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潜入調査が明らかにした原子力発電所の重大なリスク

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所要時間 約 7分

武器を持たない者にも都市や地方を破壊できるほどのダークパワーを与える原子力発電所

下請けへの過剰な依存、テロ攻撃に対する脆弱性、発電所職員のストレス…増加する原発リスク

 

ドイチェ・ヴェレ 2018年5月7日

フランスフラマンビル原子力発電所(冒頭の写真)

 

下請けへの過剰な依存、テロ攻撃に対する脆弱性、発電所職員のストレスなどの問題が今、フランスの原子力発電網のリスクとして指摘されています。

グリーンピースは何例もの潜入調査を行いその結果をまとめ、こうした危険の存在を明らかにしました。

 

フランスは、世界で最も原子力に依存する国であり、19の原子力発電所で58基の原子炉を動かし、全電力の75パーセントを発電しています。
しかしこれらのプラントの多くは経年劣化が進み、しかも新しい原子炉でさえ多くの重大な問題に悩まされています。

環境団体グリーンピースによって実施された一連の潜入調査の後フランスの原子力発電所の脆弱性が明らかになり、2018年2月フランスの議会はこの問題の調査を開始しました。
その調査報告書が今年5月に公刊されたのです。

 

これまで5カ月にわたり、フランスの各政党のメンバーによって編成された議会調査委員会は、専門家からの聞き取り調査を行うとともに、フランス全土に加え日本の多くの原子力発電所を視察しました。

 

▽ 3つの主要なリスク要因

 

この委員会が確認したものは安全性ではありませんでした。
委員たちは見逃すことのできない危険な分野が3つあることを確認しました。

ひとつは原子炉の建造および保守に関する下請け業者への依存が過剰になっている点です。

 

もう一つはテロ攻撃に対する防衛能力が低いこと。

 

そしてストレス過多に陥った操作員が大事故を誘発させる危険性の高さですが、これは2015年にフランスの山岳地帯に意図的に乗客が乗ったジェット旅客機を墜落させ全員を死亡させたドイツ人パイロットの例から「ジャーマンウィングス・シンドローム」と名付けられています。

 

国会議員は、近年になって原子力発電所の安全問題の発生件数が「着実に増加している」と指摘し、現状を改善するため33の対応策の導入を推奨ました。

その中には、下請け業務を減少させること、警察による警備強化、原子力発電所職員の精神状態の詳細かつ的確な把握などが含まれていました。

 

▽ 原子力発電所はチョコレート工場ではない」

 

この報告書はさらに、偶発性の高い機械の暴走や材料破壊など特定の事態を想定した危険対策は準備する必要がないと主張する事業者が、未だにいることについての問題点も指摘しています。

 

ほぼ国有企業と言って良いフランスのEDF(Electricity of France - フランス電力)社は世界最大の発電事業者でもありますが、フランス国内全地域の原子力発電所の管理運営を行っています。

 

このEDFが、フランス国内ほとんどの原子力発電所の取引業社であり、数十年間ル・クルーゾ・フォージュで製造記録を改ざんしていたことが暴露され財政難に陥っていたアレバ社を買収しました。
同社は現在、Framatome(フラマトム)と名前を変えて運営されています。

フランスの近隣諸国はまた、ドイツ、ルクセンブルクとの国境付近にあるカトゥノムの原子力発電所の安全性についても懸念を募らせています。(写真)

 

▽ 鳥だ!飛行機だ!...いや、スーパーマン模様のドローンだ!

 

テロリストによる脅威が現実のものであるということは今年5月、グリーンピースの活動家がスーパーマンの塗装を施したドローンをリヨン近くのブジェイ原子力発電所上空を飛行させたことにより強調されることちになりました。
この時に制作・撮影されたバーチャル映像では、ドローンが無人機がブジェイ原子力発電所の高レベル放射性核廃棄物を貯蔵する使用済み燃料プールを収容する建物の側面に衝突する様子が映し出されました。

 

これに対しEDF側は警察が2機のドローンのうち1機を捕獲したと主張していますが、グリーンピース側はフランスの原子力発電所は「容易に侵入可能であり、外部からの攻撃に対して非常に脆弱である」と述べました。

 

議会調査委員会の報告書は、
「フランスの原子力施設は建設当時、テロリズムは深刻な脅威ではなかったため、テロ攻撃に耐えられるようには設計されていない」
と指摘しました。

▽ 未解決のままの疑問

 

EDFは議会調査委員会の報告書には「多数の誤り」があり、同社として7月中旬までに報告書に対する見解を明らかにすると約束しました。
しかし議会調査委員会の国会議員たちは、EDFもフランス原子力行政当局も国家の安全保障を理由に委員会の質問や要望について返答していないと批判しました。

 

議員たちはEDFとフランス原子力行政当局のこうしたやり方が、本当の問題の存在を闇の中に隠されたままにしていると感じています。
与党『共和国前進』のバーバラ・ポンピリ氏は、「原子力発電所を保護するために多くの作業が行われたはずなのですが、それを確認できずにいます。」

 

エマニュエル・マクロン大統領は前任のオランド大統領の路線を引き継ぎ、フランスの原子力発電依存を削減して再生可能エネルギーに置き換えていくことを公約していますが、現時点でそのための具体的な方針は明らかにされていません。

 

https://www.dw.com/en/french-nuclear-power-plants-pose-a-grave-security-risk-lawmakers/a-44546734

 

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