資に危険なほど依存することになってしまったと警鐘を鳴らしています。

これまで大規模な公共事業は、利益誘導政治をはびこらせ、国中を穴だらけにしてほとんど使われることの無い道路や橋、ダムなどを建設し、国の公的負担を積み増してきました。

12月5日、安倍政権は来たるべき消費税増税をきっかけとする一般消費の冷え込みに備え、公共事業の拡大を柱とする5兆5000億円の新しい景気刺激策を発表しました。

しかし一部の経済学者は、インフラ整備に大量の資金をつぎ込んでも、持続的な日本経済の成長を支えることにはならないと警告しています。

大規模な金融緩和政策が実体経済を押し上げ、日本経済が『崖から落ちる危険』は成長によって回避されたという点については限られた証拠しか無い、SMBC日興証券のチーフ戦略家の森田氏がそう語りました。

最近明らかになった数字は、こうした見方を裏づけているようです。

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大規模な金融緩和策が実施されているにも関わらず、9月までの3ヵ月間、個人消費支出は前の四半期をわずか0.2パーセント上回っただけであり、設備投資は横ばいでした。
輸出総額から輸入総額を差し引いた正味の輸出額は、0.6パーセント下落しました。

しかし株価は上昇を続け、今年初めに比べると50%値上がりしています。
値上がりの理由は『輸出の好調により、輸出業者の利益が向上している』というものです。

しかし株価の上昇は一般世帯の支出額を押し上げることはありませんでした。

成長を押し上げたのは多額の公共事業への出費でした。
前四半期に比べ6.5%という極めて早いペースで金額が積み増されたことを、細心の数値が明らかにしました。
結局前期と比較した今期の成長率は、最初の目標であった0.5%から0.2%へと引き下げられることになったのです。

「日本の成長を支えてきたもの、それは政府による多額の財政支出だったのです。」
BNPパリバのエコノミストである河野氏が、最近明らかにした見解です。

冒頭にご紹介した人口850,000人の小さな県である佐賀県こそは、日本政府が気前よく多額の金をつぎ込んで公共事業を推し進めている、その事実の目撃者です。

1990年代のいわゆる『失われた10年』の間、ここ佐賀県では莫大な額の公共投資が行われました。
日本政府は経済の落ち込みを回避しようと、数年に渡ってアメリカ合衆国の軍事予算総額を上回る金額の公共事業を行っていたのです。

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佐賀県は新しい空港を建設し、ほとんどあらゆる川をせき止めてダムを建設し、燦然と輝くビジターセンターと100基の歴史的建造物を備えた約80万平方メートルの美しい観光施設をオープンさせたのです。
建築ブームのピーク時、佐賀県では労働者の9人に1人が、建設現場で働いていました。

しかし2000年代前半、改革派の首相が出費の削減に取り組み始め、佐賀県などの地方は困窮するがままにされました。
2009年、民主党が政権を握ると、日本政府の支出を「コンクリートから人間に振り向ける」と宣言しました。
そして2012までに公共事業への投資額は、1998年のピーク時と比較して3分の1にまで落ちました。 佐賀県内の建設会社のほぼ5分の1は閉鎖されるか、倒産してしまいました。
地域経済は疲弊の極に達したのです。

〈後篇に続く〉

http://www.foxnews.com/world/2013/12/15/japan-lacks-decommissioning-experts-for-fukushima-nuke-crisis-with-none-at/
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大型公共工事を次々と行って公的負債を増やし続ける
核廃棄物の問題をほとんど無視したまま原発を再稼働させる
多額の軍事予算をつぎ込んで、10年先、20年先には陳腐化してしまう『最新鋭兵器』を大量に買いそろえ、公的負債を増やし続ける

結局安倍政権の『政策』とは、負担をすべて将来の世代に押し付けることではないか!
というのがこの記事の前編を読んでの感想です。

そして日本の公共事業投資の恐ろしさも身に染みて感じました。

 

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